JP4729907B2 - 車両用操舵装置およびその操舵トルク制御方法 - Google Patents

車両用操舵装置およびその操舵トルク制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、運転者のハンドル操作に要する操舵トルクを可変する操舵トルク可変アクチュエータを備えた車両用操舵装置およびその操舵トルク制御方法の技術分野に属する。
従来の車両用操舵装置としては、操舵の切り増し、切り戻しを判断し、切り増しと切り戻しとで操舵角速度に比例したダンピング制御量を変更し、切り過ぎ抑制効果向上および操舵フィーリング向上の両立を図る電動パワーステアリング装置が知られている。また、スラローム走行中は操舵トルクに対するアシスト特性を変更し、スラローム走行時における運転者の操舵負担軽減を図る電動パワーステアリング装置も知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開平11−48998号公報 特開2001−239948号公報
しかしながら、上記従来技術のうち前者にあっては、油圧パワーステアリングの操舵補助特性を再現する構成であるため、スラロームのような操舵角の極性が反転する時点で操舵トルクが急変するため、自然な操舵フィーリングを実現できない。また、後者にあっては、全体的な操舵トルクを低下させることにより操舵角に対する操舵トルクの変化は減少するが、操舵の切り過程も戻し過程も操舵トルクが軽くなるだけであり、自然な操舵フィーリングを実現するためには不十分である。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、レーンチェンジやスラローム走行時の操舵トルク変化を緩やかにでき、自然な操舵フィーリングを実現できる車両用操舵装置およびその操舵トルク制御方法を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明では、
運転者のハンドル操作に要する操舵トルクを可変する操舵トルク可変アクチュエータを備えた車両用操舵装置において、
前記操舵トルクの極性と前記ハンドルの操舵角速度の極性が同じ状態から異なる状態へ変わると、前記操舵角速度がゼロを含めた所定値になるまで、前記ハンドルが、連続的に切り戻しと切り増しとが繰り返されるスラローム過程にある判断する操舵状態判断手段と、
記スラローム過程における操舵角または車両挙動に対する操舵トルクの変化率が前記スラローム過程以外の過程よりも少なくなるように、前記操舵トルク可変アクチュエータを補償制御する補償制御手段と、
を備えることを特徴とする。
よって、本発明の車両用操舵装置にあっては、スラローム過程での操舵反力変化が少なくなるため、レーンチェンジやスラローム走行時の操舵トルク変化を緩やかにでき、自然な操舵フィーリングを実現できる。
以下、本発明の車両用操舵装置を実施するための最良の形態を、実施例1〜5に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1の電動パワーステアリング装置を備えた車両用操舵装置の構成を示すブロック図である。
運転者の舵取り操作用のハンドル1と、舵取り動作を行う舵取り機構2とを連結する操舵軸3に、ハンドル1に加わる操舵トルクを検出するトルクセンサ4と、運転者のハンドル操作に要する操舵トルクを可変する操舵トルク可変アクチュエータとして、操舵軸3にアシストトルクを出力する電動モータ(以下、モータと略記する。)5が配置されている。
前記ハンドル1は、図示しない車室内部の運転者と対向する位置に、軸周りに回動可能に設けられている。舵取り機構2は、操舵軸3の下端に一体形成されたピニオン6と、これに噛合するラック軸7とを備えるラック&ピニオン式の舵取り装置により構成されている。ラック軸7は、図示しない車両前部に、左右方向摺動可能に固定されており、その両端は、左右のタイロッド8,9を介して操向用の前輪車両前部に、左右方向摺動可能に固定されており、その両端は、左右のタイロッド8,9を介して操向用の前輪10,11に連結されている。
前記モータ5は、モータ5の発生トルクを操舵軸3の回転トルクに変換する減速機12を介して、操舵軸3に結合されている。このモータ5に供給されるモータ電流は、コントローラ13により制御されている。
続いて、図2のコントローラ13の制御ブロック図を加えて、実施例1の制御系を説明する。
運転者によりハンドル1が操舵されると、ハンドル1と機械的に連結された前輪10,11が操向される。このとき、トルクセンサ4に入力される捩れ方向の負荷は、操舵トルクとしてコントローラ13へ入力される。さらに、このコントローラ13には、車両の走行速度を検出する車速センサ(車速検出手段)14等の信号が与えられる。
コントローラ13には、モータ電圧を検出するモータ端子間電圧センサ13a、モータ電流を検出するモータ電流センサ13b、モータ電圧とモータ電流からモータ5の回転速度を推測するモータ速度推定部(操舵角速度検出手段)13cが内蔵されている。
