JP4722343B2 - 個数計数方法、そのためのプログラム、記録媒体および個数計数装置 - Google Patents

個数計数方法、そのためのプログラム、記録媒体および個数計数装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,個数計数方法,そのためのプログラム,記録媒体および個数計数装置に関し,特に,コロニー数の計数に適したものに関する.
【0002】
【従来の技術】
一般生菌数は,食品の検査試料1 gまたは1 ml中に生存する微生物の数を表し,食品の微生物汚染の指標として用いられる.生菌数の計数は,通常,混釈法で行われている.混釈法では生菌の試料と標準寒天培地をシャーレでよく混ぜ,35℃で48時間培養した後に,増殖して形成されたコロニーの数を目視あるいはコロニーカウンターを用いて計数する.
【0003】
しかしながら,混釈法には以下の問題がある.まず,肉眼でコロニーを確認できるまで長時間の培養を要すること.次に,人間が目視で計数するのは能率的でないこと.また,コロニーカウンターでの計数も,試料内の菌濃度が高い場合には長時間の培養の結果コロニー同士が重なってしまい,計数が困難であったり不正確であったりする問題がある.
【0004】
混釈法に対して,DNA を使用した方法や抗原抗体反応を利用した方法等が提唱されている.これらの方法は迅速法と呼ばれ,数分あるいは数時間で細菌を検出できる利点がある.しかしながら,迅速法の多くは菌の種類の同定を主な目的としており,死んだ菌にも反応するなど,生菌数の計数に関しては信頼性に問題がある.
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は,このような従来の課題に着目してなされたもので,信頼性が高く,なおかつ,生菌数を迅速で正確に計数することができる個数計数方法,そのためのプログラム,記録媒体および個数計数装置を提供することを目的としている.
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために,本発明に係る個数計数方法は,
測定対象を通過した光をエリアセンサで受け,前記エリアセンサが所定時間ごとに取得した画像を2値化して順次に2値化画像を得る2値化ステップと,
基準となる前記2値化画像を画像記憶手段に記憶する画像記憶ステップと,
基準となる前記2値化画像を得た後に得た前記2値化画像の中に、それぞれ1つの画素連結領域を内部に含む判定領域を設定する領域設定ステップと,
基準となる前記2値化画像で前記判定領域に対応する比較領域の中に存在する前記画素連結領域の個数を計数する領域内計数ステップと,
前記領域内計数ステップで計数された個数が0または1のとき,前記比較領域を前記判定領域で置き換え,前記領域内計数ステップで計数された個数が2以上のとき,前記比較領域を維持して,前記画像記憶手段に記憶された前記2値化画像を更新する更新ステップと,
前記画像記憶手段に記憶された前記2値化画像の中の前記画素連結領域の個数を計数する個数計数ステップとを,
有することを特徴とする.
【0007】
本発明に係るプログラムは,
測定対象を通過した光を受けたエリアセンサが所定時間ごとに取得した画像を2値化して順次に2値化画像を得る2値化手段と,
基準となる前記2値化画像を記憶する画像記憶手段と,
基準となる前記2値化画像を得た後に得た前記2値化画像の中に、それぞれ1つの画素連結領域を内部に含む判定領域を設定する領域設定手段と,
基準となる前記2値化画像で前記判定領域に対応する比較領域の中に存在する前記画素連結領域の個数を計数する領域内計数手段と,
前記領域内計数手段で計数された個数が0または1のとき,前記比較領域を前記判定領域で置き換え,前記領域内計数手段で計数された個数が2以上のとき,前記比較領域を維持して,前記画像記憶手段に記憶された前記2値化画像を更新する更新手段と,
前記画像記憶手段に記憶された前記2値化画像の中の前記画素連結領域の個数を計数する個数計数手段として,
コンピュータを機能させることを特徴とする.
本発明に係るコンピュータ読み取り可能な記録媒体は,本発明に係るプログラムを記録したものであることを特徴とする.
