JP4726133B2 - 圧電振動子および圧電振動ジャイロ - Google Patents

圧電振動子および圧電振動ジャイロ Download PDF

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Description

本発明は、衝撃や加速度等を検出するセンサに好適な圧電振動子及び圧電振動子を使用する圧電振動ジャイロに関する。
電気−機械変換機能と機械−電気変換機能とを有する圧電振動子は、センサ、発振器、表面弾性波フィルタ、超音波モータ、音響素子、トランスなど、幅広い分野に用いられている。圧電振動子に用いられる圧電材料にはジルコン酸チタン酸鉛系の磁器組成物やニオブ酸リチウム等の圧電単結晶材料が知られている。
特に、圧電単結晶材料は機械的品質係数(以下、Qmとよぶ)が高く、温度変化に対して特性変化が小さく、材料の結晶構造が均一で信頼性も高く、量産性が良いという特徴がある。そのため、センサ、発振器、表面弾性波フィルタ等の電子部品用の圧電材料として広く用いられている。
例えば、角速度を検出する振動ジャイロに水晶やタンタル酸リチウムの単結晶を音叉形状にして用いる提案がなされている。このような圧電単結晶材料を用いた圧電振動子は特許文献1に開示されている。
また、これらの圧電単結晶材料を用いた圧電振動子を製造する場合には、まず、圧電単結晶のウエハーに電極となる金属薄膜をスパッタや真空蒸着等で1層成膜する。次に、フォトリソグラフでレジストをパターニングした後、金属薄膜をエッチングして電極パターンを形成する。ここで再びフォトリソグラフでレジストをパターニングし、エッチングやサンドブラストにより所望の形状に加工して、最後にダイシングソーで圧電振動子を個片に切り分けて1枚のウエハーから多数の圧電振動子を得ている。さらに、前記の圧電振動子をパッケージに入れて、ワイヤーボンディングやGGI(Gold to Gold Interconnection)で実装配線をし、最後に封止して製品にしている。このような圧電振動子の製造方法や圧電振動子は、特許文献2に開示されている。
特開2000−193457号公報 特開2004―187097号公報
圧電振動子の特性を示すQmは、共振時の機械的振動の鋭さを示すパラメータであるが、その逆数である1/Qmは振動エネルギーの損失を示す。つまり、Qmが大きな値であればそれだけ振動エネルギーの損失は小さいと言える。また、振動エネルギーの損失となる要因が存在するとQmの値は小さくなる。損失となる要因には、圧電振動子の実装状態や表面状態、周囲の環境条件等などが挙げられる。これらの要因を考慮すると、圧電振動子の振動エネルギー損失1/Qmは、材料固有の損失をηM、それ以外の要因がn個あるとし、第1の要因による損失をη1、第2の要因による損失をη2、第nの要因による損失をηnとすると式(1)で表すことができる。
1/Qm=ηM+η1+η2+・・・+ηn・・・(1)
圧電単結晶材料のように材料自体のQmの値が大きい圧電振動子では材料固有の損失ηMは非常に小さいので、他の損失要因の影響を大きく受け、Qmの値が著しく小さくなる。圧電振動子のQmの値が小さくなると、この圧電振動子を使用した製品が所望の特性を得ることができなくなってしまう。例えば、圧電振動子を用いた圧電振動ジャイロの場合では、圧電振動ジャイロの感度はQmに比例するので、Qmの値が小さくなると感度が低下するという問題が生じる。従って、可能な限り損失要因を取り除きQmの値が小さくなるのを防ぐ必要がある。
近年、電子部品の小型化に伴い、使用される圧電振動子の小型化も進んでいる。しかしながら、圧電振動子の寸法が小さくなると、従来の圧電振動子の構成では、圧電振動子全体に占める電極の割合が大きくなり、電極の存在自体が損失要因となり圧電振動子のQmの値を小さくするという問題点がある。一方、電極の影響を低減させるために、電極の厚みを極端に薄くすることも考えられるが、そうすると電極自体の電気抵抗が大きくなり、特性に影響を与え、また、ワイヤーボンディングやGGIなどの配線時のストレスによって電極が損傷して接続不良が発生するといった問題が生じる。
