以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照して具体的に説明する。
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る表示装置の構成を示すブロック図である。図1に示す表示装置10は、図示しないテレビジョン、コンピュータ用の表示装置として使われる。テレビジョンは、図示しない操作スイッチ、リモート端末、デコーダ、チューナを含む。コンピュータは、図示しない操作スイッチ(例示;キーボード、ポインティングデバイス)、コンピュータ本体(例示;ハードディスク、メモリ)を含む。
この表示装置10は、映像信号処理部1、スイッチ2、静止画像領域検出部3、スイッチ4、駆動部5、表示装置本体6、スイッチ16、静止画像レベル調整部17を具備する。表示装置本体6としては、プラズマディスプレイ、LCD(Liquid Crystal Display)、EL(Electroluminescence)ディスプレイ、CRT(Cathode−Ray Tube)が例示される。本実施例では、表示装置本体6をプラズマディスプレイとし、図1には表示装置本体6(プラズマディスプレイ)の前面側としてプラズマディスプレイパネル(PDP)が示されている。静止画像レベル調整部17は、CPU(Central Processing Unit)15を具備する。表示装置本体6においては、複数個の画素が例えばマトリクス状に配列されている。そして、この表示装置本体6がカラー表示装置である場合には、各画素は相互に色が異なる複数のサブ画素からなる。例えば、1つの画素が、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の3つのサブ画素から構成されている。また、表示装置本体6がモノクロ表示装置である場合には、各画素は単色の一のサブ画素からなる。駆動部5は表示装置本体6を駆動するものである。
映像信号処理部1は、外部、例えば、テレビジョンのデコーダ又はコンピュータ本体等から入力される映像信号100を、駆動部5が表示装置本体6を駆動するのに適した映像データ53に変換するものである。また、静止画像領域検出部3は、映像信号処理部1から出力された映像データ53に静止画像データが含まれるか否かを調べるものである。更に、静止画像レベル調整部17は、映像データ53に含まれる静止画像データにおいて、相互に隣接する複数の画素対のうち、画像データのレベル差が予め設定された設定レベル差以上となる画素対をエッジ部分として検出し、このエッジ部分を含んで連続して配置されている画素グループの画像データのレベルを調整し、調整後の画像データを駆動部5に対して出力するものである。
そして、表示装置10は、通常モード及びレベル調整動作モードを切替えて実行することができる。表示装置10が通常動作モードを実行するときは、映像信号処理部1から出力された映像データ53は駆動部5に直接転送され、駆動部5がこの映像データ53に基づいて表示装置本体6を駆動する。一方、表示装置10がレベル調整動作モードを実行するときは、映像信号処理部1から出力された映像データ53は静止画像領域検出部3に入力される。そして、静止画像領域検出部3が映像データ53中に静止画像データを検出したときは、映像データ53が映像信号処理部1からスイッチ2を介して静止画像レベル調整部17に入力され、静止画像レベル調整部17がエッジ部分を含む画素グループの画像データのレベルを調整し、調整後の映像データを駆動部5に対して出力する。駆動部5はこの映像データ53に基づいて表示装置本体6を駆動する。また、上述の映像信号の転送経路は、スイッチ2、4及び16を切替えることにより制御する。
スイッチ2は、静止画像レベル調整部17内のCPU15からの信号により切り替わるものである。CPU15には、視聴者からの指示(例示;操作スイッチ、リモート端末の操作)によりレベル調整動作設定信号61、又は、通常動作設定信号62が供給される。
CPU15にレベル調整動作設定信号61が供給された場合は、CPU15は、レベル調整動作設定信号61に応じて、映像信号処理部1と静止画像領域検出部3とがスイッチ2を介して接続され、映像信号処理部1と駆動部5とがスイッチ2、スイッチ16を介して接続されるように、スイッチ2を制御する。即ち、表示装置10にレベル調整動作設定信号61が入力された場合、表示装置10はレベル調整動作モードとなり、スイッチ2により映像信号処理部1を静止画像領域検出部3に接続する。
CPU15に通常動作設定信号62が供給された場合は、CPU15は、通常動作設定信号62に応じて、映像信号処理部1と駆動部5とがスイッチ2を介して接続されるように、スイッチ2を制御する。即ち、表示装置10に通常動作設定信号62が入力された場合、表示装置10は通常動作モードとなり、スイッチ2により映像信号処理部1を駆動部5に接続する。
スイッチ4は、静止画像領域検出部3からの信号により切り替わるものである。静止画像領域検出部3と静止画像レベル調整部17とはスイッチ4を介して接続されている。静止画像領域検出部3からの信号がスイッチ4に供給された場合、静止画像領域検出部3と駆動部5とがスイッチ4、スイッチ16を介して接続される。
スイッチ16は、静止画像レベル調整部17からの信号により切り替わるものである。静止画像レベル調整部17からの信号がスイッチ16に供給された場合、静止画像レベル調整部17と駆動部5とがスイッチ16を介して接続される。
通常動作モードの場合、映像信号処理部1は、映像データ53を駆動部5に出力する。駆動部5は、映像データ53が表示されるように表示装置本体6を駆動する。視聴者は、表示装置本体6に表示された映像データ53を見ることができる。
レベル調整動作モードの場合、映像信号処理部1は、映像データ53を静止画像領域検出部3に出力し、スイッチ16を介して映像データ53を駆動部5に出力する。静止画像領域検出部3は、映像データ53に静止画像データが含まれるか否かを調べる。なお、画像データとは、1画面分の画像又はその一部に相当するデータをいい、映像データとは、時間的に連続する複数の画面に相当するデータをいう。即ち、映像データはひとまとまりの複数の画像データの集合体であり、動画像を表すデータである。
映像データ53が静止画像データを含まない場合、静止画像領域検出部3と駆動部5とを接続するための信号をスイッチ4に供給する。駆動部5は、映像データ53が表示されるように表示装置本体6を駆動する。視聴者は、表示装置本体6に表示された映像データ53(動画像データ)を見ることができる。
映像データ53が静止画像データを含む場合、静止画像領域検出部3は、スイッチ4を介して、映像データ53を静止画像レベル調整部17に出力する。静止画像レベル調整部17は、映像データ53を出力するときに、静止画像レベル調整部17と駆動部5とを接続するための信号をスイッチ16に供給する。後述するように、静止画像レベル調整部17は、映像データ53に含まれる静止画像データのうち、隣り合う画素対において画像データのレベル差が大きい画素対を含む領域の画像データのレベルを調整して、スイッチ16を介して、映像データ53を駆動部5に出力する。なお、表示装置本体6がカラー表示装置であり、表示装置本体6の各画素が相互に色が異なる複数のサブ画素からなる場合には、静止画像レベル調整部17は、同色のサブ画素間で画像データのレベル差を算出する。駆動部5は、映像データ53が表示されるように表示装置本体6を駆動する。視聴者は、表示装置本体6に表示された映像データ53(静止画像データ、動画像データ)を見ることができる。
静止画像データを含む映像データ53を表示装置本体6に表示した場合、静止画像データが表示される表示装置本体6の特定部分(静止画像領域)が消耗し、静止画像領域に消耗した跡が残る現象が起こる可能性がある。即ち、焼き付きが発生する。本実施形態の表示装置10によれば、映像データ53が静止画像データを含む場合、静止画像データのレベルを調整することにより、焼き付きを低減させることができる。焼き付きを低減させることにより、表示装置本体6(表示装置10)の寿命を従来のそれよりも長くすることができる。
静止画像レベル調整部17は、検出部7及びレベル調整部13を具備する。レベル調整部13は、後述する第1ノイズ発生部14及び上述のCPU15を具備する。検出部7は、映像データ53に含まれる静止画像データから隣り合う画素対の画像データのレベル差Cを夫々算出し、レベル差Cが予め設定された設定レベル差を超えるか否かを調べるものである。検出部7は、レベル差Cに基づく制御信号をレベル調整部13に対して出力する。
レベル差Cが設定レベル差以下である場合、検出部7は、映像信号処理部1から出力された映像データ53が駆動部5に出力されるように、スイッチ16を制御する。一方、レベル差Cが設定レベル差を超える場合、レベル調整部13は、レベル差Cに基づいて、静止画像領域の各画素の画像データレベルを調整して、スイッチ16を介して、映像データ53を駆動部5に出力する。
レベル差Cが設定レベル差を超える場合、焼き付きが起こる可能性がある。本実施形態の表示装置10によれば、レベル差Cが設定レベル差を超える場合、映像データ53に含まれる静止画像データの各画素の隣り合う画素の画像データのレベルを調整することにより、焼き付きを低減させることができる。
図2は、横軸に位置をとり縦軸に画像データのレベルをとって、本実施形態における画像データレベルの空間分布を示すグラフ図である。表示装置10内の静止画像レベル調整部17について図1及び図2を用いて詳細に説明する。静止画像レベル調整部17の検出部7は、HPF(ハイパスフィルター)9及びコアリング11を含む。静止画像領域検出部3からの映像データ53はHPF9に通される。HPF9は、映像データ53に含まれる静止画像データから隣り合う画素対のレベル差Cを算出して、この画素対の位置情報と共にコアリング11に出力する。このとき、相互に隣接する1対の画素のうち、画像データのレベル値が高い画素、即ち、相対的に明るい画素における画像データのレベル値をAとし、画像データのレベル値が低い画素、即ち、相対的に暗い画素における画像データのレベル値をBとするとき、この1対の画素間のレベル差Cは、C=A−Bにより表される。
なお、表示装置10がカラー表示装置であり、表示装置本体6の各画素がRGBの3つのサブ画素から構成されている場合は、同色のサブ画素間においてレベル差Cを求める。即ち、上述の相互に隣り合う1対の画素のうち、一方の画素の例えば赤色のサブ画素の画像データレベルと、他方の画素の例えば赤色のサブ画素の画像データレベルとの間のレベル差を算出する。本実施形態の他の部分及び後述する他の実施形態においても同様に、画像データの処理はサブ画素を基本単位として行われるが、以下の説明においては、説明を簡略化するために、単に「画素の画像データ」ということもある。
コアリング11は、上述の画素対のレベル差Cを予め設定された設定レベル差と比較し、レベル差Cが設定レベル差を超えるような1対の画素をエッジ部分60として検出する。そして、このエッジ部分60を構成する1対の画素のうちレベル値がAである第1の画素を含み、エッジ部分60を構成する1対の画素のうちレベル値がBである第2の画素から遠ざかる方向に連続して配列された所定個の画素を第1画素グループ51とし、前記第2の画素を含み、前記第1の画素から遠ざかる方向に連続して配列された所定個の画素を第2画素グループ52とする。そして、この検出結果、即ち、レベル差C並びに第1画素グループ51及び第2画素グループ52の位置情報に基づく制御信号を、レベル調整部13に出力する。
レベル調整部13は、レベル差Cに基づいて、第1画素グループ51及び第2画素グループ52(以下、総称して画素グループともいう)に属する画素の画像データレベルを調整する。その後、この調整後の映像データ53を、スイッチ16を介して駆動部5に出力する。
焼き付きは、映像データ53に含まれる静止画像データの第1画素グループ51と第2画素グループ52の境界を挟んで隣り合う画素対であるエッジ部分60、及び、エッジ部分60の近傍で目立ちやすい。本発明の表示装置10によれば、レベル差Cが設定レベル差を超える場合、静止画像データの第1画素グループ51と第2画素グループ52の境界を挟んで隣り合う画素であるエッジ部分60、及び、エッジ部分60の近傍の画像データのレベルを調整することにより、目立たなくすることができる。
視聴者からの指示(操作スイッチ、リモート端末の操作)により調整信号63がCPU15に供給される。CPU15は、調整信号63に応じて、制御信号66をレベル調整部13の調整部(後述)に出力する。レベル調整部13の調整部は、制御信号66に応じて、レベル差Cを調整するための調整値を生成する。ここで、調整値は、(α×C)により表され、αは、ランダム係数(調整係数)を表し、0≦α≦1を満たす正数である。レベル調整部13の調整部(後述)は、調整値(α×C)に基づいて、第1画素グループ51と第2画素グループ52の境界を挟んで隣り合う画素であるエッジ部分60、及び、エッジ部分60の近傍の画像データのレベルを調整して、スイッチ16を介して、映像データ53を駆動部5に出力する。なお、エッジ部分60を構成する画素対の配列方向において、第1画素グループ51の長さをL1とし、第2画素グループ52の長さをL2とする。また、画素グループ全体の幅をLとする。L=L1+L2である。
