JP4734612B2 - 軸加工機構、この機構を採用した加工装置および砥石車 - Google Patents
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Description
特許文献1には、鉛直なZ軸を中心に回転駆動される導電性砥石と、ワークを水平なX−Y面内で移動させるX−Yテーブルと、砥石の外周面に近接して設けられかつZ軸を中心に自由回転可能な電解用電極と、電極をワークから離れた位置に案内する電極案内装置とを備えた研削装置が開示されている。
この研削装置は、電極と砥石との間に導電性研削液を流し、砥石を電解ドレッシングで目立てしながら、ワークを砥石に接触させて加工するものである。
そして、特許文献1には、微細な砥粒を含む導電性砥石の目詰まりを防止することができるので、加工抵抗を大幅に低減することができ、軸径の細い微細ピンであっても加工できる旨の記載がある。
そして、特許文献2には、この研削装置では、砥石移動装置により、各砥石を、ワークに向けて軸対称又は等間隔に同期して移動させ、ワークをその軸の両側から挟んで加工するので、研削時におけるワークの変形を砥石自体により抑制することができる旨の記載がある。
一方、特許文献2の技術では、ワークをその軸の両側から挟んで加工するので、ワークの半径方向において、砥石がワークに接近していく方向に沿った撓み等はある程度は防ぐことはできる。しかし、ワークの回転軸と砥石の回転軸とが平行であるから、砥石の回転力に起因してワークの半径方向に沿った力がワークに加わる。すると、この力に起因して発生するワーク半径方向の撓みや歪みは防ぐことができない。しかも、砥石の回転力に起因してワーク周方向の力も加わるので、ワークがねじられたりひねられたりして変形する可能性がある。
第1発明の軸加工機構は、軸状部材を、その先端が自由端となるように基端を保持する軸保持手段と、該軸保持手段に保持された前記軸状部材の側面、軸径が30μm以下となるように研磨する一対の砥石車を有する研磨手段とを備えており、前記一対の砥石車は、その回転軸周りに形成された外周面が前記軸状部材の側面を研磨する面となっており、該研磨手段は、前記一対の砥石車を、その回転軸が、前記軸保持手段に保持された状態における前記軸状部材の中心軸と直交する面上において互いに平行となるように保持する砥石車回転部と、前記一対の砥石車の外周面間に前記軸状部材を配置した状態において、前記一対の砥石車を、前記軸状部材の中心軸と直交する方向に沿って外周面同士が互いに接近離間するように移動させる砥石車移動部とを備えており、前記砥石車回転部は、前記軸状部材を前記一対の砥石車間に配設した状態において、該一対の砥石車における前記軸状部材側に位置する外周面が同じ方向に移動するように該一対の砥石車を回転させることを特徴とする。
第2発明の軸加工機構は、第1発明において、前記砥石車回転部は、前記軸状部材を前記一対の砥石車間に配設した状態において、該一対の砥石車における前記軸状部材側に位置する外周面が該軸状部材の基端から先端に向かって移動するように該一対の砥石車を回転させるものであることを特徴とする。
第3発明の軸加工機構は、第1または第2発明において、前記軸保持手段は、前記軸状部材をその中心軸周りに回転させる軸状部材回転機構を備えていることを特徴とする。
(加工装置)
第4発明の加工装置は、被加工部材に対して貫通孔を形成する加工装置であって、前記被加工部材を保持する保持テーブルと、該保持テーブル上に配置された前記被加工部材を挟むように配設されたパンチおよびダイスと、前記パンチを保持し該パンチを前記ダイスに向けて移動させるパンチ移動機構とを備えた貫通孔形成手段と、前記パンチを加工する軸加工機構と、該軸加工機構を、前記貫通孔形成手段のパンチ移動機構によって前記パンチが移動される経路と該経路から離間した位置との間で移動させる軸加工機構移動手段とからなり、前記軸加工機構は、前記パンチ移動機構に保持された状態における前記パンチの側面を研磨する一対の砥石車を有する研磨手段を備えており、前記一対の砥石車は、その回転軸周りに形成された外周面が前記軸状部材の側面を研磨する面となっており、該研磨手段は、前記一対の砥石車を、その回転軸が、前記軸保持手段に保持された状態における前記軸状部材の中心軸と直交する面上において互いに平行となるように保持する砥石車回転部と、前記一対の砥石車の外周面間に前記軸状部材を配置した状態において、前記一対の砥石車を、前記軸状部材の中心軸と直交する方向に沿って外周面同士が互いに接近離間するように移動させる砥石車移動部とを備えており、前記砥石車回転部は、前記軸状部材を前記一対の砥石車間に配設した状態において、該一対の砥石車における前記軸状部材側に位置する外周面が同じ方向に移動するように該一対の砥石車を回転させることを特徴とする。
