JP4729591B2 - 非再生型無線中継装置、無線通信システム及び無線信号中継方法 - Google Patents

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Description

本発明は、無線端末と無線基地局との間において送受信される無線信号を復調することなく中継する非再生型無線中継装置、無線通信システム及び無線信号中継方法に関する。
近年、移動無線通信においては高速かつ大容量の無線通信を広範なエリアで実現させることが要求されている。このような要求を満たすため、従来よりも周波数が高い高周波数帯域を使用することによって無線信号の広帯域化を図ることが検討されている。
しかしながら、このような高周波数帯域では、電波の到達距離が短くなり、広範なエリアにおいて無線通信を実現することが困難となる。そこで、無線基地局と無線端末との間に無線中継装置を介して無線信号を中継し、無線基地局と、当該無線基地局のカバーエリア外に位置する無線端末との無線通信を可能とする無線信号中継技術が着目されている。このような無線信号中継技術によれば、無線通信システムのカバーエリアを拡大できる。
無線信号中継技術には、無線中継装置が受信した無線信号の復調及び再変調をすることによって無線信号を中継する「再生型」(Decode-and-Forward)と、無線中継装置が受信した無線信号を復調せずに、中間周波数に変換した無線信号を増幅して中継する「非再生型」(Amplify-and-Forward)とが知られている(例えば、特許文献1)。
非再生型の無線信号中継技術が用いられた無線中継装置(以下、非再生型無線中継装置と適宜省略する)は、復調部や変調部が設けられないため、再生型の無線信号中継技術が用いられた無線中継装置と比較して回路規模、処理負荷及び処理遅延などの点で有利である。
特開2003−143050号公報(第3−4頁、第1図)
しかしながら、上述した従来の非再生型無線中継装置には次のような問題があった。図1は、従来の非再生型無線中継装置を含む無線通信システムの構成例を示す。図1に示すように、無線基地局2aのカバーエリアA11内に位置するすべての非再生型無線中継装置、具体的には、無線中継局500a〜無線中継局500fは、無線基地局2aから受信した無線信号を無線端末600aや無線端末600bや向けて中継する。お、無線中継局500a〜無線中継局500fは、特定の位置に固定的に設置される固定局、及び携帯可能な無線端末によって構成される。
このため、例えば、カバーエリアA12を形成する無線基地局2bから送信された無線信号SG1を受信して無線通信を実行することができたはずの無線端末600bは、無線中継局500aから送信された中継無線信号S1による干渉を受け、当該無線基地局との無線通信ができなくなるという問題がある。つまり、無線中継局500a〜無線中継局500fは、無線端末の状態や無線基地局2aから受信した無線信号の内容にかかわらず、すべての無線信号を中継してしまうため、当該無線中継局のカバーエリアA21内に位置する無線端末や、カバーエリアA21に重複または近接して展開されている他の無線通信システムに対して干渉を与える問題がある。
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、受信した無線信号を復調せずに中継する非再生型の無線信号中継技術を用いる場合において、無線端末や他の無線通信システムなどに対する干渉を低減した非再生型無線中継装置、無線通信システム及び無線信号中継方法を提供することを目的とする。
上述した問題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴は、無線送受信機(無線端末4a〜無線端末4c、及び無線基地局2a)が送信した無線信号を復調することなく、通信の相手方の無線送受信機である通信先無線送受信機まで中継する非再生型無線中継装置(非再生型無線中継装置10)であって、前記無線送受信機から受信した前記無線信号である受信無線信号の統計量を算出する統計量算出部(対象統計量算出部108)と、中継対象の前記無線信号である中継無線信号に付与され、前記無線送受信機から通信先の無線送受信機までの通信経路に応じて定められる統計的特徴(α)を記憶する統計的特徴記憶部(中継対象記憶部111)と、前記統計量算出部において算出された前記統計量が前記統計的特徴記憶部に記憶されている前記統計的特徴を有するか否かを判定し、前記統計量が記憶されている前記統計的特徴を有する場合、前記受信無線信号を中継すると判定する中継判定部(中継有無判定部109)とを備え、前記統計量は、前記無線信号に基づいて算出される2次以上の統計量(例えば、周期自己相関値)であることを要旨とする。
本発明の第2の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記統計的特徴記憶部に記憶されている前記統計的特徴の情報を含む報知信号を前記無線送受信機に送信する報知信号生成部を備えることを要旨とする。
本発明の第3の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記統計量算出部において算出された前記統計量が、所定の統計的特徴を有する場合、前記中継無線信号を送信するアンテナを制御し、前記中継無線信号の送信方向を制御する中継方向制御部を備えることを要旨とする。
本発明の第4の特徴は、複数の無線送受信機(無線端末4a〜無線端末4c、及び無線基地局2a)と、前記無線送受信機間において送受信される無線信号を復調することなく中継する非再生型無線中継装置(非再生型無線中継装置10)とを含む無線通信システム(無線通信システム1)であって、前記無線送受信機は、通信の相手方の無線送受信機である通信先無線送受信機までの通信経路に応じて定められる統計的特徴が付与された送信無線信号を生成する無線信号生成部(統計的特徴付信号生成部302)を備え、前記非再生型無線中継装置は、前記無線送受信機から受信した前記無線信号である受信無線信号の統計量を算出する統計量算出部(対象統計量算出部108)と、中継対象の前記無線信号である中継無線信号に付与される前記統計的特徴を記憶する統計的特徴記憶部(中継対象記憶部111)と、前記統計量算出部において算出された前記統計量が前記統計的特徴記憶部に記憶されている前記統計的特徴を有するか否かを判定し、前記統計量が記憶されている前記統計的特徴を有する場合、前記受信無線信号を中継すると判定する中継判定部(中継有無判定部109)とを備え、前記統計量は、前記無線信号に基づいて算出される2次以上の統計量(例えば、周期自己相関値)であることを要旨とする。
本発明の第5特徴は、本発明の第4の特徴に係り、前記無線信号生成部は、前記通信先の無線送受信機までの複数の通信経路にそれぞれ割り当てられた前記統計的特徴を有する前記送信無線信号を生成し、前記中継判定部は、前記統計量算出部において算出された前記統計量が自局の前記非再生型無線中継装置を含む通信経路に対応する前記統計的特徴の何れかを有するか否かを判定することを要旨とする。
本発明の第6の特徴は、本発明の第4の特徴に係り、前記無線信号生成部は、前記通信先の無線送受信機までの通信経路に含まれる前記非再生型無線中継装置に対応する前記統計的特徴の情報を有する前記送信無線信号を生成し、前記中継判定部は、前記統計量算出部において算出された前記統計量が自局の前記非再生型無線中継装置に割り当てられた前記統計的特徴を有するか否かを判定することを要旨とする。
本発明の第7の特徴は、本発明の第4の特徴に係り、前記複数の無線送受信機のうち一部は、特権無線送受信機(特権無線送受信機5)として機能し、前記無線通信システムは、前記無線送受信機と、前記無線送受信機が存在するカバーエリアを構成する前記非再生型無線中継装置とを関連付けて保存する在圏情報データベース(在圏情報データベース61)を備え、前記特権無線送受信機は、前記特権無線送受信機から所定のホップ数内で到達可能なすべての前記非再生型無線中継装置までの通信経路に対応する前記統計的特徴を含む情報を記憶する情報記憶部(統計量情報記憶部51)を備え、前記非再生型無線中継装置は、前記統計的特徴記憶部に記憶されている前記統計的特徴の情報を含む報知信号を前記無線送受信機に送信する報知信号生成部(報知信号生成部113)を備え、前記無線信号生成部は、自局の内容を示す情報を含む局情報信号に、前記特権無線送受信機までの通信経路に対応する前記統計的特徴を有する前記送信無線信号を生成することを要旨とする。