レベル調整部13の調整部は、第1ノイズ発生部14を含む。第1ノイズ発生部14は、画素グループのレベルを調整するときに、レベル差Cに加えて、オリジナルの画像データのレベル値A、Bが必要であるため、映像信号処理部1からの映像信号53を入力する。第1ノイズ発生部14は、制御信号66に応じて、レベル差Cにランダム係数αを乗じて調整値(α×C)を生成し、空間的な幅が所定幅L(L1+L2)であり、強度が調整値(α×C)であるノイズ70を生成する。第1ノイズ発生部14は、画素グループ、即ち、第1画素グループ51と第2画素グループ52の境界を挟んで隣り合う画素であるエッジ部分60、及び、エッジ部分60の近傍にノイズ70を付加する。このとき、第1ノイズ発生部14は、調整値(α×C)に基づいて、第1画素グループ51の画像データのレベルを調整し、第2画素グループ52の画像データのレベルを調整する。
ここで、上述の如く、第1画素グループ51の画像データのレベルを表す第1レベル値Aが第2画素グループ52の画像データのレベルを表す第2レベル値Bより高いものとする。この場合、第1ノイズ発生部14は、第1画素グループ51の画像データのレベルを調整するとき、第1画素グループ51の画像データのレベルを表す第1レベル値Aに調整値(α×C)を減算して第1調整レベル値(A−α×C)を生成する。また、第1ノイズ発生部14は、第2画素グループ52の画像データのレベルを調整するとき、第2画素グループ52の画像データのレベルを表す第2レベル値Bに調整値(α×C)を加算して第2調整レベル値(B+α×C)を生成する。これにより、第1ノイズ発生部14は、第1画素グループ51と第2画素グループ52の画像データのレベルを調整する。これにより、エッジ部60を含む画素グループにおける焼き付きの発生を防止することができる。
しかしながら、映像データ53に含まれる静止画像データのレベルを調整することにより、調整された静止画像データは、動画像と比較して、視聴者から画質が劣化しているように認識されてしまう可能性がある。そこで、ノイズを与える所定幅L(L1+L2)を、視聴者により調整可能にする。
CPU15には、視聴者からの指示(操作スイッチ、リモート端末の操作)により調整信号63、近距離調整信号64、遠距離調整信号65のいずれかが供給される。
CPU15に調整信号63が供給された場合、CPU15は、調整信号63に応じて、制御信号66を第1ノイズ発生部14に出力する。第1ノイズ発生部14は、制御信号66に応じて、空間的な幅が上述の所定幅L(L1+L2)であり、画像データのレベルが上述の調整値(α×C)であるノイズ70を発生する。
CPU15に近距離調整信号64が供給された場合、CPU15は、近距離調整信号64に応じて、近距離制御信号67を第1ノイズ発生部14に出力する。第1ノイズ発生部14は、近距離制御信号67に応じて、空間的な幅が上述の所定幅L(L1+L2)よりも小さい第1所定幅La(L1a+L2a)(例示;La=0.8×L)であり、画像データのレベルが上述の調整値(α×C)であるノイズ70を発生する。
CPU15に遠距離調整信号65が供給された場合、CPU15は、遠距離調整信号65に応じて、遠距離制御信号68を第1ノイズ発生部14に出力する。第1ノイズ発生部14は、遠距離制御信号68に応じて、空間的な幅が上述の所定幅L(L1+L2)よりも大きい第2所定幅Lb(L1b+L2b)(例示;Lb=1.2×L)であり、画像データのレベルが上述の調整値(α×C)であるノイズ70を発生する。
このように、画像データレベルを調整する幅を制御することによって、視聴者から見た画質劣化を最小限に留めることができる。
なお、表示装置10において、例えば、静止画像領域検出部3が静止画像領域を検出するためには、一定時間分の映像データを調査する必要があり、従って一定の時間を必要とする。また、検出部7がエッジ部分を検出するためにも一定の時間が必要であり、第1ノイズ発生部14が画像データにノイズを付加するためにも一定の時間が必要である。従って、これらの回路を経た画像データは、これらの回路を迂回した画像データと比較して、遅れが発生する。このため、表示装置10には、画像データのタイミングを調整する遅延回路(図示せず)が、各所に設けられている。例えば、スイッチ2と静止画像領域検出部3との間のノードと第1ノイズ発生部14との間、及び前記ノードとスイッチ16との間等に遅延回路が設けられている。遅延回路は例えばバッファメモリ又はリレー等から構成されている。
本実施形態に係る表示装置10の動作について説明する。表示装置10は、(I)モード設定処理、(II)通常動作モード、(III)CPU15によるレベル調整動作モード、(IV)レベル調整動作モードを実行する。
図3は、本実施形態に係る表示装置10の動作として(I)モード設定処理を示すフローチャートである。
視聴者が、操作スイッチ又はリモート端末を用いて、電源(表示装置10の電源、表示装置10に接続されたテレビジョンの電源、表示装置10に接続されたコンピュータの電源)を表示装置10に投入した場合、操作スイッチ又はリモート端末からCPU15にレベル調整動作設定信号61が供給される。また、視聴者が、(II)通常動作モードを実行している表示装置10に、操作スイッチ又はリモート端末を用いて、レベル調整動作設定信号61を供給した場合も、CPU15にレベル調整動作設定信号61が供給される。CPU15は、レベル調整動作設定信号61に応じて、映像信号処理部1と静止画像領域検出部3とが接続されるようにスイッチ2を制御する(ステップS1−YES)。映像信号処理部1と静止画像領域検出部3とが接続された場合、表示装置10は、(IV)レベル調整動作モードを実行する(ステップS2)。
一方、視聴者が、(IV)レベル調整動作モードを実行している表示装置10に、操作スイッチ又はリモート端末を用いて、通常動作設定信号62を供給した場合、CPU15は、通常動作設定信号62に応じて、映像信号処理部1と駆動部5とが接続されるようにスイッチ2を制御する(ステップS1−NO、S3)。映像信号処理部1と駆動部5とが接続された場合、表示装置10は、(II)通常動作モードを実行する(ステップS4)。
図4は、本発明の表示装置10の動作として(II)通常動作モードを示すフローチャートである。
映像信号処理部1は、外部(テレビジョンのデコーダ、コンピュータ)からの映像信号100を、駆動部5が表示装置本体6を駆動するのに適した映像データ53に変換する(映像データ変換処理;ステップS5)。映像信号処理部1に変換された映像データ53は駆動部5に出力される。駆動部5は、映像データ53が表示されるように表示装置本体6を駆動する(表示処理;ステップS6)。表示装置本体6に表示された映像データ53は、視聴者により視認される。
図5は、本発明の表示装置10の動作として(III)CPU15によるレベル調整動作モードを示すフローチャートである。
視聴者が、操作スイッチ又はリモート端末を用いて、表示装置10に調整信号63を供給した場合、この調整信号63はCPU15に供給される(ステップS11−YES)。CPU15は、調整信号63に応じて、制御信号66を第1ノイズ発生部14に出力する(ステップS12)。第1ノイズ発生部14は、CPU15からの制御信号66に応じて、上述の所定幅L(L1+L2)と上述の調整値α×Cとを有するノイズ70を発生する。
視聴者が、操作スイッチ又はリモート端末を用いて、表示装置10に近距離調整信号64を供給した場合、この近距離調整信号64はCPU15に供給される(ステップS11−NO、S13−YES)。CPU15は、近距離調整信号64に応じて、近距離制御信号67を第1ノイズ発生部14に出力する(ステップS14)。第1ノイズ発生部14は、CPU15からの近距離制御信号67に応じて、上述の第1所定幅La(L1a+L2a)(La=0.8×L)と上述の調整値α×Cとを有するノイズ70を発生する。
視聴者が、操作スイッチ又はリモート端末を用いて、表示装置10に遠距離調整信号65を供給した場合、この遠距離調整信号65はCPU15に供給される(ステップS11−NO、S13−NO、S15)。CPU15は、遠距離調整信号65に応じて、遠距離制御信号68を第1ノイズ発生部14に出力する(ステップS16)。第1ノイズ発生部14は、CPU15からの遠距離制御信号68に応じて、上述の第2所定幅Lb(L1b+L2b)(Lb=1.2×L)と上述の調整値α×Cとを有するノイズ70を発生する。
図6は、本発明の表示装置10の動作として(IV)レベル調整動作モードを示すフローチャートである。
映像信号処理部1は、上述の映像データ変換処理(ステップS5)を実行する。映像信号処理部1に変換された映像データ53は静止画像領域検出部3に出力される。静止画像領域検出部3は、映像データ53に静止画像データが含まれるか否かを調べる(ステップS21)。
映像データ53が静止画像データを含まない場合、静止画像領域検出部3と駆動部5とを接続するための信号をスイッチ4に供給し、スイッチ4、スイッチ16を介して、映像データ53を駆動部5に出力する(ステップS21−NO)。駆動部5は、上述の表示処理(ステップS6)を実行する。表示装置本体6に表示された映像データ53は、視聴者により視認される。
映像データ53が静止画像データを含む場合、静止画像領域検出部3は、スイッチ4を介して、映像データ53を静止画像レベル調整部17内の検出部7に出力する(ステップS21−YES)。検出部7は、映像データ53が入力されたときに、静止画像レベル調整部17と駆動部5とを接続するための信号をスイッチ16に供給する。静止画像領域検出部3からの映像データ53は、検出部7内のHPF9に通される。検出部7内のHPF9は、映像データ53に含まれる静止画像データにおける隣り合う画素対の画像データのレベル差Cを算出し、検出部7内のコアリング11に出力する(レベル差算出処理;ステップS22)。
コアリング11は、静止画像領域における全ての画素対においてレベル差Cが設定レベル差以下である場合、映像信号処理部1から出力された映像データ53が駆動部5に出力されるように、スイッチ16を制御する(ステップS23−NO)。駆動部5は、上述の表示処理(ステップS6)として、映像データ53が表示されるように表示装置本体6を駆動する。表示装置本体6に表示された映像データ53は、視聴者により視認される。
コアリング11は、いずれかの画素対の画像データのレベル差Cが設定レベル差を超える場合(ステップS23−YES)、この画素対をエッジ部分60として検出し、レベル差C並びに第1画素グループ51及び第2画素グループ52の位置情報に基づく制御信号を、レベル調整部13内の第1ノイズ発生部14に出力する(エッジ部検出処理;ステップS24)。エッジ部検出処理(ステップS24)が実行された後、第1ノイズ発生部14は、第1ノイズ付加処理を実行する(ステップS25)。
第1ノイズ発生部14にCPU15から制御信号66が供給された場合、第1ノイズ付加処理(ステップS25)において、第1ノイズ発生部14は制御信号66に応じて、空間的な幅が上述の所定幅L(L1+L2)であり、強度が上述の調整値(α×C)であるノイズ70を発生している。即ち、第1ノイズ発生部14は、幅がLである画素グループ(第1画素グループ51及び第2画素グループ52)にノイズ70を付加する。このとき、第1ノイズ発生部14は、第1画素グループ51のレベル値Aから調整値(α×C)を減算して第1調整レベル値(A−α×C)を生成し、第2画素グループ52のレベル値Bに調整値(α×C)を加算して第2調整レベル値(B+α×C)を生成する。第1ノイズ発生部14は、第1画素グループ51の画像データのレベルと、第2画素グループ52の画像データのレベルとが調整された映像データ53を、スイッチ16を介して、駆動部5に出力する。駆動部5は、上述の表示処理(ステップS6)を実行する。表示装置本体6に表示された映像データ53は、視聴者により視認される。
第1ノイズ発生部14にCPU15から近距離制御信号67が供給された場合、第1ノイズ付加処理(ステップS25)において、第1ノイズ発生部14は近距離制御信号67に応じて、空間的な幅が上述の第1所定幅La(L1a+L2a)(La=0.8×L)であり、強度が上述の調整値(α×C)であるノイズ70を発生している。この場合、第1ノイズ発生部14は、第1画素グループ51と第2画素グループ52の境界を挟んで隣り合う画素であるエッジ部分60、及び、エッジ部分60の近傍にノイズ70を付加する。このとき、第1ノイズ発生部14は、第1画素グループ51のレベル値Aから調整値(α×C)を減算して第1調整レベル値(A−α×C)を生成し、第2画素グループ52のレベル値Bに調整値(α×C)を加算して第2調整レベル値(B+α×C)を生成する。第1ノイズ発生部14は、第1画素グループ51の画像データのレベルと、第2画素グループ52の画像データのレベルとが調整された映像データ53を、スイッチ16を介して、駆動部5に出力する。駆動部5は、上述の表示処理(ステップS6)を実行する。表示装置本体6に表示された映像データ53は、視聴者により視認される。
第1ノイズ発生部14にCPU15から遠距離制御信号68が供給された場合、第1ノイズ付加処理(ステップS25)において、第1ノイズ発生部14は遠距離制御信号68に応じて、空間的な幅が上述の第2所定幅Lb(L1b+L2b)(Lb=1.2×L)であり、強度が上述の調整値(α×C)であるノイズ70を発生している。第1ノイズ発生部14は、第1画素グループ51と第2画素グループ52の境界を挟んで隣り合う画素であるエッジ部分60、及び、エッジ部分60の近傍にノイズ70を付加する。このとき、第1ノイズ発生部14は、第1画素グループ51のレベル値Aから調整値(α×C)を減算して第1調整レベル値(A−α×C)を生成し、第2画素グループ52のレベル値Bに調整値(α×C)を加算して第2調整レベル値(B+α×C)を生成する。第1ノイズ発生部14は、第1画素グループ51の画像データのレベルと、第2画素グループ52の画像データのレベルとが調整された映像データ53を、スイッチ16を介して、駆動部5に出力する。駆動部5は、上述の表示処理(ステップS6)を実行する。表示装置本体6に表示された映像データ53は、視聴者により視認される。
