JP4732306B2 - チーズ風味組成物およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、チーズ風味組成物、特に培養チーズ濃縮物およびその製造方法に関する。
チーズの製造技術は、複雑であり、長い間に極めてわずかしか進化して来なかった。その製造工程は、今でも主として雌ウシ、ヒツジ、またはヤギからの乳から始まる。たった1ポンド(0.453kg)のチーズを生産するのに、約10ポンド(4.53kg)の乳が必要である。望ましくない細菌を死滅させるために、乳は、常にではないが、しばしば殺菌される。次に、望ましい細菌の開始培養体が乳に添加される。開始培養体は、例えば、連鎖球菌または乳酸菌でよい。特定の細菌株および使用される量が、風味の増大に有用である。次いで、乳を発酵させ、微生物がラクトースを分解して、それを乳酸、クエン酸、およびその他の代謝産物に転換する。
発酵が完了したのち、酵素を添加し、これらの酵素が乳中の可溶性タンパクである、カゼインの分解を開始する。レンネットは、子牛の第四胃の内膜から得られる酵素である。カゼインを分解することに加えて、レンネットは、乳固形物を凝固させて、乳清としても知られる、乳糖、ミネラルおよびその他の水溶性タンパク質の溶液中に浮かぶカードにする助けとなる。
カードおよび乳清は、加熱撹拌されて、乳清は排出される。カードを、型の中に移しプレスしてブロックにし熟成させる。熟成期間は、例えば数日から数ヶ月、しばしば数年まで変化する。チェダーチーズの場合、約60日間の熟成が、マイルドからミディアムの風味をもたらすが、特別に強い風味は約15ヶ月を必要とする。チーズが熟成するとき、チーズ中で、微生物反応および化学反応が起こり続ける。
熟成プロセス中に、風味の発生に寄与する多くの化合物が生成される。実際に、異なる約400の化合物が、チェダーチーズの風味に寄与することが、推定されている。チーズ中の風味発生に寄与すると考えられる化合物の主なクラスには、アミノ酸、ペプチド、カルボニル化合物、脂肪酸および硫黄化合物が含まれる。脂肪酸、エステル、アルデヒド、アルコール、ケトン、および硫黄化合物を含めた、数種の揮発性化合物が、様々なチーズの香気を記載した諸表に含まれる。これらの数種の香気および風味化合物の生成は、チーズが熟成するときに、チーズ中で継続的に起こる、複数の酵素および化学反応のためである。
生起する一連の特定の反応は、タンパク質が分解されて、それらの構成アミノ酸になるものである。次いで、これらのアミノ酸は、それらの対応するα−ケト酸に転換される。α−ケト酸は、さらに代謝されて、チーズに特定の風味(flavor notes)を添加する化合物を提供する。アミノ酸異化は、チーズ風味の増大における律速段階であるとされてきた。
消費者の高品質で風味豊かなチーズへの要求が高まっているため、風味が完全に増大するのにかかる時間を減少させることが必要になっている。一手法は、より強いチーズ風味を有する、培養チーズ濃縮物(「CCC」)を製造し、次いでこれをチーズ風味添加剤として別のバルク材料に使用することである。何ヶ月かの代わりに数日以内で完全なチーズ風味の増大を獲得する、CCCが製造されている。これらのCCCは、チーズ風味を与え、または増強するために、プロセスチーズまたはスナック食品などの、その他のバルク食品に添加される。このようなチーズ風味の濃縮物の製造方法は、特許文献1などに記載されている。一般的には、この方法は、乳酸培養体(乳酸生成微生物をいう)で培養され、続いて種々の培養体、プロテアーゼ、ペプチダーゼ、およびリパーゼが添加される乳基質を含む。特許文献1の特許は、チーズカードの代わりに、または乳清の副産物の形成なしに、出発原料としての乳から得ることができる、チーズ風味の濃縮物を記載している。特許文献2は、酵素的に改変した培養の苦味を除去するために、高濃度のタンパク質分解酵素およびペプチド分解性酵素を有する、生きた培養体の使用について記載している。
これらの先行方法は、チーズ風味の加速的な増大、または増強をもたらすことがあるが、個別のチーズ風味成分を対象にした増強はもたらさない。最近、様々なチーズ風味プロファイルを対象にした、風味創造へのモジュール式手法を用いた、様々なチーズ製品/誘導体を調製するのに使用できる、自然の生体生成された(biogenerated)チーズ風味添加系をもたらす技術が開発され、この技術は、例えば特許文献3に記載されている。この特許に記載されたチーズ風味添加系は、様々な成分から導かれ、個々の成分が様々な比で組み合わされて、培養チーズ濃縮物製品において個別の風味プロファイルを提供する。
米国特許第4,708,876号明細書 米国特許第6,214,586号明細書 米国特許第6,406,724号明細書 米国特許第6,562,383号明細書
上記刊行物に記載された諸開発にもかかわらず、特により多様化した範囲の可能な風味を有する、チーズ風味添加系を製造する別の手段のニーズが依然存在する。本発明は、これらおよびその他の望ましいニーズに合致し、かつその他の利益を提供する、培養チーズ濃縮物およびその製造方法を提供する。
本発明は、チーズ風味組成物、および(a)約25から約45℃の温度で、約8から72時間、タンパク質を含む乳製品を、乳酸培養体と接触させて、反応混合物を形成して、ペプチドおよび遊離アミノ酸を提供するステップと、(b)前記反応混合物内の前記ペプチドおよび遊離アミノ酸を、アミノ酸オキシダーゼと接触させて、前記ペプチドおよび遊離アミノ酸を脱アミノ化して、α−ケト酸を提供するステップとを含み、上記α−ケト酸を上記反応混合物内でさらに代謝させて風味化合物を提供することを特徴とするチーズ風味組成物の調製方法を提供する。本発明は、前記チーズ風味組成物を含む食品も提供する。
第1の実施形態においては、本発明は、(a)約25から約45℃の温度で、約8から72時間、タンパク質を含む乳製品を、乳酸培養体と接触させて、反応混合物を形成して、ペプチドおよび遊離アミノ酸を提供するステップと、(b)前記反応混合物内の前記ペプチドおよび遊離アミノ酸を、アミノ酸オキシダーゼと接触させて、前記ペプチドおよび遊離アミノ酸を脱アミノ化して、α−ケト酸を提供するステップとを含み、前記α−ケト酸を前記反応混合物内でさらに代謝させて、風味化合物を提供することを特徴とする、チーズ風味組成物の調製方法を提供する。
