JP4723111B2 - マッサージ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、身体をマッサージするマッサージ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術のマッサージ装置は、たとえば特開平5−200089に示されている。このマッサージ装置は、2つのマッサージ腕を、ノズルから噴出させた水または空気によって上方に変位させ、自重によって下方に落下させることによって、上下に変位駆動し、肩をたたくことができるように構成されている。
【0003】
他の従来の技術として、温水または薬剤が混合された温水を、肩などに散布するためのシャワー装置が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術のマッサージ装置では、肩をたたくことしかできないうえ、肩に加えられる力は、マッサージ腕の自重によって決定されており、調節することができない。したがって良好に肩こりを解消し、良好に疲労回復を図ることができない。
【0005】
またシャワー装置は、散布される温水によって温熱効果が得られるとともに、散温水が当たることによる軽度の刺激が得られるが、肩たたきの効果までは得られない。さらに散布する温水に薬剤を混合したとしても、その効果は軽微である。したがってこのシャワー装置でも、良好な疲労回復効果が得られない。
【0006】
本発明の目的は、良好な疲労回復効果が得られるマッサージ装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、給水源から供給される水の圧力によって、身体を押圧する押圧手段と、
給水源から押圧手段に水を導く押圧水路を開閉する押圧水路開閉手段と、
温水源から供給される温水を、身体の押圧手段によって押圧される部位に散布するシャワー手段と、
温水源からシャワー手段に温水を導くシャワー水路を開閉するシャワー水路開閉手段と
前記押圧手段および前記シャワー手段を支持する支持構造体とを含み、
前記支持構造体は、
基台と、前記基台から上方に立ち上がり、相互に間隔をあけて対向して設けられる一対の支持側壁と、各支持側壁に支持される固定部材とを有し、
前記各支持側壁には、
相互に上下方向に間隔をあけ、前後方向に延び、前方になるにつれて下方に傾斜する複数の支持用溝部と、各支持用溝部と後方側の端部で連なる位置変更用溝部とを有する支持孔が、厚み方向に貫通して形成されるとともに、各支持用溝部の前方側の端部付近に、上下方向両側から隣接する位置に、相互に離反する側に突出する係止突起がそれぞれ形成され、
前記固定部材の両端部には、半径方向外方に突出する外向きフランジが形成されるとともに、可動部材が装着され、
前記可動部材は、
周壁部と、周壁部の軸線方向一端部を塞ぐ端壁部と、周壁部の軸線方向一端部から半径方向外方に突出する外向きフランジと、周壁部の軸線方向他端部から半径方向内方に突出する内向きフランジとを有し、
前記固定部材の外向きフランジが前記周壁部に嵌まり込んだ状態で、かつ、前記周壁部が、前記支持孔の前記各支持用溝部に沿って変位自在に嵌まり込んだ状態で、
前記固定部材の外向きフランジと前記端壁部が当接する縮退位置と、前記固定部材の外向きフランジと前記内向きフランジとが当接する伸長位置とにわたって、縮退位置から伸長位置に向かう伸長方向およびその逆の縮退方向に、前記固定部材に対して軸線に沿って変位自在であり、かつ、前記固定部材に対して軸線まわりの角変位が阻止されて設けられることを特徴とするマッサージ装置である。
【0008】
本発明に従えば、押圧手段が設けられるとともに、押圧水路開閉手段が設けられ、押圧水路開閉手段によって押圧手段への水の供給および停止を制御し、押圧手段を駆動して身体を押圧し、マッサージすることができる。水は、非圧縮性を有しており、身体による押圧手段の押し戻しがなく、確りと押圧することができる。さらに押圧手段は、水圧を利用して身体を押圧するので、押圧手段への水の供給圧などを調節すれば、押圧手段による押圧力の調節が可能であり、良好なマッサージ効果が得られる。
【0009】
またシャワー手段が設けられるとともに、シャワー水路開閉手段が設けられ、シャワー水路開閉手段によって温水のシャワー手段への供給および停止を制御し、温水を身体に散布することができる。これによって温熱効果が得られるとともに、散温水が当たることによる刺激が得られる。
【0010】
したがって押圧手段によるマッサージ効果と、シャワー手段からの散布による温熱効果および刺激とが、相乗的に得られ、血行を良くして筋血流を大幅に増加させ、筋肉の凝りをほぐすことができる。またシャワー手段から散布される温水の刺激によって、高いリラックス効果が得られる。したがって良好な疲労回復を図ることができる。
また、各押圧手段およびシャワー手段を支持する支持構造体は、支持位置を上下方向に変化させることができるので、入浴者の体形および好みなどによって、各押圧手段およびシャワー手段を移動させ、好適なマッサージをすることができる。
【0011】
また水圧を利用して押圧する押圧手段は、電気的な構成を備える必要がなく、シャワー手段と併用しても、安全に利用することができる。たとえば電気モータによって駆動される押圧手段を用いる場合のように感電および漏電のおそれがない。
【0012】
請求項2記載の本発明は、給水源は、温水源であることを特徴とする。
本発明に従えば、押圧手段に温水を供給することができる。これによって押圧手段を介して身体を温め、押圧手段を介してさらなる温熱効果を得ることができる。したがってさらに効果的に疲労回復を促すことができる。また高めの温度の温水を供給することによって、お灸の効果を得ることができる。さらにシャワー手段から散布される温水の温度の低下を防ぎ、シャワー手段による散温水の効果の低下を防止して、良好な効果が得られる。
【0013】
