JP4728548B2 - 光学活性アミノアルコールの製造方法 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、光学活性医農薬合成中間体として有用な光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの製造方法、光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールと光学活性な有機酸との塩、その塩の製造方法、その塩を使用して光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを製造する方法、上記製造方法により得られる光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを光学活性医農薬合成中間体として使用する方法、及び上記製造方法により得られる光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを使用して光学活性医農薬を製造する方法に関する。
背景技術
光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの製造方法としては、光学活性2−メチル−4−アミノ酪酸を水素化リチウムアルミニウムで還元して合成する方法(J.Am.Chem.Soc.,81,4946−4951(1959))、あるいは、光学活性2−メチル−4−ニトロ酪酸のメチルエステルを水素化リチウムアルミニウムで還元して合成する方法が報告されている。(J.Plant Growth Regul.2(1),47−57(1983))
しかし、前者の方法は収率が低いという問題点を有しており、後者の方法では、原料として用いるニトロメタンの安全性および付加反応の収率が低く、工業的な生産法としては成立し難い。
一方、ラセミ体の4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの製造法としては、例えば、特開平8−291157号記載の方法で青酸とメタクリル酸メチルより3−シアノイソ酪酸メチルを得た後、適当な溶媒中でアルカリ金属水素化物を用いて還元すれば得られるが、本発明におけるようなラセミ体の4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの光学分割に関する報告はない。
光学活性有機酸(光学活性な光学分割剤)と低分子アミノアルコールとのジアステレオマー塩形成に関しては、光学活性マンデル酸と光学活性2−アミノ−1−ブタノールとの塩(US4260815A,US4259521A,EP518B1)、同マンデル酸と光学活性2−ベンジルアミノ−1−ブタノールとの塩(US4239912A)が公知であるが、これらのアミノアルコールはアミノ基が直接不斉炭素に結合するβ−アミノアルコールに関するものだけであり、本発明である4−アミノ−2−メチルブタン−1−オール、すなわち不斉炭素に直接アミノ基が結合していない本化合物に適用できるか否かは全く不明であった。
本発明の目的は、光学活性医農薬合成中間体として有用な光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの工業的に有利な製造方法を提供することである。
本発明の他の目的は、光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールと光学活性な光学分割剤とのジアステレオマー塩から、光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを工業的に有利に製造する方法、及び、光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールと光学活性な光学分割剤とのジアステレオマー塩から光学活性な光学分割剤を工業的に有利に回収する方法を提供することにある。
発明の開示
本発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意研究を重ねた結果、好ましくは溶媒の存在下、ラセミ体4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールに光学活性有機酸を作用させ、生じたジアステレオマー塩を母液より分離することにより、光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールが取得可能であることを見い出し、本発明を完成した。
更に、本発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意研究を重ねた結果、光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールと光学活性な光学分割剤とのジアステレオマー塩を溶媒及びアルカリと接触させて解塩し、固液分離することにより濾液より光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを高純度、高収率で取得可能であること、さらに、固液分離した光学分割剤のアルカリ塩を含む濾さいを溶媒及び酸と接触させ、晶析させた光学分割剤を固液分離することにより回収可能であることを見い出し、本発明を完成した。
更に、本発明者らは、光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールと光学活性な光学分割剤との塩をアルコール、水等の溶媒及びアルカリ金属アルコラート、アルカリ金属水酸化物等のアルカリと接触させて解塩し、アルコール、水等の溶媒を光学活性な光学分割剤のアルカリ塩(アルカリ金属塩)の溶解度が低いアルコールに置換し、光学活性な光学分割剤のアルカリ塩(アルカリ金属塩)と光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オール溶液を固液分離することにより光学活性な光学分割剤のアルカリ塩(アルカリ金属塩)を回収し、光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを取得可能であることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、ラセミ体の4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールに光学活性な有機酸を作用させ、生じたジアステレオマー塩を晶出させ、これを固液分離する、光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの製造方法である。
更に、本発明は、光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールと光学活性有機酸との塩に関する。
更に、本発明は、その塩の製造方法及びその塩を使用して光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを製造する方法に関する。
更に、本発明は、光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールと光学活性な光学分割剤とのジアステレオマー塩を、溶媒及びアルカリと接触させて解塩し、固液分離して得られる濾液より光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを得る、光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを製造する方法に関する。
更に、本発明は、上記方法で固液分離して得られる光学活性な光学分割剤のアルカリ塩を含む濾さいを溶媒及び酸と接触させ、晶析した光学活性な光学分割剤を固液分離して回収する、光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを製造する方法に関する。
更に、本発明は、光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールと光学活性な光学分割剤とのジアステレオマー塩を溶媒及びアルカリと接触させて解塩し、溶媒を光学活性な光学分割剤のアルカリ塩の溶解度が低いアルコールに置換し、光学活性な光学分割剤のアルカリ塩と光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オール溶液を固液分離して光学活性な光学分割剤のアルカリ塩を回収する、光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの製造方法に関する。
