JP4729027B2 - 車体フレーム構造 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車の車体フレーム構造に関するものである。
従来、インナパネルとアウタパネルとを有する車体フレーム構造の剛性を向上させるために、インナパネルとアウタパネルで形成される閉断面内にバルクヘッド(隔壁)を配置することが広く行われている。ここで、図4は、従来例に係る車体フレーム構造を示す図であり、(a)は、従来例に係る車体フレーム構造が採用される車両の概略構造を示す部分拡大斜視図、(b)は、(a)のIV−IV線矢視拡大断面図であって、一の従来例に係る車体フレーム構造を示す概念図、(c)もまた、(a)のIV−IV線矢視拡大断面図であり、他の従来例に係る車体フレーム構造に衝突荷重が入力された様子を示す概念図である。
図4(a)に示す車体フレーム構造100は、インナパネル111とアウタパネル112を仕切るスチフナー113と、インナパネル111とスチフナー113とにより形成される閉断面S110内に配置されるバルクヘッド115と、を備えて構成される。ここで、バルクヘッド115は、閉断面S110と略同じ寸法で形成され、インナパネル111とスチフナー113の壁面に溶接により複数箇所(図4()に示す溶接箇所W)固定されている。このような車体フレーム構造100によれば、バルクヘッド115を備えるため、衝突荷重が入力された場合に、車体フレーム構造100の変形が抑制される。したがって、車体フレーム構造100の強度剛性を向上することができる。
しかし一方で、図4()に示す車体フレーム構造100においては、バルクヘッド115は、閉断面S110と略同じ寸法で形成されているため、車両の重量が重くなってしまう。また、インナパネル111とスチフナー113の壁面にバルクヘッド115を溶接固定すると、溶接点数の増加、及び、溶接作業の複雑化を招くという問題がある。そこで、図4()に示す車体フレーム構造200のように、閉断面S220内に発泡硬化樹脂充填材250を配置する技術が開発された。
図4()に示すように、車体フレーム構造200は、インナパネル211と、アウタパネル212と、インナパネル211とアウタパネル212を仕切るスチフナー213と、インナパネル211とスチフナー213とにより形成される閉断面S210内に配置されるバルクヘッド215と、アウタパネル212とスチフナー213とにより形成される閉断面S220とバルクヘッド215との間に充填される発泡硬化樹脂充填材216と、を備えて構成される。このような車体フレーム構造200によれば、図4()に示す車体フレーム構造100に比較して、バルクヘッド215の寸法がバルクヘッド115よりも小さい分、重量を軽くすることができる。また、発泡硬化樹脂充填材216を充填することで、溶接作業を低減するとともに、外力が作用した場合に、衝撃を吸収する効果も得ることができる。
なお、車体フレームの内部に発泡樹脂を配置する技術として、特許文献1が開示されている。特許文献1には、インナパネルとアウタパネルとを有する車体フレーム構造において、インナパネルとアウタパネルで形成される閉断面に金属薄板からなる補強部材を介在させるとともに、補強部材とインナパネルとにより形成される閉断面内を、インサート材と発泡材とからなる遮断部材により遮断する技術が開示されている。
特開2005−238891号公報(請求項1、段落0019、同0020、図1)
しかしながら、図4(b)に示す車体フレーム構造200においては、発泡硬化樹脂充填材216は、接着面の剥離強度・せん断強度により、バルクヘッド215とインナパネル211の内壁面及びスチフナー213の内壁面とを接着保持しているため、図4(a)に示す車体フレーム構造100のように、バルクヘッド115とインナパネル111及びスチフナー113とを直接溶接した場合の溶接荷重に比較して、接合強度が低下してしまうという難点を有していた。このため、例えば、図4(c)に示す第1方向から、車体フレーム構造200にE方向から衝突荷重が入力され、衝突荷重が入力された方向と直角方向(F1,F2方向)に力が作用して、図4(c)中の破線で示すような変形が起こると、インナパネル211及びスチフナー213と発泡硬化樹脂充填材216とが比較的早い段階で剥離してしまうおそれがあり、バルクヘッド215の効果を十分に発揮することができない場合があった。