JP4732109B2 - 複数ワークの分離方法 - Google Patents

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この発明は、複数のワークを横並べした状態で全体を一度に摩擦撹拌接合(これを一括接合というものとする)したとき、隣り合うワークがその境界部上において摩擦撹拌接合で結合一体化するので、その後、この結合部を切り離して隣り合うワークを有利に分離する方法に関する。
長手形状のアーム部とその端部に摩擦撹拌接合されたブッシュ取付け用のブラケットを有するリンクロッドは公知である。このリンクロッドの製法として、リンクロッドのアーム部とブッシュ取付け用のブラケットの各複数分に相当するアーム用素材とブラケット用素材とをそれぞれ押出成形してから各素材間を相互を摩擦撹拌接合し、その後製品幅にスライスして個々のリンクロッドに分離するものがある(特許文献1参照)。
また、左右のブラケットとアーム部からなるセットを複数用意し、各セットは、アーム部の長手方向左右端部を左右のブラケットに設けられた接合部へ突き合わせて仮組み状態とし、この仮組み状態のものを複数セット横並びさせて、突き合わせ部が一直線状になるようにセット(これを「横並びセット」とする)してから、突き合わせ部に沿って全体を一度に摩擦撹拌接合し、その後、隣り合うセットの摩擦撹拌接合した部分をバンドソー等で切断することにより各セットを分離してリンクロッドを形成する方法も考えられる。
特開平11−99415号公報
ところで、上記のように複数のワークを横並べして全体を一度に摩擦撹拌接合すると、隣り合うワークは互いの境界部上にて摩擦撹拌接合により結合し、横並べした全ワークが一体化して一つの結合体になる。そこで摩擦撹拌接合後にこの結合部を切り離して各ワークを分離しなければならない。しかし横並びセット時に隣り合うワーク間を密にすれば、カット時にはバンドソー等の刃幅に相当する切り代が必要になるため、予め各ワークの幅を製品幅よりも切り代分だけ幅広にしておかなければならず、この切り代分が材料ロスとなる。そのうえカットは、本来上記交点における結合部だけを分離すれば足りるところ、全体の製品幅を一定にするためにはワークの全長に及ぶ必要があるので、カット長並びに工数も多くなってしまう。また、横並びセット時に隣り合うワーク間を開けて、スペーサーを介在させることも考えられるが、このようにすると、スペーサーが材料ロスになるとともに横並びセット時の位置決め工数が余計にかかることになる。
そこで本願発明は、複数ワークを密に横並べして摩擦撹拌接合により一括接合した後において、各ワークの分離を容易に行い、かつカット時の材料ロスを少なくすることを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1における複数ワークの分離方法は、第1及び第2の部材を突き合わせたワークを複数横並べして、各ワークの突き合わせ部を摩擦撹拌接合で一括接合した結合体とし、
その後、この結合体に対して隣り合うワーク間の摩擦撹拌接合部上から穴開け工具で分離用凹部を形成することにより、各ワークを分離させることを特徴とする。
請求項2は上記請求項1において、前記分離用凹部が非貫通のものであることを特徴とする。
請求項3は上記請求項1において、隣り合うワークの境界線と摩擦撹拌接合の接合ラインとの交点近傍に形成される不均一組織部分を、前記分離用凹部の形成により同時に除去することを特徴とする。
請求項4は上記請求項1において、前記ワークがリンクロッドであり、前記第1の部材が長手部材からなるアーム部であり、前記第2の部材がアーム部の長手方向両端部に結合された左右のブッシュ取付用ブラケットであることを特徴とする。
請求項1によれば、複数のワークを横並べして全体を摩擦撹拌接合により一括接合したとき、各ワークは第1及び第2部材がそれぞれの突き合わせ部で摩擦撹拌接合により結合されるとともに、隣り合うワーク間は境界部のみにて摩擦撹拌接合で相互に結合し、横並べした全ワークが一体化して一つの結合体になる。そこで、この結合体に対して隣り合うワーク間の境界部における結合部の上から穴開け工具で分離用凹部を形成すると、結合部が分離用凹部により除去されるので、隣り合うワークが分離される。