更に、本発明は、光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールと光学活性な光学分割剤とのジアステレオマー塩をアルコール及びアルカリ金属アルコラートと接触させて解塩し、アルコールを光学活性な光学分割剤のアルカリ金属塩の溶解度が低いアルコールに置換し、光学活性な光学分割剤のアルカリ金属塩と光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オール溶液を固液分離して光学活性な光学分割剤のアルカリ金属塩を回収する、光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの製造方法に関する。
更に、本発明は、光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールと光学活性な光学分割剤とのジアステレオマー塩を、水及び/またはアルコールとアルカリ金属水酸化物と接触させて解塩し、水及び/またはアルコールを光学活性な光学分割剤のアルカリ金属塩の溶解度が低いアルコールに置換し、光学活性な光学分割剤のアルカリ金属塩と光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オール溶液を固液分離して光学活性な光学分割剤のアルカリ金属塩を回収する、光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを製造する方法に関する。
更に、本発明は、光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの製造において使用された光学活性な光学分割剤を回収する方法、及び、その回収方法により回収された光学活性な光学分割剤を再使用して光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを製造する方法に関する。
更に、本発明は、上記製造方法により得られる光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを光学活性医農薬合成中間体として使用する方法、及び上記製造方法により得られる光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを使用して光学活性医農薬を製造する方法に関する。
発明を実施するための最良の形態
上記するところを骨子とする本発明において、光学分割の対象としている4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールが、その分子内に1級の水酸基とアミノ基が存在し、メチル基が結合する不斉炭素はアミノ基の結合する炭素とはγの位置に相当するという構造を取っているが、このような構造を持つアミノアルコールにおいても、光学活性有機酸(光学活性な光学分割剤)とジアステレオマー複合体を形成し、晶出し、塩として取得し得ること、この塩を溶媒及びアルカリと接触させ、固液分離して濾液より光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを取得できるという新たな知見を得たことにより、本発明は達成された。さらに、固液分離して得られる濾さいの光学活性な光学分割剤のアルカリ塩を溶媒及び酸と接触させ、固液分離して歩留まりよく光学分割剤を回収できるという新たな知見を得たことにより、本発明は達成された。
さらに、本発明は、光学活性な4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールと光学活性な光学分割剤の塩を、アルコール、水等の溶媒とアルカリ金属アルコラート、アルカリ金属水酸化物等のアルカリと接触させて解塩し、アルコール、水等の溶媒を光学活性な光学分割剤のアルカリ塩(アルカリ金属塩)の溶解度が低いアルコールに置換し、光学活性な光学分割剤のアルカリ塩(アルカリ金属塩)と光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オール溶液を固液分離することにより光学活性有機酸を回収し、光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを高収率で取得できるという新たな知見を得たことにより、達成された。
本発明で用いる光学活性有機酸としては、天然物由来もしくは合成品である各種光学分割剤が使用でき、R体、S体の両方が使用できる。好ましい例としては、一般式(1)で表される光学活性カルボン酸、光学活性スルホン酸または光学活性ホスホン酸が挙げられる。
Figure 0004728548
(式中、DはCOO、SO またはPOを示す。A、B、Cはそれぞれ水素、炭素数1から10の置換または無置換の直鎖または分岐状のアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、アシルオキシ基、または置換または無置換のアミノ基、フェニル基またはナフチル基を表す。上記アルキル基、アミノ基、フェニル基またはナフチル基の置換基は炭素数1から10の直鎖または分岐状のアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、水酸基、ニトロ基、ベンゾイル基、カルボキシル基、アシル基、メチルチオ基またはスルホン酸基である。しかし、A、B、C、(CH−DHは同一であることはない。nは1または0である。)
一般式(1)で表される光学活性カルボン酸、光学活性スルホン酸または光学活性ホスホン酸において、A、B、Cで表される炭素数1から10の直鎖または分岐状のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。ハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭素原子が挙げられる。アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられる。アシルオキシ基としては、アセチルオキシ基等が挙げられる。上記アルキル基、アミノ基、フェニル基、ナフチル基の置換基としては例えば、前述の炭素数1から10の直鎖または分岐状のアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、水酸基、ニトロ基、ベンゾイル基、カルボキシル基、アセチル基などのアシル基、メチルチオ基、スルホン酸基などを挙げることができる。
具体的な例として、光学活性カルボン酸としては、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、マンデル酸、ジベンゾイル酒石酸、シトラマリン酸、フェニル乳酸、パントテン酸、1,4−ベンゾジオキサン−2−カルボン酸などの光学活性ヒドロキシカルボン酸類とその誘導体、2−ブロモプロピオン酸、γ−カルボキシ−γ−ブチロラクトン、2−クロロブタン酸、2−メチルヘキサン酸、2−メチルデカン酸、2−メチルブタン酸、メンチロキシ酢酸、テトラヒドロフラン酸、2−フェニルブタン酸、2−フェニルプロピオン酸、2−フェニルコハク酸、光学活性N−置換アミノ酸、ピログルタミン酸、カンファー酸、N−アセチル−(D)−バリンなどが例示できる。
また,光学活性有機スルホン酸としては、10−カンファースルホン酸、フェニルエタンスルホン酸、α−ブロモカンファー−π−スルホン酸、3−エンドブロモカンファー−8−スルホン酸などが例示できる。光学活性有機ホスホン酸としては、1−アミノ−2−メチルプロピオニルホスホン酸などが例示できる。
上記一般式(1)で表わされる光学活性カルボン酸類の中でも好ましいものとしては、一般式(2)で表される光学活性2−アリール−2−置換酢酸が挙げられる。
Figure 0004728548
(Yは、炭素数1から10の直鎖または分岐状のアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基または水酸基を示す。Arは置換または無置換のフェニル基またはナフチル基を表す。置換基は、炭素数1から10の直鎖または分岐状のアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、水酸基、ニトロ基、ベンゾイル基、カルボキシル基、メチルチオ基またはスルホン酸基である。*は不斉炭素を表す。)