本発明の第8の特徴は、本発明の第7の特徴に係り、前記特権無線送受信機は、前記情報記憶部に記憶されている前記統計的特徴の情報を含む報知信号を前記無線送受信機に送信する報知信号生成部(報知信号生成部302A)を備えることを要旨とする。
本発明の第9の特徴は、本発明の第8の特徴に係り、前記無線信号生成部は、自局から前記通信先無線送受信機までの通信経路に対応する前記統計的特徴の情報を要求するリクエスト信号を含む前記送信無線信号を送信し、前記報知信号生成部は、前記情報記憶部に記憶されている前記統計的特徴を含む情報通知信号を、前記リクエスト信号を送信した前記無線送受信機に送信することを要旨とする。
本発明の第10の特徴は、本発明の第7の特徴に係り、前記特権無線送受信機は、前記非再生型無線中継装置を介して受信した無線信号を復調し、前記無線送受信機と対応する前記局情報信号を取得する信号復調部(信号復調部401)を備えることを要旨とする。
本発明の第11の特徴は、無線送受信機が送信した無線信号を復調することなく、通信の相手方の無線送受信機である通信先無線送受信機まで中継する無線信号中継方法であって、前記無線送受信機が、通信先の無線送受信機までの通信経路に応じて定められる統計的特徴が付与された送信無線信号を生成するステップ(S101)と、前記無線送受信機から受信した前記無線信号である受信無線信号の統計量を算出するステップ(S104)と、前記統計量を算出するステップにおいて算出された前記統計量が、中継対象の前記無線信号である中継無線信号に付与される予め定められた前記統計的特徴を有するか否かを判定するステップ(S105)と、前記統計量が、前記中継無線信号に付与される予め定められた前記統計的特徴を有する場合、前記受信無線信号を中継すると判定するステップとを備え、前記統計量は、前記無線信号に基づいて算出される2次以上の統計量であることを要旨とする。
本発明の特徴によれば、受信した無線信号を復調せずに中継する非再生型の無線信号中継技術を用いる場合において、無線端末や他の無線通信システムなどに対する干渉を低減した非再生型無線中継装置、無線通信システム及び無線信号中継方法を提供することができる。
次に、本発明の実施形態について説明する。具体的には、(1)第1実施形態、(2)第2実施形態、及び(3)その他の実施形態について説明する。
なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
(1)第1実施形態
まず、本発明の第1実施形態について説明する。具体的には、(1.1)無線通信システムの全体概略構成、(1.2)非再生型無線中継装置の機能ブロック構成、(1.3)無線通信システムの動作、(1.4)統計量の算出例、統計的特徴の制御方法及び付与方法、及び(1.5)作用・効果について説明する。
(1.1)無線通信システムの全体概略構成
図2は、本実施形態に係る無線通信システム1の全体概略構成図である。図2に示すように、本実施形態に係る無線通信システム1は、無線基地局2a、無線中継局3a〜無線中継局3f、無線端末4a〜無線端末4cを含む。なお、無線通信システム1に含まれる無線基地局、無線中継装置及び無線端末の数量は、図2に示した数に限定されない。本実施形態において、無線基地局2a及び無線端末4a〜無線端末4cは、無線送受信機を構成する。
無線基地局2aは、無線中継局3a〜無線中継局3f(及び無線端末4a〜無線端末4c)と無線通信をすることができるカバーエリアA11を形成する。
無線中継局3a〜無線中継局3fは、特定の位置に固定的に設置される固定局、及び携帯可能な無線端末によって構成される。無線中継局3a〜無線中継局3fは、無線端末4a〜無線端末4cと無線通信をすることができるカバーエリアA21をそれぞれ形成する。
図3は、無線通信システム1の概略機能ブロック構成図である。図3に示すように、無線基地局2a及び無線端末4a〜無線端末4cは、送信データの変調や周波数変換、増幅などの一連の信号送信処理を実行する無線送信装置30と、受信信号の増幅や周波数変換、復調などの信号受信処理を実行する無線受信装置40とを備える。
無線送信装置30は、送信信号に2次以上の統計量の特徴を人工的に付与する機能を備える。無線中継局3a〜無線中継局3fは、非再生型無線中継装置10を備える。非再生型無線中継装置10は、無線端末4a〜無線端末4cと無線基地局2aとの間において送受信される無線信号を復調することなく中継する。
また、無線中継局3a〜無線中継局3fは、無線端末4bのように、無線端末に非再生型無線中継装置10を備えるようにしてもよい。同様に、無線基地局2aも、非再生型無線中継装置10を備えることができる。
非再生型無線中継装置10は、従来の無線中継局500a〜無線中継局500fに含まれる非再生型無線中継装置が有する機能に加え、受信した無線信号(受信無線信号)の2次以上の統計量を計算する機能、及び計算された2次以上の統計量に基づいて受信無線信号を中継するか否かを決定する機能を備える。
(1.2)非再生型無線中継装置の機能ブロック構成
図4は、非再生型無線中継装置10の機能ブロック図である。図4に示すように、非再生型無線中継装置10は、受信増幅器102、周波数変換器103、局部発振器104、中間周波数増幅器105、送信増幅器106、対象統計量算出部108、中継有無判定部109、スイッチ110、中継対象記憶部111及び遅延回路112を備える。
受信増幅器102は、受信無線信号が入力されると、RF帯における受信無線信号の電力を増幅する。周波数変換器103は、局部発振器104から出力される基準信号に基づいて、電力増幅された受信無線信号をRF帯から中間周波数帯の信号へと変換する。中間周波数に周波数変換された受信無線信号は、対象統計量算出部108及び遅延回路112に入力される。
対象統計量算出部108は、無線端末4a〜無線端末4c、無線基地局2a或いは他の無線中継局から受信した受信無線信号の統計量を算出する。本実施形態において、対象統計量算出部108は、統計量算出部を構成する。
中継対象記憶部111は、中継対象の無線信号である中継無線信号に付与され、所定の無線基地局または無線端末から通信先の無線基地局または無線端末(通信先無線送受信機)までの通信経路に応じて定められる統計的特徴を記憶する。本実施形態において、中継対象記憶部111は、統計的特徴記憶部を構成する。
対象統計量算出部108は、中継対象記憶部111に記憶されている統計的特徴の情報に基づき、自局が中継する対象となる受信無線信号である場合にのみ特徴的な統計値が出現する計算式を用いて2次以上の統計量を算出する。
中継有無判定部109は、対象統計量算出部108において算出された統計量が中継対象記憶部111に記憶されている統計的特徴を有するか否かを判定する。中継有無判定部109は、当該統計量が中継対象記憶部111に記憶されている統計的特徴を有する場合、受信無線信号の中継を実行すると判定する。本実施形態において、中継有無判定部109は、中継判定部を構成する。
なお、本実施形態では、中継有無判定部109は、中継対象の無線信号のみに特徴的な統計値が出現する(例えば、中継対象以外の無線信号に対する計算値が中継対象の無線信号に対する計算値に比べて極めて小さい値となる)計算式を用いて統計量を算出して中継をするか否かを判定する。なお、中継有無判定部109は、すべての受信無線信号のパターンに対して、それぞれ特徴的な統計値が出現する計算式を用いて2次以上の統計量候補を算出し、算出された2次以上の統計量に中継対象記憶部111に記憶されている統計的特徴が出現しているか否かを判定するようにしてもよい。