請求項3記載の本発明は、押圧水路開閉手段およびシャワー水路開閉手段の開閉を、利用者によって任意に設定されたタイミングチャートに従って制御する制御手段を含むことを特徴とする。
【0014】
本発明に従えば、押圧手段による押圧と、シャワー手段による水の散布とが、利用者によって任意に設定されたタイミングチャートに従って制御されるので、より確実な高い疲労回復効果が得られる。また利用者の疲労状態および好みなどに応じて、押圧水路開閉手段とシャワー水路開閉手段との制御内容を、適宜選択することによって、より高くかつ好みに合った疲労回復効果が得られ、満足感の高い疲労回復効果が得られる。
【0015】
請求項4記載の本発明は、シャワー手段は、押圧手段で身体を押圧するために利用された温水を、身体の押圧手段によって押圧される部位に散布することを特徴とする。
【0016】
本発明に従えば、押圧手段が設けられるとともに、開閉手段が設けられ、開閉手段によって押圧手段への温水の供給および停止を制御し、押圧手段を駆動して身体を押圧し、マッサージすることができる。水は、非圧縮性を有しており、身体による押圧手段の押し戻しがなく、確りと押圧することができる。さらに押圧手段は、水圧を利用して身体を押圧するので、押圧手段への水の供給圧などを調節すれば、押圧手段による押圧力の調節が可能であり、良好なマッサージ効果が得られる。
【0017】
またシャワー手段が設けられ、押圧手段で身体を押圧するために用いられた温水を、無駄に廃棄してしまうことなく、身体に散布することができる。このような温水の散布によって、温熱効果が得られるとともに、散温水が当たることによる刺激が得られる。さらに押圧手段も温水によって温められており、押圧手段からの温熱効果も得られる。
【0018】
したがって押圧手段によるマッサージ効果と、シャワー手段からの散布による温熱効果および刺激とが、相乗的に得られ、血行を良くして筋血流を大幅に増加させ、筋肉の凝りをほぐすことができる。またシャワー手段から散布される温水の刺激によって、高いリラックス効果が得られる。したがって良好な疲労回復を図ることができる。しかも水の使用量を可及的にすくなくすることができる。
【0019】
また水圧を利用して押圧する押圧手段は、電気的な構成を備える必要がなく、シャワー手段と併用しても、安全に利用することができる。たとえば電気モータによって駆動される押圧手段を用いる場合のように感電および漏電のおそれがない。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態のマッサージ装置1を示す斜視図であり、図2は、マッサージ装置1を示す正面図であり、図3は、マッサージ装置1の側面図であり、図4は、マッサージ装置1の水圧系統を示す水圧回路図である。マッサージ装置1は、2つの押圧器2,3およびシャワーヘッド4が設けられる装置本体5を有し、たとえばこの装置本体5を浴槽の一側壁の上端部6に、前面側を側槽の内側に向けて、すなわち浴槽に入った利用者に臨むように配して固定し、一般家庭で入浴しながら、利用者の頸部の付け根から肩峰にわたる肩部7をマッサージするために、好適に用いることができる家庭用のマッサージ装置である。このマッサージ装置1は、基本的には、上記各押圧器2,3と、上記シャワーヘッド4と、押圧水弁10,11と、シャワー弁12とを含む。
【0021】
押圧手段である各押圧器2,3は、給水源から供給される水の水圧を利用して、具体的には、圧水源である上水道および給湯器8を含む温水源から供給される水の圧力によって、身体の一部である肩部7を押圧する。押圧水路開閉手段である各押圧水弁10,11は、温水源から各押圧器2,3に温水(以下単に「水」と記す場合がある)を導く押圧水路を開閉する。
【0022】
開閉自在な元栓13を介して上水道に接続される流路に給湯器が接続されており、押圧水路は、給湯器8の吐出ポートに接続される第1の共通供給路14と、開閉自在な元栓15を介して上水道に接続され、第1の共通供給路14に接続される第2の共通供給路16と、各共通供給路14,16の接続点25よりも供給方向下流側で第1の共通供給路14に接続され、各押圧器2,3毎に設けられる押圧器用供給路17,18と、各押圧器2,3毎に2つずつ設けられる押圧器給排路20,21;22,23とを含んで構成される。一方の押圧水弁10は、一方の押圧器2に関連して設けられ、他方の押圧水弁11は、他方の押圧器3に関連して設けられる。
【0023】
シャワー手段であるシャワーヘッド4は、温水源から供給される水を、各押圧器2,3によって押圧される部位、すなわち肩部7に散布する。シャワー水路開閉手段であるシャワー弁12は、温水源からシャワーヘッド6に水を導くシャワー水路を開閉する。シャワー水路は、上記各共通供給路14,16と、上記接続点25よりも供給方向下流側で第1の共通供給路14に接続されるとともに、シャワーヘッド4に接続されるシャワー用供給路27とを含んで構成される。
【0024】
加熱手段である給湯器8は、元栓13を介して上水道から供給される水を加熱して、各押圧器2,3およびシャワーヘッド4に温水を供給することができる。温水は、たとえば利用者の体温より少し低い程度の温度から火傷をしない程度の体温よりも高い温度までの温度範囲の水である。
【0025】
図5は、装置本体5の内部構造を示す正面図であり、図6は、図5の切断面線S6−S6から見た断面図である。図1〜図4を併せて参照して、装置本体5は、各押圧器2,3およびシャワーヘッド4を支持する支持構造体30と、各押圧器2,3およびシャワーヘッド4を部分的に外部に突出させて、支持構造体30とともに覆うカバー体31とをさらに含む。
【0026】
支持構造体30は、浴槽の上端部6に固定される基台32と、基台32から上方に立ち上がり、相互に間隔をあけて対向して設けられる一対の支持側壁33,34と、基台32にから上方に間隔をあけて各支持側壁33,34間にわたって延びる台板35と、台板35から上方に立ち上がり、各支持側壁間を三つの領域に仕切る仕切り壁36,37と、台板35の上方で各支持側壁33,34に支持される固定部材38とを有する。このような支持構造体30の固定部材38に固定されて、各押圧器2,3およびシャワーヘッド4が支持構造体30に支持されている。