【0008】
本発明に係る個数計数装置は,
光源と,
測定対象を通過した前記光源の光を受けるエリアセンサと,
前記エリアセンサが所定時間ごとに取得した画像を2値化して順次に2値化画像を得る2値化手段と,
基準となる前記2値化画像を記憶する画像記憶手段と,
基準となる前記2値化画像を得た後に得た前記2値化画像の中に、それぞれ1つの画素連結領域を内部に含む判定領域を設定する領域設定手段と,
基準となる前記2値化画像で前記判定領域に対応する比較領域の中に存在する前記画素連結領域の個数を計数する領域内計数手段と,
前記領域内計数手段で計数された個数が0または1のとき,前記比較領域を前記判定領域で置き換え,前記領域内計数手段で計数された個数が2以上のとき,前記比較領域を維持して,前記画像記憶手段に記憶された前記2値化画像を更新する更新手段と,
前記画像記憶手段に記憶された前記2値化画像の中の前記画素連結領域の個数を計数する個数計数手段とを,
有することを特徴とする.
【0009】
本発明において,例えば,前記光源はレーザー装置またはLEDから成り,前記測定対象は細菌培地から成り,前記エリアセンサはCCDから成る.
【0010】
【発明の実施の形態】
以下,図面に基づき,本発明の実施の形態について説明する.
図1乃至図10は,本発明の実施の形態を示している.
本発明の実施の形態では,本発明に係る個数計数方法,そのためのプログラム,記録媒体および個数計数装置について,コロニー増殖過程逐次計測による混釈法での生菌数高速自動計数法,そのためのプログラム,記録媒体および個数計数装置に特定して説明する.この計数法は,CCD 投影型顕微鏡を用いた方法である.
【0011】
この計数法は,一般生菌数の計数方法として混釈法を採用し,コロニー増殖過程を顕微鏡で逐次拡大計測し,コンピュータで画像処理することで早期にコロニー数を計数する方法である.この計数法では,コロニーにレーザー等の光を照射してCCD エリアセンサでコロニーの陰影像を拡大観測する方法,および,培地を入れる容器の結露を防ぐ構造を考案することにより,計測の自動化を実現した.大腸菌による実験の結果,従来の方法では48時間の計測が必要であったのに対して,8 時間で計測が可能となった.
【0012】
この計数法では,培養開始時から,試料を顕微鏡で拡大して観測し,一定時間間隔で逐次画像情報としてコンピュータに取り込む.適当な画像処理を行うことにより,増殖して大きくなったコロニーから順次検出され,新たに検出されるコロニーが無くなった時に総生菌数が確定する.従って,培養開始時間から短時間で生菌数を確定することが可能である.また,コロニーが重ならない段階から観測するために,正確な計数が可能である.
【0013】
上記処理は,完全自動化が図られている.ところで,自動化において2 つの問題が浮上した.ひとつは,コロニーを拡大する顕微鏡に関する.焦点型光学顕微鏡は,寒天培地中のいろいろな深度に分布する各コロニーに焦点を合わせる必要があるために,特に寒天培地が厚い場合には,自動化の観点からは不向きである.本実施の形態では,CCD エリアセンサを用いた投影型顕微鏡(以下CCD 投影型顕微鏡とする)を考案し,自動計測を可能にした.他のひとつは,インキュベータ内でコロニーを増殖させる容器に関する.混釈法で用いる通常のシャーレの場合,シャーレの蓋の内側が結露し,計測の障害となる.本稿では容器の構造を工夫して,長時間の連続計測を可能にした.
【0014】
以下に,大腸菌E . coli (ATCC25922)の増殖過程を計測し,本方法の有効性を確認した結果を示す.
まず, CCD投影型顕微鏡について説明する.
CCD 投影型顕微鏡の原理は,光源から光を被写体に照射し,被写体の陰影像をCCD エリアセンサでとらえ,コンピュータへ画像情報として伝送するものである.光源には,レーザー,あるいは点光源としてLED を用いる.原理の模式図を図1に示す.
【0015】
1 画素のサイズが数μmのCCD エリアセンサを用いた場合,例えば1 μm四方の大きさの細菌がいるとして,何回か分裂増殖してコロニーサイズが画素サイズより大きくなれば,原理的には陰影像としてコロニーが検出され,コロニーが目視可能になるまで増殖するより早い段階でコロニーを識別できると期待される.
【0016】
また,この顕微鏡を用いれば,数mm程度の厚さの寒天培地中のいろいろな深度に分布するコロニーを各コロニーに焦点を合わせることなく同時に観測可能である.このことは,焦点型光学顕微鏡と比較して計測の自動化において利点となる.
