JP4725633B2 - 粉体処理装置及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents
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Description
この特許文献1は画像形成装置で用いられる廃トナー回収装置に関するものであり、廃トナー搬送経路内の廃トナー搬送スクリューと廃トナー回収容器とを共通の駆動源で駆動可能とし、廃トナー回収容器が未装着のときには廃トナー回収容器の駆動機構をロックし、廃トナー回収容器が装着されたときに前記駆動機構のロックを解除する技術が開示されている。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る粉体処理装置において、前記駆動機構は、前記容器受部に前記収容容器が未装着のときに粉体駆動伝達機構と係わらずに少なくとも一部が手動可能であることを特徴とする粉体処理装置である。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3いずれかに係る粉体処理装置において、前記粉体搬送機構の搬送部材は粉体の搬送方向に対して曲げ変形可能な材料にて構成され、前記搬送管は駆動機構に近い側に屈曲部を有することを特徴とする粉体処理装置である。
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4いずれかに係る粉体処理装置において、前記駆動機構は、少なくとも一部にはすば歯車を有し、粉体駆動伝達機構と係わった状態の被駆動時に前記はすば歯車のねじれ角が粉体搬送機構の搬送部材を搬送管内に押し込む方向に設けられていることを特徴とする粉体処理装置である。
請求項6に係る発明は、粉体としての作像材料を用いて作像を形成する作像手段と、この作像手段で使用された粉体のうち残留粉体を清掃する清掃手段と、この清掃手段で清掃された粉体を回収する請求項1ないし5いずれかに係る粉体処理装置とを備えたことを特徴とする画像形成装置である。
請求項7に係る発明は、粉体としての作像材料を用いて作像を形成する作像手段と、この作像手段に対し粉体を供給する請求項1ないし5いずれかに係る粉体処理装置とを備えたことを特徴とする画像形成装置である。
請求項8に係る発明は、請求項6又は7に係る画像形成装置において、前記粉体処理装置は前記粉体搬送機構の搬送管の粉体搬送方向下流端に駆動機構を備え、画像形成装置筐体は開放時に前記駆動機構が手動可能な開閉扉を有することを特徴とする画像形成装置である。
更に、容器受部に収容容器を装着したときに駆動機構からの駆動力を搬送部材と粉体搬送機構とに分岐することで、収容容器内部の粉体を搬送することができるほか、収容容器の粉体駆動伝達機構を例えば駆動伝達ギア列などで構成した場合には、収容容器の搬送部材への駆動伝達部が粉体搬送機構の搬送部材への駆動伝達部よりも駆動機構の駆動源からの駆動力伝達方向下流側に設けられている態様に比べて、ギアへの負担を低減することができる。
請求項2に係る発明によれば、粉体搬送機構の搬送管内の粉体の詰まりを確認することができる。
請求項3に係る発明によれば、容器受部に収容容器を装着する際に、粉体搬送機構の搬送管からの粉体の溢れを有効に回避することができる。
請求項4に係る発明によれば、粉体搬送機構の搬送部材を粉体の搬送方向に対して曲げ変形可能な材料で構成しない態様に比べて、搬送管の屈曲部に対応して配置される搬送部材部分に駆動力を伝達し易く、粉体の搬送性能を良好に確保することができる。
請求項5に係る発明によれば、はすば歯車の特性を利用することで、被駆動時に粉体搬送機構の搬送管内の搬送部材を押すことが可能になり、その分、例えば搬送部材と軸受部材との接触による摺動抵抗を抑止することができる。
請求項6に係る発明によれば、粉体処理装置を粉体回収装置に適用し、収容容器が予め決められた容器受部に未装着であるときの粉体搬送機構により粉体が搬送されるという誤動作をなくすことが可能な画像形成装置を簡単に構築することができる。
請求項7に係る発明によれば、粉体処理装置を粉体供給装置に適用し、収容容器が予め決められた容器受部に未装着であるときの粉体搬送機構により粉体が搬送されるという誤動作をなくすことが可能な画像形成装置を構築することができる。
請求項8に係る発明によれば、開閉扉を開放することで、駆動機構を手で動かすことができ、粉体搬送機構の搬送管内の粉体詰まりを確認することができる。