上記一般式(2)で表される光学活性2−アリール−2−置換酢酸において、Yで表される炭素数1から10の直鎖または分岐状のアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基の具体例としては前記一般式(1)において例示したものが挙げられる。Arとしては置換または無置換のフェニル基、ナフチル基が挙げられ、その置換基としては、前述の炭素数1から10の直鎖または分岐状のアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、スルホン酸基などを挙げることができる。
上記一般式(2)で表される光学活性2−アリール−2−置換酢酸の具体例としては、O−アセチルマンデル酸等が挙げられる。
上記一般式(2)で表される光学活性2−アリール−2−置換酢酸の特に好ましい例として下記一般式(3)で表される光学活性マンデル酸誘導体が挙げられる。
Figure 0004728548
(Zは、水素または炭素数1から10の直鎖または分岐状のアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、水酸基、ニトロ基、メチルチオ基またはベンゾイル基を示す。*は不斉炭素を表す。mは1〜5の整数であり、m≧2の時にZは同じでも異なっていてもよい。)
上記一般式(3)で表される光学活性マンデル酸誘導体において、Zで表される炭素数1から10の直鎖または分岐状のアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基の具体例としては前記一般式(1)において例示したものが挙げられる。ここでZは好ましくは水素、メチル基、エチル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メトキシ基、エトキシ基、水酸基、メチルチオ基またはニトロ基であり、より好ましくは水素、塩素原子またはニトロ基である。
上記一般式(3)で表される光学活性マンデル酸誘導体は、好ましくは、マンデル酸、2−クロロマンデル酸、3−クロロマンデル酸、4−クロロマンデル酸、2−ブロモマンデル酸、3−ブロモマンデル酸、4−ブロモマンデル酸、2−ヒドロキシマンデル酸、3−ヒドロキシマンデル酸、4−ヒドロキシマンデル酸、2−メチルマンデル酸、3−メチルマンデル酸、4−メチルマンデル酸、2−メトキシマンデル酸、3−メトキシマンデル酸、4−メトキシマンデル酸、2−ニトロマンデル酸、3−ニトロマンデル酸、4−ニトロマンデル酸、またはメチルチオマンデル酸であり、より好ましくは、マンデル酸、2−クロロマンデル酸、4−クロロマンデル酸、または4−ニトロマンデル酸である。
これらの光学活性マンデル酸誘導体の調製方法は任意であるが、例えば、特開平4−99496号、特開平4−222591号公報記載の方法で調製することができる。
本発明においてラセミ体の4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールに光学活性な有機酸を作用させる際に用いることができる溶媒は特に制限はないが、好ましくは、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、ブタノール等の各種アルコール類、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド等の含窒素溶媒、ジクロルメタン、ジクロルエタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素、またはこれらの混合溶媒が用いられる。さらに好ましくは、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、イソプロピルエーテル、アセトン、アセトニトリル、またはこれらの混合溶媒が用いられる。
本発明において溶媒中にてジアステレオマー塩を形成させる方法は任意である。例えば前記のような適当な溶媒に光学分割剤として使用する光学活性有機酸を溶解し、等モルの4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールのラセミ体を直接あるいは適当な溶媒に希釈して滴下してジアステレオマー塩を形成してもよく、また、この逆の順序で混合しても良い。混合温度は任意であるが、好ましくは0〜100℃、より好ましくは10〜80℃である。使用する光学活性有機酸と4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールのラセミ体のモル比は任意であるが、好ましくは0.2〜5、より好ましくは0.5〜2である。溶媒に溶解する場合、光学活性有機酸及び4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールのラセミ体の濃度は任意であるが、それぞれ、好ましくは0.1〜80(重量)%、より好ましくは1〜50(重量)%である。このようにして得られたジアステレオマー塩溶液は直接もしくは濃縮後、冷却し、結晶を析出させることができる。この際、種晶として光学純度の高いジアステレオマー塩の結晶を少量添加することにより、効率的に晶析させることも可能である。種晶の光学純度は高いことが望ましいが、添加量は溶質量の0.01〜1%程度で十分である。また、種晶を全く加えなくても過飽和状態にあればジアステレオマー塩の結晶化は自然に起こり、種晶を加えた場合と同様にジアステレオマー塩が析出し得る。結晶分離後の母液からは、濃縮等の操作により、対掌体4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの塩を回収することができる。したがって、任意の光学異性体を得ることが可能である。
このようにして得られたジアステレオマー塩は、前記のようなエタノール等の適当な溶媒を用いて再結晶することにより、より光学的に純粋なジアステレオマー塩とすることができる。このジアステレオマー塩を中和あるいはイオン交換樹脂処理等により、光学活性アミノアルコールを回収することができる。分割剤として用いた光学活性有機酸は回収再利用することができる。
本発明における光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールと光学活性有機酸(光学活性な光学分割剤)との塩の例としては、下記一般式(4)で表される光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールと光学活性カルボン酸、光学活性スルホン酸または光学活性ホスホン酸との塩が挙げられる。
Figure 0004728548
(式中、A,B,C,D及びnの定義及び具体例は一般式(1)におけるものと同じである。*は不斉炭素を表す。)
上記一般式(4)における光学活性カルボン酸、光学活性スルホン酸または光学活性ホスホン酸の具体例としては、前記一般式(1)において例示したものと同じものが挙げられる。
一般式(4)で表わされる上記塩の好ましいものとして、下記一般式(5)で表される光学活性2−アリール−2−置換酢酸と光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールとの塩が挙げられる。
Figure 0004728548
(式中、Ar及びYの定義及び具体例は一般式(2)と同じである。*は不斉炭素を表す。)
上記一般式(5)における光学活性2−アリール−2−置換酢酸の具体例としては、前記一般式(2)において例示したものと同じものが挙げられる。
さらに、一般式(4)で表わされる上記塩のより好ましいものとして、下記一般式(6)で表される光学活性マンデル酸誘導体と光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールとの塩が挙げられる。
Figure 0004728548
(式中、Zおよびmの定義及び具体例は、一般式(3)と同一である。)
上記一般式(6)における光学活性マンデル酸誘導体の具体例としては、前記一般式(3)において例示したものと同じものが挙げられる。
本発明の方法においては、上記のようにして得られたジアステレオマー塩を溶媒及びアルカリと接触させて解塩し、冷却後に固液分離して、濾液を濃縮、減圧蒸留等の操作により光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを得ることができる。