以上の説明により、本実施形態に係る表示装置10によれば、第1ノイズ発生部14を用いて所定幅Lと調整値α×Cとを有するノイズ70を発生させることにより、映像データ53に含まれる静止画像データの第1画素グループ51と第2画素グループ52の画像データのレベルを調整する。これにより、焼き付きを低減させ(目立たなくし)、且つ、表示装置本体6の画質の劣化を防止することができる。
また、本実施形態に係る表示装置10によれば、焼き付きを低減させることにより、表示装置本体6(表示装置10)の寿命を従来のそれよりも長くすることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図7は、本発明の第2実施形態に係る表示装置20の構成を示すブロック図であり、図8は表示装置本体6を示す前面側(視聴者側)から見た図であり、図9(a)及び(b)は表示装置本体6に表示する文字パターンを示す図である。表示装置20では、表示装置10と同じ説明を省略する。
表示装置20は、表示装置10の構成に対して、距離測定部22を更に具備する。距離測定部22は、表示装置本体6と視聴者との距離69を測定してレベル調整部13内のCPU15に出力する。
レベル調整部13は、表示装置10のレベル調整部13の構成に対して、静止画パターン太さ検出部21を更に具備する。コアリング11は、画像データのレベル差Cが設定レベル差を超える場合、映像データ53を静止画パターン太さ検出部21に出力する。静止画パターン太さ検出部21は、エッジ部分60を構成する画素対のうち、各色について、画像データレベルが相対的に高いサブ画素が属する画素、即ち、第1画素グループ51に属する画素を含み、画像データレベルが相対的に低いサブ画素が属する画素、即ち、第2画素グループ52に属する画素から遠ざかる方向に連続して配置された複数個の画素であって、サブ画素の画像データレベルが設定値よりも高い画素の個数を高レベル領域の長さとして検出するか、又は、エッジ部分60を構成する画素対のうち、第2画素グループ52に属する画素を含み、第1画素グループ51に属する画素から遠ざかる方向に連続して配置された複数個の画素であって、サブ画素の画像データレベルが設定値よりも低い画素の個数を低レベル領域の長さとして検出するものである。静止画パターン太さ検出部21は、このようにして映像データ53に含まれる静止画像データの各画素が構成する画像パターンを検出し、画像パターンの太さを表す画像パターン値をCPU15に出力する。
表示装置20では、表示装置本体6と視聴者との距離69を測定するために、例えば超音波を用いる。図7に示されるように、距離測定部22は、超音波発信器23と、超音波検知器24と、測定器25とを含む。超音波発信器23と超音波検知器24は、表示装置本体6の正面に設けられている(図8参照)。超音波発信器23は、表示装置本体6の正面に存在する視聴者に向けて超音波75を発振する。超音波検知器24は、表示装置本体6の正面に存在する視聴者に反射された超音波75を表す反射波76を検知する。測定器25は、超音波発信器23により超音波75が発振されてから、超音波検知器24により反射波76が検知されるまでの時間に基づいて、表示装置本体6と視聴者との距離69を測定してCPU15に出力する。
視聴者は、表示装置本体6に近づくほど、表示装置本体6の画面6’に表示された絵柄の細部まで認識することが出来るが、それと同時にノイズ70に対しても視覚的な感度が高くなる。その結果、表示装置10では、視聴者は、エッジ部分60及びエッジ部分60の近傍の画質が劣化しているように見えてしまう可能性がある。
そこで、表示装置20では、視聴者と表示装置本体6との距離69が近ければノイズ70の幅を狭くし{所定幅L(L1+L2)を第1所定幅La(L1a+L2a)にし}、視聴者と表示装置本体6との距離69が離れていればノイズ70の幅を広くする{所定幅L(L1+L2)を第2所定幅Lb(L1b+L2b)にする}。これによって、表示装置20では、視聴者は、エッジ部分60及びエッジ部分60の近傍の画質が劣化していると認識しない。
ただし、表示装置10では、第1ノイズ発生部14がエッジ部分60及びエッジ部分60の近傍に同じ幅{所定幅L(L1+L2)、調整値(α×C)}のノイズ70を付加した場合、静止画データの画像パターンの太さが小さいほど、視聴者はノイズ70によって画像パターンの認識がしづらくなる可能性がある。そこで、静止画データの画像パターン54の太さが小さい場合、ノイズの幅を小さくする。この場合、表示装置本体6との距離69が離れていてもノイズの幅は広くせずに一定値に保つ。静止画データの画像パターン54の太さが大きい場合、ノイズの幅は表示装置本体6との距離69に応じて制御する。
図9(a)に示されるように、表示装置20では、静止画データの画像パターン54の太さが小さければ、ノイズ70の幅{所定幅L(L1+L2)}を狭くし、第1所定幅La(L1a+L2a)と調整値(α×C)とを有するノイズ71を発生することによって、視聴者は、エッジ部分60及びエッジ部分60の近傍の画質が劣化していると認識しない。このように、表示装置20では、静止画データの画像パターン54の太さが小さい場合、静止画データの画像パターン54の太さによって、ノイズ70の幅が決まる。
図9(b)に示されるように、表示装置20では、静止画データの画像パターン55の太さが大きければ、ノイズ70の幅{所定幅L(L1+L2)}は視聴者と表示装置本体6との距離に応じてノイズの幅を制御する。
本発明の表示装置20の動作について説明する。表示装置20は、(I)モード設定処理、(II)通常動作モード、(III−1)距離測定部22によるレベル調整動作モード、(III−2)CPU15によるレベル調整動作モード、(IV)レベル調整動作モードを実行する。表示装置20の(I)モード設定処理は、表示装置10の(I)モード設定処理と同じであり、表示装置20の(II)通常動作モードは、表示装置10の(II)通常動作モードと同じである。
図10は、本発明の表示装置20の動作として(III−1)距離測定部22によるレベル調整動作モードを示すフローチャートである。
視聴者は、操作スイッチ又はリモート端末を用いて、電源(表示装置20の電源、表示装置20に接続されたテレビジョンの電源、表示装置20に接続されたコンピュータの電源)を表示装置20に投入する。この場合、超音波発信器23は、表示装置本体6の正面に存在する視聴者に向けて超音波75を発振する(ステップS31)。超音波発信器23から発振された超音波75は、表示装置本体6の正面に存在する視聴者によって反射される。超音波検知器24は、その視聴者に反射された反射波76を検知する(ステップS32)。
測定器25は、超音波発信器23により超音波75が発振されてから、超音波検知器24により反射波76が検知されるまでの時間をカウントする。測定器25は、そのカウント値に基づいて、表示装置本体6と視聴者との距離69を測定し(ステップS33)、距離69をデータとしてCPU15に出力する(ステップS34)。
図11は、本発明の表示装置20の動作として(III−2)CPU15によるレベル調整動作モードを示すフローチャートである。CPU15は、静止画パターン太さ検出部21からの画像パターン値に基づいて、静止画データの画像パターンの太さ(画像パターン値)がある一定値(設定画像パターン値)未満であるか否かを調べる(ステップS41)。
静止画データの画像パターンの太さがある一定値未満である場合(ステップS41−YES)、CPU15は、静止画パターン太さ検出部21からの画像パターン値に基づいて、近距離制御信号67を第1ノイズ発生部14に出力する(ステップS42)。この場合、第1ノイズ発生部14は、CPU15からの近距離制御信号67に応じて、上述の第1所定幅La(L1a+L2a)と上述の調整値(α×C)とを有するノイズ70を発生する。
静止画データの画像パターンの太さがある一定値以上である場合(ステップS41−NO)、CPU15は、測定器25からの距離69が設定距離(設定距離範囲)であるか否かを調べる(ステップS47)。
その結果、距離69が設定距離である場合(ステップS47−YES)は、CPU15は、距離69に基づいて、制御信号66を第1ノイズ発生部14に出力する(ステップS48)。この場合、第1ノイズ発生部14は、CPU15からの制御信号66に応じて、上述の第1所定幅L(L1+L2)と上述の調整値(α×C)とを有するノイズ70を発生する。
また、距離69が設定距離より短い場合(ステップS47−NO、S43−YES)は、CPU15は、測定器25からの距離69に基づいて、近距離制御信号67を第1ノイズ発生部14に出力する(ステップS44)。この場合、第1ノイズ発生部14は、CPU15からの近距離制御信号67に応じて、上述の第1所定幅La(L1a+L2a)と上述の調整値(α×C)とを有するノイズ70を発生する。
更に、距離69が設定距離より長い場合(ステップS47−NO、S43−NO、S45)は、CPU15は、測定器25からの距離69に基づいて、遠距離制御信号68を第1ノイズ発生部14に出力する(ステップS46)。第1ノイズ発生部14は、CPU15からの遠距離制御信号68に応じて、上述の第2所定幅Lb(L1b+L2b)と上述の調整値(α×C)とを有するノイズ70を発生する。
図12は、本発明の表示装置20の動作として(IV)レベル調整動作モードを示すフローチャートである。
(IV)レベル調整動作モードにおいて、表示装置20は、表示装置10と同じステップS5(映像データ変換処理)、S21、S22(レベル差算出処理)を実行する。
画像データのレベル差Cが設定レベル差以下である場合、コアリング11は、映像データ53が駆動部5に出力されるように、スイッチ16を制御する(ステップS23−NO)。駆動部5は、表示装置10と同じ表示処理(ステップS6)を実行する。表示装置本体6に表示された映像データ53は、視聴者により視認される。
画像データのレベル差Cが設定レベル差を超える場合、コアリング11は、レベル差C及び画素グループの位置情報に基づく制御信号を第1ノイズ発生部14に出力すると共に、映像データ53を静止画パターン太さ検出部21に出力する(ステップS23−YES)。静止画パターン太さ検出部21は、映像データ53に含まれる静止画像データの各画素が構成する画像パターンを検出して画像パターン値をCPU15に出力する(静止画パターン太さ検出処理;ステップS51)。
エッジ部検出処理(ステップS24)、静止画パターン太さ検出処理(ステップS51)が実行された後、第1ノイズ発生部14は、表示装置10と同じ第1ノイズ付加処理(ステップS25)を実行し、駆動部5は、表示装置10と同じ表示処理(ステップS6)を実行する。表示装置本体6に表示された映像データ53は、視聴者により視認される。
以上の説明により、本発明の表示装置20によれば、表示装置10の効果に加えて、視聴者は、エッジ部分60及びエッジ部分60の近傍の画質が劣化していると認識しない。表示装置本体6とユーザ(視聴者)との距離が設定距離より短い場合、視聴者の視覚的な感度が高くなる。このため、上述の第1の実施形態に係る表示装置10では、視聴者は、映像データ53に含まれる静止画像データの第1画素グループ51及び第2画素グループ52の画質がノイズ付加によって劣化しているように見えてしまう可能性がある。一方、表示装置本体6とユーザ(視聴者)との距離が設定距離より長い場合、視聴者の視覚的な感度が落ちる。このため、上述の表示装置10では、視聴者は、映像データ53に含まれる静止画データの画像パターンを認識しづらくなる可能性がある。本発明の表示装置20によれば、表示装置本体6とユーザ(視聴者)との距離と、静止画データの画像パターンの太さとによって、所定幅L(L1+L2)を調整する。これにより、本発明の表示装置20によれば、視聴者は、エッジ部分60及びエッジ部分60の近傍の画質が劣化していると認識しない。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図13は、本発明の第3実施形態に係る表示装置30の構成を示すブロック図であり、図14は、横軸に画面上の位置をとり縦軸に画像データのレベルをとって画像データレベルの空間的な分布を示すグラフ図であり、図15は、横軸にランダム係数αをとり縦軸にその確率をとって、ランダム係数αの確率分布を示すグラフ図である。表示装置30では、表示装置10と同じ説明を省略する。
表示装置30について図13、図14、図15を用いて説明する。表示装置10、20においてはランダム係数αの値に対する確率分布は、位置(画素)によらず一様である。表示装置30では、ランダム係数αの値に対して、位置(画素)によって別々の確率分布を用意する。例えば、確率分布を用いた手法として、図14に示されるように、エッジ部分60から離れた所定幅L1(L2)内の位置a(位置f)において、ランダム係数αとして0から0.1の間の値(図15参照)を後述のノイズ発生部31に設定しておく。エッジ部分60と位置a(位置f)との間の所定幅L1(L2)内の位置b(位置e)において、ランダム係数αとして0から0.5の間の値(図15参照)を後述のノイズ発生部31に設定しておく。エッジ部分60である位置c(位置d)において、ランダム係数αとして0から1の間の値(図15参照)を後述のノイズ発生部31に設定しておく。