【0017】
作成した個数計数装置の構成を図2に示す.この個数計数装置は,CCD 投影型顕微鏡システムとして構成されている.システムはCCD エリアセンサ1,光源2として用いるレーザーあるいはLED ,パーソナルコンピュータ(パソコン)3,および,CCD エリアセンサ1からの画像データをパソコン3に取得するインターフェース4で構成される.パソコン3には,生菌数高速自動計数法のためのプログラム(ソフトウェア)が組み込まれている.
【0018】
次に,培養容器5について説明する.
生菌は以下の手順で培養する.試料をシャーレに1 ml入れ,これに約50℃に保温した15〜20mlの標準寒天培地を加える.シャーレを充分揺り動かして試料と培地を混和する.通常は,この状態でシャーレを静置して培地を凝固させるのが一般的で,凝固させた後,培地の乾燥を抑える目的でシャーレに蓋をし,35℃のインキュベータ内で48時間培養する.
【0019】
しかしこの方法では,培地の水分がシャーレの蓋の内側に結露するため,計測時に逐一シャーレの蓋を取り除く必要がある.これは自動化の際の障害となる.また,蓋を取るときシャーレの位置が動く可能性が高く,同一領域のコロニー成長過程の計測が困難となる.
【0020】
本実施の形態では,以下の構造の培地容器5を考案することにより,培地の乾燥とシャーレの結露を共に防ぎ,長時間の連続自動計測を実現した.容器全体の構造を図3に示す.構造の要点の第1 は,計測する領域の培地表面が空気層に接触しないように密閉する点である.第2 は,全ての培地表面を密閉しないで,空気層と接触する培地領域をつくる点である.この構造により,空気層と接触する培地領域は結露するが,密閉した培地領域は長時間の連続自動計測が可能である.計測領域の培地を空気層に接触しないように密閉することは,コロニーサイズの均一化を促し,コロニー数の計数の精度を向上させる効果をも併せ持つことを述べておく.
【0021】
次に,コロニー数計数アルゴリズムについて説明する.
まず,基本アルゴリズムは,以下のとおりである.
インキュベータ内にCCD 投影型顕微鏡と被写体を設置する.CCD システムからはインキュベータの外部に設置されたパソコン3の入力ボードに対して常に画像情報を伝送する.ソフトウェアで入力ボードを制御し,一定時間間隔で画像データを取得する.画像を取得する毎に以下の画像処理を行う.
【0022】
(1) 画像の平滑化等の基礎処理を,あらかじめ設定したパラメータで行う.
(2) 画像を2 値化する.
(3) 2 値化された画像の連結領域の個数をコロニー数として計数する.
【0023】
(1) の画像の平滑化は,光源2にレーザーを用いる場合に行う.
(2) の画像の2 値化では,判別分析法を用いてしきい値を自動決定する.判別分析法は,濃度値の集合を2 つのクラスに分けたときクラス間の分離が最も良くなるようにしきい値を求めるものである.
【0024】
ところでグレースケール画像に対して判別分析法を用いると,必ずあるしきい値が決定される.従って,(1) で得た画像に対してそのま判別分析法を用いた場合,培養初期段階でコロニーが増殖していない画像でも,培地領域の僅かな階調の変化がコロニーと識別されてしまうという不都合が生じる.これを避けるために(2) の処理では,(1) で得た画像の適当な微小領域をコロニー参照系と考えて意図的に画素値を0 に置換し,その後に,判別分析法を用いる.その結果,コロニーが成長していない培養初期でも,参照領域がコロニーと識別され,参照領域以外は培地として正しく識別される.
【0025】
(3) でのコロニー数の計数では参照領域を除外して処理する.また,必要に応じて,あらかじめ指定した適当な処理により,小さいコロニーはノイズとみなし除外する.
【0026】
次に,重なったコロニーを分離識別するアルゴリズムについて説明する.
菌濃度が高い場合は,コロニーの成長に伴ってコロニー陰影像が重なる場合がある.本実施の形態では,コロニーの成長過程を継続して観測するために,コロニーが重なる以前の画像情報を利用して,重なったコロニーを分離識別することが可能である.各コロニーが成長して検出される時間は,コロニーの場所によって異なる.コロニーの成長過程の情報を利用するためには,培地それぞれの場所でのコロニー成長に注目する必要がある.
【0027】
重なったコロニーを分離識別するために,基本アルゴリズムの処理(2) に続いて以下の処理を行う.この処理は,計測開始時に取得する画像の処理と,その後に継続的に取得する画像の処理とで異なる.処理の流れを図4に示す.