アルカリとしては、好ましくは、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属アルコラート、アルカリ土類金属アルコラート及びアンモニアが用いられ、より好ましくはアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アルコラートが用いられ、更により好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、及び、メタノール、エタノール等のアルコールとナトリウム、カリウム等とのアルコラートが用いられる。アルカリの使用量はジアステレオマー塩に対して好ましくは0.5〜3当量であり、より好ましくは、0.9〜1.1当量である。
ジアステレオマー塩と接触させる溶媒は特に制限されないが、好ましくは、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、ブタノール等の各種アルコール類、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メチルターシャリーブチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド等の含窒素溶媒、またはこれらの混合物が用いられる。より好ましくは、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、ブタノール等の各種アルコール類またはこれらの混合物を用いる。
接触方法としては、いかなる方法でも良いが、例えば溶媒中にジアステレオマー塩を加え、少なくともジアステレオマー塩の一部を溶解した状態で、攪拌下に粉粒体、懸濁液、あるいは溶液の状態でアルカリを加えることができる。温度は、通常、溶液の融点から沸点であり、好ましくは、30℃〜沸点である。溶媒の量は、分離した母液をリサイクルして使用し、出来るだけ少量を使用することができるが、好ましくは、ジアステレオマー塩の0.1倍量〜100倍量(重量)であり、より好ましくは、1倍量〜5倍量(重量)である。
光学活性な光学分割剤のアルカリ塩の晶析を進めるために、冷却と濃縮等の操作を行うことができる。冷却後の温度は、好ましくは、溶媒の融点から30℃であり、より好ましくは、0〜15℃である。有機酸のアルカリ塩と母液との固液分離は、いかなる方法でもよいが、例えば濾過または沈降により分離することができる。濾過では、遠心濾過、加圧濾過または真空濾過を用いることができる。固液分離で得られる濾さいを必要により溶剤で洗浄してもよい。
固液分離して得られる溶液を加熱し濃縮することにより、光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの高濃度溶液を得ることができる。濃縮は、通常、常圧あるいは減圧下、好ましくは30〜120℃にて行う。必要により単蒸留または精留して、高純度の光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを得ることができる。蒸留の条件は、特に限定されないが、好ましくは、1〜120Torrの真空下、50〜200℃、より好ましくは60〜150℃の温度にて行う。
上記の固液分離した濾さいを溶媒及び酸と接触させ、冷却した後に沈殿を固液分離することにより光学活性な光学分割剤を回収できる。
その際に使用する溶媒としては特に制限はないが、好ましくは、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、ブタノール等の各種アルコール類、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、またはこれらの混合物を用いる。より好ましくは、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、ブタノール等の各種アルコール類またはこれらの混合物を用いる。
酸としては、塩酸、硝酸または硫酸等の鉱酸が使用できる。溶媒が水の場合には、酸を添加した後のpHは、好ましくは3以下であり、より好ましくは、1〜2である。固液分離時の温度は、好ましくは40℃以下、より好ましくは0〜15℃である。
接触方法は、いかなる方法でもよいが、例えば、溶媒中に光学活性な光学分割剤のアルカリ塩を加え、少なくとも塩の一部を溶解し、攪拌下に酸を加えることができる。温度は、通常、溶液の融点から沸点であり、好ましくは、30℃〜沸点である。溶媒の量は、分離した母液をリサイクルして使用し、出来るだけ少量を使用することができるが、好ましくは、光学活性な光学分割剤のアルカリ塩の0.1倍量〜100倍量(重量)であり、より好ましくは、1倍量〜5倍量(重量)である。光学活性な光学分割剤の晶析を進めるため、冷却と濃縮等の操作を行うことができる。冷却後の温度は、好ましくは、溶媒の融点から40℃であり、より好ましくは、0〜15℃である。
光学活性な光学分割剤と母液との固液分離は、いかなる方法でもよいが、例えば濾過または沈降により分離することができる。濾過では、遠心濾過、加圧濾過または真空濾過を用いることができる。固液分離で得られる濾さいを必要により溶剤で洗浄してもよい。
本発明の方法においては、光学活性な4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールと光学活性な光学分割剤とのジアステレオマー塩をアルコールなどの溶媒及びアルカリ金属アルコラートなどのアルカリと接触させて解塩し、アルコールなどの溶媒を光学活性な光学分割剤のアルカリ塩(アルカリ金属塩)の溶解度が低いアルコールに置換し、光学活性な光学分割剤のアルカリ塩(アルカリ金属塩)と光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オール溶液を固液分離することにより、光学活性な光学分割剤のアルカリ塩(アルカリ金属塩)の濃度が低い光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オール溶液を得ることができる。この溶液を濃縮または蒸留等の操作をすることにより高純度の光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを高収率で製造できる。
上記方法においてジアステレオマー塩と接触させる溶媒は前記の通り特に制限されないが、アルコール、特にメタノール、エタノール等を挙げることができる。光学活性な光学分割剤のアルカリ塩(アルカリ金属塩)の溶解度が低いアルコールとしてはイソプロピルアルコール、n−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール等を挙げることができる。
ジアステレオマー塩と接触させるアルカリとしては、前記と同じものが挙げられ、アルカリ金属アルコラートとしてはメタノール、エタノール等のアルコールとナトリウム、カリウム等とのアルコラートを挙げることができる。アルカリ金属アルコラートの使用量は、ジアステレオマー塩に対して、好ましくは0.5〜3当量であり、より好ましくは、0.9〜1.1当量である。
接触方法は、いかなる方法でもよいが、アルコール中にジアステレオマー塩を加え、塩の少なくとも一部を溶解し、攪拌下に粉粒体、懸濁液、あるいはアルコール溶液のアルカリ金属アルコラートを加えることができる。温度は、通常、溶液の融点から沸点であり、好ましくは、30℃〜沸点である。溶媒の量は、分離した母液をリサイクルして使用し、出来るだけ少量を使用することができるが、好ましくは、ジアステレオマー塩の0.1倍量〜100倍量(重量)であり、より好ましくは、1倍量〜5倍量(重量)である。
光学活性な光学分割剤のアルカリ金属塩の晶析を進めるため、冷却、濃縮および溶解度の低い溶媒への置換等の操作を行うことができる。冷却後の温度は、好ましくは、溶媒の融点〜30℃であり、より好ましくは、0℃〜15℃である。置換濃縮を行うこともでき、この置換濃縮とは、濃縮を行いながら、有機酸(光学分割剤)のアルカリ塩の溶解度の低い溶媒を添加することにより、溶媒を置換し有機酸のアルカリ塩の晶析を進めることである。
光学活性な光学分割剤のアルカリ金属塩と母液との固液分離は、いかなる方法でもよいが、例えば濾過または沈降により分離することができる。濾過では、遠心濾過、加圧濾過または真空濾過を用いることができる。固液分離で得られる濾さいを必要により溶剤で洗浄してもよい。固液分離して得られる溶液を加熱し濃縮することにより、光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの高濃度溶液を得ることができる。濃縮は、通常、常圧あるいは減圧下、好ましくは30〜120℃にて行う。必要により単蒸留または精留して、高純度の光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを得ることができる。蒸留は、好ましくは、1〜120Torrの真空下、温度50〜200℃、より好ましくは60〜150℃にて行う。
