JP4477173B2 - 微生物測定方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、細菌その他培養可能な微生物を培養して菌数を測定する方法に関する。なかでも、微生物以外の夾雑物が含まれる試料においても、短時間の培養で高感度に菌数を測定する微生物測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、微生物を培養して微生物の数を測定する一般的な方法として、寒天平板塗抹法がある。この方法では、適度な栄養分を含む寒天平板培地上に一定量の検体を塗抹し、コロニーが肉眼又は顕微鏡で観察できる大きさになるまで培養した後、生じたコロニー数を計測する。しかし、この方法を用いると、肉眼又は顕微鏡で観察可能となる程度まで菌コロニーが成長するのを待たねばならない。そのため、菌の種類をある程度類推するために、通常18〜24時間程度の培養期間を要している。菌種によっては、培養期間は24時間以上、48時間以上、あるいは1月など長期に渡るものもある。
【0003】
培養により増殖した菌の種類によっては、微生物を特定するための菌種の同定検査や薬剤の有効性を調べる薬剤感受性検査が必要になる場合がある。ところが、前記方法では、これらの必要性が判明するまでに時間がかかり、たくさんの試料を効率的に検査することが難しい。
【0004】
前述の寒天平板培地のかわりに液体培地を用いて試料を培養する方法がある。この方法は、適度な栄養分を含む液体培地に一定量の検体を混和して培養を行ない、肉眼や吸光度高度計、分光光度計などで濁度を測定する。しかし、光度計は、感度がいいとは言えないため、この方法においても比濁が変化する程度まで菌の増殖を待たねばならない。そのため、菌数の測定には、寒天平板塗抹法と同様に、何日間かの培養期間が必要であり、前述の問題がある。
【0005】
また、特開平5−82901号公報には、培養中の検体に光を照射し、散乱光及び透過光の時間に対する変化から菌数を測定する方法が開示されている。この方法は、発育形態が異なる菌であっても正確に菌数を求めることができる。しかし、この方法は、菌の発育課程における散乱光データの変化や透過光データの変化を用いるため、検体の培養に要する時間は短縮されない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一方、微生物のような微小な大きさの粒子を高感度に測定する装置として、フローサイトメータ等の粒子測定装置が知られている。粒子測定装置は、試料中の粒子の数を1つ1つ計測するため、高感度な測定が可能である。従って、粒子測定装置を用いれば、長時間培養しなくとも試料中の細菌数を計測可能である。
【0007】
しかし、粒子測定装置は、微生物と同じくらいの大きさの粒子、例えば埃や析出物などの夾雑物を、微生物として検出してしまう。このため、粒子測定装置の検出結果には、夾雑物による誤差が含まれてしまう。例えば尿を検体として細菌を測定する際、その尿中の有形成分である赤血球、白血球、上皮細胞、円柱、結晶等やその崩壊物が細菌として検出されてしまう。
【0008】
そこで、夾雑物と微生物とを識別するために、微生物を染色し、微生物から発せられる蛍光を測定する方法が提案されている。しかし、微生物の種類によって染色度合いが異なる。また、目的とする微生物のみを染色する蛍光染料や処理条件を試料ごとに設定しなくてはならない。このため、測定に手間がかかり、大量の検体を分析するには不向きである。
【0009】
他に微生物数を迅速に検出する方法として、微生物の増殖に伴う培地のインピーダンスの変化、培養液のPHの変化、消費酸素量あるいは発生炭酸ガス量等を測定し、これらと微生物数の相関から微生物数を求める方法が最近研究されている。しかし、培養された微生物以外の原因によって前記測定値は変化することがある。また、微生物の検出限界、検出精度の点から満足できる方法とはいえないため、特定の条件下のみでしか使えない方法である。すなわち、前述のように、検体中の微生物を、短時間にかつ正確に判定可能な方法は、未だ提供されていない。
【0010】
本発明は、以上のような事情を考慮したもので、微生物の測定を短時間の培養で簡易に精度良く測定する方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願第1発明は、上記の課題を解決するため、測定対象の検体を培養液に加えた培養試料中の微生物の測定方法であって、
A;所定時間培養処理した後の前記培養試料をフローサイトメータを用いて測定し、検出される散乱光信号の発光時間と強度とから前記培養試料の第1粒度分布を得る第1測定工程と、