前記タンパク質を含む乳製品は、乳濃縮物、乳、乳清濃縮物、乳清基質、またはそれらの組合せから選択される。
前記乳酸培養体は、ラクトバチルスブルガリクス(Lactobacillus bulgaricus)、ラクトバチルスラクティス(Lactobacillus lactis)、ラクトバチルスヘルベチクス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルスデルブルキ亜種ラクティス(Lactobacillus delbrueckii ss.Lactis)、ストレプトコッカスサーモフィルスラクトコッカスラクティス亜種ラクティス(Streptococcus thermophilus Lactococcus lactis subsp.lactis)、ラクトコッカスラクティス亜種クレモリス(Lactococcus lactis subsp.cremoris)、ラクトコッカスラクティス亜種ラクティス次亜種ジアセチラクティス(Lactococcus lactis subsp.lactis biovar diacetylactis)、ロイコノストックラクティス(Leuconostoc lactis)、ロイコノストックメセンテロイデス亜種クレモリス(Leuconostoc mesenteroides subsp.cremoris)、ぺジオコッカスペントサセウス(Pediococcus pentosaceus)、およびラクトバチルスカゼイ(Lactobacillus casei)ならびにそれらの混合物からなる群から選択される。
第2の実施形態において、前記方法のステップ(a)は、タンパク質を含む乳製品を少なくとも1種のプロテアーゼ酵素と接触させるステップをさらに含む。
第3の実施形態において、前記方法のステップ(a)は、タンパク質を含む乳製品を少なくとも1種のペプチダーゼ酵素と接触させるステップをさらに含む。
第4の実施形態において、前記の各方法のいずれかは、ステップ(b)の後に、約60℃から約80℃の温度に、約15秒から約1時間、反応混合物を加熱することによって、反応混合物内の酵素を失活させるステップをさらに含む。一実施形態においては、反応混合物内の酵素を失活させるステップは、反応混合物を約74℃の温度に約16秒間加熱することによって行われる。別の実施形態においては、反応混合物内の酵素を失活させるステップは、反応混合物を約63.5℃の温度に約30分間加熱することによって行われる。
第5の実施形態においては、前記各方法のいずれかのステップ(a)は、少なくとも1種の遊離アミノ酸を反応混合物に添加するステップをさらに含む。使用されるアミノ酸は、例えば、それだけには限らないが、直鎖、分枝、または芳香族であってよい。一実施形態においては、所望の風味を増強するために、イソロイシン、ロイシン、バリン、フェニルアラニン、トリプトファン、メチオニンを、単独で、またはそれらを組み合わせて、反応混合物に添加することができる。
第6の実施形態において、前記各方法のいずれかのステップ(b)は、反応混合物を酸化するステップをさらに含む。
第7の実施形態において、前記各方法のいずれかのステップ(b)は、反応混合物にカタラーゼ酵素を添加するステップをさらに含む。
第8の実施形態において、前記各方法のいずれかのステップ(b)は、反応混合物にカタラーゼ酵素および過酸化水素を添加するステップをさらに含む。
第9の実施形態において、前記各方法のいずれかのステップ(b)は、反応混合物にアミノトランスフェラーゼを添加するステップをさらに含む。
第10の実施形態において、前記各方法のいずれかのステップ(b)は、反応混合物にアミノ基受容体を添加するステップをさらに含む。
「タンパク質を含む乳製品」という用語は、水性タンパク質源および脂肪源の組合せまたは混合物を含む乳製品と定義される。上記乳製品は、乳濃縮物、乳基質、乳清濃縮物、乳清基質、またはこれらの乳物質どうし、および補足のタンパク質または脂肪源と一緒の組合せでよい。上記乳製品は、一般的に、水性タンパク質および脂肪源の組合せの形になる。それは乳濁液の形となり得る。
出発原料として有用な、液状乳濃縮物などの乳製品は、一般に、約30から50%の総固形物含有量、約10から約19%のタンパク質含有量、約15から約30%の脂肪含有量、約0.1から約10%のラクトース含有量を有する。好ましくは、それらは、約35から約47%の総固形物含有量、約12から約17%のタンパク質含有量、約18から約25%の脂肪含有量、約0.5から約5%のラクトース含有量を有する。乳製品の水分量は、一般に、約50から約70%、好ましくは約53から約65%である。
タンパク質源は、乾燥タンパク質または濃縮材料でよく、好ましくは、乳タンパク質濃縮物、分画乳タンパク質、濃縮乳脂肪、乳清タンパク質濃縮物、乾燥乳清、脱脂粉乳、またはそれらの混合物などの乳成分である。加水分解乳清タンパク質、加水分解カゼイン、野菜、酵母エキス(例えば、Umamex II Hy−Yep 77、Yep L)、穀物、マメタンパク、大豆タンパク、トウモロコシタンパク質、小麦タンパク質、および/または米タンパク質などのその他のタンパク質源を、一部にまたは唯一のタンパク質源として使用することができる。脂肪源は、無水乳脂肪、バター、クリーム、またはそれらの混合物などの乳脂肪であることが好ましい。植物油などのその他の乳成分を含まない脂肪源を、一部にまたは唯一の脂肪源として使用することができる。乳濃縮物または基質のpHは、一般に約6から約7の範囲であり、好ましくは約6.5から約6.7の範囲である。一般には、本発明の実施に際して、それからチーズ製品と普通にまたは違ったふうに関連した様々な風味を開発することができる、極めて有用な出発原料を提供するために、タンパク質および脂肪源のうちの少なくとも1つが、乳成分を含むことになる。
