JP4723883B2 - モータ制御装置 - Google Patents

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本発明は、永久磁石モータをセンサレスで正弦波駆動するモータ制御装置に関する。
近年、ブラシレスモータは、その効率の優秀性から家電機器に使用され、また、小型で形状自由度の高さから情報機器などにも使用されている。下記特許文献には、DVD、CD、HDDなどのディスク記録媒体を回転駆動するスピンドルモータにブラシレスモータを用いることが記載されている。ここに記載された駆動装置は、何れもブラシレスモータのロータ位置を検出するためにホール素子を備え、その位置信号に基づいて120度通電方式または正弦波PWM方式による通電信号を生成するようになっている。
再表01/039358号公報 特開2003−339143号公報 特開2004−242417号公報
上述した家電機器や情報機器などでは、モータの小型化・低コスト化のためのセンサレス駆動と、振動・騒音を防止するための正弦波駆動とを両立させることが求められている。しかし、DSPなどの高速プロセッサを用いてセンサレスベクトル制御等の演算を行うと構成が複雑化してコスト高となる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、正弦波状のPWM通電方式であって、ロータの回転位置センサが不要なセンサレス駆動を低コストで実現できるモータ制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1記載のモータ制御装置は、
永久磁石を有するロータと3相巻線を設けたステータとからなる永久磁石モータを制御するモータ制御装置において、
前記3相巻線の電流を検出する電流検出手段と、
検出した3相巻線電流から相電圧方程式に基づいて各相の誘起電圧を演算し誘起電圧信号を出力する誘起電圧演算手段と、
前記誘起電圧演算手段から出力される各相の誘起電圧信号と基準電位とのクロス点、前記誘起電圧信号同士のクロス点、および前記誘起電圧信号と前記誘起電圧信号の0.366倍の信号とのクロス点により分割される24分解能のロータ回転位置を検出する第1の位置検出手段と、
前記誘起電圧演算手段から出力される各相の誘起電圧信号と基準電位とのクロス点および前記誘起電圧信号同士のクロス点により分割される12分解能のロータ回転位置を検出する第2の位置検出手段と、
前記誘起電圧演算手段から出力される各相の誘起電圧信号同士のクロス点により分割される6分解能のロータ回転位置を検出する第3の位置検出手段と、
前記永久磁石モータの回転速度が高いほど高分解能のロータ回転位置を選択する選択手段と、
前記ロータ回転位置および位相指令に基づいて通電位相を決定する通電位相制御手段と、
前記通電位相および電圧指令に基づいて、余弦波の180度分に対応した12分解能の電位を形成し、前記通電位相に対応して最大24分解能の3相通電信号を形成する通電信号形成手段と、
前記3相通電信号をPWM変調しその変調後の3相通電信号に応じた電圧を前記3相巻線に供給する通電手段とから構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、正弦波状のPWM通電方式によるセンサレス駆動が可能となる。そして、相電圧方程式に基づいて演算した各相の誘起電圧から6n分解能(n=1、2、3、…)のロータ回転位置を検出するので構成の簡素化と低コスト化が図られる。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図1ないし図23を参照しながら説明する。
図1は、ブラシレスモータの駆動制御用IC(半導体集積回路装置)の全体構成を示している。このIC1(モータ制御装置に相当)は、プロセッサによるソフトウェア処理ではなくハードウェアの処理により各機能を実現したもので、3相のブラシレスモータ2を直接駆動することができる。このブラシレスモータ2は、DVD、CD、HDDなどのディスク記録媒体を回転駆動するスピンドルモータであり、永久磁石を有するロータと3相巻線2u、2v、2wを設けたステータとからなる永久磁石モータである。
IC1には電源端子1a、1bを介して電源電圧Vcc(例えば12V)が供給されるようになっており、端子1c、1d、1eにはそれぞれ後述する電圧指令信号Vref、スタート信号Sstart、ブレーキ信号Sbrakeが与えられるようになっている。また、端子1u、1v、1wはそれぞれモータ2の巻線2u、2v、2wの接続用端子であり、端子1f、1g、1h、端子1i、1j、1kおよび端子1l、1m、1nは後述する外付け部品の接続用端子である。
IC1は以下の回路構成を備えている。
通電回路3(通電手段に相当)は、例えば50kHzの三角波信号Scを発生する三角波発生回路4、通電信号vru、vrv、vrwと三角波信号Scとを比較してPWM信号を生成する比較回路5、PWM信号を増幅してFET(後述)のゲートに供給するためのゲートドライブ回路6およびスイッチング回路7から構成されている。