先ず、本発明が適用される粉体処理装置の実施の形態の概要について説明する。
<収容容器>
本実施の形態で用いられる収容容器は、供給粉体を収容する容器又は回収粉体を収容する容器のいずれをも含むものである。
具体的には、本実施の形態において、収容容器2は、図1(a)(b)に示すように、予め決められた容器受部1に着脱自在に設けられ、内部に供給又は回収粉体を収容する容器本体3と、この容器本体3に設けられて供給又は回収粉体に対し搬送可能な駆動力を伝達する粉体駆動伝達機構4とを備え、前記粉体駆動伝達機構4が、容器本体3内部の粉体が搬送可能な搬送部材4aを有し、前記容器受部1に前記容器本体3を装着したときに、前記容器受部1側に設けられて前記容器本体3の外部にて供給又は回収粉体を搬送する粉体搬送機構5と、前記容器受部1側に設けられる駆動機構6とを連結すると共に、前記搬送部材4aと前記駆動機構6とを連結し、前記容器受部1に前記容器本体3を装着したときに前記駆動機構6からの駆動力にて前記粉体搬送機構5及び前記搬送部材4aを駆動するものであり、前記容器本体3内部の搬送部材4aへの駆動伝達部が前記粉体搬送機構5への駆動伝達部よりも駆動機構6からの駆動力伝達方向上流側に設けられ、前記駆動機構6からの駆動力が前記搬送部材4aと前記粉体搬送機構5とに分岐されるものである。
ここでいう「粉体」の代表的態様としては、画像形成装置に用いられる場合のトナー等の作像材料が挙げられるが、これに限られない。
本態様において、容器本体3は内部に粉体を収容するものであればその形状は特には問わない。
また、粉体駆動伝達機構4は容器本体3に設けられ、供給又は回収粉体に対し搬送可能な駆動力を伝達するものであればよい。ここでいう「供給又は回収粉体」とは容器本体3外部にあるものを主として指すが、好ましくは容器本体3内部にあるものをも含む方がよい。容器本体3内部にある「供給又は回収粉体」を含む態様としては、前記粉体駆動伝達機構4は、容器本体3内部の粉体が搬送可能な搬送部材4aを有し、前記駆動機構6からの駆動力にて前記搬送部材4aを駆動する態様が挙げられる。
本実施の形態では、粉体駆動伝達機構4は、図1(a)に示すように、容器受部1に収容容器2が未装着であるときは、前記粉体搬送機構5と前記駆動機構6とを未連結とし、図1(b)に示すように、容器受部1に収容容器2が装着されたときに、前記粉体搬送機構5と前記駆動機構6とを連結するものである。このため、本実施の形態では、容器受部1に収容容器2が装着されない限り、前記粉体搬送機構5が駆動機構6によって駆動されることはない。
<粉体処理装置>
本実施の形態で用いられる粉体処理装置は広く粉体を処理するものであり、ここでいう「処理」とは、例えば粉体を回収する処理や、粉体を供給する処理を指す。
図2は本発明が適用される粉体処理装置を用いた画像形成装置の実施の形態を示す。
同図において、粉体処理装置を粉体回収装置として適用した例としては、画像形成装置は、粉体Tとしての作像材料を用いて作像を形成する作像手段11と、この作像手段11で使用された粉体Tのうち残留粉体を清掃する清掃手段12と、この清掃手段12で清掃された粉体Tを回収する粉体処理装置(粉体回収装置)10とを備えたものである。
また、粉体処理装置を粉体供給装置として適用した例としては、画像形成装置は、粉体Tとしての作像材料を用いて作像を形成する作像手段11と、この作像手段11で使用された粉体Tを供給する粉体処理装置(粉体供給装置)10’とを備えたものである。
ここで、作像手段11としては、粉体Tとしての作像材料を用いて作像するものであれば、電子写真方式、静電記録方式など適宜選定して差し支えない。また、作像手段11としては単色画像を作成するものでもよいし、複合色を用いた画像を作成するもの等適宜選定してよく、更に、作像プロセスについても、直接記録材に画像を転写する直接転写方式や、中間転写体を介して記録材に画像を転写する中間転写方式など適宜選定して差し支えない。
また、清掃手段12については、作像手段11による残留粉体Tを清掃する全てであってもよいし、あるいは、その一部であってもよい。
