JP4725769B2 - 微小球の選別方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、はんだボール、ベアリングボール、ダミーボールおよびスペーサー用ボールの用途といった、直径2mm以下の微小球を対象にして、その高い真円度と均一な粒径分布を有する微小球に混入している異形球や著しく粒径の異なる球を高効率に選別するふるいを用いた選別方法に関するものである。
従来、狙いとする微小球群からの異形球の選別には、それらをV溝に転がして選別する装置が提案されている。例えば、板上に複数本のV溝を形成し、この板は傾けられ、かつ複数本のV溝は傾斜方向に平行になるようになっている。このV溝の高い方から微小球を供給すると、異形球はV溝の途中で止まるか、板の最下部の直下に流れ落ちる。一方、良品はある程度の放物線を描いて板外へ落下するので、この落下点の差を利用して、異形球を選別する手法である(特許文献1)。
また、粒径選別を行う装置としては、音波ふるいによるものや(特許文献2)、2本のシャフトで隙間を形成して選別する装置(特許文献3)などが提案されている。音波ふるいでは、そのふるい目に円形状の孔を用いることで、粒度分布の狭い粒子を得る手法に加えて、音波によって強い振動をアミや粉体に与えることができるので、目詰まりを除去する能力が高く、効率の良い分級が可能である。
後述の手法は、2本のシャフトで、その端から他端へと至るまでに徐々に広くした隙間を形成して、その隙間に球を転がすことで、球の落下位置に応じた狙い球の選別を行なうものである。球は、該2本のシャフトと2点接触で転がるので、それぞれの球径に正確に応じた最短径でのシャフト位置で落下することから、精度の高い選別ができる。
特開2001−300429号公報 特開2003−225586号公報 特開平06−023633号公報
従来の選別装置には上述した利点があるが、次のような課題がある。まず、特許文献1のようなV溝を転がすだけの装置では、異形球選別のみの機能となり、高精度な粒径選別機能を付加し難い。
次に、音波ふるいを利用した場合であるが、これは粒径選別の点においては優れた効果を有するものである。しかし、異形球の選別となると、目詰まりを除去するために極めて強い振動を付与する機構であることから、軽微な変形の異形球は簡単に目詰まり除去されてしまい、良品と区別されず選別は困難である。また、音波ふるい等の、ふるい対象物を滞留させて強く振動させる方法では、板状にまで変形した異形物は微小球の上に乗り上げる挙動を示す。よって、このような異形物を孔にまで到達させ、ふるいに掛けるためには対象物の投入量を少なくする必要があり、選別速度が非常に遅くなる。さらに、2個の良品球が互いに付着したような異形球(以下、ダブルボール)となると、孔に到達した時の接触角度によっては良品と区別されてしまい、やはり選別に困難な場合がある。
そして、2本のシャフトで形成した隙間に球を転がして選別する、特許文献3のような手法は、粒径選別に加えて、潰れた異形球などの異物選別にも効果を発揮するが、シャフトに必ず2点接触するように供給するためには、選別前の集合体を1列にしてシャフトに供給する必要があるので、選別速度を速くすることが難しい。さらに、良品に、良品未満の直径の球が付着した、雪だるま形状のダブルボールは、良品と区別できない場合が生じるといった課題もある。
本発明は、異形球選別と粒径選別を同時かつ効率的に行なうことが可能な微小球選別用ふるいを用いた微小球の選別方法を提供するものである。
本発明者は、ベアリングボールやダミーボール、スペーサー用ボール、特にはんだボールの用途といった、高精度の寸法および形状管理が要求される微小球の選別において、その異形球選別と粒径選別を同時かつ高速に行なえる手法を検討した。その結果、上記の2点接触を利用したことによる、狙い球のふるい残しこそが、課題の解消に有利であり、このようなふるい目を複数設けたアミ状あるいはスリット状の微小球選別用ふるいを用いることで、これらの問題を大きく改善できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、直径2mm以下狙い径aの微小球をふるい残す微小球の選別方法であって、ふるい面にある複数のふるい目は、長さが0.95a以下の短辺bと、長さがaを超える長辺cの異方形状であり、前記ふるい面は前記長辺方向の下流側に向けて下りの傾斜を有しており、前記狙い微小球を含む選別前の集合体をふるい目の長辺方向に流して、ふるい残った前記狙い微小球を含む選別後の集合体を、ふるい外へ流し落とすことで、その飛距離差により、狙い径aの微小球を選別する微小球の選別方法である。