乾燥タンパク質源は、使用された場合、水で還元される。水は、基質中で、約50から70%、好ましくは約53から約65%の合計水分を提供するのに十分なレベルで使用される。還元されたタンパク質源は、脂肪源と一緒にされて、基質が提供される。必要な場合、基質のpHは、食用の酸の添加によって、または乳酸を生成する微生物の使用によって、適切な範囲(すなわち、約4.6から約6、好ましくは約4.8から約5.6)に下げることができる。適切な食用の酸は、塩酸、酢酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、リン酸、乳酸、およびそれらの混合物を含めた無毒の、無機または有機酸である。乳濃縮物の調製においては、基質の脂肪小滴の粒子サイズを減少させ、均質性を確実にするために、均質化用の機器を使用することができる。
一実施形態においては、出発原料として使用される乳製品は、限外ろ過(単独、またはさらにより好ましくはダイアフィルトレーションとの組合せ)により調製された液状乳濃縮物、または限外ろ過(UF)もしくは限外ろ過/ダイアフィルトレーション(UF/DF)した粉乳および乳脂肪の混合物から調製された還元乳基質である、水性の乳由来濃縮物または基質である。出発原料は、次の特性を有するUF/DF乳でよい。
Figure 0004732306
これらの乳濃縮物は、そのままで、または補足の脂肪源と一緒に使用して、基質(出発原料)を提供することができる。本発明の方法用の出発原料として有用な、好ましい乳製品は、濃縮した全乳または脱脂粉乳から、必要なら添加したクリームまたは無水乳脂肪(AMF)を加えた濃縮した全乳または脱脂粉乳から調製することができる。クリームまたはAMFは、一般に、混合物の重量の0から約20%、好ましくは約2から約15%の量で添加される。乳製品を製造するための一実施形態においては、脱脂粉乳を、通常の限外ろ過/ダイアフィルトレーション技術にかけて、約3×から約8×(好ましくは約5×)の乳濃縮物製品を提供する。クリームもしくは無水乳脂肪またはそれらの組合せが、上記乳濃縮物と混合される。例示の限定されない一実施形態においては、得られる混合物は、均質化され、熱交換器中において約76℃で約16秒間などの、高温短時間(HTST)条件下で殺菌され、次いで約21から約27℃に冷却される。この追加の処理は、発酵の前に、基質の脂肪小滴サイズを減少させ、均質性を確実にする助けとなる。得られる乳製品は、発酵にかけて本発明の個別の風味成分を調製する出発原料として使用することができる。好ましくは、個別の風味成分を生成するための様々な酵素/培養体/添加剤を用いた処理の前に、約1から約2%の塩が、乳製品に添加される。殺菌された乳製品は、好ましくは約30から約50%の固形物を含む、比較的粘性の高い液体である。
「乳酸培養体」という用語は、ラクトースを乳酸に転換しpHを減少させる培養体と定義される。一般的には、接種した基質を、乳酸培養体の存在下で、所望のレベルに乳酸を生じるラクトースの同種発酵性の異化を提供するのに十分な温度において、また同様の時間で発酵させる。終点は、一般に発酵している混合物のpHの所与の数値への減少に対応し得る。発酵の時間、温度、および終点のpHの諸パラメーターは、調製予定のチーズ風味のタイプに応じて変化し得る。使用される乳酸培養体は、その目的に使用される高温性および/または中温性細菌を含めた、乳酸発酵に一般に使用されるものを含む。
本発明に使用される乳酸培養体は、その目的に適した高温性および/または中温性細菌を含めた、自然のチーズ生産に関連した乳酸発酵に一般に使用されるものを含む。高温性培養体が使用されるとき、ラクトバチルス(Lactobacillae)を含めた桿培養体(rod culture)および/またはストレプトコッカスサーモフィラスを含めた球菌培養体(coccus culture)を使用することができる。ラクトバチルスは、例えば、ラクトバチルスブルガリクス、ラクトバチルスラクティス、ラクトバチルスヘルベチクス、ラクトバチルスデルブルキ亜種ブルガリクス、ラクトバチルスアシドフィルス、エンテロコッカスフェシウム(Enterocccus faecium)、またはそれらの混合物から選択することができる。好ましい一態様においては、ラクトバチルス桿培養体が、一般的に、約0.01から約1%、詳しくは約0.05から約0.5%の濃度で発酵混合物に添加される。ストレプトコッカスサーモフィルス培養体を、一般的に、約0.01から約1%、詳しくは約0.05から約0.5%のレベルで添加することができる。高温性ラクトバチルスの商業的供給源は、例えばデンマーク、Horsholm、CHR.Hansen A/Sから入手可能である。高温性ストレプトコッカスサーモフィルス菌の商業的供給源も、例えばデンマーク、Horsholm、CHR.Hansen A/Sから入手可能である(例えば、TH−3およびTH−4を含めて)。培養体は、インハウスバルクスターターも使用できるが、好ましくは、ダイレクトバットセット(DVS)培養体である。中温性ラクトコッカス発酵も、5.0を超えるpHおよび30℃で、かなりの量の乳酸を生成するのに使用することができる。一般的に知られているように、乳酸菌の中温性培養体株は、一般的に最適成長温度が約30℃であり、乳酸菌の高温性培養体株は、一般的に最適成長温度が約40℃から約45℃の範囲である。高温細菌の例には、上記の桿培養体および球菌培養体が含まれる。中温性細菌の例には、例えば、ラクトコッカスラクティス亜種ラクティス、ラクトコッカスラクティス亜種クレモリス、ラクトコッカスラクティス亜種ラクティス次亜種ジアセチラクティス、ロイコノストックラクティス、ロイコノストックメセンテロイデス亜種クレモリス、ペジオコッカスペントサセウス、およびラクトバチルスカゼイ亜種カゼイが含まれる。中温性ラクトコッカスラクティス菌の商業的供給源には、例えば、デンマーク、Horshoim、CHR.Hansen A/SからのR−603、R−604、およびR−607が含まれる。