本実施の形態で用いられる粉体処理装置10は、図2に示すように、回収粉体Tを処理する粉体処理装置であって、予め決められた容器受部1に着脱自在に設けられ、内部に回収粉体Tを収容する容器本体3、及び、この容器本体3に設けられて粉体Tに対し搬送可能な駆動力を伝達する粉体駆動伝達機構4を有する収容容器2と、前記容器受部1側に設けられ、前記収容容器2の外部で粉体Tを搬送管5aに沿って搬送し且つ前記搬送管5a内部に粉体Tが搬送可能な搬送部材5bを有する粉体搬送機構5と、前記容器受部1側にて粉体搬送機構5の外部に設けられ、前記容器受部1に前記収容容器2を装着したときに前記粉体駆動伝達機構4と駆動伝達可能に係わり且つこの粉体駆動伝達機構4を介して粉体搬送機構5の搬送部材5bを駆動する駆動機構6とを備え、前記粉体駆動伝達機構4は、容器本体3内部の粉体が搬送可能な搬送部材4aを有し、前記容器受部1に前記容器本体3を装着したときに、前記容器受部1側に設けられて前記容器本体3の外部にて供給又は回収粉体を搬送する粉体搬送機構5と、前記容器受部1側に設けられる駆動機構6とを連結すると共に、前記搬送部材4aと前記駆動機構6とを連結し、前記容器受部1に前記容器本体3を装着したときに前記駆動機構6からの駆動力にて前記粉体搬送機構5及び前記搬送部材4aを駆動するものであり、前記容器本体3内部の搬送部材4aへの駆動伝達部が前記粉体搬送機構5の搬送部材5bへの駆動伝達部よりも駆動機構6の駆動源6aからの駆動力伝達方向上流側に設けられ、前記駆動機構6からの駆動力が前記容器本体3内部の搬送部材4aと前記粉体搬送機構5とに分岐されるものである。
この場合において、収容容器2そのものが容器受部1に固定的に設けられる態様にあっては、収容容器2内に粉体Tが搬送可能な搬送部材4aを粉体駆動伝達機構4の一要素として設けるようにすればよく、また、支持枠に回転可能な容器本体3を支持した態様の収容容器2にあっては前記容器本体3を適宜回転させるようにすればよい。
更に、粉体搬送機構5の搬送管5aとしては粉体Tを搬送するものであればよいが、粉体Tを内部に供給するための供給口が一若しくは複数設けられている態様が多く用いられる。また、収容容器2との接続部には開閉蓋5cが通常設けられている。
更にまた、駆動機構6としては、搬送管5aの外部に設けられればよいが、内部の搬送部材5bへ駆動伝達する必要性があることから、例えば搬送部材5bの端部から駆動伝達する態様では、搬送部材5bの端部に相当する搬送管5aの外部に設けるようにすればよい。
また、駆動機構6は、容器受部1に収容容器2を装着したときに粉体駆動伝達機構4に対して駆動伝達可能に係わるものであればよい。つまり、駆動機構6は駆動源6aからの駆動力を粉体駆動伝達機構4を介して搬送管5a内の搬送部材5bに伝達するものであればよい。
従前の画像形成装置で用いられる粉体処理装置、例えば粉体回収装置にあっては、残留粉体の搬送性を容易にするために、粉体の搬送経路の一部に粉体が自重で落下する落下経路を含ませるという設計が多くなされてきた。しかしながら、画像形成装置の小型化、カラー化に伴い、清掃手段12の下方に収容容器2の設置スペースを確保することが困難になるほか、例えば中間転写体を清掃する複数の清掃手段12から粉体Tを回収することが必要になり、その分、粉体Tの搬送経路が複雑化するという事態を生ずる。
このような状況下においては、粉体搬送経路に落下経路を含ませることが困難になるため、搬送管5a内の搬送部材5bにて粉体Tを強制的に搬送する経路が長くなるばかりか、粉体搬送経路が複雑化することに伴って、粉体搬送経路を屈曲させることも必要になるため、その分、必然的に粉体搬送経路を形成する搬送管部品の結合部分が多くなり易く、その結合部分での粉体詰まりが起こり易いという傾向がみられる。
尚、このような傾向は粉体供給装置においても同様にみられる。
このような事態に鑑み、搬送管5a内の粉体詰まりを容易に確認するという観点からすれば、駆動機構6としては、容器受部1に収容容器2が未装着のときに粉体駆動伝達機構4と係わらずに少なくとも一部が手動可能である態様が好ましい。
この場合、収容容器2の搬送部材4aへの駆動伝達部と、搬送管5a内の搬送部材5bへの駆動伝達部との位置関係について、高トルクの収容容器2の搬送部材4aへの駆動伝達部を低トルクの搬送管5a内の搬送部材5bへの駆動伝達部より駆動力伝達方向上流側に設定すればよい。
そして、粉体駆動伝達機構4は、駆動伝達効率の点では収容容器2の搬送部材4aには駆動機構6の駆動源6aからの駆動力をカップリング部材などの連結部材で直接駆動することが好ましいが、適宜数のギアなど駆動伝達部材を介在させてもよい。
更にまた、搬送管5aの好ましい態様としては、搬送管5a内の搬送部材5bは粉体Tの搬送方向に対して曲げ変形可能な材料にて構成され、搬送管5aは駆動機構6に近い側に屈曲部を有するものが挙げられる。