したがって、インナパネル211とスチフナー213と発泡硬化樹脂充填材216とバルクヘッド215とが粘り強く一体的に変形して、より多くの衝撃を吸収することが望まれている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、インナパネルとスチフナーと発泡硬化樹脂充填材とバルクヘッドとの結合強度を向上させた車体フレーム構造を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、インナパネルとアウタパネルの間に配置されるスチフナーと、前記スチフナーと前記インナパネルとにより形成される第1の閉断面内に配置されるバルクヘッドと、前記第1の閉断面内に配置され、前記スチフナーの壁面と前記バルクヘッドとを接着する発泡硬化樹脂充填材と、を有する車体フレーム構造において、前記スチフナーは、衝突荷重が入力されたときに前記発泡硬化樹脂充填材から離れる方向に変形する第1の壁面と、この第1の壁面に対し直角方向に配置されている第2の壁面とにそれぞれ貫通孔を有し、当該貫通孔から前記スチフナーと前記アウタパネルとにより形成される第2の閉断面内に前記発泡硬化樹脂充填材をはみ出させてなるはみ出し部を設けたことを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、インナパネルとアウタパネルとの間に配置されたスチフナーには、衝突荷重が入力されたときに、前記発泡硬化樹脂充填材から離れる方向に変形する第1の壁面と、この第1の壁面に対し直角方向に配置されている第2の壁面とにそれぞれに貫通孔を有し、当該貫通孔から第2の閉断面内に発泡効果樹脂充填材をはみ出させてなるはみ出し部を備えている。このため、車体フレームに衝突荷重が入力されて、スチフナーが発泡硬化樹脂充填材から離れる方向に変形すると、はみ出し部がスチフナーの壁面に係合する。そして、発泡硬化樹脂充填材は、スチフナーとの結合状態を保ったまま、スチフナーの変形に追従して変形して、発泡硬化樹脂充填材の変形が限界を超えたところで破断する。このようにして、発泡硬化樹脂充填材とスチフナーとの接着強度に加えて、発泡硬化樹脂充填材(はみ出し部)自体の引っ張り強度及びせん断強度(発泡硬化樹脂充填材の破断強度)の分だけ、スチフナーと発泡硬化樹脂充填材との結合強度を向上させることができ、これにより、インナパネルとスチフナーと発泡硬化樹脂充填材とバルクヘッドとの結合強度を向上させることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の車体フレーム構造において、前記バルクヘッドは、一端側が前記インナパネルに溶接されることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、請求項2に記載の車体フレーム構造において、前記バルクヘッドは、平面視四角形状のプレート部材であり、前記発泡硬化樹脂充填材は、発泡する前の状態で、前記インナパネルに取り付けられるとともに、前記バルクヘッドの上下に配置されることを特徴とする。
さらに、請求項4に係る発明は、請求項3に記載の車体フレーム構造において、前記バルクヘッドは、前記一端側以外の他端がそれぞれ前記第1の壁面と前記第2の壁面とに近接配置されることを特徴とする。
またさらに、請求項5に係る発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の車体フレーム構造において、前記第1の壁面は、衝突荷重の入力方向と略平行に配置されていることを特徴とする。
請求項に係る発明によれば、スチフナーに衝突荷重が入力されると、衝突荷重の入力方向と略平行な第1の壁面が発泡硬化樹脂充填材から離れる方向(衝突荷重の入力方向と直交する方向)に変形する。かかる第1の壁面に貫通孔及びはみ出し部を形成することで、スチフナーと発泡硬化樹脂充填材との結合強度を、より向上させることができ、これにより、インナパネルとスチフナーと発泡硬化樹脂充填材とバルクヘッドとの結合強度を向上させることができる。
本発明に係る車体フレーム構造によれば、車体フレームに衝突荷重が入力されて、スチフナーが発泡硬化樹脂充填材から離れる方向に変形しても、発泡硬化樹脂充填材は、スチフナーとの結合状態を保ったまま、スチフナーの変形に追従して変形する。このようにして、インナパネルとスチフナーと発泡硬化樹脂充填材とバルクヘッドとの結合強度を向上させることができる。
また、貫通孔は、車体フレームに衝突荷重が入力されたときに、発泡硬化樹脂充填材から離れる方向に変形する面に形成されるので、スチフナーと発泡硬化樹脂充填材との結合強度を、より向上させることができ、これにより、インナパネルとスチフナーと発泡硬化樹脂充填材とバルクヘッドとの結合強度を向上させることができる。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。参照する図面において、図1(a)は、本実施形態に係る車体フレーム構造が採用される車両の概略構造を示す部分拡大斜視図、(b)は、(a)のI−I線矢視拡大断面図であって、本発明の車体フレーム構造を具現した車体フレームの一部分であるフロントピラーを示す図、(c)は、(b)のIII−III線矢視拡大断面図である。また、以下の説明において、方向を示すときは、運転者の前後左右上下を基準として説明する。
