JP4729394B2 - 光部品の製造方法及び製造装置、並びに、光部品 - Google Patents

光部品の製造方法及び製造装置、並びに、光部品 Download PDF

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本発明は、光を伝送するために用いられる光部品、並びに、そのような光部品の製造方法及び製造装置に関する。
図17は、従来のファイバコリメータの製造方法を説明するための図である。図17の(a)に示す非球面レンズ901の端面901aは、平面研磨されていると共に、伝送される光の波長における反射損失を小さくするために、反射防止膜(ARコート)をコーティングされている。一方、光ファイバ902は、精密に穴加工されたキャピラリー(細管)903と呼ばれるスリーブに挿入されて、樹脂等の接着剤904によって固定されている。また、光ファイバ902の端部は、キャピラリー903と共にカットされており、その端面902aには、平面研磨及びARコートが施されている。
これら2つの部品901及び902を接合する際には、図17の(b)に示すように、レンズの端面901aと光ファイバの端面902aとの間に、樹脂等の接着剤905を配置すると共に、高反射ミラー906を用いて光軸調整を行う。即ち、光ファイバ902に光を入射させることにより、レンズ901を介して高反射ミラー906から反射された光が、再びレンズ901を介して最も効率良く光ファイバ902に戻るように、レンズ901に対する光ファイバ902の端面902aのXY平面内における位置を調整する。その状態で接着剤905を硬化させることにより、図17の(c)に示すファイバコリメータが完成する。
このように、従来のファイバコリメータの製造方法においては、使用される部品の点数が多く、製作に要する工程も複雑である。また、接着剤を硬化させるために数分〜30分程度の長時間を要するため、組立作業時間が長くなり、コストが上昇してしまう。さらに、レンズと光ファイバとの間に樹脂の接着剤を介在させるため、偏波面の乱れ等の光学的な問題や、接着剤を硬化させるまでに生じ得る光軸のずれや、長期的には接着剤の劣化等の問題も生じている。また、このような製造方法において用いられるレンズにおいては、通常、焦点Fがレンズの端面901aに設定されているので、ハイパワーの光を光ファイバに入射する場合には、接着剤905が配置されている微小な領域にレンズからの光が集光するため、接合部分が損傷しやすいことも問題となっている。
樹脂の接着剤を使用していない光デバイスとして、特許文献1には、光導波路の端面と光ファイバの端面との両端面の接続部が共有する面の範囲内における接続面内にのみ両端面の材質の軟化温度よりも低い値の溶融物質を介在させ、かつ溶融物質と上記両端面とが上記共有する面の範囲内において一体的に融着接続されている光導波路デバイスが開示されている。このような光導波路デバイスにおいては、樹脂の接着剤を介在させることによって生じる問題は回避されるが、光導波路及び光ファイバとは別の第3の部材(溶融物質)を用いているので、やはり製造工程が煩雑である。
そこで、接着剤や溶融物質を介在させることなく光デバイスを製造できる技術が提案されている。非特許文献1には、シングル・モード・ファイバと多成分ガラスベースのレンズとを直接接合することができる、ファイバコリメータの新規な製造方法が開示されている。また、非特許文献2には、そのような新規な製造方法を用いることによる小型光部品の今後の展望について記載されている。
非特許文献1及び非特許文献2に記載されているファイバコリメータの製造方法について、図18を参照しながら説明する。このファイバコリメータの製造方法においては、部品として、低融点ガラス製のレンズ及び石英製の光ファイバが用いられている。
まず、図18の(a)に示すように、レンズ911に対して、光ファイバ912のコア912bの光軸調整を行う。そのために、レンズ911の前方(図の左側)に、レンズ911の光軸に対して垂直に高反射ミラー913を配置すると共に、レンズ911の後部端面(図の右側)911aに光ファイバ912の端面912aを5μm程度まで接近させる。そして、光ファイバ912に光を入射させることにより、レンズ911を介して高反射ミラー913から反射された光が、再びレンズ911を介して光ファイバ912に入射した戻り光の強度を検出する。この戻り光の強度をモニタしながら、光ファイバ912の端面912aをXY平面内で移動させて、戻り光が最も強くなるように、光ファイバ912の端面912aの位置を決定する。
次に、図18の(b)に示すように、レンズ911の端面911a付近にアーク電極914を配置し、アーク放電を生じさせて熱プラズマを生成することにより、後部端面911aを含むレンズ911の端部を軟化させる。そして、図18の(c)に示すように、軟化したレンズ911の端面911aから5μm〜20μm程度の深さに存在する焦点Fまで、光ファイバ912を押し込む。その状態を保ったまま、アーク放電を止めてレンズ911を自然冷却させることにより、光ファイバ912を固定する。
このようなファイバコリメータの製造方法によれば、キャピラリーが不要であると共に、接合面の研磨やARコートの形成等の工程が不要となるため、コストを安くすることができる。また、アーク放電により融着させるため、組立時間を数秒程度まで短縮できるという利点がある。さらに、樹脂等の接着剤を使用しないため、接着剤による偏波面の乱れや、レンズと光ファイバとの位置ずれや、長期的には接着剤の劣化や、ハイパワー光を入射した時の接着剤の損傷といった問題を回避することができる。
特許第2876857号公報(第1頁、図1) 井出等、「アーク放電加熱による『シュリンク・フィット』接合を用いたファイバーコリメータの新規な製造方法(A Novel Fabrication Method for Fibre Collimators Using a "Shrink-Fit" Splice by Arc Discharge Heating" )」、光通信に関する欧州会議(European Conference on Optical Communication (Proc. ECOC2004))、We4.P.020(2004年) 高原敏明、「超小型ファイバコリメータの実装技術」、第92回微小光学、第6回システムフォトニクス合同研究会(2004年7月)
しかしながら、融着によるファイバコリメータの製造方法においては、次のような別の問題が生じている。
第1に、図19に示すように、軟化したレンズ911に光ファイバ912を押し込んだ状態で自然冷却すると、ガラスの収縮により光ファイバ912の押し込み部分に圧縮応力がかかる。そのため、光ファイバ912にクラックが入り、光ファイバが根本で折れてしまう。
第2に、このような製造方法において用いられるレンズにおいては、通常、焦点Fは、光ファイバ912の端面912aが配置されるレンズ911の内部に設定されている。即ち、図18の(a)に示すように、光軸調整の際に光ファイバ912の端面912aが配置されているXY平面には、レンズ911の焦点は存在していない。そのため、ぼけた状態(即ち、強度の中心ピークが広がった状態)の戻り光に基づいて光軸調整を行っていることになるので、X軸及びY軸の中心を検出する精度が低下してしまう。また、レンズの内部に存在する焦点Fの位置を融着前に確認することはできないので、レンズ911に光ファイバ912を押し込む際に、端面912aを焦点Fに正確に合致させることは困難である。従って、Z軸についての精度も低下してしまう。
第3に、図20の(a)に示すように、先端が斜めにカットされた光ファイバを用いてファイバコリメータを製造する場合には、光ファイバ922をレンズ921に押し込む際に、光ファイバ922の傾斜した端面922aは、端面922aに対して垂直な向きの反力を軟化したガラスから受ける。その結果、図20の(b)に示すように、ファイバ922の先端部が光軸調整された位置からずれたまま固定されてしまう。そのため、精度の良い光部品を作ることができないという問題も生じている。