第1 取得画像に対しては以下の処理を行う.2 値化された画像を,コロニー識別画像として記憶する.コロニー識別画像は最も正確なコロニー情報をもつ画像と考え,以後,新しく画像が取得される毎に以下のアルゴリズムで更新していく.
【0028】
第2 取得画像以後の取得画像に対しては,まず,2 値化された画像からコロニー数N を計数する.各コロニーを内部に含むN 個の微小領域S i (i =1 〜N )それぞれについて以下の処理を行う.
【0029】
(i) コロニー識別画像の対応する領域S i 内に存在するコロニー数n を計数する.
(ii)n が0 の場合は,領域S i に新しくコロニーが生成したと判定する.n が1 の場合は,領域S i のコロニーは以前から検出されていたコロニーと判定する.いずれの場合も,新規取得画像の領域S i の画像をコロニー識別画像の領域S i に埋め込み,コロニー識別画像を更新する.
(iii) nが2以上の場合は,以前から検出されていたn個のコロニーが重なって領域Si に1個のコロニーを形成したと判定する.コロニー識別画像の領域Si は変更しない.
【0030】
これらの処理を行ったコロニー識別画像に基づいてコロニー数を計数し,その時点で検出されたコロニー数とする.コロニーが重なる場合も,重なる領域は重なる以前の画像情報を用いるため,正確な個数が得られる.これらの処理を図5にフローチャートで示す.また,その処理を行う構成をブロック図で図6に示す.
【0031】
次に,ノイズを除去するアルゴリズムについて説明する.
CCD 投影型顕微鏡の陰影像には,培養初期から確認されて培養後も変化しないノイズが認められることがある.これらのノイズは,培養開始時に取得した画像を参照画像とし,画像の差分をとることで除去可能である.画像処理は,第1取得画像以外の画像に対して行うこととし,基本アルゴリズムの(1) の処理に先立って,次の処理を行う.取得画像と,参照画像の差分をとり,差分画像を以後の処理対象画像とする.
【0032】
【実施例】
〔実験方法〕
陰影画像の取得および解析には,図2に示したシステムおよび図3に示した培養容器を用いて行う.
光源には白色LED を用いる.CCD エリアセンサは,市販の対角1/3 インチ白黒CCD カメラのレンズを除去して使用した.素子数は768 ×494 (有効画素),1 素子のサイズは8.4 μm ×9.8 μm である.
【0033】
CCD エリアセンサから出力されたNTSC信号はビデオキャプチャボード(商品名:National Instruments (NI) 社IMAQ-1408 )を用いて取り込む方式を採用した.取得画像の画素数は640 ×480 で各画素が8 ビットのグレースケール階調をもつ.システムの制御と画像処理のプログラミングは,市販のソフトウェア(NI社の商品名:LabVIEW とIMAQ Vision )を用いた.
【0034】
CCD エリアセンサとシャーレの距離が接近しているために,インキュベータの温度を35℃に設定するとCCD エリアセンサの発熱でシャーレ内の培地が35℃よりも上昇する.そのため,コロニーの増殖が妨げられるので,インキュベータの温度を30℃と設定した.
培養に用いた標準寒天培地の厚さは5mm である.画像は15分間隔で取得した.
【0035】
次に,基本アルゴリズムを用いた結果について説明する.
コロニーを計数する前に,小さいコロニーをノイズとして除去する目的で,2 値化された画像の全ての画素に対して侵食処理(erosion )をm 回施し,その後に拡散処理(dilation)をm 回行う.ここで侵食処理は,着目する画素の8 近傍画素のいずれかが培地の白ならば着目する画素を白に変換する.拡散処理は着目する画素の8 近傍画素のいずれかがコロニーの黒ならば着目する画素を黒に変換する.この連結処理で,例えば1 辺の画素数が2m個の黒い正方形のコロニー像は除去され,除去されなかったコロニーはもとの形状を保持する.ここではm=2 とした.
【0036】
図7に検出されたコロニーの数を培養開始からの時間の関数として示す.コロニーは6 時間後から急に検出され始める.8 時間後以降のコロニー数はほぼ一定であることから,8 時間でほぼ全てのコロニーが検出されたことを表している.コロニー数の変化を詳細にみると,8 時間15分にコロニー数がいったん減少し,その後また増大する現象が確認される.コロニー数の減少はロニーが重なったことに起因し,増大は新たなコロニーが検出されたことによる.
