JP4729929B2 - パンチ - Google Patents

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この発明は、用紙にパンチ穴を成形するパンチに関するものであり、特に、穿孔位置精度の向上を図ったパンチに関するものである。
書類などの縁部に丸穴を穿孔するパンチは周知であり、最も一般的なパンチは、ベースプレート上に一つのレバーハンドルを配置し、レバーハンドルを押下げることにより、レバーハンドルにピン結合した一つまたは複数の丸棒形パンチ軸を下降させて、紙に丸穴を穿孔するものであって、その基本構成は、例えば特許文献1,2,3などに明らかである。
図8は従来のパンチの一例を示し、パンチ1のベースプレート2上に取付けたパンチ軸支持フレーム3の前部(図において左)にレバーハンドル4がハンドル支持ピン5を介してピン結合されている。図には表れていないが、パンチ軸支持フレーム3の底板部に形成されている上下方向のガイド穴に丸ピン形のパンチ軸が装着されていて、パンチ軸支持ピン6がレバーハンドル4とパンチ軸とを水平に貫通しており、レバーハンドル4を押下げると、梃子の作用でパンチ軸が下降してベースプレート2のダイ穴を貫通し、パンチ軸とベースプレート2との間に紙を挿入してレバーハンドル4を押下げれば、その紙にダイ穴と同一径の丸穴が穿孔される。
ベースプレート2の上面は段差があり、前部2aが一段低くなっていて、ベースプレート2の上面後部2bに取付けたパンチ軸支持フレーム3とベースプレート2の前部2aとの間の空間に紙を挿入し、ベースプレート2の段差箇所の縦壁面2cに紙を押し当てれば、紙の縁とパンチ軸とが一定の距離に位置合わせされる。
しかしながら、プレス加工によって成形されるベースプレート2は、上記の段差部やその他の角に若干の丸みがあり、図8のB部を拡大した図9に示すように、縦壁面2cの上端のアール部分とパンチ軸支持フレーム3との隙間に紙Pが入り込むことがあり、この場合は段差部分の縦壁面2cに当たって正規の位置で位置決めされた紙とは前後位置がずれてしまってパンチ穴の位置ずれが生じる。
また、図示は省略するが、ベースプレートの段差部分の前面に、上下両端に亘る平坦な垂直面の用紙位置決め突起を加工して、紙の位置決め精度の向上を図ったパンチもあるが、この場合は、パンチ軸支持フレームの下面に用紙位置決め突起の上端との干渉を避けるための凹部や穴を設ける必要があり、パンチにセットした紙の縁が用紙位置決め突起の上端を乗越えて上記の凹部や穴に入り込んでしまうことがあって、パンチ穴の位置ずれを完全には防止できないという問題がある。
特開2002-001698号公報 特開2002-331496号公報 特開2003-245896号公報
上述したように、ベースプレートの上面にパンチ軸支持フレームを取付けた構成のパンチにおいては、パンチに紙をセットしたときに、紙の縁がベースプレートとパンチ軸支持フレームの接合面の隙間に入り込んで、パンチ穴の位置ずれが生じることがある。そこで、本発明はパンチにおける紙の位置ずれを防止することを目的とするものである。
この発明は、上記目的を達成するために提案するものであり、ベースプレート上にパンチ軸支持フレームを搭載したパンチであって、ベースプレートの上面、又はパンチ軸支持フレームの下面のいずれかの前後中間部位に段差を形成し、前記段差により生じた間隙へ紙を挿入できるように形成するとともに、前記段差の縦壁面へ紙の端部を当接させることにより用紙が位置決めされるように構成したパンチにおいて、前記段差を有しない側のパンチ軸フレーム又はベースプレートに、前記段差の縦壁面と前後位置が一致して同一平面を構成する前記ベースプレートと前記パンチ軸支持フレームとの接合面の隙間を塞ぐ第1の用紙位置決め突起を形成したパンチにおいて、
前記段差の縦壁面に上下両端に亘る垂直平面の第2の用紙位置決め突起を設けるとともに、前記段差を有しない側のパンチ軸支持フレーム又はベースプレートに、前記第2の用紙位置決め突起と前後位置が一致し、且つ、横並びとなるように前記第1の用紙位置決め突起を形成したパンチを提供するものである。
本発明は、ベースプレートと、ベースプレートに搭載されたパンチ軸支持フレームとの空間の奥に用紙を挿入して位置決めするパンチにおいて、ベースプレートとパンチ軸支持フレームとの接合面の隙間を塞ぐ用紙位置決め突起を設けたので、その隙間に用紙の縁が入り込んでパンチ穴が不揃いとなることを防止できる。
ベースプレート上にパンチ軸支持フレームを搭載し、ベースプレートの上面、又はパンチ軸支持フレームの下面のいずれかの前後中間部位に段差を形成し、段差により生じた間隙へ紙を挿入して、段差の縦壁面へ紙の端部を当接させることにより用紙が位置決めされるように構成したパンチにおいて、前記段差の縦壁面に上下両端に亘る垂直平面の用紙位置決め突起を設けるとともに、段差を有しない側のパンチ軸支持フレーム又はベースプレートに、前記用紙位置決め突起と前後位置が一致し、且つ横並びとなる用紙位置決め突起を設ける。
ベースプレートとパンチ軸支持フレームの両方に用紙位置決め突起を設けたことによって、ベースプレートとパンチ軸支持フレームの接合面の間隙に用紙の縁が入り込むことが防止され、用紙のパンチ穴に位置ずれが生じる虞を解消するという目的を達成した。