【0027】
一方の押圧器2は、上水道からの水を作動流体として作動する複動形のシリンダ40に、押圧ローラ41が設けられて構成される。シリンダ40は、シリンダチューブ42内に、ピストンロッド46が固定されるピストン43が変位自在に設けられて、2つの圧力室44,45が形成される。シリンダチューブ42には、各圧力室44,45にそれぞれ連なる2つのポートが形成されている。
【0028】
ピストンロッド46は、シリンダチューブ42から部分的に突出し、ピストン43の変位によって伸長および縮退自在である。このピストンロッド46のシリンダチューブから突出する先端部には、支持具49が固定され、この支持具49によって、ピストンロッド46の伸長および縮退方向に垂直な軸線L1まわりに回転自在に押圧ローラ41が支持されている。
【0029】
他方の押圧器3は、一方の押圧器2と同様の構成を有するので、詳細な説明を省略し、同様の構成には同一の参照符を用いる。各押圧器2,3は、一方の圧力室44に水を供給し、他方の圧力室45から水を排出することによって、ピストンロッド46を縮退させ、他方の圧力室45に水を供給し、一方の圧力室44から水を排出することによって、ピストンロッド46を伸長させることができる。各押圧器2,3は、ピストンロッドを伸長させることによって、押圧ローラによって身体を押圧することができる。
【0030】
各押圧器2,3は、シリンダチューブ43で、ピストンロッド46が斜め下方に突出するように固定部材38に固定されて設けられる。各押圧器2,3は、仕切り壁36、37によって仕切られた3つの領域のうちの両外側の2つの領域に、少なくとも押圧ローラ41がカバー体31から外部に前方へ突出するように設けられる。各押圧器2,3のピストンロッド46は、平行に配置され、各押圧ローラ41の回転軸線L1は、水平に配置される。
【0031】
一方の押圧器2の各ポートには、各押圧器給排路20,21がそれぞれ接続され、各圧力室44,45が各ポートを介して各押圧器給排路20,21にそれぞれ接続される。他方の押圧器3の各ポートには、各押圧器給排路22,23がそれぞれ接続され、各圧力室44,45が各ポートを介して各押圧器給排路22,23にそれぞれ接続される。さらに各押圧器2,3にそれぞれ関連して、所定の排水場所、たとえばタンクTに接続されるタンク路50,51がそれぞれ設けられる。
【0032】
一方の押圧水弁10は、4ポート3位置電磁切換弁であって、図示しない制御手段からの指令信号I1,I2に基づいて、一方の押圧器2に関連する各押圧器給排路20,21、押圧器用供給路17およびタンク路50の接続状態を切換える。押圧水弁10が中立状態の場合、各押圧器給排路20,21、押圧器用供給路17およびタンク路50は、相互に遮断され、ピストンロッドは固定される。
【0033】
指令信号I1が与えられて、押圧水弁10が第1駆動状態の場合、一方の押圧器給排路20と押圧器用供給路17とが接続されるとともに、他方の押圧器給排路21とタンク路50とが接続され、ピストンロッドは縮退される。指令信号I2が与えられて、押圧水弁10が第2駆動状態の場合、他方の押圧器給排路21と押圧器用供給路17とが接続されるとともに、一方の押圧器給排路20とタンク路50とが接続され、ピストンロッドは伸長される。なおタンクT回収される水は、廃棄してもよいが別途利用するようにしてもよい。
【0034】
この一方の押圧水弁10による接続状態の切換え制御によって、一方の押圧器2の動作を制御することができる。この一方の押圧水弁10は、たとえば支持構造体30の台板35の下方で基台32上に、カバー体31に覆われて設けられる。
【0035】
他方の押圧水弁11は、4ポート3位置電磁切換弁であって、図示しない制御手段からの指令信号I3,I4に基づいて、他方の押圧器3に関連する各押圧器給排路22,23、押圧器用供給路18およびタンク路51の接続状態を切換える。押圧水弁11が中立状態の場合、各押圧器給排路22,23、押圧器用供給路18およびタンク路51は、相互に遮断され、ピストンロッドは固定される。
【0036】
指令信号I3が与えられて、押圧水弁11が第1駆動状態の場合、一方の押圧器給排路22と押圧器用供給路18とが接続されるとともに、他方の押圧器給排路23とタンク路51とが接続され、ピストンロッドは縮退される。指令信号I4が与えられて、押圧水弁11が第2駆動状態の場合、他方の押圧器給排路23と押圧器用供給路18とが接続されるとともに、一方の押圧器給排路22とタンク路51とが接続され、ピストンロッドは伸長される。なおタンクT回収される水は、廃棄してもよいが別途利用するようにしてもよい。
【0037】
この他方の押圧水弁11による接続状態の切換え制御によって、他方の押圧器3の動作を制御することができる。この他方の押圧水弁11は、たとえば支持構造体30の台板35の下方で基台32上に、カバー体31に覆われて設けられる。
【0038】
シャワーヘッド4は、シャワー用供給路27に連なる内部空間を有し、この内部空間と外部とを連通する複数、本実施の形態では多数の噴出孔53が形成されている。このようなシャワーヘッド4は、水が供給されると、各噴出孔53から水を噴出し、これによって水を散布することができる。
【0039】
このシャワーヘッド4は、固定部材38に固定される円筒状の固定治具54を挿通して保持され、固定部材38に固定され、支持構造体30に支持される。シャワーヘッド4は、各仕切り壁36,37に挟まれる中央の領域に、少なくとも各噴出孔53が形成される部分がカバー体31の外部に前方へ突出するように、かつ各噴出孔53を各押圧ローラ41に臨ませて、各押圧ローラ41の上方に設けられる。
【0040】
