JP4728421B2 - 圧力緩衝器、及び液滴噴射式記録装置 - Google Patents

圧力緩衝器、及び液滴噴射式記録装置 Download PDF

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Description

本発明は、例えば、プリンタ、ファックスなどに適用され、記録媒体に液滴を噴射し、該記録媒体に印刷する液滴噴射式記録ヘッドへのインク供給圧力変動を緩和する圧力緩衝器、及び該圧力緩衝器を搭載した液滴噴射式記録装置該装置に関する。
従来から、インクを吐出する複数のノズルを有する液滴噴射式記録ヘッドを用いて被記録媒体に文字や画像を記録する液滴噴射式記録装置が知られている。かかる液滴噴射式記録装置では、被記録媒体へ文字や画像の記録をする際に、吐出不良の原因となる、前記液滴噴射式記録ヘッドに供給されるインクの圧力変動をできるだけ抑制する必要がある。
このような液滴噴射式記録ヘッドへのインク供給圧力変動を緩和する、圧力緩衝器を具備する液滴噴射式記録装置100の一例の概略図を図4に示す。
図4に示すように、従来技術において前記液滴噴射式記録装置100は、インク容器101と、該インク容器101からインクを液送する圧送ポンプ102と、該圧送ポンプ102によりインク容器101から液送されたインクが送り込まれる液滴噴射式記録ヘッド103と、圧送ポンプ102と液滴噴射式記録ヘッド103の間のインク供給路104上に設置された圧力緩衝器105と、で少なくとも構成されている。
また図5には圧力緩衝器105の平面図を、図6には該圧力緩衝器105の図5におけるβ−β‘断面図を示す。該圧力緩衝器105は、凹部106を有する基板107と、該凹部106と連通し基板107の両側部においてインク供給路104と連結される接続流路108が設けられている。そして基板107には凹部106を密閉してチャンバ118を構成すべく、可撓膜109が固着される。ここで凹部106の内部に複数立設している支持柱110は、該可撓膜109とは固着されず、接離自由である。該可撓膜109の外側には、チャンバ118と対向する貫通孔111を具備するパッキン112が配設され、該貫通孔111の内部に弾性部材113が配設されている。さらにパッキン112の外側には抑え板114が配設され、該抑え板114のチャンバ118に対向する位置には、空気抜き用の貫通穴115が配設される。
液滴噴射式記録ヘッド103にインクを充填するには、圧送ポンプ102を作動させ、液滴噴射式記録ヘッド103に対して加圧によるインク圧送を図4に示す矢印αの方向に行い、この際、図4におけるインク容器101から液滴噴射式記録ヘッド103までに至る、全ての連通要素はインクで満たされ、該連通要素の内部に気泡が残留しないようにする。また、液滴噴射式記録ヘッド103が具備する図示しないノズル列から、インクを負圧によって吸引することにより、液滴噴射式記録ヘッド103にインクを充填してもよい。
また、上記液滴噴射式記録ヘッド103に対するインクの加圧による圧送充填に際し、抑え板114は可撓膜109の振動を抑制し、またインクの負圧による吸引充填に際し、支持柱110も可撓膜109の振動を抑制し、かつ弾性部材113により該可撓膜109の振動はすぐに減衰することとなる。
そして貫通穴115は、圧力緩衝器105を組立てる際に、可撓膜109のチャンバ118に対向する位置に残留する空気を抜くために不可欠であり、かつチャンバ118へのインク充填状況の確認窓としても利用される(例えば、特許文献1参照)。
特許2873435号公報(第1−3頁、第1−2図)
従来技術に係る圧力緩衝器では、インクの加圧による圧送充填に際し、該圧力緩衝器が具備する基板が具備する凹部が、可撓膜により密閉されたチャンバ内に気泡を残留させないように充填するとの記述がある。
しかし実際にインクの加圧による圧送充填を行うと、前記チャンバの内部に圧縮された残留気泡による空気層ができてしまい、該圧送充填終了後に加圧による圧縮作用がなくなると、前記残留気泡は膨張して前記チャンバ内に充填されていたインクを該チャンバから押し出すのみならず、前記圧力緩衝器の近傍のインク供給路にまで拡散してしまう。
この状態で液滴噴射式記録ヘッドに吐出させると、前記インク供給路に拡散した気泡が前記液滴噴射式記録ヘッドに到達し、抜け等の吐出不良を引き起こす原因となっていた。