ここで、2次以上の統計量としては、例えば、2次または2以上の次数の周期自己相関関数や周波数相関、キュムラントなどが用いられる。また、無線基地局2a、無線中継局3a〜無線中継局3f、及び無線端末4a〜無線端末4cにおいて共通して使用される統計量の種類(以下、「使用統計量」)は、事前に選択される(例えば、「2次の周期自己相関値」を使用統計量とする)。図5は、中継対象記憶部111に記憶される中継対象の統計的特徴(α1〜α3)の例を示す。中継対象の統計的特徴は、通信経路に応じて定められる。なお、統計的特徴の具体的な内容については、後述する。
中継有無判定部109は、受信無線信号を中継するか否かの判定結果に応じて、スイッチ110を制御する信号を出力する。
一方、遅延回路112は、中間周波数に変換された受信無線信号を、統計量の算出及び受信無線信号を中継するか否かの判定に要する時間または当該時間を超える時間遅延させた上でスイッチ110に入力する。
スイッチ110は、受信無線信号を中継する場合、中間周波数に変換された受信無線信号が中間周波数増幅器105に入力されるように回路を切り替える。一方、スイッチ110は、受信無線信号を中継しない場合、受信無線信号を破棄するように回路を切り替える。
受信無線信号を中継する場合、中間周波数帯に変換された受信無線信号は、中間周波数増幅器105において電力増幅され、中間周波数増幅器105の後段に位置する周波数変換器103において送信に用いる周波数帯(RF帯)の信号(送信無線信号)に変換される。RF帯に変換された送信無線信号は、送信増幅器106において電力増幅されて出力される。
(1.3)無線通信システムの動作
次に、上述した無線通信システム1の動作について説明する。具体的には、無線基地局2aまたは無線端末4a〜無線端末4cに備えられる無線送信装置30、無線中継局3a〜無線中継局3f、及び無線基地局2aまたは無線端末4a〜無線端末4cに備えられる無線受信装置40間において実行される無線信号の中継動作について説明する。
図6は、無線送信装置30が無線中継局3aを介して無線受信装置40と通信を実行する場合における無線信号の中継動作フローを示す。なお、図面では、以下、無線中継局などを単に「中継局」と適宜省略して標記する。
まず、無線送信装置30は、通信先(通信の相手方)の無線受信装置40までの通信経路に対応する統計的特徴を有する無線信号(送信無線信号)を生成し(S101)、生成した送信無線信号を送信する(S102)。なお、使用される統計量の種類は予め定められているものとする。また、無線送信装置30及び無線中継局3a,3bは、使用される統計量の種類を認識しており、当該統計量を算出することができるものとする。さらに、「通信経路」と「統計的特徴」とは、通信の開始に先立って対応付けられ、無線送信装置30及び無線中継局3a,3bに、有線または無線通信路を介して報知されているものとする。
ここで、図8及び図9を参照して、通信経路と統計的特徴との対応付け方法の例について説明する。なお、図8及び図9に示すネットワーク構成は、図2に示したネットワーク構成とは異なることに留意されたい。
図8に示す例では、無線中継局3a〜無線中継局3fを用いて形成される通信経路と、統計的特徴とが直接対応付けられる。ここで、図8に示すように、無線基地局2aからの無線信号を受信する無線中継局3が2局(無線中継局3a,3b)存在するものとする。また、無線中継局3a及び無線中継局3bからの無線信号を受信できる無線中継局3がそれぞれ2局(無線中継局3c,3d及び無線中継局3e,3f)存在するネットワーク構成について考える。
この場合、無線基地局2a及び無線中継局3の総数は7局であるため、計21通りの通信経路を考えることができる。ただし、無線基地局2aにおいて、無線信号の復調、再変調及び統計的特徴の付与が可能であることを考慮し、無線基地局2aを介して反対側の無線中継局3に中継する通信経路は考慮しないとすると、通信経路は12通りとなる。
図8に示す例では、この12通りの通信経路に対して、それぞれα1〜α12統計的特徴を対応付けている。この場合、中継対象記憶部111に記憶される統計的特徴は、当該無線中継局3を介して形成されるすべての通信経路に対応する統計的特徴である。例えば、無線中継局3aでは、[α1、α3、α4、α7、α8、α11]となる。
この場合、無線中継局3a(具体的には、中継有無判定部109)は、対象統計量算出部108において算出された統計量が自局の非再生型無線中継装置10を含む通信経路(a, c, d, g, h, k)に対応する統計的特徴([α1、α3、α4、α7、α8、α11])の何れかを有するか否かを判定する。
一方、図9に示す例では、無線中継局3のそれぞれに対して個別の統計的特徴を対応付ける。具体的には、6つの無線中継局3a〜無線中継局3fに、統計的特徴α21〜α26が割り当てられている。この場合、中継対象記憶部111に記憶される統計的特徴は、当該無線中継局3に該当する統計的特徴のみである。例えば、無線中継局3aでは、[α21]のみとなる。
無線中継局3(具体的には、中継有無判定部109)は、対象統計量算出部108において算出された統計量が自局の非再生型無線中継装置10に割り当てられた統計的特徴を有するか否かを判定する。
このとき、一つまたは複数の無線中継局3により形成される通信経路に対応する統計的特徴は、当該通信経路上に存在する無線中継局3に対応する統計的特徴のすべてを組み合わせたものとなる。
無線送信装置30において使用される「通信経路に対応する統計的特徴」の例を図10及び図11に示す。図10は、図8のように通信経路に統計的特徴を割り当ててある場合に使用される「通信経路に対応する統計的特徴」の例を示す。
図10に示すように、例えば、無線基地局2aが、無線中継局3cの配下に存在する無線端末4aに向けて無線信号を送信するものとすると、無線基地局2aの無線送信装置30は、「無線中継局3a及び無線中継局3cが中継する通信経路」に対応する統計的特徴「α3」を有する送信無線信号を生成する。
一方、図11は、図9のようにそれぞれの無線中継局3に統計的特徴を割り当ててある場合の例を示す。この場合、図10に示した例と同様に、無線基地局2aが無線中継局3cの配下に存在する無線端末4aに向けて無線信号を送信するものとすると、無線基地局2aの無線送信装置30は、無線中継局3a及び無線中継局3cに割り当てられた統計的特徴「α21」及び「α23」の両方を有する送信無線信号を生成する。
同様に、無線端末4aから無線端末4bに、無線中継局3c〜無線中継局3a〜無線中継局3dにより形成される通信経路を用いて無線信号を送信する場合、無線端末4aの無線送信装置30は、図8に示す例では、統計的特徴「α11」を有する送信無線信号を生成する。一方、図9の例では、統計的特徴「α21」、「α23」及び「α24」の3つすべてを有する送信無線信号を生成する。
このとき、無線基地局2aまたは無線端末4a〜無線端末4cの無線送信装置30は、図7に示すような機能ブロック構成を有することが望ましい。図7に示す無線送信装置30は、次のように動作する。すなわち、データ変調部301は、通信先の無線受信装置40に送信する送信データを変調する。
統計的特徴付信号生成部302は、データ変調部301から出力された変調データに、通信先の無線受信装置40までの通信経路に対応する統計的特徴を付与した送信信号を生成する。すなわち、統計的特徴付信号生成部302は、通信先の無線送受信機までの通信経路に割り当てられた統計的特徴を含む送信無線信号を生成する。
無線信号送信部303は、統計的特徴付信号生成部302によって生成された送信信号の増幅や周波数変換処理を実行し、送信無線信号に変換するとともに、当該送信無線信号を送信する。
つまり、無線送信装置30は、通信先の無線端末までの通信経路に応じて定められる統計的特徴が付与された送信無線信号を生成することができる。また、無線送信装置30は、通信先の無線端末までの通信経路に含まれる非再生型無線中継装置10に対応する統計的特徴を含む送信無線信号を生成することもできる。
次に、図6に示すように、無線送信装置30から送信された無線信号は、無線中継局3a,3bにおいて受信される(S103)。無線中継局3a、3bは、統計量を算出し(S104)、受信無線信号が自局の中継対象となる統計的特徴を有しているか否かを判定する(S105)。