第5発明の加工装置は、第4発明において、前記砥石車回転部は、前記パンチを前記一対の砥石車間に配設した状態において、該一対の砥石車における前記パンチ側に位置する外周面が該パンチの基端から先端に向かって移動するように該一対の砥石車を回転させるものであることを特徴とする。
第6発明の加工装置は、第4または第5発明において、前記ダイスは、前記被加工部材を加工する前に、前記貫通孔形成手段のパンチ移動機構によって前記パンチを前記ダイスに向けて移動させることによって前記パンチが挿通される孔が形成されたものであることを特徴とする。
第7発明の加工装置は、第4、第5または第6発明において、前記パンチの寸法を測定する機上測定器を備えており、該機上測定器は、前記貫通孔形成手段のパンチ移動機構によって前記パンチが移動する経路と該経路から離間した位置との間で移動可能に設けられていることを特徴とする。
第8発明の加工装置は、第4、第5、第6または第7発明において、前記パンチ移動機構は、前記パンチをその中心軸周りに回転させる軸状部材回転機構を備えていることを特徴とする。
第9発明の加工装置は、第4、第5、第6、第7または第8発明において、前記被加工部材の上面が同一平面上を移動するように前記テーブルを移動させるテーブル移動手段を備えていることを特徴とする。
第1発明によれば、一対の砥石車によって軸状部材をその側方から挟んで加工するので、軸状部材の半径方向への撓みを一対の砥石車によって抑えることができる。また、一対の砥石車の回転軸が軸状部材の中心軸と直交する面に配置されており、軸状部材を一対の砥石車の外周面間に挟んで、軸状部材側に位置する外周面が同じ方向に移動するように回転させて研磨するので、一対の砥石車の回転力に起因する力は、軸状部材の軸方向に沿ってのみ発生し、軸状部材の半径方向や周方向には発生しない。すると、一対の砥石車の回転に起因する軸状部材の半径方向への撓みや歪み、ねじりやひねりの発生を防ぐことができるので、軸径が細い軸状部材であっても損傷することなく精度よく製造することができる。
第2発明によれば、一対の砥石車はその軸状部材側に位置する外周面が軸状部材の基端から先端に向かって移動するように回転するので、一対の砥石車の回転に起因する軸状部材の半径方向への撓みや歪み、ねじりやひねりの発生を防ぐことができる。
第3発明によれば、軸状部材をその中心軸周りに回転させながら軸状部材の側面を加工することができるので、円形断面を有する軸であっても加工することができる。
(加工装置)
第4発明によれば、軸加工機構移動手段によって軸加工機構をパンチの移動経路に配置できるので、パンチをパンチ移動機構に取り付けた状態で加工することができる。すると、所望の軸径よりも太いパンチ(原パンチ)をパンチ移動機構に取り付けた後で、所定の寸法にパンチを仕上げることができる。原パンチは位置決めが容易であるから、所定の寸法に仕上げられた軸径が細いパンチをパンチ移動機構に位置決めして取り付ける場合に比べて、原パンチを加工したパンチは、その位置決めの精度が高い状態でパンチ移動機構に配設されることになる。よって、正確に位置決めされた軸径が非常に細いパンチによって被加工部材を加工することも可能となるので、孔径の小さい貫通孔であっても被加工部材に形成することができる。また、軸加工機構は、一対の砥石車によってパンチをその側方から挟んで加工するので、パンチの半径方向への撓みを一対の砥石車によって抑えることができる。また、一対の砥石車の回転軸が軸状部材の中心軸と直交する面に配置されており、軸状部材を一対の砥石車の外周面間に挟んで、軸状部材側に位置する外周面が同じ方向に移動するように回転させて研磨するので、一対の砥石車の回転力に起因する力は、パンチの軸方向に沿ってのみ発生し、パンチの半径方向や周方向には発生しない。すると、一対の砥石車の回転に起因するパンチの半径方向への撓みや歪み、ねじりやひねりの発生を防ぐことができるので、軸径が細い軸状部材であっても損傷することなく精度よく製造することができる。
第5発明によれば、一対の砥石車はそのパンチ側に位置する外周面がパンチの基端から先端に向かって移動するように回転するので、一対の砥石車の回転に起因するパンチの半径方向への撓みや歪み、ねじりやひねりの発生を防ぐことができる。