本発明によれば、異形球選別と粒径選別を同時に実施することが可能となり、かつ生産性を飛躍的に改善することができる。そして、特に直径1000〜10μmの微小球の選別に効果を発揮することから、はんだボール、ベアリングボール、ダミーボールおよびスペーサー用ボールの用途といった、特に高精度の寸法および形状管理が要求される微小球の分野においても、その実用できる品質と価格にするために、欠くことのできない技術となる。
上述したように、本発明の重要な特徴は、良品球が2点接触するふるい目の寸法を最適に調整したアミ状のふるいとすることで、それ未満の小球や、いびつな変形球はふるい落す、あるいは目詰りさせて、狙い球はふるい残す選別こそが、最終的には狙い球のみの選別に効率的であることを知見したところにある。具体的には、直径2mm以下である狙い径aの微小球をふるい残すことで、それを選別するためのふるいであって、ふるい面にある複数のふるい目は、長さが0.95a以下の短辺bと、長さがaを超える長辺cの異方形状である微小球選別用ふるいであり、それを使用することによって、異形球選別と粒径選別を同時に行い、かつ高い生産性を得ることを実現した。
直径2mm以下の径である微小球は、主にはんだボール、ベアリングボール、ダミーボールおよびスペーサー用ボールの用途の用いられる、高精度な微小球を意識したものであり、本サイズ球の中では特に高い真球度を求められる微小球を指す。本発明で選別できる代表的な高精度微小球とは、平均直径が2mm以下であり、平均径/最長径≧0.9、さらに粒径分布が狙い径a±10%の範囲内にあるものである。
これらの狙い径aを有する微小球を、様々な異形球も混入している集合体から効率よくふるい選別するためには、該狙い球は、ふるい落とすよりも、ふるい残す方がよい。そして、そのための、複数のふるい目は、0.95a以下の短辺bとaを超える長辺cからなる異方形状の穴寸法とする。すなわち、短辺が狙い球の通らない寸法とする一方で、長辺はaを超える長い異方形状の孔をアミ目状(スリット目状)に配すれば、選別前の多数の球を長辺方向に流し込むことで、連続した選別ができる。
そして、本発明においては、このふるい目の短辺寸法こそが重要であり、これは異形球選別と粒径選別の同時達成を特徴する本発明にとっての、特に異形球選別に効果を発揮するものである。異形球で問題となるのは、球体が潰れたような“異方形状(いわば、紡錘形状)”のものとは別に、上述の“ダブルボール”があり、ダブルボールのなかでも、良品球に良品球未満の直径の球が付着した“雪だるま形状のダブルボール”の選別除去は非常に重要である。
すなわち、上記の異方形状のものについては、その短軸が本発明のふるい目の短辺よりも十分に潰れていれば、ふるい落とすことが可能である。そして、容易にはふるい目を通過できない、その短軸寸法がふるい目の短辺近傍の異方形状物であっても、ふるい目に強く挟み込まれて捕捉されれば、選別が達成される。そして、本発明のふるい目に捕捉すらされず、結果として、ふるい残された異方形状物、そして寸法の大きいダブルボールであっても、そのままふるい外へ流し落とすことで、狙い球に比して十分に異なる形状や質量差によって、飛距離差(転がり挙動の差)による選別が可能であり、それぞれの着地位置で選別回収すればよい。しかし、ここで雪だるま形状のダブルボールとなると、その狙い球に比して極微小な球(異物)が付着したものの場合、上記の飛距離差は十分ではなく、選別の難しいものが生じる。
そこで、このような雪だるま形状のダブルボールに対してこそ、それら自体をふるい落とすのではなく、その良品球に付着している小径球を強く挟み込んで捕捉できるような、狙い径aよりも小さい短辺bのふるい目を用いれば、上記の飛距離差による選別機構と組合せることで、全種類の異形球の十分な選別が可能となる。すなわち、雪だるま形状のダブルボールは、その付着している小径球が狙い径aに比して狭幅bのふるい目に強く挟み込まれるので、容易に良品球からの選別回収ができ、付着している小球の径が比較的大きいことから、この捕捉を逃れた(あるいは一旦捕捉されながらも外れた)ダブルボールであっても、ふるい上を流れる速さは減速され、上記の飛距離差によって選別が達成される。そして、このふるい目の短辺bの狭幅化によって、他の異方形状物や良品形状同士のダブルボールはふるい落しや捕捉のされる確率が落ちるが、これら程の形状差や質量差の大きい異形球は、飛距離差によって選別できる。