B;前記培養処理前の培養試料を前記フローサイトメータを用いて測定し、検出される散乱光信号の発光時間と強度とから前記培養試料の第2粒度分布を得る第2測定工程と、
C;前記第1粒度分布と第2粒度分布との差分から、前記培養試料中で培養された微生物の第3粒度分布を得る解析工程と、
D;前記第3粒度分布に基づいて、前記検体に微生物が含まれている場合に、前記微生物がブドウ球菌、連鎖球菌、連鎖桿菌、桿菌、または酵母様真菌のいずれに属するかを判定する判定工程と、
を含むことを特徴とする微生物測定方法を提供する。
【0012】
培養後の測定結果から培養前の測定結果を減算することにより、検体に含まれている夾雑物を微生物として測定することを防止することが出来る。夾雑物とは、例えば埃や検体中の有形成分である。
【0013】
散乱光強度は、培養試料に含まれる粒体の大きさに関する情報を与える。また、散乱光発光時間は、培養試料に含まれる粒体の長さに関する情報を与える。従って、発光時間に対する強度の変化を測定することにより、鎖状に増殖したり、ブドウの房状に増殖しているなどの増殖形態を知ることが出来る。
【0014】
径が比較的大きく長さがさほど長くない菌が増殖している場合はブドウ球菌、径が比較的小さく長さが短い菌が増殖している場合は桿菌、径が比較的小さく長い菌が増殖している場合は連鎖桿菌、径が連鎖桿菌よりもさらに小さく長い菌が増殖している場合は連鎖球菌と推定できる。
【0015】
本願第2発明は、前記第1発明において、測定対象検体が尿であることを特徴とする微生物測定方法を提供する。
【0016】
尿を検体とする場合、前記微生物の分類結果からグラム陰性/陽性の判断が可能である。
【0017】
本願第3発明は、測定対象検体を培養液に加えた培養試料中の微生物の粒度を測定するフローサイトメータとともに用いられ、第1測定手段と、第2測定手段と、解析手段と、出力手段とを備えることを特徴とする微生物測定装置を提供する。第1測定手段は、前記フローサイトメータにより検出される散乱光信号の発光時間と強度とから、所定時間培養処理を行った後の培養試料の第1粒度分布を得る。第2測定手段は、前記フローサイトメータにより検出される散乱光信号の発光時間と強度とから、前記培養処理前の培養試料の第2粒度分布を得る。解析手段は、前記第1粒度分布と第2粒度分布との差分から、前記培養試料中で培養された微生物の第3粒度分布を得る。判定手段は、前記第3粒度分布に基づいて、前記検体に微生物が含まれている場合に、前記微生物がブドウ球菌、連鎖球菌、連鎖桿菌、桿菌、または酵母様真菌のいずれに属するかを判定する。
【0018】
前記第1発明と同様の作用効果を有する。
【0019】
本願第4発明は、測定対象検体を培養液に加えた培養試料中の微生物の粒度を測定するフローサイトメータとともに用いられ、前記粒度の測定結果を解析する解析プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、下記A〜D段階を実行するための解析プログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
A;前記フローサイトメータにより検出される散乱光信号の発光時間と強度とから、所定時間培養処理を行った後の培養試料の第1粒度分布を得る段階、
B;前記フローサイトメータにより検出される散乱光信号の発光時間と強度とから、前記培養処理前の培養試料の第2粒度分布を得る段階、
C;前記第1粒度分布と第2粒度分布との差分に基づいて、前記培養試料中で培養された微生物の第3粒度分布を得る段階、
D;前記第3粒度分布に基づいて、前記検体に微生物が含まれている場合に、前記微生物がブドウ球菌、連鎖球菌、連鎖桿菌、桿菌、または酵母様真菌のいずれに属するかを判定する段階。
【0020】
前記第1発明と同様の作用効果を有する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、実施形態例を挙げながら具体的に説明する。
【0022】
本発明において、フローサイトメータとは、a)試料をシース液で包んで流すことにより流体力学効果による細い試料流を形成させ、b)試料中の粒子を1個ずつ検出部に流し、c)光を照射して粒子から発せられる散乱光や蛍光を検出する装置を言う。光源としては、半導体レーザやアルゴンレーザなどを適宜用いることができる。
【0023】
培養液とは、微生物を培養するための適度な栄養分を含む液体培地をいう。微生物種類を特定しないのであれば一般細菌用培地を、微生物種類を特定するのであればその種類に適した培地を選択的に用いることができる。
【0024】
培養処理とは、微生物を培養するための処理で、所定の温度(例えば30〜37℃)の恒温器に培養試料を入れ、微生物の培養を促進する処理をいう。