ここで、搬送管5aの屈曲部は駆動機構6の近くであればよいが、鉛直方向成分が変化する屈曲部を設けるようにすれば、収容容器2を離脱する際に搬送管5a内の粉体Tの溢れを有効に防止することができる点で好ましい。
更に、このような粉体処理装置10を用いた画像形成装置としては、粉体処理装置10の搬送管5aのレイアウトは、画像形成装置筐体内の任意の位置(背面側、手前側、側方側など)で差し支えないが、例えば作像手段11、収容容器2のメンテナンスなどを考慮すると、画像形成装置筐体の背面側に設ける態様が好ましい。
更にまた、粉体処理装置10は搬送管5aの粉体搬送方向下流端に駆動機構6を有し、画像形成装置筐体は開放時に駆動機構6が手動可能な開閉扉を有することが好ましい。
◎実施の形態1
−画像形成装置の全体構成−
図3は本発明が適用された画像形成装置の実施の形態1の全体構成を示す。
同図において、画像形成装置は、画像形成装置筐体(以下装置筐体という)21内に四つの色(本実施の形態ではブラック、イエロ、マゼンタ、シアン)の画像形成部22(具体的には22a〜22d)を斜め上方に向かって僅かに傾斜した位置関係にて横方向に配列し、その上方に各画像形成部22の配列方向に沿って循環搬送される中間転写ベルト23を配設する一方、装置筐体21の下方には記録材が供給可能に収容される記録材供給装置24を配設すると共に、装置筐体21の上部には画像形成済みの記録材が排出収容される記録材排出受け26を設け、前記記録材供給装置24からの記録材を鉛直方向に沿って延びる記録材搬送路25を介して前記記録材排出受け26に排出するようにしたものである。
ここで、露光器33は、各画像形成部22に対して共通するものであり、露光容器331内に各色成分の半導体レーザ(図示せず)などの光源からの光を偏向ミラー332で偏向走査し、図示外の結像レンズ、ミラーを介して対応する感光体31上の露光位置に光像を導くようにしたものである。
また、現像器34は、図4に示すように、感光体31に対向して開口し且つ少なくともトナーが含まれる現像剤が収容される現像容器341を有し、この現像容器341の開口部位には感光体31との対向部位に位置する現像域に向けて現像剤が搬送可能な現像剤保持体342を配設すると共に、この現像容器341の現像剤保持体342の背面側には現像剤が循環しながら撹拌搬送可能な一対の現像剤撹拌搬送部材343,344を配設したものである。
更に、清掃器35は、感光体31に対向する部位が開口した清掃容器351を有し、この清掃容器351の開口に面した部位にはブラシなどの清掃部材352を設けると共に、清掃容器351内には清掃部材352で掻き取ったトナー等の残留物(粉体)を長手方向に沿って均す均し搬送部材353を配設したものである。
更に、中間転写ベルト23の移動方向最下流に位置する画像形成部22dの下流側の張架ロール42に対応した部位には二次転写器52(例えば二次転写ロール)が配設されており、中間転写ベルト23上の一次転写像を記録材に二次転写(一括転写)するようになっている。
更に、中間転写ベルト23の二次転写部位の下流側の張架ロール41に対応した部位には中間転写ベルト23上の残留トナーを清掃する中間清掃器53が設けられている。
ここで、中間転写ベルト23はポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレン等の樹脂または各種ゴムにカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたものを用い、その体積抵抗率が106〜1014Ω・cmとなるように形成されている。
尚、中間清掃器53も、清掃器35と略同様に、清掃容器531、清掃部材532、均し搬送部材533を備えている。
更に、本実施の形態では、記録材供給装置24のフィーダ61で送出された記録材は、記録材搬送路25中の適宜数の搬送ロール(図示せず)にて搬送され、位置合せロール62にて位置合せされた後に二次転写器52の二次転写部位を通過し、定着器66にて未定着トナー像を例えば加熱加圧定着した後、排出ロール67を介して記録材排出受け26に排出収容されるようになっている。
尚、図3中、符号38(38a〜38d)は各画像形成部22(22a〜22d)の現像器34に新しい現像剤(本実施の形態ではトナー)を補給する現像剤収容容器(トナーカートリッジ)である。