このようにして得られた光学活性な光学分割剤のアルカリ塩(アルカリ金属塩)を、上記と同様の方法により溶媒および酸と接触させて沈殿を固液分離することなどにより、光学活性な光学分割剤を回収することができる。
本発明の方法では、光学活性な4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールと光学活性な光学分割剤のジアステレオマー塩を水及び/またはアルコールとアルカリ金属水酸化物と接触させて解塩し、水及び/またはアルコールを光学活性な光学分割剤のアルカリ金属塩の溶解度が低いブタノール等のアルコールに置換し、光学活性な光学分割剤のアルカリ金属塩と光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オール溶液を固液分離することにより、光学活性な光学分割剤のアルカリ金属塩の濃度が低い光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オール溶液を得ることができる。得られた溶液は濃縮、蒸留等の操作により高純度の光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを高収率で製造できる。
上記方法においてジアステレオマー塩と接触させるアルコールとしては、前記と同じものが挙げられるが、特にメタノール、エタノール等を挙げることができる。光学活性な光学分割剤のアルカリ金属塩の溶解度が低いアルコールとしては、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール等を挙げることができる。
アルカリ金属水酸化物としては、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムが用いられ、より好ましくは水酸化ナトリウムが用いられる。アルカリ金属水酸化物の使用量はジアステレオマー塩に対して、好ましくは0.5〜3当量であり、より好ましくは、0.9〜1.1当量である。
接触方法は、いかなる方法でもよいが、溶媒中にジアステレオマー塩を加え、塩の少なくとも一部を溶解し、攪拌下に粉粒体、懸濁液、あるいは溶液のアルカリ金属水酸化物を加えることができる。温度は、通常、溶液の融点から沸点であり、好ましくは、30℃〜沸点である。溶媒の量は、分離した母液をリサイクルして使用し、出来るだけ少量を使用することができるが、好ましくは、ジアステレオマー塩の0.1倍量〜100倍量(重量)であり、より好ましくは、1倍量〜5倍量(重量)である。
光学活性な光学分割剤のアルカリ金属塩の晶析を進めるため、冷却、濃縮および溶解度の低い溶媒への置換等の操作を行うことができる。濃縮は、通常、常圧ないし減圧下に加熱して、好ましくは30〜120℃にて行う。必要により冷却することができ、冷却後の温度は、好ましくは、溶媒の融点〜30℃であり、より好ましくは、0℃〜15℃である。
水及び/またはアルコールを溶解度の低い溶媒へ置換する等の操作を行うことにより、光学分割剤のアルカリ金属塩の晶析を進めることが出来る。溶解度の低い溶媒へ置換するには、濃縮を行いながら、光学活性な光学分割剤のアルカリ金属塩の溶解度の低い溶媒を添加することによる置換濃縮や濃縮後に溶解度の低い溶媒を添加する方法等を行うことができる。
光学活性な光学分割剤のアルカリ金属塩と母液との固液分離は、いかなる方法でもよいが、例えば濾過または沈降により分離することができる。濾過では、遠心濾過、加圧濾過または真空濾過を用いることができる。固液分離により得られた濾さいを必要により溶剤で洗浄してもよい。
このようにして得られた光学活性な光学分割剤のアルカリ金属塩を、上記と同様の方法により溶媒および酸と接触させて沈殿を固液分離することなどにより、光学活性な光学分割剤を回収することができる。
このような本発明の方法で使用される光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールと光学活性な光学分割剤とのジアステレオマー塩としては、前記の一般式(4)、(5)、または(6)で表わされるものが挙げられる。
このようにして、光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールと光学活性な光学分割剤(光学活性な有機酸)とのジアステレオマー塩を製造することができ、そのジアスレテオマー塩を使用して光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを製造することができる。さらに、光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの製造において使用された光学活性な光学分割剤を回収することができ、このようにして回収された光学活性な光学分割剤を再使用して光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを製造することができる。さらに、このようにして得られた光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを光学活性医農薬合成中間体として使用することができ、このようにして得られた光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを使用して光学活性医農薬を製造することができる。
以下、実施例にて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例の範囲に限定されるものではない。
実施例1
(R)−2−クロロマンデル酸1.86gをイソプロパノール10mlに溶解し、1.03gのラセミ体4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを滴下し、加熱溶解した。室温まで冷却し、1mgの(R)−2−クロロマンデル酸・(R)−4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの塩を種晶として加え、さらに5℃まで徐々に冷却した。析出した結晶を濾別し、冷イソプロパノールでリンスし、1.61gのジアステレオマー塩の結晶を得た。この結晶中の4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの光学純度は、(R)体63%e.e.であった。さらにこの結晶を、10mlのイソプロパノールに加熱溶解し、再結晶操作を繰り返し、光学純度の高いジアステレオマー塩の結晶0.95gを得た。この結晶中の4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの光学純度は、(R)体99.9%e.e.であった。この結晶の特性値を下記に示した。
得られた結晶中の4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの光学純度は、結晶を以下のようにジベンゾイル化物に誘導し、測定した。すなわち、ジアステレオマー塩の結晶0.29gを2mlの1N NaOHに溶解し、等量のテトラヒドロフランで3回抽出した。有機相を減圧濃縮し、0.09gの光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを得た。このうち、約20mgを量り、塩化メチレン1ml、ピリジン60mg、塩化ベンゾイル60mgをこの順で加え、室温で10分反応させた。その後、塩化メチレン2mlを加え、1N塩酸2mlで2回、10%炭酸ソーダ水溶液2mlで1回、水2mlで1回洗浄し、有機層を濃縮するとジベンゾイル化物60mgが得られた。下記の条件でHPLC分析したところ、S体が42.4分、R体が54.3分に溶出し、その分離度は3.2であった。光学純度は、得られたHPLCチャートのS体及びR体のピーク面積の比から、算出した。
液体クロマトグラフィー条件
カラム: キラルセルOD、ダイセル化学工業製
移動相: ヘキサン/イソプロピルアルコール=90/10
流速: 0.5ml/min
カラム温度:室温
検出: UV254nm
・(R)−2−クロロマンデル酸・(R)−4−アミノ−2−メチルブタン−1−オール塩の特性値
<結晶形>
針状結晶
<比旋光度>
[α] 26=−62.24 (c=2.01、MeOH)
<融点>
126.6〜127.6℃
H−NMRスペクトル> DMSO、内部標準TMS(第1図)
δ 0.802〜0.828 (3H,d,−CH
δ 1.305〜1.339 (1H,m,−CH
δ 1.596 (2H,m,−CH,−CH)
