JP4732614B2 - 車両用サブフレーム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車等の車両用サブフレームに関し、詳述すれば、サスペンション装置、ディファレンシャル装置、ステアリング装置、エンジン等を支持する車両用サブフレームに関する。
【0002】
なお、この明細書において、「アルミニウム」の語はその合金を含む意味において用いる。
【0003】
【従来の技術】
例えば自動車において、サスペンション装置、ディファレンシャル装置、ステアリング装置、エンジン等は、一般にサブフレームにより支持されている。
【0004】
この種のサブフレームとしては、例えば、車体の左右方向に延設された前後一対のクロスメンバと、車体の前後方向に延設されるとともに両クロスメンバ間に架設されて両クロスメンバを連結した左右一対のサイドメンバとによって、平面視で略ロ字状に形成されたものが知られている。
【0005】
このサブフレームは、サスペンション装置やディファレンシャル装置等に取り付けられるブラケット部を具備している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このブラケット部は、従来、クロスメンバやサイドメンバに溶接によって固着されて取り付けられていた。このため、従来のサブフレームは、その製造が面倒であり、またブラケット部は別途製作されていたので部材点数が多く、このため、製造コストが高く付くという難点があった。
【0007】
また、クロスメンバやサイドメンバは、ディファレンシャル装置や車軸等にぶつからなくするために、これを所定形状に屈曲する必要があるしかしながら、従来、クロスメンバやサイドメンバは、加工コストが高く付く曲げ加工やハイドロホームによって屈曲されていたので、サブフレームの製造コストが益々高く付いていた。
【0008】
この発明は、上述した技術背景に鑑みてなされたもので、その目的は、できる限り少ない部材点数で安価に製作することのできる車両用サブフレームを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明(請求項1)は、車体の左右方向に延設された前後一対のクロスメンバと、車体の前後方向に延設されるとともに両クロスメンバ間に架設されて両クロスメンバを連結した左右一対のサイドメンバとによって、形成された車両用サブフレームであって、サイドメンバは、他の部材に取り付けられるブラケット部を有するものであり、且つ、厚さ方向の片側又は両側の外面部に押出軸線方向に延びるとともに前記ブラケット部を形成するための突出部が一体形成された押出素材を、その押出軸線方向に対して交差する面内でスライス状に切断した切断品から製作されているものである。
【0010】
この発明では、サイドメンバが、厚さ方向の片側又は両側の外面部に押出軸線方向に延びるとともにブラケット部を形成するための突出部が一体形成された押出素材を、その押出軸線方向に対して交差する面内でスライス状に切断した切断品から製作されていることにより、ブラケット部を有するサイドメンバが能率的に且つコスト的に有利に得られるようになる。さらに、ブラケット部は押出素材に一体形成されたものであることより、サブフレームの部材点数が減少し、この結果、サブフレームの製造コストが引き下げられるようになる。
【0011】
また、押出素材の横断面形状が所望するサイドメンバの縦断面形状になるよう、該押出素材の横断面形状を予め設定しておくことにより、サイドメンバがディファレンシャル装置や車軸等にぶつからなくするための曲げ加工を、該サイドメンバに対して行う必要がなくなる。この結果、サブフレームの製作工程が減少し、もってサブフレームの製造コストが更に引き下げられるようになる。
【0012】
さらに、サイドメンバは、その前端部に、前クロスメンバが嵌合される前クロスメンバ用嵌合凹部が幅方向に延びて形成されるとともに、その後端部に、後クロスメンバが嵌合される後クロスメンバ用嵌合凹部が幅方向に延びて形成されており、前記押出素材は、横断面における前端部に、押出軸線方向に延びるとともに前クロスメンバ用嵌合凹部に対応する凹部が形成されるとともに、横断面における後端部に、押出軸線方向に延びるとともに後クロスメンバ用嵌合凹部に対応する凹部が形成されており、各サイドメンバの前端部に前クロスメンバが前クロスメンバ用嵌合凹部内に嵌合された状態で、且つ、各サイドメンバの後端部に後クロスメンバが後クロスメンバ用嵌合凹部内に嵌合された状態で、それぞれ接合されて連結されていることが、望ましい