モータ5の回転速度Nは、モータ5の逆起電力係数keを用いて下記の式(1)より算出される。
N = (V − RI)/Ke …(1)
ここで、Nはモータ5の回転速度、Vはモータ端子間電圧、Rはモータ内部抵抗、Iはモータ電流である。すなわち、モータ5は減速機12を介して機械的に操舵軸3に連結されているため、モータ5の回転速度を減速比で換算すると操舵角速度が算出される。
コントローラ13の出力は、駆動回路13dを介してモータ5に与えられる。コントローラ13は、操舵トルク、モータの回転速度、車速等を用いて、モータ5の駆動電流を算出し、算出された駆動電流をモータ電流センサ13bによりモータ電流を参照しつつ、モータ5を制御駆動する。駆動回路13dからモータ5へ供給される電源は、バッテリ15により与えられる。
コントローラ13は、アシスト量演算部13eと、操舵状態判定部(操舵状態判断手段)13fと、戻し/スラローム時補償制御部(補償制御手段であり、以下、補償制御部と略記する。)13gと、目標電流値設定部13hと、電流フィードバック(FB)部13iとを備えている。
アシスト量演算部13eでは、運転者の操作負荷を低減するために、操舵トルクに応じて目標アシスト量を決定している。また、据え切り等では軽くハンドル1が切れるように目標アシスト量を多くし、高速になるにつれ操舵トルクが重くなりどっしりとした操舵特性を実現するように高速では目標アシスト量を減らしている。
目標電流値設定部13hは、アシスト量演算部13eで算出された目標アシスト量に応じて、モータ5の目標電流値を設定する。この目標電流値設定部13hとアシスト量演算部13eとで、目標操舵トルク設定手段が構成されている。
電流FB部13iは、電流センサ13bにより検出された実際のモータ電流値を目標電流値から減算し、駆動回路13dへ出力する。駆動回路13dは、実際のモータ電流値を目標電流値と一致させる電流値をモータ5に供給する。
操舵状態判定部13fは、操舵の切り/戻し/スラロームの判定を行う。操舵状態判定部13fにはモータ回転速度と操舵トルクが入力され、後述のアルゴリズムにて操舵状態の判定を行う。
図3は、実施例1の操舵状態判定部13fの制御ブロックである。
ブロック101では、操舵トルクの極性を判断し、正の場合は1を、負の場合は−1を出力する。ブロック102では、操舵角速度の極性を判断し、正の場合は1を、負の場合は−1を出力する。ブロック103では、ブロック101の出力とブロック102の出力を積算して出力する。
ブロック104では、ブロック103の出力である積算値が負の場合は、極性が異なるため1を出力し、積算値が正の場合は、極性が同じであるためゼロを出力する。ブロック105では、積算値がゼロから1へ変わった瞬間に戻しFLGをゼロから1へ変化させる。一方、操舵角速度がゼロを含めた所定値になった時を判定し、その瞬間に戻しFLGを1からゼロへ変化させる。
補償制御部13gは、操舵状態判定部13fにて戻し過程であるかスラローム過程であると判定がされた場合に、トルクセンサ4により検出された操舵トルクと、モータ速度推定部13cにより検出されたモータ速度(操舵角速度)と、車速センサ14により検出された車速とに基づいて、補償電流(保舵トルク補償量)を算出し、算出した補償電流をモータ5に加算することにより、モータ5を補償制御する。
図4は、実施例1の補償制御部13gの制御ブロック図である。
ローパスフィルタを備えるブロック111では、入力された操舵トルクを1次のローパスフィルタで処理する。ブロック112では、ブロック111の出力に所定の補償ゲインを乗算した値を補償電流値とする。ここで、操舵トルクに対する補償電流は遅れ要素があるため、トルクが急変しても補償電流は追従せず、結果として操舵トルクの変化は緩やかなものになる。このとき、補償ゲインに所定の上限を設け、不要にハンドル1が軽くなり過ぎるのを防止している。
時定数可変手段を備えるブロック113では、ブロック111のローパスフィルタの時定数を、操舵角速度を関数として可変する。例えば、低操舵角速度の場合や、緊急回避のような操舵角速度が速い場合には、ローパスフィルタの時定数を小さく設定する。これにより、操舵トルクの遅れを少なくして路面インフォメーションと路面反力とのリニアリティを向上させることが可能となる。一方、レーンチェンジやスラロームを行う操舵角速度の場合には、ローパスフィルタの時定数を大きく設定する。これにより、操舵トルクの遅れを大きくして操舵トルク変化を緩やかにし、スムースな操舵を容易にすることが可能となる。
ブロック114では、補償電流値を車速の関数として可変するための車速ゲインを設定する。例えば、低車速では補償電流をゼロまたは制限する。これにより、操舵トルクが大きくなり、ハンドル戻しを向上させることが可能となる。一方、高速走行時のレーンチェンジやスラロームでは、補償電流を増加させる。これにより、操舵トルクが小さくなり、スムースで自然な操舵フィーリングを実現させることが可能となる。
