JP4731712B2 - 空気調和装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は空気調和装置に係り、特に蓄熱槽を備えた空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、圧縮機、室外熱交換器、およびアキュムレータ等の室外機要素を収容した室外機と、蓄熱コイルを有した蓄熱槽と、室内機とを接続した空気調和装置が知られている。この種のものでは、電力料金の比較的安価な深夜電力を利用して、上記蓄熱槽に冷熱または温熱を蓄え、昼間の時間帯にこの蓄熱槽内の熱を一部または全部利用して冷暖房運転を実現している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の構成では、上記室外機と上記蓄熱槽とが別体であった。これらを単一の筐体に収容した場合、室外熱交換器に効率よく空気を送り込むことができるか否か、接続配管の取り回しが容易か否か、蓄熱槽の重量に耐えるものになるか否か等が解決すべき課題として出現した。
【0004】
そこで、本発明の目的は、第一に室外熱交換器に効率よく空気を送り込むことができ、第二に接続配管の取り回しを容易にした、第三に蓄熱槽の重量に耐え得る空気調和装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、単一の筐体内に略L字状に形成した室外熱交換器を配置し、この室外熱交換器の一部5Aが筐体内を一方の室と他方の室とに仕切る仕切り部を形成し、室外熱交換器の一部5Aで仕切られた一方の室に、圧縮機、室外ファン、アキュムレータ等の室外機要素を配置し、筐体の他方の室に蓄熱コイルを有した略円筒状の蓄熱槽を直立させて配置し、上記室外熱交換器の他部が筐体の一方の室の上記室外ファンの吹出口側の面と対向する面に沿って配置され、上記室外熱交換器の一部5Aに隣接する側の、上記蓄熱槽と上記筐体との間の、上記筐体の他方の室の上記吹出口側の面及び上記対向する面側に形成される余空間100E,100Dを室外熱交換器の吸込スペースとし、上記吹出口側の面側に形成される余空間100Eに対向する筐体の壁部に吸込グリル100Fを備えたことを特徴とする空気調和装置。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1において、1は圧縮機を示しており、この圧縮機1には四方弁3を介して室外熱交換器5が接続されている。この室外熱交換器5には室外電動弁6を介してレシーバタンク7が接続され、このレシーバタンク7には管路9を介して蓄熱槽電動弁11、サブクール弁13、逆止弁14および電動弁15が接続され、この電動弁15は管路20を介して室内機17の室内熱交換器19に接続されている。この室内機17の室内熱交換器19は管路20を介して四方弁3に接続され、この四方弁3にはアキュムレータ21および圧縮機1が接続されている。
【0012】
本空気調和装置では、上述したサブクール弁13、逆止弁14、電動弁15および室内機17をバイパスするように管路22が接続され、この管路22には蓄熱コイル23および二方弁24が接続されている。上述した蓄熱コイル23は蓄熱槽25中に水没状態で設置されている。
【0013】
レシーバタンク7は、解氷弁26および逆止弁27を有した管路28を介して、蓄熱コイル23と二方弁24を接続する管路22に接続され、また、レシーバタンク7は液ライン弁29を有した管路30を介して逆止弁14と電動弁15を接続する管路9に接続されている。室外電動弁6とレシーバタンク7の間にはリキッド弁31およびキャピラリチューブ32を有した管路32が接続され、この管路32は圧縮機21の吸込に接続されている。
【0014】
製氷運転時には、四方弁3が実線位置に切り替わり、圧縮機1から吐出された冷媒が、四方弁3、室外熱交換器5、室外電動弁6の順に流れてレシーバタンク7に入り、ここから管路9、蓄熱槽電動弁11、管路22を経て、蓄熱槽25中の蓄熱コイル23に流入し、ここで蒸発して蓄熱槽25中に製氷し、二方弁24、四方弁3、アキュムレータ21を経て圧縮機1に戻される。