該原因を解消するために従来技術に係る圧力緩衝器では、インクの加圧による圧送充填に先立ち、液滴噴射式記録ヘッドが具備するノズル列を介してインクを吸引充填し、前記チャンバ内に残留する気泡を完全に除去した後で、前記圧送充填をする必要があり、結局充填機構を2つも要し、液滴噴射式記録装置の大型化とコスト増を招いていた。
また従来技術に係る圧力緩衝器は、該圧力緩衝器が外側に具備する抑え板に前記チャンバに対向する可撓膜の位置にある、空気抜き用の貫通穴を具備しているが、充填するインクが紫外線硬化型インクである場合には、前記圧力緩衝器の外部から前記チャンバ内に光が侵入し、前記紫外線硬化型インクを硬化させてしまうという問題もあった。
本発明はこのような事情に鑑み、前記圧送充填のみで前記チャンバ内から気泡を完全に除去可能な構造を有する圧力緩衝器を提案し、これにより液滴噴射式記録装置の大型化とコスト増を抑制することを課題とする。
加えて前記抑え板に、前記圧力緩衝器の外部から前記チャンバ内に光が侵入することを防止する空気抜き用の構造を配設し、前記紫外線硬化型インクの硬化を防ぐことを課題とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、液滴噴射式記録装置のインク容器と液滴噴射式記録ヘッドを接続するインク供給路の、該液滴噴射式記録ヘッドの近傍または、該液滴噴射式記録ヘッドの内部に設置され、その本体は少なくとも一面に凹部を有し、可撓膜を貼り付けることで該凹部を密閉してチャンバを形成し、該チャンバは、少なくとも該チャンバから前記液滴噴射式記録ヘッドへインクが流出するインク流出口と、前記インク容器からインクが前記チャンバに流入するインク流入口とを具備し、前記液滴噴射式記録装置の使用時に、前記可撓膜たる前記チャンバの平面が水平面と垂直な配置とした場合において、前記チャンバの平面的な位置関係において、前記インク流出口は常に該チャンバの鉛直方向最上部に位置し、前記インク流入口は前記インク流出口に対して鉛直方向に関し、同等または下側にあるような配置となっていることを特徴とする、圧力緩衝器にある。ここで前記インク流入口は、前記チャンバの平面的な位置関係において、鉛直方向最下部に位置していてもよい。
さらに、前記液滴噴射式記録装置の使用時に、前記可撓膜たる前記チャンバの平面が水平面と垂直な配置とした場合において、前記インク流出口と前記インク流入口を結ぶ直線を対角線とし、前記インク流出口から鉛直下方に下ろした直線を一辺とする長方形の領域内に、前記可撓膜の面たる前記チャンバの平面形状は含まれ、かつ前記インク流出口に係る該チャンバの壁面が、少なくとも該インク流出口に向かって収束する形状となっていることを特徴とする、圧力緩衝器にもある。ここで前記チャンバの平面形状が、平行四辺形、ひし形、または楕円形であってもよい。
また前記液滴噴射式記録装置の使用時に、前記可撓膜たる前記チャンバの平面が水平面と平行な配置とした場合において、前記チャンバの断面的な位置関係において、少なくとも前記インク流出口は常に該チャンバの鉛直方向最上部に位置し、前記インク流入口は常に前記インク流出口よりも鉛直方向下側にあるような配置となっていることを特徴とする、圧力緩衝器にある。ここで前記インク流入口は、前記チャンバの断面的な位置関係において、鉛直方向最下部に位置していてもよい。
そして前記可撓膜の外側表面上に少なくとも前記チャンバの表面に該当する前記可撓膜の部分とは固着しない状態で、剛体たる補強板を具備し、さらに該補強板は、大気連通用の該補強板を貫通する1個または複数個の穴、または前記補強板が前記可撓膜と接触する面に配され、該補強板を貫通しない大気連通用の溝構造を具備しており、さらに前記チャンバ内部には、前記可撓膜が該チャンバの底面に貼り付くことを防止する弾性部材たる構造を具備することを特徴とする、圧力緩衝器にもある。
かかる本発明における圧力緩衝器では、前記インク流出口は、前記圧力緩衝器が具備する前記チャンバの平面的、そして断面的な位置関係において、前記液滴噴射式記録装置の使用時、常に鉛直方向最上部に位置している。また前記チャンバ内部に前記可撓膜が該チャンバの底面に貼り付くことを防止する弾性部材たる構造と、前記チャンバの外部に、前記可撓膜の過度の変形を抑制する、剛体たる補強板を具備している。