ブロック115では、ブロック112の出力である補償電流値と、出力とブロック114の出力である車速ゲインとを掛け合わせ、最終的な補償電流値を算出する。
次に、作用を説明する。
[操舵状態判定]
図5は、左側にレーンチェンジを行った場合の操舵パターンを示す。操舵状態判定部13fにおける、戻しまたはスラロームの判断は、操舵トルクの極性と操舵角速度の極性とが異なる場合に、戻しフラグ(以下、戻しFLG)が1になり、操舵角速度がゼロを含めた所定値となった場合に、戻しFLGがゼロになることで実現される。
[戻し/スラローム時の操舵トルク補償制御作用]
補償制御部13gの戻し/スラローム時補償制御について説明する。
レーンチェンジ時の操舵角、操舵トルクおよび補償電流は、図6に示す時系列推移(a→b→c→d)となり、操舵角に対する操舵トルクは、図7に示すように、戻し過程dおよびスラローム過程(b→c)では、切り過程aに比べ、変動が小さくなる。よって、スムースなハンドル操作が可能となり、自然な操舵フィーリングが実現できる。
また、スラロームが終わり直進状態になる場合は、操舵角がゼロ、操舵トルクがゼロになるので、図7の第三象のようにスムースに原点に戻ることになる。また、レーンチェンジではなく、旋回のような操舵パターンの場合には、図6の過程aとbとを結ぶ時系列推移、および操舵角に対する操舵トルクの特性となるので、詳細な説明は割愛する。
[従来技術]
特開平11−48998号公報(以下、従来例1)には、操舵の切り増し、切り戻しを判断し、切り増しと切り戻しとで操舵角速度に比例したダンピング制御量を変更することにより、切り過ぎ抑制効果向上および操舵フィーリング向上の両立を図る電動パワーステアリング装置が記載されている。
また、特開2001−239948号公報(以下、従来例2)には、スラローム走行を判断し、スラローム走行中は操舵トルクに対するアシスト特性を変更することにより、スラローム走行時における運転者の操舵負担を軽減する電動パワーステアリング装置が記載されている。
現在、車載されている油圧を用いたパワーステアリング装置では、操舵トルクで決まるトーションバーの捩れ量に比例してバルブの油路が開き、操舵補助力が発生する構成になっているため、バルブや油圧回路の動特性を除くと、基本的には操舵トルクに比例した静的な操舵補助力しか発生しない。
また、軽量化や燃費向上が期待できる電動パワーステアリング装置においては、従来長い間使われてきた油圧パワーステアリング装置の操舵補助特性を再現することを目標として開発されており、電動パワーステアリングのメリットである操舵補助力を、任意のタイミングで任意の方向へ任意の量を発生するという反力自由度を活用しきれていないという問題がある。
一般的に、油圧パワーステアリング装置においては、操舵トルクに応じた静的な操舵補助特性となっているため、操舵角と操舵トルクとの関係は、図8の実線で示すような特性となる。また、電動パワーステアリングにおいても、油圧パワーステアリングの操舵補助特性を再現しているため、やはり、操舵角と操舵トルクとの関係は、図8の実線で示した特性となる。
本特性に従来例1を適用すると、図8の破線に示す特性となり、スラロームのような操舵角の極性が反転する時点で操舵トルクが変化し、自然な操舵フィーリングを実現できない。また、従来例2の場合には、図8の一点鎖線に示す特性となり、全体的な操舵トルクが下がるため操舵角に対する操舵トルクの変化は減少するが、操舵の切り過程も戻し過程も操舵トルクが軽くなるだけであり、自然な操舵フィーリングを実現するためには不十分である。
すなわち、スラローム走行やレーンチェンジのような操舵角の極性が反転する操舵パターンでは、運転者は操舵反力から車両挙動を感じながら操舵はしておらず、むしろ、フィードフォワード的に操舵しているため、操舵角に対する操舵トルクの変化は少ない方が操舵フィーリングはよい。
これに対し、実施例1の車両用操舵装置では、図7に示したように、切り過程aに比べ、切り戻しdやスラローム過程(b→c)のとき、操舵トルクまたは車両挙動に対する操舵トルクの変化率が少なくなるように、モータ5を補償制御する。これにより、フィードフォワード的に操舵を行う(反操舵反力から車両挙動を感じながら操舵していない)切り戻し過程やスラローム過程での操舵トルク変化が少なくなり、より自然な操舵フィーリングを実現できる。
一方、運転者が路面から入力を感じながら、すなわち、車両挙動を感じながら操舵する切り増し過程では、運転者の操舵入力と車両挙動を伝える路面からの入力とで決まる操舵トルクに応じてモータ5を駆動制御するため、路面入力変化をリニアに運転者へ反力として伝えることができる自然な操舵フィーリングを実現できる。
次に、効果を説明する。
実施例1の車両用操舵装置にあっては、以下に列挙する効果が得られる。