このとき、境界線上に分離用凹部を形成するだけで隣り合うワークを分離できるから、隣り合うワークの境界線に沿ってバンドソー等を比較的長い距離移動させることによりカットする必要がなくなるので、製品幅に加えて切り代を設けることや、スペーサーを介在させることが不用となり、材料ロスを少なくすることができる。そのうえ、比較的小さな分離用穴の形成により分離できるのでカット工数も削減できる。
請求項2によれば、分離用凹部は摩擦撹拌接合部分の深さ程度まで穿孔すれば足りるので、非貫通のものとすることができ、これにより穿孔工数や材料ロスのさらなる低減を図ることができる。
請求項3によれば、摩擦撹拌接合により隣り合うワークの境界線と摩擦撹拌接合の接合ラインとの交点近傍に形成された不均一組織部分を、分離用凹部の形成により同時に除去することができ、不均一組織部分をワークの分離と同時に行うことができる。
請求項4によれば、第1の部材であるアーム部と、その長手方向両端に摩擦撹拌接合される第2の部材であるブッシュ取付用ブラケットを備えたリンクロッドを容易に形成できる。
以下、図面に基づいて第1の実施形態を説明する。図2は本願発明の対象となるワークとしての自動車のサスペンション等に用いられるリンクロッドを示し、Aはその正面図、Bは平面図である。このリンクロッド1は、第1の部材である断面略I字状のアーム部2と、その長手方向両端に結合一体化されるとともに、ブッシュ3が設けられた第2の部材であるブラケット4を備える。この例では、左右のブッシュ3は同一である。但し、左右で寸法や材料等を異ならせることは自由にできる。ブラケット4は本願発明のブッシュ用取付ブラケットをなす。
ブラケット4は略円筒状をなし、その外周部の一部から径方向外方へ一体に突出する取付突部5を備え、取付突部5の端部とアーム部2の端部は突き合わせ部6で相互に突き合わされ、摩擦撹拌接合で結合一体化されている。この突き合わせ部6の近傍となるアーム部2の端部内側には、取付突部5の突出端側に形成された嵌合突部7が圧入されている。8は分離用穴である。
嵌合突部7の上下面には段部7a,7aが形成され、この段部7a,7aの深さt分だけ嵌合突部7の上下方向幅が取付突部5よりも狭くなっている。段部7a,7aの端部である立て壁部7bの上端は突き合わせ部6と一致する。段部7a,7aの深さtは、突き合わせ部6の深さとも一致する。
分離用穴8は後から詳述するが本願発明の分離用凹部に相当するものであり、Aに示すように、突き合わせ部6の深さtよりも深く形成されることが好ましく、かつBに示すように、突き合わせ部6の長さ方向両端部に半円状をなして形成される。この分離用穴8は外側方へ開放されて形成され、リンクロッド1の幅方向端部9によって円を半分に分割されたものに相当する。幅方向端部9は、アーム部2とブラケット4の各幅方向端面に沿う線であり、両幅方向端部9、9間の幅W1は製品幅でもある。
ブラケット4の内側に設けられるブッシュ3は、防振ゴム3a及びこれを介してブラケット4と連結される内筒3bを備え、ブラケット4と内筒3bが略同心的に配置されている。但し、ブッシュ3の構造も任意であり、例えば、内外二重筒式であって、外筒をブラケット4のリング部へ圧入で取付けられるものでもよい。内筒3bは偏心配置されたものでもよい。
図1は、このリンクロッド1の製法全体を概略的説明するものである。図中のAは、アーム部2及びブラケット4の製造工程であり、アーム部2は横断面略I字状に押出成形された押出素材を所定のアーム長で定尺カットしたものを所定数横並べする。ここでアーム部2の横並べとは、アーム部2の長手方向と直交する方向へ各アーム部2の側部が密に接するように並べる状態をいう。アーム部2の押出素材はアルミ合金等の軽合金をE方向へ押し出したものである。
ブラケット4も、その正面視形状(図2のA参照)を押出形状として押出成形されたブラケット用素材14に対して、カットラインFで示すように押し出し方向と直交する方向に製品幅W1(図2のB参照)で定尺カットしたものであり、これも所定数を押出方向へ横並べする。ここでブラケット4の横並べとは、押し出し時に一体形成されるブラケット取付のブッシュ穴4aの軸線方向へ各ブラケット4を同軸上にて密に並べた状態をいう。ブラケット用素材14もアルミ合金等の軽合金をE方向へ押し出したものである。
Bはアーム部2の長さ方向両端部へブラケット4、4を突き当てて仮組みセットしたものを横並びにセットしてから回転工具30にて摩擦撹拌接合し、その後、ドリル40にて分離する工程を示す。ドリル40による分離は、隣り合うリンクロッド1の境界線41と摩擦撹拌接合による連続一直線状の接合ライン42との交点43を上方から分離用穴8を穿孔して形成することにより行う。境界線41は隣り合うリンクロッド1の各幅方向端部9、9(図1参照)が接する線である。