そして、もう一つの効果達成が必要である粒径選別についても、上記の通りの、ふるい目の短辺を狙い球径aの通らない寸法bとしたことにより、狙い球自体はふるい残される一方で、寸法bよりも小径の球は、その形状が真球であっても、ふるい落とされる。しかし、この粒径選別の作用効果からすれば、そのふるい目の短辺bは狭化するとしても、狙い球の直径aに近いことが好ましいが、異形球の選別、特に雪だるま形状のダブルボールをふるい選別する作用効果からすれば、ふるい目の短辺bは余りに広すぎると効果がない。よって、本発明の異形球選別と粒径選別の同時達成を特徴するふるいにとっては、そのふるい目の短辺寸法を単に狭くするのではなく、最適に調整する必要がある。
狙い径aの微小球を粒径選別するにあたっては、その狙い球に若干の許容寸法(例えば±10%)があることは、上記の通りである。よって、ふるい目の寸法をa直下の寸法にしてしまうと、許容される寸法の良品までもがふるい落とされてしまう一方で、選別前の集合体の中には当然に一番多く含まれる良品によって、ふるい目の多くが目詰まりしてしまう恐れがある。こうなると、ふるいの能率は極端に落ちてしまう。
そこで、上記の課題を解決するふるい目の短辺寸法を検討したところ、それは広くても0.95aとすることで、解消できる。狙い径aに対して、短辺0.95aの短辺寸法bであり、そして長辺がaを超える寸法cのふるい目であれば、この異方形状穴に狙い径通りの良品が接触しても、ふるい目に挟み込まれずにふるい残すことができる。そして、小さいながらも許容寸法内の良品は、ふるい目に挟み込まれても非常に弱い力(すなわち次々に流れてくる微小球の群)を加えるのみで、ふるい目から容易に脱落するので、歩留および能率を落とさず、粒径選別が可能である。
そして、異形球の選別の作用効果から検討すれば、それは上記の雪だるま形状のダブルボールを選別できれば、他の異形球は、例えば次段階の飛距離差による選別でも可能であるから、ふるい目の短辺bは、0.95a以下の範囲で、あとは粒径選別の作用効果との兼合いをも考慮して決定すればよい。この場合、まずは雪だるま形状のダブルボールを先に選別除去することが重要な本発明にとっては、飛距離差のよる除去が困難なダブルボールを見極めておく必要がある。その状況を調査したところ、やはりふるい目の短辺寸法を0.95aにまで狭めておけば、付着する小径球の寸法がaに比して非常に小さいダブルボールこそ、ふるい目に捕捉こそされ難くなるが、ふるい目の縁部に引っかかることから、流れ速度が減じて、最終的には飛距離が伸びず、良品との選別に一定の効果を示すことを知見した。
そして、ふるい目の長辺については、狙い球径のaよりも長くすることで、選別前の多数の球を長辺方向に流し込めば、ふるい残った良品球や異形球を一方向に流し落とすことができるから、飛距離差による選別がし易くかつ、連続した選別ができる。以上より、本発明の微小球選別用ふるいは、その狙い径aの微小球に対するふるい目の短辺bを0.95a以下とし、長辺cをa超とした、異方形状とする。好ましくは、雪だるま形状のダブルボールを確実に選別するための該短辺を0.7a以下とし、あるいはさらに、粒径選別の作用効果を保持するための該短辺を0.5a以上とする。また、これら両効果の兼合いにより、どちらか一方の効果が不足するのであれば、本発明の範囲内で寸法を再調整したふるいを複数組合わせて、それを補えばよい。
ここで、本発明のふるい目の短辺bと長辺cの定義について説明する。まず、寸法b以上の直径を有する真球(良品球)を一つのふるい目に載せると、その穴縁と真球が2点で接触する状態が存在する。その縁と真球が2点で接触している状態で、2点間の距離が最長になる直線距離が、穴の短辺bである。そして、長辺cとは、短辺bに直角方向の距離であって、該穴縁の外周上の任意の2点を直線で結んだ距離のうちの、最長となる距離である(図1(A))。