【0013】
この場合には、サイドメンバの端部及び後端部にそれぞれ形成された嵌合凹部内に、前クロスメンバ及び後クロスメンバそれぞれ嵌合されることにより、サイドメンバとクロスメンバとの組付け作業が容易に行われるようになる。そして、この嵌合状態で、サイドメンバの端部及び後端部それぞれ前クロスメンバ及び後クロスメンバが溶接等で接合されて連結されることにより、サイドメンバの端部及び後端部それぞれ前クロスメンバ及び後クロスメンバが強固に連結されるようになり、もってサブフレームの剛性が向上するようになる。
【0014】
さらに、押出素材は、横断面における端部に押出軸線方向に延びるとともに嵌合凹部に対応する凹部が形成されたものであることにより、端部及び後端部それぞれ嵌合凹部が形成されたサイドメンバが能率的に且つコスト的に有利に得られるようになる。
【0015】
上記車両用サブフレームにおいて、サイドメンバは、幅方向に貫通した中空部を有しており、前記押出素材は、押出軸線方向に延びるとともに前記中空部に対応する中空部を有しており、サイドメンバの幅方向の片側又は両側の側面に側板が重ね合わされるとともに、この重合せ状態でサイドメンバに前記側板が接合されていることが、望ましい(請求項)。
【0016】
この場合には、サイドメンバが中空部を有するものであることにより、サブフレームが軽量になる。また、サイドメンバに側板が接合されることにより、該サイドメンバの剛性が高くなる。また、側板によって中空部の開口の少なくとも一部が閉塞されるようになり、この結果、中空部の開口から水溜まりの泥水等が浸入する不具合が防止又は抑制されるようになる。
【0017】
上記車両用クロスメンバにおいて、前記クロスメンバと前記サイドメンバとが、互いに略直交状態で連結されていることが、望ましい(請求項)。
【0018】
この場合には、クロスメンバとサイドメンバとが、互いに略直交状態で連結されることにより、サブフレームの剛性が更に向上するようになる。
【0019】
上記車両用サブフレームにおいて、クロスメンバとサイドメンバとが、互いに略ロ字状に連結されて形成されていることが、望ましい(請求項)。
【0020】
この場合には、クロスメンバとサイドメンバとが、互いに略ロ字状に連結されて形成されることにより、サブフレームの剛性が更に向上するようになる。
【0021】
上記車両用サブフレームにおいて、クロスメンバは、押出軸線方向に延びた中空部を有する押出材から製作されていることが、望ましい(請求項)。
【0022】
この場合には、クロスメンバが押出材から製作されることにより、該クロスメンバも同様に能率的に且つコスト的に有利に得られるようになる。さらに、押出材が押出軸線方向に延びた中空部を有していることにより、サブフレームが更に軽量になる。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の実施形態を図面を参照して説明する。なお、この実施形態では、車両用サブフレームとして自動車用のものを示している。
【0024】
図1において、(1)はこの実施形態の自動車用サブフレームである。このサブフレーム(1)は、図5及び図6に示すように、4WD車の車体後部に設置されたリヤサブフレームとして用いられるものであって、ディファレンシャル装置(30)の上方近傍に配置されるとともに該ディファレンシャル装置(30)を支持するためのものである。なお、図5において、(32)はプロペラシャフト、(33)は後車軸、(34)は左右の後車輪である。
【0025】
このサブフレーム(1)は、図1及び図5に示すように、車体の左右方向に延設された前後一対の棒状のクロスメンバ(2F)(2R)と、車体の前後方向に延設されるとともに両クロスメンバ(2F)(2R)間に架設されて両クロスメンバ(2F)(2R)を連結した左右一対の棒状のサイドメンバ(4)(4)とによって、平面視で略ロ字状に形成されたものである。