スイッチング回路7は、電源端子1aに繋がる電源線と電源端子1bに繋がる電源線(グランド線)との間に6つのFET(図1にはU相の上下アームを構成するFET7up、7unのみを示す)を三相ブリッジ接続してなるインバータ回路である。このスイッチング回路7の各相の出力端子とIC1の端子1u、1v、1wとの間には、それぞれシャント抵抗8u、8v、8wが接続されている。基準電圧発生回路9は、例えば電源電圧Vccの1/2の基準電圧Vrを生成し、それを各回路に対して出力するようになっている。
スイッチング回路7の出力電圧Vu、Vv、Vwと端子1u、1v、1wの電圧Vuo、Vvo、Vwoつまりシャント抵抗8u、8v、8wの両端子の電圧は、電流検出回路10に入力されるようになっている。この電流検出回路10(電流検出手段に相当)は、シャント抵抗8u、8v、8wの端子間電圧に基づいてスイッチング回路7の出力電流Iu、Iv、Iwに応じた電流信号iu、iv、iwを出力するもので、図2に示す回路構成を備えている。
この図2において、U相、V相、W相の電流検出回路10a、10b、10cは全て同じ構成である。例えば電流検出回路10aは、オペアンプ30aと抵抗32a〜35aとからなる差動増幅回路と、オペアンプ31aと抵抗36a〜38aとからなる反転増幅回路を備えている。上記基準電圧Vrは、抵抗32a、36aを介してオペアンプ30a、31aの非反転入力端子に与えられている。電流検出回路10の出力信号iu、iv、iwは、図1に示す総電流検出回路21および外部出力のための端子1i、1j、1kに与えられている。
スイッチング回路7の出力端子にはフィルタ回路11が接続されており、そのフィルタ回路11の出力信号が誘起電圧演算回路15に入力されている。フィルタ回路11は、スイッチング回路7の各相の出力端子とIC1の端子1f、1g、1hとの間に接続された抵抗11a、11b、11cと、IC1の端子1f、1g、1hとグランドとの間に外付けされるコンデンサ11x、11y、11zとから構成されている。なお、コンデンサ11x、11y、11zの容量が小さい場合には、外付けではなくIC1の内部に形成することが好ましい。
IC1の端子1i、1j、1kと端子1l、1m、1nとの間は、それぞれ抵抗12a、12b、12cとコンデンサ13a、13b、13cとの直列回路が外付けされ、これらの直列回路と並列に抵抗14a、14b、14cが接続されている。抵抗12a、12b、12cは発振防止用の抵抗である。
誘起電圧演算回路15(誘起電圧演算手段に相当)は、電流検出回路10から上記外付け回路を介して入力される電流信号iu、iv、iwとフィルタ回路11を通過した電圧vu、vv、vwとを入力し、誘起電圧Eu、Ev、Ewに応じた誘起電圧信号eu、ev、ewを出力するようになっている。
図3は、この誘起電圧演算回路15の回路構成を示している。各相は同じ構成を有しており、例えばU相の場合には、オペアンプ40aと抵抗42a、43aとからなる反転増幅回路と、オペアンプ41aと抵抗44a、45a、46aとからなる加算回路により構成されている。また、仮想中性点電圧Vn’に相当する中性点電圧信号Vn’を生成するために、ボルテージホロアのオペアンプ47と同じ抵抗値を持つ抵抗48a、48b、48cとからなる加算回路49(中性点電圧形成手段に相当)が設けられている。
図1において、誘起電圧演算回路15から出力される誘起電圧信号eu、ev、ewは、誘起電圧比較回路16に入力されている。誘起電圧比較回路16は、誘起電圧信号eu、ev、ewを互いにおよび基準電圧Vrと比較するもので、図4に示す回路構成を備えている。この図4において、コンパレータc0、c1、c2は、それぞれ誘起電圧信号euとew、evとeu、ewとevを比較して信号s0、s1、s2を出力し、コンパレータc3、c4、c5は、それぞれ誘起電圧信号eu、ev、ewと基準電圧Vrとを比較して信号s3、s4、s5を出力するようになっている。
分圧回路50a、50b、50cは、基準電圧Vrに対して誘起電圧信号eu、ev、ewを0.366倍に分圧するもので、それぞれ抵抗51aと52a、51bと52b、51cと52cから構成されている。コンパレータc6、c9は、それぞれ誘起電圧信号euと分圧された誘起電圧信号ew、evとを比較して信号s6、s9を出力し、コンパレータc7、c10は、それぞれ誘起電圧信号evと分圧された誘起電圧信号eu、ewとを比較して信号s7、s10を出力し、コンパレータc8、c11は、それぞれ誘起電圧信号ewと分圧された誘起電圧信号ev、euとを比較して信号s8、s11を出力するようになっている。
誘起電圧比較回路16から出力される信号s0〜s11は、図1に示す位置ロジック回路17に入力されている。位置ロジック回路17は、信号sQ(後述)に応じて所定の分解能(24分解能、12分解能、6分解能の何れか)を持つ5ビットの位置データD1(ロータ回転位置に相当)を出力するものである。
図5は、この位置ロジック回路17の構成を示している。信号s0〜s11は、24分解能ロジック回路60、12分解能ロジック回路61、6分解能ロジック回路62および回転信号回路63に入力されている。ロジック回路60、61、62は、分解能に応じた5ビットのデジタル信号を出力し、選択回路64は、回転速度に応じた2ビットの選択信号sQに基づいて何れかのデジタル信号を選択して位置データD1として出力するようになっている。また、回転信号回路63は、信号s0〜s2からなる回転信号FGを出力するようになっている。これら誘起電圧比較回路16と位置ロジック回路17とにより位置検出回路18(位置検出手段に相当)が構成されている。