符号44は仮組みセット、45は複数の仮組みセット44を摩擦撹拌接合により全体が結合一体化したセット結合体である。セット結合体45の状態においては、各仮組みセット44はアーム部2とブラケット4が一体化されたリンクロッド1になっており、これらリンクロッド1の隣り合うもの同士が境界線41の上で摩擦撹拌接合により、互いに結合一体化された状態である。なお仮組みセット44はアーム部2とブラケット4がまだ摩擦撹拌接合で一体化されていない状態を意味する。
Cは分離されて完成されたリンクロッド1の斜視図を示す。隣り合うリンクロッド1は分離用穴8を形成するだけで分離される。隣り合うリンクロッド1を分離すると、それまで平面視円形だった分離用穴8は、平面視半円形で上方及び外側方へ開放された凹部をなす。
図3〜10は、このリンクロッド1を製造する際における各工程の詳細を説明するものである。図3はブラケット4とアーム部2の端部を結合する方法を説明する図であり、Aは仮組する状態、Bは摩擦撹拌接合時における状態を示す。
Aに示すように、ブラケット4の取付突部5には嵌合突部7が一体に形成され、かつ嵌合突部7の上下両面には段部7a,7aが形成され、これらはその端部である立壁部7bと一体に形成される。嵌合突部7をアーム部2の端部2aの後述する空間へ嵌合し、取付突部5の立壁部7bへアーム部2の端部2aを突き合わせて仮組みし、その後、図のBに示すように、突き合わせ部6に沿って摩擦撹拌接合することによりアーム部2とブラケット4が結合一体化される。
アーム部2は、第1の面20,第2の面21及び第3の面22を有する略I字断面をなす部材であり、長手方向をブラケット4のブッシュ穴4aにおける中心軸線方向と直交させて配置し、端部2aにおける第1の面20及び第2の面21の各端部が段部7a上に重なり、その先端面が立て壁部7bへ突き合わされる。アーム部2の高さと取付突部5の高さ方向幅はそれぞれHで一致する。
図4はアーム部2の詳細を示す図であり、Aは切り欠き部形成前の正面、Bは横断面、Cは切り欠き部形成後の正面をそれぞれ示す。これらに明らかなように、アーム部2は上下が平行して一対をなす第1の面20,第2の面21をなし、これらと直交して連結する立壁状の第3の面22を一体に形成したものである。
アーム部2はAに示す断面略I字状の押出形状にて押し出し成形されて定尺カットされた後、第3の面22の端部2a側における端部をその後切り欠いて切り欠き部23とし、Cに示すように、第1の面20,第2の面21及び切り欠き部23で囲まれた嵌合用の空間を形成し、ここに嵌合突部7を嵌合するようになっている。第1の面20及び第2の面21の板厚はtであり、段部7aの深さと一致している(図2のA参照)。
図5は、アーム部2とブラケット4の仮組みセットを複数横並びに配置した状態の上面視図である。アーム部2をブラケット4の押し出し方向Eへ隙間なく複数本横並びさせて配置する。ブラケット4の及びアーム部2の横幅をW1としたとき、アーム部2をN本(この例ではN=5)横並べした全体の横幅W2はW1×Nである。
アーム部2の長手方向他端側も同様にして、他のブラケット4に突き合わせる。このようにしてなる横並びセット状態では、各アーム部2の突き合わせ部6が連続一直線状になり、一つの仮想直線16上に重なる。そこで、この仮想直線16上に沿って連続的に一度の工程で摩擦撹拌接合して一括接合する。
図6は横並状態におけるアーム部2の長手方向端部を突き合わせ側から示す図である。この図に明らかなように、第1の面20と第2の面21は、第3の面22により上下に間隔を保って図の左右方向へ連続している。また第3の面22における切り欠き部23も同じ高さで図の左右方向へ間隔を持って並ぶため、第1の面20と第2の面21の間に、図の左右方向へ連続して嵌合突部7が嵌合するようになっている。
なお、本図では嵌合突部7が第1の面20及び第2の面21から若干離れて表現されているが、これは見易くするための便宜上の表現であって、実際は嵌合突部7が第1の面20及び第2の面21に重なった密接状態になっている。
図7は摩擦撹拌接合の状態を示す図であり、突き合わせ部6の上から高速回転する回転工具30のプローブ31を押し付けることにより、突き合わせ部6の上から材料内部へ差し込み侵入させ、両側の材料を摩擦撹拌接合することにより一体化する公知の接合方法である。