適切な、上記諸タイプの乳酸培養酵素を、様々な微生物から生産、または植物または動物組織から抽出することができる。DVS開始培養体および/またはバルク開始培養体を使用することができる。DVS培養体は、冷凍された濃縮物の形、液状、または粉末状の凍結乾燥培養体として市販されている。
「アミノ酸オキシダーゼ」という用語は、アミノ酸を酸化的に脱アミノ化して対応するα−ケト酸にする酵素と定義される。アミノオキシダーゼ活性を有する酵素は、微生物、動物もしくは植物;またはアミノオキシダーゼ活性を産生する微生物の細胞;またはこのようなアミノ酸オキシダーゼを発現している酵素もしくは核酸、ベクターおよび微生物を産生する植物もしくは動物の組織物質のいずれかからの精製された酵素物質でよい。本発明の実施に際しては、酵素のD−および/またはL−型を使用することができる。D−またはL−アミノ酸オキシダーゼは、一般的に、反応混合物中にそれぞれ存在するD−またはL−アミノ酸に選択的に転換する。アミノ酸オキシダーゼによりその対応するα−ケト酸に転換され得るアミノ酸は、特には限られないが、好ましくは、上記方法の第2段階中に反応混合物中で生成される、α−ケト酸中間体の分解から直接的にまたは間接的に誘導される、食品ならびに香気風味化合物および代謝産物用の前駆体および中間体として働くアミノ酸を含む。例えば、これらだけには限らないが、このようなアミノ酸は、アラニン、フェニルアラニン、グルタミン、バリン、イソロイシン、ロイシン、リシン、プロリン、グリシン、トリプトファン、トレオニンなどを含むことができる。硫黄含有遊離アミノ酸、すなわち硫黄含有アミノ酸を含むトリ−ペプチド、および硫黄含有アミノ酸を含むタンパク質加水分解物を利用することができる。適切な食品タンパク質加水分解物が、例えば、N−Z−Amine、N−Z−Case、Hy−Case、およびPepticaseの商標でQuest International(米国、イリノイ州、Hoffman Estates)から、またその他の供給業者から入手可能である。好ましくは、硫黄含有アミノ酸には、L−メチオニン、L−グルタチオン、およびL−システイン、またはそれらの混合物が含まれる。好ましくは、本発明による方法の第2段階を実施する目的で、D−アミノ酸オキシダーゼおよびL−アミノ酸オキシダーゼの組合せが添加される。L−およびD−アミノ酸オキシダーゼの商業的供給源が、入手可能である(例えば、米国、ミズーリ州、セントルイス市、Sigma Chemicals)。アミノ酸オキシダーゼは、一般的に、約0.001から約4%の濃度で、好ましくは約0.01から約2%の濃度で使用される。
目標の風味が、プロセスの第2段階に到達したとき、反応混合物をある温度に加熱し、完全な酵素失活を確実にするのに十分な時間保持することによって、酵素(プロテアーゼ、ペプチダーゼ、アミノ酸オキシダーゼ、など)を失活させる(例えば、約70から約100℃に加熱し、約5から約60分間保持すること、またはその他のこの目的に適した温度サイクルによって)。
「プロテアーゼ酵素」および「ペプチダーゼ酵素」という用語は、上記初期(発酵)段階において、乳基質に相互作用し、かつ/または化学変化を起こして、遊離アミノ酸を生成する酵素と定義される。上記のとおり、プロテアーゼおよびペプチダーゼ酵素は、本発明の実施形態の関連で多機能性である。プロテアーゼおよびペプチダーゼは、プロセスの発酵段階中に、順番にまたは全てを添加してよい。これらは、プロセスの第2段階の完了後まで失活されない。これらの多機能性酵素は、様々な微生物から産生し、または植物もしくは動物組織から抽出することができる。上記酵素系の種々の酵素が、乾燥粉末として、または液状で市販されている。
プロテアーゼは、当技術分野で周知のように、真菌、植物、または動物を原料として得られる酵素である。適切なプロテアーゼの例には、Enzyme Development Corp.から入手可能なEnzeco Neutral Bacterial Protease2X、およびBiocatalystsから入手可能なPromod215が含まれる。粉末プロテアーゼは、一般的に、約0.01から約1%の濃度で、好ましくは約0.1から約0.4%の濃度で使用される。
ペプチダーゼ活性、好ましくはアミノペプチダーゼ活性を有する酵素も、上記の系において使用される。ペプチダーゼ活性を有する酵素は、精製された酵素物質でよく、またはラクトバチルスヘルベチクスなどの、ペプチダーゼ活性を産生する微生物の細胞でよい。培養された細胞は、噴霧乾燥、冷凍乾燥、冷凍、または新たに培養した細胞でよく、基質内で成長しない、もしくは増殖可能であってよい。噴霧乾燥されたラクトバチルスヘルベチクスは、約0.01から約3%の濃度で、好ましくは0.05から約0.5%の濃度で使用することができる。
「発酵段階」としても知られている第1のステップ中には、例えば、それだけには限らないが、濃縮されたUF/DF乳濃縮物などの乳製品に、乳酸菌が接種される。この接種混合物に、遊離アミノ酸の産生の助けとなるようにプロテアーゼおよびペプチダーゼが追加される。別法として、加水分解乳タンパク質(例えば、Fonterraから入手可能なNZ Amine、Arla Foods Ingredientsから入手可能なPeptigenおよびLacprodan、Glanbia Nutritionalsから入手可能なBarpro、Kerry Bioscienceから入手可能なEnzcaseおよびHycase)を、出発基質として使用することができ、あるいはラクトース(砂糖)の豊富な培地に、加水分解タンパク質および酵母エキスを補う。プロテアーゼおよびペプチダーゼに、乳酸培養体を添加する。得られる混合物を、プロセスの第1段階の部分として発酵させる。この混合物を、30℃で12〜18時間発酵させる。ペプチダーゼ酵素調合液は、プロテアーゼ酵素と協力して、反応混合物中に、チーズの風味の増大に寄与する、高濃度の遊離アミノ酸および低分子量ペプチドを産生する。したがって、この初期プロセス段階から得られる加水分解タンパク質混合物は、遊離アミノ酸を含む。この接種した基質は、第1段階プロセスの部分としての、一段階または複数段階の発酵プロセスにおいて発酵させることができる。この中間体である加水分解タンパク質混合物は、直ちにさらに処理することができ、あるいは以下に記載の後続のプロセスに進む前に冷蔵条件下(例えば約4℃)で一時的に貯蔵することができる。この発酵させた反応混合物は、場合によっては、さらなるプロセスの前に均質化ステップにかけることができる。