この手法を用いることによって、位置a(位置f)においてランダム係数αが0から0.1の範囲内であり、位置b(位置e)においてランダム係数αが0から0.5の範囲内であり、位置c(位置d)においてランダム係数αが0から1の範囲内であるときに、所定幅Lの画像データレベルを時間平均した場合、図14に示されるように、第1画素グループ51及び第2画素グループ52における画像データレベルの位置変化が緩やかになる。その結果、本実施形態に係る表示装置30によれば、前述の第1及び第2の実施形態に係る表示装置10及び20と比較して、長時間同じ画像パターンの静止画データを表示装置本体6に表示させた場合でも、焼き付きをより確実に防止することができる。
図13に示されるように、レベル調整部13の調整部は、表示装置10における第1ノイズ発生部14に代えて、第2ノイズ発生部31を含む。第2ノイズ発生部31は、第1画素グループ51及び第2画素グループ52における画像データレベルを調整するときに、レベル差Cに加えて、オリジナルのレベル値A、Bが必要であるため、映像信号処理部1からの映像信号53が入力される。
第2ノイズ発生部31は、制御信号66に応じて、所定幅L(L1+L2)と調整値(α×C)とを決定する。第2ノイズ発生部31により決定された調整値(α×C)は、第1画素グループ51と第2画素グループ52の所定幅L(L1+L2)の中の第1位置の調整値(α×C)を表す第1分布調整値(α1×C)と、第1画素グループ51と第2画素グループ52の境界を挟んで隣り合う画素であるエッジ部分60である第2位置の調整値(α×C)を表す第2分布調整値(α2×C)とを含む。第1位置は、上記位置a、b、e、fを含む。第1位置が位置a(位置f)である場合、ランダム係数α1は0から0.1の範囲内であり、第1位置が位置b(位置e)である場合、ランダム係数α1は0から0.5の範囲内である。第2位置は位置c(位置d)であり、ランダム係数α2は0から1の範囲内である。
上述の如く、第1画素グループ51の画像データレベルを表す第1レベル値Aは、第2画素グループ52の画像データレベルを表す第2レベル値Bより高い。この場合、第2ノイズ発生部31は、第1画素グループ51の位置aの画像データレベルを調整するとき、第1画素グループ51の位置aのレベルを表す第1レベル値Aに第1分布調整値(α1×C)(α1=0〜0.1)を減算して第1分布調整レベル値(A−α1×C)を生成する。第2ノイズ発生部31は、第1画素グループ51の位置bの画像データレベルを調整するとき、第1画素グループ51の位置bの画像データレベルを表す第1レベル値Aに第1分布調整値(α1×C)(α1=0〜0.5)を減算して第1分布調整レベル値(A−α1×C)を生成する。第2ノイズ発生部31は、第1画素グループ51のエッジ部分60である位置cの画像データレベルを調整するとき、第1画素グループ51の位置cの画像データレベルを表す第1レベル値Aに第2分布調整値(α2×C)(α2=0〜1)を減算して第2分布調整レベル値(A−α2×C)を生成する。第2ノイズ発生部31は、第2画素グループ52のエッジ部分60である位置dの画像データレベルを調整するとき、第2画素グループ52の位置dの画像データレベルを表す第2レベル値Bに第2分布調整値(α2×C)(α2=0〜1)を加算して第3分布調整レベル値(B+α2×C)を生成する。第2ノイズ発生部31は、第2画素グループ52の位置eの画像データレベルを調整するとき、第2画素グループ52の位置eの画像データレベルを表す第2レベル値Bに第1分布調整値(α1×C)(α1=0〜0.5)を加算して第4分布調整レベル値(B+α1×C)を生成する。第2ノイズ発生部31は、第2画素グループ52の位置fの画像データレベルを調整するとき、第2画素グループ52の位置fの画像データレベルを表す第2レベル値Bに第1分布調整値(α1×C)(α1=0〜0.1)を加算して第4分布調整レベル値(B+α1×C)を生成する。これにより、第2ノイズ発生部31は、第1画素グループ51と第2画素グループ52の画像データレベルを調整する。
本発明の表示装置30の動作について説明する。表示装置30は、(I)モード設定処理、(II)通常動作モード、(III)CPU15によるレベル調整動作モード、(IV)レベル調整動作モードを実行する。表示装置30の(I)モード設定処理は、表示装置10の(I)モード設定処理と同じであり、表示装置30の(II)通常動作モードは、表示装置10の(II)通常動作モードと同じである。
図16は、本発明の表示装置30の動作として(III)CPU15によるレベル調整動作モードを示すフローチャートである。調整値(α×C)と所定幅L(L1+L2)は、視聴者により調整可能である。
視聴者が、操作スイッチ又はリモート端末を用いて、表示装置30に調整信号63を供給した場合、この調整信号63はCPU15に供給される(ステップS11−YES)。CPU15は、調整信号63に応じて、制御信号66を第2ノイズ発生部31に出力する(ステップS61)。第2ノイズ発生部31は、CPU15からの制御信号66に応じて、上述の所定幅L(L1+L2)と上述の調整値(α×C)とを決定する。第2ノイズ発生部31は、CPU15からの制御信号66により、上記位置a及びb並びに位置e及びfを、夫々幅がL1である第1画素グループ51及び幅がL2である第2画素グループ52内で決定する。
視聴者が、操作スイッチ又はリモート端末を用いて、表示装置30に近距離調整信号64を供給した場合、この近距離調整信号64はCPU15に供給される(ステップS11−NO、S13−YES)。CPU15は、近距離調整信号64に応じて、近距離制御信号67を第2ノイズ発生部31に出力する(ステップS62)。第2ノイズ発生部31は、CPU15からの近距離制御信号67に応じて、上述の第1所定幅La(L1a+L2a)(La=0.8×L)を決定する。第2ノイズ発生部31は、CPU15からの近距離制御信号67により、上記位置a及びb並びに位置e及びfを、夫々幅がL1aである第1画素グループ51及び幅がL2aである第2画素グループ52内で決定する。なお、このとき、位置a乃至fに合わせて、各画素におけるランダム係数αの範囲も調整する。
視聴者が、操作スイッチ又はリモート端末を用いて、表示装置30に遠距離調整信号65を供給した場合、この遠距離調整信号65はCPU15に供給される(ステップS11−NO、S13−NO、S15)。CPU15は、遠距離調整信号65に応じて、遠距離制御信号68を第2ノイズ発生部31に出力する(ステップS63)。第2ノイズ発生部31は、CPU15からの遠距離制御信号68に応じて、上述の第2所定幅Lb(L1b+L2b)(Lb=1.2×L)を決定する。第2ノイズ発生部31は、CPU15からの遠距離制御信号68により、上記位置a及びb並びに位置e及びfを、夫々幅がL1bである第1画素グループ51及び幅がL2bである第2画素グループ52内で決定する。なお、このとき、位置a乃至fに合わせて、各画素におけるランダム係数αの範囲も調整する。
図17は、本発明の表示装置30の動作として(IV)レベル調整動作モードを示すフローチャートである。(IV)レベル調整動作モードにおいて、表示装置30は、表示装置10の(IV)レベル調整動作モードのステップS5(映像データ変換処理)、S21、S22(レベル差算出処理)、S23、S24(エッジ部検出処理)を実行する。エッジ部検出処理(ステップS24)が実行された後、第2ノイズ発生部31は、レベル調整処理を実行する(ステップS71)。
レベル調整処理(ステップS71)において、第2ノイズ発生部31は、CPU15からの制御信号66に応じて、上述の所定幅L(L1+L2)と上述の調整値(α×C)とを決定している。この場合、第2ノイズ発生部31は、第1画素グループ51の位置aの画像データのレベルを表す第1レベル値Aに第1分布調整値(α1×C)(α1=0〜0.1)を減算して第1分布調整レベル値(A−α1×C)を生成し、第1画素グループ51の位置bの画像データのレベルを表す第1レベル値Aに第1分布調整値(α1×C)(α1=0〜0.5)を減算して第1分布調整レベル値(A−α1×C)を生成する。第2ノイズ発生部31は、第1画素グループ51の位置cの画像データのレベルを表す第1レベル値Aに第2分布調整値(α2×C)(α2=0〜1)を減算して第2分布調整レベル値(A−α2×C)を生成する。第2ノイズ発生部31は、第2画素グループ52の位置dの画像データのレベルを表す第2レベル値Bに第3分布調整値(α2×C)(α2=0〜1)を加算して第3分布調整レベル値(B+α2×C)を生成する。第2ノイズ発生部31は、第2画素グループ52の位置eの画像データのレベルを表す第2レベル値Bに第1分布調整値(α1×C)(α1=0〜0.5)を加算して第4分布調整レベル値(B+α1×C)を生成し、第2画素グループ52の位置fの画像データのレベルを表す第2レベル値Bに第1分布調整値(α1×C)(α1=0〜0.1)を加算して第4分布調整レベル値(B+α1×C)を生成する。第2ノイズ発生部31は、第1画素グループ51及び第2画素グループ52の画像データのレベルが調整された映像データ53を、スイッチ16を介して、駆動部5に出力する。駆動部5は、表示装置10と同じ表示処理(ステップS6)を実行する。表示装置本体6に表示された映像データ53は、視聴者により視認される。
レベル調整処理(ステップS71)において、第2ノイズ発生部31は、CPU15からの近距離制御信号67に応じて、上述の第1所定幅La(L1a+L2a)(La=0.8×L)を決定している。この場合、第2ノイズ発生部31は、第1画素グループ51の位置aの画像データレベルを表す第1レベル値Aに第1分布調整値(α1×C)(α1=0〜0.1)を減算して第1分布調整レベル値(A−α1×C)を生成し、第1画素グループ51の位置bの画像データレベルを表す第1レベル値Aに第1分布調整値(α1×C)(α1=0〜0.5)を減算して第1分布調整レベル値(A−α1×C)を生成する。第2ノイズ発生部31は、第1画素グループ51の位置cの画像データレベルを表す第1レベル値Aに第2分布調整値(α2×C)(α2=0〜1)を減算して第2分布調整レベル値(A−α2×C)を生成する。第2ノイズ発生部31は、第1画素グループ51の位置dの画像データレベルを表す第2レベル値Bに第2分布調整値(α2×C)(α2=0〜1)を加算して第3分布調整レベル値(B+α2×C)を生成する。第2ノイズ発生部31は、第2画素グループ52の位置eの画像データレベルを表す第2レベル値Bに第1分布調整値(α1×C)(α1=0〜0.5)を加算して第3分布調整レベル値(B+α1×C)を生成し、第2画素グループ52の位置fの画像データレベルを表す第2レベル値Bに第1分布調整値(α1×C)(α1=0〜0.1)を加算して第3分布調整レベル値(B+α1×C)を生成する。第2ノイズ発生部31は、第1画素グループ51のエッジ部分60及び所定幅L1aの画像データレベルと、第2画素グループ52のエッジ部分60及び所定幅L2aの画像データレベルとが調整された映像データ53を、スイッチ16を介して、駆動部5に出力する。駆動部5は、表示装置10と同じ表示処理(ステップS6)を実行する。表示装置本体6に表示された映像データ53は、視聴者により視認される。
レベル調整処理(ステップS71)において、第2ノイズ発生部31は、CPU15からの遠距離制御信号68に応じて、上述の第2所定幅Lb(L1b+L2b)(Lb=1.2×L)を決定している。第2ノイズ発生部31は、第1画素グループ51の位置aの画像データレベルを表す第1レベル値Aに第1分布調整値(α1×C)(α1=0〜0.1)を減算して第1分布調整レベル値(A−α1×C)を生成し、第1画素グループ51の位置bの画像データレベルを表す第1レベル値Aに第1分布調整値(α1×C)(α1=0〜0.5)を減算して第1分布調整レベル値(A−α1×C)を生成する。第2ノイズ発生部31は、第1画素グループ51の位置cの画像データレベルを表す第1レベル値Aに第2分布調整値(α2×C)(α2=0〜1)を減算して第2分布調整レベル値(A−α2×C)を生成する。第2ノイズ発生部31は、第1画素グループ51の位置dの画像データレベルを表す第2レベル値Bに第2分布調整値(α2×C)(α2=0〜1)を加算して第3分布調整レベル値(B+α2×C)を生成する。第2ノイズ発生部31は、第2画素グループ52の位置eの画像データレベルを表す第2レベル値Bに第1分布調整値(α1×C)(α1=0〜0.5)を加算して第4分布調整レベル値(B+α1×C)を生成し、第2画素グループ52の位置fの画像データレベルを表す第2レベル値Bに第1分布調整値(α1×C)(α1=0〜0.1)を加算して第4分布調整レベル値(B+α1×C)を生成する。第2ノイズ発生部31は、第1画素グループ51のエッジ部分60及び所定幅L1bの画像データレベルと、第2画素グループ52のエッジ部分60及び所定幅L2bの画像データレベルとが調整された映像データ53を、スイッチ16を介して、駆動部5に出力する。駆動部5は、表示装置10と同じ表示処理(ステップS6)を実行する。表示装置本体6に表示された映像データ53は、視聴者により視認される。
以上の説明により、本実施形態に係る表示装置30によれば、第2ノイズ発生部31を用いて所定幅L(L1+L2)と調整値(α×C)とを決定することにより、映像データ53に含まれる静止画像データの第1画素グループ51と第2画素グループ52の画像データのレベルを調整する。これにより、本発明の表示装置30によれば、焼き付きを低減させ(目立たなくし)、且つ、表示装置本体6の画質の劣化を防止することができる。