そして、本発明のふるい目にとって必須の異方形状とは、上記の定義による寸法a,b,cの関係が本発明を満たすのであれば、特別の形状は問わないものである。例えば、この形状としては、長方形、三角形、楕円形、平行四辺形、菱形、涙形状を基本として、これらの角を丸めたり、面取りをした形状も含まれる。紡錘形状であってもよい(例えば、図1(B))。ハート型やひょうたん型などの凹凸が多い形状も使用することも可能ではあるが、短辺や長辺の調整が困難になるといった問題がある。好ましくは、集合体の流れ方向である長辺に対し、短辺が実質直角に調整されたふるい目であり、そして、長方形を基本とした形状である。また、長辺cを長くすることで、結果的にはスリット形状を呈したふるい目も、本発明に好ましい一形状である。
補足しておくと、上述した種々形状のふるい目においては、その長辺方向に微小球を流すと、微小球は回転して、各々のふるい目に対し、長辺側の両縁に連続的あるいは断続的に2点接触しながら移動する。この長辺側の両縁は、ふるい目の短辺bの距離を決定する要素であるところ、この際に、本発明の重要な作用効果である雪だるま形状のダブルボールの選別除去を効率よく行なうとすれば、それは、この微小球が連続的あるいは断続的に接触している2点間の距離を変化させればよい。つまり、様々なサイズの該ダブルボールを挟み込んで捕捉するのに対応できる、短辺が様々に変化したふるい目とすることである(ただし0.95aを超えないこと)。一例としては、三角形状のふるい目があり、これは微小球が2点接触する距離が(0.95aを超えない範囲で)連続的に変化するので、種々サイズの異形球を挟み込んで選別することが可能である。
しかし、このような短辺の変化調整による作用効果は、一つのふるい目に絞って付与できる以外には、複数のふるい目のうちの、その一つひとつのふるい目の短辺を種々に異ならせることでも付与が可能である。これについては後述するが、一つのふるい目に絞っての短辺調整だと、微小球の流れ効率が落ちることから、複数のふるい目による手法が好ましい。
次に、上記のふるい目にとって、さらに本発明に好ましい形態を説明する。本発明のふるい面にある複数のふるい目は、その並びを、お互いの短辺同士および/または長辺同士が並行に隣り合って形成することによって、微小球が転がる方向を制御することが容易になる(図2)。このふるいであれば、微小球がふるい面の特定箇所に集中せず、分散させることが容易になり、選別効率を向上させることができる。なお、並行とは、実質矩形のふるい目同士であれば、その辺同士が並行であることを意味するが、これは上記の長辺方向(微小球の転がる方向)および短辺方向を基準にした実質的な作用効果で判断し、調整すればよい。
ここで、ふるい目の短辺同士を並行に隣り合わせた場合には、それぞれのふるい目の短辺長さを異ならせれば、ふるい目の長辺方向に集合体を流す一回のふるい作業で、種々の大きさの雪だるま形状のダブルボールと、潰れた球の異なった形状の異形球を選別除去しながら、かつ粒径選別もできる。よって、多くの形状の異形球を含む集合体より所定の良品球を選別する場合に、適している。好ましくは、集合体を流す上流側のふるい目に短辺長さの小さいものを配置することで、選別の難しい比較的小径の球が付着したダブルボールの除去が効率よく行なえる(図3)。
そして、スリット状(c>>a)のふるい目を使用して、それらをお互いの長辺同士が並行に隣り合うよう配置すると、集合体がふるい面上を長辺方向(スリット方向)に流れる際の、ふるい目の短辺方向には接触する“区切り”の存在がないので、上記のような異形球選別効果に加えて、板状(円盤状に潰れた形状)の異形物を選別する能力が特に向上する(図4)。スリット状のふるい目の場合、スリット方向に流した集合体の流れ方向が揃いかつ、速度も向上するので、これも効率的な選別に適した一形態である。
ただし、スリット状のふるい目となると、そのようなふるいに、例えば、ウェッジワイヤースクリーンのものを適用した場合、その製造上の制約から、使用するワイヤーにはある程度の幅(径)を持たせる必要が出てくるので、これがふるい目の開口率の低下に繋がれば、選別速度が遅くなる。また、スリット状のふるい目を電鋳(メッキ)法で形成するとなれば、やはり製造上の制約から、ふるいの厚さを薄くする必要が出てくるので、ふるい本体の強度低下となれば、扱いが難しくなる。よって、スリット状のふるい目を採用する場合は、これらの課題も鑑みての検討が好ましい。