【0025】
また、培養処理前の培養試料を測定とは、培養処理が行われる前の培養試料中の微生物を測定することである。微生物が増殖しないような低温で培養試料を保存した後に測定することも含む。
【0026】
<第1実施形態例>
以下、図面に示す実施形態例に基づいてこの発明を詳述する。これによってこの発明が限定されるものではない。
【0027】
[装置]
図1はこの発明のフローサイトメータの検出部と、信号処理装置とを含む構成図である。
【0028】
フローサイトメータの検出部は、シースフローセル1、サンプルノズル2、ビームストッパー5、コレクターレンズ6、ダイクロイックフィルター7、フォトダイオード8、フォトマル9を有している。
【0029】
シースフローセル1は、サンプルノズル2から流れる試料をシース液に包み、シース液に包まれた試料流4を形成する。試料流の粒子4は、図示しないレーザ源からのレーザ光3を照射される。ビームストッパ5は、試料流4を直接透過する光を遮断する。コレクターレンズ6は、粒子4が放出する前方散乱光および前方蛍光を集光する。ダイクロイックフィルター7は、前方散乱光を反射する。フォトダイオード8は、ダイクロイックフィルター7により反射された前方散乱光を検出する。検出された前方散乱光は、アンプを介して信号処理装置10に入力される。フォトマル9は、ダイクロイックフィルター7を通過した前方蛍光を検出する。フォトダイオード8及びフォトマル9で検出された前方散乱光及び前方蛍光は、アンプを介して信号処理装置10にそれぞれ入力される。
【0030】
本発明に係る信号処理装置10は、フォトダイオード8から出力される検出信号を受信し、前方散乱光の発光時間(Fscw ; Forward scatter pulse width)に対する散乱光強度(Fsc ; Forward scatter intensity)の変化を測定する。また、信号処理装置10は、前方散乱光信号に基づいて粒度分布図を作成し、解析する。図2に、信号処理装置10に入力される信号の概念図を示す。散乱光強度は、入力信号の強度、すなわちパルス高さに相当する。散乱光の発光時間は、入力信号のパルス幅に相当する。
【0031】
図3は、信号処理装置10の機能構成を示すブロック図である。信号処理装置10は、例えばPC(Personal Computer)やWS(Work Station)などの情報端末に設けられ、処理結果を情報端末の出力部に出力する。信号処理装置10は、粒度分布作成部101、記憶部102、処理部103及び出力制御部104を備えている。
【0032】
粒度分布作成部101は、フローサイトメータが検出した光信号を受信し、横軸を前方散乱光発光時間、縦軸を前方散乱光発光強度とする粒度分布を受信信号に基づいて作成する。また、粒度分布作成部101は、作成した粒度分布を示す粒度分布図を、出力制御部104を介してディスプレイなどの出力部に出力可能である。後述する図6や図7などは、粒度分布作成部101により出力される粒度分布図の一例である。
【0033】
記憶部102は、作成された粒度分布図を、培養後及び前のそれぞれについて記憶する。また、記憶部102は、粒度分布図に基づいて作成される区画データや粒度分布図の解析結果を記憶する。区画データ及び解析結果については後述する。
【0034】
処理部103は、粒度分布図を所定の区画に細分し、各区画内のデータ数(以下、単に区画データという)を求める。言い換えれば、区画データとは、粒度分布図上の1区画に含まれる粒子数である。さらに、処理部103は、培養前及び後の粒度分布において、同一区画内における区画データの変化分を求める。これにより、試料中の夾雑物を微生物として測定することによる測定誤差を減少することができる。
【0035】
夾雑物による測定誤差について、説明する。フローサイトメータの前方散乱光強度による検出は、培養液中の微生物と同じくらいの大きさの1μm以下の夾雑物も検出する。培養処理前でも多数の粒子が検出される(後述する図6参照)。培養処理後に粒子が多数検出されても、それが増殖した微生物なのか最初から混入している夾雑物なのか判断できない。そこで培養処理後の粒度分布から培養処理前の粒度分布を減算し、培養処理によって増加した粒子、すなわち培養された微生物だけを検出する。
【0036】
また、処理部103は、各区画データやその変化分に基づいて、所定の方法で粒度分布を解析し、解析結果を表示制御部に出力する。例えば、最も変化分が多い区画を100%とした場合に、各区画データの変化分の割合を求め、所定の割合以下の区画を表示部分とすることが挙げられる。さらに、処理部103は、区画データの変化の度合いを視覚的に表示するために、変化の度合いに応じた色を各区画に設定する。処理部103は、培養前及び後の粒度分布についても、同様に区画データの大小に応じた色を各区画に設定してもよい。