図1において、位置ロジック回路17からの回転信号FGは、端子1pを通じてIC1の外部に出力されるとともに回転周期検出回路19に入力されている。回転周期検出回路19は、回転周期(回転速度)に応じた信号sP、sQ、sRを出力するようになっている。
位置ロジック回路17からの位置データD1は、位相制御回路20に入力されている。位相制御回路20(通電位相制御手段に相当)は、回転速度および駆動状態(駆動/制動)に応じて位相指令を定め、位置データD1と位相指令とに基づいて通電位相を決定するものである。
図6は、この位相制御回路20の構成を示している。位相選択回路70は、回転速度に応じた信号sPとブレーキ状態を示す信号sBに基づいて位相データを選択し、それを位相データD2として加算器71に出力する。加算器71は、位置データD1と位相データD2とを加算して通電位相データD5を生成する。切換回路72は、信号sT(後述)に応じて上記通電位相データD5と始動時の通電位相データD4(後述)とを切り換えることにより、何れか一方を通電位相データD3として出力するようになっている。
図1において、総電流検出回路21は、検出した電流信号iu、iv、iwを入力として総電流Imに対応した総電流信号imを出力するもので、図7に示す回路構成を備えている。この図7において、電流信号iu、iv、iwは、それぞれ基準電圧Vrに対する絶対値回路80a、80b、80cを通して加算器81に入力されている。図1に示す電圧制限回路22は、外部からの電圧指令信号Vrefと総電流信号imを入力し、電圧形成回路23に対し電圧信号sVを出力するようになっている。
電圧形成回路23(通電信号形成手段に相当)は、通電位相データD3および電圧信号sVに基づいて3相通電信号vru、vrv、vrwを形成するもので、図8に示す回路構成を備えている。すなわち、電圧形成回路23は、電圧信号sVを入力としボルテージホロワとして動作するオペアンプ90、オペアンプ91と抵抗92、93からなる反転増幅回路、余弦波状の信号を形成するための分圧回路94(電位形成手段に相当)と分圧電圧を通電位相データD3に応じて選択するスイッチ回路95a、95b、95c(電位選択手段に相当)、およびボルテージホロワとして動作するオペアンプ96a、96b、96cから構成されている。3相通電信号vru、vrv、vrwは、上述した比較回路5に入力されている。
図1に示す始動制御回路24(始動制御手段に相当)は、外部からのスタート信号Sstartに応じて所定周波数の通電位相データD4を形成して位相制御回路20に出力しモータ2を強制回転させる強制回転手段と、強制回転の開始後所定回転速度に達した後に、通電位相データD5に基づく運転に切り換えるための信号sTを出力する切換手段とから構成されている。
ブレーキ制御回路25(ブレーキ制御手段、正負判定手段に相当)は、外部から電圧指令信号Vrefとブレーキ信号Sbrakeを入力し、回転周期検出回路19から信号sRを入力し、位相制御回路20に対しブレーキ状態を示す信号sBを出力するとともに、比較回路5に信号sKを出力するようになっている。
次に、本実施形態の作用について図9ないし図23も参照しながら説明する。
まず、図2を参照してシャント抵抗8u、8v、8wの両端の電圧を入力とする電流検出回路10の動作について説明する。例えばU相の電流検出回路10aにおいて、抵抗32a〜35aは同じ抵抗値を有している。オペアンプ30aを用いた初段の差動増幅回路は、基準電圧Vrを基準として、図中に記号x、yで示す入力電圧の差を出力する。オペアンプ31aを用いた次段の反転増幅回路は、抵抗37a、38aの抵抗値をそれぞれRa、Rbとすれば、−Rb/Raの増幅率を持つ。従って、電流検出回路10aから出力される電圧zは、次の(1)式のようになる。
z=(Rb/Ra)(y−x)+Vr …(1)
ここで、電圧(y−x)は、モータ2の巻線2uに流れる電流Iuよるシャント抵抗8uの電圧降下なので、出力電圧zは巻線電流Iuに比例した電流信号iuとなる。他のV相、W相も同様に動作し、巻線2u、2v、2wに流れる電流Iu、Iv、Iwに比例した電流信号iu、iv、iwが出力される。
続いて、図3を参照して誘起電圧演算回路15の動作について説明する。
スイッチング回路7の出力電圧Vu、Vv、VwはPWM波形を有しているので、フィルタ回路11を通してから誘起電圧演算回路15に与えられる。図3に示すように、このフィルタ通過後の電圧vu、vv、vwは、基準電圧Vrを基準として反転増幅されて加算回路に入力される。また、抵抗48a、48b、48cにより合成されてオペアンプ47を介して各相の加算回路に入力される電圧は、電圧vu、vv、vwの平均値であり、巻線2u、2v、2wの中性点電圧Vnと等価(仮想中性点電圧Vn’)になる。
誘起電圧演算回路15のうちU相を例に説明すると、図中x1〜x4により各部の電圧を表し、抵抗12a、14a、44a、45a、46aの抵抗値をそれぞれR1、R2、R3、R4、R5、コンデンサ13aの静電容量をC1とすれば、出力電圧zは(2)式のようになる。
z=−R5・C1・dx1/dt−(R5/R2)x2
−(R5/R3)x3−(R5/R4)x4 …(2)