次に、本発明の微小球の選別方法につき、そのふるいを利用した選別後の効果を説明しておく。ふるい残しによって、そのふるい上に残った、狙い径の微小球を含むふるい後の集合体は、ふるいの外へ流し落とすことで、その飛距離差を利用し、異形球と所定外の粒径の球を除去することができ、さらに高精度な選別が可能になる。つまり、例えば斜面になるように設置した本発明のふるい面上に、選別前の集合体を流し供給すれば、既述のふるい目による選別作用に加えて、続くふるい上からの落下飛距離差を利用した、更なる選別ができる。同程度の真球度を有した微小球を斜面上に転がし、速度を与えてから落下させると、同質量(密度)の微小球であれば、重たい微小球ほどふるいからの飛距離が長い。また、同程度の質量であっても、真球度の高い微小球ほど飛距離は長い。加えて、本発明のふるいでは、その特別に調整されたふるい目によって、真球度の低い異形球や異形状物は挟み込まれるので、移動速度を更に著しく遅くできるから、上記の飛距離を更に短くできる。
変更が困難な一軌道しか確保できない、従来のV溝を転がしての飛距離差を利用する方法の場合だと、異形球は良品に比して遅い速度でV溝を流れるので、異形球の後方に良品が流れてくれば、その良品は前方の異形球に衝突する。その結果、良品と異形球の流れ速度(飛距離)は同程度になってしまい、この飛距離を利用した選別の作用効果が薄れてしまう。しかし、広いふるい面に複数のふるい目を形成した、軌道変更の自由度が高い本発明の方法であれば、前方を流れる異形球、そしてふるい目に挟み込まれた異形球に良品が衝突したとしても、良品は移動方向を脇にそらされる程度で流れ続けるから、上述の減速による歩留低下の問題を著しく改善できる。
集合体をふるい面上に流し、そして速度を与えて外へ流し落とす手段としては、上記のふるい面に傾斜を設けることの他には、ふるい面に振動を加えること、集合体に風を当てること、初速を与えること等によっても可能である。ふるい面を傾斜させる手段については、その傾斜角度(登り〜水平〜下り)は集合体の流れ速度に応じて最適に調整すればよい。また、微小球の転がりを良くするためには、ふるいに加振したり、気流を起こしても良いが、これらの手段は、φ200μm未満の直径という、特に小さい微小球の選別に好ましい。これは、微小球が小さくなる程、静電気などの影響を強く受けやすく、微小球同士が引っ付いたり、微小球とふるい面が引っ付いたりするからである。以上の手段は、複数を組合せることも可能である。
そして、集合体を流し落とす方向については、その本発明のふるい面に設ける複数のふる目の方向を調整することで、一方向に限らず、多方向へ同時に流すことも可能である。例えば、一枚のふるいについては、その複数のふるい目の方向を、ふるいの外周辺に向けて放射状になるように設ければ、外周辺に向けて多くの集合体を外へ流し落とせるので、例えばふるい目を一方向にのみ設計したふるいの場合に比較して、装置を小型化できる。一方で、一平面のふるい形状に、ふるい目を一方向にのみ設計したものは簡素であり、装置コストを抑えることができる。これら方向については、他に曲げながら流す経路を採用する等、異形球と良品の流れ挙動の異なりを見て決めてもよい。
以上の本発明においては、その個々独立したのふるいを複数枚組合わせてもよく、すなわち、ふるいから外へ流し落した選別後の集合体を、再度別のふるいで受けて、同様の選別作業を繰り返しもよく、ふるい目のない単なる平面板や、従来のV溝などで受けても良い。本発明の選別方法を繰り返すことで、狙い球に混在する異径・異形球の残存確率をより低くすることができる。また、本発明の選別の狙いとする微小球は、小さ過ぎると静電気等によるそれら同士の接着、またふるいとの接着が考えられ、効果が少なからず減少する。好ましい狙い径の下限は10μmである。
図2は、本発明の微小球選別用ふるい7を用いた装置の1実施例の構成図であって、長方形のふるい目を使用した例である。これは様々な形状および大きさを含んだはんだボールの集合体より、狙い直径300μmのはんだボールを選別するためのものであって、個々のふるい目は短辺が260μmに、集合体の流し方向である長辺が360μmに調整されており、それらお互いの辺同士は並行に形成している。そして、ふるい面は、その集合体の下流側に向けて、下りの傾斜を持たせている。このふるい目を使用すると、潰れた異形球1や、ダブルボール2はふるい目により捕捉でき、著しく小さい球4はふるい落とされるので、良品のはんだボール3がふるい残され、選別が可能になる。