特に、本実施の形態では、図4に示すように、各画像形成部22(22a〜22d)の各清掃器35及び中間清掃器53にて清掃された残留トナー等の粉体は粉体回収装置100に回収されるようになっている。
同図において、粉体回収装置100は、各清掃器35及び中間清掃器53内の粉体を順次搬送する搬送管110と、この搬送管110の一端側に設けられて搬送管110に沿って搬送される粉体を回収する回収容器130とを備えている。
本実施の形態において、搬送管110は、図5〜図7及び図9に示すように、例えば曲げ部を有するように形成可能な樹脂材料(例えばABS樹脂)にて一体的に構成されており、装置筐体21の背面側にて画像形成部22(22a〜22d)の清掃器35及び中間清掃器53の背面側端部の下方位置に対応して横方向に配置されている。尚、搬送管110としては、曲げ変形可能な材料(例えばビニールパイプ)で形成することも可能である。
そして、この搬送管110は、中間清掃器53及び画像形成部22(22a〜22c)の清掃器に対応し且つ水平姿勢に対して僅かに斜め下方に傾斜する直線部111を有し、前記画像形成部22dの清掃器35に対応した部位にて前記直線部111に対して湾曲状に屈曲する屈曲部112を形成すると共に、この屈曲部112を介して僅かに斜め上方に向かって傾斜する直線部113を形成し、下側に凸になる扁平なU字形状になっている。
そして、この搬送管110の上壁には中間清掃器53及び各画像形成部22(22a〜22d)の清掃器35に対応して連結部114が設けられ、各連結部114には粉体供給口115開設されると共に、各粉体供給口115には粉体を定量供給可能な定量供給機構116が設けられている。
尚、搬送管110の一部には取付片117が設けられ、搬送管110は装置筐体21の一部であるリアフレームに取付片117を介して固定具118にて取り付けられている。
更に、搬送管110の直線部113の下壁の一部には回収容器130につながる排出口119が開設されており、この排出口119に対応した部位にはシャッタ120が図示外のスプリング付勢力に抗して開閉自在に設けられている。
更に、図6(b)に示すように、搬送管110内には搬送部材121が配設されている。
本実施の形態では、搬送部材121は、曲げ変形可能な樹脂材料(例えばPOM、ナイロン(登録商標)、PE、PET等)にて一体的に形成されており、直線状に延びる回転軸122と、この回転軸122の周囲に螺旋状に形成される羽根部123とを有し、搬送管110の一端部に装備された軸受部材124に回転軸122の一端部を片持ち支持し、搬送管110の屈曲形状に沿って弾性的に屈曲変形した状態で搬送管110内に配設されている。
本実施の形態において、回収容器130は、図5、図7及び図8に示すように、搬送管110に対して略直交するように交差配置されており、装置筐体21の手前側開閉扉(図示せず)を開放することで容器受部21aに対し装置筐体21手前側から背面側に向かうA方向(図5参照)に沿って挿入装着され、逆に、装置筐体21背面側から手前側に向かうB方向(図5参照)に沿って引出し離脱されるようになっている。
ここで、回収容器130は、例えばABS樹脂等の樹脂材料にて一体的に構成されており、粉体を回収するための中空ボックス状の容器本体131を有し、この容器本体131のうち搬送管110との交差部に凹み状の段差部132を形成し、この段差部132上に搬送管110の交差部を載せるようにしたものである。
そして、回収容器130の段差部132上には回収口133が設けられ、この回収口133にもシャッタ134が図示外のスプリング付勢力に抗して開閉自在に設けられている。このシャッタ134は、容器受部21aに回収容器130を装着するときに、搬送管110のシャッタ120と係わり、搬送管110の排出口119と回収容器130の回収口133とが合致した時点で回収口133を開放すると共に、シャッタ120を開放させるようになっている(図7、図11参照)。
回収容器130は、図7及び図8に示すように、容器本体131内部に回収された粉体が均一に均される搬送部材140を有している。
この搬送部材140は、容器本体131の長手方向に沿って延びる螺旋状線材141にて構成され、この螺旋状線材141の一端を回転軸142とし、容器本体131の長手方向一端に回転自在に設けられたカップリング部材161の引っ掛け爪162に前記螺旋状線材141の一端回転軸142を引っ掛け支持するようにしたものである。