そこで、上記の点に鑑み、本発明は、精度及び信頼性の高い光部品を、簡単な工程且つ低コストで製造することができる光部品の製造方法及び製造装置、並びに、そのような製造方法を用いて製造された光部品を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の1つの観点に係る光部品の製造方法は、所定の軟化点を有する第1のガラスにより形成されている端面を有する第1の光部品と、第1の光部品の端面よりも小さい先端面を有し、第1のガラスよりも高い軟化点を有する第2のガラス又は石英により形成されている1つ又は複数の第2の光部品とを融着することにより、第3の光部品を製造する方法であって、第1の光部品の端面の加熱を開始することにより該端面を軟化させる工程(a)と、軟化した第1の光部品の端面に、第2の光部品の先端面を所定の量だけ押し込むことにより、第1の光部品と第2の光部品とを溶融結合させる工程(b)と、第2の光部品を所定の位置に引き戻すことにより、第2の光部品の先端面を第1の光部品の端面、又は、端面の外側に配置する工程(c)と、第1の光部品の端面の加熱を停止することにより、互いに溶融結合した第1の光部品と第2の光部品とを固定する工程(d)とを具備する。
また、本発明の1つの観点に係る光部品の製造装置は、所定の軟化点を有する第1のガラスによって形成されている端面を有する第1の光部品と、第1の光部品の端面よりも小さい先端面を有し、第1のガラスよりも高い軟化点を有する第2のガラス又は石英によって形成されている1つ又は複数の第2の光部品とを融着することにより、第3の光部品を製造するための装置であって、第1の光部品を保持する第1の保持手段と、第2の光部品を保持する第2の保持手段と、第1の光部品の端面を加熱する加熱手段と、第1の保持手段と第2の保持手段との内の少なくとも一方を戴置して移動することにより第2の光部品を第1の光部品に対して相対的に所定の位置に配置する位置調節手段と、加熱手段によって加熱されることにより軟化した第1の光部品の端面に、第2の光部品の先端面を所定の量だけ押し込むことにより、第1の光部品と第2の光部品とを溶融結合させ、その後で、第2の光部品を所定の位置に引き戻すことにより、第2の光部品の先端面を第1の光部品の端面、又は、端面の外側に配置するように、少なくとも位置調節手段を制御する制御手段とを具備する。
さらに、本発明の1つの観点に係る光部品は、所定の軟化点を有する第1のガラスによって形成されている端面を有する第1の光部品と、第1の光部品の端面よりも小さい先端面を有し、第1のガラスよりも高い軟化点を有する第2のガラス又は石英によって形成されている1つ又は複数の第2の光部品であって、加熱されることにより軟化した第1の光部品の端面に押し込まれた後で、先端面が第1の光部品の端面、又は、端面の外側に位置するように、押し込まれた方向と反対方向に引き戻された状態で第1の光部品と接合された1つ又は複数の第2の光部品とを具備する。
本発明によれば、第1の光部品と第2の光部品とを融着により接合するので、光ファイバを保持するためのキャピラリーや、2つの光部品の接合面の研磨やARコーティング等の工程が不要となる。従って、製造工程が簡単になり、製造コストを低減することが可能となる。また、第1の光部品と第2の光部品との接合面に接着剤は配置されないので、偏波面の乱れ等の光学的歪みを生じさせることなく、両者を強固に結合することができる。特に、2つの光部品の接合面には空気層がほとんど存在せず、また、接合面を軟化させる際に発生させる熱プラズマ等によって、接合面に付着した汚れやゴミが除去される効果も期待されるので、接合面における光の伝搬ロス等を低減することができる。さらに、接着剤の使用に起因する接合面における光軸のずれや、接着剤の樹脂材料の経時的な劣化は生じないので、製品の信頼性を向上させることができ、ハイパワーの光を光ファイバに伝搬させることも可能となる。
また、本発明によれば、第1の光部品に第2の光部品を押し込んだ後で、第2の光部品を引き戻すので、自然冷却した第1の光部品の収縮により第2の光部品が応力ひずみを受けて破損するという問題を回避することができる。その際に、第1の光部品として、第2の光部品が融着される端面の外側に焦点が存在する光部品を用いることにより、第1の光部品と第2の光部品との光軸調整を正確に行うことができると共に、第1の光部品に対する第2の光部品の最終的な接合位置を実測値に基づいて算出することができる。従って、第3の光部品の精度を向上させることが可能となる。さらに、第1の光部品に第2の光部品を押し込んだ際の反力により、第2の光部品の先端が光軸からずれた場合においても、第2の光部品を引き戻すことにより、そのずれを補正することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。以下の説明において、低融点ガラスとは、ガラス転移点(軟化点)が600℃又は700℃以下であるガラスのことをいい、高融点ガラスとは、ガラス転移点がそれよりも高いガラスのことをいう。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光部品の製造装置の構成を示す模式図である。この光部品の製造装置は、第1の光部品と第2の光部品とを融着することによって第3の光部品を製造するための装置である。本実施形態においては、第1の光部品としてレンズを用い、第2の光部品として光ファイバを用いることにより、ファイバコリメータを製造する。
図1に示す光部品の製造装置は、システム制御部100と、ステージ制御部110と、アーク放電電源120と、反射光検出部130と、レンズ保持具111と、保持具112と、ファイバ保持具113と、可動ステージ114と、アーク電極121と、アーク電極保持具122とを有している。また、本実施形態に係る光部品の製造装置は、位置観察部140及びモニタ141をさらに含んでも良い。
システム制御部100は、図1に示す光部品の製造装置全体の動作、即ち、光部品を製造するための一連の融着作業を制御する。
レンズ保持具111は、加工対象であるレンズ11を保持するための治具である。レンズ保持具111には、レンズ11を光軸に対して平行に固定するために、高精度に加工されたV溝又はU溝が形成されている。また、レンズ保持具111は、アーク電極121の近くに配置されているため、セラミック等の絶縁体によって作製されている。
保持具112は、レンズ保持具111と共にレンズ11を保持しており、また、レンズ11と接合される光ファイバ12の光軸調整の際に用いられる高反射ミラー13を保持している。
高反射ミラー13は、レンズ11から出射した光を反射することにより、再びレンズ11に入射させる。高反射ミラー13は、保持具112により、レンズ保持具111の軸方向に対して厳密に垂直に固定されている。本実施形態においては、レンズ11として非球面レンズを用いているので、ミラー面13aの位置は、レンズ11によってコリメートされて出射される光のビームウェストが最も細くなる位置、即ち、レンズ11の先端から平均焦点距離だけ離れた位置とすることが望ましい。
ファイバ保持具113は、レンズ11と接合される光ファイバ12を保持している。
可動ステージ114は、ファイバ保持具113を戴置して移動させることにより、ファイバ保持具113によって保持されている光ファイバ12の位置を調節する位置調節手段である。可動ステージ114は、ステージ制御部110の制御の下で、3次元的に駆動する。或いは、可動ステージ114を、オペレータがマニュアルで操作しても良い。なお、本実施形態においては、ファイバ保持具113側を移動させることによりレンズ11に対するファイバ12の相対的位置を調節しているが、レンズ保持具111側、又は、レンズ保持具111及び保持具113の両方を移動させることにより、両者の相対的位置を調節しても良い。