シャワー水弁12は、シャワー用供給路27に介在される電磁開閉弁であって、図示しない制御手段からの指令信号I5に基づいて、シャワー用供給路27を開閉する。シャワー水弁12が閉状態の場合、シャワー用供給路27は、閉鎖され、シャワーヘッド4からの散布は停止される。指令信号I5が与えられて、シャワー水弁12が開状態の場合、シャワー用供給路27は開放され、シャワーヘッド4から水が散布される。
【0041】
このシャワー水弁12による開閉制御によって、シャワーヘッド4からの散布を制御することができる。このシャワー水弁12は、たとえば支持構造体30の台板35の下方で基台32上に、カバー体31に覆われて設けられる。
【0042】
給湯器8は、各押圧器2,3およびシャワーヘッド4に供給される水の温度を調節する。この給湯器8は、温度センサを内蔵しており、設定した温度の水を各押圧器2,3およびシャワーヘッド4に供給することができる。本実施の形態では、たとえば身体への散布に適した温度、具体的には42℃程度に設定してもよい。
【0043】
このように温度調節された水をシャワーヘッド4から散布することによって、身体を温め温熱効果を得ることができる。また各押圧器2,3に温水を供給することによって、これら各押圧器2,3を介して身体を温めることができ、さらなる温熱効果が得られる。またこのように各押圧器2,3を温めることによって、浴槽内の温水の温度低下防止も可能になる。
【0044】
また本実施の形態では、上述のように第2の共通供給路16を有しており、この第2の共通供給路16からの水の供給を制御して、温度調節をすることが可能である。たとえば各押圧器2,3だけを動作させるときには、給湯器8を介さずに、水を直接供給するようにしてもよい。
【0045】
図7は、支持構造体30の一部を示す斜視図であり、図8は、支持構造体30の一部を示す側面図であり、図9は、支持構造体30の一部を示す断面図である。図7〜図9には、2つの支持側壁のうちの一方に関連する構成だけを示すが、対称に構成されるので、図7〜図9を参照して同時に説明をする。
【0046】
各支持側壁33,34には、相互に上下方向に間隔をあけ、前後方向に延び、前方になるにつれて下方に傾斜する複数、たとえば3つの支持用溝部60,61,62と、各支持用溝部60〜62を後方側の端部で連ねる位置変更用溝部63とを有し、大略的にE字状に形成される支持孔64が、厚み方向に貫通して形成される。また各支持側壁33,34には、各支持用溝部60〜62の前方側の端部付近に、上下方向両側から隣接する位置に、相互に離反する側に突出する係止突起65a,65b;66a,66b;67a,67bがそれぞれ形成されている。
【0047】
固定部材38の両端部には、半径方向外方に突出する外向きフランジ69が形成されている。またこのような固定部材38の両端部には、可動部材70が装着されている。可動部材70は、周壁部71と、周壁部71の軸線方向一端部を塞ぐ端壁部72と、周壁部71の軸線方向一端部から半径方向外方に突出する外向きフランジ73と、周壁部71の軸線方向他端部から半径方向内方に突出する内向きフランジ74とを有する。
【0048】
可動部材70は、固定部材38の外向きフランジ69が周壁部71に嵌まり込んだ状態で設けられる。この可動部材70は、固定部材38の外向きフランジ69と端壁部72が当接する縮退位置75と、固定部材38の外向きフランジ69と内向きフランジ74とが当接する伸長位置76とにわたって、縮退位置75から伸長位置76に向かう伸長方向およびその逆の縮退方向に、固定部材38に対して軸線に沿って変位自在であり、かつたとえば固定部材38に対して軸線まわりの角変位が阻止されている。軸線方向の変位を許容するとともに回転を阻止する構成は、たとえばキーを用いた構成であってもよい。
【0049】
また可動部材70は、縮退位置75および伸長位置76の2位置において安定する構成である。たとえば固定部材38および可動部材70のいずれか一方に凹所を形成するともに、いずれか他方に突起を形成し、上記2位置において、突起が凹所に弾発的に嵌まり込んで、振動などでは変位しないように安定するとともに、利用者が手動で可動部材に外力を与えることによって、突起が凹所から抜出させて変位させることができる。可動部材70は、内向きフランジ74が固定部材38の外向きフランジ69に係止されることによって、固定部材70からの脱落が防がれる。
【0050】
このような固定部材38と各可動部材70とを有する取付体77は、その両端部が、具体的には各可動部材70の周壁部71が、支持孔64に各溝部60〜64に沿って変位自在に嵌まり込んでおり、各支持側壁33,34の各支持用溝部60〜62に臨む部分で支持することができる。
【0051】
各可動部材70の外向きフランジ73は、各支持側壁33,34の相互に離反する側に配置される。また各外向きフランジ73は、軸線に垂直な平面に投影した形状が、1つの線分と半円弧とから成る半円状に形成され、最も小さい外径寸法、すなわち前記半円弧の半径が、支持孔64の各溝部60〜63の幅よりも大きくなるように形成されている。したがって取付体77の各支持側壁33,34からの脱落が防がれる。
【0052】
さらに各可動部材70が縮退位置75にある状態では、各可動部材70の外向きフランジ73は、各支持側壁33,34に近接し、上記各係止突起65a,65b;66a,66b;67a,67bが、外向きフランジ73よりも突出している。また各可動部材70が伸長位置75にある状態では、各可動部材70の外向きフランジ73は、各支持側壁33,34から各係止突起65a,65b;66a,66b;67a,67bの突出量よりも大きく離間し、上記各係止突起65a,65b;66a,66b;67a,67bよりも相互に離反する側に配置される。
【0053】