δ 2.729 (2H,m,−CH
δ 3.222〜3.253 (2H,dq,−CH
δ 4.916 (1H,s,−CH)
δ 7.302〜7.345 (4H,m,C−)
13C−NMRスペクトル> DMSO、内部標準TMS(第2図)
δ 16.526 (−CHOH)
δ 31.220 (−CH
δ 32.880 (−CH)
δ 37.074 (−CH
δ 65.711 (−CH
δ 70.234 (−CH)
δ 126.322,127.570,128.258,128.542,
132.720,141.299 (C−)
δ 173.770 (−COO)
<IRスペクトル> KBr錠剤法(第3図)
O−H伸縮 3283cm−1
N−H伸縮 2924cm−1
COO逆対称伸縮 1581cm−1
C−N伸縮 1084cm−1
実施例2
用いる溶媒をエタノールに換えて再結晶しなかった以外は全て実施例1と同様にして、1.25gのジアステレオマー塩の結晶を得た。この結晶中の光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの光学純度は(R)体75.4%e.e.であった。
実施例3
用いる溶媒をアセトンに換えて再結晶しなかった以外は全て実施例1と同様にして、0.34gのジアステレオマー塩の結晶を得た。この結晶中の光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの光学純度は(R)体85.5%e.e.であった。
実施例4
用いる溶媒をn−プロパノールに換えて再結晶しなかった以外は全て実施例1と同様にして、1.32gのジアステレオマー塩の結晶を得た。この結晶中の光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの光学純度は(R)体69.9%e.e.であった。
実施例5
用いる溶媒をアセトニトリルに換えて再結晶しなかった以外は全て実施例1と同様にして、1.33gのジアステレオマー塩の結晶を得た。この結晶中の光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの光学純度は(R)体29.2%e.e.であった。
実施例6
用いる溶媒をイソプロピルエーテルに換えて再結晶しなかった以外は全て実施例1と同様にして、2.74gのジアステレオマー塩の結晶を得た。この結晶中の光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの光学純度は(R)体9.3%e.e.であった。
実施例7
用いる光学活性有機酸を(R)−4−クロロマンデル酸に換えて、種晶を(R)−4−クロロマンデル酸・(R)−4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの塩に換えて、再結晶しなかった以外は全て実施例1と同様にして、0.34gのジアステレオマー塩の結晶を得た。この結晶中の光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの光学純度は(R)体9.6%e.e.であった。
実施例8
用いる光学活性有機酸を(R)−4−ニトロマンデル酸に換えて、種晶を(R)−4−ニトロマンデル酸・(R)−4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの塩に換えて、再結晶しなかった以外は全て実施例1と同様にして、1.32gのジアステレオマー塩の結晶を得た。この結晶中の光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの光学純度は(R)体86.6%e.e.であった。
実施例9
用いる光学活性有機酸を(S)−2−クロロマンデル酸に換えて、種晶を(S)−2−クロロマンデル酸・(S)−4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの塩に換えて、再結晶しなかった以外は全て実施例1と同様にして、1.53gのジアステレオマー塩の結晶を得た。この結晶中の光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの光学純度は(S)体75.9%e.e.であった。さらにこの結晶を、10mlのイソプロパノールに加熱溶解し、再結晶操作を繰り返し、光学純度の高いジアステレオマー塩の結晶0.82gを得た。この結晶中の4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの光学純度は、(S)体99.9%e.e.であった。この結晶の特性値を下記に示した。
・(S)−2−クロロマンデル酸・(S)−4−アミノ−2−メチルブタン−1−オール塩の特性値
<結晶形>
針状結晶
<比旋光度>
[α] 26=+60.11 (c=2.03、MeOH)
<融点>
123.6〜124.0℃
実施例10
(R)−2−クロロマンデル酸200gをイソプロパノール1100mlに溶解し、110gのラセミ体4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを滴下し、加熱溶解した。室温まで冷却し、100mgの(R)−2−クロロマンデル酸・(R)−4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの塩を種晶として加え、さらに5℃まで徐々に冷却した。析出した結晶を濾別し、冷イソプロパノールでリンスし、173gのジアステレオマー塩の結晶を得た。この結晶中の4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの光学純度は、(R)体63%e.e.であった。さらにこの結晶を、1100mlのイソプロパノールに加熱溶解し、再結晶操作を繰り返し、光学純度の高いジアステレオマー塩の結晶102gを得た。この結晶中の4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの光学純度は、(R)体99.9%e.e.であった。
実施例11
実施例10で得られた光学純度の高いジアステレオマー塩の結晶100gを415gのメタノールに加熱溶解し、28%のナトリウムメチラートのメタノール溶液80gを添加して解塩し、5℃に冷却後、固液分離した。分離した溶液を濃縮した後、真空下で蒸留して(R)−4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを15g得た。得られた(R)−4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの光学純度は、99.9%e.e.であった。固液分離して得られた濾さいを水80gに加熱溶解し、7gの濃硫酸を加えた後、5℃に冷却し、固液分離した。回収した(R)−2−クロロマンデル酸は、22gであった。
実施例12
実施例10と同様にして得られた光学純度の高いジアステレオマー塩の結晶100gを415gのメタノールに加熱溶解し、28%のナトリウムメチラートのメタノール溶液80gを添加して解塩後、5℃に冷却後、固液分離した。分離した溶液を濃縮し、イソプロパノールを添加した後、固液分離して得られる溶液を濃縮した後、真空下で蒸留して(R)−4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを28g得た。得られた(R)−4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの光学純度は、99.9%e.e.であった。固液分離して得られた濾さいを合わせて水200gに加熱溶解し、17gの濃硫酸を加えた後、5℃に冷却し、固液分離した。回収した(R)−2−クロロマンデル酸は、55gであった。
実施例13
実施例10と同様にして得られた光学純度の高いジアステレオマー塩の結晶100gを150gの水に加熱溶解し、48%水酸化ナトリウム水溶液30gを添加して解塩後、濃縮し、濃縮しつつ600gの2−ブタノールを添加して、大部分の水を2−ブタノールに置換した後、固液分離した。得られた溶液を濃縮した後、真空下で蒸留して(R)−4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを30g得た。得られた(R)−4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの光学純度は、99.9%e.e.であった。固液分離して得られた濾さいを水200gに加熱溶解し、17gの濃硫酸を加えた後、5℃に冷却し、固液分離した。回収した(R)−2−クロロマンデル酸は、57gであった。