また、回収容器130は、容器本体131の長手方向の略中央付近に上壁から下方に向かって延びる押さえ壁135を有し、この押さえ壁135の下部には螺旋状線材141の上半分を覆う断面半円状の切欠136を形成し、螺旋状線材141の配設位置を規制するようになっている。
粉体回収装置100の駆動系は、図9ないし図12に示すように、装置筐体21のリアフレームに固定される駆動モータ150と、この駆動モータ150からの駆動力にて回収容器130の搬送部材140を駆動する回収駆動機構160と、容器受部21aに回収容器130を装着したときに回収駆動機構160と係わり且つこの回収駆動機構160を介して搬送管110内の搬送部材121を駆動する搬送駆動機構170とを備えている。
<駆動モータ>
本実施の形態において、駆動モータ150の駆動力は、図12に示すように、例えば画像形成部22dの現像器34(図3参照)に対して使用されると共に、回収容器130の搬送部材140に対して使用される。具体的には、駆動モータ150のモータ軸と同軸に駆動ギア151が設けられ、この駆動ギア151には前記現像器34側に延びる第一の駆動伝達ギア列152が配設され、一方、回収容器130の搬送部材140のカップリング部材161側に延びる第二の駆動伝達ギア列153が設けられ、この第二の駆動伝達ギア列153の最終段ギアには前記カップリング部材161と連結可能な被カップリング部材154が噛合している。
本実施の形態において、回収駆動機構160は、図8、図10及び図11に示すように、前記回収容器130内の搬送部材140の回転軸142に連結されるカップリング部材161及び引っ掛け爪162と、このカップリング部材161の周囲に設けられるギア部163と、このギア部163に噛合して駆動力を伝達する駆動伝達ギア列164(具体的には駆動伝達ギア165,166)とを備えている。
本実施の形態では、回収駆動機構160は、カップリング部材161と駆動モータ150側の被カップリング部材154とを連結することで、回収容器130の搬送部材140を駆動するようになっている。
本実施の形態において、搬送駆動機構170は、図10に示すように、搬送管110の搬送部材121の回転軸122と同軸に設けられる駆動伝達ギア173とこれに噛合する駆動伝達ギア172とからなる駆動伝達ギア列171を有し、容器受部21aに回収容器130を装着したときに回収駆動機構160の駆動伝達ギア列164の最終段ギア166が前記駆動伝達ギア172に係わり合うようになっている。
尚、容器受部21aから回収容器130を離脱する場合には、回収駆動機構160と搬送駆動機構170との係わりが外れるようになっている。
特に、本実施の形態では、搬送駆動機構170の駆動伝達ギア列171はいずれもはすば歯車からなる駆動伝達ギアを有しており、回収駆動機構160の駆動伝達ギア列164もはすば歯車からなる駆動伝達ギアを有している。これらのはすば歯車からなる駆動伝達ギアは夫々ねじれ角を適宜調整したものであり、以下の挙動を可能にするようにしたものである。
図13(a)に示すように、容器受部21aに回収容器130を装着するときに、容器受部21aに対して回収容器130を矢印Aに示す方向に挿入すると、回収駆動機構160の駆動伝達ギア列164の最終段ギア166が搬送駆動機構170の駆動伝達ギア列171の入力側駆動伝達ギア173に係わり、これに伴って、駆動伝達ギア172が矢印C方向に回転し、かつ、駆動伝達ギア173が矢印D方向に回転する(これは被駆動時の回転方向と逆方向であると仮定)。
このとき、図13(b)に示すように、搬送管110の搬送部材121が矢印D方向に回転すると、この搬送部材121の回転に伴って搬送管110内の粉体が矢印E方向に押し戻される。
このため、搬送管110の排出口119付近に粉体が存在していたとしても、前記搬送部材121による粉体の押し戻し動作により、粉体が排出口119から溢れるという事態は有効に抑えられる。
更に、本実施の形態では、搬送管110は屈曲部112を有する形状で、屈曲部112を境に回収容器130側の直線部113が僅かながら斜め上方に傾斜配置されているため、仮に、容器受部21aから回収容器130を離脱したとしても、搬送管110の排出口119付近の粉体は自重で屈曲部112側に戻ることになり、搬送管110の排出口119から粉体が不必要に落下する懸念は少ない。
今、容器受部21aに回収容器130が装着されていると仮定し、前記駆動モータ150からの駆動力がカップリング部材161を介して回収容器130の搬送部材121を回転駆動させる。