電圧x1、x2は電流信号iu、電圧x3は電圧信号−vu、電圧x4は中性点電圧信号Vnに対応している。ここで、R5・C1をモータ2の1相のインダクタンスLにシャント抵抗8uの抵抗値の逆数を乗算した値に設定し、(R5/R2)をモータ2の1相の巻線抵抗Rにシャント抵抗8uの抵抗値の逆数を乗算した値に設定し、さらに(R5/R3)と(R5/R4)を1に設定することにより次の(3)式となる。
z=−L・dIu/dt−R・Iu+vu−Vn …(3)
図9に示したモータ2の等価回路と照らし合わせると、出力電圧zは誘起電圧Euとなる。他の相も同様であり、誘起電圧演算回路15は、誘起電圧Eu、Ev、Ewに応じた誘起電圧信号eu、ev、ewを出力する。ここで、モータ定数LとRに関連するコンデンサ13a、13b、13cと抵抗14a、14b、14cはIC1の外部に接続されるため、使用するブラシレスモータに応じて調整することができる。
続いて、位置検出回路18の動作について説明する。
図10は、誘起電圧信号eu、ev、ew、分圧により得られた0.366倍の誘起電圧信号eu、ev、ewおよびコンパレータc0〜c11の出力信号s0〜s11の各波形を示している。誘起電圧信号eu、ev、ewが正弦波状の信号とすると、信号s0〜s11により1周期が24の領域に区分される。すなわち、コンパレータc0〜c11の信号s0〜s11により、その「0」と「1」に対応して電気周期が2分割される。そして、12個のコンパレータc0〜c11の出力信号s0〜s11は互いにタイミングが異なるので、1電気周期がほぼ15度ずつに24分割されることになる。
ここで用いる0.366倍は、この15度のずれを作るための分圧比mであって、以下の(4)式に基づいて定まる。
sin15°=分圧比m・sin(60°−15°) …(4)
図11、図12、図13は、それぞれ24分解能ロジック回路60、12分解能ロジック回路61、6分解能ロジック回路62の入出力信号の対応関係を示している。図11に示すように、24分解能ロジック回路60は、信号s0〜s11に基づいて、誘起電圧比較回路16により24分割された領域を0〜23の5ビットの位置データに対応させる。例えば信号s0〜s11が「LLHHLHLLHHLH」の場合「00」となる。モータ2の回転に伴い、位置データは00から23の値に順に変化する。これにより、モータ2の誘起電圧の1周期つまり1電気周期に対して24分割(24区分)された24分解能の位置信号を得ることができる。同様にして、12分解能ロジック回路61は、図12に示すように信号s0〜s5に基づいて12分解能の位置データを生成し、6分解能ロジック回路62は、図13に示すように信号s0〜s2を用いて6分解能の位置データを生成する。
これらのロジック回路60、61、62は、入力する信号s0ないしs11の違いに起因して特性上の違いが生じる。すなわち、6分解能ロジック回路62が用いる信号s0〜s2は、振幅差が大きい誘起電圧信号eu、ev、ew同士を比較して作られる信号であるため感度が最も高い。これに対し、12分解能ロジック回路61が用いる信号s3〜s5は、誘起電圧信号eu、ev、ewと基準電圧Vrとを比較して作られる信号であり感度が落ちる。さらに、24分解能ロジック回路60が用いる信号s6〜s11は、誘起電圧信号eu、ev、ewとその0.366倍の信号とを比較して作られる信号であるため感度が最も低い。
すなわち、6分解能ロジック回路62は、モータ回転速度が低く誘起電圧が比較的小さい状態でも誤りなく位置データを出力できるのに対し、24分解能ロジック回路60は、モータ回転速度がより高く誘起電圧が比較的大きい状態で位置データを出力可能となる。選択回路64は、信号sQに基づいてこれら3種類の位置データのうちの1つを選択し、それを位置データD1として出力する。後述するように、信号sQは、モータ回転速度が低いときには6分解能ロジック回路62を選択し、回転速度が高くなるにつれて12分解能ロジック回路61、24分解能ロジック回路60を順次選択する。回転信号回路63は、信号s0〜s2に基づいて図14に示すように電気角60度ごとに変化する回転信号FGを出力する。
回転周期検出回路19は、クロックCKを基準として回転信号FGの変化周期をカウントする。すなわち、回転周期検出回路19は、回転信号FGの変化のたびにラッチおよびリセットを繰り返すカウンタ(図示せず)を備えており、回転信号FGの変化周期(つまり回転速度)に対応するデータを生成する。そして、このデータと複数の所定のデータとを比較することにより、信号sP、sQ、sRを出力する。これにより、信号sP、sQ、sRはモータ2の回転速度に応じた信号となる。
続いて、位相制御回路20の動作について説明する。
図6に示す位相選択回路70は、回転周期検出回路19からの信号sPおよびブレーキ制御回路25からの信号sBに応じて位相データD2を出力する。図15は、その信号sP、sBと位相データD2との関係を示している。信号sPは回転速度に対応しており、例えば回転周波数が0〜100HzのときにはsP=00、回転周波数が100〜400HzのときにはsP=01、回転周波数が400Hz以上のときにはsP=10である。また、非ブレーキ状態では信号sB=0、ブレーキ状態ではsB=1である。
非ブレーキ状態の場合、回転周波数が0〜100Hzのときには位相データD2=00が選択され、回転周波数が100〜400Hzのときには位相データD2=01が選択され、さらに回転周波数が400Hz以上のときには位相データD2=10が選択される。位相データD2の01は電気角で進み15度に対応し、位相データD2の10は電気角で進み30度に対応する。つまり、電圧指令が基準電圧Vrよりも大きい状態(電圧指令が正の状態に相当)では、回転速度が高くなるほど位相指令を進ませる。