また、本発明の表示装置30によれば、焼き付きを低減させることにより、表示装置本体6(表示装置30)の寿命を従来のそれよりも長くすることができる。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図18は、本発明の第4実施形態に係る表示装置40の構成を示すブロック図である。表示装置40では、表示装置10、20、30と同じ説明を省略する。
レベル調整部13は、表示装置10のレベル調整部13の構成に対して、静止画パターン太さ検出部21と、第2ノイズ発生部31と、スイッチ41とを更に具備する。スイッチ41は、静止画パターン太さ検出部21からの信号により切り替わる。
検出部7は、第1画素グループ51と第2画素グループ52の境界を挟んで隣り合う画素をエッジ部分60として検出して、映像データ53を静止画パターン太さ検出部21に出力する。静止画パターン太さ検出部21は、映像データ53に含まれる静止画像データの各画素が構成する画像パターンを検出し、画像パターンの太さを表す画像パターン値を生成する。静止画パターン太さ検出部21は、画像パターン値が設定画像パターン値以上である場合、映像データ53を第1ノイズ発生部14に出力し、第1ノイズ発生部14と駆動部5とがスイッチ16を介して接続されるように、スイッチ41を制御する。静止画パターン太さ検出部21は、画像パターン値が設定画像パターン値より小さい場合、映像データ53を第2ノイズ発生部31に出力し、第2ノイズ発生部31と駆動部5とがスイッチ16を介して接続されるように、スイッチ41を制御する。
第1ノイズ発生部14、第2ノイズ発生部31は、第1画素グループ51及び第2画素グループ52における画像データのレベルを調整するときに、レベル差Cに加えて、オリジナルのレベル値A、Bが必要であるため、映像信号処理部1からの映像信号53が入力される。
前述の第1の実施形態に係る表示装置10では、第1ノイズ発生部14が第1画素グループ51及び第2画素グループ52におけるエッジ部分60とエッジ部分60以外の部分とに同じ確率分布のノイズ70、即ち、そのレベルが調整値(A−αC)又は調整値(B+αC)で表せるノイズを付加している。しかしながら、この場合、静止画データの画像パターンの太さが小さいほど、視聴者はノイズ70によって画像パターンの認識がしづらくなる可能性がある。
そこで、本実施形態に係る表示装置40では、静止画データの画像パターンの太さがある一定値(設定画像パターン値)よりも小さければ、第1ノイズ発生部14がエッジ部分60及びエッジ部分60の近傍にノイズを付加せずに、第2ノイズ発生部31がエッジ部分60及びエッジ部分60の近傍の画像データレベルを調整することにより、焼き付きを防止する。
図22は、横軸に画面上の位置をとり縦軸に画像データのレベルをとって画像データレベルの空間的な分布を示すグラフ図である。図22を用いて第2ノイズ発生部31について説明する。第2ノイズ発生部31はエッジ部分60の急激な画像データレベルの位置変化を緩やかにする働きを持つ。具体的な手法としては、エッジ部分60のレベル差Cに調整係数αを掛けて上記第1レベル値Aから減算し、上記第2レベル値Bに加算する。ここでいうαとは0から0.5の間の正数であり、位置a、b、c、d、e、fの間で決定する。例えば位置a(位置f)ではα=0.05とし、位置b(位置e)ではα=0.25とし、位置c(位置d)ではα=0.5とすることによって、エッジ部分60の画像データレベルの位置変化を緩やかにする。ここでいうαはランダムに変化させずに、時間的に一定値に固定する。
本実施形態に係る表示装置40の動作について説明する。表示装置40は、(I)モード設定処理、(II)通常動作モード、(III)CPU15によるレベル調整動作モード、(IV)レベル調整動作モードを実行する。表示装置40の(I)モード設定処理は、表示装置10の(I)モード設定処理と同じであり、表示装置40の(II)通常動作モードは、表示装置10の(II)通常動作モードと同じである。
図19は、本実施形態に係る表示装置40の動作として(III)CPU15によるレベル調整動作モードを示すフローチャートである。
視聴者が、操作スイッチ又はリモート端末を用いて、表示装置40に調整信号63を供給した場合、この調整信号63はCPU15に供給される(ステップS11−YES)。CPU15は、調整信号63に応じて、制御信号66を第1ノイズ発生部14と第2ノイズ発生部31とに出力する(ステップS81)。第1ノイズ発生部14は、CPU15からの制御信号66に応じて、上述の所定幅L(L1+L2)と上述の調整値(α×C)とを有するノイズ70を発生する。第2ノイズ発生部31は、CPU15からの制御信号66に応じて、所定幅L(L1+L2)と調整値(α×C)とを決定する。第2ノイズ発生部31は、CPU15からの制御信号66により、上記位置a、b、d、eを所定幅L(L1+L2)の範囲内で決定する。ただし、第2ノイズ発生部31におけるαは、ランダムに変化させずに、位置に応じて固定する。
視聴者が、操作スイッチ又はリモート端末を用いて、表示装置40に近距離調整信号64を供給した場合、この近距離調整信号64はCPU15にCPU15に供給される(ステップS11−NO、S13−YES)。CPU15は、近距離調整信号64に応じて、近距離制御信号67を第1ノイズ発生部14と第2ノイズ発生部31とに出力する(ステップS82)。第1ノイズ発生部14は、CPU15からの近距離制御信号67に応じて、上述の第1所定幅La(L1a+L2a)(La=0.8×L)と上述の調整値(α×C)とを有するノイズ70を発生する。第2ノイズ発生部31は、CPU15からの近距離制御信号67に応じて、上述の第1所定幅La(L1a+L2a)を決定する。第2ノイズ発生部31は、CPU15からの近距離制御信号67により、上記位置a、b、e、fを第1所定幅La(L1a+L2a)の範囲内で決定する。
視聴者が、操作スイッチ又はリモート端末を用いて、表示装置40に遠距離調整信号65を供給した場合、この遠距離調整信号65はCPU15にCPU15に供給される(ステップS11−NO、S13−NO、S15)。CPU15は、遠距離調整信号65に応じて、遠距離制御信号68を第1ノイズ発生部14と第2ノイズ発生部31とに出力する(ステップS83)。第1ノイズ発生部14は、CPU15からの遠距離制御信号68に応じて、上述の第2所定幅Lb(L1b+L2b)(Lb=1.2×L)と上述の調整値(α×C)とを有するノイズ70を発生する。第2ノイズ発生部31は、CPU15からの遠距離制御信号68に応じて、上述の第2所定幅Lb(L1b+L2b)を決定する。第2ノイズ発生部31は、CPU15からの遠距離制御信号68により、上述の位置a、b、e、fを第2所定幅Lb(L1b+L2b)の範囲内で決定する。
図20、図21は、本発明の表示装置40の動作として(IV)レベル調整動作モードを示すフローチャートである。(IV)レベル調整動作モードにおいて、表示装置40は、表示装置10の(IV)レベル調整動作モードのステップS5(映像データ変換処理)、S21、S22(レベル差算出処理)、S23を実行する。検出部7は、レベル差Cが設定レベル差を超える画素対をエッジ部分60として検出して、映像データ53をレベル調整部13内の静止画パターン太さ検出部21に出力する(エッジ部検出処理;ステップS24)。静止画パターン太さ検出部21は、映像データ53に含まれる静止画像データの各画素が構成する画像パターンを検出して画像パターン値を生成する(静止画パターン太さ検出処理;ステップS51)。静止画パターン太さ検出部21は、画像パターン値が設定画像パターン値以上であるか否かを調べる(ステップS91)。
画像パターン値が設定画像パターン値以上である場合、静止画パターン太さ検出部21は、その情報を第1ノイズ発生部14に出力し、第1ノイズ発生部14と駆動部5とがスイッチ16を介して接続されるように、スイッチ41を制御する(ステップS91−YES)。この場合、第1ノイズ発生部14は、表示装置10と同じ第1ノイズ付加処理を実行する(ステップS25)。
画像パターン値が設定画像パターン値より小さい場合、静止画パターン太さ検出部21は、その情報を第2ノイズ発生部31に出力し、第2ノイズ発生部31と駆動部5とがスイッチ16を介して接続されるように、スイッチ41を制御する(ステップS91−NO)。第2ノイズ発生部31は、レベル調整処理を実行する(ステップS71)。
以上の説明により、本実施形態の表示装置40によれば、映像データ53に含まれる静止画データの画像パターンの太さによって、第1ノイズ発生部14、又は、第2ノイズ発生部31を用いる。本実施形態の表示装置40によれば、画像パターン値が設定画像パターン値以上である場合、第1ノイズ発生部14を用いて所定幅L(L1+L2)と調整値(α×C)とを有するノイズ70を発生させることにより、映像データ53に含まれる静止画像データのうち、エッジ部分60を含む画素グループ、即ち、第1画素グループ51及び第2画素グループ52の画像データのレベルを調整する。上述の表示装置10では、第1ノイズ発生部14がエッジ部分60及びエッジ部分60の近傍に同じ幅{所定幅L(L1+L2)、調整値(α×C)}のノイズ70を付加した場合、静止画データの画像パターンの太さが小さいほど、視聴者はノイズ70によって画像パターンの認識がしづらくなる可能性がある。そこで、本発明の表示装置40によれば、画像パターン値が設定画像パターン値より小さい場合、第2ノイズ発生部31を用いて所定幅L(L1+L2)と調整値(α×C)とを決定することにより、映像データ53に含まれる静止画像データの第1画素グループ51と第2画素グループ52の境界を挟んで隣り合う画素であるエッジ部分60、及び、エッジ部分60の近傍の画像データレベルを調整する。これにより、本発明の表示装置40によれば、焼き付きを低減させ(目立たなくし)、且つ、表示装置本体6の画質の劣化を防止することができる。
また、本発明の表示装置40によれば、焼き付きを低減させることにより、表示装置本体6(表示装置40)の寿命を従来のそれよりも長くすることができる。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。図23は、本発明の第5実施形態に係る表示装置50の構成を示すブロック図である。表示装置50では、表示装置10、20、30、40と同じ説明を省略する。
図23に示すように、本実施形態に係る表示部50のレベル調整部13は、表示装置10のレベル調整部13の構成に対して、静止画パターン太さ検出部21と、逆エンハンサ部32と、スイッチ41とを更に具備する。スイッチ41は、静止画パターン太さ検出部21からの信号により切り替わる。
検出部7は、画像データのレベル差Cが設定レベル差以上である画素対をエッジ部分60として検出し、この画素対における高レベル側の画素(第1の画素)を含み低レベル側の画素(第2の画素)から遠ざかる方向に連続して配置されている所定数の画素を第1画素グループ51とし、この画素対における低レベル側の画素(第2の画素)を含み高レベル側の画素(第1の画素)から遠ざかる方向に連続して配置されている所定数の画素を第2画素グループ52として、第1画素グループ51及び第2画素グループ52の映像データ53を静止画パターン太さ検出部21に出力する。
静止画パターン太さ検出部21は、映像データ53に含まれる静止画像データの各画素が構成する画像パターンを検出し、画像パターンの太さを表す画像パターン値を生成する。静止画パターン太さ検出部21は、画像パターン値が設定画像パターン値以上である場合、その情報を第1ノイズ発生部14に出力し、第1ノイズ発生部14と駆動部5とがスイッチ16を介して接続されるように、スイッチ41を制御する。静止画パターン太さ検出部21は、画像パターン値が設定画像パターン値より小さい場合、その情報を逆エンハンサ部32に出力し、逆エンハンサ部32と駆動部5とがスイッチ16を介して接続されるように、スイッチ41を制御する。
第1ノイズ発生部14、逆エンハンサ部32は、第1画素グループ51及び第2画素グループ52の画像データのレベルを調整するときに、レベル差Cに加えて、オリジナルのレベル値A、Bが必要であるため、映像信号処理部1からの映像信号53が入力される。
前述の第1の実施形態に係る表示装置10では、第1ノイズ発生部14が第1画素グループ51及び第2画素グループ52におけるエッジ部分60とエッジ部分60以外の部分とに同じ確率分布のノイズ70、即ち、そのレベルが調整値(A−α×C)又は調整値(B+α×C)で表せるノイズを付加している。しかしながら、この場合、静止画データの画像パターンの太さが小さいほど、視聴者はノイズ70によって画像パターンの認識がしづらくなる可能性がある。
そこで、表示装置50では、静止画データの画像パターンの太さがある一定値(設定画像パターン値)よりも小さければ、第1ノイズ発生部14が第1画素グループ51及び第2画素グループ52にノイズを付加せずに、逆エンハンサ部32が第1画素グループ51及び第2画素グループ52の画像データのレベルを調整することにより、焼き付きを防止する。
逆エンハンサ部32が行うレベル調整処理について説明する。逆エンハンサ部32はエッジ部分60の急激な画像データレベルの位置変化を緩やかにする働きを持つ。具体的な手法としては、ローパスフィルタを用いて、第1画素グループ51及び第2画素グループ52の画像データレベルの位置に対する変化から高周波成分をカットすることにより、この変化を緩やかにする。カットする周波数範囲の下限値が低いほど画像データレベル変化は緩やかになる。