第6発明によれば、ダイスにおけるパンチが挿通される孔(ダイス穴)をパンチによって形成するので、パンチの軸径が非常に細くても、パンチの軸とダイス穴の軸、およびパンチの移動経路を完全に一致させることができる。
第7発明によれば、機上測定器をパンチの移動経路に配置できるので、パンチをパンチ移動機構に取り付けたままでパンチの寸法を測定できる。すると、パンチの検査終了後に、パンチの位置決めをしなくてもよいので、パンチの検査後、加工作業に迅速に復帰させることができる。
第8発明によれば、パンチをその中心軸周りに回転させながらパンチの側面を加工することができるので、円形断面を有するパンチであっても加工することができる。
第9発明によれば、テーブル移動手段によってテーブルを移動させれば、パンチとダイスを移動させなくても被加工部材に貫通孔を連続して形成していくことができる。すると、加工開始前にパンチとダイスとを正確に位置決めしておけば、両者の位置を正確に一致させた状態で貫通孔を順次形成できる。よって、軸径が非常に細いパンチと、孔径が非常に小さいダイスを利用しても各貫通孔を正確に形成することができるから、孔径の小さい貫通孔を複数有するプレート等であっても製造することができる。
図1は本実施形態の加工装置1の概略斜視図である。図2は被加工部材Wを加工する状況における本実施形態の加工装置1の概略説明図であって、(A)は正面図であり、(B)は(A)のB−B線矢視図である。図1および図2に示すように、本実施形態の加工装置1は、鉛直方向に沿って昇降可能に設けられた主軸2と、この主軸2の昇降方向と直交する方向、つまり水平方向に移動可能に設けられたテーブル3とを備えたものである。かかる加工装置1には、例えば、公知のマシニングセンタやNCフライス盤等を使用することができるが、上述したように作動する主軸2とテーブル3とを備えている装置であれば、本実施形態の加工装置1に採用することは可能である。
なお、主軸2は、軸保持部2aに保持された状態におけるパンチPを、その中心軸まわりに回転させる軸状部材回転機構を備えているが、その理由は後述する。
まず、テーブル3を原点復帰させた状態で、パンチPおよびダイスDを、主軸2およびダイス保持部3aに対してそれぞれ取り付ける。このとき、パンチPの中心軸とダイスDのダイス穴Dhの中心軸が同軸上に位置し、かつ、この軸が主軸2の中心軸CL(言い換えれば、主軸2の移動方向)と一致または平行となるように、両者を位置決めする(図2)。
ついで、本実施形態の加工装置1の保持テーブル5上に被加工部材Wを配置する(図2)。そして、保持テーブル5によって被加工部材Wを移動させて、被加工部材Wにおいて貫通孔hを形成する位置が中心軸CL上に配置する。
そして、被加工部材Wが所定の位置に配置されると、主軸2を昇降させる。すると、パンチPによって被加工部材Wに貫通孔hを形成することができるのである(図3(A)〜(C))。
このため、被加工部材Wにおいて貫通孔hを形成する位置を変えても、パンチPとダイスDの相対的な位置は加工開始前に位置決めした状態に保たれる。すると、パンチPとダイスDの相対的な位置を一旦正確に合わせてしまえば、軸径が非常に細いパンチPや孔径が非常に小さいダイス穴Dhを有するダイスDを使用した場合でも、被加工部材Wに複数の貫通孔hを形成したときに両者の相対的な位置にずれは生じない。
したがって、孔径の非常に小さい貫通孔h(例えば、直径1〜30μm程度)を形成する場合でも、パンチPを昇降させつつ被加工部材Wを移動させれば、被加工部材Wの異なる位置に貫通孔hを複数連続して形成することができるから、図7に示すような、複数の貫通孔hが整然と配列された金属性の多孔プレートPLを形成することができる。
しかし、上述したような孔径の非常に小さい貫通孔を正確な位置に複数形成する場合には、例えば、数値制御装置付XYテーブル等のように、0.1〜5μm程度の精度で被加工部材Wを水平に移動させることができるものを使用することが好ましい。そして、かかる保持テーブル5を使用すれば、本実施形態の加工装置1によって、半導体製造装置(流量コントローラー)、メンブレンリアクター(膜利用反応プロセス)、精密濾過膜、電気分解(電解反応電極)、バイオ(細胞分離)、食品(酵母濾過)医療(除菌濾過)等において流体を通過させる部材として使用される多孔プレートPLであっても製造することができる。