従って、本発明は上記従来技術の問題点を解決することを課題とする。具体的には、Qmの値を小さくせず小型化できる圧電振動子および小型で、高精度、高信頼性を有する圧電振動ジャイロを提供することを課題とする。
本発明は前記課題を解決するために、以下の手段を採用した。即ち、本発明は、圧電素子に2層の電極層を設け、1層目の電極層にパターニングで駆動電極と検出電極とを設け、2層目の電極層は圧電振動子にしたときに振動する部分以外の部分にパターニングで入出力電極を設け圧電振動子の振動する部分の電極層を1層とすることをその要旨とする。
本発明によれば、第1の電極層と第2の電極層とが順に、音叉形状の圧電素子の一面のみに積層形成されてなる圧電振動子であって、前記第1の電極層が形成された振動部と、前記振動部と接続し電極層と対向する面がパッケージに固定された固定部からなり、前記固定部に形成された全体の電極層は、前記第1の電極層を下地として前記第2の電極層から形成され、前記第1の電極層及び前記第2の電極層は、金属薄膜からなり、前記振動部に電界を付与して駆動するための駆動電極と、生じる電荷を検出する検出電極と、基準電位電極が、前記圧電素子の長さ方向にそれぞれ平行に形成され、前記固定部に前記駆動電極、前記検出電極、前記基準電極にそれぞれ連続する、外部の回路と接続をするための入出力電極が形成されてなることを特徴とする圧電振動子が得られる。
本発明による圧電振動子は、ジルコン酸チタン酸鉛系の磁器組成物や圧電単結晶材料からなる圧電素子の表面にスパッタ法や真空蒸着法等で金属の薄膜を2層に形成する。1層目の金属薄膜は圧電素子に直接形成してこれを第1の電極層とする。さらに、第1の電極層の上に2層目の金属薄膜を形成してこれを第2の電極層とする。
第1の電極層は圧電振動子に電界を印加して駆動するための駆動電極と、圧電振動子に加わった外力により発生する電荷を検出するための検出電極とをパターニングにより形成する。また、駆動電極と検出電極となる第1の電極層は圧電振動子の振動する部分に設け、圧電振動子を固定する部分にも延在するようにパターニングする。
第2の電極層は、圧電振動子の振動する部分には設けず、圧電振動子を固定する部分に延在させた第1の電極層の上に設ける。このような構成にすることで、圧電振動子の振動する部分の電極層は1層であるため電極の影響による損失が低減し、電極層が2層となっている部分で配線を行うことで接続不良が発生しない圧電振動子となる。
本発明によれば、前記第1の電極層は、厚さが100Å以上、1000Å以下であり、前記第2の電極層は、厚みが500Å以上、50000Å以下であることを特徴とする圧電振動子が得られる。
本発明による圧電振動子は、第1の電極層の厚さを100Å以上、1000Å以下にして、第2の電極層の厚さを500Å以上、50000Å以下とすることで、圧電振動子を小型にしても、さらに電極の影響による損失が低減し、配線時に電極が損傷せず、より接続不良が発生しない圧電振動子が得られる。
第1の電極層は圧電振動子の振動部に影響を与えずに圧電素子との密着強度も確保する必要があり、その厚さは、200Åより薄いと密着強度が下がり、800Åより厚いと電気抵抗値が大きくなり、振動子の振動を拘束し、検出感度が下げるので、200Å以上、800Å以下が好ましく、400Å以上、600Å以下とするのがより好ましい。また第2の電極層はワイヤーボンディングでのワイヤーの接合に耐える必要があると同時に形成する時間やコストを考慮する必要がある。そのため、第2の電極層の厚さは、1000Åより薄いと密着強度が下がり、10000Åより厚いとコストが増えるので、1000Å以上、10000Å以下が好ましく、1500Å以上、3000Å以下とするのがより好ましい。
本発明によれば、前記圧電素子は、LiNbO3、LiTaO3、ZnO、水晶、ランガサイトのいずれかの単結晶材料からなることを特徴とする圧電振動子が得られる。