プロセスの第2段階においては、遊離アミノ酸およびチーズ微生物を含む培養チーズマトリックス中においてα−ケト酸中間体をin−situで産生するために、アミノ酸オキシダーゼが添加される。チーズ微生物は、第2段階プロセスの前には失活させない。in−situで産生されたα−ケト酸(および/または以下に記載のように外部から添加されたもの)は、同様に、チーズマトリックス中において、知覚できるチーズ風味および香気代謝産物にin−situで転換される。発酵乳製品化合物、遊離アミノ酸、アミノ酸オキシダーゼ、タンパク質分解酵素、およびペプチド分解性酵素を含有する中間反応混合物に、第2段階プロセス中、嫌気状態を防ぐのに十分な通気を行う。通気は、化学的に、または機械的に実施することができる。アミノ酸のα−ケト酸への転換により産生される過酸化水素副産物から酸素を遊離させるカタラーゼを、反応混合物に導入することができる。空気、酸素、またはその他の酸素含有気体を、散気板やインラインスパージャーなどにより、反応混合物中に導入することもできる。
所望のチーズ風味プロファイルが、十分に増大したとき、反応混合物を、酵素を失活させるのに十分な温度および時間加熱する。失活処理中、通気を中止する。得られるチーズ風味組成物製品は、直ちに使用することができ、または食品製造もしくは別用途においてチーズ風味添加剤として、後に使用されるまで、冷蔵条件下で安定的に貯蔵することができる。
酵素失活の前および/または後に、培養乳濃縮物の風味および香気レベルを、官能的に判断し、かつ/またはpH、滴定酸度、および所与のチーズ風味プロファイルに関連することが知られている、遊離脂肪酸、アミノ酸、またはその他の代謝産物の濃度などの、分析的測定により推定することができる。使用される官能検査は、例えば味覚および/または嗅覚を含むことがある。
この独特な複数ステップ酵素系は、新たに培養されたチーズ製品中において、α−ケト酸から、培養製品の全体的なチーズ風味の知覚を増強または増幅する、風味および香気化合物を増大させるのに有用である。培養チーズマトリックスにおける、アミノ酸オキシダーゼ、ならびにタンパク質分解およびペプチド分解酵素の使用は、本発明の実施に際していくつかの方法で、例えば、アミノ酸が多い乳酸菌発酵に使用されるときに、全体的なチーズ風味の知覚の増強の助けとなることにより、また特定の発酵での特定のアミノ酸の代謝を対象にし、「木の実らしい」タイプの風味プロファイルを有するブロックを含めた、対象となるアミノ酸に応じた特定のブロックにおいて、特定の風味を増大できることなどにより、チーズ風味濃縮物の生産用の風味および香気化合物の増大の助けとなり得る。また、チーズ風味濃縮物の生産において、風味および香気化合物を、比較的短時間内に熟成ステップを必要とせずに産生することができる。この独特な手法は、アミノトランスフェラーゼの使用に対してコスト有利な代替案を提供もし、発酵を通気条件下で実施できる場合、培養チーズ濃縮物(「CCC」)用途により適切でもある。
別の実施形態においては、遊離アミノ酸を、反応系中に外部から導入して、主要な遊離アミノ酸源を提供し、かつ/またはプロセスの初期(発酵)段階中に別にin−situで増大する遊離アミノ酸分を補足もしくは多様化することができる。in−situで産生および外部から添加されるアミノ酸を、アミノ酸オキシダーゼにより触媒されるアミノ酸の酸化的脱アミノ化によるα−ケト酸の産生、ならびに続いてプロテアーゼおよびペプチダーゼの共存下で、それが分解して風味代謝産物になることを含む、上記の第2段階プロセスに使用できるようにする。対象となるアミノ酸に応じた特定のブロック中に、特定の風味を増大させることができる特定の発酵において、選択されたアミノ酸の代謝を対象にするのにも、アミノ酸の外部からの添加を使用することができる。
本発明の方法で産生することができる風味ブロックには、例えば、木の実風味プロファイル成分、麦芽風味プロファイル成分、およびチョコレート風味プロファイル成分が含まれる。これらの風味ブロックを、様々な比で組み合わせて様々なチーズの所望の風味を生成することができる。
その他の補足の酵素共力作用を、場合によっては、上述の第2段階酵素反応を支援するために、プロセスの第2段階中に組み込むことができる。例えば、上記のように、カタラーゼを、場合によっては、上記のプロセスの第2段階中に、H副産物から酸素を再生するのに十分な量だけ添加することができる。アミノトランスフェラーゼを、場合によっては、上記のプロセスの第2段階中に添加して、アミノ酸およびケト酸の相互変換をさらに促進して、アミノ酸オキシダーゼにより産生されるケト酸をアミノ基受容体として使用して、様々なケト酸を産生することができる。しかし、アミノトランスフェラーゼの任意選択の追加の使用は、一般的に、チーズマトリックス中に限られていて、アミノ基転移を促進するために補足する必要がある、α−ケトグルタル酸などのアミノ基受容体の存在を必要とする。
上記プロセスは、順次のステップのための追加の容器への移動なしに、ただ1つの容器中で行うことができ、ただ1つの容器中で行うことが好ましい。上記容器は、優先的に、乳酸菌、酵素、および基質物質の間の良好な接触を確実にするため、および固形物を懸濁液中に保つための混合装置を備える。掻取面を有する混合タンクを使用することができる。再循環および均質化の機器を、水性物質からの脂肪相の分離を防ぎ、固形物を懸濁液中に保つ助けとなるために使用することができる。発酵段階中に、所望の含水量を維持するために、水を添加することができ、pHを調節するために、酸性または塩基性物質を添加することができる。反応混合物が嫌気性になるのを防ぎ、かつ良好な混合を提供するために、シェアポンプを用いて再循環させながら、発酵を実施することができる。