はじめに、本実施形態に係る車体フレーム構造1が適用される自動車Cの前部の概略構造について説明する。なお、自動車Cの前部の構造は左右対称であり、以下では、左側の構造について説明する。
図1(a)に示すように、自動車Cの車体の前部には、前部から延びるアッパーメンバ2が設けられ、このアッパーメンバ2の後方に、フロントピラー10が設けられている。
次に、本実施形態に係る車体フレーム構造1について説明する。
図1(b)に示すように、本実施形態に係る車体フレーム構造1は、インナパネル11とアウタパネル12との間に配置されるスチフナー13と、スチフナー13とインナパネル11とにより形成される閉断面S1(特許請求の範囲における「第1の閉断面」に相当する。)に配置されるバルクヘッド15と、閉断面S1内に配置され、スチフナー13の側壁13a,13bとバルクヘッド15とを接着する発泡硬化樹脂充填材16と、スチフナー13に設けた貫通孔14からスチフナー13とアウタパネル12とにより形成される閉断面S2(特許請求の範囲における「第2の閉断面」に相当する)内に発泡硬化樹脂充填材16をはみ出させてなるはみ出し部17と、を備えて構成される。本実施形態では、このような車体フレーム構造1の考え方を具現した車体フレームについて、その一部分であるフロントピラー10を例にとって説明する。
以下、各部を詳細に説明する。
インナパネル11およびアウタパネル12は、フロントピラー10の骨格となる部材である。インナパネル11の側壁11aと側壁11bとにより形成したへこみ部分と、アウタパネル12の側壁12aと側壁12bとにより形成したへこみ部分を対向させた状態で相互に接合されることで、内部に中空のボックス形状を形成している。
スチフナー13は、本実施形態においては、フロントピラー10を補強するための部材でありインナパネル11とアウタパネル12の間に配置されている。スチフナー13は、インナパネル11とともに閉断面S1を形成している。また、スチフナー13は、アウタパネル12とともに閉断面S2を形成している。スチフナー13は、インナパネル11とアウタパネル12の接合される両端部に接合されて、アウタパネル12の側壁12a,12bに沿うように配置されている。
また、スチフナー13は、インナパネル11とともに閉断面S1を形成する壁面13a,13bに、発泡硬化樹脂充填材16を閉断面S2内にはみ出させるための貫通孔14を有している(発泡硬化樹脂充填材16については、後記する。)。本実施形態において、貫通孔14は、衝突荷重が入力されるA方向(図2(b)参照)に対して略平行方向に配置されている側壁13a(特許請求の範囲における「第1の壁面」に相当)に2箇所および略直角方向に配置されている側壁13b(特許請求の範囲における「第2の壁面」に相当)に2箇所設けられている。つまり、スチフナー13の側壁13a,13bに少なくとも1箇所の貫通孔14が設けられている
バルクヘッド15は、本実施形態においては、フロントピラー10内を上下に仕切る隔壁部材であって、閉断面S1内に配置されている。バルクヘッド15は、閉断面S1よりもやや小さい寸法で形成された平面視四角形状の金属製のプレート部材である。また、図1(c)に示すように、バルクヘッド15は、一側部にフランジ15aを有している。フロントピラー10を組み立てる際には、フランジ15aをインナパネル11に密着させて配置し、フランジ15aとインナパネル11とを、例えば2箇所(図1(b)に示す溶接箇所W)溶接して相互に取り付けている。このように構成されたバルクヘッド15を、フロントピラー10内の上下方向に複数配置することが好ましい。このようなバルクヘッド15を備えることにより、フロントピラー10内に空間を形成しつつ、有効な剛性・強度を確保することができるため、フロントピラー10の強度を高めつつ軽量化することができる。
発泡硬化樹脂充填材16は、バルクヘッド15とインナパネル11とスチフナー13とを接着するための部材であり、図1(c)に破線で示すように、発泡する前の状態で、クリップ18によりインナパネル11の側壁11a(図1(b)参照)に取り付けられている。発泡硬化樹脂充填材16は、例えば、バルクヘッド15の上下に配置することができる。このような発泡硬化樹脂充填材16は、発泡して膨張し、バルクヘッド15の周囲を覆うようにして、バルクヘッド15とインナパネル11およびスチフナー13との間の隙間に充填される。なお、発泡硬化樹脂充填材16は、熱を加えることによって発泡するものであり、例えば、塗装時の熱処理で発泡させることができる。