よって、多孔プレートPLの厚さTが約2〜100μm程度であっても、約1〜30μm程度の貫通孔h1を有する多孔プレートPLを形成することができる。
本実施形態の加工装置1は、上述したように、軸径の非常に細いパンチPによって被加工部材を加工することができるのであるが、軸径の非常に細いパンチPは、軸径の太いパンチPに比べて、その位置(中心軸)を上述した主軸2の中心軸CLに精度よく合わせることが非常に難しい。よって、比較的位置合わせの行い易い軸径の太いパンチ(原パンチ)をその中心軸が主軸2の中心軸CLと一致するように取り付けた上で、パンチPを所望の軸径に加工すれば、パンチPの配置を容易にしつつその位置精度も高くすることができる。
したがって、本実施形態の加工装置1によって上述したような多孔プレートPLを加工するのであれば、本実施形態の加工装置1に、装置1の主軸2に取り付けられた原パンチを主軸2に取り付けたまま所望の軸径となるように加工する軸加工機構を設けることが好ましい。
以下に、本実施形態の加工装置1に設ける軸加工機構を説明する。
図1において、符号10は本実施形態の加工装置1に設けた軸加工機構を示している。この軸加工機構10は、加工装置1のテーブル3上において、前記ダイス保持部3aおよび前記保持テーブル5から離間した位置、つまり、パンチPによる被加工部材Wの加工の障害とならない位置に設けられている。
このため、テーブル3を移動させれば、軸加工機構10を、パンチPが昇降する経路(つまり主軸2の中心軸CLの位置、図4参照)とこの経路から離間した位置(図1参照)との間で移動させることができるのである。
なお、本実施形態の加工装置1では、上記のテーブル3が、特許請求の範囲にいう軸加工機構移動手段に相当する。
この制御部16は、一対の砥石車回転部13,13を制御して、一対の砥石車12,12の回転方向や回転速度を調整することができるものである。例えば、前記一対の砥石車12,12が、中心軸CLを含む面内で互いに逆方向であって、かつ、同じ回転速度で回転するように、一対の砥石車回転部13,13を制御することができる。つまり、両者の対向する外周面同士が互いに同じ方向に移動し、かつ、同じ周速度となるように一対の砥石車回転部13,13を制御することができる。
また、制御部16は、一対の砥石車移動部14,14を制御して、一対の砥石車12,12の移動方向や移動量等を調整することができるものである。例えば、一対の砥石車12,12の中間となる位置が常に一定の位置となるように、一対の砥石車移動部14,14の作動を制御することができる。例えば、図4の状況では、一対の砥石車12,12の中間となる位置が、主軸2の中心軸CLの位置となるように制御することができる。
主軸2に加工すべきパンチPを取り付けると、テーブル3を移動させて、軸加工機構10を主軸2の下方に設置する。このとき、制御部16は、パンチPの中心軸と、一対の砥石車12,12の中間位置とが一致するように砥石車移動部14を作動させる(図4)。
なお、制御部16は、一対の砥石車12,12間の空間ARがパンチPを配置できる程度の距離だけ離れた状態となるように、砥石車移動部14によって一対の砥石車12,12を配置する(図5参照)。
このとき、制御部16は、一対の砥石車12,12におけるパンチP側に位置する外周面、つまり、一対の砥石車12,12における互いに向かい合っている周面が、パンチPの基端から先端に向かって(図5では上方から下方に向かって)移動するように一対の砥石車12,12を回転させる。
すると、軸状部材回転手段によってパンチPを回転させてもパンチPの触れ回りが発生しないから、加工前のパンチPの中心軸と加工後のパンチPの中心軸とがズレることを防ぐことができる。
なお、形成するパンチPの断面は円形断面に限られず、軸状部材回転手段によってパンチPを所定の角度ごとに加工すれば、多角形断面のパンチであっても形成することができる。例えば、多角形断面のパンチを加工する場合であれば、パンチPがを回転させる軸状部材回転手段にインデックス機構を持たせれば、断面が四角形や五角形のパンチPでも加工することができる。
また、上記のごとき軸加工機構10を備えている場合には、パンチPによってダイスDのダイス穴Dhを加工すれば、パンチPの中心軸とダイスDのダイス穴Dhの中心軸を簡単かつ確実に一致させることができるので、好ましい。