取付体77は、各稼動部材70を伸長位置に配置した状態で、各溝部60〜64に沿って変位させることができ、各支持用溝部60〜62の内のいずれに嵌まり込ませた状態で支持するかを選択変更することができる。嵌まり込ませる支持用溝部60〜62(図7および図8では最上段の支持用溝部60)が決定すると、その支持用溝部の前方側の端部配置し、各可動部材70を縮退位置に配置する。これによって各可動部材70の外向きフランジ73が、その支持用溝部60〜62に関連する係止突起5a,65b;66a,66b;67a,67bに係止され、後方への変位が阻止され、安定した状態で支持される。また外向きフランジ73を半円状として、線分に対応する部分で各係止突起5a,65b;66a,66b;67a,67bに係止することによって、取付体77の軸まわりの角変位を阻止することができる。なおカバー体31は、このような取付体77の支持位置の変更のための構成が外部に露出するように構成されている。
【0054】
本実施の形態では、各弁10〜12に指令信号を与えて制御する制御手段は、利用者が任意に設定可能なタイミングチャートに従って、各弁10〜12を制御する。各弁10〜12を動作される電力は、支持構造体30の台板35上に設けられるバッテリ80から得るようにしてもよい。
【0055】
各弁10〜12の動作について、一例を述べると、たとえば肩こりが軽度である場合、図10に示すように、装置の利用を時刻T0で開始してから時刻T1まで、シャワーヘッド4からの散布だけを行い、時刻T1から時刻T2まではシャワーヘッド4からの散布および各押圧器2,3による押圧を行い、時刻T2から時刻T3まで、シャワーヘッド4からの散布だけを行い、時刻T3から時刻T4まで、各押圧器2,3による押圧だけを行って、装置の利用を終了するようにしてもよい。各時刻T1〜T4は、時刻T0を0分として、それぞれ3分、6分、9分および12分であってもよい。
【0056】
またたとえば肩こりが重度である場合、図11に示すように、装置の利用を時刻T0で開始してから時刻T5まで、シャワーヘッド4からの散布だけを行い、時刻T5から時刻T6まではシャワーヘッド4からの散布および各押圧器2,3による押圧を行って、装置の利用を終了するようにしてもよい。各時刻T5,T6は、時刻T0を0分として、それぞれ3分および12分であってもよい。また時刻T6は、6分から13分の内から適宜選んでもよい。
【0057】
ここで図10の時刻T1からT2までの間、および時刻T3からT4までの間、ならびに図11の時刻T5からT6までの間の押圧器2,3による押圧は、各ピストンロッドを周期的に往復振動させて、押圧するようにしてもよいし、押しつづけるようにしてもよい。
【0058】
図12は、被験者の入浴による肩部の筋肉内の血流量(以下「筋血流」という)の変化を示すグラフであり、図13は、被験者の入浴によるリラックス感の変化を示すグラフである。また表1は、入浴前に献血流に対する入浴後の筋血流の増加量を示す。
【0059】
【表1】
Figure 0004723111
【0060】
図12、図13および表1に示す試験結果は、被験者が安静状態を保持した後、入浴し、この入浴しながらマッサージ装置1を用いてマッサージを行い、すなわち肩部を押圧するとともにシャーヘッドからの散水を浴び、入浴後、安静状態を保持した場合の結果である。図12および図13において、時刻T21は、入浴開始の25〜30分前であり、時刻T22は、浴槽内で湯に浸かりながらマッサージ装置1を用いる直前であり、時刻T23は、浴槽内で湯に浸かりながらマッサージ装置1を用いた直後であり、時刻T24は、入浴終了後5〜10分であり、時刻T25は、入浴終了後15〜20分であり、時刻T26は、入浴終了後25〜30分である。
【0061】
これらの結果から明らかなように、入浴しながらマッサージ装置1を用いて、シャワーヘッド4からの散水を浴びるとともに、各押圧器2,3による押圧をすることによって、入浴のみ、入浴しながら散水、およびマッサージのみをする場合に比べて、マッサージ効果と温熱効果とが相乗的に作用し、入浴直後のみならず、長時間(たとえば30分間)にわたって、筋血流を増加させ、高いリラックス感を得ることができる。
【0062】
このように本実施の形態のマッサージ装置1では、各押圧器2,3が設けられるとともに、各押圧水弁10,11が設けられ、各押圧水弁10,11によって各押圧器2,3への水の供給および停止を制御し、各押圧器2,3を駆動して身体を、すわち肩部を押圧し、マッサージすることができる。水は、非圧縮性を有しており、確りと押圧することができる。さらに押圧器2,3は、水圧を利用して身体を押圧するので、たとえば各押圧水供給路17,18に、2次側圧力を一定にし、かつその2次側圧力を任意に調節可能な圧力調整弁を設けるなどして、押圧器2,3への水の供給圧などを調節すれば、押圧力の調節が可能であり、良好なマッサージ効果が得られる。
【0063】
またシャワーヘッド4および給湯器8が設けられるとともに、シャワー水弁12が設けられ、シャワー水弁12によってシャワーヘッド4への供給および停止を制御し、加熱された水、換言すれば温水を身体に散布することができる。これによって温熱効果が得られるとともに、散温水が当たることによる刺激が得られる。
【0064】
したがって各押圧器2,3によるマッサージ効果と、シャワーによる温熱効果および刺激とが、相乗的に得られ、血行を良くして筋血流を大幅に増加させ、筋肉の凝りをほぐすことができる。またシャワーヘッドからの水の刺激によって、高いリラックス効果が得られる。したがって良好な疲労回復を図ることができる。
【0065】
また水圧を利用して押圧する押圧器は、電気的な構成を備える必要がなく、シャワー手段と併用しても、安全に利用することができる。たとえば電気モータによって駆動される押圧手段を用いる場合のように感電および漏電のおそれがない。
【0066】
また各押圧器2,3にも、給湯器8から温水が供給される。これによって各押圧器2,3を介して身体を加熱し、さらなる温熱効果を得ることができる。したがってさらに効果的に疲労回復を促すことができる。また高めの温度に加熱することによって、お灸の効果を得ることができる。さらにシャワー手段から散布される水の温度の低下を防ぎ、シャワー手段による散水の効果の低下を防止して、良好な効果が得られる。またシャワーヘッド4への水路を個別にするなどして、高めの温度に加熱することによって、お灸の効果を得ることができる。