当該判定の結果、受信無線信号が自局の中継対象となる場合、無線中継局3は、受信無線信号を増幅して中継無線信号を生成し、生成した中継無線信号を送信する(S106)。図6は、無線送信装置30の通信先となる無線受信装置40が無線中継局3aの配下に存在する例を示しており、無線送信装置30は、無線中継局3aまでの通信経路に対応する統計的特徴を有する無線信号を送信している。
無線中継局3a、3bが無線送信装置30から受信した受信無線信号は、無線中継局3aにとって、中継対象の統計的特徴を有しているため中継対象となる。一方、無線中継局3bにとって、中継対象の統計的特徴を有していないため中継対象とならない。
無線受信装置40は、無線中継局3aの配下に存在するため、無線中継局3aからの中継無線信号を受信する(S107)。このように、無線受信装置40は、無線送信装置30からの無線信号を受信することができる。
(1.4)統計量の算出例、統計的特徴の制御方法及び付与方法
次に、統計量の具体的な算出例、統計的特徴の付与方法の例について説明する。
(1.4.1)統計量の算出・統計的特徴の制御方法
周期自己相関値が用いられる場合、時間関数x(t)の周期自己相関の定義は、(1式)に示す通りとなる。
Figure 0004729591
ただし、αはサイクル周波数、τはラグパラメータ(遅延時間)である。また、サンプリング後の信号x[i] = x(iTs)を用いて、(2式)を用いることもできる。
Figure 0004729591
この場合、ラグパラメータτとして、ν(すなわち、νTsの時間遅延)が用いられる。一般的には、信号形式に対応するαとτ(またはν)で周期自己相関値のピークが出現し、それ以外では周期自己相関値は0或いは極めて小さい値となる。また、同一の信号形式の信号同士では、同一の周期自己相関値の特性が出現する。
一方、(1.4.2)統計的特徴の付与方法に示す方法によれば、信号に対して、周期自己相関の特性を付与することが可能となる。このため、同一形式の信号であっても異なる統計量の特徴(統計的特徴)を付与すること、さらには、設計したαに対して自在に周期自己相関値のピークを出現させることが可能となる。
本実施形態では、無線送信装置30が無線信号に対して(1.4.2)統計的特徴の付与方法に示す方法に従って統計的特徴を付与する。無線中継局3は、自局が中継対象とする統計的特徴を当該無線信号が有しているかを判定する。具体的には、無線中継局3は、中継対象記憶部111に含まれるαの値を(1式)などに代入し、その計算結果が所定値以上か否かを判定する。なお、所定値は、統計量のピークが出現していると考えられる値を事前に設定する。
また、所定値以上か否かの判定の他にも、(1式)などによる計算結果を用いたカイ二乗検定に基づいて、当該無線信号が中継対象記憶部111に含まれるαにおいてピークを有しているか否かを判定することもできる。無線中継局3は、このような判定結果に基づいて、無線信号を中継するか否かを判定する。
(1.4.2)統計的特徴の付与方法
(1式)に示した計算式が用いられる場合、正弦波の周期自己相関特性は、遅延時間が0のとき、(3式)のように表すことができ、正弦波の周波数の2倍地点においてピークが出現し、他の領域では0となる。
Figure 0004729591

このように、無線送信装置30は、無線信号に対して当該正弦波を加算することによって、無線信号に統計的特徴を付与することができる。なお、他にも、Othogonal Frequency Division Multiplexing(OFDM)信号形式の無線信号に対する統計的特徴の付与方法については、“Recognition among OFDM-based systems utilizing cyclostationarity-inducing transmission” in proceedings of IEEE international conference on new frontiers in dynamic spectrum access (DySPAN)、2007年4月に記載されている内容に基づいて行うこともできる。
(1.5)作用・効果
上述した非再生型無線中継装置10を備える無線中継局3(無線中継局3a〜無線中継局3f)は、受信無線信号の統計的特徴のみを観測することによって、独自に受信無線信号を中継するか否かを判定する。さらに、無線中継局3は、算出した統計量が中継対象記憶部111に記憶されている統計的特徴を有する場合のみ、受信無線信号を中継する。
このため、無線送信装置30は、通信先の無線受信装置40までの通信経路に対応する統計的特徴を付与した無線信号を生成して送信するだけで、当該通信経路に含まれる無線中継局3が自律的に無線信号を中継するか否かを判定することによって、通信経路が形成され、無線送信装置30と、通信先の無線受信装置40との無線通信を確立することができる。
また、非再生型無線中継装置10によれば、到来した受信無線信号すべてを中継する従来の非再生型無線中継装置と比較して、当該中継処理による干渉の増大が抑制され、周波数資源の効率的な利用が可能となる。さらに、非再生型無線中継装置10によれば、「再生型」(Decode-and-Forward)の無線中継装置を使用する場合と比較して、周波数変換、復調などの一連の処理が不要であり、統計量の計算のみによって受信無線信号を中継するか否かが判定されるため、処理量を抑制しつつ受信無線信号を中継することができる。
(2)第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態に係る無線通信システム1では、無線信号を送受信するすべての無線送受信機(無線基地局2a及び無線端末4a〜無線端末4c)の中から選択された一部の無線送受信機に特権が与えられる。具体的には、特権が与えられた無線送受信機(特権無線送受信機)周辺の無線送受信機が在圏するエリアに関する情報のデータベースにアクセスし、情報の獲得及び更新をする権限が、特権無線送受信機に付与される。
(2.1)無線通信システムの全体概略構成
図12は、本実施形態に係る無線通信システム1の概略機能ブロック構成図である。無線基地局2a及び無線端末4a〜無線端末4cの中から選択された無線基地局2aが特権無線送受信機5として取り扱われる。すなわち、無線基地局2a及び無線端末4a〜無線端末4c(無線送受信機)のうち一部が特権無線送受信機5として機能する。
特権無線送受信機5は、特権無線送受信機5周辺に存在する無線送受信機が在圏するエリアに関する情報のデータベースである在圏情報データベース61にアクセスし、情報の獲得及び更新をする権限を有する。在圏情報データベース61は、無線端末4a〜無線端末4cと、無線端末4a〜無線端末4cが存在するカバーエリアを構成する非再生型無線中継装置10とを関連付けて保存する。
具体的には、特権無線送受信機5は、特権無線送受信機5内部またはネットワーク(不図示)上に配置された在圏情報データベース61にアクセスするため機能を提供する在圏情報アクセス部52を備える。
また、特権無線送受信機5は、自局から所定の中継回数内で到達できる無線中継局3までの通信経路に対応する統計的特徴を格納する統計量情報記憶部51を備える。統計量情報記憶部51は、特権無線送受信機5から所定のホップ数内で到達可能なすべての非再生型無線中継装置10までの通信経路に対応する統計的特徴を含む情報を記憶することができる。本実施形態において、統計量情報記憶部51は、情報記憶部を構成する。
また、無線中継局3(及び無線端末4b)は、自局の配下に存在する無線端末4aに向けて、自局から特権無線送受信機5(無線基地局2a)までの通信経路に対応する統計的特徴を通知する報知信号を生成する報知信号生成部113を備える。
報知信号生成部113は、中継対象記憶部111に記憶されている統計的特徴を含む報知信号を無線端末4aなどの無線端末に送信する。
(2.2)特権無線送受信機5の機能ブロック構成
図13は、特権無線送受信機5の機能ブロック図である。図13に示すように、特権無線送受信機5は、無線送信装置30、無線受信装置40、統計量情報記憶部51、在圏情報アクセス部52、統計量算出部53、通信経路検出部54、及び送受信分離部203を備える。