実施例14
用いる溶媒および光学活性有機酸を、それぞれ、エタノールおよび(−)−ジベンゾイル−L−酒石酸に換えて、種晶を(−)−ジベンゾイル−L−酒石酸・(R)−4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの塩に換えて、再結晶しなかった以外は全て実施例1と同様にして、0.58gのジアステレオマー塩の結晶を得た。この結晶中の光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの光学純度は(R)体11.8% e.e.であった。
実施例15
用いる光学活性有機酸を(+)−10−カンファースルホン酸に換えて、種晶を(+)−10−カンファースルホン酸・(R)−4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの塩に換えて、再結晶しなかった以外は全て実施例1と同様にして、0.12gのジアステレオマー塩の結晶を得た。この結晶中の光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの光学純度は(R)体2.98% e.e.であった。
実施例16
用いる光学活性有機酸を(S)−(−)−3−フェニル乳酸に換えて、種晶を(S)−(−)−3−フェニル乳酸・(R)−4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの塩に換えて、再結晶しなかった以外は全て実施例1と同様にして、0.87gのジアステレオマー塩の結晶を得た。この結晶中の光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの光学純度は(R)体14.9% e.e.であった。
実施例17
用いる光学活性有機酸を(R)−マンデル酸に換えて、種晶を(R)−マンデル酸・(R)−4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの塩に換えて、再結晶しなかった以外は全て実施例1と同様にして、0.58gのジアステレオマー塩の結晶を得た。この結晶中の光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの光学純度は(R)体87.8% e.e.であった。
実施例18
用いる光学活性有機酸をN−アセチル−(D)−バリンに換えて、種晶をN−アセチル−(D)−バリン・(R)−4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの塩に換えて、再結晶しなかった以外は全て実施例1と同様にして、0.34gのジアステレオマー塩の結晶を得た。この結晶中の光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの光学純度は(R)体4.49% e.e.であった。
産業上の利用可能性
本発明によれば、光学活性医農薬合成中間体として有用な、光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールが工業的規模で高収率、高純度かつ安価に提供可能である。また、本発明によれば、使用した光学分割剤を高収率で回収可能である。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の(R)−2−クロロマンデル酸・(R)−4−アミノ−2−メチルブタン−1−オール塩のH−NMRスペクトルを表す。
図2は、本発明の(R)−2−クロロマンデル酸・(R)−4−アミノ−2−メチルブタン−1−オール塩の13C−NMRスペクトルを表す。
図3は、本発明の(R)−2−クロロマンデル酸・(R)−4−アミノ−2−メチルブタン−1−オール塩のIRスペクトルを表す。

Claims (24)

  1. ラセミ体の4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールに光学活性な有機酸を作用させ、生じたジアステレオマー塩を晶出させ、これを固液分離する、光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの製造方法であって、
    光学活性な有機酸が、
    (−)−ジベンゾイル−L−酒石酸、
    (+)−10−カンファースルホン酸、
    (S)−(−)−3−フェニル乳酸、
    N−アセチル−(D)−バリン、または、
    下記一般式(3)で表される光学活性マンデル酸誘導体である、前記の製造方法。
    Figure 0004728548
    (式中、Zは、水素または炭素数1から10の直鎖または分岐状のアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、水酸基、ニトロ基、メチルチオ基またはベンゾイル基を示す。*は不斉炭素を表す。mは1〜5の整数であり、m≧2の時にZは同じでも異なっていてもよい。)
  2. 溶媒を使用してラセミ体の4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールと光学活性な有機酸を混合し、固液分離の際に母液を除去する、請求項1に記載の製造方法。
  3. 溶媒が、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、イソプロピルエーテル、アセトン及びアセトニトリルから成る群から選択された少なくとも一つの成分である、請求項に記載の製造方法。
  4. 得られたジアステレオマー塩を溶媒を用いて再結晶して光学純度のより高いジアステレオマー塩を得る、請求項1〜のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 再結晶に使用する溶媒が、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、イソプロピルエーテル、アセトン及びアセトニトリルから成る群から選択された少なくとも一つの成分である、請求項に記載の製造方法。
  6. 得られたジアステレオマー塩を中和あるいはイオン交換樹脂に通すことにより、光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを得る、請求項1〜のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールと光学活性有機酸との塩であって、
    光学活性有機酸が光学活性マンデル酸誘導体であり、塩の構造が一般式(6)で表されるか又は、光学活性有機酸が、(−)−ジベンゾイル−L−酒石酸、(+)−10−カンファースルホン酸、(S)−(−)−3−フェニル乳酸、または、N−アセチル−(D)−バリンである前記の塩。
    Figure 0004728548
    (式中、Zおよびmは、一般式(3)と同一である。)
  8. ラセミ体の4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールに光学活性な有機酸を作用させ、生じたジアステレオマー塩を晶出させ、これを固液分離する、光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールと光学活性有機酸との塩の製造方法であって、
    光学活性な有機酸が、下記一般式(3)で表される光学活性マンデル酸誘導体であり、得られる塩の構造が一般式(6)で表されるか又は、光学活性な有機酸が、(−)−ジベンゾイル−L−酒石酸、(+)−10−カンファースルホン酸、(S)−(−)−3−フェニル乳酸、または、N−アセチル−(D)−バリンである前記の製造方法。
    Figure 0004728548
    (式中、Zは、水素または炭素数1から10の直鎖または分岐状のアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、水酸基、ニトロ基、メチルチオ基またはベンゾイル基を示す。*は不斉炭素を表す。mは1〜5の整数であり、m≧2の時にZは同じでも異なっていてもよい。)
    Figure 0004728548
    (式中、Zおよびmは、一般式(3)と同一である。)
  9. 溶媒を使用してラセミ体の4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールと光学活性な有機酸を混合し、固液分離の際に母液を除去する、請求項に記載の製造方法。