このような発泡硬化樹脂充填材16としては、例えば、エポキシ樹脂系やウレタン樹脂系の発泡材を用いることが好ましい。なお、発泡硬化樹脂充填材16は、閉断面S2において、バルクヘッド15の周囲を覆うように充填されれば足りるものであるが、閉断面S2内の全体に充填させても良い。このようにすることで、車室内の遮音性を向上させることができる。
はみ出し部17は、前記のようにして発泡して膨張した発泡硬化樹脂充填材16を、スチフナー13に設けられた貫通孔14から閉断面S2内にはみ出させて硬化させることで形成される。
次に、本実施形態に係る車体フレーム構造1において、外力が前方から作用した場合について図面を参照して説明する。参照する図面において、図2(a)は、本実施形態に係る車体フレーム構造において、衝突荷重が入力される方向を示す図、(b)は、(a)のI´−I´線矢視拡大断面図であり、衝突荷重が入力されてフロントピラーが変形する様子を示す概念図である。
図2(a)に示すように、例えば、車両が正面衝突などに起因してタイヤTが後方に移動してフロントピラー10に衝突すると、フロントピラー10には、前方から後方に向かって衝突荷重が入力される。
フロントピラー10に衝突荷重が入力されると、図2(b)に示すように、衝突荷重が入力された側の側壁11b,12b,13bが後方に押されて、フロントピラー10内の閉断面S1,S2(図1(b)参照)が後方に向かって潰されていく。このとき、衝突荷重が入力されるA方向に対して略平行に配置されている側壁11a,12a,13aは、図2(b)に破線で示すように、左右方向(B1,B2方向)に膨らむように変形する。すなわち、側壁11a,12a,13aは、フロントピラー10の内部に配置されたバルクヘッド15(図1(b)参照)及び発泡硬化樹脂充填材16(図1(b)参照)から離れる方向に変形する。
このとき、スチフナー13の側壁13a側に形成されたはみ出し部17(図1(b)参照)は、側壁13aに係合しているので、側壁13aに追従して変形し、はみ出し部17の変形が限界を超えたところで破断する。
したがって、本実施形態に係る車体フレーム構造1によれば、インナパネル11とスチフナー13と発泡硬化樹脂充填材16の接着強度のみならず、発泡硬化樹脂充填材16(はみ出し部17)自体の引っ張り強度及びせん断強度(発泡硬化樹脂充填材16の破断強度)の分だけ、結合強度を向上させることができるので、インナパネル11とスチフナー13と発泡硬化樹脂充填材16とバルクヘッド15との結合強度を向上させることができる。したがって、より多くの衝撃を吸収することができる。
以上によれば、本実施形態における車体フレーム構造1において、以下の効果を得ることができる。
本実施形態に係る車体フレーム構造1によれば、衝突荷重が入力されると、スチフナー13の側壁13aに形成された貫通孔14から膨出形成されたはみ出し部17が側壁13aに係合して、側壁13aとの結合状態を保ったまま、側壁13aの変形に追従して変形して、はみ出し部17の変形が引っ張り強度の限界を超えたところで破断する。このようにして、発泡硬化樹脂充填材16とスチフナー13の側壁13aとの接着強度に加えて、発泡硬化樹脂充填材16(はみ出し部17)自体の引っ張り強度の分だけ側壁13aとの結合強度を向上させることができる。
また、前記したとおり、発泡硬化樹脂充填材16は、スチフナー13の側壁13aの変形に追従して変形するため、側壁13aに対し直角方向に配置されている側壁13bの面に沿う方向に変形(移動)することとなる。このとき、スチフナー13の側壁13bに形成された貫通孔14から膨出形成されたはみ出し部17がせん断される方向の力(せん断力)が加わり、はみ出し部17の変形がせん断強度の限界を超えたところで破断するので、はみ出し部17自体のせん断強度の分だけ、側壁13bと発泡硬化樹脂充填材16との結合強度を向上させることができる。
そして、従来技術(図4(c)参照)では、スチフナー213において、衝突荷重Eが入力される方向に対して略平行方向に配置され、発泡硬化樹脂充填材216から離れる方向に変形する第1の壁面と発泡硬化樹脂充填材216との剥離強度と、この第1の壁面に対し直角方向に配置されている第2の壁面と発泡硬化樹脂充填材216とのせん断強度と、によって発泡硬化樹脂充填材216とバルクヘッド215との結合強度が決まる。これに対し、本実施形態に係る車体フレーム構造1によれば、さらに、はみ出し部17自体の引っ張り強度と、はみ出し部17自体のせん断強度とによって結合強度が決まるため、インナパネル11と、スチフナー13と、発泡硬化樹脂充填材16と、バルクヘッド15と、の結合強度を向上させることができる。