(1) 運転者のハンドル操作力を軽減するアシストトルクを出力するモータ5を備えた車両用操舵装置において、ハンドル1が少なくとも一方向への切り増し過程にあるのか、または連続的に切り戻しと切り増しとが繰り返されるスラローム過程にあるのかを判断する操舵状態判定部13fと、切り増し過程に比べ、スラローム過程における操舵角に対する操舵トルクの変化率が少なくなるように、モータ5を補償制御する補償制御部13gと、を備えるため、レーンチェンジやスラローム走行時の操舵トルク変化を緩やかにでき、自然な操舵フィーリングを実現できる。
(2) 補償制御部13gは、スラローム過程における操舵角に対する操舵トルクを、切り増し過程よりも小さくするため、スラローム過程における操舵角に対する操舵トルクの変化率を、切り増し過程よりも確実に少なくできる。一方、切り増し過程では、路面入力変化を操舵反力としてリニアに運転者へ伝えることができ、自然な操舵フィーリングを実現できる。
(3) 操舵状態判定部13fは、ハンドル1が切り戻し方向に操作される第1のスラローム過程と、この第1のスラローム過程の後、ハンドル1が切り増し方向に操作される第2のスラローム過程と、をスラローム過程として判断するため、切り増し過程に対するスラローム過程を確実に判別できる。
(4) 操舵状態判定部13fは、第2のスラローム過程が終了した時点から、ハンドル1が操舵の中立位置近傍に向かって切り戻される切り戻し過程を判断し、補償制御部13gは、切り増し過程に比べ、切り戻し過程における操舵角に対する操舵トルクの変化率が少なくなるように、モータ5を補償制御するため、スラローム終了から直進状態へ移行する過程において、自然な操舵フィーリングを実現できる。
(5) 切り戻し過程を、ハンドル1が操舵の中立位置近傍、かつ、操舵トルクゼロ近傍へ向かって切り戻される過程としたため、スラロームが終わり直進状態になる場合には、操舵角がゼロ、操舵トルクがゼロとなり、スムースにハンドルを原点に戻すことができる。
(6) 補償制御部13gは、第2のスラローム過程でのアシスト量を、操舵角にかかわらず切り増し過程でのアシスト量よりも大きくする。すなわち、第2のスラローム過程での操舵トルクの大きさを、操舵角にかかわらず切り増し過程での操舵トルクの大きさよりも小さくするため、ハンドル1が切り増されている場合であっても、スラローム過程のときには操舵トルクを小さくすることで、自然な操舵フィーリングが得られる。
(7) 車速を検出する車速センサ14を備え、補償制御部13gは、低車速時には操舵トルク補償量を小さくし、高車速時には操舵トルク補償量を大きくするため、低車速時におけるハンドル戻しの向上と、高車速時のレーンチェンジやスラロームにおけるスムースで自然な操舵フィーリングの実現とを両立できる。
(8) 操舵トルクに基づいて目標アシスト量を決定するアシスト量演算部13e、および目標アシスト量に応じてモータ5の電流指令値を設定する目標電流値設定部13hを備え、補償制御部13gは、スラローム過程または切り戻し過程のとき、操舵トルク値をローパスフィルタ(ブロック111)に通過させた後、所定の補償ゲインを乗算した値を補償電流値とし、この補償電流値を目標電流値に加算するため、操舵トルクの変化が緩やかとなり、操舵角に対する操舵トルクの変化率を少なくできる。
(9) ハンドル1の操舵角速度を推定するモータ速度推定部13cと、操舵角速度に応じてローパスフィルタ(ブロック111)の時定数を可変する時定数可変手段(ブロック113)と、を備え、低操舵角速度や緊急回避のような操舵角速度が速い場合には、ローパスフィルタの時定数を小さくし、レーンチェンジやスラロームを行う操舵角速度の場合には、ローパスフィルタの時定数を大きくする。これにより、緊急回避での路面インフォメーションと操舵反力とのリニアリティの向上と、スラローム走行での自然な操舵フィーリングの実現とを両立できる。
(10) 補償電流値を算出するための補償ゲインに上限値を設けたため、スラローム走行中に不要にハンドル1が軽くなり過ぎるのを防止できる。
まず、構成を説明する。
図9は、実施例2の電動パワーステアリング装置を備えた車両用操舵装置の構成を示すブロック図であり、実施例2では、実施例1の構成に対し、操舵軸3にハンドル1の操舵角を検出する角度センサ16を設けた点で異なる。
図10は、実施例2のコントローラ13の制御ブロック図であり、補償制御部13gは、操舵状態判定部13fにて戻し過程であるかスラローム過程であると判定がされた場合に、角度センサ16により検出された操舵角と、モータ速度推定部13cにより検出されたモータ速度(操舵角速度)と、車速センサ14により検出された車速とに基づいて、補償電流値を算出し、算出した補償電流値をモータ5に加算することにより、モータ5を補償制御する。
図11は、実施例2の補償制御部17の制御ブロック図であり、ブロック211では、角度センサ16から入力された操舵角を1次のローパスフィルタで処理する。なお、他のブロックは、図4に示した実施例1と同じであるため、説明を省略する。
次に、作用を説明する。