したがってインク容器から液滴噴射式記録ヘッドへインクを加圧により圧送する圧送充填を実施しても、前記インク流出口から前記チャンバが包含していた空気は障害なく排除され、該圧送充填終了時には前記チャンバから残留気泡を一掃することが、従来技術にかかる圧力緩衝器が有していた前記可撓膜の過度の変形を抑制する機能を損なうことなく実現することが可能となる。
これにより従来前記圧送充填に先立って実施する必要があった、液滴噴射式記録ヘッドが具備するノズル列から負圧によりインクを吸引充填する充填装置を省くことができ、前記液滴噴射式記録装置の大型化とコスト増を抑制することが可能となる。
さらに前記補強板は、該補強板が前記可撓膜と接触する面に配され、該補強板を貫通しない溝構造を空気抜き構造として具備し、前記圧力緩衝器の本体と、少なくとも前記可撓膜もしくは前記補強板が、紫外線を透過しない材料であることにより、前記圧力緩衝器の外部から前記チャンバ内に光が侵入することが防止でき、前記紫外線硬化型インクの硬化を防ぐことが可能となる。
以上説明したように本発明では、圧力緩衝器が具備するインク流出口は、該圧力緩衝器が具備するチャンバの平面的、そして断面的な位置関係において、液滴噴射式記録装置の使用時、常に鉛直方向最上部に位置している。また前記チャンバ内部に前記圧力緩衝器が具備する可撓膜が、該チャンバの底面に貼り付くことを防止する弾性部材たる構造と、前記チャンバの外部に、前記可撓膜の過度の変形を抑制する、剛体たる補強板を具備している。
したがってインク容器から液滴噴射式記録ヘッドへインクを加圧により圧送する圧送充填を実施しても、前記インク流出口から前記チャンバが包含していた空気は障害なく排除され、該圧送充填終了時には前記チャンバから残留気泡を一掃することが、従来技術にかかる圧力緩衝器が有していた前記可撓膜の過度の変形を抑制する機能を損なうことなく実現することが可能となる。
これにより従来前記圧送充填に先立って実施する必要があった、液滴噴射式記録ヘッドが具備するノズル列から負圧によりインクを吸引充填する充填装置を省くことができ、前記液滴噴射式記録装置の大型化とコスト増を抑制することが可能となる。
さらに前記補強板は、該補強板が前記可撓膜と接触する面に配され、該補強板を貫通しない溝構造を大気連通構造として具備し、前記圧力緩衝器の本体と、少なくとも前記可撓膜もしくは前記補強板が、紫外線を透過しない材料であることにより、前記圧力緩衝器の外部から前記チャンバ内に光が侵入することが防止でき、前記紫外線硬化型インクの硬化を防ぐことが可能となる。
本発明の実施形態に係る液滴噴射式記録装置を示す模式図である。 本発明の圧力緩衝器の一例を示す平面図である。 本発明の圧力緩衝器の一例を示す断面図である。 従来技術に係る液滴噴射式記録装置を示す模式図である。 従来技術に係る圧力緩衝器を示す平面図である。 従来技術に係る圧力緩衝器を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1は、液滴噴射式記録装置50を示す模式図であり、本発明の実施形態を示す。該液滴噴射式記録装置50の構成について説明する。
インクを内部に貯留するインク容器1と、該インク容器1から液滴噴射式記録ヘッド4に供給する前記インクの供給圧力の変動を緩和する、圧力緩衝器5を介して液滴噴射式記録ヘッド3にインクを供給するインク供給路4と、インク容器1と圧力緩衝器5の間の前記インク供給路4上に設置された液送ポンプ2と、インク供給路4の液送ポンプ2を具備する部分と並列し、かつインク容器1から液滴噴射式記録ヘッド3にインクを供給することができる、インク供給路4に連通するインク供給迂回路7と、該インク供給迂回路7が具備するインク供給迂回路7を選択的に開放と閉塞をすることができる開閉弁6と、で少なくとも構成されている。
液滴噴射式記録ヘッド3へ圧送ポンプ2と開閉弁6を用いてインクを充填する方法は次のような手順で行う。まず開閉弁6を閉じてインク供給迂回路7を閉塞した後、圧送ポンプ2を作動させてインクをインク容器1から圧力緩衝器5を介して液滴噴射式記録ヘッド3へと圧送する。次に圧送ポンプ2の作動中に複数回、適当な時間間隔をもって開閉弁6を複数回開閉することにより、インク供給回路7から気泡を除去する。そして該除去終了後、暫く圧送ポンプ2を作動させてインク供給路4、圧力緩衝器5、そして液滴噴射式記録ヘッド3から完全に気泡