ステージ制御部110は、システム制御部100の制御の下で、可動ステージ114の動作を制御する。
アーク電極121は、プラス及びマイナスの一対の電極によって構成されており、システム制御部100の制御の下で動作するアーク放電電源120から電源を供給されることにより、アーク放電を生じさせる。アーク放電のタイミング及び放電の強度は、システム制御部100によって制御されている。アーク電極保持具122は、アーク電極121をそれぞれ固定するための治具である。
反射光検出部130は、光軸調整の際に用いられる光を光ファイバ12に入射させると共に、光ファイバ12からの戻り光の強度を検出する。反射光検出部130の構成については、後で詳しく説明する。
位置観察部140は、レンズ11と光ファイバ12との接合部分を観察するための撮像装置である。また、モニタ141は、位置観察部140によって撮像された画像を表示する。
次に、本発明の第1の実施形態に係る光部品の製造方法について、図1〜図5を参照しながら説明する。以下の説明においては、レンズ11の光軸をZ軸とする。また、Z軸において、図の左側に向かう方向をプラス方向(前方)とし、図の右側に向かう方向をマイナス方向(後方)とする。
本実施形態において、一方の加工対象として用いられるレンズ11(図1)は、軟化点が600℃程度である低融点ガラスによって形成されている。このレンズ11は、平均焦点距離が約1.3mm、直径が約1.0mmφ、レンズ長が約2mmの非球面ガラスモールドレンズであり、レンズの後部端面11aから5μm以上離れた位置に焦点が形成されるように設計されている。
ここで、本願においては、図2の(a)に示すように、レンズの焦点がレンズの外部に形成されるように設計されている場合に、その焦点の位置のことを空間焦点位置という。空間焦点位置は、レンズと焦点との間に介在する媒質(例えば、空気や、光ファイバの石英)の屈折率に応じて変化する。一方、図2の(b)に示すように、レンズの焦点がレンズの端面又は内部に形成されている場合に、その焦点の位置のことを光学焦点位置という。
また、本実施形態において、もう一方の加工対象として用いられる光ファイバ12(図1)は、軟化点が1800℃程度である石英によって形成されている。光ファイバ12は、クラッド径が約125μmの単芯のシングルモード光ファイバであり、その端面は垂直にカットされている。光ファイバ12としては、この他に、高融点ガラスによって形成されたものを用いても良く、マルチモード光ファイバ、偏波面保持ファイバ、フォトニッククリスタルファイバの内のいずれを用いても良い。
図3は、図1に示す光部品の製造装置の動作を示すフローチャートである。また、図4は、本実施形態に係る光部品の製造方法を説明するための図である。
まず、光部品の製造装置を動作させる前の準備として、図1に示すように、レンズ11をレンズ保持具111にセットすると共に、光ファイバ12をファイバ保持具113にセットする。そして、可動ステージ114を移動させることにより、レンズ11の後部端面11aと光ファイバ12の先端面12aとの間隔が5μm〜20μm程度となり、且つ、光ファイバ12がレンズの光軸の中心付近に配置されるように、粗調整を行う。この粗調整は、位置観察部141によって撮像された画像をモニタ141上において観察しながら、オペレータがマニュアルで操作することにより行っても良いし、制御部100の制御の下で自動的に行っても良い。
図3の工程S1において、図4の(a)に示すように、レンズ11と光ファイバ12との光軸調整を行う。
図5は、単芯ファイバコリメータを製造する場合に用いられる反射光検出部130の構成を説明するための図である。反射光検出部130は、レーザダイオード(LD)光源131と、光結合器132と、光検出器133と、増幅回路134とを含んでいる。LD光源131から出射した光(信号光)は、光結合器132を通って光ファイバ12の一端に入射し、光ファイバ12の他端から出射してレンズ11に入射する。この光は、レンズ11によってコリメートされて出射し、高反射ミラー13によって反射され、再びレンズ11に戻って光ファイバ12に入射する。さらに、この光(戻り光)は、光ファイバ12を介して光結合器132に入射し、光検出器133に導かれる。光検出器133は、戻り光の強度を検出しており、光検出器133から出力された検出信号は、増幅回路134によって増幅されて、システム制御部100(図1)に出力される。
図1に示すシステム制御部100は、反射光検出部130から出力された検出信号に基づいて、ステージ制御部110を制御して可動ステージ114を3次元的に走査する。それにより、戻り光の強度が最も強くなるように、光ファイバ12の先端面12aのXYZ軸上における位置を決定する。このような光軸調整により、図4の(a)に示すように、光ファイバ12の先端面12aにおけるコアの中心位置(以下において、「先端コア中心位置」ともいう)12bは、レンズ11の空間焦点位置Pに配置される。
また、後の工程において光ファイバ12の押し込み量を決定するために、レンズ11の後部端面11aと光ファイバ12の先端コア中心位置12bとの距離を求めておく。この距離は、公知のいずれの方法を用いて求めても構わない。例えば、CCDカメラ等の撮像手段を用いて撮像された画像に基づいて計測を行ったり、レーザ等の平行光をレンズ11及び光ファイバ12の側面から照射することによってそれらの間隔を計測したり、光ファイバ12を空間焦点位置Pからレンズ11の後部端面11aまで移動させて、接触センサや光学センサ等により計測する方法を用いることができる。
次に、工程S2において、図4の(b)に示すように、システム制御部100の制御の下で、アーク放電を開始することにより、放電プラズマ3を生成する。それにより、レンズ11の後部端面11aを含む領域が加熱されて軟化する。その際には、光ファイバ12の先端部も放電プラズマ3にさらされるので、先端面12aは変形しない程度に加熱される。
アーク放電を開始してから所定時間経過した後で、工程S3において、図4の(c)に示すように、可動ステージ114をプラスZ軸方向に所定量だけ移動させることにより、光ファイバ12の先端部をレンズ11の後部端面11aに押し込む。それにより、レンズ11の軟化したガラス部分と加熱された光ファイバ12の先端部とが、境界面において互いに溶け合って結合する。
工程S3における光ファイバ12の先端面12aの移動量Mは、図6の(a)に示すレンズ11と光ファイバ12との間隔L(約5μm〜約20μm)に、図6の(b)に示す押し込み量T(約1μm〜約20μm)を加えた量(約6μm〜約40μm程度)となる。即ち、M=(L+T)である。また、可動ステージ114の移動速度は、例えば、5μm/秒〜50μm/秒程度とすることが望ましい。さらに、融着の効果を高めるために、光ファイバ12をレンズ11に押し込む際に、光ファイバ12側とレンズ11側との内の少なくとも一方に、ピエゾアクチェータ等により振幅が数μm程度の微少な振動を与えても良い。
次に、工程S4において、図4の(d)に示すように、可動ステージ114をマイナスZ軸方向に所定量だけ移動させることにより、光ファイバ12をレンズ11から引き戻す。それにより、光ファイバの先端面12aは、少なくとも後部端面11aまで、又は、後部端面11aの外側まで引き戻され、最終的にレンズ11の光学焦点距離Pに配置される。このとき、溶融結合した光ファイバ12の先端部とレンズ11のガラス部材とは強固に密着しているので、軟化したガラス部材も光ファイバ12に融着したまま、後部端面11aの外側まで一緒に引き出される。