本実施形態に係る表示装置50の動作について説明する。表示装置50は、(I)モード設定処理、(II)通常動作モード、(III)CPU15によるレベル調整動作モード、(IV)レベル調整動作モードを実行する。表示装置50の(I)モード設定処理は、表示装置10の(I)モード設定処理と同じであり、表示装置50の(II)通常動作モードは、表示装置10の(II)通常動作モードと同じである。
図24は、本発明の表示装置50の動作として(III)CPU15によるレベル調整動作モードを示すフローチャートである。
視聴者が、操作スイッチ又はリモート端末を用いて、表示装置50に調整信号63を供給した場合、この調整信号63はCPU15に供給される(ステップS11−YES)。CPU15は、調整信号63に応じて、制御信号66を第1ノイズ発生部14と逆エンハンサ部32とに出力する(ステップS84)。第1ノイズ発生部14は、CPU15からの制御信号66に応じて、上述の所定幅L(L1+L2)と上述の調整値(α×C)とを有するノイズ70を発生する。逆エンハンサ部32は、CPU15からの制御信号66に応じて、エッジ部分60及びエッジ部分60の近傍の画像データレベルの高周波成分をカットするための第1カットオフ周波数nを決定する。第1カットオフ周波数nは、カットする周波数範囲の下限値であり、逆エンハンサ部32は、第1カットオフ周波数n以上の周波数をカットする。
視聴者が、操作スイッチ又はリモート端末を用いて、表示装置50に近距離調整信号64を供給した場合、この近距離調整信号64はCPU15に供給される(ステップS11−NO、S13−YES)。CPU15は、近距離調整信号64に応じて、近距離制御信号67を第1ノイズ発生部14と逆エンハンサ部32とに出力する(ステップS85)。第1ノイズ発生部14は、CPU15からの近距離制御信号67に応じて、上述の第1所定幅La(L1a+L2a)(La=0.8×L)と上述の調整値(α×C)とを有するノイズ70を発生する。逆エンハンサ部32は、CPU15からの近距離制御信号67に応じて、第1カットオフ周波数nよりも大きい第2カットオフ周波数na(na>n)とを決定する。
視聴者が、操作スイッチ又はリモート端末を用いて、表示装置50に遠距離調整信号65を供給した場合、この遠距離調整信号65はCPU15に供給される(ステップS11−NO、S13−NO、S15)。CPU15は、遠距離調整信号65に応じて、遠距離制御信号68を第1ノイズ発生部14と逆エンハンサ部32とに出力する(ステップS86)。第1ノイズ発生部14は、CPU15からの遠距離制御信号68に応じて、上述の第2所定幅Lb(L1b+L2b)(Lb=1.2×L)と上述の調整値(α×C)とを有するノイズ70を発生する。逆エンハンサ部32は、CPU15からの遠距離制御信号68に応じて、第1カットオフ周波数nよりも小さい第3カットオフ周波数nb(nb<n)とを決定する。
図20、図25は、本実施形態の表示装置50の動作として(IV)レベル調整動作モードを示すフローチャートである。(IV)レベル調整動作モードにおいて、表示装置50は、表示装置10の(IV)レベル調整動作モードのステップS5(映像データ変換処理)、S21、S22(レベル差算出処理)、S23を実行する。検出部7は、画像データのレベル差Cが設定レベル差を超える第1画素グループ51と第2画素グループ52の境界を挟んで隣り合う画素をエッジ部分60として検出して、映像データ53をレベル調整部13内の静止画パターン太さ検出部21に出力する(エッジ部検出処理;ステップS24)。静止画パターン太さ検出部21は、映像データ53に含まれる静止画像データの各画素が構成する画像パターンを検出して画像パターン値を生成する(静止画パターン太さ検出処理;ステップS51)。静止画パターン太さ検出部21は、画像パターン値が設定画像パターン値以上であるか否かを調べる(ステップS91)。
画像パターン値が設定画像パターン値以上である場合、静止画パターン太さ検出部21は、その情報を第1ノイズ発生部14に出力し、第1ノイズ発生部14と駆動部5とがスイッチ16を介して接続されるように、スイッチ41を制御する(ステップS91−YES)。この場合、第1ノイズ発生部14は、表示装置10と同じ第1ノイズ付加処理を実行する(ステップS25)。
画像パターン値が設定画像パターン値より小さい場合、静止画パターン太さ検出部21は、その情報を逆エンハンサ部32に出力し、逆エンハンサ部32と駆動部5とがスイッチ16を介して接続されるように、スイッチ41を制御する(ステップS91−NO)。逆エンハンサ部32は、逆エンハンサ部レベル調整処理を実行する(ステップS72)。
逆エンハンサ部レベル調整処理(ステップS72)において、逆エンハンサ部32は、CPU15からの制御信号66に応じて、上述の第1カットオフ周波数nを決定する。この場合、逆エンハンサ部32は、第1カットオフ周波数nに基づいてエッジ部分60及びエッジ部分60の近傍の画像データレベルが調整された映像データ53を、スイッチ16を介して、駆動部5に出力する。駆動部5は、表示装置10と同じ表示処理(ステップS6)を実行する。表示装置本体6に表示された映像データ53は、視聴者により視認される。
逆エンハンサ部レベル調整処理(ステップS72)において、逆エンハンサ部32は、CPU15からの近距離制御信号67に応じて、上述の第2カットオフ周波数naを決定する。この場合、逆エンハンサ部32は、第2カットオフ周波数naに基づいてエッジ部分60及びエッジ部分60の近傍の画像データレベルが調整された映像データ53を、スイッチ16を介して、駆動部5に出力する。駆動部5は、表示装置10と同じ表示処理(ステップS6)を実行する。表示装置本体6に表示された映像データ53は、視聴者により視認される。
逆エンハンサ部レベル調整処理(ステップS72)において、逆エンハンサ部32は、CPU15からの遠距離制御信号68に応じて、上述の第3カットオフ周波数nbを決定する。逆エンハンサ部32は、第3カットオフ周波数nbに基づいてエッジ部分60及びエッジ部分60の近傍の画像データレベルが調整された映像データ53を、スイッチ16を介して、駆動部5に出力する。駆動部5は、表示装置10と同じ表示処理(ステップS6)を実行する。表示装置本体6に表示された映像データ53は、視聴者により視認される。
以上の説明により、本実施形態に係る表示装置50によれば、映像データ53に含まれる静止画データの画像パターンの太さによって、第1ノイズ発生部14、又は、逆エンハンサ部32を用いる。本発明の表示装置50によれば、画像パターン値が設定画像パターン値以上である場合、第1ノイズ発生部14を用いて所定幅L(L1+L2)と調整値(α×C)とを有するノイズ70を発生させることにより、映像データ53に含まれる静止画像データの第1画素グループ51と第2画素グループ52の境界を挟んで隣り合う画素であるエッジ部分60、及び、エッジ部分60の近傍の画像データレベルを調整する。上述の第1の実施形態に係る表示装置10では、第1ノイズ発生部14がエッジ部分60及びエッジ部分60の近傍に同じノイズ70を付加しているが、この場合、静止画データの画像パターンの太さが小さいほど、視聴者はノイズ70によって画像パターンの認識がしづらくなる可能性がある。そこで、本実施形態に係る表示装置50においては、画像パターン値が設定画像パターン値より小さい場合、逆エンハンサ部32を用いてカットオフ周波数nを決定することにより、映像データ53に含まれる静止画像データの第1画素グループ51と第2画素グループ52のエッジ部分60、及び、第1画素グループ51と第2画素グループ52の境界を挟んで隣り合う画素であるエッジ部分60の近傍の画像データレベルを調整する。これにより、本実施形態に係る表示装置50によれば、焼き付きを低減させ(目立たなくし)、且つ、画像パターンの幅が小さい場合においても、表示装置本体6の画質の劣化を防止することができる。
また、本実施形態に係る表示装置50によれば、焼き付きを低減させることにより、表示装置本体6(表示装置50)の寿命を従来のそれよりも長くすることができる。
なお、上述の第3乃至第5の実施形態においては、静止画パターン太さが大きく、画像パターン値が設定画像パターン値以上である場合には、エッジ部分を含む画素グループにランダムなノイズを与え、静止画パターン太さが小さく、画像パターン値が設定画像パターン値より小さい場合に、視聴者に画質が劣化したと認識させないために、画像データレベルを位置に対して緩やかに変化させる例を示した。例えば、第3の実施形態においては、画像パターン値が設定画像パターン値より小さい場合に、ランダム係数αを位置によって変化させて画像データレベルを時間平均したときに緩やかな変化を実現する例を示した。また、第4の実施形態においては、画像データのレベルを固定することにより、画像データのレベルを位置に対して緩やかに変化させる例を示した。更に、第5の実施形態においてはローパスフィルタを使用することにより、画像データのレベルを位置に対して緩やかに変化させる例を示した。しかしながら、本発明はこれに限定されず、画像パターン値の大きさに拘らず、常に画像データレベルを位置に対して緩やかに変化させてもよい。
また、上述の第1乃至第5の実施形態に係る表示装置は、モノクロの表示装置であってもよく、カラーの表示装置であってもよい。
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。図26は、本発明の第6の実施形態に係る表示装置の構成を示すブロック図であり、図27(a)乃至(c)は、横軸に位置をとり縦軸に画像データのレベルをとって、画像データレベルの空間分布を示すグラフ図であり、(a)は3値化処理前の画像データを示し、(b)は3値化処理後の画像データを示し、(c)はレベル調整後の画像データを示す。なお、本実施形態の構成要素のうち、前述の第1の実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本実施形態に係る表示装置は、例えば、コンピュータの表示装置として使用されるプラズマ表示装置である。図26に示すように、本実施形態に係る表示装置110においては、映像信号処理部1、静止文字領域検出部113、3値化部114、レベル調整部13、駆動部5及びPDP(表示装置本体)6が設けられている。本実施形態に係る表示装置110は、前述の第1の実施形態に係る表示装置10と比較して、静止画像領域検出部3(図1参照)の替わりに静止文字領域検出部113が設けられており、検出部7(図1参照)の替わりに3値化部114が設けられている点が異なっている。本実施形態は、前述の第1乃至第5の実施形態のように、静止画像領域全体についてレベル調整を行うのではなく、静止画像領域内の文字領域についてのみレベル調整を行うことを特徴としている。これは、文字領域は、文字領域以外の領域、即ち、無地領域又は写真若しくは図形等を表示している領域(以下、文字領域以外の領域を総称して絵領域ともいう)と比較して焼き付きが発生しやすく、また、文字領域において画像レベルの調整を行っても、絵領域において画像レベルの調整を行うよりは、目立ちにくいためである。また、本実施形態は、画像データを3値化処理することにより、エッジ部分の検出を行うことを特徴としている。本実施形態における上記以外の構成は、前述の第1の実施形態と同様である。
映像信号処理部1は、外部、例えば、テレビジョンのデコーダ又はコンピュータ本体等から入力される映像信号100を、駆動部5がPDP6を駆動するのに適した形式の映像データ53に変換するものである。また、駆動部5は、映像データ53に基づいてPDP6を駆動して、PDP6に画像を表示させるものである。PDP6は一般的なプラズマディスプレイパネルである。
静止文字領域検出部113は、映像信号処理部1から出力された映像データ53が表す画像に、静止文字領域が含まれるか否かを調べるものである。静止文字領域とは、静止画像領域であって且つ文字領域である領域である。静止文字領域検出部113は、画面全体を複数のブロックに分割し、各ブロックについて、静止画像領域であるか否かを判定する。次に、静止画像領域であると判定された各ブロックにおいて、画像データをそのレベルに応じて高レベル、中間レベル、低レベルの3つのレベルに分類する。即ち、図27(a)に示すように、規格化された画像データのレベルx(0≦x≦1)を、基準値a及びb(0≦a<b≦1)と比較し、b<xである場合を高レベルとし、a≦x≦bである場合を中間レベルとし、x<aである場合を低レベルとする。そして、中間レベルの割合が少ないブロックを静止文字領域であると判定する。なお、基準値a及びbの差(b−a)は、上述の第1乃至第5の実施形態における設定レベル差に相当する。
なお、表示装置110がカラーの表示装置であり、映像信号100が、例えば、R(赤)、G(緑)及びB(青)の3色の画像データを含んでいる場合、静止文字領域検出部113は、静止画像領域であると判定された各ブロックについて、RGBの各色毎に文字領域であるか否かを判定する。又は、静止画像領域であると判定された各ブロックを色毎に3つのサブブロックに分け、このサブブロックについて文字領域であるか否かを判定する。