そして、このダイス穴Dhの基礎孔部Aの中心軸およびパンチPの中心軸を主軸2の中心軸CLと一致させた状態で、パンチPをダイスDに移動させる。すると、パンチPによって、縮径部Bの上端開口部の直径φ3がパンチPの軸径φ2と同じ大きさに加工される。つまり、ダイス穴Dhの上端開口部が、パンチPの軸径φ2と同じであって完全にパンチPの中心軸が一致した状態にすることができる。
そして、パンチPの軸径φ2を軸加工機構10によって加工する場合、ダイスDにダイス穴Dhを加工した後、さらに軸加工機構10によってパンチPを加工すれば、ダイスDの上端開口部とパンチPのクリアランスを調整できる。すると、パンチPによって被加工部材Wに貫通孔が形成されるときの状態を最適な状態に調整することができるので、被加工部材Wの貫通孔の加工精度を向上させることもでき、好適である。
また、図1に示すように、本実施形態の加工装置1のテーブル3上において、前記ダイス保持部3aおよび前記保持テーブル5から離間した位置、つまり、パンチPによる加工の障害とならない位置には機上測定器20が設けられている。この機上測定器20は、主軸2に取り付けられているパンチPの寸法を測定する機器である。具体的には、パンチPの軸径φ2、側面の表面粗さ、先端部外径テーパ形状部等を測定することができる機器である。この機上測定器20には、例えば、ピクセル測定方式を使った超微細加工ツール測定装置等を採用することができるが、上記形状等をナノオーダの精度で測定できるものであれば、とくに限定されない。
この機上測定器20も、テーブル3上に設けられているので、前記軸加工機構10と同様に、テーブル3を移動させれば、パンチPが昇降する経路(つまり中心軸CLの位置)とこの経路から離間した位置との間で移動させることができるのである。
つぎに、軸加工機構10に使用する砥石車12を、図8に基づいて説明する。
図8に示すように、砥石車12は、略円筒状に形成された複数の砥石12aと、この複数の砥石12aが取り付けられた軸12bと、複数の砥石12aを軸12bに固定する固定部材であるナット12cとから構成されている。
連結部sは、砥石車12を回転させる手段(本実施形態の加工装置1であれば砥石車回転部13)に連結するための部分であり、砥石12aの貫通孔12hよりも軸径が太くなっている。
砥石固定部cは、その軸径がほぼ砥石12aの貫通孔12hの内径と同じに形成されており、砥石12aの貫通孔12hに挿通できる程度の軸径に形成されている。
本実施形態の加工装置1の場合、砥石車回転部13として主軸を軸方向に移動させる機構を有するものを採用すれば、砥石車12とパンチPとが接触位置を変えて加工することができる。しかも、一つの砥石12aが摩耗などによって損傷した場合でも、その砥石12aだけを交換すればよいので、効率的である。
つまり、砥石車12を軸方向に移動させることによって、被加工物を加工する砥石12aを、目の粗い砥石12aから目の細かい砥石12aに順次切り換えれば、荒削りから仕上げまで砥石車12を変えることなく行うことができる。
本実施形態の加工装置1の場合であれば、砥石車12を軸方向に移動させるだけで被加工物の加工面の面粗さを順次向上させることができる。すると、砥石交換しなければならない場合に生じる、砥石とパンチPの相対的な位置のズレが発生することも防ぐことができるから、寸法精度および表面精度がいずれも高いパンチPを加工することができる。
また、上記の例では、砥石車12が砥石12aと軸12bとを組み合わせて構成される場合を説明したが、砥石12aと軸12bとが一体となったものでもよい。かかる場合でも、砥石車12と被加工物が接触する位置を、砥石車12の軸方向に沿って変えれば、被加工物(パンチ)を加工する砥石12aを変えることができるから、一つの砥石車12によって被加工物を異なる面粗さに仕上げることができる。
10 軸加工機構
11 研磨手段
12 砥石車
12a 砥石
12b 軸
13 砥石車回転部
14 砥石車移動部
20 機上測定器
P パンチ
D ダイス
PL 多孔プレート
h 貫通孔
Claims (9)
- 軸状部材を、その先端が自由端となるように基端を保持する軸保持手段と、
該軸保持手段に保持された前記軸状部材の側面を、軸径が30μm以下となるように研磨する一対の砥石車を有する研磨手段とを備えており、
前記一対の砥石車は、
その回転軸周りに形成された外周面が前記軸状部材の側面を研磨する面となっており、
該研磨手段は、
前記一対の砥石車を、その回転軸が、前記軸保持手段に保持された状態における前記軸状部材の中心軸と直交する面上において互いに平行となるように保持する砥石車回転部と、