図6の(c)に示すように、光ファイバ12の引き戻し量Rは、次式(1)を用いて算出される。式(1)において、nは光部品の使用波長におけるレンズ11の屈折率であり、nは空気又は真空の屈折率である。
R=M+L×{(n/n)−1} …(1)
或いは、レンズ11の空間焦点位置Pを基準とする場合には、引き戻し量Sは、次式(2)を用いて算出される。
S=L×{(n/n)−1} …(2)
なお、Z軸についてのバックラッシュの影響を排除すると共に、引き戻し後の融着状態を更に安定化させるために、一旦、可動ステージ114を引き戻し量R又は引き戻し量Mを超える量だけマイナスZ軸方向に移動させた後で、逆方向(プラスZ軸方向)に移動させることにより、最終的に上記の量だけ移動させるような操作を行っても良い。
本願発明者らが行った実験によれば、アーク放電によりレンズが顕著に変形しない範囲で加熱した場合には、光ファイバをレンズの後部端面から30μm程度引き出すことが可能であった。
次に、工程S5において、光ファイバ12をレンズ11の後部端面11aから引き戻した状態を保ったままアーク放電を停止し、レンズ11及び光ファイバ12を自然冷却させる。それにより、互いに融着されたレンズ11と光ファイバ12とが固定されて、ファイバコリメータが完成する。
本実施形態において、ファイバコリメータを製造するための部品の1つとして、焦点がレンズの外側に形成されるように設計されたレンズを使用する理由を以下に述べる。
レンズの焦点がその内側に存在する場合には、光軸調整が行われるレンズの外側のいずれの位置においても、戻り光の強度分布における中心ピークは広がっている。従って、ぼけた戻り光に基づいて光軸調整を行うことになるので、高い精度を得ることが困難である。また、光ファイバをレンズに押し込む前に、光ファイバの端面(入射端)を合わせるべきレンズの焦点位置に対して正確に確認することはできないので、レンズの設計量に基づいて押し込み量を決定することになる。
しかしながら、本実施形態におけるように、レンズの焦点がその外側に存在する場合には、戻り光の強度分布における中心ピークが鋭い範囲もレンズの外側に存在するので、精度の高い光軸調整を行うことができる。また、融着前にレンズの焦点位置(空間焦点位置)を実測できるので、その実測値に基づいて、レンズと、それに融着された光ファイバの入射端との合わせるべき位置を決定することができる。従って、個々の部品(レンズ)に対応して、精度の高い光部品を製造することができる。
実際のレンズの光学的寸法としては、空間焦点位置がレンズの後部端面から少なくとも3μm以上離れるように設計されていることが望ましい。これは、光ファイバのコアが送受光端面である場合に、可動ステージ上において光ファイバを光軸調整する段階において、レンズと光ファイバとを接触させないようにすると共に、アーク放電によりレンズを加熱する際に、放電プラズマをレンズとファイバの間に貫通させることにより、加熱の効率を向上させるためである。
また、本実施形態においては、工程S4において、レンズ11の後部端面11aと光ファイバ12の先端面12aとの間の距離Lを用いて算出された値に基づいて移動ステージ114を移動させているが、図1及び図5に示す反射光検出部130により検出された戻り光の強度に基づいて、移動ステージ114の動作を制御しても良い。図7の(a)に示すように、戻り光の強度は、光ファイバの入射端がレンズの空間焦点位置にあるとき(破線で示す曲線)、又は、レンズの光学焦点距離(実線で示す曲線)にあるときに最大となる。そこで、戻り光の検出信号をリアルタイムでモニタしつつ、図7の(b)に示すように、光ファイバの先端面のコアを合わせるべき最終的なZ軸上の位置を決定する。具体的には、図6の(a)及び(b)に示すように、光ファイバ12をレンズ11の後部端面11a(Z=Q)から深さZ=Eまで押し込み、続いて、光ファイバを引き戻す。そして、光ファイバの入射端が光学焦点距離Pを通過して、戻り光の強度が減少に転じた後で、戻り光が最大値を示す位置(即ち、光学焦点位置)まで光ファイバ12を押し戻す(図6の(c))。この方法においては、式(1)又は(2)によって求められた引き戻し量R又はSを参考にしながら可動ステージを制御しても良いし、戻り光の検出信号のみに基づいて可動ステージを制御しても良い。
以上説明した、本発明の第1の実施形態においては、レンズ及び先端が垂直にカットされた光ファイバ(垂直カット光ファイバ)を用いてファイバコリメータを製造したが、先端が斜めにカットされた光ファイバ(斜めカット光ファイバ)を用いても良い。ここで、光ファイバの先端が垂直にカットされている場合には、レンズの材料と光ファイバの材料との屈折率の差により、接合面において比較的大きな反射損失が生じてしまう。一般的な低融点ガラスによって形成されたレンズを用いる場合に、この反射損失の大きさは、概ねマイナス32dB程度となる。そのため、ファイバコリメータの用途に応じて、反射損失を、例えば、マイナス60dB程度以内に抑える必要がある場合には、斜めカットファイバを用いることが望ましい。
ところで、図3の工程S3において、加熱されて軟化したレンズに斜めカット光ファイバを押し込む場合には、光ファイバの傾斜している端面が、その面に垂直な向きの反力をガラスから受けることにより、先端のコア(入射端)が光軸からずれてしまう場合がある(図20の(b)参照)。しかしながら、本実施形態においては、その後の工程S4において斜めカット光ファイバをレンズから引き戻すので、その間にコアの位置を光軸まで復帰させることができる。
なお、光ファイバの先端を斜めにカットすることにより、光ファイバの先端(光ファイバの外周)は、コアの入射端よりも前方(レンズ側)にはみ出るので、垂直カット光ファイバを用いる場合と比較して、空間焦点位置が後部端面から大きく離れるように設計されたレンズを使用する必要がある。
また、本発明の第1の実施形態においては、レンズを部分的に溶融させるために、アーク放電により熱プラズマを生成しているが、その他にも様々な加熱手段を用いることができる。例えば、レーザ光源と集光光学系との組み合わせや、マイクロトーチ炎を用いることができる。
一般的な加熱用のレーザ光源としては、COレーザやYAGレーザが用いられるが、レーザ光の波長を、レンズを形成するガラス部材の吸収波長に合わせることが望ましい。また、集光光学系は、レーザ光源から出射したレーザビームをレンズの後部端面の中央部分付近に集光するために用いられる。ここで、通常、集光光学系は、レンズの後部端面に対して斜め方向からレーザビームが入射するように配置される。しかしながら、そのように集光光学系が配置されている場合に、光ファイバをレンズに押し込むと、光ファイバによって影が生じてしまい、影の向こう側が加熱されなくなるおそれがある。そのため、複数の集光光学系を設けることにより、レンズの後部端面を複数の角度から均等に照射することが望ましい。
次に本発明の第2の実施形態に係る光部品の製造装置について、図8を参照しながら説明する。図8に示す光部品の製造装置は、1つのレンズに対して複数の光ファイバが接続されている多芯ファイバコリメータを製造するための装置である。なお、本実施形態においては2芯ファイバコリメータを製造する場合について説明する。
図1に示すファイバ保持具113及び反射光検出部130の替わりに、ファイバ保持具213及び反射光検出部230をそれぞれ有している。その他の構成については、図1に示す光部品の製造装置と同様である。
ファイバ保持具213には、レンズ21に接続される2本の光ファイバ22a及び22bを密着させて、又は、所定の間隔で保持するためのV溝又はU溝が形成されている。
図9は、図8に示す反射光検出部230の構成を説明するための図である。