一方、被駆動時にカップリング部材161が所定方向に回転すると、このカップリング部材161の回転に伴って駆動伝達ギア列164が所定方向に回転し、これに伴って、搬送駆動機構170の駆動伝達ギア列171の各ギア172,173は、図13(a)に示すように、矢印F、矢印G方向に回転し、搬送管110の搬送部材121を矢印G方向に回転させる。
このとき、搬送管110の搬送部材121は搬送管110内の粉体を回収容器130への回収口133に向けて搬送していき、搬送管110の排出口119、前記回収口133を介して回収容器130へと送り込む。
このような搬送駆動動作において、特に、本実施の形態では、駆動伝達ギア列171がはすば歯車からなり、そのねじれ角を所定の向きで所定の角度に設定したものになっている。
この状態において、はすば歯車からなる駆動伝達ギア列171は、図13(c)に示すように、搬送管110の搬送部材121を押し込む方向Hに押すため、搬送部材121と軸受部材124との間にはギャップgが確保されることになり、搬送部材121の端部が軸受部材124に不必要に摺動することはなくなり、その分、搬送部材121と軸受部材124との間の摺動抵抗は抑えられる。
本実施の形態では、搬送管110内の搬送部材121は曲げ変形可能な材料で構成され、搬送管110は搬送駆動機構170に近い側に屈曲部112を有している。
このとき、搬送管110内の屈曲部112には搬送部材121が弾性的に変形し、屈曲部112内面に強く接触するため、搬送部材121と搬送管110の屈曲部112との間の摺動抵抗は搬送管110の他の直線部111,113に比べて大きくなってしまう。
しかしながら、この屈曲部112に近い箇所に搬送駆動機構170が設けられているため、搬送部材121のうち屈曲部112に対応した部分には搬送駆動機構170からの駆動力が伝達され易く、搬送部材121による屈曲部112での粉体の搬送性能は良好に保たれる。
更に、本実施の形態では、駆動モータ150からの駆動力はカップリング部材161を介して高トルクの回収容器130の搬送部材140へ伝達され、一方、回収駆動機構160のギア部163、駆動伝達ギア列164及び搬送駆動機構170の駆動伝達ギア列171を介して低トルクの搬送管110内の搬送部材121へ伝達される。
このとき、回収容器130の搬送部材140への駆動伝達部が搬送駆動機構170への駆動伝達部よりも駆動モータ150からの駆動力伝達方向上流側に位置するため、高トルクを要する搬送部材140に駆動力の多くが配分される。
(1)回収容器装着時
図14に示すように、容器受部21aに対して矢印A方向から回収容器130を装着したとすると、駆動モータ150からの駆動力が回収駆動機構160を介して回収容器130の搬送部材140に伝達され、一方、駆動モータ150からの駆動力が回収駆動機構160及び搬送駆動機構170を介して搬送管110の搬送部材121に伝達される。
(2)回収容器離脱時
図14に示すように、容器受部21aに対して回収容器130を矢印B方向に引き出して離脱した場合、搬送管110の搬送駆動機構170は回収容器130側の回収駆動機構160と係わらないため、搬送管110内側の搬送駆動機構170に駆動モータ150からの駆動力が伝達されることはない。
このとき、図3に示すように、装置筐体21の側方に開閉扉21bを設けるようにすれば、この開閉扉21bを開放することで、装置筐体21の背面側に配設された搬送管110の搬送駆動機構170に対しユーザが開閉扉21bの開口を利用して手動可能である。
この場合において、搬送駆動機構170を手で動かした際に搬送駆動機構170が動くことを確認できたとすれば、搬送管110内で粉体詰まりは生じていないことが理解される。
逆に、搬送駆動機構170を手で動かした際に搬送駆動機構170が動かないようであれば、搬送管110内で粉体詰まりが生じている懸念があり得る。
◎実施例
先ず、実施例については、回収容器130の搬送部材(図示せず)は回収駆動機構160を介して駆動され、搬送管110の搬送部材(図示せず)は回収駆動機構160及び搬送駆動機構170を介して駆動される。
このため、両者の回収駆動機構160,搬送駆動機構170は搬送管110と回収容器130との両者間に跨るように配設されていればよく、その配設スペースはそれほど嵩まないことが理解される。
比較例1は、搬送管110’、回収容器130’を夫々別駆動するモデルである。