このとき、突き合わせ部6を挟む取付突部5と端部2aの表面である工具移動面32は面一になっているので段差が無く、回転工具30による信頼性の高い摩擦撹拌接合を可能にする。しかも、突き合わせ部6は横並べされた全アーム部2にわたって一直線状に連続する仮想直線16(図5参照)をなすので、これに沿って回転工具30を移動させることにより、一回の操作で全アーム部2を取付突部5と結合一体化する一括接合ができる。
また、端部2aにおける第3の面22に形成した切り欠き部23により、上下の第1の面20及び第2の面21間には嵌合突部7が嵌合されているため、回転工具30を強く端部2aへ押しつけても、嵌合突部7が内側から支持することにより、端部2aが下側へ凹むような変形を阻止することができ、これによっても回転工具30による安定した信頼性の高い摩擦撹拌接合を可能にする。
このようにして摩擦撹拌接合が行われると、全ブラケット4とアーム部2が突き合わせ部6にて結合一体化され、リンクロッド1となる。但し、仮想直線16が連続するものであり、この線の上に摩擦撹拌接合による接合ライン42(図1)が形成されるので、隣り合うリンクロッド1は、接合ライン42と境界線41の交点43(図1)部分でのみ摩擦撹拌接合により結合一体化された状態となる。寸法dはプローブ31の侵入深さであり、第1の面20(第2の面21)の肉厚よりも大きくすることが好ましい。
図8は摩擦撹拌接合状態を示す仮想直線16に沿う断面図であり、第1の面20と嵌合突部7は、プローブ31の長さに相当する差し込み長さである侵入深さdに相当する深さで摩擦撹拌される。このとき、第1の面20及び嵌合突部7の各表面は酸化等により内部と若干組織が異なっているが、この部分も内部と一緒に摩擦撹拌で溶融される。しかしプローブ31の回転軸方向では撹拌されず不均一組織層のまま、プローブ32の移動にしたがって幅方向縁部9へ向かって移動する。
やがて、プローブ32が幅方向縁部9へ達すると、隣り合う幅方向縁部9、9間による境界線41が母材間における微視的な不連続部をなすため、不均一組織層はこの境界線41と接合ライン42の交点43近傍へ集中され、この部分に局部的な不均一組織部46が形成される。しかもこの不均一組織部46を含む部分でのみ隣り合うリンクロッド1同士が結合一体化される。但し、この不均一組織部46が形成された隣り合うリンクロッド1の結合部自体も境界線41上のみにおける微少部分である。なお、下側の第2の面21においても同様である(以下の説明でも同様に省略する)。
図9は分離用穴形成を示す断面図であり、図8において不均一組織部46の上方からドリル40を下降させて形成することにより、図9に示すように、分離用穴8を境界線41上に形成する。その深さDはプローブ31の侵入深さdよりも若干長くすることが好ましい。この分離用穴8によって不均一組織部46が同時に除去される。しかも隣り合うリンクロッド1同士の結合部分が同時に除去されることになる。この分離用穴8は深さD程度の非貫通穴であるが、このような比較的浅い穴の形成により、隣り合うリンクロッド1の分離と不均一組織部46の除去が可能になる。
図10は分離用穴形成時における平面視を示し、Aは分離用穴8を形成直後の状態を示す。この図において、分離用穴8は境界線41と接合ライン42(仮想直線16と一致する)の交点43上に形成され、分離用穴8の半径は不均一組織部46の形成域を十分に含む大きさで任意に設定される。なお、分離用穴8はセット結合体45に対して境界線41と接合ライン42の各交点43(図1参照)について行う。したがって一つのリンクロッド1につて接合部6の両端に分離用穴8が左右一対で形成される。
図10のBは分離用穴8による形成時における平面視であって、隣り合うリンクロッド1の分離の前後における状態を示す。Aに示すように、分離用穴8を境界線41の上に形成することにより、隣り合うリンクロッド1を相互に結合する摩擦撹拌接合部分が除去されるため、Bに示すように、隣り合うリンクロッド1は境界部で分離され、セット結合体複数45(図1参照)の状態から、それぞれが独立した完成品となる。このとき、不均一組織部46も同時に除去される。
次に、本実施例の作用を説明する。図1に示すように、仮組みセット44を複数横並びして摩擦撹拌接合することにより、複数のリンクロッド1を一度に摩擦撹拌接合できるので生産効率を高めることができる。そのうえ、摩擦撹拌接合後において、各境界線41と接合ライン42の交点43上に分離用穴8を形成することにより、隣り合うリンクロッド1を簡単に分離できる。