反射光検出部230は、レーザダイオード(LD)光源231と、光検出器232と、増幅回路233とを含んでいる。LD光源231から出射した光(信号光)は、出射側の光ファイバ22aを通って、レンズ21に入射する。この光は、レンズ21によってコリメートされて出射し、高反射ミラー23によって反射され、再びレンズ21に戻り、集光されて入射側の光ファイバ22bに入射する。さらに、この戻り光は、光ファイバ22bを通って光検出器232に入射する。光検出器232は、戻り光の強度を検出しており、光検出器232から出力された検出信号は、増幅回路233によって増幅されて、システム制御部100(図8)に出力される。
次に、本発明の第2の実施形態に係る光部品の製造方法について、図3、図8、及び、図10を参照しながら説明する。図10は、図8に示す光部品の製造装置の動作を説明するための図である。
まず、光部品の製造装置を動作させる前の準備として、図8に示すように、レンズ21をレンズ保持具111にセットすると共に、2本の光ファイバ22a及び22bの先端を合わせてファイバ保持具213にセットし、レンズ21と光ファイバ22a及び22bとの間の距離を粗調整する。
次に、図3の工程S1において、先に図9を参照しながら説明したように、光ファイバ22aに信号光を入射すると共に、光ファイバ22bから出射した戻り光をモニタしながら可動ステージ114を3次元的に走査することにより、光軸調整を行う。
次に、工程S2において、図10の(a)に示すように、アーク放電により放電プラズマ3を生成することにより、レンズ21の後部端面21aを加熱して軟化すると共に、2本の光ファイバ22a及び22bの先端部を加熱する。
工程S3において、レンズ21の後部端面21aに、2本の光ファイバ22a及び22bの先端部を所定の深さまで押し込み、工程S4において、2本の光ファイバ22a及び22bを、最終的にレンズ21の光学焦点位置まで引き戻す。それにより、図10の(b)に示すように、レンズの軟化したガラス部材が、光ファイバ22a及び22bと共に、レンズ21の後部端面21aの外側まで引き出される。さらに、工程S5において、アーク放電を停止してレンズ21並びに光ファイバ22a及び22bを自然冷却する。それにより、レンズ21と光ファイバ22a及び22bとが固定されて、2芯ファイバコリメータが完成する。
なお、工程S3における光ファイバの押し込み量、及び、工程S4における光ファイバの引き戻し量の算出方法、又は、引き戻し後の光ファイバの位置決定方法については、本発明の第1の実施形態において説明したのと同様である。
次に、本発明の第3の実施形態に係る光部品の製造装置について、図11を参照しながら説明する。図11に示す光部品の製造装置は、対向する2つのファイバコリメータの間に、半透明ミラーや波長選択ミラー等の光部品が配置された対向モジュールを製造するための装置である。このような対向モジュールは、光分岐や、光結合や、波長分岐(WDW)等の機能を有している。本実施形態においては、光源から出射した1.3μm及び1.55μmの2つの波長成分を含む光に対して、波長選択ミラー(波長フィルタ)により1.3μmの波長成分を反射し、1.55μmの波長成分を透過する対向モジュールを製造する。
図11に示す光部品の製造装置は、システム制御部300と、ステージ制御部310と、アーク放電電源320と、保持具311と、ファイバ保持具312及び可動ステージ313(図の右側)と、ファイバ保持具314及び可動ステージ315(図の左側)と、アーク電極321及びアーク電極保持具322(図の右側)と、アーク電極323及びアーク電極保持具324(図の左側)と、光源330と、光検出器331及び332とを有している。また、本実施形態に係る光部品の製造装置は、位置観察部340及び341並びにモニタ342をさらに含んでも良い。
システム制御部300は、図11に示す光部品の製造装置全体の動作、即ち、光部品を製造するための一連の融着作業を制御する。
保持具311は、加工対象であるレンズ31及び32並びに波長フィルタ33をそれぞれ保持する複数のV溝部品によって形成されたブロック30を保持するための治具である。或いは、ブロック30を、円筒型部品やU字型部品等によって形成しても良い。
ここで、V溝部品のブロック30は、アーク放電の妨げとならないように、絶縁材料によって形成されていることが望ましい。また、V溝部品のブロック30がアーク電極321及び323の配置の妨げとならないように、V溝部品の長さを調節したり、V溝部品のブロック30に、アーク電極を挿入するための穴や切り欠きを設けることにより、V溝部品のブロック30の形状を工夫することが必要である。
ファイバ保持具312は、レンズ31に接続される2本の光ファイバ34a及び34bを保持している。また、ファイバ保持具314は、レンズ32に接続される光ファイバ35を保持している。さらに、可動ステージ313及び315は、ステージ制御部310の制御の下で、ファイバ保持具312及び314をそれぞれ3次元的に移動させる。
アーク電極321及び323は、各々がプラスマイナス一対の電極によって構成されており、システム制御部300の制御の下で動作するアーク放電電源320から電源を供給されることにより、アーク放電を生じさせる。アーク電極保持具322及び324は、アーク電極321及び323をそれぞれ固定する治具である。
光源330は、複数の部品の間における光軸調整を行うために用いられる信号光を出射して光ファイバ34aに伝搬させる。また、光検出器331は、光ファイバ34bから伝搬した戻り光の強度を検出する。さらに、光検出器332は、光ファイバ35から伝搬した光の強度を検出する。光検出器331及び332から出力された検出信号は、システム制御部300に入力される。
位置観察部340は、レンズ31と光ファイバ34a及び34bとの接合部分を観察するための撮像装置である。また、位置観察部341は、レンズ32と光ファイバ35との接合部分を観察するための撮像装置である。さらに、モニタ342は、位置観察部341及び342によって撮像された画像を表示する。
次に、本実施形態に係る光部品の製造方法について、図12を参照しながら説明する。図12は、図11に示す光部品の製造装置の動作を示すフローチャートである。
まず、光部品の製造装置を動作させる前の準備として、V溝部品によって保持されたレンズ31及び32並びに波長フィルタ33を用意し、それらをV溝部品上で整列して接着や溶接によって固定することにより、V溝部品のブロック30を作製する。そして、V溝部品のブロック30を保持具311上にセットする。また、光ファイバ34a及び34bをファイバ保持具312に配置すると共に、光ファイバ35をファイバ保持具314に配置する。
次に、図12の工程S11において、右側の光部品について光軸調整を行う。即ち、光源330から出射した信号光を、光ファイバ34a及びレンズ31を介して波長フィルタ33に入射させる。その結果、波長フィルタによって、信号光に含まれる1.3μmの波長成分を有する光が反射される。この反射光は、レンズ31を介して光ファイバ34bに戻ってくるので、この戻り光の強度を光検出器331によって検出する。そして、戻り光の強度をモニタしながら可動ステージを3次元的に走査することにより、戻り光の検出信号の強度が最大となるような光ファイバ34a及び34bの位置を求める。
次に、工程S12において、工程S11において光軸調整されたレンズ31と光ファイバ34a及び34bとを融着する。この融着は、本発明の第2の実施形態において説明したのと同様に、アーク放電により加熱して軟化させたレンズ31の後部端面に、光ファイバ34a及び34bの先端部を所定の深さまで押し込んだ後で、光ファイバ34a及び34bを、最終的にレンズ31の光学焦点位置まで引き戻して自然冷却させることにより行う。