発酵段階については、通常のチーズ濃縮物添加剤および加工添加剤を、場合によっては、塩、増粘剤(例えば、キサンタンガム)、乳化剤、チーズ培養用の補足の開始培地(例えば、酵母加水分解物)、消泡剤(例えば、10%の活性シリコーン乳濁液消泡剤であるHodag FD−62K、米国、イリノイ州、Gurnee、Lambent Technologies Corp)、など、その意図したそれぞれの機能に十分な少量で、乳濃縮物基質に含むこともできる。リパーゼ(しばしばエステラーゼと呼ばれる)は、当技術分野で周知の酵素である。リパーゼは、一般的に、幼若動物(子ウシ、子ヤギ、または子ヒツジ)の食道組織から、成獣のすい臓から、または微生物源から得られる。食道組織から得られる様々な市販の調合液が、SKW Bloindustries、Marschall Laboratory、またはその他のこのような会社から様々な商標で市販されている。上記酵素は、食用の食道を塩および脱脂粉乳で粉砕(grinding)し、この混合物を乾燥し、再度粉砕することにより製造することができる。微生物のリパーゼ源は、例えば、カビであるカンジダキリンドラケア(Candida cylindracea)VII型、こうじ菌、アスペルギルスニガー(A.niger)、ペニシリウムロッケファラティ(Pencillium roqueforti)、ペニシリウムグローカム(P.glaucum)、およびリゾプスオリザエ(Rhizopus oryzae)である。リパーゼおよびプロテアーゼ酵素の混合物も、SKW BiolndustriesからのR2酵素などのプリブレンドの形で商業的に得ることができる。適切な真菌リパーゼが、BiocatalysisからLipomod187の商標で市販されている。粉末リパーゼ(好ましくは真菌リパーゼ)は、一般的に約0.05から約0.4%の濃度で使用することができる。第1段階プロセスの別の選択肢として、発酵の前に、遊離の乳酸だけの添加により、またはその他の食用の酸(例えば、HCl、酢酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、リン酸、およびそれらの混合物)と組み合わせて、基質のpHを風味増大に適した範囲に下げ、次いで発酵を実施することができる。
その他の特定の酵素、培養体、補助剤、およびその他の添加剤を、対象の風味ブロックの調製を促進するために第1段階のプロセスに提供することができ、このようなブロックは、本明細書に参照により組み込んだ特許文献3および特許文献4などに記載のように、「サルフェリーチェダー(sulfury−cheddar)」成分、「チーズ味の」成分、または「クリーミーバターリー(creamy−buttery)」成分に対応する。
上記のとおり、アミノ酸のα−ケト酸への変換の過酸化水素副産物からの酸素の放出を促進するために、プロセスの第2段階中に、カタラーゼを、場合によっては、添加することができる。また、上記のとおり、アミノトランスフェラーゼまたは高濃度のアミノトランスフェラーゼを産生している微生物の細胞もしくは無細胞抽出液を、場合によっては、上記のプロセスの第2段階中に添加して、アミノ酸およびケト酸の相互変換をさらに促進して、アミノ酸オキシダーゼにより産生されるケト酸をアミノ基受容体として用いて様々なケト酸を産生することもできる。しかし、上記のとおり、アミノトランスフェラーゼの任意選択の追加の使用は、一般的に、α−ケトグルタル酸などのアミノ基受容体の存在を必要とする。
上記の方法から得られる培養チーズ濃縮物製品は、一般的に液状または糊のような粘稠度を有する。糊の形は、広げられる粘稠度を有する粘性の塊として特徴付けられる。培養チーズ濃縮物の液状または糊の形は、必要に応じて、噴霧乾燥して、その粉末の形を形成することができる。その液状/糊の、または粉の形は、食品に風味添加、風味増強用に、および基質としてその自然のチーズ成分用に使用することができる、すぐ使用できるチーズ風味添加材料である。チーズ製造に一般に使用される、レンネットまたはアルカリ土類塩凝固剤などのチーズ凝固剤は必要ではない。発酵後に、乳清の排出ステップは使用されず、必要でもない。さらに、得られるCCC製品中に有用なチーズ風味プロファイルを増大させるために、チーズブロックを形成または長期間硬化/熟成することが必要ではない。チーズ風味添加剤として使用する前に、培養チーズ濃縮物を、粉砕、薄切り、裁断、清掃など行わなくてよい。
本発明により具体化された方法により得られるチーズ風味組成物製品は、特に食品において、多くの潜在的な用途を有する。例えば、培養チーズ濃縮物を、プロセスチーズ、チーズスプレッド、ナチュラルチーズ、アナログチーズ、コテージチーズ、クリームチーズ、粉チーズ、調味料、チーズソース、スナック食品用チーズ風味、促進剤、ドレッシング、スナック食品(例えば、スナックポテトチップ、スナック食品チーズフィリング)などのバルク食品に組み込んで、それらにチーズ風味を与え、または増強することができる。培養チーズ濃縮物は、チーズベース、食品配合に組み込むことができ、かつ/または、食品にその糊または粉の形で充填あるいは塗布することができる。培養チーズ濃縮物を、自然のチーズ成分用の基質として使用することができ、その他ではこのような食品に使用することを目的としている。
プロセスチーズおよびチーズスプレッド製造において、培養チーズ濃縮物は、製品加工の容易性、機能性、または所望の製品官能特性に悪影響を及ぼすことなく、自然のハードチーズの要求量を減少させるのに使用することができる。そのいくらかの部分に基質として本明細書の培養チーズ濃縮物を使用することにより、プロセスチーズまたはチーズスプレッド配合の特に自然のチーズ量および乾物濃度の減少は、著しいコスト節約をもたらし得る。培養チーズ濃縮物は、長い硬化期間を必要とする自然のチーズより格段に迅速に、すぐ使用できる形に生産することもできる。また、自然のチーズの通常の取り扱い操作(例えば、冷蔵バルク貯蔵、清掃、粉砕など)を、本発明の培養チーズ濃縮物を少なくともその一部分の基質として使用することにより減少させ、またはなくすことができる。