図1及び図2はパンチ11を示し、基本構造は従来のパンチと同一であって、前後で段差があるベースプレート12上に、左右一対のパンチ軸支持フレーム13が取付けられており、一対のパンチ軸支持フレーム13の前部に門型のレバーハンドル14がハンドル支持ピン15を介してピン結合されている。図には表れていないが、パンチ軸支持フレーム13の底板部に形成されている上下方向のパンチ軸ガイド穴に丸ピン形のパンチ軸が装着されていて、レバーハンドル14とパンチ軸とを水平に貫通するパンチ軸支持ピン16によってレバーハンドル14とパンチ軸が連結されており、レバーハンドル14を押下げれば、パンチ軸が下降してベースプレート12のダイ穴を貫通し、ベースプレート12とパンチ軸支持フレーム13との間に挿入した紙に丸穴が穿孔される。ベースプレート12の下面には、プラスチック製の下カバー17が嵌着されていて、パンチ軸により打抜かれた円形の紙屑は下カバー17内に落下する。
図3乃至図6は、ベースプレート12とパンチ軸支持フレーム13を示し、いずれも鉄板プレス加工品であって、ベースプレート12の一段高い後部12bの左右に、リベット孔18と位置決め凹部19とが形成されており、パンチ軸支持フレーム13の底面にもリベット孔20と位置決め凸部21とが形成されている。パンチ軸支持フレーム13の位置決め凸部21をベースプレート12の位置決め凹部19に合致させれば、パンチ軸支持フレーム13が所定位置に位置決めされ、パンチ軸支持フレーム13のリベット孔20とベースプレート12のリベット孔18とが一致する。また、ベースプレート12の前部12aの左右に形成されているダイ穴22とパンチ軸支持フレーム13の底面前部に形成されているパンチ軸ガイド穴23のX-Y平面上の位置も一致し、リベット孔18とリベット孔20にリベット24を挿通して(図4を参照)、パンチ軸支持フレーム13とベースプレート12がリベット24によって結合される。
プレス加工によって成形されるベースプレート12の段差部分の角は若干の丸みがあるが、段差部分の縦壁面12cの左右両端部に、突き出し加工などの手段によって上下両端まで平坦な用紙位置決め突起25が形成されている。また、パンチ軸支持フレーム13の下面には、下方へ突出する用紙位置決め突起26が形成されていて、パンチ軸支持フレーム13をベースプレート12へ取付けたときに、パンチ軸支持フレーム13の用紙位置決め突起26は、ベースプレート12の用紙位置決め突起25の内側に形成した凹部27に入り、ベースプレート12の用紙位置決め突起25とパンチ軸支持フレーム13の用紙位置決め突起26が横並びとなり、且つ用紙位置決め突起25, 26の前後位置を一致させている。
ベースプレート12の段差部分に形成した上下両端に亘る用紙位置決め突起25に加えて、パンチ軸支持フレーム13の下面から下方へ突出する用紙位置決め突起26を設けたことにより、図7に示すように、パンチの前方からベースプレート12とパンチ軸支持フレーム13との空間へ紙Pを挿入したときに、紙Pの先端がベースプレート12とパンチ軸支持フレーム13との接合面の隙間に進入することが完全に防止され、紙の枚数の多寡や紙の先端の浮き上がりなどにかかわらず、全部の紙が同一位置に位置決めされるので、パンチ穴の位置ずれが生じることがない。
以上は、ベースプレートに段差を設けた構成のパンチを説明したが、この発明は上記の実施形態に限定するものではなく、これとは逆にパンチ軸支持フレームの下面に段差を設けた構成(図7を上下反転した構成)としてもよく、この発明の技術的範囲内において種々の改変が可能であり、この発明がそれらの改変されたものに及ぶことは当然である。
本発明のパンチの斜視図。 本発明のパンチの側面図。 パンチのベースプレートとパンチ軸支持フレームの組立てを示す斜視図。 パンチのベースプレートとパンチ軸支持フレームの組立てを示す斜視図。 パンチのベースプレートとパンチ軸支持フレームの組立てを示す正面図。 パンチのベースプレートとパンチ軸支持フレームの組立てを示す側面図。 図2のA部拡大図。 パンチの従来例を示す側面図。 図8のB部拡大図。
符号の説明
11 パンチ
12 ベースプレート
12a 前部
12b 後部
12c 縦壁面
13 パンチ軸支持フレーム
14 レバーハンドル
15 ハンドル支持ピン
16 パンチ軸支持ピン
17 下カバー
22 ダイ穴
25 用紙位置決め突起
26 用紙位置決め突起
27 凹部


Claims (1)

  1. ベースプレート上にパンチ軸支持フレームを搭載したパンチであって、ベースプレートの上面、又はパンチ軸支持フレームの下面のいずれかの前後中間部位に段差を形成し、前記段差により生じた間隙へ紙を挿入できるように形成するとともに、前記段差の縦壁面へ紙の端部を当接させることにより用紙が位置決めされるように構成したパンチにおいて、前記段差を有しない側のパンチ軸フレーム又はベースプレートに、前記段差の縦壁面と前後位置が一致して同一平面を構成する前記ベースプレートと前記パンチ軸支持フレームとの接合面の隙間を塞ぐ第1の用紙位置決め突起を形成したパンチにおいて、
    前記段差の縦壁面に上下両端に亘る垂直平面の第2の用紙位置決め突起を設けるとともに、前記段差を有しない側のパンチ軸支持フレーム又はベースプレートに、前記第2の用紙位置決め突起と前後位置が一致し、且つ、横並びとなるように前記第1の用紙位置決め突起を形成したことを特徴とするパンチ。
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