次に、工程S13において、左側の光部品の光軸調整を行う。ここで、光源330から出射した光の内で、1.55μmの波長成分を有する光は、波長フィルタ33を通過して、レンズ32により光ファイバ35の方向に集光される。そこで、この集光光の強度を光検出器332によってモニタしながら可動ステージ315を3次元的に走査することにより、集光光の検出信号の強度が最大となるような光ファイバ35の位置を求める。
次に、工程S14において、工程S13において光軸調整されたレンズ32と光ファイバ35とを融着する。この融着は、本発明の第1の実施形態において説明したのと同様に、アーク放電により加熱して軟化させたレンズ32の後部端面に、光ファイバ35の先端部を所定の深さまで押し込んだ後で、光ファイバ35を、最終的にレンズ32の光学焦点位置まで引き戻して自然冷却させることにより行う。これにより、対向モジュールが完成する。
以上説明した本発明の第3の実施形態においても、本発明の第1の実施形態と同様に、レンズの後部端面を加熱する加熱手段として、レーザ光源と集光光学系との組み合わせや、マイクロトーチ炎等を用いることができる。
次に、本発明の第4の実施形態に係る光部品の製造方法について説明する。本実施形態においては、比較的大きな口径を有するファイバコリメータを製造する。
ここで、大口径のファイバコリメータを製造する場合には、本発明の第1〜3の実施形態におけるのと同様のアーク放電方式によってレンズの端面を軟化させることは困難となる。例えば、図13の(a)に示すように、光ファイバ40が接合されるレンズ41の直径が大きくなるため、アーク電極121がレンズ41の端部に接触してしまう等の配置上の問題が生じる。また、そのような接触を避けるために、アーク電極121をレンズ41から離すと、放電プラズマによって加熱される領域が狭くなるので、光ファイバ40が挿入される領域を十分に溶融させることができない。或いは、アーク電極121の間隔を離して配置することも考えられるが、その場合には、アーク放電の強度を高くしなければならず、また、レンズ41の必要以上の領域を溶融させることになるので、現実的ではない。そこで本実施形態においては、そのような問題を解決するために、以下の2つの方法を用いている。
(1)大口径コリメータレンズの後部端面を小さく絞る方法
図13の(b)に示すように、レンズ42の後部に段差を設けたり、図13の(c)に示すように、レンズ43の後部を斜めに削ることにより、光ファイバ40が接合される端面の面積を小さくする。それにより、加熱対象領域(溶融領域)を狭くできるので、アーク放電方式により端面を十分に軟化させることができる。この場合に、レンズ42及び43の後部端面42a及び43aの直径又は投影長の最短部は、光ファイバ40の直径の少なくとも1.5倍以上、望ましくは2倍以上であって、20倍未満であることが好ましい。
(2)筒状又は錐状に成形されたガラス部品を介して光ファイバと接合する方法
図14の(a)に示すように、グリンレンズ(勾配屈折率レンズ)50の後部端面に、その後部端面よりも小さい直径を有し、且つ、低融点ガラスによって形成されている筒状又は錐状のガラス部品52を、接着剤53等を用いて接合する。そして、このガラス部品52の後部端面52aを加熱し、ガラス部品52に対して光ファイバ51の押し込み及び引き戻しを行うことにより、図14の(b)に示すように両者を接合する。この場合に、図14の(a)に示すように、グリンレンズ50の空間焦点位置Pは、接着剤53及びガラス部品52を経て、後部端面52aの後方に形成されるようにすると共に、図14の(b)に示すように、ガラス部品52の内部に形成される光学焦点位置Pに入射端が配置されるように光ファイバ51を引き戻す。
ガラス部品52の後部端面52aの投影長の最短部は、接合される光ファイバ51の直径の概略1.5倍以上、望ましくは、2倍以上であって、20倍未満であることが好ましい。また、ガラス部品52の形状として求められる条件は、アーク放電に適した形状、即ち、アーク電極121の配置を妨げることなく、放電プラズマ3と広い範囲で接することができる形状を有し、且つ、光ファイバの押し込み及び引き戻し工程において、ガラス部品52に光学的歪みをもたらすようなの大きな形状の変化を伴わないということである。従って、ガラス部品52としては、円筒形状や円錐台形状を用いることが最も適切であると考えられるが、その他にも、多角柱、楕円柱、多角錘、楕円錘等、上記の条件を満たす形状であれば様々な形状を用いることができる。
次に、本発明の第1〜第4の実施形態に係る光部品の製造装置の変形例について説明する。ここで、これらの実施形態においては、光部品を1つずつ製造する場合について説明したが、レンズ保持具やアーク電極保持具等の一部の部品を交換することにより、連続して、又は、同時に複数の光部品を製造することも可能である。
例えば、図15に示すように、複数のレンズLS、LS、…、LSを並べて配置する。そして、アーク電極401及び402によりプラズマを発生させながら、それらの電極401及び402を図に示す矢印の方向に移動させて、レンズLS〜LSの端面の軟化と、光ファイバFB、FB、…の押し込み及び引き戻しとを含む融着動作を順次行う。図15には、レンズLSに対する光ファイバFBの融着が終了し、レンズLSに対する融着動作を行っている様子が示されている。
この変形例によれば、多数の光部品を効率良く製造することが可能となる。
或いは、図16に示すように、複数のレンズLS、LS、…、LSを並べて配置し、アーク電極411及び412によって生成されるプラズマがレンズLS〜LSの複数の端面(接合面)を覆うように、アーク電極411及び412を配置する。そして、プラズマを発生させることによりレンズLS〜LSの端面を溶融し、レンズLS〜LSのピッチに合わせて配置された複数の光ファイバFB〜FBをレンズLS〜LSに同時に押し込み、その後に引き戻すことにより、融着を行う。
この変形例によれば、短時間に多数の光部品を効率良く製造することが可能となる。
また、これらの変形例を、図11に示す対向モジュール用の光部品の製造装置に適用する場合には、1つの光部品に対して1枚の半透明ミラーや波長選択ミラー(波長フィルタ)33を用意するのではなく、複数の光部品に対して1枚の大型フィルタを用意すれば良い。即ち、複数組のレンズの間に1枚のフィルタを連続して配置し、光ファイバをレンズに融着した後でフィルタをカットする。その場合には、光部品の製造効率を向上できると共に、フィルタ枚数を削減できるので製造コストを低減できるという利点がある。
なお、これらの変形例において、複数のレンズや光ファイバを光部品の製造装置に配置する際には、例えば、複数のV溝又はU溝が形成されたレンズ保持具を用いれば良い。
以上説明した本発明の第1〜第4の実施形態においては、加工対象として、互いに融点が異なる材料によって形成された光部品(例えば、図1においては、低融点ガラスのレンズ11と、高融点ガラス又は石英の光ファイバ)が用いられている。しかしながら、それらの光部品を溶融結合させることができれば、必ずしも互いに融点の異なる材料を用いる必要はない。即ち、石英レンズと石英ファイバとを組み合わせて光部品を製造しても良いし、高融点ガラスのレンズとファイバ、又は、低融点ガラスのレンズとファイバとを組み合わせて光部品を製造しても良い。
以上説明した本発明の第1〜第4の実施形態によれば、従来の光部品の製造方法における問題を回避することができる。
即ち、第1に、上記の実施形態においては、ファイバコリメータにおけるレンズと光ファイバとの接合部分が、概略光ファイバの端面形状に沿ってレンズのガラス部材が引き出された形状となる。従って、ガラスに包み込まれた光ファイバの先端部が、ガラスの収縮により押さえ込まれて光ファイバが応力歪みを受けることがなくなるので、光ファイバの破損を防ぐことができる。