【0037】
出力制御部104は、処理部103により設定された表示色を用い、各区画をディスプレイやプリンタなどの出力部に出力する。後述する図21〜28は、出力制御部104により出力される解析結果の表示例である。縦軸は散乱光強度を、横軸は散乱光の発光時間である。例えば、図21は、桿菌について、培養前の粒度分布、培養後の粒度分布及び培養により増加した微生物の粒度分布の解析結果をそれぞれ示す。
【0038】
[処理の流れ]
次に、信号処理装置10が行う解析処理の流れを説明する。図4は、信号処理装置10が行う解析処理の流れの一例を示すフローチャートである。フローサイトメータから検出信号が入力されることにより、以下の処理が開始される。
【0039】
まず、ステップS1では、処理部103が、所定の初期化処理を行う。具体的には、処理部103は、n=1、x=1、y=1とする。ここで、nは測定回数を示す変数である。xおよびyは、細分化された粒度分布図の区画のx軸方向及びy軸方向の位置を示す変数である。
【0040】
ステップS2では、粒度分布作成部101が、フローサイトメータから検出信号を受信する。
【0041】
ステップS3では、粒度分布作成部101が、受信した検出信号に基づいて前方散乱光の発光時間に対する発光強度を求め、粒度分布を作成する。さらに粒度分布作成部101は、前記作成した粒度分布を記憶部102に格納する。粒度分布作成部101は、ユーザからの指示に応じてまたは自動的に、粒度分布を記憶部102から読み出し、ディスプレイなどに出力可能である。
【0042】
ステップS4では、処理部103は、所定の区画数に粒度分布図を細分する。例えば、256×256の区画(1≦x≦256、1≦y≦256)に細分する。
【0043】
ステップS5では、処理部103は、各区画毎の区画データを全ての区画について求め、記憶部に格納する。すなわち、処理部103は、粒度分布図上の各区画内に含まれる粒子数を、粒度分布に基づいて求める。
【0044】
ステップS6では、処理部103は、測定回数nをインクリメントする。
【0045】
ステップS7では、処理部103は、測定回数nが2であるか否かを判断する。“Yes”と判断すると、2回目の測定を行うためにステップS8に移行する。“No”と判断すると、後述するステップS9に移行する。培養前と培養後の粒度分布の測定が終了しているので、両者の粒度分布の差から増加した菌数を求めるためである。
【0046】
ステップS8では、処理部103は、所定時間Tが経過するのを待機する。この時間は、検体によって変化するため一概に規定することは難しいが、例えば尿の場合には通常は4時間程度で十分である。
【0047】
ステップS9〜ステップS14では、前記ステップS4で細分した各区画ごとに、区画データの変化分を求め、菌の増加数を決定する処理を行う。
【0048】
まず、ステップS9では、処理部103は、所定数の区画の中から処理対象の区画を設定する。通常、区画(x=1,y=1)から順に処理対象とする。
【0049】
ステップS10では、処理部103は、処理対象の区画について、培養後の区画データから培養前の区画データを減算し、区画データの変化分を求める。
【0050】
ステップS11では、処理部103は、区画データの変化分が所定値未満であるか否かを判断する。“Yes”と判断すると、ステップS12に移行する。“No”と判断すると、後述するステップS13に移行する。区画データの変化分があまりにも小さい場合には、測定誤差などを考慮して、菌の増加数はないと見なすためである。所定値は、通常、経験的に定められる。
【0051】
ステップS12では、処理部103は、処理対象の区画データについて、菌の増加数をゼロに設定する。また、処理部103は、区画と菌の増加数とを対応付けて、記憶部102に格納する。
【0052】
ステップS13では、処理部103は、処理対象の区画について、区画データの変化分が所定値以上であるので、(菌の増加数)=(区画データの変化分)とする。前記ステップS12と同様、処理部103は、区画と菌の増加数とを対応付けて、記憶部102に格納する。
【0053】
ステップS14では、処理部103は、全ての区画について、菌の増加数を求めたか否かを判断する。“Yes”と判断すると、ステップS15に移行する。“No”と判断すると、ステップS9に戻り、次の区画について菌の増加数を決定する。
【0054】
ステップS15〜ステップS20では、培養前後の粒度分布及び増加した菌の解析結果を順に表示する処理が行われる。なお、これら全てを表示する必要はなく、例えば増加した菌についてのみ表示を行っても良い。また、ユーザからの指示に応じて各解析結果を表示することも可能である。