を除去する。最後に圧送ポンプ2を停止した後、開閉弁を開いてインク容器1から液滴噴射式記録ヘッド3に至るインク供給経路内の圧力を、大気圧と平衡させる。
ここで圧力緩衝器5は液滴噴射式記録ヘッド3に供給されるインクの圧力変動を抑制する目的で設置しているので、可能な限り液滴噴射式記録ヘッド3の近傍に設置することが望ましい。特に液滴噴射式記録ヘッド3を走査して印字する液滴噴射式記録装置50の場合は、圧力緩衝器5と液滴噴射式記録ヘッド3を少なくともキャリッジに搭載する必要がある。
また本発明では、圧力緩衝器5の内部に加圧によってインクを送り込むので、圧力緩衝器5が破壊しないように圧力緩衝器5の内部全てがインクで満たされる構造であることが必要である。
そして図示しないが、液滴噴射式記録ヘッド3が具備するノズル列を密閉するキャップを介し、負圧を発生させてインクを液滴噴射式記録ヘッド3に吸引充填する要素を導入しても何ら問題はなく、さらに液送ポンプ2の停止後に図示しないノズル列から溢れたインクを、該ノズル列の開口面から拭うために、図示しない拭き取り部材を用いて拭ってもよい。
次に図1で示した液滴噴射式記録装置50における圧力緩衝器5の一具体例について、該圧力緩衝器5の平面図たる図2と、図2のE−E’断面の断面図たる図3を用いて説明する。
本体12は少なくともその一面に凹部16を有し、可撓膜9を貼り付けることで該凹部16を密閉してチャンバ18を形成する。インクを図1における液滴噴射式記録ヘッド3に充填する場合、チャンバ18を介してインクが液滴噴射式記録ヘッド3に充填されるので、当然チャンバ18はインクが流入するインク流入口10とインクが流出するインク流出口11を具備することとなる。
ここで前記充填を、図1における圧送ポンプ2による圧送充填により行う場合、吐出不良の原因となるチャンバ18内に残留する空気層を解消させるため、少なくともインク流出口11のチャンバ18内での位置を規制する必要がある。
即ち、可撓膜9たるチャンバ18の平面が水平面と垂直な配置となるように圧力緩衝器5を設置した場合、具体的には図2における矢印Xが鉛直方向上向きを示す場合、チャンバ18の平面的な位置関係において、インク流出口11は常にチャンバ18の鉛直方向最上部に位置するように配設し、インク流入口10はインク流出口11に対して鉛直方向に関し、同等または下側にあるような配置とすることが必要である。これにより前記圧送充填の際、チャンバ18にはインクがチャンバ18の下部から充填されていき、チャンバ18の上部に形成される空気層はチャンバ18の鉛直方向最上部に位置するインク流出口11から排出されるので、チャンバ18内を完全にインクで満たすことが可能となる。
さらに前記圧送充填の際、チャンバ18にはインクがチャンバ18の下部から充填されていくため、図2における矢印Xが鉛直方向上向きを示す場合、チャンバ18の平面的な位置関係において、インク流入口10はチャンバ18の鉛直方向最下部に位置するように配設することが望ましい。
また図2における矢印Yが鉛直方向上向きを示す場合においても、チャンバ18の平面的な位置関係において、インク流出口11は常にチャンバ18の鉛直方向最上部に位置するように配設し、インク流入口10はインク流出口11よりも鉛直方向下側、望ましくは鉛直方向最下部に位置するように配設可能となれば、圧力緩衝器5の設置態様の自由度が増え、図1における液滴噴射式記録装置50の小型化に貢献する。
この場合のチャンバ18の平面形状は、可撓膜9たるチャンバ18の平面が水平面と垂直な配置となるように圧力緩衝器5を配設した場合、具体的には図2における矢印Xが鉛直方向上向きを示す場合、インク流出口11とインク流入口10を結ぶ直線を対角線とし、インク流出口11から鉛直下方に下ろした直線を一辺とする長方形の領域内、具体的には図2における直線A−A’、直線B−B’、直線C−C’、そして直線D−D’で形成する長方形の領域内に、チャンバ18の平面形状は含まれることが必要である。さらに前記空気層の排出を障害なく達成するために、インク流出口11に係るチャンバ18の壁面が、図2に示すように少なくともインク流出口11に向かって収束する形状となっていることが必要である。
よってチャンバ18の平面形状は、平行四辺形、中でもひし形、または楕円形であることが望ましい。