無線送信装置30は、データ変調部301、統計的特徴付信号生成部302、無線信号送信部303、及び付与統計的特徴制御部304を備える。無線受信装置40は、信号復調部401及び受信データ切替スイッチ402を備える。
図14は、無線中継局3に備えられる非再生型無線中継装置10の機能ブロック図である。図14に示すように、本実施形態に係る非再生型無線中継装置10は、自局から特権無線送受信機5までの通信経路に対応する統計的特徴を中継対象記憶部111から取り出し、当該統計的特徴を示す情報を報知する無線信号である報知信号を生成する報知信号生成部113を備える。すなわち、報知信号生成部113は、中継対象記憶部111に記憶されている統計的特徴を含む報知信号を、無線端末(例えば、無線端末4a)または無線基地局2aに送信することができる。
報知信号生成部113において生成された報知信号は、RF帯の無線信号に変換されて周辺、つまり、無線端末4aなどに向けて送信される。
(2.3)無線端末の機能ブロック構成
図15は、特権無線送受信機5ではない無線送受信機(本実施形態では無線端末4a〜無線端末4c)の機能ブロック図である。図15に示すように、本実施形態に係る無線端末4は、特権無線送受信機5から統計量情報記憶部51、在圏情報アクセス部52、統計量算出部53及び通信経路検出部54が削除された構成を有する。また、無線端末4は、特権無線送受信機5と比較すると、無線受信装置40の受信データ切替スイッチ402の出力端子が、無線送信装置30の付与統計的特徴制御部304の入力端子に接続した構成を有する。
(2.4)無線通信システムの動作
次に、本実施形態に係る無線通信システム1の動作について説明する。図16は、本実施形態に係る無線通信システム1の動作フローを示す。
まず、無線中継局3の報知信号生成部113は、事前に定められた特権無線送受信機5までの通信経路に対応する統計的特徴に関する情報を中継対象記憶部111から取り出す。さらに、報知信号生成部113は、当該情報を無線信号形式に変換することによって報知信号を生成する(S201)。例えば、図10に示した例のように、無線基地局2aが特権無線送受信機5である場合、無線中継局3cは、無線基地局2aまでの通信経路に対応する統計量α3を示す情報を含む報知信号を生成する。
次いで、無線中継局3は、当該報知信号を周波数変換してRF帯の無線信号に変換し、自局のカバーエリア内に存在する無線送受信機(無線端末4)に向けて周期的に送信する(S202)。
無線端末4は、無線中継局3のカバーエリアに進入すると(S203)、無線中継局3が送信した報知信号を受信する(S204)。受信した報知信号は、送受信分離部203に入力され、送受信分離部203から信号復調部401に転送される。無線中継局3は、受信した報知信号を復調し、特権無線送受信機5までの通信経路に対応する統計的特徴の情報を獲得する。次いで、無線中継局3は、獲得した統計的特徴の情報を付与統計的特徴制御部304に入力する。
次いで、無線端末4は、自局が無線中継局3のカバーエリアに進入したことを特権無線送受信機5(無線基地局2a)に報告する局情報信号を送信する。具体的には、データ変調部301は、自局のIDや自局が使用可能な変復調方式などの自局に関するデータを送信データとした局情報信号を生成する。統計的特徴付信号生成部302は、付与統計的特徴制御部304によって指定された統計的特徴を局情報信号に付与する(S205)。付与統計的特徴制御部304は、局情報信号が無線基地局2aまでの通信経路に対応する統計的特徴を有するように統計的特徴付信号生成部302を制御する。
局情報信号は、無線信号送信部303において増幅や周波数変換などを施され、RF帯の無線信号に変換される。RF帯に変換された局情報信号は、送受信分離部203を介してアンテナに入力され、周辺に向けて放射される(S206)。すなわち、無線端末4(無線信号送信部303)は、自局の内容を示す情報を含む局情報信号に、特権無線送受信機5までの通信経路に対応する統計的特徴を含む送信無線信号を生成する。
無線中継局3は、無線端末4が送信した局情報信号を受信する。このとき、受信した局情報信号は、無線中継局3から無線基地局2aまでの通信経路に対応した統計的特徴を有しているため、無線中継局3は、受信した局情報信号の非再生中継を実行する(S103〜S106)。
無線基地局2aは、無線中継局3を介して無線信号を受信すると(S207)、受信した無線信号を復調し、無線端末4と対応する局情報信号を取得する。具体的には、無線基地局2aは、信号復調部401において局情報信号を復調し、局情報信号の送信元である無線端末4の情報(端末情報)を獲得する(S208)。同時に、無線基地局2aは、統計量算出部53において、受信した局情報信号の統計量を算出し、算出した統計量を通信経路検出部54に入力する。
通信経路検出部54は、入力された統計量と、統計量情報記憶部51に格納されている情報とに基づいて、受信した局情報信号が経由してきた通信経路情報を検出し、局情報信号を送信した無線端末4が何れの無線中継局3の配下に存在しているのか(在圏情報)を識別する(S209)。
このとき、統計量情報記憶部51には、図17に示すように、通信経路情報と統計的特徴(対応統計的特徴)とが対応付けられて記憶されている。統計量算出部53によって算出された統計量を統計量情報記憶部51に記憶されている統計的特徴と比較することによって、無線端末4が送信した局情報信号が何れの通信経路を経由したかを識別することができる。その結果、当該局情報信号が経由した通信経路の起点となる無線中継局3、すなわち無線端末4が直接接続している無線中継局3を判別することが可能となる。
なお、統計量情報記憶部51においては、通信経路の両端(各通信経路において、特権無線送受信機と中継を開始または最後に中継を行う無線中継局3、或いは中継開始局と中継終端局)を識別できることが重要であり、通信経路途中の無線中継局3の情報は重要でない。そこで、図18に示すように、通信経路端に存在する無線中継局3の情報のみを含むようにしてもよい。獲得された無線端末4の端末情報と、無線端末4の在圏情報とは、在圏情報アクセス部52に入力される。在圏情報アクセス部52は、無線端末4の端末情報と在圏情報とを在圏情報データベース61に保存する(S210)。
図19に示すように、在圏情報データベース61は、無線端末4と、無線端末4が在圏している無線中継局3の情報とを対応付けて保存する。無線端末4が移動し、異なる無線中継局3のカバーエリアに進入した場合、上述した動作が繰り返され、在圏情報データベース61が随時更新される。
このように、在圏情報データベース61では、無線端末4の在圏情報が保存されたり、保存された在圏情報が更新されたりする。このため、特権無線送受信機5は、無線端末4と無線通信を実行するに際して、在圏情報データベース61を参照することによって無線端末4が在圏する無線中継局3を認識できる。また、付与統計的特徴制御部304は、当該無線中継局3までの通信経路に対応する統計的特徴を送信データ信号(送信無線信号)に付与することができる。
なお、無線基地局2aに直接接続できる無線端末4の存在を把握するため、無線基地局2aは、無線中継局3と同様に所定の統計的特徴の情報を含む報知信号を送信し、無線基地局2aのカバーエリアに進入した無線端末4に当該所定の統計的特徴を有する局情報信号を送信させるようにしてもよい。この場合、無線基地局2aは、受信した局情報信号が当該所定の統計的特徴を有していると判定すると、図19に示すような在圏情報データベース61に当該無線端末4の在圏エリアを自局のカバーエリア内と登録する。このような処理によって、無線信号の中継の有無によらず、自局からアクセス可能な無線端末4すべての在圏情報を把握することができる。
なお、無線中継局3による報知信号の送信に代えて、特権無線送受信機5である無線基地局2aが報知信号を送信するようにしてもよい。この場合、特権無線送受信機5の報知信号生成部302Aは、自局から所定のホップ数で接続可能な無線中継局3までの通信経路に対応する統計的特徴の情報を含む報知信号を生成して送信する。