図8に示したように、操舵角と操舵トルクは単調増加の関係にあるため、操舵角に対する補償電流が遅れると操舵トルクの変化が抑制されることになる。よって、実施例2においても、実施例1と同様、切り戻し過程やスラローム過程での操舵トルク変化が少なくなり、より自然な操舵フィーリングを実現できる。
次に、効果を説明する。
実施例2の車両用操舵装置にあっては、実施例1の効果(1)〜(7),(9),(10)に加え、以下の効果が得られる。
(8') 操舵トルクに基づいて目標アシスト量を決定するアシスト量演算部13e、および目標アシスト量に応じてモータ5の電流指令値を設定する目標電流値設定部13hを備え、補償制御部13gは、スラローム過程または切り戻し過程のとき、操舵角値をローパスフィルタ(ブロック211)に通過させた後、所定の補償ゲインを乗算した値を補償電流値とし、この補償電流値を目標電流値に加算するため、操舵トルクの変化が緩やかとなり、操舵角に対する操舵トルクの変化率を少なくできる。
まず、構成を説明する。
実施例3の車両用操舵装置は、補償制御部の構成のみ実施例2と異なる。
図12は、実施例3の補償制御部18の制御ブロック図であり、ブロック311では、入力された操舵トルクの絶対値を算出する。ブロック312では、操舵角速度の極を判断した値を、正方向を1、負方向を−1として出力する。
ブロック313では、ブロック311の出力とブロック312の出力を積算することで、操舵トルクに対応した操舵系摩擦を推測し、所定の摩擦補償ゲインを掛けた値を摩擦補償電流値とする。
ブロック314では、操舵角速度に所定の操舵角速度ゲインを掛けた値を、操舵角速度補償電流値として算出する。ブロック315では、ブロック313の出力である摩擦補償電流と、ブロック314の出力である操舵角速度補償電流とを加算し、補償電流値として出力する。
次に、作用を説明する。
[戻し/スラローム時の操舵トルク補償制御作用]
レーンチェンジ時の操舵角、操舵トルク、補償電流は、図13に示す時系列推移(a→b→c→d)となり、レーンチェンジを行った場合のハンドル戻し過程dおよびスラローム過程(b→c)では、切り過程aに比べ、摩擦補償電流によりアシスト電流が増加して操舵トルクが小さくなり、かつ、操舵角速度補償電流により操舵トルクが操舵角に対して進むことになる。その結果、操舵角と操舵トルクとの関係は、図14に示すように、切り過程aに比べ戻しdおよびスラローム過程(b→c)のゲインが低下することになる。
よって、実施例3では、戻しおよびスラローム過程において、切り過程に比べ操舵トルク変動が減少してスムースな操作が可能となり、自然な操舵フィーリングが実現できる。さらに、摩擦に応じた操舵トルクを発生させることで、操舵と保舵時の反力差を任意に設定することが可能であり、コーナーのような操舵角が一定となる走行シーンでの操舵トルクが低くて済み、運転者の負荷を低減することが可能となる。また、摩擦や操舵角速度に応じて戻し(スラローム)過程での操舵トルクを低減しているので、結果として手放し時の収束性が向上する効果も得られる。
次に、効果を説明する。
実施例3の車両用操舵装置にあっては、実施例1の効果(1)〜(7)に加え、以下の効果が得られる。
(11) 補償制御部13gは、切り戻し過程またはスラローム過程のとき、操舵系の摩擦力を増加させるように、モータ5を補償制御するため、操舵が切り増し過程から切り戻し過程になる操舵反力変化、いわゆる操保舵力差を任意に設定できる。
(12) ハンドル1の操舵角速度を推定するモータ速度推定部13cを備え、補償制御部13gは、操舵角速度に比例したダンピングトルクを増加させるように、モータ5を補償制御するため、前輪10,11の転舵速度に比例して操舵角速度が増加しないように、ダンピング反力を任意に設定できる。さらに、手放し時のハンドル収束性が向上するという効果も得られる。
まず、構成を説明する。
実施例4の車両用操舵装置は、補償制御部の構成のみ実施例2と異なる。
図15は、実施例4の補償制御部19の制御ブロック図である。
ブロック411では、戻しFLGが1になった瞬間の入力されている操舵トルクtrq_hiを記憶する。ブロック412では、所定の操舵トルクをtrq_hiより引き算した値trq_hi*の点(基準点)と、操舵角がゼロかつ操舵トルクがゼロとなる点とを結ぶ操舵角に応じた目標操舵トルク値を算出する。
ブロック413では、入力された操舵角速度の絶対値を算出する。ブロック414では、操舵角速度に応じた操舵角速度ゲインを算出する。操舵角速度ゲインは、例えば、図16に示すゲインマップに基づき、操舵角速度が低い場合にはゲインを小さくし、操舵角速度が速くなるに従ってゲインを大きくする。なお、操舵角速度が所定値dθ0以上の場合には、操舵角速度ゲインの上限値を1に制限することで、ハンドル1が軽くなり過ぎるのを防止している。
ブロック415では、ブロック412の出力である目標操舵トルク値と、ブロック414の出力である操舵角速度ゲインを乗算する。ブロック416では、目標操舵トルク値と実際の操舵トルク値との偏差を出力する。
