JP4734635B2 - 磁性薄膜の形成方法 - Google Patents
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Description
このような背景のもとで現在注目されている磁気記録媒体が、パターンドメディアと呼ばれる自己配列型の磁性体ドットアレイであるIBM社は、FeとPtとを含む2種類のポリマーを反応させ、FexPt1-x からなる合金粒子の周りをポリマーが覆ったコロイドを生成し、これを基板に塗布して熱処理することによりFexPt1-x の磁性粒子が一定間隔で並んだドットアレイを形成した(非特許文献1参照)。
Science,2000.3.17.Vol.287,pp1989
すなわち、FexPt1-xからなる磁性微小粒子が非磁性マトリックス中にドットアレイ状に形成された磁性薄膜の形成方法であって、Feと非磁性材からなるターゲットを用いたスパッタリングを施して、下地上に、前記非磁性材からなるマトリックス中にFeのドットアレイが形成された薄膜を成膜する工程と、前記薄膜を加熱した状態で前記薄膜にPtをスパッタリングし、前記ドットアレイに形成された各々のFeドットにPtを拡散させ、前記非磁性材からなるマトリックス中に、FexPt1-xからなるドットアレイが形成された磁性薄膜を形成する工程とを有することを特徴とする。
本発明における磁性薄膜の形成方法は、基板(下地)の上にFeの微小粒構造(Granular
structure)を備えた薄膜を成膜し、次いで、この薄膜の表面にPt薄膜を成膜することにより、FexPt1-xからなる磁性微小粒子(磁性ナノ粒子)が、非磁性マトリックス中にドットアレイ状に形成された磁性薄膜を形成することを特徴とする。
本実施形態において磁性薄膜を形成するターゲットとして使用した非磁性材はCuとAgである。図1と図2に、FeとCu、FeとAgをそれぞれターゲットとしてガラス基板上に成膜した薄膜の電子顕微鏡写真を示す。なお、図1は、Fe75Cu25からなるターゲットを使用した場合、図2は、Fe75Ag25からなるターゲットを使用した場合である。いずれの場合も、ガラス基板の温度を室温とし、薄膜の厚さは20nmである。
このように、FeとCuあるいはFeとAgの2元素をターゲットとしてスパッタリングすることによって数十nm程度の微小なドットとしてFeが形成されるのは、700℃以下の温度においては、FeとCu、FeとAgとが完全に不共溶であるためである。
なお、上述した方法により、薄膜を成膜した際のFeのドットの大きさ、ドット間距離は、ターゲットの組成およびスパッタリングの際の基板の温度に依存する。したがって、ターゲットの組成およびスパッタリング条件を適宜調節することによって、Feのドットの大きさおよびドット間距離を調節することが可能である。
ドットアレイ状に形成された各々のFeドット中にPtを拡散させるには、薄膜を所定温度以上に加熱し、スパッタリングによってPtを薄膜20の表面に成膜すればよい。所定の熱エネルギーとスパッタリングされたイオンのエネルギーによって、PtがFeドット中に拡散して各々のFeドットがFexPt1-xからなる磁性微小粒子となる。
図6(a)は、Feドット22と非磁性材部24が形成された薄膜20の表面にPt薄膜30を成膜した状態を示す。図6(b)は、薄膜20の表面に形成されたPt薄膜30からPtがFeドット22中に拡散してFexPt1-xドット22aと非磁性材部24が形成される様子を説明的に示している。
また、図8は、図7に示す薄膜についてのX線回折測定結果を示す。この図8に示すグラフは、薄膜20にPtをスパッタリングしたことによって、Feドット22がすべてFePt(001)、FePt(111)に置き換わったこと、非磁性材のCuがそのまま残留したことを示す。
すなわち、Feがドットアレイ状に形成された薄膜にPtをスパッタリングすることにより、Ptは選択的にFeドット中に拡散し、FeドットがFePtドットに置換され、非磁性材からなるマトリックス中にFePtドットがアレイ状に配置された磁性薄膜が得られる。薄膜20に対するPtのスパッタ量は適宜調節することが可能であるからFePtドットの組成比について調節することも容易である。
図10に示すFePt・Cuについての磁化曲線は、面に垂直方向と平行方向での保持力が全範囲にわたってほとんど変わらないことを示している。この測定結果は、図8に示すX線回折の測定結果と矛盾せず、上記方法によって得られた磁性粒子の結晶軸方向がほぼランダムとなり、磁性薄膜は全体として等方的な磁気特性を備えているということができる。一方、図11に示すFePt・Agについての磁化曲線は、面に垂直方向と平行方向での保持力に若干の差異が見られる。このことは、図9に示すX線回折の測定結果において、FePt(111)の強度がFePt(001)と比較して強くあらわれていることと矛盾せず、FePt・Ag薄膜の場合は、磁気的な特性としてある程度の方向性があるものと考えられる。
20 薄膜
22 Feドット
22a FexPt1-xドット
24 非磁性材部
Claims (3)
- FexPt1-xからなる磁性微小粒子が非磁性マトリックス中にドットアレイ状に形成された磁性薄膜の形成方法であって、
Feと非磁性材からなるターゲットを用いたスパッタリングを施して、下地上に、前記非磁性材からなるマトリックス中にFeのドットアレイが形成された薄膜を成膜する工程と、
前記薄膜を加熱した状態で前記薄膜にPtをスパッタリングし、前記ドットアレイに形成された各々のFeドットにPtを拡散させ、前記非磁性材からなるマトリックス中に、FexPt1-xからなるドットアレイが形成された磁性薄膜を形成する工程と
を有することを特徴とする磁性薄膜の形成方法。 - 前記ターゲットとして、FeとCuからなるターゲットを使用し、Cuのマトリックス中にFeのドットアレイが形成された薄膜を形成し、
次いで、前記薄膜を加熱した状態で前記薄膜にPtをスパッタリングして、Cuのマトリックス中に、FexPt1-xからなるドットアレイが形成された磁性薄膜を形成することを特徴とする請求項1記載の磁性薄膜の形成方法。 - 前記ターゲットとして、FeとAgからなるターゲットを使用し、Agのマトリックス中にFeのドットアレイが形成された薄膜を形成し、
次いで、前記薄膜を加熱した状態で前記薄膜にPtをスパッタリングして、Agのマトリックス中に、FexPt1-xからなるドットアレイが形成された磁性薄膜を形成することを特徴とする請求項1記載の磁性薄膜の形成方法。
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