このとき、無線基地局2aは、報知信号内に含まれる統計的特徴の情報と同じ統計的特徴を当該報知信号に付与して送信する。このような処理によって、当該統計的特徴の情報を報知する相手方の無線端末4まで当該報知信号を無線中継局3に中継させることができる。無線端末4は、当該報知信号によって無線基地局2aまでの通信経路に対応する統計的特徴の情報を認識することができる。なお、この場合、無線端末4に統計量を算出する機能を付加すれば、当該報知信号の統計量を算出し、無線基地局2aまでの通信経路に対応する統計的特徴を認識することが可能となるため、当該報知信号の内容は、必ずしも統計的特徴の情報である必要はない。
(2.5)無線端末と通信先無線端末との通信に関する動作
次に、上述したように特権無線送受信機5(無線基地局2a)が動作する場合における無線端末と通信先無線端末(通信先無線送受信機)との通信に関する動作について説明する。
(2.5.1)動作例1
図20は、無線端末4が特権無線送受信機5を介して無線通信を実行する動作フローを示す。
無線端末4は、送信データと共に通信先の無線端末4の端末情報を含むデータ変調信号を生成し、生成したデータ変調信号に、特権無線送受信機5(無線基地局2a)までの通信経路に対応する統計的特徴を付与する(S301)。次いで、無線端末4は、統計的特徴を付与した無線信号を無線中継局3に向けて送信する(S302)。
例えば、図10に示した無線端末4aが無線端末4c(通信先無線端末)にデータを送信する場合、無線端末4cの端末情報を含むデータ変調信号に統計的特徴α3を付与する。無線端末4aから送信された統計的特徴α3を有する無線信号は、無線中継局3によって特権無線送受信機5に中継される(S103〜S106)。
特権無線送受信機5は、中継された無線信号を受信すると(S303)、当該無線信号を復調し、受信データ及び受信した無線信号の宛先となる通信先の無線端末4、つまり、無線端末4cの端末情報を獲得する(S304)。
続いて、特権無線送受信機5は、在圏情報データベース61に無線端末4cの在圏情報を照会し、自局から無線端末4cまでの通信経路情報を付与統計的特徴制御部304に入力する(S305)。付与統計的特徴制御部304は、入力された通信経路情報に対応する統計的特徴を統計量情報記憶部51から抽出し、統計的特徴付信号生成部302で付与する統計的特徴を指定する。
一方、受信データは、データ変調部301において再変調される(S306)。統計的特徴付信号生成部302は、再変調された受信データ(再変調データ信号)に対して付与統計的特徴制御部304が指定する統計的特徴を付与する(S307)。統計的特徴が付与された再変調データ信号は、無線信号送信部303によって増幅や周波数変換などを施され、送信される(S308)。
ここで、付与統計的特徴制御部304が指定する統計的特徴は、無線基地局2aから通信先無線端末(無線端末4c)の存在する無線中継局3までの通信経路に対応しているため、無線基地局2aから送信された無線信号は、無線中継局3によって無線端末4cまで中継される。
具体的には、図10に示した例における無線端末4aが無線端末4cにデータを送信する場合では、無線基地局2aは、無線端末4aから送信されてきた無線信号を復調して無線端末4cの端末情報を獲得する。さらに、無線基地局2aは、無線端末4cが存在する無線中継局3fまでの通信経路に対応する統計的特徴α6を統計量情報記憶部51から取り出す。そして、無線基地局2aは、再変調したデータ変調信号に統計的特徴α6を付与して転送する。
なお、無線基地局2aは、通信先無線端末(無線端末4c)が自局から通信経路を確立できない位置に存在する場合、例えば、有線ネットワーク(不図示)を介して、無線端末4c4に無線信号を送信可能な無線基地局に転送し、転送先の無線基地局が無線端末4cまでの通信経路に対応する統計的特徴を付与した無線信号を送信することによって通信を確立するようにしてもよい。
(2.5.2)動作例2
図20に示した例では、特権無線送受信機5(無線基地局2a)を介して無線通信を確立する例を示したが、例えば、図10において、無線端末4aと無線端末4bとが通信を実行する場合、無線中継局3cによってされた無線信号を、無線中継局3aから直接無線中継局3dに中継することによって、無線基地局2aと無線中継局3aとの間の無線リンクの設定が不要となるため、周波数資源をより有効に使用できる。
しかしながら、無線端末4aは、特権無線送受信機5ではないため、通信先の無線端末4bが存在するエリア、及び当該エリアまでの通信経路に対応する統計的特徴を認識できない。この場合、自局から無線端末4bまでの通信経路に対応する統計的特徴を特権無線送受信機5(無線基地局2a)に問い合わせ、問い合わせの結果取得した統計的特徴を用いることができる。
図21は、特権無線送受信機5(無線基地局2a)に確立したい通信経路に対応する統計的特徴を問い合わせる動作フローを示す。
無線端末4は、自局から通信先無線端末までの通信経路に対応する統計的特徴の情報をリクエストするリクエスト信号を生成し(S401)、生成したリクエスト信号に無線基地局2aまでの通信経路に対応する統計的特徴を付与する(S402)。次いで、無線端末4は、統計的特徴を付与した無線信号を無線中継局3に向けて送信する(S403)。
すなわち、無線端末4(統計的特徴付信号生成部302)は、自局から通信先の無線送受信機までの通信経路に対応する統計的特徴の情報を要求するリクエスト信号を含む送信無線信号を送信する。
具体的には、例えば、図10において、無線端末4aが無線端末4bとの通信を実行するリクエスト信号を送信する場合、当該リクエスト信号に統計的特徴α3を付与して送信する。送信された無線信号は、無線中継局3によって無線基地局2aに中継される(S103〜S106)。
無線基地局2aは、中継された無線信号を受信すると、当該無線信号を復調し、(S404)、在圏情報データベース61から無線端末4a及びその通信先の無線端末4bの在圏情報を抽出する(S405)。
続いて、無線基地局2aは、得られた無線端末4a及び無線端末4bの在圏情報に基づいて、無線端末4aと無線端末4bとの間で確立可能な通信経路に対応する統計的特徴を統計量情報記憶部51から抽出し(S406)、抽出した統計的特徴を示す情報を無線端末4aに報知する情報通知信号を生成する(S407)。生成された情報通知信号には、リクエスト信号の送信元(無線端末4a)までの通信経路に対応する統計的特徴が付与される(S408)。無線基地局2aは、当該統計的特徴が付与された無線信号送信する(S409)。
すなわち、無線基地局2a(報知信号生成部302A)は、統計量情報記憶部51に記憶されている統計的特徴を含む情報通知信号を、リクエスト信号を送信した無線送受信機に送信する。
具体的には、例えば、図10において、無線端末4aが無線端末4bとの通信を実行するリクエスト信号を送信した場合、無線基地局2aは、無線端末4aと無線端末4bとの通信経路に対応する統計的特徴α11の情報を有する情報通知信号を生成する。次いで、無線基地局2aは、当該情報通知信号に無線端末4aまでの通信経路に対応する統計的特徴α3を付与して送信する。
無線端末4(無線端末4a)は、情報通知信号を含む無線信号を受信(S410)し、受信した無線信号を復調する。無線端末4は、通信先無線端末までの通信経路に対応する統計的特徴を把握する。このような処理によって、無線端末4は、以降、情報通知信号によって通知された統計的特徴を送信データ信号に付与できる。
具体的には、図10において、無線端末4aが無線端末4bとの通信を実行するリクエスト信号を送信した場合、無線基地局2aから無線端末4aに統計的特徴α11の情報が含まれる情報通知信号が送信される。無線端末4aは、無線端末4bへの送信データ信号に、無線基地局2aから通知された統計的特徴α11を付与して送信するようにする。
なお、図10の例において、無線端末4aと無線端末4cとが通信を実行する場合、無線基地局2aを介さない通信経路が存在しない。この場合、無線端末4aは、送信データ信号に無線基地局2aまでの通信経路に対応する統計的特徴を付与して送信し、図20に示す方法によって無線端末4cとの通信を確立する。このような動作によって、無線基地局2aを介さない通信経路を確立することが可能な場合には、当該通信経路に対応する統計的特徴を用いることによって、無線基地局2aまでの不要な無線リンクの確立が抑えられ、無線リソースの効率的に活用できる。