【0055】
まず、ステップS15では、処理部103は、培養前、培養後または増加した菌のいずれの粒度分布を解析及び表示対象にするかを決定する。本実施形態例では、培養前、培養後、増加した菌の順に表示するものとする。
【0056】
ステップS16では、処理部103は、区画データが最大である区画の区画データを100%とした場合の、各区画データの割合を求める。解析対象が増加した菌の場合、菌の増加数が最大である区画の菌数を100%とした場合の、各区画の菌の増加数の割合を求める。
【0057】
ステップS17では、処理部103は、区画データまたは菌の増加数が所定の割合以下の区画を、表示部分に決定する。これは、全ての区画を表示対象とすると、粒度分布が見にくくなり増殖した菌の特性が判別しにくくなるからである。後述する図21〜図44は、区画データまたは菌の増加数の割合が10%以下の部分を表示部分とした場合の解析結果を示している。
【0058】
ステップS18では、処理部103は、区画データまたは菌の増加数の割合を予め定めておいたレベルに分け、レベル毎に異なる所定の表示色を表示部分内の各区画について設定する。後述する図21〜図44は、0〜2%、2〜4%、4〜6%、6〜8%、8〜10%の5つのレベル毎に異なる色を用いて表示した解析結果の例である。
【0059】
ステップS19では、出力制御部104が、表示部分を設定された表示色を用いて出力部に出力する。これにより、図21〜28に例示する解析結果が出力部に表示される。
【0060】
ステップS20では、処理部103は、培養前、培養後または培養後−培養前の全てについて、解析結果を表示したか否かを判断する。“Yes”と判断すると、処理を終了する。“No”と判断すると、再び前記ステップS15に戻り、表示されていない解析結果を表示する。
【0061】
[実施例]
前記フローサイトメータ及び信号処理装置を用いて行った、試料中の微生物の測定について説明する。
【0062】
(1)微生物の数の測定
(1−1)培養及び測定
検体としては尿を用いた。尿中細菌の検査は、膀胱炎や腎孟腎炎などの尿路感染症の診断のために、臨床検査としてひろく行われている。
【0063】
尿中の細菌培養液として、一般細菌用液体培地であるハートインフィージョンブイヨン(ニッスイ製)を用いた。使用方法としては、取扱い説明に従い、加温融解したものを高圧蒸気滅菌してから使用した。
【0064】
まず、培養液2mlをいれた試験管2本を用意した。尿検体100μlを各試験管に添加し、攪拌し、培養試料2本を準備した。培養試料の1本を培養処理せずに、後述するようにフローサイトメータで微生物数を測定した。もう1本の培養試料を恒温機に入れて37℃で4時間培養した後、フローサイトメータで同様に微生物数を測定した。
【0065】
ブローサイトメータによる微生物数の測定は、次のように行った。フローサイトメータで分析する試料の量は、0.8μlとした。フローサイトメータにより前方散乱光を検出し、検出光を信号処理装置10に入力し、前方散乱光発光時間に対する前方散乱光強度を測定した。培養処理された培養試料の測定結果を第1粒度分布、培養処理前の培養試料の測定結果を第2粒度分布とし、第1粒度分布と第2粒度分布との差を求めて培養試料の最終的な粒度分布を求めた。
【0066】
図6及び図7は、検体の第1及び第2粒度分布の測定結果を示す。横軸は散乱光発光時間Fscw、縦軸は散乱光強度Fscである。図6及び図7に示す粒度分布の縦軸の100chは、粒子径にして約1μmに相当する。図6及び図7の粒度分布から、25676個もの粒子が増殖したことが分かった。増殖した粒子数は、培養の前後におけるデータ数(各粒度分布におけるプロット数)の差から求めた。
【0067】
(1−2)従来の測定法との精度比較
次に、培養前後の粒度分布から求めた微生物量と、従来の寒天平板培地を用いて培養及び測定される微生物量との比較を行った。
【0068】
前記(1−1)で述べたのと同様に試料を準備して培養し、粒度分布の測定を行った。測定に基づいて微生物数を求めた(以下、本法という)。
【0069】
比較対象とする寒天平板培地による培養及び測定は、次のように行った。
【0070】
まず、寒天平板培地として、尿中微生物検査で通常用いられるウリカルトE(Orion Diagnostica製)を用いた。この培地はCLED培地とマッコンキー培地とエンテロコッカス培地とから構成されている。取扱い説明書に従い培地表面に尿を塗抹し、37度で24時間培養を行なった。判定はコロニー数の密度を目視にて所定の対照表と比較し、尿中の菌数を求めた。
【0071】