これに対し、ブレーキ状態の場合、回転周波数が0〜100Hzのときには位相データD2=00が選択され、回転周波数が100〜400Hzのときには位相データD2=23が選択され、さらに回転周波数が400Hz以上のときには位相データD2=22が選択される。位相データD2の23は電気角で遅れ15度に対応し、位相データD2の22は電気角で遅れ30度に対応する。つまり、電圧指令が基準電圧Vrよりも小さい状態(電圧指令が負の状態に相当)では、回転速度が高くなるほど位相指令を遅らせる。
加算器71は、位置データD1と位相データD2とを加算し、加算結果が23を超えた場合には24を減算する。その結果、加算結果である通電位相データD5は、常に00〜23の範囲内の値となる。切換回路72は、信号sTに応じて通電位相データD4とD5の何れか一方を選択し、通電位相データD3として出力する。
図16は、総電流検出回路21の動作説明図であり、電流信号iu〜iw、電流信号iu〜iwの絶対値および総電流信号imの各波形を示している。この総電流信号imは、IC1の出力電流に応じた直流信号となる。
図17は、電圧制限回路22に入力される電圧指令信号Vref(横軸)と出力される電圧信号sV(縦軸)との関係を示している。両信号は基準電圧Vrを基準とした比例関係にあり、電圧制限回路22はこの傾きを総電流Imに従って変化させる。すなわち、総電流信号imが所定のしきい値未満である場合には、実線で示すように電圧指令信号Vrefをそのまま電圧信号sVとして出力し、総電流信号imが所定のしきい値以上である場合には、その差に応じて破線で示すように傾きを調整して電圧信号sVを低減する。通電回路3の出力電圧Vu、Vv、Vwは電圧信号sVに比例するので、総電流Imにより通電回路3の出力電圧Vu、Vv、Vwが調整され、通電回路3の出力電流Iu、Iv、Iwはほぼ所定値内に制限される。これにより、スイッチング回路7およびモータ2が過大な電流から保護される。
電圧形成回路23を示す図8において、直列接続された14個の抵抗からなる分圧回路94の一端には、電圧信号sVがバッファ回路を介して与えられ、分圧回路94の他端には、電圧信号sVが基準電圧Vrを基準とする反転増幅回路を介して与えられている。また、分圧回路94の中央の接続点には基準電圧Vrが与えられている。分圧回路94は、電圧信号sV、基準電圧Vrおよび電圧(2・Vr−sV)を基に、抵抗比に従って12の分圧電圧を生成する。
図18は、分圧回路94によって生成される電圧を示している。電圧信号sVが入力されたときの12の分圧電圧は、図中左端の縦軸に沿って不等間隔で示されている。その右側に示された曲線Aは、一定時間間隔でこれら12の分圧電圧を順次切り換えて選択したときの電圧信号波形を示しており、曲線上の黒丸は分圧電圧を示している。この電圧信号は、振幅について12分解能の余弦波形の信号となっている。ここで、入力される電圧信号sVが変化すると、曲線B、C、Dのように変化する。ここで、曲線Cは、電圧信号sVの電圧が基準電圧Vrと等しい場合であり、曲線Dは、電圧信号sVの電圧が基準電圧Vrよりも低い場合である。
電圧形成回路23において、スイッチ回路95a、95b、95cは、通電位相データD3に応じてこれらの分圧電圧を選択する。スイッチ回路95a、95b、95cはそれぞれU相、V相、W相のスイッチ回路であり、図19のvru、vrv、vrwで示される通電信号を出力する。通電信号vru、vrv、vrwは、それぞれ基準電圧Vrを基準とした12分解能の電位および24分解能の位相を持つ概略正弦波状の3相波形であり、その振幅は(sV−Vr)である。図19は電圧信号sV>基準電圧Vrの場合を示しているが、電圧信号sV<基準電圧Vrの場合には図20で示すように通電信号vru、vrv、vrwが反転する。
これら図19および20は、位置ロジック回路17内で信号sQにより24分解能ロジック回路60の出力が選択されている場合であり、電圧信号sV>基準電圧Vrの条件の下で12分解能ロジック回路61の出力が選択されている場合には図21、6分解能ロジック回路62が選択されている場合には図22に示す波形となる。これら図21および図22は、位相制御回路20により位相が01だけ加算された場合を示している。これらは、ボルテージホロワとして動作するオペアンプ96a、96b、96cを介して通電信号vru、vrv、vrwとして出力される。上述した通電回路3の作用により、これらの通電信号vru、vrv、vrwがPWM変調され、モータ2に対し電圧Vu、Vv、Vwとして印加される。
次に、始動制御回路24の動作について説明する。
始動制御回路24は、停止状態から上述した位置検出に基づく閉ループ動作が可能な回転速度までモータ2を加速させるための処理である。スタート信号SstartがLレベル(停止指令)である場合、始動制御回路24は図示しない停止信号を通電回路3に出力し、通電回路3は出力がオフ状態となっている。スタート信号SstartがHレベル(スタート指令)になると、始動制御回路24は図23に示すシーケンス動作を実行する。