本発明による圧電振動子は、圧電素子にジルコン酸チタン酸鉛系の磁器組成物を使用するのが好ましいが、より大きなQmの値を持つ圧電振動子を得るためには、LiNbO3、LiTaO3、ZnO、水晶、ランガサイトのいずれかの圧電単結晶材料を使用するのがより好ましい。
本発明によれば、前記第1の電極層は、Cr、Ti、Al、Ni、Wのいずれか1つの金属からなり、前記第2の電極層は、Au、Ag、Cu、Cr、Ti、Al、Ni、Pt、Pd、Wのいずれか1つの金属からなることを特徴とする圧電振動子が得られる。
本発明による圧電振動子は、第1の電極層にCr、Ti、Al、Ni、Wのいずれか1つの金属を使用し、第2の電極層にAu、Ag、Cu、Cr、Ti、Al、Ni、Pt、Pd、Wのいずれか1つの金属を使用することで、電極としての電気抵抗値が小さくなり、前記金属を組合せることにより、電極の影響による損失が低減し、圧電素子との密着強度や電極層同士の密着強度が向上し、配線時に電極が損傷せず、より接続不良が発生しない圧電振動子が得られる。
発明による圧電振動子を音叉形状にすることで、損失が少なく、特性劣化の少ない角速度検出用の振動ジャイロに好適な圧電振動子となる。
本発明によれば、前記圧電素子に前記第1の電極層を形成する第1の電極形成工程と、前記第1の電極層の上面に前記第2の電極層を形成する第2の電極形成工程と、前記圧電振動子の振動部に対応する前記第2の電極層を除去するエッチング工程とを有することを特徴とする圧電振動子の製造方法が得られる。
本発明による圧電振動子は、第1の電極形成工程でジルコン酸チタン酸鉛系の磁器組成物や圧電単結晶材料からなる圧電素子の表面にスパッタ法や蒸着法等で第1の電極層となる金属薄膜を形成し、次に、第2の電極形成工程で前記第1の電極層の上に前記第1の電極形成工程同様にスパッタ法や蒸着法等で第2の電極層となる金属薄膜を形成し、さらに、エッチング工程で前記第2の電極層にフォトリソグラフでフォトレジストをパターニングし、前記圧電振動子の振動部に形成された前記第2の電極層をウエットエッチングすることにより得られる。
第1の電極形成工程及び第2の電極形成工程で用いる金属薄膜の形成には、一般的な薄膜形成法ならいずれも適用することができる。従って、スパッタ法や蒸着法に限定されるものではなく、蒸着やその他の手法から適宜選定すれば良い。また、エッチング工程において使用するエッチングの手法も一般的なエッチング方法ならいずれも適用することができるので、ウエットエッチングに限られず、第2の電極層をパターニングでき、圧電振動子の振動部に形成された第2の電極層が除去できる手法であれば良い。エッチング工程においては、さらに、第2の電極層がエッチングされて露出した第1の電極層をパターニングするためのエッチング工程を含めても良い。
前記圧電素子に前記第1の電極層を形成する第1の電極形成工程と、前記圧電振動子の振動部にレジストを形成するレジスト形成工程と、前記第2の電極層を形成する第2の電極形成工程と、前記レジストを除去するレジスト除去工程とを有することを特徴とする圧電振動子の製造方法が得られる。
本発明による圧電振動子は、第1の電極形成工程でジルコン酸チタン酸鉛系の磁器組成物や圧電単結晶材料からなる圧電素子の表面にスパッタ法や蒸着法等で第1の電極層となる金属薄膜を形成し、次に、レジスト形成工程で第1の電極層の上に、圧電振動子の振動部に第2の電極形成時に電極が形成されないようにパターニングされたレジストを形成した後、第2の電極形成工程で前記第1の電極層の上に前記第1の電極形成工程同様にスパッタ法や蒸着法等で第2の電極層となる金属薄膜を形成し、さらにレジスト除去工程で前記レジストを除去することにより得られる。
第1の電極形成工程及び第2の電極形成工程で用いる金属薄膜の形成手法はスパッタ法や蒸着法に限定されるものではなく、蒸着やその他の手法から適宜選定すれば良い。また、レジスト除去工程はレジストが除去されれば良く選択されたレジストに合わせて除去する手法を適宜選定すれば良い。