このため、境界線41上に分離用穴8を形成するだけで隣り合うリンクロッド1を分離できるから、境界線41に沿ってバンドソー等を移動させることにより比較的長い距離をカットする必要がなくなるので、製品幅W1に加えて切り代をさらに設けることや、スペーサーを介在させることが不用となり、材料ロスを著しく少なくすることができる。そのうえ、比較的小さな分離用穴8の形成により分離できるのでカット工数も著しく削減できる。
また、分離用穴8を回転工具30におけるプローブ31の侵入深さdよりも若干深い寸法D等になるように比較的浅い非貫通穴として形成すれば、穿孔時の工数を比較的少なくできるとともに、この穴により境界線41近傍に形成される局部的な不均一組織部46が簡単に除去される。しかも、リンクロッド1の分離と同時に不均一組織部46を同時にかつ簡単に除去できる。このため、摩擦撹拌接合端部に形成される局部的な不均一組織部46を除去して摩擦撹拌接合部全体における組織を高度に均一化できる。
なお、本願発明は上記の各実施形態に限定されるものではなく、発明の原理内において種々に変形や応用が可能である。例えば、リンクロッドの用途は、サスペンションやエンジンマウント等の自動車用各部への適用が可能である。さらに、アーム部は単純な角パイプ等であってもよい。
図11はこのような別実施例を示す図1に相当する図であり、共通部には共通符号を用いて示す。アーム用素材12はアーム部2の長手方向と直交し、ブラケット用素材14と同方向Eへ押し出されたものであり、このアーム用素材12を押し出し方向Eと直交する方向と平行に製品幅でカットされる。このとき第1及び第2の面20及び21並びに切り欠き状部53も連続して形成されている。
切り欠き状部53は押し出し方向Eから見て切り欠き部23(図4)と同様形状をなすが、押し出しと同時に形成される。また肉抜き穴50も同時に形成される。これらの肉抜き穴50及び切り欠き状部53を除くアーム部2は中実で角断面をなす。第3の面22はカット時の側面をなし、中実部の側面でもある。ブラケット4も同様にカットして形成される。カット後のアーム部2及びブラケット4は前実施例と同様に組立できる。また、切り欠き状部53及び嵌合突部7を設けずに、アーム部2の長さ方向端面を取付突部5の端面と同形にして、双方を直接突き合わせて摩擦撹拌接合してもよい。
本願発明に係るリンクロッドの製造工程を概略的に示す図 リンクロッドを示す図 仮組状態を示す図 アーム部を示す図 アーム部を横並び配置した状態の上面視図 横並びされたアーム部の長さ方向端部を示す図 摩擦撹拌接合の状態を示す図 不均一組織部の形成を示す断面図 分離用穴の断面図 分離用穴の平面図 別実施形態に係る図1相当図
符号の説明
1:リンクロッド(ワーク)、2:アーム部(第1の部分)、3:ブッシュ(第2の部分)、4:ブラケット、5:取付突部、6:突き合わせ部、7:嵌合突部、8:分離用穴、9:幅方向端部、12:アーム用素材、14:ブラケット用素材、30:回転工具、31:プローブ、32:工具移動面、40:ドリル(穴開け工具)、41:境界部、42:接合ライン、43:交点、44:仮組みセット、45:セット結合体、46:不均一組織部

Claims (4)

  1. 第1及び第2の部材を突き合わせたワークを複数横並べして、各ワークの突き合わせ部を摩擦撹拌接合で一括接合した結合体とし、
    その後、この結合体に対して隣り合うワーク間の摩擦撹拌接合部上から穴開け工具で分離用凹部を形成することにより、各ワークを分離させることを特徴とする複数ワークの分離方法。
  2. 前記分離用凹部が非貫通のものであることを特徴とする請求項1に記載した複数ワークの分離方法。
  3. 隣り合うワークの境界線と摩擦撹拌接合の接合ラインとの交点近傍に形成される不均一組織部分を、前記分離用凹部の形成により同時に除去することを特徴とする請求項1に記載した複数ワークの分離方法。
  4. 前記ワークがリンクロッドであり、前記第1の部材が長手部材からなるアーム部であり、前記第2の部材がアーム部の長手方向両端部に結合された左右のブッシュ取付用ブラケットであることを特徴とする請求項1に記載した複数ワークの分離方法。
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