【0026】
このサブフレーム(1)において、前クロスメンバ(2F)と左右のサイドメンバ(4)(4)とは、互いに略直交状態で連結されている。また同じく、後クロスメンバ(2R)と左右のクロスメンバ(4)(4)とは、互いに略直交状態で連結されている。
【0027】
後クロスメンバ(2R)は略真直に形成されており、一方、前クロスメンバ(2F)は、プロペラシャフト(32)にぶつからないよう、図1に示すように長さ方向中間部が略円弧状に屈曲されている。一方、左右のサイドメンバ(4)(4)は、ディファレンシャル装置(30)のハウジング(31)側部や後車軸(32)等にぶつからないよう、略前半分が略円弧状に屈曲されている。
【0028】
前クロスメンバ(2F)の左右両端部及び後クロスメンバ(2R)の左右両端部には、いずれも、ブッシュ装着部としての断面円形状の中空部からなるブッシュ装着孔(10a)を有する断面略三角形状のアルミニウム中空押出材製ブラケット(10)が溶接にて接合固着されている。このブッシュ装着孔(10a)は、その内部に、ゴム弾性部を有するフローティングブッシュ(図示せず)が圧入によって装着されるものである。そして、左右のブラケット(10)(10)が、図6に示すように、ボディとしての荷室の床板(20)に前後方向に延びる態様で固定された左右のリヤフレーム(メインフレーム、21)に、前記フローティングブッシュを介して連結される。
【0029】
前クロスメンバ(2F)の下面には、図1に示すように、ディファレンシャル装置(30)のハウジング(31)の前部に取り付けられるアルミニウム製ブラケット(14)(14)が溶接にて下方突出状に接合固着されている。一方、後クロスメンバ(2R)の下面には、ハウジング(31)の後部に取り付けられるアルミニウム製ブラケット(15)(15)が溶接にて下方突出状に接合固着されている。更に、後クロスメンバ(2R)には、2個の断面円形状のブッシュ装着孔(16a)(16a)を有するアルミニウム製ブラケット(16)が溶接にて接合固着されている。この各ブッシュ装着孔(16a)は、その内部に、ハウジング(31)の後部に接続されたブッシュ(図示せず)が装着されるものである。
【0030】
次に、各サイドメンバ(4)の構成について図2〜図4を参照して説明する。なお、図2〜図4において、(X)、(Y)及び(Z)は、それぞれサイドメンバ(4)の長さ方向、幅方向及び厚さ方向を示している。
【0031】
各サイドメンバ(4)の下面部には、図2に示すように、リヤサスペンション装置のロアリンク(図示せず)に取り付けられるロアリンク取付け用ブラケット部(11)が略下方突出状に一体形成されている。このブラケット部(11)は、互いに対向して配置された一対の取付け板部から形成されている。各取付け板部には、円形状の軸受け孔(11a)が切削加工等により形成されている。また、各サイドメンバ(4)の上面部には、リヤサスペンション装置のアッパーリンク(図示せず)に取り付けられるアッパーリング取付け用ブラケット部(12)が略上方突出状に一体形成されている。このブラケット部(12)は、上記ブラケット部(11)と同じく、互いに対向して配置された一対の取付け板部から形成されており、各取付け板部には円形状の軸受け孔(12a)が切削加工等により形成されている。
【0032】
さらに、各サイドメンバ(4)は、図2及び図3に示すように、その幅方向(Y)に貫通した複数個の中空部(4a)…を有しており、これにより、隣接する中空部(4a)(4a)間に補強リブ部(4b)が形成されている。そして、サイドメンバ(4)の幅方向(Y)両側の側面に、中空部(4a)の開口を閉塞する蓋板としてのアルミニウム製側板(8)(8)が重ね合わされるとともに、この重合せ状態でサイドメンバ(4)に側板(8)(8)が溶接にて接合固着されている。こうして側板(8)(8)が重ね合わされることにより、サイドメンバ(4)の中空部(4a)の開口の略全部が該側板(8)(8)によって閉塞されている。
【0033】