次に、作用を説明する。
[戻し/スラローム時の操舵トルク補償制御作用]
図17は、レーンチェンジを行った場合の操舵角と操舵トルクとの関係を示す図であり、切り増し過程aの終了直後に、切り戻し開始時の操舵トルクtrq_hiが記憶され、続いて、trq_hiから所定の操舵トルクを減算した値trq_hi*が算出される。
そして、スラローム過程(b→c)および戻し過程dでは、trq_hi*の点と操舵角ゼロかつ操舵トルクゼロとなる点とを結ぶ直線l上に操舵角に対する目標操舵トルク値が設定される。モータ5は、この目標操舵トルク値と実際の操舵トルクとの偏差をなくすように駆動される。
これにより、戻しおよびスラローム過程において、切り過程に比べ操舵トルク変動が減少してスムースな操作が可能となり、自然な操舵フィーリングが実現できる。また、操舵角速度が低い場合は目標操舵トルク指令値を低下させることで、運転者に路面インフォメーションを伝達させる。そして、操舵角速度が速くなるに従って目標操舵トルク指令値を上昇させ、切り過程に比べ戻し過程での操舵角に対する操舵トルクのゲインが低下させることで、自然な操舵フィーリングを実現する。
次に、効果を説明する。
実施例4の車両用操舵装置にあっては、実施例1の効果(1)〜(7)に加え、以下の効果が得られる。
(13) 補償制御部13gは、切り戻し過程またはスラローム過程のとき、スラローム過程開始直後の操舵トルクtrq_hiから所定値を減算した値trq_hi*を、横軸を操舵角、縦軸を操舵トルクとする座標に配置して基準点とし、この基準点trq_hi*と操舵角および操舵トルクがともにゼロとなる点とを結ぶ直線l上に操舵角に対する目標操舵トルクを設定し、この目標操舵トルクと実際の操舵トルクとの偏差をなくすようにモータ5を補償制御するため、戻しおよびスラローム過程において、切り過程に比べ操舵トルク変動が減少してスムースな操作が可能となり、自然な操舵フィーリングが実現できる。
実施例5は、戻しおよびスラローム過程での目標操舵トルク値算出方法が実施例4と異なる。
図18に示すように、実施例5では、スラローム過程(b→c)において、切り戻し開始時の操舵トルクtrq_hiから所定の操舵トルクを減算した値trq_hi*を算出後、このtrq_hi*の点(第1基準点)と舵角ゼロを中心に対称な(−trq_hi*)の点(第2基準点)を求め、trq_hi*の点と(−trq_hi*)の点とを結ぶ直線m上に操舵角に対する目標操舵トルク値が設定される。
また、戻し過程dでは、(−trq_hi*)の点から前記所定の操舵トルクを加算した値を算出後、この点とtrq_hiの点とを結ぶ直線n(直線mと傾きが等しい)上に操舵角に対する目標操舵トルク値が設定される。
これにより、実施例4と同様、戻しおよびスラローム過程において、切り過程に比べ操舵トルク変動が減少してスムースな操作が可能となり、自然な操舵フィーリングが実現できる。
次に、効果を説明する。
実施例5の車両用操舵装置にあっては、実施例1の効果(1)〜(7)に加え、以下の効果が得られる。
(14) 補償制御部13gは、切り戻し過程またはスラローム過程のとき、切り戻し過程またはスラローム過程開始直後の操舵トルクtrq_hiから所定値を減算した値trq_hi*を、横軸を操舵角、縦軸を操舵トルクとする座標に配置して第1基準点とし、続いて、この第1基準点trq_hi*と操舵角と操舵トルクがともにゼロとなる点に対して対称な第2基準点(−trq_hi*)を求め、第1基準点trq_hi*と第2基準点−trq_hi*とを結ぶ直線m上に操舵角に対する目標操舵トルクを設定し、この目標操舵トルクと実際の操舵トルクとの偏差をなくすようにモータ5を補償制御するため、戻しおよびスラローム過程において、切り過程に比べ操舵トルク変動が減少してスムースな操作が可能となり、自然な操舵フィーリングが実現できる。
(他の実施例)
以上、本発明を実施例1〜5に基づいて説明したが、本発明は電動パワーステアリングにのみ適用されるものではなく、例えば、図19,図20に示すような操舵トルクを任意に変更可能な、いわゆる電動油圧式パワーステアリングや、ステア・バイ・ワイヤシステムの反力生成制御に用いてもよい。
図19は、電動油圧式パワーステアリング装置であり、舵取り機構2には、油圧ポンプ20から供給される油圧に応じて、ラック軸7を左右方向に付勢する油圧ピストン21が設けられている。油圧ポンプ20の発生する油圧は、モータ22により任意に可変でき、また、油圧ピストン21の作動方向は、左切りバルブ23aと右切りバルブ23bにより任意に切り替えることができる。
そして、コントローラ24において、実施例1〜5に示したような制御ロジックによりモータ22、左切りバルブ23aおよび右切りバルブ23bを駆動させてアシスト量を制御することにより、実施例1〜5と同様の効果が得られる。