第2に、従来の方式においては、部品として、焦点がその内側に存在しているレンズを使用していたため、強度ピークの中心が広がった状態、即ち、ぼけた状態の戻り光に基づいて光軸調整を行っていた。そのため、XY平面内において光軸の中心を推定することしかできかった。また、Z軸については、融着前に焦点位置を確認することは不可能であった。しかしながら、焦点がその外側に存在するレンズを用いることにより、X軸、Y軸、及び、Z軸における結像位置を確認して、正確な光軸調整を行った上で、融着工程に着手することが可能となる。
第3に、焦点がその外側に存在するレンズを使用することにより、レンズの空間焦点位置とレンズの後部端面との間の距離を画像計測技術等を用いて実測することが可能となる。そのため、設計値だけでなく実測値に基づいて融着工程における光ファイバの引き出し量を算出することができるので、個々のレンズのバラツキに対応した精度の高い光部品を製造することが可能となる。
第4に、斜めカット光ファイバを用いる場合には、軟化したガラス部材に光ファイバを押し込む過程において、傾斜した光ファイバの端面がガラスから受ける反力により、光ファイバの先端のコアが光軸からずれてしまう。従来の融着方法においては、レンズに光ファイバを押し込んだ状態のまま自然冷却していたので、先端のコアが光軸に対してずれたままで固定されていた。しかしながら、本発明においては、光ファイバをレンズに一旦押し込んだ後で、光ファイバを逆方向に引き戻すので、その間に、光ファイバの光軸に対するコアのずれが元に戻る。従って、信頼性の高い光部品を製造することが可能となる。
また、以上説明した第1〜第4の実施形態においては、レンズと光ファイバとが接合されたファイバコリメータを製造する場合について説明したが、本発明は、それ以外にも、様々な光部品を製造する場合に適用することができる。例えば、プリズムと光ファイバとが接合された分波器を製造する場合や、レーザ光が入射する端面における端面破壊を防ぐために、光ファイバの端面にガラス等の緩衝層を接合する場合等が挙げられる。
なお、本発明の第1〜第3の実施形態においては、光ファイバの押し込み及び引き戻し工程における可動ステージの移動を全て自動制御によって行っているが、オペレータがレンズと光ファイバとの接合部分をモニタによって観察しながら、又は、レンズからの戻り光の強度を観察しながら、可動ステージをマニュアルで操作しても良い。
本発明は、光通信において光を伝送するために用いられる光部品において利用可能である。
本発明の第1の実施形態に係る光部品の製造装置の構成を示す模式図である。 空間焦点距離及び光学焦点距離を説明するための図である。 本発明の第1〜第3の実施形態に係る光部品の製造装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係る光部品の製造方法を説明するための図である。 図1に示す反射光検出部の構成を説明するための図である。 光ファイバ(可動ステージ)の移動量を説明するための図である。 光ファイバの先端位置と戻り光の強度と光ファイバの移動量との関係を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る光部品の製造装置の構成を示す模式図である。 図8に示す反射光検出部の構成を説明するための図である。 図8に示す光部品の製造装置の動作を説明するための図である。 本発明の第3の実施形態に係る光部品の製造装置の構成を示す模式図である。 本発明の第3の実施形態に係る光部品の製造装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の第4の実施形態に係る光部品の製造方法を説明するための図である。 本発明の第4の実施形態に係る光部品の製造方法を説明するための図である。 本発明の第1〜第4の実施形態に係る光部品の製造装置の第1の変形例を説明するための図である。 本発明の第1〜第4の実施形態に係る光部品の製造装置の第2の変形例を説明するための図である。 従来のファイバコリメータの製造方法を説明するための図である。 従来のファイバコリメータの別の製造方法を説明するための図である。 レンズに押し込まれた光ファイバにクラックが発生している様子を示す模式図である。 先端が斜めにカットされた光ファイバを軟化したガラスに押し込んだ様子を示す図である。
符号の説明
1、2、11、21、31、32、41、42、43、901、911、921、
LS〜LS レンズ
3 放電プラズマ
11a、21a、42a、43a 後部端面
12、22a、22b、34a、34b、35、40、51、902、912、922、
FB〜FB 光ファイバ
12a 先端面
12b 先端コア中心位置
13、23、906、913 高反射ミラー
33 波長選択ミラー(波長フィルタ)
50 グリンレンズ
52 ガラス部品
100、300 システム制御部
110、310 ステージ制御部
111 レンズ保持具
112、311 保持具
113、213、312、314 ファイバ保持具
114、313、315 可動ステージ
120、320 アーク放電電源
121、321、323、401、402、411、412、914 アーク電極
122、322、324 アーク電極保持具
130、230 反射光検出部
131、231 レーザダイオード(LD)電源
132 光結合器
133、232、331、332 光検出器
134、233 増幅回路
140、340、341 位置観察部
141、342 モニタ
330 光源
903 キャピラリー
904、905 接着剤
901a、911a、902a、912a、922a 端面
912b コア

Claims (23)

  1. 所定の軟化点を有する第1のガラスにより形成されている端面を有する第1の光部品と、前記第1の光部品の前記端面よりも小さい先端面を有し、第1のガラスよりも高い軟化点を有する第2のガラス又は石英により形成されている1つ又は複数の第2の光部品とを融着することにより、第3の光部品を製造する方法であって、
    前記第1の光部品の前記端面の加熱を開始することにより該端面を軟化させる工程(a)と、
    軟化した前記第1の光部品の前記端面に、前記第2の光部品の前記先端面を所定の量だけ押し込むことにより、前記第1の光部品と前記第2の光部品とを溶融結合させる工程(b)と、
    前記第2の光部品を所定の位置に引き戻すことにより、前記第2の光部品の前記先端面を前記第1の光部品の前記端面、又は、前記端面の外側に配置する工程(c)と、
    前記第1の光部品の端面の加熱を停止することにより、互いに溶融結合した前記第1の光部品と前記第2の光部品とを固定する工程(d)と、
    を具備する光部品の製造方法。
  2. ガラス又は石英により形成されている端面を有する第1の光部品と、前記第1の光部品の前記端面よりも小さい先端面を有し、ガラス又は石英により形成されている1つ又は複数の第2の光部品とを融着することにより、第3の光部品を製造する方法であって、
    前記第1の光部品の前記端面の加熱を開始することにより該端面を軟化させる工程(a)と、
    軟化した前記第1の光部品の前記端面に、前記第2の光部品の前記先端面を所定の量だけ押し込むことにより、前記第1の光部品と前記第2の光部品とを溶融結合させる工程(b)と、
    前記第2の光部品を所定の位置に引き戻すことにより、前記第2の光部品の前記先端面を前記第1の光部品の前記端面、又は、前記端面の外側に配置する工程(c)と、
    前記第1の光部品の端面の加熱を停止することにより、互いに溶融結合した前記第1の光部品と前記第2の光部品とを固定する工程(d)と、
    を具備する光部品の製造方法。
  3. 前記第1の光部品が、レンズであり、
    前記第2の光部品が、光ファイバである、
    請求項1又は2記載の光部品の製造方法。
  4. 前記第1の光部品の前記端面が、前記第2の光部品の直径の少なくとも1.5倍の投影長を有する請求項1〜3のいずれか1項記載の光部品の製造方法。