(3)その他の実施形態
上述したように、本発明の一実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態が明らかとなろう。
例えば、上述した非再生型無線中継装置10は、次のように変更することができる。図22は、本発明の変更例に係る非再生型無線中継装置10の機能ブロック図である。
本変更例に係る非再生型無線中継装置10は、アンテナから送信される無線信号の送信方向を制御する機能を備える。従来の非再生型無線中継装置では、受信アンテナを介して受信した無線信号を単純に増幅して送信アンテナから送信するため、通信環境に応じた柔軟な通信経路の確立が困難であるという問題があった。
図22に示す非再生型無線中継装置10は、図4に示した非再生型無線中継装置10と比較すると、中継方向制御部114、出力切替スイッチ115、入力方向切替部116、入力切替スイッチ117、及び中継局送受信分離部118a,118bが付加されている。なお、本変更例においては、通信経路に関して「中継方向」という情報を用いる必要がある。そこで、図23に示すように、中継対象記憶部111では、中継対象統計量と中継方向とが対応付けられる。
本変更例に係る非再生型無線中継装置10は、無線信号を端子Aから受信した場合、中継局送受信分離部118aを介して、入力方向切替部116及び入力切替スイッチ117に無線信号を入力する。一方、無線信号を端子Bから受信した場合、中継局送受信分離部118bを介して、入力方向切替部116及び入力切替スイッチ117に無線信号を入力する。
このとき、入力方向切替部116は、入力される無線信号を観測し、中継局送受信分離部118aから無線信号を受信した場合、入力切替スイッチ117を「a」に設定する。一方、入力方向切替部116は、中継局送受信分離部118bから無線信号を受信した場合、入力切替スイッチ117を「b」に設定する。
入力切替スイッチ117を介して入力された無線信号は、受信増幅器102に入力され、図4に示した例と同様に統計量が算出されるとともに、無線信号を中継するか否かが判定される。
無線信号を中継する場合、スイッチ110がオンにされ、受信した無線信号が増幅される。また、本変更例では、対象統計量算出部108において算出された無線信号の統計量は、中継有無判定部109に通知されるとともに、中継方向制御部114に入力される。
中継方向制御部114は、対象統計量算出部108において算出された統計量が、所定の統計的特徴を有する場合、無線信号(中継無線信号)を送信するアンテナ(アンテナ119Aまたはアンテナ119B)を選択し、当該無線信号の送信方向を制御する。
具体的には、中継方向制御部114は、対象統計量算出部108において算出された統計量の統計的特徴に対応する中継方向の情報を中継対象記憶部111から抽出する。中継方向制御部114は、抽出した当該情報に基づいて出力切替スイッチ115を「a」または「b」に切り替える。
この場合、出力切替スイッチ115を「b」に設定すると、増幅された無線信号は、中継局送受信分離部118bを介して端子Bに出力される。一方、出力切替スイッチ115を「a」に設定すると、増幅された無線信号は中継局送受信分離部118aを介して端子Aに出力される。
なお、本変更例では、2端子の例について説明したが、端子の数、つまり、使用アンテナの数が増加しても、入力切替スイッチ117及び出力切替スイッチ115の端子数を増やすことによって対応できる。このような構成とすることによって、非再生型無線中継装置10は、受信した無線信号の統計的特徴のみに基づいて、中継する無線信号の中継方向、つまり無線信号の送信方向を制御することができる。すなわち、受信した無線信号を増幅して中継するのみの簡易な構成を用いつつ、通信先無線端末の位置などに応じた適切な通信経路を構成できる。
また、本変更例では、送信アンテナを出力切替スイッチによって切り替える動作による例を示したが、複数のアンテナを同時に用いたアレイアンテナにより、送信ビームを制御することにより、中継する無線信号の中継方向を制御することもできる。この場合、図23の中継対象記憶部111には、中継方向として、送信アンテナウェイト情報が保存される。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
従来の非再生型無線中継装置を含む無線通信システムの構成例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る無線通信システム1の全体概略構成図である。 本発明の第1実施形態に係る無線通信システム1の概略機能ブロック構成図である。 本発明の第1実施形態に係る非再生型無線中継装置10の機能ブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る中継対象記憶部111に記憶される中継対象の例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る無線送信装置30が無線中継局3aを介して無線受信装置40と通信を実行する場合における無線信号の中継動作フローを示す図である。 本発明の第1実施形態に係る無線送信装置30の機能ブロック構成図である。 本発明の第1実施形態に係る通信経路と統計的特徴との対応付け方法の例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る通信経路と統計的特徴との対応付け方法の例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る無線送信装置30において使用される「通信経路に対応する統計的特徴」の例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る無線送信装置30において使用される「通信経路に対応する統計的特徴」の例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る無線通信システム1の概略機能ブロック構成図である。 本発明の第2実施形態に係る特権無線送受信機5の機能ブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る無線中継局3に備えられる非再生型無線中継装置10の機能ブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る無線端末4a〜無線端末4cの機能ブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る無線通信システム1の動作フローを示す図である。 本発明の第2実施形態に係る通信経路情報と統計的特徴(対応統計的特徴)との対応付けの例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る通信経路情報と統計的特徴(対応統計的特徴)との対応付けの例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る無線端末4と、無線端末4が在圏している無線中継局3の情報との対応付けの例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る無線端末4が特権無線送受信機5を介して無線通信を実行する動作フローを示す図である。 本発明の第2実施形態に係る特権無線送受信機5(無線基地局2a)に確立したい通信経路に対応する統計的特徴を問い合わせる動作フローを示す図である。 本発明の変更例に係る非再生型無線中継装置10の機能ブロック図である。 本発明の変更例に係るに係る中継対象と中継方向との対応付けの例を示す図である。
符号の説明