【0067】
また各押圧器2,3による押圧と、シャワー手段による水の散布とが、相互に関連付けられて制御されるので、より確実な高い疲労回復効果が得られる。また利用者の疲労状態および好みなどに応じて、押圧水路開閉手段とシャワー水路開閉手段との制御内容を、適宜選択することによって、より高くかつ好みに合った疲労回復効果が得られ、満足感の高い疲労回復効果が得られる。
【0068】
さらに各押圧器2,3およびシャワーヘッド4を支持する支持構造体30は、上記構成にって、支持位置を上下方向に変化させることができ、入浴者の体形および好みなどによって、各押圧器2,3およびシャワーヘッド4を移動させ、好適なマッサージをすることができる。
【0069】
図14は、本発明の実施の他の形態のマッサージ装置1Aの水圧系統を示す水圧回路図である。本実施の形態のマッサージ装置1Aは、図1〜図13に示す実施の形態のマッサージ装置1と類似の構成を有しており、異なる構成についてだけ説明し、同様の構成は、同一の符号を付して説明を省略する。本実施の形態のマッサージ装置1Aでは、上述のマッサージ装置1におけるシャワー用供給路27およびタンク路50,51に代えて、各押圧器2,3で利用した水を、各押圧水弁10,11を介して回収し、シャワーヘッド4に導くためのシャワー水路が設けられる。このシャワー水路は、各押圧器2,3に個別に関連して設けられる2つの回収水路100,101と、各回収水路100,101に共通に接続され、シャワーヘッド4に接続されるシャワー用供給路102とを有する。
【0070】
各回収水路100,101は、上述の実施の形態のマッサージ装置1における各タンク路に代えてそれぞれ設けられ、したがって本実施の形態の押圧水弁10,11では、各タンク路を各回収水路に置換えた流路の接続状態を切換える。このような構成にすることによって、上述の実施の形態のマッサージ装置1と同様の効果が得られるうえ、水の無駄を無くして、水の使用量を可及的に少なくすることができる。
【0071】
図15は、本発明の実施のさらに形態のマッサージ装置1Bを示す断面図であり、図16は、マッサージ装置1Bの水圧系統を示す水圧回路図である。本実施の形態のマッサージ装置1Bは、図1〜図13に示す実施の形態のマッサージ装置1と類似の構成を有しており、異なる構成についてだけ説明し、同様の構成は、同一の符号を付して説明を省略する。本実施の形態のマッサージ装置1Bでは、上述のマッサージ装置1における各押圧器2,3および各押圧水弁10,11に代えて、各押圧器2B,3Bおよび各押圧水弁10B、11Bが設けられる。
【0072】
本実施の形態の各押圧器2B,3Bは、上記複動形のシリンダ40に変えて、単動形のシリンダ40Bを備える。シリンダ40Bは、シリンダチューブ42内に、ピストンロッド46が固定されるピストン43が変位自在に設けられて、圧力室45とばね室44Bとが形成される。シリンダチューブ42には、圧力室45に連なるポートが形成され、ばね室を外部に開放する透孔が形成されている。
【0073】
ばね室44Bには、ピストンロッド46を縮退させる方向のばね力を与える手段であるばね部材110が設けられる。このようなシリンダ40Bは、圧力室45に水を供給することによってばね力に効して、ピストンロッド46を伸長させ、水の供給を停止して排出を許容することによって、ばね力で圧力室45から水を排出し、ピストンロッド46を縮退させることができる。本実施の形態では、各押圧器2B,3Bに関連して、それぞれ1つずつ押圧器給排路21,23が設けられ、各圧力室45にそれぞれ接続されている。
【0074】
一方の押圧水弁10Bは、3ポート2位置電磁切換弁であって、制御手段からの指令信号I1Bに基づいて、一方の押圧器2Bに関連する押圧器給排路21、押圧器用供給路17およびタンク路50の接続状態を切換える。押圧水弁10Bが排出状態の場合、押圧器給排路21とタンク路50とが接続され、押圧器用供給路17は遮断され、ピストンロッド46はばね力で縮退される。指令信号I1Bが与えられて、押圧水弁10Bが供給状態の場合、押圧器給排路21と押圧器用供給路17とが接続され、タンク路50が遮断され、ピストンロッド46は水圧で伸長される。この一方の押圧水弁10Bによる接続状態の切換え制御によって、一方の押圧器2Bの動作を制御することができる。
【0075】
他方の押圧水弁11Bは、3ポート2位置電磁切換弁であって、制御手段からの指令信号I1Bに基づいて、他方の押圧器3Bに関連する押圧器給排路23、押圧器用供給路18およびタンク路51の接続状態を切換える。押圧水弁11Bが排出状態の場合、押圧器給排路23とタンク路51とが接続され、押圧器用供給路18は遮断され、ピストンロッド46はばね力で縮退される。指令信号I3Bが与えられて、押圧水弁11Bが供給状態の場合、押圧器給排路23と押圧器用供給路18とが接続され、タンク路51が遮断され、ピストンロッド46は水圧で伸長される。この他方の押圧水弁11Bによる接続状態の切換え制御によって、他方の押圧器2Bの動作を制御することができる。
【0076】
このような本実施の形態のマッサージ装置1Bもまた、上述の実施の形態のマッサージ装置1と同様の効果を得ることができる。
【0077】
図17は、本発明の実施の他の形態のマッサージ装置1Cの水圧系統を示す水圧回路図である。本実施の形態のマッサージ装置1Cは、図14に示すマッサージ装置1Aと、図16に示すマッサージ装置1Bとを組合わせた構成を有しており、異なる構成についてだけ説明し、同様の構成は、同一の符号を付して説明を省略する。本実施の形態のマッサージ装置1Cでは、マッサージ装置1Bに設けられる単動形のシリンダ40Bを備える各押圧器2B,3Bと、3ポート2位置電磁切換弁である各押圧水弁10B,11Bとが設けられるとともに、各押圧水弁10B,11Bを介して、各押圧器2B,2Cで利用され水を回収してシャワーヘッド4に導くシャワー水路、したがって各回収水路100,101およびシャワー用供給路102が設けられる。このマッサージ装置1Cでは、制御手段によって、各押圧器2B,3Bを交互に伸縮させるように制御することが好ましく、これによって、シャワーヘッド4から継続的に温水を散布することが可能になる。