また圧力緩衝器5の設置態様は、図1における液滴噴射式記録ヘッドがキャリッジに搭載され、該キャリッジが走査することにより媒体に印字または描画する、シリアル型液滴噴射式記録装置に対応し、前記キャリッジの走査に際して発生するインクの慣性力による圧力変動を緩和する目的で、可撓膜9の面が前記走査の方向と直交するように、具体的には図2における矢印Xまたは矢印Yが少なくとも鉛直方向上向きとするのみであった。
しかし圧力緩衝器5による前記液滴噴射式記録ヘッド3に対するインクの供給圧力変動を緩和する作用は、前記キャリッジを走査させない態様の液滴噴射式記録装置50に対しても、外部からの衝撃による影響を緩和するので非常に有効である。この場合、圧力緩衝器5の設置態様は可撓膜9の面が前記走査の方向と直交するようにする必要はない。したがって可撓膜9たるチャンバ18の平面が、水平面と平行な配置となるように圧力緩衝器5を配置しても問題はなく、具体的には図3における矢印Zが鉛直方向上向きである場合を指す。
この場合においても、チャンバ18の上部に形成される空気層の排出を障害なく達成するために、前記チャンバの断面的な位置関係において、インク流出口11は常にチャンバ18の鉛直方向最上部に位置するように配設し、インク流入口10はインク流出口11よりも鉛直方向下側、望ましくは鉛直方向最下部に位置するように配設することが必要である。
また前記圧送充填の際にチャンバ18内は加圧され、可撓膜9は本体12との固定面とは反対方向、つまり外側に変位する力を受ける。前記圧送充填による該力が可撓膜9と本体12を剥離させたり、可撓膜9を破壊したりする程度の大きさの場合、該剥離や該破壊を防止するため、図3に示すように可撓膜9の外側に剛体たる補強板14を配設する必要がある。ただし補強板14と可撓膜9が完全に固着するように配設すると、可撓膜9の変位による圧力緩和作用が消滅してしまうため、少なくともチャンバ18の表面に該当する可撓膜9の部分とは固着しない状態で、補強板14を圧力緩衝器5は具備することが必要である。
また補強板14を具備する圧力緩衝器5は、可撓膜9がチャンバ18内のインクの圧力変動に対応して変位することで前記圧力緩和作用を創出しているが、補強板14と可撓膜9の間隙に空気が密閉されてしまうと前記圧力緩和作用が緩慢となるため、補強板14と可撓膜9の間隙は常に大気と連通するための構造、例えば補強板14を貫通する穴を1個または複数個具備する必要がある。
さらに紫外線硬化型インクを使用する際、圧力緩衝器5の外部からチャンバ18内に光が侵入することを防止し、該インクの硬化を防ぐために補強板14が可撓膜9と接触する面に配され、補強板14を貫通しない溝構造、具体的には図2と図3に示すような大気連通溝17を補強板14は具備する。ただし前記圧送充填の際に可撓膜9が外側に変位した際、大気連通溝17のエッジで可撓膜9を傷付けて破壊しないようにする必要がある。
また可撓膜9がチャンバ18内のインクの圧力変動に対応して変位する際に、可撓膜9がチャンバ18の底面、即ち図3における本体12の凹部16のスロ−プ部たる底面に貼り付き、チャンバ18内でのインクの流れを阻害しないように、チャンバ18の内部に可撓膜9がチャンバ18の底面に貼り付くことを防止する構造を配設することが必要である。特に可撓膜9の変位を滑らかとし、前記圧力緩和作用に良い影響をもたらすため、可撓膜9がチャンバ18の底面に貼り付くことを防止する構造は、図2と図3に示すように板バネたる弾性部材13とすることが望ましい。ここで図3において弾性部材13は本体12の凹部16のスロ−プ部たる底面と平行に配設されてはいないが、チャンバ18内における弾性部材13の配設態様はこれに限らず、可撓膜9を前記底面に貼り付かせない構造となっていればよいことは言うまでもない。
また紫外線硬化型インクを使用する際、該インクの硬化を防ぐために、圧力緩衝器5が補強板14を具備していない場合は本体12と可撓膜9が、圧力緩衝器5が補強板14を具備する場合には少なくとも本体12と補強板14が、紫外線を透過しない材料であることが必要であることは言うまでもない。
1、101 インク容器
2、102 圧送ポンプ
3、103 液滴噴射式記録ヘッド
4、104 インク供給路
5、105 圧力緩衝器
6 開閉弁
7 インク供給迂回路
8、108 接続流路
9、109 可撓膜
10 インク流入口
11 インク流出口
12 本体
13、113 弾性部材
14 補強板
16、116 凹部