図20は、ステア・バイ・ワイヤシステムであり、ハンドル1が連結された操舵軸3と、前輪10,11を転舵させる舵取り機構2との間が機械的に切り離されている。舵取り機構2には、減速機25を介してモータ26が連結され、コントローラ27では、角度センサ16、トルクセンサ4、車速センサ14およびラック軸7のストローク量を検出するストロークセンサ2等、各センサからの信号に応じてモータ26を駆動制御する。
一方、操舵軸3には、ハンドル1に加わる操舵反力を可変する反力モータ2が設けられている。このようなステア・バイ・ワイヤシステムでは、コントローラ27において、実施例1〜5に示したような制御ロジックを用いて反力モータ2を駆動し、操舵反力を制御することにより、実施例1〜5と同様の効果が得られる。


また、実施例1〜5では、モータ逆起電力から操舵角速度を算出(推定)しているが、モータや操舵軸の回転速度を直接計測するセンサを取り付ける、またはモータや操舵軸の角度を計測するセンサを取り付けて計測した信号を微分することにより、操舵角速度を算出してもよい。
また、操舵状態判断手段(操舵状態判定部13f)における操舵状態の判断は、実施例1〜5に示したように、操舵トルクと操舵角速度の極性のみに着目したアルゴリズムである必要はなく、他の判断手法を用いてもよい。
実施例3では、摩擦の推定を最も簡単と思われるアルゴリズムで実現しているが、外乱オブザーバ等を用いてより高精度に推測してもいいし、事前に実験的に求めた値をマップとして記憶してもよい。
実施例1の電動パワーステアリング装置を備えた車両用操舵装置の構成を示すブロック図である。 実施例1のコントローラ13の制御ブロック図である。 実施例1の操舵状態判定部13fの制御ブロックである。 実施例1の補償制御部13gの制御ブロック図である。 左側にレーンチェンジを行った場合の操舵パターンを示す図である。 実施例1のレーンチェンジ時の操舵角、操舵トルクおよび補償電流の時系列推移を示す図である。 実施例1の操舵角に対する操舵トルクを示す図である。 従来例の操舵角と操舵トルクとの関係を示す図である。 実施例2の電動パワーステアリング装置を備えた車両用操舵装置の構成を示すブロック図である。 実施例2のコントローラ13の制御ブロック図である。 実施例2の補償制御部17の制御ブロック図である。 実施例3の補償制御部18の制御ブロック図である。 実施例3のレーン時チェンジ時の操舵角、操舵トルクおよび補償電流の時系列推移を示す図である。 実施例3の操舵角と操舵トルクとの関係を示す図である。 実施例4の補償制御部19の制御ブロック図である。 操舵角速度に対するゲイン設定マップの一例である。 実施例4のレーンチェンジを行った場合の操舵角と操舵トルクとの関係を示す図である。 実施例5のレーンチェンジを行った場合の操舵角と操舵トルクとの関係を示す図である。 電動油圧式パワーステアリング装置の構成を示すブロック図である。 ステア・バイ・ワイヤシステムの構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 ハンドル
2 舵取り機構
3 操舵軸
4 トルクセンサ
5 モータ
6 ピニオン
7 ラック軸
8,9 タイロッド
10,11 前輪
12減速機
13 コントローラ
13a モータ端子間電圧センサ
13b モータ電流センサ
13c モータ速度推定部
13d 駆動回路
13e アシスト量演算部
13f 操舵状態判定部
13g 戻し/スラローム時補償制御部
13h 目標電流値設定部
13i 電流フィードバック部
14 車速センサ
15 バッテリ

Claims (15)

  1. 運転者のハンドル操作に要する操舵トルクを可変する操舵トルク可変アクチュエータを備えた車両用操舵装置において、
    前記操舵トルクの極性と前記ハンドルの操舵角速度の極性が同じ状態から異なる状態へ変わると、前記操舵角速度がゼロを含めた所定値になるまで、前記ハンドルが、連続的に切り戻しと切り増しとが繰り返されるスラローム過程にある判断する操舵状態判断手段と、
    記スラローム過程における操舵角または車両挙動に対する操舵トルクの変化率が前記スラローム過程以外の過程よりも少なくなるように、前記操舵トルク可変アクチュエータを補償制御する補償制御手段と、
    を備えることを特徴とする車両用操舵装置。
  2. 請求項1に記載の車両用操舵装置において、
    前記補償制御手段は、前記スラローム過程における操舵角に対する操舵トルクを、前記スラローム過程以外の過程よりも小さくすることを特徴とする車両用操舵装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車両用操舵装置において、
    前記操舵状態判断手段は、前記ハンドルが切り戻し方向に操作される第1のスラローム過程と、この第1のスラローム過程の後、前記ハンドルが切り増し方向に操作される第2のスラローム過程と、を前記スラローム過程として判断することを特徴とする車両用操舵装置。
  4. 請求項3に記載の車両用操舵装置において、