【0037】
図8に,12時間経過時に取得した画像を2 値化した画像を示す.培養12時間後に取得されたコロニー像を目視することで確実にコロニーと判定される像は全て図8で正しく判定されており,検出アルゴリズムの精度の高さを示している.しかし,図7に示したA ,B ,C のコロニーはそれぞれひとつのコロニーとして計数されているが,実際には2値化前の画像から複数のコロニーが重なったものであることが判別できる.また,図8の矢印で示した陰影は,培養初期から確認されているノイズであるが,図8で1個のコロニーと計数されている.
【0038】
次に,重なったコロニーを分離識別するアルゴリズムとノイズを除去するアルゴリズムを用いた結果について説明する.
各コロニーを内部に含むN 個の微小領域S i として,各コロニーに外接するN個の長方形を用いた.培養開始12時間後のコロニー識別画像を図9に示す.図9では,図8で重なっていたコロニーがA とB では明確に分離されている.また,図8でコロニーと識別されたノイズが除去されている.図10にコロニー数の時間変化を示す.コロニー数は減少することなく,一定値に収束していることが確認でき,アルゴリズムの有効性を示している.
【0039】
コロニーC は図9では1 個と計数されているが,2 個か3 個のコロニーが重なったものである可能性が高いため,計数誤差は4 %程度と評価される.画像取得の時間間隔を短くすればコロニーC についても分離識別できる可能性がある.
以上のとおり,混釈法に基づく一般生菌数の計数で,顕微鏡でみたコロニー画像を培養の初期から逐次コンピュータに取り込み,画像処理によりコロニー数を実時間で計数していく方法を説明した.各コロニーに焦点を合わせる必要がないCCD 投影型顕微鏡,および,培地容器の結露を防ぐ構造により,計測の自動化を実現した.取得画像の2 値化を含め,計数処理の完全自動化を実現した.特にコロニーが重なった場合の計数方法が,コロニーが重なる前の画像情報を利用するアルゴリズムにより達成される.
【0040】
本実施の形態の生菌数の計数方法は,食品衛生法に基づく公定法で定められた混釈法を採用している.本方法は,公定法に準じ,かつ迅速に計数できるという利点を持つ.
【0041】
前述の実施例では,大腸菌を用いた実験で,8 〜9 時間の培養でコロニー数が4 %の誤差範囲で計数され,提案方法が有効であることが確認された.
本実施の形態で用いた画像取得システムに関しては,焦点型光学顕微鏡も培地が厚くない場合は有効である可能性がある.
【0042】
本実施の形態の計数方法は培地の一部を観察している.菌濃度が低い場合は,CCD サイズの増大化あるいは複数箇所の撮影による,より広い領域の計測を行ってもよい.
【0043】
本実施例では,大腸菌E . coli (ATCC25922)を用いたが,種々の菌の成長過程についての計数も可能である.また,本発明に係る個数計数方法,そのためのプログラム,記録媒体および個数計数装置は,コロニー以外のもの,特に,次第に増殖または成長するものの測定に適用することができる.
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば,信頼性が高く,なおかつ,生菌数を迅速で正確に計数することができる個数計数方法,そのためのプログラム,記録媒体および個数計数装置を提供することができる.
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の個数計数装置で用いるCCD投影型顕微鏡の原理を示す模式図である.
【図2】本発明の実施の形態の個数計数装置の構成を示す概略図である.
【図3】本発明の実施の形態の個数計数装置で用いる培養容器の構造を示す概略図である.
【図4】図2に示す個数計数装置で用いるコロニー識別アルゴリズムを示す説明図である.
【図5】図2に示す個数計数装置による個数計数方法を示すフローチャトである.
【図6】図2に示す個数計数装置の概略ブロック図である.
【図7】図2に示す個数計数装置の基本アルゴリズムで計測されたコロニー数と時間との関係を示すグラフである.
【図8】図2に示す個数計数装置で培養12時間後に取得されたコロニー像を2値化した画像を示す図である.
【図9】図2に示す個数計数装置で培養12時間後のコロニー識別画像を示す図である.
【図10】図2に示す個数計数装置により,重なったコロニーを分離識別するアルゴリズムとノイズを除去するアルゴリズムで計測されたコロニー数と時間との関係を示すグラフである.