1…無線通信システム、2a,2b…無線基地局、3a〜3f…無線中継局、4a〜4c…無線端末、5…特権無線送受信機、10…非再生型無線中継装置、30…無線送信装置、40…無線受信装置、51…統計量情報記憶部、52…在圏情報アクセス部、53…統計量算出部、54…通信経路検出部、61…在圏情報データベース、102…受信増幅器、103…周波数変換器、104…局部発振器、105…中間周波数増幅器、106…送信増幅器、108…対象統計量算出部、109…中継有無判定部、110…スイッチ、111…中継対象記憶部、112…遅延回路、113…報知信号生成部、114…中継方向制御部、115…出力切替スイッチ、116…入力方向切替部、117…入力切替スイッチ、118a,118b…中継局送受信分離部、119A,119B…アンテナ、203…送受信分離部、301…データ変調部、302…統計的性質付信号生成部、302A…報知信号生成部、303…無線信号送信部、304…付与統計量制御部、401…信号復調部、402…受信データ切替スイッチ、500a〜500f…無線中継局、600a,600b…無線端末、A11,A12,A21…カバーエリア、S1…中継無線信号、SG1…無線信号

Claims (11)

  1. 無線送受信機が送信した無線信号を復調することなく、通信の相手方の無線送受信機である通信先無線送受信機まで中継する非再生型無線中継装置であって、
    前記無線送受信機から受信した前記無線信号である受信無線信号の統計量を算出する統計量算出部と、
    中継対象の前記無線信号である中継無線信号に付与され、前記無線送受信機から前記通信先無線送受信機までの通信経路に応じて定められる統計的特徴を記憶する統計的特徴記憶部と、
    前記統計量算出部において算出された前記統計量が前記統計的特徴記憶部に記憶されている前記統計的特徴を有するか否かを判定し、前記統計量が記憶されている前記統計的特徴を有する場合、前記受信無線信号を中継すると判定する中継判定部と
    を備え、
    前記統計量は、前記無線信号に基づいて算出される2次以上の周期自己相関関数であり、
    前記統計的特徴記憶部に記憶される前記統計的特徴は、前記非再生型中継装置を備える無線中継局を介して形成されるすべての通信経路に対応する統計的特徴であり、
    前記中継判定部は、算出された前記統計量が前記非再生型無線中継装置を含む通信経路に対応する統計的特徴の何れかを有するか否かを判定する
    ことを特徴とする非再生型無線中継装置。
  2. 前記統計的特徴記憶部に記憶されている前記統計的特徴の情報を含む報知信号を前記無線送受信機に送信する報知信号生成部を備える請求項1に記載の非再生型無線中継装置。
  3. 前記統計量算出部において算出された前記統計量が、所定の統計的特徴を有する場合、前記中継無線信号を送信するアンテナを制御し、前記中継無線信号の送信方向を制御する中継方向制御部を備える請求項1に記載の非再生型無線中継装置。
  4. 複数の無線送受信機と、
    前記無線送受信機間において送受信される無線信号を復調することなく中継する非再生型無線中継装置と
    を含む無線通信システムであって、
    前記無線送受信機は、通信の相手方の無線送受信機である通信先無線送受信機までの通信経路に応じて定められる統計的特徴が付与された送信無線信号を生成する無線信号生成部を備え、
    前記非再生型無線中継装置は、
    前記無線送受信機から受信した前記無線信号である受信無線信号の統計量を算出する統計量算出部と、
    中継対象の前記無線信号である中継無線信号に付与される前記統計的特徴を記憶する統計的特徴記憶部と、
    前記統計量算出部において算出された前記統計量が前記統計的特徴記憶部に記憶されている前記統計的特徴を有するか否かを判定し、前記統計量が記憶されている前記統計的特徴を有する場合、前記受信無線信号を中継すると判定する中継判定部と
    を備え、
    前記統計量は、前記無線信号に基づいて算出される2次以上の周期自己相関関数であり、
    前記統計的特徴記憶部に記憶される前記統計的特徴は、前記非再生型中継装置を備える無線中継局を介して形成されるすべての通信経路に対応する統計的特徴であり、
    前記中継判定部は、算出された前記統計量が前記非再生型無線中継装置を含む通信経路に対応する統計的特徴の何れかを有するか否かを判定する
    ことを特徴とする無線通信システム。
  5. 前記無線信号生成部は、前記通信先無線送受信機までの通信経路に割り当てられた前記統計的特徴を有する前記送信無線信号を生成し、
    前記中継判定部は、前記統計量算出部において算出された前記統計量が自局の前記非再生型無線中継装置を含む通信経路に対応する前記統計的特徴の何れかを有するか否かを判定する請求項4に記載の無線通信システム。
  6. 前記無線信号生成部は、前記無線中継局を介して形成されるすべての通信経路に対応する前記統計的特徴を有する前記送信無線信号を生成し、
    前記中継判定部は、前記統計量算出部において算出された前記統計量が自局の前記非再生型無線中継装置に割り当てられた前記統計的特徴を有するか否かを判定する請求項4に記載の無線通信システム。
  7. 前記複数の無線送受信機のうち一部は、特権無線送受信機として機能し、
    前記無線通信システムは、前記無線送受信機と、前記無線送受信機が存在するカバーエリアを構成する前記非再生型無線中継装置とを関連付けて保存する在圏情報データベースを備え、
    前記特権無線送受信機は、前記特権無線送受信機から所定のホップ数内で到達可能なすべての前記非再生型無線中継装置までの通信経路に対応する前記統計的特徴を含む情報を記憶する情報記憶部を備え、
    前記非再生型無線中継装置は、前記統計的特徴記憶部に記憶されている前記統計的特徴の情報を含む報知信号を前記無線送受信機に送信する報知信号生成部を備え、
    前記無線信号生成部は、自局の内容を示す情報を含む局情報信号に、前記特権無線送受信機までの通信経路に対応する前記統計的特徴を有する前記送信無線信号を生成する請求項4に記載の無線通信システム。
  8. 前記特権無線送受信機は、前記情報記憶部に記憶されている前記統計的特徴の情報を含む報知信号を前記無線送受信機に送信する報知信号生成部を備える請求項7に記載の無線通信システム。
  9. 前記無線信号生成部は、自局から前記通信先無線送受信機までの通信経路に対応する前記統計的特徴の情報を要求するリクエスト信号を含む前記送信無線信号を送信し、
    前記報知信号生成部は、前記情報記憶部に記憶されている前記統計的特徴を含む情報通知信号を、前記リクエスト信号を送信した前記無線送受信機に送信する請求項8に記載の無線通信システム。
  10. 前記特権無線送受信機は、前記非再生型無線中継装置を介して受信した無線信号を復調し、前記無線送受信機と対応する前記局情報信号を取得する信号復調部を備える請求項7に記載の無線通信システム。
  11. 無線送受信機が送信した無線信号を復調することなく、通信の相手方の無線送受信機である通信先無線送受信機まで中継する無線中継局における無線信号中継方法であって、
    前記無線送受信機が、前記通信先無線送受信機までの通信経路に応じて定められる統計的特徴が付与された送信無線信号を生成するステップと、
    前記無線送受信機から受信した前記無線信号である受信無線信号の統計量を算出するステップと、
    前記統計量を算出するステップにおいて算出された前記統計量が、中継対象の前記無線信号である中継無線信号に付与される予め定められた前記統計的特徴を有するか否かを判定するステップと、
    前記統計量が、前記中継無線信号に付与される予め定められた前記統計的特徴を有する場合、前記受信無線信号を中継すると判定するステップとを備え、
    前記統計量は、前記無線信号に基づいて算出される2次以上の周期自己相関関数であり、
    前記統計的特徴は、前記無線中継局を介して形成されるすべての通信経路に対応する統計的特徴であり、
    前記判定するステップでは、算出された前記統計量が自局を含む通信経路に対応する統計的特徴の何れかを有するか否かを判定する
    ことを特徴とする無線信号中継方法。
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