本例では、搬送管110’の上方領域に搬送駆動機構170’(駆動ギア、伝達ギアなど)を配設しなければならず、搬送駆動機構170’の配設スペースが嵩む。
◎比較例2
比較例2は、搬送管110’の搬送部材(図示せず)を直接駆動し、回収容器130’の搬送部材(図示せず)を搬送駆動機構170’及び回収駆動機構160’を介して駆動するものである。
本態様では、搬送管110’の搬送駆動機構170’が直接駆動要素と、回収容器130’への間接駆動要素とが必要であるが、実施例と比べて、両者の回収駆動機構160’,搬送駆動機構170’は搬送管110’と回収容器130’との両者間に跨ることに加えて、搬送管110’の上方にも搬送駆動機構170’を配設しなければならず、搬送駆動機構170’の配設スペースが嵩む。
Claims (8)
- 供給又は回収粉体を処理する粉体処理装置であって、
予め決められた容器受部に着脱自在に設けられ、内部に供給又は回収粉体を収容する容器本体、及び、この容器本体に設けられて供給又は回収粉体に対し搬送可能な駆動力を伝達する粉体駆動伝達機構を有する収容容器と、
前記容器受部側に設けられ、前記収容容器の外部で供給又は回収粉体を搬送管に沿って搬送し且つ前記搬送管内部に粉体が搬送可能な搬送部材を有する粉体搬送機構と、
前記容器受部側にて粉体搬送機構の外部に設けられ、前記容器受部に前記収容容器を装着したときに前記粉体駆動伝達機構と駆動伝達可能に係わり且つこの粉体駆動伝達機構を介して粉体搬送機構の搬送部材を駆動する駆動機構とを備え、
前記粉体駆動伝達機構は、容器本体内部の粉体が搬送可能な搬送部材を有し、前記容器受部に前記容器本体を装着したときに、前記容器受部側に設けられて前記容器本体の外部にて供給又は回収粉体を搬送する粉体搬送機構と、前記容器受部側に設けられる駆動機構とを連結すると共に、前記搬送部材と前記駆動機構とを連結し、前記容器受部に前記容器本体を装着したときに前記駆動機構からの駆動力にて前記粉体搬送機構及び前記搬送部材を駆動するものであり、
前記容器本体内部の搬送部材への駆動伝達部が前記粉体搬送機構の搬送部材への駆動伝達部よりも駆動機構の駆動源からの駆動力伝達方向上流側に設けられ、前記駆動機構からの駆動力が前記容器本体内部の搬送部材と前記粉体搬送機構とに分岐されることを特徴とする粉体処理装置。 - 請求項1記載の粉体処理装置において、
前記駆動機構は、前記容器受部に前記収容容器が未装着のときに粉体駆動伝達機構と係わらずに少なくとも一部が手動可能であることを特徴とする粉体処理装置。 - 請求項1又は2記載の粉体処理装置において、
前記駆動機構は、前記容器受部への収容容器の着脱に伴って粉体駆動伝達機構と接離する接離部を有し、この接離部は、前記容器受部に収容容器を装着したときに前記粉体駆動伝達機構との係わりで前記粉体搬送機構の搬送部材を通常駆動方向とは逆方向に移動可能とすることを特徴とする粉体処理装置。 - 請求項1ないし3いずれかに記載の粉体処理装置において、
前記粉体搬送機構の搬送部材は粉体の搬送方向に対して曲げ変形可能な材料にて構成され、前記搬送管は駆動機構に近い側に屈曲部を有することを特徴とする粉体処理装置。 - 請求項1ないし4いずれかに記載の粉体処理装置において、
前記駆動機構は、少なくとも一部にはすば歯車を有し、粉体駆動伝達機構と係わった状態の被駆動時に前記はすば歯車のねじれ角が粉体搬送機構の搬送部材を搬送管内に押し込む方向に設けられていることを特徴とする粉体処理装置。 - 粉体としての作像材料を用いて作像を形成する作像手段と、
この作像手段で使用された粉体のうち残留粉体を清掃する清掃手段と、
この清掃手段で清掃された粉体を回収する請求項1ないし5いずれかに記載の粉体処理装置とを備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 粉体としての作像材料を用いて作像を形成する作像手段と、
この作像手段に対し粉体を供給する請求項1ないし5いずれかに記載の粉体処理装置とを備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項6又は7記載の画像形成装置において、
前記粉体処理装置は前記粉体搬送機構の搬送管の粉体搬送方向下流端に駆動機構を備え、
画像形成装置筐体は開放時に前記駆動機構が手動可能な開閉扉を有することを特徴とする画像形成装置。
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