    前記操舵状態判断手段は、前記第2のスラローム過程が終了した時点から、前記ハンドルが操舵の中立位置近傍に向かって切り戻される切り戻し過程を、前記スラローム過程として断することを特徴とする車両用操舵装置。
  5. 請求項4に記載の車両用操舵装置おいて、
    前記切り戻し過程を、前記ハンドルが操舵の中立位置近傍、かつ、操舵トルクゼロ近傍へ向かって切り戻される過程としたことを特徴とする車両用操舵装置。
  6. 請求項3ないし請求項5のいずれか1項に記載の車両用操舵装置において、
    前記補償制御手段は、前記第2のスラローム過程での操舵トルクの大きさを、操舵角にかかわらず、前記スラローム過程以外での前記ハンドルの切り増し過程での操舵トルクの大きさよりも小さくすることを特徴とする車両用操舵装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の車両用操舵装置において、
    車速を検出する車速検出手段を備え、
    前記補償制御手段は、低車速時には操舵トルク補償量を小さくし、高車速時には操舵トルク補償量を大きくすることを特徴とする車両用操舵装置。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の車両用操舵装置において、
    前記ハンドルの操舵状態に基づいて目標操舵トルクを設定する目標操舵トルク設定手段を備え、
    前記補償制御手段は、前記スラローム過程のとき、操舵角値または操舵トルク値をローパスフィルタに通過させた後、所定の補償ゲインを乗算した値を操舵トルク補償量とし、この操舵トルク補償量を前記目標操舵トルクから減算することを特徴とする車両用操舵装置。
  9. 請求項8に記載の車両用操舵装置において、
    前記ハンドルの操舵角速度を検出する操舵角速度検出手段と、
    前記操舵角速度に応じて、前記ローパスフィルタの時定数を可変する時定数可変手段と、
    を備えることを特徴とする車両用操舵装置。
  10. 請求項8または請求項9のいずれか1項に記載の車両用操舵装置において、
    前記補償ゲインに上限値を設けたことを特徴とする車両用操舵装置。
  11. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の車両用操舵装置において、
    前記補償制御手段は、前記スラローム過程のとき、操舵系の摩擦力を増加させるように、前記操舵トルク可変アクチュエータを補償制御することを特徴とする車両用操舵装置。
  12. 請求項11に記載の車両用操舵装置において、
    前記ハンドルの操舵角速度を検出する操舵角速度検出手段を備え、
    前記補償制御手段は、前記操舵角速度に比例したダンピングトルクを増加させるように、前記操舵トルク可変アクチュエータを補償制御することを特徴とする車両用操舵装置。
  13. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の車両用操舵装置において、
    前記補償制御手段は、前記スラローム過程のとき、前記スラローム過程開始直後の操舵トルクから所定値を減算した値を、横軸を操舵角、縦軸を操舵トルクとする座標に配置して基準点とし、この基準点と操舵角および操舵トルクがともにゼロとなる点とを結ぶ直線上に操舵角に対する目標操舵トルクを設定し、この目標操舵トルクと実際の操舵トルクとの偏差をなくすように前記操舵トルク可変アクチュエータを補償制御することを特徴とする車両用操舵装置。
  14. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の車両用操舵装置において、
    前記補償制御手段は、前記スラローム過程のとき、前記スラローム過程開始直後の操舵トルクから所定値を減算した値を、横軸を操舵角、縦軸を操舵トルクとする座標に配置して第1基準点とし、続いて、この第1基準点と操舵角と操舵トルクがともにゼロとなる点に対して対称な第2基準点を求め、前記第1基準点と第2基準点とを結ぶ直線上に操舵角に対する目標操舵トルクを設定し、この目標操舵トルクと実際の操舵トルクとの偏差をなくすように前記操舵トルク可変アクチュエータを補償制御することを特徴とする車両用操舵装置。
  15. 運転者のハンドル操作に要する操舵トルクの極性と前記ハンドルの操舵角速度の極性が同じ状態から異なる状態へ変わると、前記操舵角速度がゼロを含めた所定値になるまで、前記ハンドルが、連続的に切り戻しと切り増しとが繰り返されるスラローム過程にある判断し、
    記スラローム過程における操舵角または車両挙動に対する操舵トルクの変化率が前記スラローム過程以外の過程よりも少なくなるように、前記操舵トルクを制御することを特徴とする車両用操舵装置の操舵トルク制御方法。
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