【0078】
このような本実施の形態のマッサージ装置1Cもまた、上述の実施の形態のマッサージ装置1と同様の効果を得ることができる。
【0079】
図18は、本発明の実施のさらに他の形態のマッサージ装置1Dの内部構造を示す正面図であり,図19は、図18の切断面線S19−S19から見た断面図である。本実施の形態のマッサージ装置1Dは、図1〜図13に示す実施の形態のマッサージ装置1と類似の構成を有しており、異なる構成についてだけ説明し、同様の構成は、同一の符号を付して説明を省略する。上述の実施の形態のマッサージ装置1では、図7〜図9を参照して説明したような手動で支持位置を変更可能な構成であったけれども、本実施の形態のマッサージ装置1Dでは、これに代えて、各押圧器2,3およびシャワーヘッド4は、上水道からの水の圧力を利用して動作するアクチュエータを備える駆動手段150によって変位駆動される。
【0080】
本実施の形態の支持構造体30Dは、上述の各支持側壁33,34に代えて、各支持側壁33D,34Dが設けられる。各支持側壁33D,34Dには、上下に延びる図示しない支持孔が形成され、この支持孔に両端部が嵌まり込んで上下に変位自在に案内されて、固定部材38が設けられる。この固定部材38は、直接各支持側壁33D,34Dに案内支持される構成であってもよいし、上述と同様に、他の部材、たとえば可動部材70を介して案内支持される構成であってもよい。その他の構成は、上述の実施の形態と同様である。
【0081】
駆動手段150は、固定部材38を上下(鉛直)方向に変位駆動するアクチュエータ、本実施の形態では2つの昇降シリンダ151,152と、各押圧器2,3を、固定部材38に対して、固定部材の変位方向と交差する方向、具体的は水平な固定部材38の軸線方向に個別変位駆動する2つの水平駆動シリンダ160,161とを有する。
【0082】
各昇降シリンダ151,152は、複動形の水圧シリンダであって、シリンダチューブ155,156において各仕切壁36,37に固定されて設けられ、上水道から供給される水の圧力によってピストンロッド153,154を伸長および縮退させることができる。各昇降シリンダ151,152のピストンロッドの先端部は、固定部材38に連結されている。
【0083】
これら各昇降シリンダ151,152への水の供給を制御するための切換手段として、昇降弁が設けられ、制御手段から指令信号を与えて制御することによって、各昇降シリンダ151,152のピストンロッド153,154の伸長および縮退を制御し、これによって固定部材38を昇降して、各押圧器2,3およびシャワーヘッド4を昇降駆動することができる。なお各昇降シリンダ151,152を個別に制御することによって、各押圧器2,3の上下位置を異ならせるように、傾斜させることができる。
【0084】
各水平駆動シリンダ161,162は、複動形のロッドレス水圧シリンダであって、ピストンを内蔵した本体163,164で固定部材38に固定されて設けられ、上水道から供給される水の圧力によってピストンを変位させ、ピストンに連結された可動台165,166を固定部材38の軸線にそって変位させることができる。各水平駆動シリンダ161,162の可動台165,166には、各押圧器2,3が固定されている。
【0085】
これら各水平駆動シリンダ161,162への水の供給を制御するための切換手段として、水平駆動弁が設けられ、制御手段から指令信号を与えて制御することによって、各水平駆動シリンダ161,162の可動台165,166の変位を制御し、これによって各押圧器2,3を個別に変位駆動することができる。
【0086】
このような駆動手段150を設けることによって、水圧を利用して、各押圧器2,3およびシャワーヘッド4を容易に昇降駆動することができるとともに、各押圧器2,3を水平方向に変位させて、各押圧器2,3の間隔を変更することができる。これによって利便性を向上することができる。その他の効果については、上述の実施の形態のマッサージ装置1と同様に達成することができる。
【0087】
このような駆動手段150を用いて、各押圧器およびシャワーヘッドを駆動する構成は、図1〜図13のマッサージ装置1だけでなく、図14〜図17のマッサージ装置1A〜1Cに組み合わせるようにしてもよく、同様の効果を得ることができる。
【0088】
上述の各実施の形態は、本発明の例示に過ぎず、本発明の範囲内で変更することができる。たとえば押圧器などの個数を変更しもよいし、各部の材料を変更してもよい。また押圧器は、押圧ローラを備える構成としけれども、これ以外の構成であってもよく、たとえばシリンダによって押し棒を往復駆動する構成としてもよい。またマッサージ装置は、一般家庭の浴室以外に、上記公衆浴場をはじめ、シャワールームに設置してもよい。またプールなどのスポーツ施設、介護施設、病院、ホテルなどの宿泊施設、リハビリセンターなどに設置してもよい。また上水道に代えて、ポンプを有する他の圧水源を利用してもよい。また肩部以外の他の部位をマッサージするために用いるようにしてもよい。また圧水源および温水源は、上水道に代えてポンプなどを用いて構成されてもよい。たとえば温泉水をポンプで汲上げて供給する構成であってもよい。
【0089】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明によれば、押圧手段による押圧によって、良好なマッサージ効果が得られるとともに、シャワー手段による温水の散布によって、温熱効果が得られるとともに、散温水が当たることによる刺激が得られる。したがってマッサージ効果、温熱効果および刺激による効果が、相乗的に得られ、高いリラックス効果を得ながら、筋血流を増加させて凝りをほぐし、良好な疲労回復を図ることができる。