【0015】
通常冷房運転時には、四方弁3が実線位置に切り替わり、圧縮機1から吐出された冷媒が、四方弁3、室外熱交換器5、室外電動弁6の順に流れてレシーバタンク7に入り、ここから管路30、液ライン弁29に至り、さらに電動弁15を経て、室内機17の室内熱交換器19に流入し、ここで蒸発して気化し、管路20、四方弁3、アキュムレータ21を経て圧縮機1に戻される。
【0016】
蓄熱冷房運転時には、四方弁3が実線位置に切り替わり、圧縮機1から吐出された冷媒が、四方弁3、室外熱交換器5、室外電動弁6の順に流れてレシーバタンク7に入り、ここから管路28、解氷弁26、逆止弁27を経て、蓄熱槽25中の蓄熱コイル23に流入し、ここで冷却され氷から冷熱を得て、管路22、サブクール弁13、逆止弁14に至り、さらに電動弁15を経て、室内機17の室内熱交換器19に流入し、ここで蒸発して気化し、管路20、四方弁3、並びにアキュムレータ21を経て圧縮機1に戻される。
【0017】
暖房運転時には、四方弁3が破線位置に切り替わり、圧縮機1から吐出された冷媒が、四方弁3を介して、室内機17の室内熱交換器19に流入し、ここで凝縮した後に、電動弁15、液ライン弁29を経てレシーバタンク7に入り、ここから室外電動弁6を経て、室外熱交換器5に流入し、ここで蒸発して気化した後、四方弁3、アキュムレータ21を経て圧縮機1に戻される。
【0018】
さて、本実施形態では、圧縮機1、室外熱交換器5およびアキュムレータ21等の室外機要素と、蓄熱コイル23を有した蓄熱槽25とが、単一の筐体100の内部にまとめて収容されている。
【0019】
この筐体100は、図2および図3に示すように、略直方体状を有し、この筐体の一方の室100Aには圧縮機1、室外熱交換器5、室外ファン4、レシーバタンク7、アキュムレータ21等の室外機要素が配置され、筐体100の他方の室100Bには蓄熱コイル23を有した略円筒状の蓄熱槽25が配置されている。筐体100の一方の室100Aの奥行きL1は、他方の室100Bの奥行きL2に比べて小さく形成されている。略円筒状の蓄熱槽25と室外熱交換器5とは隣接配置されている。この室外熱交換器5は、図2に示すように、略L字状に形成され、その一部5Aが、室外機要素を配置した室100Aと、蓄熱槽25を配置した室100Bとの仕切り部分100Cに延在している。
【0020】
上記蓄熱槽25を略円筒状にしたため、内圧に対する強度が高められ、蓄熱槽25の肉厚を薄くすることができる。
【0021】
本実施形態では、略直方体状の他方の室100Bに、略円筒状の蓄熱槽25を配置したため、仕切り部分100Cの近傍における余空間であって、蓄熱槽25を配置した室100B側のコーナー部に、室外熱交換器5の吸込スペース100D、100Eが形成される。そして、吸込スペース100D、100Eを囲む筐体100の壁部には、図4に示すように、縦長の吸込グリル100Fが形成される。これによれば、吸込グリル100Fを通じて吸い込まれた空気が、広い吸込スペース100Eに入り、ここから略L字状に形成された室外熱交換器5の一部5Aに向かうため、吸入抵抗が少なくなり、吸込グリル100Fからの空気の取り込み量を増大させることができる。
【0022】
図2〜図4に示すように、室外機要素に付属する冷媒配管の配管接続部101が、筐体100内における、仕切り部分100Cとは反対側の空間100Gに配置されている。本構成では、空間100Gに配管接続部101が配置されるため、配管接続部101と圧縮機1間、および配管接続部101と室外熱交換器5間の配管の取り回しが容易になり、接続作業が簡単になる。
【0023】
図5は、別の実施形態を示している。
【0024】