一方、前クロスメンバ(2F)は、図2及び図3に示すように、押出軸線方向(長さ方向)に延びた中空部(2a)を有するとともに、この中空部(2a)が周壁部に一体形成され長さ方向に延びた補強リブ部(2b)によって複数個(同図で2個)に仕切られた横断面略日字状のアルミニウム中空押出材から製作されたものであって、押出軸線方向が当該前クロスメンバ(2F)の長さ方向に沿う態様にして配置されたものである。一方、後クロスメンバ(2R)は、押出軸線方向(長さ方向)に延びた中空部(2a)を有する横断面ロ字状のアルミニウム中空押出材から製作されたものであって、押出軸線方向が当該後クロスメンバ(2R)の長さ方向に沿う態様にして配置されたものである。
【0034】
一方、各サイドメンバ(4)は、図2及び図3に示すように、その前端部に、前クロスメンバ用嵌合凹部(5)が幅方向(Y)に延びて形成されている。そして、この嵌合凹部(5)内に前クロスメンバ(2F)がその側方からぴったりと嵌合されるとともに、この嵌合状態でサイドメンバ(4)の前端部に前クロスメンバ(2F)が溶接にて接合されて連結されている。このときの溶接ビード(W1)は、図2(イ)に示すように、前クロスメンバ(2F)の周壁部における補強リブ部(2b)との連結部の外面に形成されている。更に、各サイドメンバ(4)は、その後端部に、後クロスメンバ用嵌合凹部(6)が幅方向(Y)に延びて形成されている。そして、この嵌合凹部(6)内に後クロスメンバ(2R)がその側方からぴったりと嵌合されるとともに、この嵌合状態でサイドメンバ(4)の後端部に後クロスメンバ(2R)が溶接にて接合されて連結されている。(W2)はこのときの溶接ビードである。
【0035】
而して、上記各サイドメンバ(4)は、次のようにして製作されたものである。
【0036】
すなわち、各サイドメンバ(4)は、図4に示すように、該サイドメンバ(4)の縦断面形状に対応した横断面形状を有する長尺な板状のアルミニウム押出素材(104)を、その押出軸線方向(E)に対して略直交する平面内で略等間隔おきにスライス状に切断(Cは切断予定線)した切断品から製作されたものであって、押出軸線方向(E)が当該サイドメンバ(4)の幅方向(Y)に沿う態様にして配置されたものである。この押出素材(104)の構成について述べると、この押出素材(104)の同図における下面部には、押出軸線方向(E)に延びるとともに前記ロアリンク取付け用ブラケット部(11)に対応するブラケット部(111)が略下方突出状に一体形成されている。更に、この押出素材(104)の同図における上面部には、押出軸線方向(E)に延びるとともに前記アッパーリンク取付け用ブラケット部(12)に対応するブラケット部(112)が略上方突出状に一体形成されている。更に、この押出素材(104)の横断面における前端部には、押出軸線方向(E)に延びるとともに前記前クロスメンバ用嵌合凹部(5)に対応する凹部(105)が形成されている。更に、この押出素材(104)の横断面における後端部には、押出軸線方向(E)に延びるとともに前記後クロスメンバ用嵌合凹部(6)に対応する凹部(106)が形成されている。更に、この押出素材(104)には、押出軸線方向(E)に延びるとともに前記複数個の中空部(4a)に対応する複数個の中空部(104a)が形成されている。(104b)は、押出素材(104)の隣接する中空部(104a)(104a)間に形成された、前記補強リブ部(4b)に対応する補強リブ部である。
【0037】
この押出素材(104)を用い、これを上述したように切断する。次いで、得られた切断品における各ブラケット部(11)(12)に、軸受け孔(11a)(12a)を穿設することによって、上述した所望するサイドメンバ(4)が得られるようになる。
【0038】
この発明において、押出素材(104)は、様々な種類のアルミニウムで製作可能であるが、このうちアルミニウム6000系の合金からなることが望ましく、特に6000系−T5材や6000系−T6材からなることが、高い剛性を有するサイドメンバ(4)が得られるようになる点で望ましい。
【0039】