チーズ風味組成物を、培養チーズ濃縮物として乳基質または乳清基質に組み込み、それらから自然のチーズまたはアナログチーズ(analog cheese)を生産することができる。例えば、培養チーズ濃縮物を、風味添加剤として自然のチーズに使用される乳基質に添加することができ、次いでこの乳基質は、所望の風味の「自然の」チーズを生産するのに一般的な慣習的な方法で処理する。
上記のとおり、所望の風味プロファイルを増大させるのに他のブロックとモジュール方式で組み合わせることができる、チーズ風味構築ブロックを、本発明の原理を用いて調製することもできる。
組み込まれる培養チーズ濃縮物の総量は、所望の風味特性に応じた特定の風味の組合せまたは風味を実現するために変更することができる。
以下の実施例は、本発明をさらに例示する。特段の指示のないかぎり、部および%は重量による。本明細書に引用される全ての特許および刊行物は、参照により本明細書に組み込まれる。
(実施例)
対照:緩衝溶液中におけるアミノ酸オキシダーゼを用いたケト酸の産生。緩衝溶液中におけるケト酸の産生を、選択された遊離アミノ酸およびアミノ酸オキシダーゼ酵素の反応により調査する対照実験を実施した。緩衝溶液は、乳基質およびチーズ微生物を含まなかった。反応混合物は、アミノ酸溶液、アミノ酸オキシダーゼ、およびカタラーゼ(これは反応副産物の過酸化水素と反応した)を含んだ。D−アラニン、D−バリン、D−グルタミン酸、L−イソロイシンおよびD,L−ロイシンの各アミノ酸を、遊離酸反応物質として添加した。各アミノ酸を、10mMの濃度でリン酸緩衝液(100mM、pH8.0)に添加し、L−およびD−アミノ酸オキシダーゼ(米国、ミズーリ州、セントルイス市、Sigma Chemicals)各8単位(unit)/mLおよびカタラーゼ(Novozymes)32mg/mLを、5mLの反応体積に添加した。サンプルを、37℃で2時間通気しながらインキュベートした。
反応生成物を、様々なα−ケト酸生成物の存在および特性分析的な応答を検出するために、ミセル動電キャピラリー電気泳動法により分析した。
対照の反応がカタラーゼを存在させず、それ以外は同様の反応条件下で実施できることを示した、追加の比較実験を実施した。しかし、カタラーゼなしに実施した別の実験と比較して、カタラーゼが対照実験に含まれたときに、反応効率が増加した。酸化反応を、Hを存在させずに、ただしより低い効率性で首尾よく実施することもでき、酸素を空気、酸素富化空気、または酸素を用いて供給することもできる。
乳基質中におけるアミノ酸オキシダーゼを用いたケト酸の産生。本実験においては、乳基質、特に5×乳濃縮物中における、ケト酸の産生用のアミノ酸オキシダーゼを評価した。乳基質として、全乳を通常の限外ろ過/ダイアフィルトレーション技術にかけて、約5×乳濃縮物生成物を生成した。乳濃縮物は、乳酸培養、またはプロテアーゼ/ペプチダーゼで処理されていなかったので、低濃度の遊離アミノ酸のin−situでの産生が予想されたので、乳基質に遊離アミノ酸を別に添加して補足した。添加したアミノ酸のタイプおよび量は、上述の対照の緩衝系に添加したそれらと同一であった。全てのその他の実験の反応物質および合成条件は、対照実験におけるそれと同じであった。
得られた生体生成反応混合物を、ミセル動電キャピラリー電気泳動法で分析した。この特許に記載されたチーズ風味添加系は、様々な成分から導かれ、個々の成分が様々な比で組み合わされて、培養チーズ濃縮物製品において個別の風味プロファイルを提供する。α−イソカプロン酸、α−ケト吉草酸、およびα−ケトイソ吉草酸の各α−ケト酸の存在が、反応混合物中に検出された。
上記のタイプの化学合成したα−ケト酸(各0.1%)を、培養チーズ濃縮物マトリックスに添加し、チーズ風味の知覚の増加を試食により感知することにより、風味効果の感覚データを収集した。
これらの実験は、乳基質(5×乳濃縮物)および緩衝系の両方において、アミノ酸を、アミノ酸オキシダーゼでそのそれぞれのケト酸に転換することができることを実証した。
EMFCにおけるアミノ酸オキシダーゼの評価。チーズベースは、粉乳、クリーム、乳脂肪、塩、乳酸および水から構成された。微生物プロテアーゼ、微生物リパーゼおよびペプチダーゼからなる酵素混合物を添加した(Neutral Bacterial Protease、Promod 215、Enzobact、Lipomod187)。得られたチーズミックスを、次の培養体で接種した。ラクトコッカスラクティス亜種ラクティス、ラクトコッカスラクティス亜種クレモリス、およびラクトコッカスヘルベチクスを各0.01%添加した。α−ケト酸を、0.1%比でそれぞれ添加し、これらのケト酸は、α−ケトイソカプロエート、α−ケトグルタレートおよびα−ケトグルタレート+ロイシンから構成された。ケト酸の影響を個別に評価するために、これらのケト酸のそれぞれを、別々のバッチのチーズに添加した。これらのチーズバッチを32℃で48時間インキュベートして、約5.2の最終pHとした。これらのチーズサンプルは、培養体および酵素を失活させるために熱処理し、GC−MSおよびGC嗅覚測定法(GC−olfactometry)による風味分析用に提出した。
5×乳中の発酵中でのα−ケトグルタレートおよびα−ケトグルタレート+ロイシンを補足することの影響調査のために実施した実験。5×UF/DF乳を、培養体R607を0.01%接種して発酵させた。30℃での14時間のインキュベーションの後に、0.02%Promod、0.02%Enzobact、0.02%Neutral Bacterial Protease、0.02%Lipomodを発酵物に添加した。
実験サンプルは、(a)0.2%α−ケトグルタレート、(b)0.2%α−ケトイソカプロン酸、および(c)0.2%α−ケトグルタレート+0.2%ロイシンを含んだ。対照サンプルは、遊離アミノ酸またはケト酸の添加を何も含まなかった。