  5. 前記第1の光部品が、複数の部材によって構成されている複合部材であって、少なくとも前記端面を含む部材が前記第1のガラスによって形成されている、請求項1記載の光部品の製造方法。
  6. 前記第1の光部品の前記端面の面積が、前記第1の光部品における前記端面の反対側の面の面積以下であると共に、前記第2の光部品の前記先端面の面積の2倍以上である、請求項1〜5のいずれか1項記載の光部品の製造方法。
  7. 工程(a)が、アーク放電、レーザ光、又は、マイクロトーチ炎により、前記第1の光部品の前記端面を加熱することを含む、請求項1〜6のいずれか1項記載の光部品の製造方法。
  8. 工程(b)が、前記第1の光部品と前記第2の光部品との内の少なくとも一方に振動を与えながら、前記第1の光部品の前記端面に前記第2の光部品の前記先端面を押し込むことを含む、請求項1〜7のいずれか1項記載の光部品の製造方法。
  9. 工程(c)が、前記所定の位置を越える位置まで前記第2の光部品を引き戻し、その後で、前記所定の位置に前記第2の光部品を押し戻すことを含む、請求項1〜8のいずれか1項記載の光部品の製造方法。
  10. 工程(a)に先立って、前記第1の光部品と前記第2の光部品との間における光軸調整を行う工程(a')をさらに具備する請求項1〜9のいずれか1項記載の光部品の製造方法。
  11. 前記第1の光部品が、焦点が前記端面の外側に存在するレンズであり、
    工程(a')が、前記第1の光部品の焦点に基づいて光軸調整を行うことを含み、
    工程(c)が、前記第1の光部品の焦点に基づいて算出される量に基づいて、前記第2の光部品を引き戻すことを含む、
    請求項10記載の光部品の製造方法。
  12. 前記第1の光部品の前記端面と工程(a')において用いられた前記第1の光部品との焦点との間の距離がLであり、前記第1の光部品における前記端面を含む部材の屈性率がnであり、空気又は真空の屈折率がnである場合に、
    工程(c)が、前記第2の光部品の前記先端面が前記第1の光部品の焦点位置からL×{(n/n)−1}だけ離れた位置に配置されるように、前記第2の光部品を引き戻すことを含む、請求項11記載の光部品の製造方法。
  13. 工程(c)が、前記第2の光部品を介して前記第1の光部品の前記端面に入射すると共に、前記第1の光部品の前記端面から出射して前記第2の光部品に入射した光の強度をモニタすることにより、該光の強度が最大となる位置に前記第2の光部品の前記先端面を配置することを含む、
    請求項1〜12のいずれか1項記載の光部品の製造方法。
  14. 所定の軟化点を有する第1のガラスによって形成されている端面を有する第1の光部品と、前記第1の光部品の前記端面よりも小さい先端面を有し、第1のガラスよりも高い軟化点を有する第2のガラス又は石英によって形成されている1つ又は複数の第2の光部品とを融着することにより、第3の光部品を製造するための装置であって、
    前記第1の光部品を保持する第1の保持手段と、
    前記第2の光部品を保持する第2の保持手段と、
    前記第1の光部品の前記端面を加熱する加熱手段と、
    前記第1の保持手段と前記第2の保持手段との内の少なくとも一方を戴置して移動することにより、前記第2の光部品を前記第1の光部品に対して相対的に所定の位置に配置する位置調節手段と、
    前記加熱手段によって加熱されることにより軟化した前記第1の光部品の前記端面に、前記第2の光部品の前記先端面を所定の量だけ押し込むことにより、前記第1の光部品と前記第2の光部品とを溶融結合させ、その後で、前記第2の光部品を所定の位置に引き戻すことにより、前記第2の光部品の前記先端面を前記第1の光部品の前記端面、又は、前記端面の外側に配置するように、少なくとも前記位置調節手段を制御する制御手段と、
    を具備する光部品の製造装置。
  15. ガラス又は石英によって形成されている端面を有する第1の光部品と、前記第1の光部品の前記端面よりも小さい先端面を有し、ガラス又は石英によって形成されている1つ又は複数の第2の光部品とを融着することにより、第3の光部品を製造するための装置であって、
    前記第1の光部品を保持する第1の保持手段と、
    前記第2の光部品を保持する第2の保持手段と、
    前記第1の光部品の前記端面を加熱する加熱手段と、
    前記第1の保持手段と前記第2の保持手段との内の少なくとも一方を戴置して移動することにより、前記第2の光部品を前記第1の光部品に対して相対的に所定の位置に配置する位置調節手段と、
    前記加熱手段によって加熱されることにより軟化した前記第1の光部品の前記端面に、前記第2の光部品の前記先端面を所定の量だけ押し込むことにより、前記第1の光部品と前記第2の光部品とを溶融結合させ、その後で、前記第2の光部品を所定の位置に引き戻すことにより、前記第2の光部品の前記先端面を前記第1の光部品の前記端面、又は、前記端面の外側に配置するように、少なくとも前記位置調節手段を制御する制御手段と、
    を具備する光部品の製造装置。
  16. 前記制御手段が、前記所定の位置を越える位置まで前記第2の光部品を引き戻し、その後で、前記所定の位置に前記第2の光部品を押し戻すように、前記位置調節手段を制御する、請求項14又は15記載の光部品の製造装置。
  17. 前記制御手段が、前記第2の光部品が所定の位置に配置された後で、前記第1の光部品の前記端面の加熱を停止するように、前記加熱手段を制御する、請求項14〜16のいずれか1項記載の光部品の製造装置。
  18. 前記第1の光部品と前記第2の光部品との内の少なくとも一方に振動を与える手段をさらに具備する請求項14〜17のいずれか1項記載の光部品の製造装置。
  19. 前記第2の光部品を介して前記第1の光部品の前記端面に入射る光を発生する光源と、
    前記第1の光部品の前記端面から出射して前記第2の光部品に入射した光の強度を検出する検出手段と、
    をさらに具備する14〜18のいずれか1項記載の光部品の製造装置。
  20. 所定の軟化点を有する第1のガラスによって形成されている端面を有する第1の光部品と、
    前記第1の光部品の前記端面よりも小さい先端面を有し、第1のガラスよりも高い軟化点を有する第2のガラス又は石英によって形成されている1つ又は複数の第2の光部品であって、加熱されることにより軟化した前記第1の光部品の前記端面に押し込まれた後で、前記先端面が前記第1の光部品の前記端面、又は、前記端面の外側に位置するように、押し込まれた方向と反対方向に引き戻された状態で前記第1の光部品と接合された前記1つ又は複数の第2の光部品と、
    を具備する光部品。
  21. ガラス又は石英によって形成されている端面を有する第1の光部品と、
    前記第1の光部品の前記端面よりも小さい先端面を有し、ガラス又は石英によって形成されている1つ又は複数の第2の光部品であって、加熱されることにより軟化した前記第1の光部品の前記端面に押し込まれた後で、前記先端面が前記第1の光部品の前記端面、又は、前記端面の外側に位置するように、押し込まれた方向と反対方向に引き戻された状態で前記第1の光部品と接合された前記1つ又は複数の第2の光部品と、
    を具備する光部品。
  22. 前記第1の光部品が、前記第2の光部品が接合される前の状態において、焦点が前記端面の外側に形成されるように設計されたレンズである、請求項20又は21記載の光部品。
  23. 前記第1の光部品が、複数の部材によって構成されている複合部材であって、少なくとも前記端面を含む部材が前記第1のガラスによって形成されている、請求項20記載の光部品。
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