文字領域においては、背景色と文字色とが異なっており、通常、背景色の画像データレベルと文字色の画像データレベルとは大きく異なっている。例えば、白地に黒文字が示されている場合には、背景色(白色)の画像データレベルは高く、文字色(黒色)の画像データレベルは低くなっている。従って、このような領域の画像データレベルを、上述の如く3つのレベルに分けた場合、中間レベルの割合が少なくなる。これに対して、絵領域においては、一般に多種類の色彩及び階調が混在するため、このような領域の画像データレベルを3つのレベルに分けると、中間レベルの割合が多くなる。このため、中間レベルの割合を求めることにより、そのブロックが文字領域であるか絵領域であるかを判定することができる。
なお、カラーで文字を表示している領域は、背景色及び/又は文字色の画像データレベルが中間レベルとなってしまい、文字領域でないと判定される場合もあるが、このような領域は、背景色と文字色との間の画像データのレベル差が小さく、焼き付きが発生しにくいため、問題ない。また、写真又は図形等を表示している領域において、中間レベルの割合が少ない場合もあるが、この場合はこの領域において焼き付きが発生しやすくなるため、このような領域も文字領域として扱う。更に、無地領域において、背景色の画像データレベルが高レベル又は低レベルである場合は、中間レベルの割合が少なくなるため文字領域であると判定されるが、このような領域においてはエッジ部分が存在しないため、レベル調整が施されることがない。従って、文字領域であると判定されても問題はない。
3値化部114は、静止文字領域検出部113から映像データ53が入力され、この映像データ53のうち、静止文字領域に相当するデータに対して3値化処理を施すものである。図27(a)及び(b)に示すように、3値化処理とは、画像データのレベルxが高レベル、即ち、b<x≦1である場合に、画像データのレベルxを例えば1に置き換え、画像データのレベルxが中間レベル、即ち、a≦x≦bである場合に、画像データのレベルxを例えば0.5に置き換え、画像データのレベルxが低レベル、即ち、0≦x<aである場合に、画像データのレベルxを例えば0に置き換えて、0乃至1の範囲にあるレベルxを、例えば、0、0.5、1の3値に置き換えるものである。
また、3値化部114は、高レベル領域と低レベル領域とが中間レベル領域を介さずに直接接している部分を検出し、高レベル領域と低レベル領域との境界をなす画素対をエッジ部分60として認識する。また、高レベル領域、中間レベル領域及び低レベル領域がこの順に一方向に沿って配置されている部分であって、前記一方向における中間レベル領域の幅が所定値以下である部分を検出し、前記一方向における中間レベル領域の中央に位置する画素対をエッジ部分60として認識する。このようにして、3値化部114は、静止文字領域においてエッジ部分60を検出する。そして、エッジ部分60を構成する画素対におけるレベル差Cを、3値化処理前の画像データに基づいて算出する。但し、データ処理を簡略化するために、上述の基準値a及びbを使用して、レベル差CをC=b−aとしてもよい。
更に、3値化部114は、検出したエッジ部分60を構成する画素対のうち、高レベル側の画素(第1の画素)を含み低レベル側の画素(第2の画素)から遠ざかる方向に連続して配列された所定数の画素を第1画素グループ51とし、前記画素対のうち、低レベル側の画素(第2の画素)を含み高レベル側の画素(第1の画素)から遠ざかる方向に連続して配列された所定数の画素を第2画素グループ52とする。第1画素グループ51及び第2画素グループ52を合わせて画素グループという。そして、3値化部114は、画素グループの位置情報及びエッジ部分60のレベル差に基づく制御信号をレベル調整部13に対して出力する。
レベル調整部13の構成は、前述の第1の実施形態と同様である。即ち、第1ノイズ発生部14及びCPU15(図1参照)が設けられており、映像信号処理部1から出力された映像データ53が直接入力されるようになっている。図27(c)に示すように、第1ノイズ発生部14は、エッジ部分60を構成する画素対のレベル差C(図2参照)及びランダム係数αに基づいて、第1画素グループ51及び第2画素グループ52の画像データにノイズ70(図2参照)を付加して、画像データレベルの調整を行うものである。即ち、第1ノイズ発生部14は、第1画素グループ51の画像データレベルを(A−α×C)に置き換え、第2画素グループ52の画像データレベルを(B+α×C)に置き換える。このとき、ランダム係数αは、前述の第1の実施形態と同様に0≦α≦1としてもよいが、図27(c)に示すように、0≦α≦0.5としてもよい。なお、図27(c)においては、図27(b)との対応を明確にするため、及び図面を簡略化するために、画像データとして3値化処理後のデータを示しているが、実際には、3値化処理を行っていない画像データに対して、画像データレベルの調整を行う。
また、表示装置110には、レベル調整部13から出力される制御信号に基づいて、映像信号処理部1を静止文字領域検出部113に接続するか駆動部5に接続するかを切替えるスイッチ2が設けられている。また、静止文字領域検出部113から出力される制御信号に基づいて、静止文字領域検出部113を3値化部114に接続するかスイッチ16を介して駆動部5に接続するかを切替えるスイッチ4が設けられている。更に、駆動部5をレベル調整部13に接続するかスイッチ4を介して静止文字領域検出部113に接続するかを切替えるスイッチ16が設けられている。
次に、上述の如く構成された本実施形態に係る表示装置の動作について説明する。表示装置110は、通常モード及びレベル調整動作モードを切替えて実行することができる。モードの選択は、視聴者が操作スイッチ又はリモート端末等により行うことができる。
先ず、通常モードにおける表示装置110の動作について図26を参照して説明する。通常モードにおいては、スイッチ2は、映像信号処理部1の出力を駆動部5の入力に接続するようになっている。この状態で、外部、例えば、テレビジョンのデコーダ又はコンピュータ本体から、映像信号100が表示装置110の映像信号処理部1に入力される。映像信号処理部1は、この映像信号100を、駆動部5がPDP6を駆動するのに適した映像データ53に変換し、スイッチ2を介して駆動部5に対して出力する。駆動部5は、この映像データ53に基づいてPDP6を駆動し、PDP6に映像データ53に基づいた画像を表示させる。これにより、視聴者は映像データ53に基づいた画像を観賞することができる。
次に、レベル調整動作モードにおける表示装置110の動作について説明する。図28は、本実施形態に係る表示装置のレベル調整動作モードにおける動作を示すフローチャートである。以下、図26、図27(a)乃至(c)及び図28を参照して説明する。レベル調整動作モードにおいては、スイッチ2は、映像信号処理部1の出力を静止文字領域検出部113の入力に接続するようになっている。また、初期状態において、スイッチ16はスイッチ4を駆動部5に接続するようになっている。
先ず、図28のステップS101に示すように、外部、例えば、テレビジョンのデコーダ又はコンピュータ本体から、映像信号100が表示装置110の映像信号処理部1に入力される。
次に、ステップS102に示すように、映像信号処理部1は、この映像信号100を駆動部5がPDP6を駆動するのに適した映像データ53に変換し、スイッチ2を介して静止文字領域検出部113に対して出力する。
次に、ステップS103に示すように、静止文字領域検出部113が、映像データ53が表す1画面分の画像を複数のブロックに分割し、各ブロック毎に静止画像領域であるか否かを判定する。全てのブロックが静止画像領域でない場合には、ステップS108に進み、静止文字領域検出部113は、スイッチ4を静止文字領域検出部113の出力がスイッチ16に接続されるようにした上で、映像データ53を出力する。これにより、静止文字領域検出部113から出力された映像データ53は、スイッチ4及び16を介して駆動部5に入力される。そして、ステップS109に示すように、駆動部5は、この映像データ53に基づいてPDP6を駆動し、PDP6に映像データ53に基づいた画像を表示させる。これにより、視聴者は映像データ53に基づいた画像を観賞することができる。
一方、いずれかのブロックが静止画像領域である場合には、ステップS104に進み、このブロックについて、画像データをそのレベルに応じて高レベル、中間レベル、低レベルの3つのレベルに分類する。即ち、図27(a)に示すように、規格化された画像データのレベルx(0≦x≦1)を、基準値a及びb(0≦a<b≦1)と比較し、b<xである場合を高レベルとし、a≦x≦bである場合を中間レベルとし、x<aである場合を低レベルとする。そして、中間レベルの割合が所定の割合よりも少ないブロックを静止文字領域であると判定する。
なお、映像信号100が、例えば、R(赤)、G(緑)及びB(青)の3色の画像データを含んでいる場合、静止文字領域検出部113は、静止画像領域であると判定された各ブロックについて、RGBの各色毎に文字領域であるか否かを判定する。又は、静止画像領域であると判定された各ブロックを色毎に3つのサブブロックに分け、このサブブロックについて文字領域であるか否かを判定する。
そして、全てのブロックについて、静止文字領域が検出されなかった場合には、ステップS108に進み、静止文字領域検出部113は、スイッチ4を静止文字領域検出部113の出力がスイッチ16に接続されるようにした上で、映像データ53を出力する。これにより、ステップS109に示すように、駆動部5は、この映像データ53に基づいてPDP6を駆動し、画像を表示させる。
一方、いずれかのブロックにおいて静止文字領域が検出された場合には、静止文字領域検出部113は、スイッチ4を静止文字領域検出部113の出力が3値化部114の入力に接続されるようにした上で、映像データ53を出力する。これにより、映像データ53が3値化部114に入力される。
次に、ステップS105に示すように、3値化部114は、入力された映像データ53のうち、静止文字領域に相当するデータに対して3値化処理を施す。即ち、図27(a)及び(b)に示すように、映像データ53に含まれる画像データのレベルxが高レベル、即ち、b<x≦1である場合に、画像データのレベルxを例えば1に置き換え、画像データのレベルxが中間レベル、即ち、a≦x≦bである場合に、画像データのレベルxを例えば0.5に置き換え、画像データのレベルxが低レベル、即ち、0≦x<aである場合に、画像データのレベルxを例えば0に置き換える。
次に、ステップS106に示すように、3値化部114は、高レベル領域と低レベル領域とが中間レベル領域を介さずに直接接している部分を検出し、高レベル領域と低レベル領域との境界をなす画素対をエッジ部分60として認識する。また、高レベル領域、中間レベル領域及び低レベル領域がこの順に一方向に沿って配置されている部分であって、前記一方向における中間レベル領域の幅が所定値以下である部分を検出し、前記一方向における中間レベル領域の中央に位置する画素対も、エッジ部分60として認識する。このようにして、3値化部114は、静止文字領域においてエッジ部分60を検出する。
3値化部114において、静止文字領域にエッジ部分60が検出されなかった場合は、ステップS108に進み、静止文字領域検出部113が駆動部5に対して映像データ53を出力する。これにより、ステップS109に示すように、駆動部5は、この映像データ53に基づいてPDP6を駆動し、画像を表示させる。
一方、3値化部114において、静止文字領域にエッジ部分60が検出された場合は、3値化部114は、検出したエッジ部分60を構成する画素対のうち、高レベル側の画素(第1の画素)を含み低レベル側の画素(第2の画素)から遠ざかる方向に連続して配列された所定数の画素を第1画素グループ51と設定し、前記画素対のうち、低レベル側の画素(第2の画素)を含み高レベル側の画素(第1の画素)から遠ざかる方向に連続して配列された所定数の画素を第2画素グループ52と設定する。そして、3値化部114は、画素グループ(第1画素グループ51及び第2画素グループ52)の位置情報及びエッジ部分60のレベル差の情報をレベル調整部13に対して出力する。
次に、ステップS107に示すように、レベル調整部13の第1ノイズ発生部14が、前述の第1の実施形態と同様に、エッジ部分60を構成する画素対のレベル差C(図2参照)及びランダム係数αに基づいて、第1画素グループ51及び第2画素グループ52の画像データにノイズ70(図2参照)を付加する。即ち、第1ノイズ発生部14は、映像信号処理部1からスイッチ2を介して入力された映像データ53、即ち、3値化処理を行っていないデータについて、第1画素グループ51の画像データレベルを(A−α×C)に置き換え、第2画素グループ52の画像データレベルを(B+α×C)に置き換える。このとき、ランダム係数αは、前述の第1の実施形態と同様に0≦α≦1としてもよく、図27(c)に示すように、0≦α≦0.5としてもよい。
そして、ステップS108に示すように、第1ノイズ発生部14は、レベル調整後の画素グループ(第1画素グループ51及び第2画素グループ52)に相当する画像データを、駆動部5に対して出力する。また、このとき、静止文字領域検出部113が、画素グループ以外の画素に相当する画像データ、即ち、レベル調整処理を施していない画像データを駆動部5に対して出力する。このとき、CPU15(図1参照)がスイッチ16を切替えることにより、画素グループに相当する画像データ、即ち、レベル調整後の画像データは、第1ノイズ発生部14から駆動部5に入力されるようにし、画素グループ以外の画素に相当する画像データ、即ち、レベル調整を行っていない画像データは、静止文字領域検出部113から駆動部5に入力されるようにする。そして、ステップS109に示すように、この映像データに基づいてPDP6を駆動し、画像を表示させる。これにより、視聴者は映像データに基づく画像を観賞することができる。