以上の構成のサブフレーム(1)において、サイドメンバ(4)は、所定の横断面形状を有する押出素材(104)の切断品から製作されたものであるから、これを能率的に且つコスト的に有利に製作することができる。さらに、サイドメンバ(4)にブラケット部(11)(12)を固着するための溶接を行う必要がないし、その上、ハウジング(31)の側部や後車軸(33)等にサイドメンバ(4)がぶつからなくするための曲げ加工を、該サイドメンバ(4)に対して行う必要がないから、サイドメンバ(4)をより一層能率的に且つコスト的に有利に製作することができ、もってサブフレーム(1)の製造コストが引き下げられるようになる。
【0040】
しかも、このサブフレーム(1)において、前クロスメンバ(2F)は、サイドメンバ(4)の前端部に形成された嵌合凹部(5)内に嵌合された状態でサイドメンバ(4)の前端部に接合されて連結されているので、この前サイドメンバ(2F)はサイドメンバ(4)の前端部に強固に連結されている。また同じく、後サイドメンバ(2R)は、サイドメンバ(4)の後端部に形成された嵌合凹部(6)内に嵌合された状態でサイドメンバ(4)の後端部に接合されて連結されているので、この後サイドメンバ(2R)についても同様にサイドメンバ(4)の後端部に強固に連結されている。このため、サブフレーム(1)の剛性が高くなっている。
【0041】
さらに、前クロスメンバ(2F)及び後クロスメンバ(2R)をそれぞれサイドメンバ(4)の前端部及び後端部に形成された嵌合凹部(5)(6)内に嵌合することにより、前後のクロスメンバ(2F)(2R)とサイドメンバ(4)とが組み付けられるので、かかる組付け作業を容易に行うことができる。
【0042】
加えて、このサブフレーム(1)では、左右のサイドメンバ(4)(4)及び前後のクロスメンバ(2F)(2R)はいずれもアルミニウム製なので、サブフレーム(1)の軽量化が図られていることはもとより、その上、左右のサイドメンバ(4)及び前後のクロスメンバ(2F)(2R)はいずれも中空部(2a)(4a)…を有しているので、この中空部(2a)(4a)…の分だけサブフレーム(1)の重量が更に軽くなっている。
【0043】
しかも、このサブフレーム(1)では、サイドメンバ(4)に側板(8)(8)が接合されているので、該サイドメンバ(4)の剛性が高くなっている。その上、側板(8)(8)によってサイドメンバ(4)の中空部(4a)の開口の略全部が閉塞されているので、中空部(4a)の開口から水溜まりの泥水等が浸入する不具合を防止又は抑制できるようになっている。
【0044】
以上、この発明の実施形態を示したが、この発明は上記実施形態に示したものに限定されるものではなく、様々に設定変更可能である
【0045】
【発明の効果】
上述の次第で、請求項1の発明によれば、サイドメンバは、所定形状の押出素材をその押出軸線方向に対して交差する面内でスライス状に切断した切断品から製作されていることから、ブラケット部を有するサイドメンバを能率的に且つコスト的に有利に得ることができるし、またサフレームの部材点数を減少させることができ、もって車両用サブフレームの製造コストを引き下げることができる。
【0046】
また、サイドメンバの端部及び後端部それぞれ前クロスメンバ及び後クロスメンバが嵌合凹部内に嵌合された状態で接合されて連結されていることから、サイドメンバとクロスメンバとを連結する際に、両者の組付け作業を容易に行うことができる。その上、サイドメンバの端部及び後端部それぞれ前クロスメンバ及び後クロスメンバが強固に連結されるようになるため、サブフレームの剛性を高くすることができる。
【0047】
また、請求項の発明によれば、サイドメンバが中空部を有するものであることにより、サブフレームの重量を軽くすることができるし、サイドメンバに側板が接合されることにより、該サイドメンバの剛性を高くすることができる。また、側板によって中空部の開口の少なくとも一部が閉塞されるようになり、このため、中空部の開口から水溜まりの泥水等が浸入する不具合を防止又は抑制できるようになる。
【0048】
また、請求項の発明によれば、クロスメンバとサイドメンバとが、互いに略直交状態で連結されているから、サブフレームの剛性を更に高くすることができる。
【0049】
また、請求項の発明によれば、クロスメンバとサイドメンバとが、互いに略ロ字状に連結されて形成されているから、サブフレームの剛性を更により一層高くすることができる。