すなわち、始動制御回路24は、位相制御回路20に対して信号sTをHレベルにする。信号sTがHレベルの期間、位相制御回路20は、切換回路72により通電位相データD4を選択しそれを通電位相データD3として出力する。始動制御回路24は、スタート指令から所定時間の間、通電位相データD4を一定値例えば00にする。この直流励磁によりモータ2が位置決めされる。
スタート指令から所定時間後、始動制御回路24は、内蔵する24進リングカウンタ(図示せず)によって00〜23の値を通電位相データD4として周期的に出力する強制転流動作に移行する。この24進リングカウンタの周波数は、クロックCKに基づいて例えば図23に示すように4Hzから連続的または段階的に上昇する。24進リングカウンタを使用しているため、この強制転流動作までの期間、電圧形成回路23は位相について24分解能の電圧波形を形成している。
周波数が例えば10Hzに到達すると、始動制御回路24は信号sTをLレベルにし、位相制御回路20は、切換回路72により通電位相データD5を選択してそれを通電位相データD3として出力する。10Hzの周波数は、位置ロジック回路17内で6分解能の位置検出が可能となる回転速度として実験的に定めた周波数である。このとき信号sQは6分解能を選択しており、以降、6分解能の位置検出および電圧形成の閉ループ動作を実行するのでモータ2は急激に加速する。
位置ロジック回路17内で12分解能の位置検出が可能となる回転速度として実験的に定めた周波数例えば20Hzに到達すると、信号sQは12分解能を選択し、12分解能の位置検出および電圧形成の閉ループ動作に切り替わる。さらに、位置ロジック回路17内で24分解能の位置検出が可能となる回転速度として実験的に定めた周波数例えば40Hzに到達すると、信号sQは24分解能を選択し、24分解能の位置検出および電圧形成の閉ループ動作に移行する。
以上の始動シーケンスにより、安定した短時間での始動が可能となる。図23では周波数に基づいた切り換えを行っているが、経過時間や回転角に基づいた切り換えでもよい。また、位置ロジック回路17に、各分解能での位置検出が可能となったか否かを判定する検出判定手段を設け、その判定結果に基づいて各分解能の切り換えを行う構成としてもよい。この場合、例えば1電気周期分について所定の順序で位置を検出できるか否かという判定方法が望ましい。
上述した始動シーケンスでは直流励磁による位置決めの段階を設けているが、モータや負荷の慣性が小さい場合などでは必ずしも必要ない。また、短時間での始動を実現するため、より低い回転速度から閉ループ動作に移行できるように分解能を切り換えているが、低い分解能での駆動によって振動・騒音が発生する場合などでは、図23において例えば40Hzまで強制転流を継続して、その後直接24分解能動作に切り換えてもよい。
ブレーキ制御回路25は、正負判定手段の有する機能により電圧指令信号Vrefと基準電圧Vrとを比較して、電圧指令信号Vref<基準電圧Vrとなったとき(電圧指令が負と判定されたとき)に動作を開始する。ブレーキ動作は短絡ブレーキと逆トルクブレーキの2種類あり、ブレーキ信号Sbrakeにより選択される。
ブレーキ信号SbrakeがLレベルの場合、ブレーキ制御回路25は信号sKを出力し、これを受けた通電回路3は例えば3相とも下側のFETをオン状態にする。これにより巻線2u、2v、2wが短絡状態となり、モータ2にブレーキ力が発生する。一方、ブレーキ信号SbrakeがHレベルの場合、ブレーキ制御回路25は信号sBを出力し、位相制御回路20は図15に示した関係に従って通電位相を制御する。このとき、電圧形成回路23は負の電圧(逆位相の通電信号)を形成しており、モータ2に逆トルクブレーキ力が発生する。モータ2の回転速度が低くなり例えば10Hzになると、回転周期検出回路19から信号sRが出力され、これを受けたブレーキ制御回路25は信号sKを発生して短絡ブレーキに切り換える。
この短絡ブレーキおよび逆トルクブレーキの状態においても電流検出回路10、誘起電圧演算回路15および位置検出回路18は動作を継続しているので、電圧指令信号Vref>基準電圧Vrとなってブレーキが解除された場合に、モータ2を元の駆動状態つまり正トルク発生の状態に移行できる。
以上説明したように、本実施形態のモータ駆動制御用IC1は、電流検出回路10、誘起電圧演算回路15および位置検出回路18を備え、検出した電流信号iu、iv、iwから相電圧方程式に基づいて誘起電圧信号eu、ev、ewを求め、その誘起電圧信号eu、ev、ewから6n分解能(n=1、2、3:6、12、24分解能)のロータ回転位置を検出するので、ホール素子などの位置センサを設ける必要がない。
そして、電圧形成回路23は、分圧回路94とスイッチ回路95a、95b、95cを備え、電圧信号sVと通電位相データD3とから概略正弦波状の通電信号vru、vrv、vrwを生成するので、通電回路3においてPWM変調が可能となり、モータ2を正弦波駆動することができる。これにより、モータ2は概略正弦波状の電流により駆動されるので、トルクリプル変動を小さくでき、振動や騒音を抑制することができる。
また、位相制御回路20は、回転速度およびブレーキ状態に応じて適正な通電位相に制御するので、モータ2を高効率で運転することができる。また、位相分解能を3種類選択でき、回転速度が高いほど高分解能の位置データD1を出力する。すなわち、回転速度が低い場合には検出感度が最も高い6分解能の位置データD1を出力し、回転速度が増加するに従って検出感度が中程度の12分解能の位置データD1、検出感度が最も低い24分解能の位置データD1を出力するので、より低い回転速度までロータ回転位置を検出でき、モータ2をセンサレス駆動する閉ループ処理の動作範囲が広くなる。