次に、本実施形態の効果について説明する。本実施形態においては、静止画像領域において静止文字領域を検出し、この静止文字領域についてのみ画像データレベルの調整を行っているため、静止画像領域全体についてレベル調整処理を行う場合と比較して、高速で処理を行うことができる。また、静止文字領域は、背景部分と文字部分との間のコントラストが高く、静止文字領域以外の領域、即ち、無地領域又は写真若しくは図形等を表示している領域等と比較して焼き付きが発生しやすい。また、文字領域において画像レベルの調整を行っても、写真等を表示している領域において画像レベルの調整を行うよりは、目立ちにくい。このため、静止文字領域のみについてレベル調整処理を行うことにより、画像品質の低下を抑制しつつ、効率的に焼き付きを防止することができる。
また、本実施形態においては、3値化処理を行うことにより、エッジ部分を効率的に検出することができる。本実施形態における上記以外の効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
次に、本第6の実施形態の第1の変形例について説明する。図29(a)乃至(c)は、横軸に位置をとり縦軸に画像データのレベルをとって、画像データレベルの空間分布を示すグラフ図であり、(a)はレベル調整前の画像データを示し、(b)は本第1の変形例におけるレベル調整後の画像データを示し、(c)は後述する第2の変形例におけるレベル調整後の画像データを示す。
前述の第6の実施形態においては、レベル調整を行う画素グループの幅は、画像データの分布によらず一定としている。これに対して、本変形例においては、3値化処理後の画像データを使用して高レベル領域の幅を検出し、この幅に応じて、画素グループ(第1画素グループ51及び第2画素グループ52)の幅を調整する。即ち、図29(a)に示すように、高レベル領域121の幅W1は、高レベル領域122の幅W2よりも大きい。このため、図29(b)に示すように、高レベル領域121における画素グループの幅S1を、高レベル領域122における画素グループの幅S2よりも大きくする。本変形例における上記以外の構成及び動作は、前述の第6の実施形態と同様である。
本変形例の効果は、静止画パターン太さが小さい場合に、レベル調整処理を目立たなくすることであり、前述の第2の実施形態において、静止画パターン太さに基づいて画素グループの幅を調整した効果と同様である。しかし、本変形例においては、3値化処理後の画像データを使用しているため、高レベル領域の幅を容易に検出することができる。
次に、前述の第6の実施形態の第2の変形例について説明する。前述の第6の実施形態及びその第1の変形例においては、高レベル側領域である第1画素グループ51及び低レベル側領域である第2画素グループ52の双方に対して画像データレベルの調整を行っている。これに対して、本第2の変形例においては、図29(c)に示すように、高レベル側領域である第1画素グループ51のみに対して画像データレベルの調整を行う。本変形例における上記以外の構成及び動作は、前述の第1の変形例と同様である。
通常、蛍光体等の劣化による画素の劣化は、低レベル側領域よりも高レベル側領域において顕著である。また、画像データのレベル調整に伴う画質の劣化は、高レベル側領域の方が目立たない。更に、高レベル側領域のみにおいてレベル調整を行うことにより、レベル調整を施す領域の幅を狭くして画質の劣化を目立たなくすることができる。このように、本変形例においては、高レベル側領域のみにおいてレベル調整を行うことにより、レベル調整に伴う画質の劣化を抑制しつつ、焼き付きを効果的に防止することができる。
なお、前述の第6の実施形態並びにその第1及び第2の変形例において、前述の第2の実施形態で示したように、表示装置と視聴者との間の距離に応じて、レベル調整を行う画素グループの幅を調整してもよい。また、前述の第6の実施形態並びにその第1及び第2の変形例においては、レベル調整の方法として、前述の第1の実施形態と同様に、画素グループに均一なノイズを付加する例を示したが、本発明はこれに限定されず、前述の第3乃至第5の実施形態で示したように、画像データレベルを位置に対して緩やかに変化させてもよい。即ち、第3の実施形態のように、ランダム係数αを位置によって変化させて画像データレベルの時間平均値において緩やかな変化を実現してもよく、第4の実施形態のように、画像データのレベルを固定して、画像データのレベルを位置に対して緩やかに変化させてもよく、第5の実施形態のように、ローパスフィルタを使用することにより、画像データのレベルを位置に対して緩やかに変化させてもよい。
また、前述の第3乃至第5の実施形態のように、静止画パターン太さが大きく、画像パターン値が設定画像パターン値以上である場合には、エッジ部分を含む画素グループにランダムなノイズを与え、静止画パターン太さが小さく、画像パターン値が設定画像パターン値より小さい場合に、上述の如く、画像データレベルを位置に対して緩やかに変化させてもよい。更に、表示装置本体として、PDPの替わりに、LCD、EL又はCRTを使用してもよい。
(第7の実施形態)
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。図30(a)及び(b)は、横軸に位置をとり縦軸に画像データのレベルをとって、画像データレベルの空間分布を示すグラフ図であり、(a)はレベル調整前のRGB各色の画像データを示し、(b)はレベル調整後のRBG各色の画像データを示す。なお、図30(a)及び(b)の縦軸は、画像データレベルの規格化された値を示している。本実施形態は、カラー表示装置の実施形態である。
図30(a)に示すように、レベル調整前の画像データにおいて、赤色サブ画素(R)における第1画素グループ51のレベル値は1であり、第2の画素グループ52のレベル値は0である。また、緑色サブ画素(G)における第1画素グループ51のレベル値は1であり、第2の画素グループ52のレベル値は0.5である。更に、青色サブ画素(B)における第1画素グループ51のレベル値は0であり、第2の画素グループ52のレベル値は0である。なお、画像の輝度は、各サブ画素のレベル値の組み合わせにより決定される。
そして、本実施形態においては、レベル差Cは、RGB各色について相互に独立して算出する。一方、ランダム係数αは、画素毎にRGB各色のサブ画素について共通の値を使用する。即ち、図30(a)において、赤色画素におけるレベル差CRを1とし、緑色画素におけるレベル差CGを0.5とし、青色画素におけるレベル差CBを0とする。また、ランダム係数αの値は、例えば0≦α≦0.5の範囲でランダムに選択するが、ある画素に属する赤色サブ画素に適用するランダム係数αと、この画素に属する緑色サブ画素に適用するランダム係数αと、この画素に属する青色サブ画素に適用するランダム係数αとは、相互に同じ値とする。
これにより、各色の画像データに、図30(b)に示すようなノイズ73が付加される。本実施形態においては、RGB各色について、画素毎に共通のランダム係数αを使用しているため、微視的にもカラーバランスが大きくずれることがない。このため、レベル調整を施した部分が目立たなく、画質の低下が少ない。本実施形態に係る上記以外の構成、動作及び効果は、前述の第6の実施形態と同様である。即ち、前述の第6の実施形態で示したように、静止文字領域を検出してこの静止文字領域のみにおいて画像データのレベル調整を行い、3値化処理を行うことによりエッジ部分を検出する。
なお、本実施形態は、前述の第1乃至第5の実施形態に係る表示装置に適用してもよい。即ち、前述の第2の実施形態で示したように、表示装置と視聴者との間の距離に応じて、レベル調整を行う画素グループの幅Lを調整してもよい。また、前述の第3乃至第5の実施形態で示したように、画像データレベルを位置に対して緩やかに変化させてもよい。更に、前述の第6の実施形態の第1の変形例のように、文字の太さに応じてレベル調整を行う画素グループの幅を調整してもよく、第6の実施形態の第2の変形例のように、高レベル側領域である第1画素グループのみにおいてレベル調整を行ってもよい。
(第8の実施形態)
次に、本発明の第8の実施形態について説明する。図31(a)及び(b)は、横軸に位置をとり縦軸に画像データのレベルをとって、画像データレベルの空間分布を示すグラフ図であり、(a)はレベル調整前のRGB各色の画像データを示し、(b)はレベル調整後のRBG各色の画像データを示す。なお、図31(a)及び(b)の縦軸は、画像データレベルの規格化された値を示している。本実施形態は、カラー表示装置の実施形態である。
図31(a)に示すように、レベル調整前の画像データにおいて、赤色サブ画素(R)における第1画素グループ51のレベル値は1であり、第2の画素グループ52のレベル値は0である。また、緑色サブ画素(G)における第1画素グループ51のレベル値は1であり、第2の画素グループ52のレベル値は1である。更に、青色サブ画素(B)における第1画素グループ51のレベル値は0.5であり、第2の画素グループ52のレベル値は1である。
そして、本実施形態においては、RGB各色の画像データのレベル値に、画素毎に共通のランダム係数αを乗じる。ランダム係数αの値は、例えば0≦α≦1の範囲でランダムに選択するが、ある画素に属する赤色サブ画素に適用するランダム係数αと、この画素に属する緑色サブ画素に適用するランダム係数αと、この画素に属する青色サブ画素に適用するランダム係数αとは、相互に同じ値とする。即ち、調整前の第1画素グループ51のレベル値をAとし、第2画素グループ52のレベル値をBとするとき、調整後の第1画素グループ51のレベル値は(α×A)とし、調整後の第2画素グループ52のレベル値は(α×B)とする。このように、本実施形態においては、前述の第7の実施形態とは異なり、画像データのレベル値(A又はB)に対して、画像データのレベル差Cに基づいた加算及び減算は行わない。この結果、レベル調整後の画像データのレベルは、図31(b)に示すようになる。
例えば、調整前の各サブ画素の画像データレベルが図31(a)に示す値をとるとき、ある画素において、α=0.1であれば、第1画素グループ51の赤色サブ画素のレベルARは、AR=α×A=0.1×1=0.1となり、緑色サブ画素のレベルAGは、AG=α×A=0.1×1=0.1となり、青色サブ画素のレベルABは、AB=α×A=0.1×0.5=0.05となり、RGBの比率は、AR:AG:AB=1:1:0.5となり、調整前の比率が保たれる。また、第2画素グループ52の赤色サブ画素のレベルBRは、BR=α×B=0.1×0=0となり、緑色サブ画素のレベルBGは、BG=α×B=0.1×1=0.1となり、青色サブ画素のレベルBBは、BB=α×B=0.1×1=0.1となり、RGBの比率は、BR:BG:BB=0:1:1となり、調整前の比率が保たれる。
また、α=0.5であれば、第1画素グループ51の赤色サブ画素のレベルARは、AR=α×A=0.5×1=0.5となり、緑色サブ画素のレベルAGは、AG=α×A=0.5×1=0.5となり、青色サブ画素のレベルABは、AB=α×A=0.5×0.5=0.25となり、RGBの比率は、AR:AG:AB=1:1:0.5となり、調整前の比率が保たれる。また、第2画素グループ52の赤色サブ画素のレベルBRは、BR=α×B=0.5×0=0となり、緑色サブ画素のレベルBGは、BG=α×B=0.5×1=0.5となり、青色サブ画素のレベルBBは、BB=α×B=0.5×1=0.5となり、RGBの比率は、BR:BG:BB=0:1:1となり、調整前の比率が保たれる。
このように、本実施形態においては、レベル調整の前後でカラーバランスがほぼ維持され、レベル調整後の画素グループのカラーバランスが、画素グループの両側の領域、即ち、レベル調整を施していない領域におけるカラーバランスに対して、大きくずれることがない。また、RGB各色について、画素毎に共通のランダム係数αを使用しているため、微視的にもカラーバランスが大きくずれることがない。このため、レベル調整を施した部分が目立たなく、画質の低下が少ない。本実施形態に係る上記以外の構成、動作及び効果は、前述の第6の実施形態と同様である。即ち、前述の第6の実施形態で示したように、静止文字領域を検出してこの静止文字領域のみにおいて画像データのレベル調整を行い、3値化処理を行うことによりエッジ部分を検出する。
なお、本実施形態は、前述の第1乃至第5の実施形態に係る表示装置に適用してもよい。例えば、前述の第2の実施形態で示したように、表示装置と視聴者との間の距離に応じて、レベル調整を行う画素グループの幅Lを調整してもよい。更に、前述の第6の実施形態の第1の変形例のように、高レベル領域の幅に応じてレベル調整を行う画素グループの幅を調整してもよく、第6の実施形態の第2の変形例のように、高レベル側領域である第1画素グループのみにおいてレベル調整を行ってもよい。
なお、上述の各実施形態において、画像データのレベル調整は画面の水平方向及び垂直方向の双方について行うことが好ましいが、水平方向のみについて行ってもよい。レベル調整を水平方向のみについて行うことにより、画像データの処理が容易になる。また、上述の各実施形態において、エッジ部分を構成する画素対のレベル差Cの値に応じて、レベル調整を行う画素グループの幅L及び調整係数αの値を調整してもよい。例えば、レベル差Cが大きい程、画素グループの幅Lを大きくしてもよく、このとき、調整係数αの値又は範囲を段階的又は連続的に変化させて、画素グループ内において、画素データのレベル値が位置に対して緩やかに変化するようにしてもよい。