  10. 溶媒が、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、イソプロピルエーテル、アセトン及びアセトニトリルから成る群から選択された少なくとも一つの成分である、請求項に記載の製造方法。
  11. 得られたジアステレオマー塩を溶媒を用いて再結晶して光学純度のより高いジアステレオマー塩を得る、請求項8〜10のいずれか1項に記載の製造方法。
  12. 再結晶に使用する溶媒が、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、イソプロピルエーテル、アセトン及びアセトニトリルから成る群から選択された少なくとも一つの成分である、請求項11に記載の製造方法。
  13. 請求項に記載の塩を使用して光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを製造する方法。
  14. 請求項8〜12のいずれか1項に記載の製造方法により得られる塩を使用して光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを製造する方法。
  15. 光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールと光学活性な光学分割剤とのジアステレオマー塩を、溶媒及びアルカリと接触させて解塩し、固液分離して得られる濾液より光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを得る、光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを製造する方法であって、
    光学活性な4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールと光学活性な光学分割剤とのジアステレオマー塩が、下記一般式(6)で表される光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールと光学活性マンデル酸誘導体との塩であるか又は、
    光学活性な光学分割剤が、(−)−ジベンゾイル−L−酒石酸、(+)−10−カンファースルホン酸、(S)−(−)−3−フェニル乳酸、または、N−アセチル−(D)−バリンである、前記の製造方法。
    Figure 0004728548
    (式中、Zおよびmは、一般式(3)と同一である。)
  16. 固液分離して得られる光学活性な光学分割剤のアルカリ塩を含む濾さいを溶媒及び酸と接触させ、晶析した光学活性な光学分割剤を固液分離して回収する、請求項15に記載の光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを製造する方法。
  17. 光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールと光学活性な光学分割剤とのジアステレオマー塩を溶媒及びアルカリと接触させて解塩し、溶媒を光学活性な光学分割剤のアルカリ塩の溶解度が低いアルコールに置換し、光学活性な光学分割剤のアルカリ塩と光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オール溶液を固液分離して光学活性な光学分割剤のアルカリ塩を回収する、請求項15に記載の光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを製造する方法。
  18. 光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールと光学活性な光学分割剤とのジアステレオマー塩をアルコール及びアルカリ金属アルコラートと接触させて解塩し、アルコールを光学活性な光学分割剤のアルカリ金属塩の溶解度が低いアルコールに置換し、光学活性な光学分割剤のアルカリ金属塩と光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オール溶液を固液分離して光学活性な光学分割剤のアルカリ金属塩を回収する、請求項15に記載の光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを製造する方法。
  19. 光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールと光学活性な光学分割剤とのジアステレオマー塩を、水及び/またはアルコールとアルカリ金属水酸化物と接触させて解塩し、水及び/またはアルコールを光学活性な光学分割剤のアルカリ金属塩の溶解度が低いアルコールに置換し、光学活性な光学分割剤のアルカリ金属塩と光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オール溶液を固液分離して光学活性な光学分割剤のアルカリ金属塩を回収する、請求項15に記載の光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを製造する方法。
  20. 光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールの製造において使用された光学活性な光学分割剤を回収する方法であって、光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールと光学活性な光学分割剤とのジアステレオマー塩を、溶媒及びアルカリと接触させて解塩し、固液分離して光学活性な光学分割剤のアルカリ塩を含む濾さいを得、該濾さいを溶媒及び酸と接触させ、晶析した光学活性な光学分割剤を固液分離して回収し、しかも、
    光学活性な光学分割剤が、
    (−)−ジベンゾイル−L−酒石酸、
    (+)−10−カンファースルホン酸、
    (S)−(−)−3−フェニル乳酸、
    N−アセチル−(D)−バリン、または、
    下記一般式(3)で表される光学活性マンデル酸誘導体である、前記の回収方法。
    Figure 0004728548
    (式中、Zは、水素または炭素数1から10の直鎖または分岐状のアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、水酸基、ニトロ基、メチルチオ基またはベンゾイル基を示す。*は不斉炭素を表す。mは1〜5の整数であり、m≧2の時にZは同じでも異なっていてもよい。)
  21. 光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールと光学活性な光学分割剤とのジアステレオマー塩を溶媒及びアルカリと接触させて解塩し、溶媒を光学活性な光学分割剤のアルカリ塩の溶解度が低いアルコールに置換し、光学活性な光学分割剤のアルカリ塩と光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オール溶液を固液分離して光学活性な光学分割剤のアルカリ塩を回収する、請求項20に記載の回収方法。
  22. 光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールと光学活性な光学分割剤とのジアステレオマー塩をアルコール及びアルカリ金属アルコラートと接触させて解塩し、アルコールを光学活性な光学分割剤のアルカリ金属塩の溶解度が低いアルコールに置換し、光学活性な光学分割剤のアルカリ金属塩と光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オール溶液を固液分離して光学活性な光学分割剤のアルカリ金属塩を回収する、請求項20に記載の回収方法。
  23. 光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールと光学活性な光学分割剤とのジアステレオマー塩を、水及び/またはアルコールとアルカリ金属水酸化物と接触させて解塩し、水及び/またはアルコールを光学活性な光学分割剤のアルカリ金属塩の溶解度が低いアルコールに置換し、光学活性な光学分割剤のアルカリ金属塩と光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オール溶液を固液分離して光学活性な光学分割剤のアルカリ金属塩を回収する、請求項20に記載の回収方法。
  24. 請求項20〜23のいずれか1項に記載の回収方法により回収された光学活性な光学分割剤を再使用して、光学活性4−アミノ−2−メチルブタン−1−オールを製造する方法。
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