【0050】
また、請求項の発明によれば、クロスメンバが、押出軸線方向に延びた中空部を有する押出材から製作されているから、該クロスメンバも同様に能率的に且つコスト的に有利に得ることができるし、サブフレームの重量を更に軽くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施形態に係る車両用サブフレームを示す斜視図である。
【図2】 (イ)は図1中のII−II線断面図、(ロ)は(イ)中のロ部分の拡大断面図、(ハ)は(イ)中のハ部分の拡大断面図である。
【図3】 同サブフレームの要部分解斜視図である。
【図4】 同サブフレームのサイドメンバを、押出素材と共に示した斜視図である。
【図5】 同サブフレームが設置された車体後部の構造を示す平面図である。
【図6】 同サブフレームが設置された車体後部の構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…サブフレーム
2F…前クロスメンバ
2R…後クロスメンバ
4、4…左右のサイドメンバ
8…側板
11、12…ブラケット部
104…押出素材
111、112…ブラケット部(突出部)

Claims (5)

  1. 車体の左右方向に延設された前後一対のクロスメンバ(2F、2R)と、車両の前後方向に延設されるとともに前記両クロスメンバ(2F、2R)間に架設されて前記両クロスメンバ(2F、2R)を連結した左右一対のサイドメンバ(4、4)とによって、形成された車両用サブフレーム(1)であって、
    前記サイドメンバ(4)は、他の部材に取り付けられるブラケット部(11、12)を有するものであり、且つ、厚さ方向の片側又は両側の外面部に押出軸線方向(E)に延びるとともに前記ブラケット部(11、12)を形成するための突出部(111、112)が一体形成された押出素材(104)を、その押出軸線方向(E)に対して交差する面内でスライス状に切断した切断品から製作されており、
    さらに、前記サイドメンバ(4)は、その前端部に、前記前クロスメンバ(2F)が嵌合される前クロスメンバ用嵌合凹部(5)が幅方向(Y)に延びて形成されるとともに、その後端部に、前記後クロスメンバ(2R)が嵌合される後クロスメンバ用嵌合凹部(6)が幅方向(Y)に延びて形成されており、
    前記押出素材(104)は、横断面における前端部に、押出軸線方向(E)に延びるとともに前記前クロスメンバ用嵌合凹部(5)に対応する凹部(105)が形成されるとともに、横断面における後端部に、押出軸線方向(E)に延びるとともに前記後クロスメンバ用嵌合凹部(6)に対応する凹部(106)が形成されており、
    前記各サイドメンバ(4)の前端部に前記前クロスメンバ(2F)が前記前クロスメンバ用嵌合凹部(5)内に嵌合された状態で、且つ、前記各サイドメンバ(4)の後端部に前記後クロスメンバ(2R)が前記後クロスメンバ用嵌合凹部(6)内に嵌合された状態で、それぞれ接合されて連結されていることを特徴とする車両用サブフレーム。
  2. 前記サイドメンバ(4)は、幅方向(Y)に貫通した中空部(4a)を有しており、
    前記押出素材(104)は、押出軸線方向(E)に延びるとともに前記中空部(4a)に対応する中空部(104a)を有しており、
    前記サイドメンバ(4)の幅方向(Y)の片側又は両側の側面に側板(8)が重ね合わされるとともに、この重合せ状態で前記サイドメンバ(4)に前記側板(8)が接合されている請求項記載の車両用サブフレーム。
  3. 前記クロスメンバ(2F、2R)と前記サイドメンバ(4、4)とが、互いに略直交状態で連結されている請求項1又は2記載の車両用サブフレーム。
  4. 前記クロスメンバ(2F、2R)と前記サイドメンバ(4、4)とが、互いに略ロ字状に連結されて形成されている請求項1〜のいずれか1項記載の車両用サブフレーム。
  5. 前記クロスメンバ(2F、2R)は、押出軸線方向に延びた中空部(2a)を有する押出材から製作されている請求項1〜のいずれか1項記載の車両用サブフレーム。
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