前記ウリカルトE法と本法とを40検体について行った。測定結果を図8に示す。図8は、ウリカルトE法及び本法による菌数の測定結果を示している。
【0072】
ウリカルトE法では、細菌数105/ml以上を陽性(細菌尿)と判定し、細菌数104/mlを陽性の疑いがある判定保留とする。そこで、ウリカルトE法で104個/ml以上となった16検体について、本法の測定結果と比較した。本法による測定結果は、いずれの16検体についても104個/ml以上という同等の測定結果を示した。また、測定された値の差は、1桁の範囲内であった。このことから、ウリカルトE法と本法との良好な相関関係が示されたと言える。
【0073】
次に、ウリカルトE法で陰性である一方、本法では高値の陽性結果となった検体(図8中矢印A)について、再検査を行なった。すると、ウリカルトEの培地表面に溶けているところがあった。これは細菌コロニーが密集しすぎて起こったものである。このことから、この検体については、ウリカルトE法において細菌が増殖しているのにコロニーが観察されないため、陰性と誤判定されたと考えられる。
【0074】
次にウリカルトE法に比べ本法が低値となった2検体(図8中矢印B)について、検討した。両検体の培養後の粒度分布図(図9、図11)は、ともに散乱光発光時間が長いほうに広がる粒度分布を示している。この粒度分布は培養前の粒度分布図(図10、図12)には見られないので、培養によって増殖した菌の粒度分布である。そこでこれらの培養試料を顕微鏡でさらに詳細に調べた。これらの検体では、いずれも菌が連鎖して増殖していることが観察された。さらに菌種を調べると、図9及び図10で示される菌は連鎖球菌のEnterococcus erogenesであり、図11及び図12で示される菌は連鎖桿菌のPseudomonasであった。
【0075】
以上から、ウリカルトE法と本法との測定結果が一致しなかった原因が次のように考えられる。連鎖桿菌及び連鎖球菌は、鎖状に連なりながら増殖していく。ところが、フローサイトメータは、複数の菌が連鎖した鎖状の固まりを一つの粒子として検出する。そこで、フローサイトメータは、菌の増殖が起こっていても、連鎖しているためにに実際の増加分を検出できない。
【0076】
連鎖桿菌及び連鎖球菌は、長く連なった形状であるので、散乱光強度はほとんど変わらないが、散乱光の発光時間が連鎖した菌の長さに応じて長くなる。従って、散乱光発光時間が長い信号を監視することにより、信号強度だけでは見逃してしまう連鎖桿菌及び連鎖球菌の増殖を検出可能である。
【0077】
具体的には、散乱光発光時間が例えば90ch以上の領域に所定数以上の菌が検出される場合、連鎖桿菌または連鎖球菌が存在している陽性であると判定をすることができる。さらに、その領域の信号については、散乱光発光時間の長さに応じ、連鎖した菌数に対応させる係数を乗じることにより、増殖した微生物数を推定可能である。
【0078】
以上の検討結果より、本法は従来法であるウリカルトE法と良好な相関関係を有し、しかも従来より大幅に短い培養時間で良好な測定結果を提供出来ることが分かった。
【0079】
培養液の種類を選択性培地にすることで、上記と同じ操作にて、微生物の種類を特定することも可能である。培養時間が短時間で済むので、培養条件を変えて微生物を詳細に検討することが短時間で可能となる。
【0080】
さらに、連鎖桿菌及び連鎖球菌以外の各種の微生物について、増殖形態と粒度分布図との関係を調べてみた。
【0081】
連鎖桿菌及び連鎖球菌以外に菌が集団となって増殖する菌としてブドウ球菌がある。2種類のブドウ球菌を試料としてそれぞれ前記(1―1)と同様に培養し、フローサイトメータにより散乱光を検出して信号処理装置による粒度分布の測定を行なった。その粒度分布図が図17、図18である。前記の連鎖菌とは異なり、粒度分布は散乱光強度の大きいほうへ細長く伸びる粒度を示す。ブドウ球菌は増殖によって菌が房のように集まりながら増えてゆく。従って、菌の増殖に従い、菌の集団の径が大きくなり、散乱光強度も大きくなる。
【0082】
菌が増殖しても集団とはならない菌である桿菌についても同様に粒度分布を調べてみた。その粒度分布図を図15、図16に示す。散乱光信号の強度や発光時間が大きいほうに広がるような粒度分布は示されていない。これは菌が増殖しても菌どうしがばらばらの状態であるので、散乱光信号の強度や発光時間が変わることなく一定値以下のところに現れることを示している。
【0083】