また、スチフナー13とバルクヘッド15の間に発泡硬化樹脂充填材16を充填することで、バルクヘッド15を小型化して自動車Cを軽量化することができるとともに、衝突荷重が入力されたときの衝撃エネルギを効果的に吸収することができる。
さらに、はみ出し部17は、貫通孔14から発泡硬化樹脂充填材16をはみ出させることで形成することができるため、簡易な方法で、インナパネル11とスチフナー13と発泡硬化樹脂充填材16とバルクヘッド15との結合強度を向上させることができる。
以上、本実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、様々な形態で実施される。
前記実施形態では、バルクヘッド15を金属製としたが、これに限らず、軽量で、かつ強度的に優れたFRP(Fiber Reinforced Plastics;繊維強化プラスチックス)、例えば、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics;炭素繊維強化プラスチックス)を用いて製造しても良い。
前記実施形態では、本発明の車体フレーム構造1の考え方を具現した車体フレームについて、その一部分であるフロントピラー10を例にとって説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下、本発明の他の実施形態に係る車体フレーム構造1Aについて説明する。参照する図面において、図3は、本発明の車体フレーム構造を具現した車体フレームの一部分であるサイドフレームを示す図であって、(a)は、図1に示すII−II線矢視拡大断面図、(b)は、衝突荷重が入力されてサイドフレームが変形する様子を示す概念図である。
図3(a)に示すように、他の実施形態に係る車体フレーム構造1Aは、インナパネル21とアウタパネル22との間に配置されるスチフナー23と、スチフナー23とインナパネル21とにより形成される閉断面S10(特許請求の範囲における「第1の閉断面」に相当する。)に配置されるバルクヘッド25と、閉断面S10内に配置され、スチフナー23の壁面とバルクヘッド25とを接着する発泡硬化樹脂充填材26と、スチフナー23に設けた貫通孔24からスチフナー23とアウタパネル22とにより形成される閉断面S20(特許請求の範囲における「第2の閉断面」に相当する。)内に発泡硬化樹脂充填材26をはみ出させてなるはみ出し部27と、を備えて構成される。以下では、このような車体フレーム構造1Aの考え方を具現した車体フレームについて、その一部分であるサイドフレーム20を例にとって説明する。
インナパネル21とアウタパネル22は、この場合においては、サイドフレーム20の骨格となる部材であって、インナパネル21の側壁21aと側壁21bとにより形成したへこみ部分と、アウタパネル22の側壁22aと側壁22bとにより形成したへこみ部分を対向させた状態で相互に接合されることで、内部に中空のボックス形状を形成している。
スチフナー23は、この場合においては、サイドフレーム20を補強するための部材でありインナパネル21とアウタパネル22の間に配置されている。スチフナー23は、インナパネル21とともに閉断面S10を形成している。また、スチフナー23は、側壁23a(特許請求の範囲における「第2の壁面」に相当)および側壁23b(特許請求の範囲における「第1の壁面」に相当)に、発泡硬化樹脂充填材26を閉断面S20内にはみ出させるための貫通孔24を有している。
バルクヘッド25は、この場合においては、サイドフレーム20内を前後に仕切る隔壁部材であって、閉断面S10内に配置されている。
なお、他の実施の形態に係る車体フレーム構造1Aは、前記実施形態に係る車体フレーム構造1に対し、サイドフレーム20を例にとって説明している点で相違するが、各部材の構造、機能、取り付け方法などは、前記実施形態における車体フレーム構造1と同様であるため、その説明を省略し、重複する部材については同一の符号を付すものとする。
このように構成される車体フレーム構造1Aにおいても、前記実施形態に係る車体フレーム構造1と同様の作用を奏する。以下に説明する。
図3(a)に示すように、例えば、自動車Cに、他の自動車など(図示せず)が側面(C方向)から衝突すると、サイドフレーム20には、室外側から室内側に向かって衝突荷重が入力される。