サンプルを、30℃で48時間インキュベートした。酵素を失活させるために、サンプルを63℃で30分間熱処理した。各サンプルの風味を官能評価した。実験サンプル(a)および(c)は、対照サンプルと比較してよりチーズの風味を有すると評価された。サンプル(b)は、より緑色度が高く、木の実らしい、麦芽らしい、チョコレートらしいと判断された。
本発明を、特定のプロセスおよび生成物の実施形態を個別に参照して、詳細に記載したが、様々な修正、変更形態および適合が、本開示に基づくことができ、かつ添付の特許請求の範囲により定義される本発明の精神と範囲を逸脱すべきではないことを理解されたい。

Claims (20)

  1. 食品において使用されるチーズ風味の増大を促進する方法であって、
    (a)タンパク質を含有する乳製品反応混合物を乳酸生成微生物と約25℃から約45℃の温度で、約8から約72時間接触させて、ペプチドおよび遊離アミノ酸を提供するステップと、
    (b)前記ペプチドおよび遊離アミノ酸をアミノ酸オキシダーゼと接触させて、前記ペプチドおよび遊離アミノ酸を脱アミノ化して、α−ケト酸を提供するステップと、
    を含み、
    前記α−ケト酸を、前記反応混合物内でさらに代謝させて、チーズ風味化合物を提供することを特徴とする方法。
  2. ステップ(a)は前記乳製品をプロテアーゼ酵素と接触させるステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. ステップ(a)は前記乳製品をペプチダーゼ酵素と接触させるステップをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 前記反応混合物を約60℃から約80℃の温度に約15秒から約1時間加熱することにより、前記反応混合物内の前記酵素を失活させるステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 前記反応混合物を約74℃の温度に約16秒間加熱することにより、前記反応混合物内の前記酵素を失活させるステップをさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. 前記反応混合物を約63.5℃の温度に約30分間加熱することにより、前記反応混合物内の前記酵素を失活させるステップを含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
  7. ステップ(a)は少なくとも1種の遊離アミノ酸を前記反応混合物に添加するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  8. 前記遊離アミノ酸は、イソロイシン、ロイシン、バリン、フェニルアラニン、トリプトファン、メチオニンまたはそれらの任意の組合せから選択されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. ステップ(b)は前記反応混合物を酸化するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  10. ステップ(b)は前記反応混合物にカタラーゼ酵素を添加するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  11. 前記反応混合物に過酸化水素を添加するステップをさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
  12. ステップ(b)は前記反応混合物にアミノトランスフェラーゼを添加するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  13. ステップ(b)は前記反応混合物にアミノ基受容体を添加するステップをさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
  14. 前記タンパク質を含有する乳製品は、乳、乳濃縮物、乳清、乳清濃縮物、乳清基質、またはそれらの任意の組合せから選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  15. 前記乳酸生成微生物が、ラクトバチルスブルガリクス、ラクトバチルスラクティス、ラクトバチルスヘルベチクス、ラクトバチルスデルブルキ亜種ラクティス、ストレプトコッカスサーモフィルスラクトコッカスラクティス亜種ラクティス、ラクトコッカスラクティス亜種クレモリス、ラクトコッカスラクティス亜種ラクティス次亜種ジアセチラクティス、ロイコノストックラクティス、ロイコノストックメセンテロイデス亜種クレモリス、ぺジオコッカスペントサセウス、およびラクトバチルスカゼイならびにそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  16. 請求項1に記載の方法により作成されるチーズ風味組成物を含むことを特徴とする食品。
  17. チーズベースを含むことを特徴とする請求項16に記載の食品。
  18. プロセスチーズ、チーズスプレッド、クリームチーズ、コテージチーズ、ナチュラルチーズ、粉チーズ、調味料、チーズソース、スナック食品用チーズ風味、促進剤、ドレッシング、およびアナログチーズからなる群から選択されることを特徴とする請求項16に記載の食品。
  19. チーズ風味食品を調製する方法であって、
    (a)チーズまたは乳ベースを調製するステップと、
    (b)前記チーズまたは乳ベースに請求項1に記載のチーズ風味化合物約1から約10%を組み込むステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
  20. 前記チーズまたは乳ベースは、プロセスチーズ、チーズスプレッド、クリームチーズ、コテージチーズ、ナチュラルチーズ、およびアナログチーズからなる群から選択されることを特徴とする請求項19に記載の方法。
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