前記一対の砥石車の外周面間に前記軸状部材を配置した状態において、前記一対の砥石車を、前記軸状部材の中心軸と直交する方向に沿って外周面同士が互いに接近離間するように移動させる砥石車移動部とを備えており、
前記砥石車回転部は、
前記軸状部材を前記一対の砥石車間に配設した状態において、該一対の砥石車における前記軸状部材側に位置する外周面が同じ方向に移動するように該一対の砥石車を回転させる
ことを特徴とする軸加工機構。 - 前記砥石車回転部は、
前記軸状部材を前記一対の砥石車間に配設した状態において、該一対の砥石車における前記軸状部材側に位置する外周面が該軸状部材の基端から先端に向かって移動するように該一対の砥石車を回転させるものである
ことを特徴とする請求項1記載の軸加工機構。 - 前記軸保持手段は、
前記軸状部材をその中心軸周りに回転させる軸状部材回転機構を備えている
ことを特徴とする請求項1または2記載の軸加工機構。 - 被加工部材に対して貫通孔を形成する加工装置であって、
前記被加工部材を保持する保持テーブルと、
該保持テーブル上に配置された前記被加工部材を挟むように配設されたパンチおよびダイスと、前記パンチを保持し該パンチを前記ダイスに向けて移動させるパンチ移動機構とを備えた貫通孔形成手段と、
前記パンチを加工する軸加工機構と、
該軸加工機構を、前記貫通孔形成手段のパンチ移動機構によって前記パンチが移動される経路と該経路から離間した位置との間で移動させる軸加工機構移動手段とからなり、
前記軸加工機構は、
前記パンチ移動機構に保持された状態における前記パンチの側面を研磨する一対の砥石車を有する研磨手段を備えており、
前記一対の砥石車は、
その回転軸周りに形成された外周面が前記軸状部材の側面を研磨する面となっており、
該研磨手段は、
前記一対の砥石車を、その回転軸が、前記軸保持手段に保持された状態における前記軸状部材の中心軸と直交する面上において互いに平行となるように保持する砥石車回転部と、
前記一対の砥石車の外周面間に前記軸状部材を配置した状態において、前記一対の砥石車を、前記軸状部材の中心軸と直交する方向に沿って外周面同士が互いに接近離間するように移動させる砥石車移動部とを備えており、
前記砥石車回転部は、
前記軸状部材を前記一対の砥石車間に配設した状態において、該一対の砥石車における前記軸状部材側に位置する外周面が同じ方向に移動するように該一対の砥石車を回転させる
ことを特徴とする加工装置。 - 前記砥石車回転部は、
前記パンチを前記一対の砥石車間に配設した状態において、該一対の砥石車における前記パンチ側に位置する外周面が該パンチの基端から先端に向かって移動するように該一対の砥石車を回転させるものである
ことを特徴とする請求項4記載の加工装置。 - 前記ダイスは、
前記被加工部材を加工する前に、前記貫通孔形成手段のパンチ移動機構によって前記パンチを前記ダイスに向けて移動させることによって前記パンチが挿通される孔が形成されたものである
ことを特徴とする請求項4または5記載の加工装置。 - 前記パンチの寸法を測定する機上測定器を備えており、
該機上測定器は、前記貫通孔形成手段のパンチ移動機構によって前記パンチが移動する経路と該経路から離間した位置との間で移動可能に設けられている
ことを特徴とする請求項4、5または6記載の加工装置。 - 前記パンチ移動機構は、
前記パンチをその中心軸周りに回転させる軸状部材回転機構を備えている
ことを特徴とする請求項4、5、6または7記載の加工装置。 - 前記保持テーブルは、
前記被加工部材をその上面が同一平面上を移動するように移動させるテーブル機構を備えている
ことを特徴とする請求項4、5、6、7または8記載の加工装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2008172059A JP4734612B2 (ja) | 2008-07-01 | 2008-07-01 | 軸加工機構、この機構を採用した加工装置および砥石車 |
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JP2008172059A JP4734612B2 (ja) | 2008-07-01 | 2008-07-01 | 軸加工機構、この機構を採用した加工装置および砥石車 |
Publications (2)
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