17 大気連通溝
18、118 チャンバ
50、100 液滴噴射式記録装置
107 基板
110 支持柱
111 貫通孔
112 パッキン
114 抑え板
115 貫通穴

Claims (12)

  1. 液滴噴射式記録装置のインク容器と液滴噴射式記録ヘッドを接続するインク供給路の、該液滴噴射式記録ヘッドの近傍または該液滴噴射式記録ヘッドを搭載するキャリッジに設置され、その本体は少なくとも一面に凹部を有し、可撓膜を貼り付けることで該凹部を密閉してチャンバを形成する圧力緩衝器において、
    前記チャンバは、少なくとも該チャンバから前記液滴噴射式記録ヘッドへインクが流出するインク流出口と、前記インク容器からインクが前記チャンバに流入するインク流入口とを具備し、前記液滴噴射式記録装置の使用時に、前記可撓膜たる前記チャンバの平面が水平面と垂直な配置とした場合において、前記チャンバの平面的な位置関係において、前記インク流出口は常に該チャンバの鉛直方向最上部に位置し、前記インク流入口は前記インク流出口に対して鉛直方向に関し、同等または下側にあるような配置となっているとともに、
    前記液滴噴射式記録装置の使用時に、前記可撓膜たる前記チャンバの平面が水平面と平行な配置とした場合において、前記チャンバの断面的な位置関係において、少なくとも前記インク流出口は常に該チャンバの鉛直方向最上部に位置し、前記インク流入口は常に前記インク流出口よりも鉛直方向下側に位置することを特徴とする圧力緩衝器。
  2. 前記可撓膜たる前記チャンバの平面が水平面と平行な配置とした場合において、前記凹部の底部が前記インク流入口から前記インク流出口へ傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の圧力緩衝器。
  3. 前記液滴噴射式記録装置の使用時に、前記可撓膜たる前記チャンバの平面が水平面と垂直な配置とした場合において、前記インク流入口は、前記チャンバの平面的な位置関係において、鉛直方向最下部に位置することを特徴とする請求項1又は2に記載の圧力緩衝器。
  4. 前記液滴噴射式記録装置の使用時に、前記可撓膜たる前記チャンバの平面が水平面と平行な配置とした場合において、前記インク流入口は、前記チャンバの断面的な位置関係において、鉛直方向最下部に位置することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の圧力緩衝器。
  5. 前記チャンバの平面形状が、平行四辺形、ひし形、または楕円形であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の圧力緩衝器。
  6. 前記可撓膜の外側の表面上に、少なくとも前記チャンバの表面に該当する前記可撓膜の部分とは固着しない状態で、剛体たる補強板を具備することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の圧力緩衝器。
  7. 前記補強板は、該補強板と前記可撓膜との間隙を常に大気と連通するための構造として、前記補強板を貫通する穴を1個または複数個具備していることを特徴とする請求項に記載の圧力緩衝器。
  8. 前記補強板は、該補強板と前記可撓膜との間隙を常に大気と連通するための構造として、該補強板が前記可撓膜と接触する面に配され、該補強板を貫通しない溝構造を具備することを特徴とする請求項に記載の圧力緩衝器。
  9. 前記チャンバの内部に、前記可撓膜が該チャンバの底面に貼り付くことを防止する構造を具備していることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の圧力緩衝器。
  10. 前記可撓膜が該チャンバの底面に貼り付くことを防止する前記構造が弾性部材であることを特徴とする請求項に記載の圧力緩衝器。
  11. 前記圧力緩衝器の本体と、少なくとも前記可撓膜もしくは前記補強板が、紫外線を透過しない材料であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の圧力緩衝器。
  12. 請求項1乃至11のいずれかの圧力緩衝器を具備することを特徴とする液滴噴射式記録装置。
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