この実施形態では、圧縮機1、室外熱交換器5およびアキュムレータ等の室外機要素と、蓄熱コイル23を有した蓄熱槽25とが、単一の筐体100の内部にまとめて収容される。そして、室外熱交換器5が略U字状に形成され、その曲がり部5Bが、室外機要素を配置した室100Aと、蓄熱槽25を配置した室100Bとの仕切り部分100Cに延在している。この構成によると、室外熱交換器5の開放部5Cが、筐体100の端部100Hに向き、開放部5Cの内側に圧縮機1等の室外機要素が配置されるため、これら室外機要素のメンテナンス時には、筐体100の端部100H側がメンテナンススペース102となり、矢印Aの方向からのメンテナンスが可能になる。
【0025】
図6に示すように、室外熱交換器5の開放部5Cが対向するように、二つの筐体100を隣接配置した場合、メンテナンススペース102を共用化することができ、設置スペースの削減が図られる。
【0026】
図7は、さらに別の実施形態を示している。
【0027】
図7Aは空気調和装置の平面図、図7Bは同じく側面断面図である。この実施形態では、上記筐体100の底板100Jが、蓄熱槽25の底面とほぼ同じ面積でくり抜かれ、このくり抜かれた部分100Kに、蓄熱槽25の外周が嵌まり合って設置されている。そして、この蓄熱槽25の頂部25Aが、筐体100の天板100Lに支持され、蓄熱槽25の底部が嵌合した底板100Jに支持されている。
【0028】
通常、蓄熱槽25には水が満たされるため、重量はかなり重くなり、この蓄熱槽25を、筐体100の底板100J上に設置した場合、底板100Jの板厚を厚く設計しなければならない。
【0029】
本実施形態では、上記のように、底板100Jのくり抜かれた部分100Kに蓄熱槽25の外周を嵌合したため、この蓄熱槽25の重量は、床の設置面で支えられる。従って、底板100Jの板厚を必要以上に厚く設計する必要がない。また、蓄熱槽25の頂部25Aを、筐体100の天板100Lに支持したため、蓄熱槽25が筐体100に固定される。
【0030】
以上、一実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は、これに限定されるものでないことは明らかである。
【0031】
【発明の効果】
本発明では、第一に室外熱交換器に効率よく空気を送り込むことができる。また、第二に接続配管の取り回しを容易に行うことができる。第三に蓄熱槽の重量に耐え得る空気調和装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による空気調和装置の一実施形態を示す回路図である。
【図2】空気調和装置の平面図である。
【図3】空気調和装置の側面断面図である。
【図4】空気調和装置の側面外観図である。
【図5】別の実施形態を示す平面図である。
【図6】別の実施形態を示す平面図である。
【図7】Aは別の実施形態を示す平面図、Bはその側面断面図である。
【符号の説明】
1 圧縮機
5 室外熱交換器
21 アキュムレータ
23 蓄熱コイル
25 蓄熱槽
100 筐体
100A 一方の室
100B 他方の室
100C 仕切り部分
100D、100E 吸込スペース
100F 吸込グリル
101 配管接続部
Claims (1)
- 単一の筐体内に略L字状に形成した室外熱交換器を配置し、この室外熱交換器の一部5Aが筐体内を一方の室と他方の室とに仕切る仕切り部を形成し、室外熱交換器の一部5Aで仕切られた一方の室に、圧縮機、室外ファン、アキュムレータ等の室外機要素を配置し、筐体の他方の室に蓄熱コイルを有した略円筒状の蓄熱槽を直立させて配置し、上記室外熱交換器の他部が筐体の一方の室の上記室外ファンの吹出口側の面と対向する面に沿って配置され、上記室外熱交換器の一部5Aに隣接する側の、上記蓄熱槽と上記筐体との間の、上記筐体の他方の室の上記吹出口側の面及び上記対向する面側に形成される余空間100E,100Dを室外熱交換器の吸込スペースとし、上記吹出口側の面側に形成される余空間100Eに対向する筐体の壁部に吸込グリル100Fを備えたことを特徴とする空気調和装置。
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