電圧制限回路22は、総電流信号imが所定のしきい値以上となった場合に、電圧指令信号Vrefを低減して電圧信号sVとするので、通電回路3の出力電流Iu、Iv、Iwが過大となることを防止でき、スイッチング回路7およびモータ2を過電流から保護できる。
始動制御回路24は、直流励磁によるロータの位置決めを行った後、24分解能の通電位相データD4を出力して強制転流を行い、その後6分解能の位置データD1が確立する周波数において閉ループ駆動(位置検出運転)に切り換えるので、安定して始動することができる。
ブレーキ制御回路25は、短絡ブレーキと逆トルクブレーキを利用でき、モータ2の回転速度が低くなってロータ回転位置を検出できなくなった場合には短絡ブレーキに切り換えるので、回転速度によらずブレーキ動作が可能となる。
こうした各機能はハードウェア構成により実現されているため、A/D変換器、マイコン、乗算器、ROMなどを使用する必要がなく、規模の小さい回路で構成できる。本実施形態のように例えば12V以上の耐圧で2A以上の電流出力を得るためのパワー回路と同一チップ内に構成する場合には、耐圧を確保する上で0.4μm〜0.6μm程度の集積率の低いプロセスを使用する必要がある。この点において、回路規模の小さいIC1は従来のマイコン等を用いた大規模な駆動制御用ICに対しコスト的に有利となる。
(第2の実施形態)
図24は、本発明の第2の実施形態であるモータ駆動制御用ICの全体構成を示しており、図1と同一部分には同一符号を付している。
この図24において、IC26の端子26qは、モータ2の中性点の接続用端子である。フィルタ回路27は、図1と同様に設けられた抵抗27a、27b、27cとコンデンサ27x、27y、27zの他に、IC26の端子26qと26rとの間に接続された抵抗27mおよび端子26rとグランドとの間に外付けされるコンデンサ27nから構成されている。追加された抵抗27mとコンデンサ27nは、中性点電圧VnのPWM成分を除去するように機能し、そのPWM成分が除去された信号vnは誘起電圧演算回路15に入力されている。
誘起電圧演算回路15を示す図3において、ボルテージホロアのオペアンプ47と抵抗48a、48b、48cとからなる加算回路49で生成されていた中性点電圧信号Vn’の替わりにこの中性点電圧信号vnが使用される。この構成により、さらに精度の高い誘起電圧演算が可能となる。
(第3の実施形態)
図25は、本発明の第3の実施形態であるモータ駆動制御用ICの全体構成を示しており、図1と同一部分には同一符号を付している。
本実施形態のIC28では、電圧信号vu、vv、vwに替えて電圧形成回路23から出力される通電信号vru、vrv、vrwを誘起電圧演算回路15に入力している。この場合には、誘起電圧演算回路15を示す図3において、(R5/R3)および(R5/R4)を通電回路3の出力電圧Vuと同入力の電圧vruとの比(1/α)を(Vu/vru)に合わせることにより、第1の実施形態と同等な動作を行うことができる。これに伴い、図1に示すフィルタ回路11とその端子が不要となる。
なお、図1および図24に示す構成では、モータ2が惰性回転している場合にも誘起電圧の検出が可能であったが、本実施形態の構成では、惰性回転中つまり通電回路3の出力オフ状態では位置検出が機能しなくなるため、惰性回転中においても位置検出が必要な用途には使用できない。
(第4の実施形態)
図26は、本発明の第4の実施形態であるモータ駆動制御用ICの全体構成を示しており、図1と同一部分には同一符号を付している。
本実施形態のIC29では、図1に示すシャント抵抗8u、8v、8wに替えて、スイッチング回路7の下アーム側FET(U相の場合にはFET7un)のオン電圧(ドレイン・ソース間電圧VDS)を用いて電流を検出している。電流検出回路110には、スイッチング回路7の出力電圧Vu、Vv、Vwおよびグランド電位Gndが入力されている。
図27は、電流検出回路110の構成を示している。ラッチ回路39a、39b、39cは、それぞれスイッチング回路7の下アーム側FETのオン信号sfu、sfv、sfwにより、電流検出回路10a、10b、10cの出力信号をラッチ(サンプルホールド)する。これにより、下アーム側FETのオン期間中の電流信号iu、iv、iwを検出することができる。本実施形態によればシャント抵抗8u、8v、8wが不要になる。
(その他の実施形態)
なお、本発明は上記し且つ図面に示す各実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように変形または拡張が可能である。
各実施形態では、電流検出回路10において電流信号iu、iv、iwを直接検出したが、図28に示す電流検出回路120のように、例えばW相の電流検出回路10cに替えて減算回路10dを設け、当該W相の電流信号iwを他の2相の電流信号iuとivとから−(iu+iv)の演算により求めてもよい。
各実施形態では、誘起電圧演算回路15において誘起電圧信号eu、ev、ewを直接求めたが、図29に示す誘起電圧演算回路130のように、例えばW相の回路に替えて減算回路131を設け、当該W相の誘起電圧信号ewを他の2相の誘起電圧信号euとevとから−(eu+ev)の演算により求めてもよい。