本発明によれば、前記圧電振動子を用いてなることを特徴とする圧電振動ジャイロが得られる。本発明では、前記圧電振動子をパッケージに入れて、ワイヤーボンディングやGGI(Gold to Gold Interconnection)で前記第2の電極層に形成された電極に実装配線をして封止することにより前記圧電振動子を用いる圧電振動ジャイロが得られる。
本発明による圧電振動子は、圧電素子に2層の電極層を設け、1層目の電極層にパターニングで駆動電極と検出電極とを設け、2層目の電極層は圧電振動子にしたときに振動する部分以外の部分にパターニングで入出力電極を設け、圧電振動子の振動する部分の電極層を1層にする。また、本発明による圧電振動子を使用して圧電振動ジャイロとする。
本発明による圧電振動子は、圧電素子に2層の電極層を設け、1層目の電極層にパターニングで駆動電極と検出電極とを設け、2層目の電極層は圧電振動子にしたときに振動する部分以外の部分にパターニングで入出力電極を設け、圧電振動子の振動する部分の電極層を1層にする。また、本発明による圧電振動子を使用して圧電振動ジャイロとする。
以下、具体的な例を挙げ、本発明の圧電振動ジャイロについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
(実施例1)
図1は、実施例による圧電振動子の図である。図1(a)は側面図であり、図1(b)は上面図である。本実施例による圧電振動子1は、図1(a)に図示するように、圧電素子11の上に第1の電極層12を形成し、第1の電極層12の上に第2の電極層13を形成した。また図1(b)に図示するように、本実施例による圧電振動子1は、音叉形状にして、圧電振動子1の振動部15と固定部14には、圧電素子11の表面に第1の電極層12をパターニングして、第1の駆動電極12b、第2の駆動電極12d、第1の検出電極12c、第2の検出電極12e、基準電位電極12aを設けた。また、固定部14には第2の電極層13をパターニングして前記第1の電極層をパターニングした形状と同形状にし、前記第1の電極層が下地となるように第1の駆動電極13b、第2の駆動電極13d、第1の検出電極13c、第2の検出電極13e、基準電位電極13aを設けた。
本実施例では、圧電素子11はLiNbO3の圧電単結晶からなる厚さ0.2mmのウエハーを使用した。このウエハー上に第1の電極形成工程で、第1の電極層12として厚さ500ÅのCrの薄膜を形成し、第2の電極形成工程で、その上に第2の電極層13として厚さ2000ÅのAuの薄膜を形成した。次に、エッチング工程において、フォトリソグラフでフォトレジストをパターニングした後、第2の電極層13としたAuをウエットエッチングして、圧電振動子1の振動部15の部分はAuを除去し、固定部14は外部の回路となる信号処理回路等と電気的な接続をするための第1の駆動電極13b、第2の駆動電極13d、第1の検出電極13c、第2の検出電極13e、基準電位電極13aが形成されるようにAuを残した。
次に、エッチング工程で再びフォトリソグラフでフォトレジストをパターニングしてからCrをウエットエッチングした。この時、圧電振動子の振動部15に、基準電位電極12a、第1の駆動電極12b、第1の検出電極12c、第2の駆動電極12d、第2の検出電極12eが形成されるように第1の電極層12であるCrの薄膜を残した。第2の電極層13は第1の電極層12の上面に形成されているので、基準電位電極12aと13a、第1の駆動電極12bと13b、第1の検出電極12cと13c、第2の駆動電極12dと13d、第2の検出電極12eと13eは、各々電気的な接続がなされている。
このように、LiNbO3の圧電単結晶のウエハー上に多数の電極を設けた後、ドライフィルムレジストをウエハーに貼り付け、フォトリソグラフでドライフィルムレジストをパターニングしてからサンドブラストでウエハーを研削して圧電振動子の音叉形状を形成し、最後にダイシングソーで個片に切り出し、圧電振動子1とした。本実施例で製作した圧電振動子1の寸法は長さが5.0mmで幅が0.7mm長さ5.0mm、厚さが0.2mmであり、音叉形状を成す部分の幅は0.2mm、振動部15の長さは4.5mmとした。
(実施例2)