以上の検討により、フローサイトメータでは菌の集団を一つの粒子として捉えるために、連鎖桿菌、連鎖球菌及びブドウ球菌について実際の増殖数より低く計測していることがわかった。また、連鎖桿菌、連鎖球菌、ブドウ球菌及び桿菌は、増殖形態が異なるために粒度分布が異なり、増殖した菌の粒度分布に基づいて、菌の種類を特定可能であることが分かった。なかでも、連鎖桿菌及び連鎖球菌は、散乱光強度が単独の桿菌とあまり変わらないので、散乱光強度を測定するだけでは判別ができない。散乱光信号の強度と発光時間との2つのパラメータを測定することによって、ブドウ球菌、連鎖球菌、連鎖桿菌及び桿菌を区別することが可能となる。図45は、前記4種の菌による粒度分布の違いを模式的に示したものである。
【0084】
具体的には、例えば散乱光強度が90ch以下で散乱光の発光時間が90ch以上の領域に菌が所定数以上検出される場合、連鎖桿菌が存在していると警報を出素ことが考えられる。また、散乱光強度が50ch以上で散乱光の発光時間が80ch以下の領域に菌が所定数以上検出される場合は、ブドウ球菌が存在していると警報を出すことが考えられる。連鎖桿菌もブドウ球菌も増殖に従って粒度分布が延びてゆくので、判定を領域の個数だけでは粒度分布の形状をも監視することが可能である。
【0085】
さらに、集団の菌数によって粒度分布が変化するので、その領域の信号については、散乱光の強度もしくは発光時間の大きさに応じて集まった菌数に対応させた係数を乗じることにより、増殖した菌数自体を推定することも可能である。
【0086】
酵母様真菌についても粒度分布を測定したのでその結果を示す。図13及び図14は、酵母様真菌の粒度分布図を示している。散乱光強度が250chを超えたところに信号が現れるため、この図面に粒度が現れていない。酵母様真菌は大きさが3〜5μmと大きいため、散乱光強度も強くなるからである。
【0087】
(2)微生物の分類
本実施形態例に係る信号処理装置により測定結果の解析を行い、微生物の分類を行ったので、測定結果及び解析結果について説明する。
【0088】
培養対象としては下記の細菌を用いた。下記の細菌は、尿中に検出される細菌であり、検体に尿を用いて細菌検査を行う場合に検査対象となる細菌である。
【0089】
桿菌(1) Escherichia coli
桿菌(2) Pseudomonas aeruginosa
ブドウ球菌(1)Staphylococous aureus
ブドウ球菌(2)Staphylococous epldermidis
連鎖球菌(1) Entercococus faecalis
連鎖球菌(2) Streptococous agalactlae
連鎖桿菌 Pseudomonas
酵母様真菌 Candida glabrata
これらの細菌を、前記(1−1)と同様に培養し、フローサイトメータにより散乱光を検出して信号処理装置による粒度分布の測定を行った。ただし、培養時間は4時間ではなく2時間として実験を行った。図15〜20は、各細菌の培養前及び培養後の粒度分布を示す。図15は桿菌(1)、図16は桿菌(2)、図17はブドウ球菌(1)、図18はブドウ球菌(2)、図19は連鎖球菌(1)、図20は連鎖球菌(2)についての粒度分布である。各図において(a)は培養前の粒度分布を、(b)は培養後の粒度分布を示している。また、連鎖桿菌の粒度分布は前記図11及び12に示すとおりである。酵母様真菌の粒度分布は、前記図13及び14に示すとおりである。
【0090】
前記図15〜20の各図において、図(a)と図(b)とを比較することにより、粒度分布図上のどの領域で細菌が増加しているかが分かる。しかし、著しい変化がない場合、前記変化が分かりにくい。そこで、前述のように、粒度分布図の区画毎に培養の前後における粒度分布の変化分を求め、変化の割合が所定範囲の区画を表示する解析処理を行った。
【0091】
解析結果を図21〜図44に示す。解析結果は、前記粒度分布のグラフを256×256の区画に分割し、各区画における粒子数を割り出し、最も多い粒子数を100%とした場合の10%以下の区画を、所定のレベル毎に色分けして表示したグラフである。
【0092】
図21、22及び図23は、桿菌(1)について、培養前、培養後及びその変化分の粒度分布をそれぞれ示す解析結果である。また、図24、25及び図26は、桿菌(2)について、培養前、培養後及びその変化分の粒度分布をそれぞれ示す解析結果である。桿菌(1)の散乱光強度は、おおむね10〜80chの範囲にある。桿菌(2)の散乱光強度は、0〜20chの範囲にある。また、散乱光の発光時間は、桿菌(1)でおおむね40〜90chの範囲であり、桿菌(2)で30〜70chの範囲と短い。桿菌の種類によって粒度分布の位置に少し違いはあるが、粒度分布はあまり広がらずにまとまっている。すなわち桿菌は増殖しても集団とはならないことが示されている。また、桿菌(2)は粒子径の小さい小型桿菌であることが示されている。
【0093】