図3は、狙い直径70μmのはんだボールを選別するための、本発明の微小球選別用ふるい7を用いた装置の1実施例の構成図であって、楕円形のふるい目を使用し、かつ大きさの異なる2種のふるい目を、その大きい方が下流側になるように設計した例である。上流側の小さいふるい目は、短軸が30μmに、集合体の流し方向である長軸が75μmに調整されており、下流側の大きいふるい目は、短軸が50μm、長軸が95μmに調整されている。そして、それらお互いの軸同士は並行に形成している。ふるい面は、その集合体の下流側に向けて、下りの傾斜を持たせている。この異なる短軸のふるい目を利用することで、短軸の長いふるい目で付着物の比較的大きいダブルボール2を捕捉できることに加えて、短軸の短いふるい目で付着物の小さいダブルボール5を捕捉できる。著しく小さい球4もふるい落とされるので、良品のはんだボール3がふるい残され、選別が可能になる。
図4は、狙い直径800μmのはんだボールを選別するための、本発明の微小球選別用ふるい7を用いた装置の1実施例の構成図である。ふるい目にはスリット状の形状を使用しかつ、特にふるい残した選別後の集合体(微小球群)は、それらをふるい外へ流し落とすことで、飛距離の差を利用した選別の例である。個々のスリットは、幅(短辺)は750μm、スリット長さ(長辺)は狙い直径に比して十分に長いものであり、それらは、お互いがスリット方向(集合体の流し方向)に並行である。ふるい面は、その集合体の下流側に向けて、下りの傾斜を持たせている。
このスリット状のふるい目を使用することで、スリットによる異形球の捕捉やふるい落し、特に板状(円盤状に潰れた形状)の異形物6の選別に効果を発揮する。さらに、ふるい目に捕捉のされなかった、楕円状に潰れた異形球1やダブルボール5等であっても、スリットに引掛かって転がり難く、速度が落ちて、ふるい外へ流れ落ちた時には飛距離が短い。一方、良品のはんだボール3は転がり易いので、飛距離が長い。この飛距離差による選別機能を併用することで、良品のはんだボール3の選別精度が更に向上する。
これら図2〜4のはんだボール選別装置A〜Cを使用して、100万個の良品に、様々な大きさおよび形状の計10個の不良品球を意図的に混入させた、集合体の選別実験を行なった。それぞれの装置については、実験を10回行なった結果を表1に示す。表1からわかるように、選別された不良品の数は、図2の装置Aで平均8.6個、図3の装置Bで平均9.0個、そして図4の装置Cで平均9.3個であり、高い選別能力が得られていることがわかる。
Figure 0004725769
さらに選別能力を高めるには、同様の選別を複数回繰り返すようにすればよい。そこで上記の実験に同様、100万個の良品に、10個の不良品を意図的に混入させた集合体を準備して、装置A〜Cの装置による選別実験を行なうにあたり、それぞれの装置で2回繰り返した選別実験を、10回行った。結果を表2に示すが、2回の選別を繰り返すことによって、100%に近い確率で異形球の選別ができた。
Figure 0004725769
本発明は、高い真球度を有するボールの選別方法であることから、セラミックボールなどの選別にも適用できる。
ふるい目の一例を説明する模式図である。 本発明の一例を示す構成図である。 本発明の他の一例を示す構成図である。 本発明の他の一例を示す構成図である。
符号の説明
1 潰れのある異形球、2 良品の微小球に小さい微小球が付着した異形球、
3 良品の微小球、4 著しく小さい球
5 良品の微小球に著しく小さい微小球が付着した異形球、
6 板状の異形球、7 微小球選別用ふるい

Claims (1)

  1. 径2mm以下の狙い径aの微小球をふるい残す微小球の選別方法であって、ふるい面にある複数のふるい目は、長さが0.95a以下の短辺bと、長さがaを超える長辺cの異方形状であり、前記ふるい面は前記長辺方向の下流側に向けて下りの傾斜を有しており、前記狙い微小球を含む選別前の集合体をふるい目の長辺方向に流して、ふるい残った前記狙い微小球を含む選別後の集合体を、ふるい外へ流し落とすことで、その飛距離差により、狙い径aの微小球を選別することを特徴とする微小球の選別方法。
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