図2は、実施例による圧電振動ジャイロの断面構造図である。本実施例では、実施例1で製作した圧電振動子1を使用して圧電振動ジャイロ2を製作した。図2は、圧電振動子1の振動部を通り、長手方向と厚さ方向に対して平行な面で切断した断面を図示している。圧電振動子1はパッケージ18に接着固定した。パッケージ18の内底面20には配線パターンを設け、信号処理回路が内蔵された専用IC17を実装した。また、圧電振動子1の第2の電極層13で形成した電極とパッケージ18の内底面20に設けた配線パターンとをワイヤー16でワイヤーボンディングすることで、圧電振動子1と専用IC17は接続される。さらに、圧電振動子1と専用IC17が実装、配線された後、上蓋19でパッケージ18の開口部を封止した。本発明の圧電振動ジャイロ2の外形寸法は幅5.0mm、長さ7.0mm、高さ1.0mmである。本実施例では、内蔵した圧電振動子1が小型なので圧電振動ジャイロ2も非常に小型化できた。
圧電振動子1には図1に図示したように、第1の駆動電極12bと基準電位電極12a間に電界を印加すると同時に、これとは逆相の電界を第2の駆動電極12dと基準電位電極12a間に印加することで、圧電振動子1の幅方向に2つの振動部が互いに方向が違う振動をし、音叉振動が励振される。圧電振動子1が音叉振動している状態で、圧電振動子1の長さ方向を軸とする回転角速度が外部から加わると、音叉振動方向に対し垂直方向にコリオリ力が発生する。このコリオリ力によって、第1の検出電極12cと基準電位電極12aとの間、および、第2の検出電極12eと基準電位電極12aとの間に電荷が発生し、それを電気的信号として検出することで角速度が検出できる。
専用IC17は、圧電振動子1を駆動して音叉振動を発生さるための駆動信号を第1の駆動電極12bと第2の駆動電極12dに出力する機能と、圧電振動子1の第1の検出電極12cと第2の検出電極12eから出力される電気的信号を演算処理して角速度を示す電気信号に変換する機能を有する。
ここで、比較をするために圧電振動子の振動部に設ける電極層を2層のままにした圧電振動子を製作し、前記同様に圧電振動ジャイロを製作した。図3は、比較用の圧電振動子の図であり、図3(a)は側面図、図3(b)は上面図である。実施例1同様に圧電素子31にLiNbO3の圧電単結晶からなる厚さ0.2mmのウエハーを使用し、ウエハー上に第1の電極形成工程で、第1の電極層32として厚さ500ÅのCrの薄膜を形成し、第2の電極形成工程で、その上に第2の電極層33として厚さ2000ÅのAuの薄膜を形成した。
比較用の圧電振動子3は、レジストマスクで第1の電極層32となるCrと第2の電極層33となるAuをエッチングして電極形成するため、固定部34だけでなく振動部35も電極が2層構造になる。そのため振動部35の電極厚さはCrとAuの厚さを併せた2500Åになっており、本発明の圧電振動子と比較して、振動部の電極厚みは約5倍の厚さになっている。
従来の圧電振動子と本発明の圧電振動子のQmを比較すると、従来の圧電振動子のQmが平均4000であったのに対し、実施例1によるの圧電振動子のQmは平均8000であり、Qmが約2倍と向上している。これは振動子の振動部の電極厚みを薄くすることで、電極による振動エネルギーの損失を小さくなったためと考えられる。
さらに、従来の圧電振動子3を使用して圧電振動ジャイロを製作し、実施例2による圧電振動ジャイロとの特性の比較を行った結果、同じ回路条件で感度を比較すると、従来の圧電振動ジャイロの感度は平均0.31mV/度/秒であったのに対し、実施例2による圧電振動ジャイロの感度は平均0.66mV/度/秒であり、約2倍の感度が得られた。これは前述した通り、圧電振動ジャイロの感度は圧電振動子のQmに比例するので、Qmが2倍向上した効果により圧電振動ジャイロとしての感度も2倍になったものである。
また、実施例1による圧電振動子は、振動部の電極の厚みは第1の電極層のみで500Åであるが、ワイヤーボンディングする部分である固定部の電極の厚みは第1の電極層12と第2の電極層13との2層で形成されているので、その厚さは2500Åになり、ワイヤーボンディングをするのに必要な厚みが十分に確保でき、ワイヤー接続部の信頼性が十分に得られる。