各実施形態では、電圧形成回路23において通電信号vru、vrv、vrwを直接生成したが、図30に示す電圧形成回路140のように、例えばW相のスイッチ回路95cとオペアンプ96cに替えて減算回路141を設け、当該W相の通電信号vrwを他の2相の通電信号vruとvrvとから−(vru+vrv)の演算により求めてもよい。
これらの構成により、回路規模や端子などをさらに低減できる。
各実施形態では、6、12、24分解能の位置データ(ロータ回転位置)を生成したが、18分解能あるいはさらに高分解能の位置データを生成してもよい。
総電流検出回路21、電圧制限回路22およびブレーキ制御回路25は、必要に応じて設ければよい。
各実施形態では3相ブラシレスモータの駆動制御用ICについて説明したが、3相のみならず一般に複数相ブラシレスモータの駆動制御用ICについても同様となる。
ブラシレスモータ2は、スピンドルモータに限られず、一般に家電機器や情報機器などに用いられるものであってもよい。
本発明の第1の実施形態についてブラシレスモータの駆動制御用ICの全体構成を示す図 電流検出回路の構成図 誘起電圧演算回路の構成図 誘起電圧比較回路の構成図 位置ロジック回路の構成図 位相制御回路の構成図 総電流検出回路の構成図 電圧形成回路の構成図 ブラシレスモータの等価回路を示す図 誘起電圧信号、0.366倍の誘起電圧信号およびコンパレータc0〜c11の出力信号の各波形を示す図 誘起電圧信号波形とともに24分解能ロジック回路の入出力信号を示す図 12分解能ロジック回路についての図11相当図 6分解能ロジック回路についての図11相当図 誘起電圧信号波形とともに回転信号回路の入出力信号を示す図 位相選択回路における信号sP、sBと位相データD2との関係を示す図 総電流検出回路の動作説明図 電圧制限回路に入力される電圧指令信号Vrefと出力される電圧信号sVとの関係を示す図 電圧形成回路の分圧回路により生成される分圧電圧および該分圧電圧を用いて生成される余弦波形を示す図 電圧信号sV>基準電圧Vrの下で24分解能ロジック回路の出力が選択されている場合の通電信号vru、vrv、vrwの波形を示す図 電圧信号sV<基準電圧Vrの下での図19相当図 12分解能ロジック回路の出力が選択されている場合の図19相当図 6分解能ロジック回路の出力が選択されている場合の図19相当図 始動制御回路による始動シーケンスを示す図 本発明の第2の実施形態を示す図1相当図 本発明の第3の実施形態を示す図1相当図 本発明の第4の実施形態を示す図1相当図 図2相当図 本発明のその他の実施形態を示す図2相当図 本発明のその他の実施形態を示す図3相当図 本発明のその他の実施形態を示す図8相当図
符号の説明
1、26、28、29はIC(半導体集積回路装置、モータ制御装置)、2はブラシレスモータ(永久磁石モータ)、3は通電回路(通電手段)、7up、7unはFET(スイッチング素子)、8u、8v、8wはシャント抵抗、10、110、120は電流検出回路(電流検出手段)、15、130は誘起電圧演算回路(誘起電圧演算手段)、18は位置検出回路(位置検出手段)、20は位相制御回路(通電位相制御手段)、23、140は電圧形成回路(通電信号形成手段)、24は始動制御回路(始動制御手段、強制回転手段、切換手段)、25はブレーキ制御回路(ブレーキ制御手段、正負判定手段)、49は加算回路(中性点電圧形成手段)、94は分圧回路(電位形成手段)、95a、95b、95cはスイッチ回路(電位選択手段)である。

Claims (1)

  1. 永久磁石を有するロータと3相巻線を設けたステータとからなる永久磁石モータを制御するモータ制御装置において、
    前記3相巻線の電流を検出する電流検出手段と、
    検出した3相巻線電流から相電圧方程式に基づいて各相の誘起電圧を演算し誘起電圧信号を出力する誘起電圧演算手段と、
    前記誘起電圧演算手段から出力される各相の誘起電圧信号と基準電位とのクロス点、前記誘起電圧信号同士のクロス点、および前記誘起電圧信号と前記誘起電圧信号の0.366倍の信号とのクロス点により分割される24分解能のロータ回転位置を検出する第1の位置検出手段と、
    前記誘起電圧演算手段から出力される各相の誘起電圧信号と基準電位とのクロス点および前記誘起電圧信号同士のクロス点により分割される12分解能のロータ回転位置を検出する第2の位置検出手段と、
    前記誘起電圧演算手段から出力される各相の誘起電圧信号同士のクロス点により分割される6分解能のロータ回転位置を検出する第3の位置検出手段と、
    前記永久磁石モータの回転速度が高いほど高分解能のロータ回転位置を選択する選択手段と、
    前記ロータ回転位置および位相指令に基づいて通電位相を決定する通電位相制御手段と、
    前記通電位相および電圧指令に基づいて、余弦波の180度分に対応した12分解能の電位を形成し、前記通電位相に対応して最大24分解能の3相通電信号を形成する通電信号形成手段と、
    前記3相通電信号をPWM変調しその変調後の3相通電信号に応じた電圧を前記3相巻線に供給する通電手段とから構成されていることを特徴とするモータ制御装置。
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