【符号の説明】
1 CCD エリアセンサ
2 光源
3 パーソナルコンピュータ(パソコン)
4 インターフェース
5 培養容器

Claims (5)

  1. 測定対象を通過した光をエリアセンサで受け、前記エリアセンサが所定時間ごとに取得した画像を2値化して順次に2値化画像を得る2値化ステップと、
    基準となる前記2値化画像を画像記憶手段に記憶する画像記憶ステップと、
    基準となる前記2値化画像を得た後に得た前記2値化画像の中に、それぞれ1つの画素連結領域を内部に含む判定領域を設定する領域設定ステップと、
    基準となる前記2値化画像で前記判定領域に対応する比較領域の中に存在する前記画素連結領域の個数を計数する領域内計数ステップと、
    前記領域内計数ステップで計数された個数が0または1のとき、前記比較領域を前記判定領域で置き換え、前記領域内計数ステップで計数された個数が2以上のとき、前記比較領域を維持して、前記画像記憶手段に記憶された前記2値化画像を更新する更新ステップと、
    前記画像記憶手段に記憶された前記2値化画像の中の前記画素連結領域の個数を計数する個数計数ステップとを、
    有することを特徴とする個数計数方法。
  2. 測定対象を通過した光を受けたエリアセンサが所定時間ごとに取得した画像を2値化して順次に2値化画像を得る2値化手段と、
    基準となる前記2値化画像を記憶する画像記憶手段と、
    基準となる前記2値化画像を得た後に得た前記2値化画像の中に、それぞれ1つの画素連結領域を内部に含む判定領域を設定する領域設定手段と、
    基準となる前記2値化画像で前記判定領域に対応する比較領域の中に存在する前記画素連結領域の個数を計数する領域内計数手段と、
    前記領域内計数手段で計数された個数が0または1のとき、前記比較領域を前記判定領域で置き換え、前記領域内計数手段で計数された個数が2以上のとき、前記比較領域を維持して、前記画像記憶手段に記憶された前記2値化画像を更新する更新手段と、
    前記画像記憶手段に記憶された前記2値化画像の中の前記画素連結領域の個数を計数する個数計数手段として、
    コンピュータを機能させるためのプログラム。
  3. 測定対象を通過した光を受けたエリアセンサが所定時間ごとに取得した画像を2値化して順次に2値化画像を得る2値化手段と、
    基準となる前記2値化画像を記憶する画像記憶手段と、
    基準となる前記2値化画像を得た後に得た前記2値化画像の中に、それぞれ1つの画素連結領域を内部に含む判定領域を設定する領域設定手段と、
    基準となる前記2値化画像で前記判定領域に対応する比較領域の中に存在する前記画素連結領域の個数を計数する領域内計数手段と、
    前記領域内計数手段で計数された個数が0または1のとき、前記比較領域を前記判定領域で置き換え、前記領域内計数手段で計数された個数が2以上のとき、前記比較領域を維持して、前記画像記憶手段に記憶された前記2値化画像を更新する更新手段と、
    前記画像記憶手段に記憶された前記2値化画像の中の前記画素連結領域の個数を計数する個数計数手段として、
    コンピュータを機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  4. 光源と、
    測定対象を通過した前記光源の光を受けるエリアセンサと、
    前記エリアセンサが所定時間ごとに取得した画像を2値化して順次に2値化画像を得る2値化手段と、
    基準となる前記2値化画像を記憶する画像記憶手段と、
    基準となる前記2値化画像を得た後に得た前記2値化画像の中に、それぞれ1つの画素連結領域を内部に含む判定領域を設定する領域設定手段と、
    基準となる前記2値化画像で前記判定領域に対応する比較領域の中に存在する前記画素連結領域の個数を計数する領域内計数手段と、
    前記領域内計数手段で計数された個数が0または1のとき、前記比較領域を前記判定領域で置き換え、前記領域内計数手段で計数された個数が2以上のとき、前記比較領域を維持して、前記画像記憶手段に記憶された前記2値化画像を更新する更新手段と、
    前記画像記憶手段に記憶された前記2値化画像の中の前記画素連結領域の個数を計数する個数計数手段とを、
    有することを特徴とする個数計数装置。
  5. 前記光源はレーザー装置またはLEDから成り、前記測定対象は細菌培地から成り、前記エリアセンサはCCDから成ることを特徴とする請求項4記載の個数計数装置。
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