また、各押圧手段およびシャワー手段を支持する支持構造体は、支持位置を上下方向に変化させることができるので、入浴者の体形および好みなどによって、各押圧手段およびシャワー手段を移動させ、好適なマッサージをすることができる。
【0090】
請求項2記載の本発明によれば、押圧手段を介してさらなる温熱効果を得ることができるうえ、シャワー手段から散布される温水の温度の低下を防ぎ、シャワー手段による散水の効果の低下を防止して、良好な効果が得られる。
【0091】
請求項3記載の本発明によれば、押圧手段による押圧と、シャワー手段による水の散布とが、利用者によって任意に設定されたタイミングチャートに従って制御されるので、より確実な高い疲労回復効果が得られる。また制御内容を、適宜選択することによって、より高くかつ好みに合った疲労回復効果が得られ、満足感の高い疲労回復効果が得られる。
【0092】
請求項4記載の本発明によれば、押圧手段による押圧によって、良好なマッサージ効果が得られるとともに、シャワー手段による温水の散布によって、温熱効果が得られるとともに、散温水が当たることによる刺激が得られる。したがってマッサージ効果、温熱効果および刺激による効果が、相乗的に得られ、高いリラックス効果を得ながら、筋血流を増加させて凝りをほぐし、良好な疲労回復を図ることができる。しかも押圧手段で利用した水をシャワー手段で散布するので、個別に圧水源から水を供給する構成に比べ、無駄を無くして、水の使用量を可及的に少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態のマッサージ装置1を示す斜視図である。
【図2】マッサージ装置1を示す正面図である。
【図3】マッサージ装置1を示す側面図である。
【図4】マッサージ装置1の水圧系統を示す水圧回路図である。
【図5】装置本体5の内部構造を示す正面図である。
【図6】図5の切断面線S6−S6から見た断面図である。
【図7】支持構造体30の一部を示す斜視図である。
【図8】支持構造体30の一部を示す側面図である。
【図9】支持構造体30の一部を示す断面図である。
【図10】制御手段による制御内容の一例を示すタイミングチャートである。
【図11】制御手段による制御内容の他の例を示すタイミングチャートである。
【図12】被験者の入浴による肩部の筋血流の変化を示すグラフである。
【図13】被験者の入浴によるリラックス感の変化を示すグラフである。
【図14】本発明の実施の他の形態のマッサージ装置1Aの水圧系統を示す回路図である。
【図15】本発明の実施のさらに他の形態のマッサージ装置1Bを示す断面図である。
【図16】マッサージ装置1Bの水圧系統を示す回路図である
【図17】本発明の実施のさらに他の形態のマッサージ装置1Cの水圧系統を示す回路図である。
【図18】本発明の実施のさらに他の形態のマッサージ装置1Dの内部構造を示す正面図である。
【図19】図18の切断面線S19−S19から見た断面図である。
【符号の説明】
1,1A〜1D マッサージ装置
2,2B,3,3B 押圧器
4 シャワーヘッド
5 装置本体
7 肩部
8 給湯器
10,10B,11、11B 押圧水弁
12 シャワー水弁
30,30D 支持構造体

Claims (4)

  1. 給水源から供給される水の圧力によって、身体を押圧する押圧手段と、
    給水源から押圧手段に水を導く押圧水路を開閉する押圧水路開閉手段と、
    温水源から供給される温水を、身体の押圧手段によって押圧される部位に散布するシャワー手段と、
    温水源からシャワー手段に温水を導くシャワー水路を開閉するシャワー水路開閉手段と
    前記押圧手段および前記シャワー手段を支持する支持構造体とを含み、
    前記支持構造体は、
    基台と、前記基台から上方に立ち上がり、相互に間隔をあけて対向して設けられる一対の支持側壁と、各支持側壁に支持される固定部材とを有し、
    前記各支持側壁には、
    相互に上下方向に間隔をあけ、前後方向に延び、前方になるにつれて下方に傾斜する複数の支持用溝部と、各支持用溝部と後方側の端部で連なる位置変更用溝部とを有する支持孔が、厚み方向に貫通して形成されるとともに、各支持用溝部の前方側の端部付近に、上下方向両側から隣接する位置に、相互に離反する側に突出する係止突起がそれぞれ形成され、
    前記固定部材の両端部には、半径方向外方に突出する外向きフランジが形成されるとともに、可動部材が装着され、
    前記可動部材は、
    周壁部と、周壁部の軸線方向一端部を塞ぐ端壁部と、周壁部の軸線方向一端部から半径方向外方に突出する外向きフランジと、周壁部の軸線方向他端部から半径方向内方に突出する内向きフランジとを有し、
    前記固定部材の外向きフランジが前記周壁部に嵌まり込んだ状態で、かつ、前記周壁部が、前記支持孔の前記各支持用溝部に沿って変位自在に嵌まり込んだ状態で、
    前記固定部材の外向きフランジと前記端壁部が当接する縮退位置と、前記固定部材の外向きフランジと前記内向きフランジとが当接する伸長位置とにわたって、縮退位置から伸長位置に向かう伸長方向およびその逆の縮退方向に、前記固定部材に対して軸線に沿って変位自在であり、かつ、前記固定部材に対して軸線まわりの角変位が阻止されて設けられることを特徴とするマッサージ装置。
  2. 給水源は、温水源であることを特徴とする請求項1記載のマッサージ装置。
  3. 押圧水路開閉手段およびシャワー水路開閉手段の開閉を、利用者によって任意に設定されたタイミングチャートに従って制御する制御手段を含むことを特徴とする請求項1または2記載のマッサージ装置。
  4. シャワー手段は、押圧手段で身体を押圧するために利用された温水を、身体の押圧手段によって押圧される部位に散布することを特徴とする請求項2記載のマッサージ装置。
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