サイドフレーム20に衝突荷重が入力されると、図3(b)に示すように、側壁22a,23aが室内側に押されて、サイドフレーム20内の閉断面S10,S20が室内側に向かって潰されていく。このとき、衝突荷重が入力されるC方向に対して略平行に配置されている側壁22b,23bは、図3(b)に破線で示すように、前後方向(D1,D2方向)に膨らむようにして変形する。すなわち、側壁22b,23bは、サイドフレーム20の内部に配置されたバルクヘッド25(図3(a)参照)及び発泡硬化樹脂充填材26(図3(a)参照)から離れる方向に変形する。
スチフナー23の側壁23b側に形成されたはみ出し部27は、側壁23bに係合しているので、側壁23bに追従して変形し、はみ出し部27(図3(a)参照)の変形が限界を超えたところで破断する。
したがって、他の実施の形態に係る車体フレーム構造1Aによれば、スチフナー23と発泡硬化樹脂充填材26の接着強度のみならず、発泡硬化樹脂充填材26(はみ出し部27)自体の引っ張り強度及びせん断強度(発泡硬化樹脂充填材26の破断強度)の分、結合強度を向上させることができる。このため、インナパネル21とスチフナー23と発泡硬化樹脂充填材26とバルクヘッド25との結合強度を向上させることができ、より多くの衝撃を吸収することができる。
(a)は、本実施形態に係る車体フレーム構造が採用される車両の概略構造を示す部分拡大斜視図、(b)は、(a)のI−I線矢視拡大断面図であって、本発明の車体フレーム構造を具現した車体フレームの一部分であるフロントピラーを示す図、(c)は、(b)のIII−III線矢視拡大断面図である。 (a)は、本実施形態に係る車体フレーム構造において、衝突荷重が入力される方向を示す図、(b)は、(a)のI´−I´線矢視拡大断面図であり、衝突荷重が入力されてフロントピラーが変形する様子を示す概念図である。 本発明の車体フレーム構造を具現した車体フレームの一部分であるサイドフレームを示す図であって、(a)は、図1に示すII−II線矢視拡大断面図、(b)は、衝突荷重が入力されて、サイドフレームが変形する様子を示す概念図である。 従来例に係る車体フレーム構造を示す図であり、(a)は、従来例に係る車体フレーム構造が採用される車両の概略構造を示す部分拡大斜視図、(b)は、(a)のIV−IV線矢視拡大断面図であって、一の従来例に係る車体フレーム構造を示す概念図、(c)もまた、(a)のIV−IV線矢視拡大断面図であり、他の従来例に係る車体フレーム構造に衝突荷重が入力された様子を示す概念図である。
符号の説明
1,1A 車体フレーム構造
10 フロントピラー
11,21,111,211 インナパネル
12,22,112,212 サイドパネル
13,23,113,213 スチフナー
14,24 貫通孔
15,25,115,215 バルクヘッド
16,26,216 発泡硬化樹脂充填材
17,27 はみ出し部
20 サイドフレーム

Claims (5)

  1. インナパネルとアウタパネルの間に配置されるスチフナーと、
    前記スチフナーと前記インナパネルとにより形成される第1の閉断面内に配置されるバルクヘッドと、
    前記第1の閉断面内に配置され、前記スチフナーの壁面と前記バルクヘッドとを接着する発泡硬化樹脂充填材と、を有する車体フレーム構造において、
    前記スチフナーは、衝突荷重が入力されたときに前記発泡硬化樹脂充填材から離れる方向に変形する第1の壁面と、この第1の壁面に対し直角方向に配置されている第2の壁面とにそれぞれ貫通孔を有し、
    当該貫通孔から前記スチフナーと前記アウタパネルとにより形成される第2の閉断面内に前記発泡硬化樹脂充填材をはみ出させてなるはみ出し部を設けた
    ことを特徴とする車体フレーム構造。
  2. 前記バルクヘッドは、一端側が前記インナパネルに溶接される
    ことを特徴とする請求項1に記載の車体フレーム構造。
  3. 前記バルクヘッドは、平面視四角形状のプレート部材であり、
    前記発泡硬化樹脂充填材は、発泡する前の状態で、前記インナパネルに取り付けられるとともに、前記バルクヘッドの上下に配置される
    ことを特徴とする請求項2に記載の車体フレーム構造。
  4. 前記バルクヘッドは、前記一端側以外の他端がそれぞれ前記第1の壁面と前記第2の壁面とに近接配置される
    ことを特徴とする請求項3に記載の車体フレーム構造。
  5. 前記第1の壁面は、衝突荷重の入力方向と略平行に配置されている
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の車体フレーム構造。
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