前述した如く、本発明によれば、小型で、高いQmを維持した圧電振動子および小型で、高精度、高信頼性の圧電振動ジャイロの提供が可能となる。
本発明による圧電振動子及び圧電振動ジャイロは、角速度を検出するジャイロスコープとして利用できる他に、自動車のナビゲーションシステムや姿勢制御、或いは、カメラ一体型VTRの手振れ補正装置等利用できる。
実施例による圧電振動子を示す図。図1(a)は側面図、図1(b)は上面図。 実施例による圧電振動ジャイロの断面構造図。 比較用の圧電振動子を示す図。図3(a)は側面図、図3(b)は上面図。
符号の説明
1 圧電振動子
2 圧電振動ジャイロ
3 比較用の圧電振動子
11、31 圧電素子
12、32 第1の電極層
12a、13a、33a 基準電位電極
12b、13b、33b 第1の駆動電極
12c、13c、33c 第1の検出電極
12d、13d、33d 第2の駆動電極
12e、13e、33e 第2の検出電極
13、33 第2の電極層
14、34 固定部
15、35 振動部
16 ワイヤー
17 専用IC
18 パッケージ
19 上蓋
20 内底面

Claims (7)

  1. 第1の電極層と第2の電極層とが順に、音叉形状の圧電素子の一面のみに積層形成されてなる圧電振動子であって、前記第1の電極層が形成された振動部と、前記振動部と接続し電極層と対向する面がパッケージに固定された固定部からなり、前記固定部に形成された全体の電極層は、前記第1の電極層を下地として前記第2の電極層から形成され、前記第1の電極層及び前記第2の電極層は、金属薄膜からなり、前記振動部に電界を付与して駆動するための駆動電極と、生じる電荷を検出する検出電極と、基準電位電極が、前記圧電素子の長さ方向にそれぞれ平行に形成され、前記固定部に前記駆動電極、前記検出電極、前記基準電極にそれぞれ連続する、外部の回路と接続をするための入出力電極が形成されてなることを特徴とする圧電振動子。
  2. 前記第1の電極層は、厚さが100Å以上、1000Å以下であり、前記第2の電極層は、厚みが500Å以上、50000Å以下であることを特徴とする請求項1に記載の圧電振動子。
  3. 前記圧電素子は、LiNbO、LiTaO、ZnO、水晶、ランガサイトのいずれかの単結晶材料からなることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の圧電振動子。
  4. 前記第1の電極層は、Cr、Ti、Al、Ni、Wのいずれか1つの金属からなり、前記第2の電極層は、Au、Ag、Cu、Cr、Ti、Al、Ni、Pt、Pd、Wのいずれか1つの金属からなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の圧電振動子。
  5. 前記圧電素子に前記第1の電極層を形成する第1の電極形成工程と、前記第1の電極層の上面に前記第2の電極層を形成する第2の電極形成工程と、前記圧電振動子の振動部に対応する前記第2の電極層を除去するエッチング工程とを有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の圧電振動子の製造方法。
  6. 前記圧電素子に前記第1の電極層を形成する第1の電極形成工程と、前記圧電振動子の振動部にレジストを形成するレジスト形成工程と、前記第2の電極層を形成する第2の電極形成工程と、前記レジストを除去するレジスト除去工程とを有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の圧電振動子の製造方法。
  7. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の圧電振動子を用いてなることを特徴とす
    る圧電振動ジャイロ。
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