図27、28及び29は、ブドウ球菌(1)について、培養前、培養後及びその変化分の粒度分布をそれぞれ示す解析結果である。また、図30、31及び32は、ブドウ球菌(2)について、培養前、培養後及びその変化分の粒度分布をそれぞれ示す解析結果である。培養対象がブドウ球菌であるため、増殖した菌の散乱光強度が広い範囲に渡っている。
【0094】
例えば、ブドウ球菌(1)では、増殖した菌の散乱光強度は、主に20〜190chの範囲に渡っている。ブドウ球菌(2)では、増殖した菌の散乱光強度は、主に0〜160chの範囲に渡っている。しかし、散乱光の発光時間は40〜90chの範囲にあり、散乱光強度が大きくなるにつれて大きくなっている。すなわち、菌が、鎖状ではなく房状に増殖していることが示されている。
【0095】
図33、34及び35は、連鎖球菌(1)について、培養前、培養後及びその変化分の粒度分布をそれぞれ示す解析結果である。また、図36、37及び38は、連鎖球菌(2)について、培養前、培養後及びその変化分の粒度分布をそれぞれ示す解析結果である。培養対象が連鎖球菌であるため、増殖した菌の散乱光強度は主に0〜50chの小さい範囲にまとまっている。しかし、散乱光の発光時間は、連鎖球菌(1)では40〜220ch、連鎖球菌(2)では30〜170chの範囲に、散乱光強度の大きさにかかわらず広がっている。すなわち、増殖した菌は、小径ではあるが連鎖して長さが長くなっていることが示されている。
【0096】
図39、40及び41は、連鎖桿菌について、培養前、培養後及びその変化分の粒度分布をそれぞれ示す解析結果である。培養対象が連鎖桿菌であるため、増殖した菌の散乱光強度は主に30〜60chの小さい範囲にまとまっている。しかし、散乱光の発光時間は、60〜180chの範囲に散乱光強度の大きさにかかわらず広がっている。すなわち、小径な菌が連鎖して増殖していることが示されている。連鎖球菌、連鎖桿菌はいずれも菌の連鎖度合いに従って散乱光発光時間がおおきくなってゆく。しかし散乱光強度は各菌の径によるため、連鎖桿菌の方が連鎖球菌より径が大きいため、散乱光強度も大きくなる。
【0097】
図42、43及び44は、酵母様真菌について、培養前、培養後及びその変化分の粒度分布をそれぞれ示す解析結果である。培養対象が酵母様真菌であるため、増殖した菌の散乱光強度は図では240ch近辺にあるが、これは240ch以上の大きい信号が含まれている。また、発光時間は60〜150chの範囲に渡っている。
【0098】
以上から、ユーザは、培養により増殖した菌の解析結果に基づいて、桿菌、ブドウ球菌、連鎖球菌、連鎖桿菌及び酵母様真菌の5つの分類のいずれに、増殖した菌が該当するか類推可能である。また、解析結果に基づいて、増殖した菌が前記5つの分類のいずれに該当するかを信号処理装置10により判定することも可能である。例えば、前記5つの分類のそれぞれに属する粒度分布上の区画領域を予め定めておき、各区画領域の信号数に応じて、分類結果を表すことが考えられる。又、粒度分析のピーク位置や分布幅を解析して菌を分類することも考えられる。
【0099】
さらに、検体が尿である場合、尿中の桿菌及び連鎖桿菌はそのほとんどがグラム陰性であり、尿中のブドウ球菌及び連鎖球菌はそのほとんどがグラム陽性であることが知られている。従って、前記増殖した菌の解析結果に基づいて菌の分類を類推し、グラム陽性/陰性までも推定することが可能である。
【0100】
【発明の効果】
本発明を利用することにより、フローサイトメータを用い、微生物を短時間の培養によって簡単に測定することができ、測定結果に及ぼす夾雑物の影響を減少して正確な測定を期することができる。
【0101】
さらに、フローサイトメータが検出する散乱光の発光時間及び信号強度から、微生物の分類の概要を類推することができ、検査に要する時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フローサイトメータの検出部の構成を示す説明図。
【図2】フローサイトメータに入力される信号の説明図。
【図3】信号処理装置の機能構成を示すブロック図。
【図4】信号処理装置が行う解析処理の流れを示すフローチャート(前半)。
【図5】信号処理装置が行う解析処理の流れを示すフローチャート(後半)。
【図6】培養処理後の粒度分布図(尿)。
【図7】図3の試料培養処理前の粒度分布図。
【図8】ウリカルトE法と本法との測定結果。
【図9】連鎖球菌の培養処理後の粒度分布図。
【図10】図6の連鎖球菌の培養処理前の粒度分布図。
【図11】連鎖桿菌の培養処理後の粒度分布図。
【図12】図11の連鎖桿菌の培養処理前の粒度分布図。
【図13】酵母様真菌の培養処理後の粒度分布図。
【図14】図10の酵母様真菌の培養処理前の粒度分布図。
【図15】(a)培養前の桿菌(1)の粒度分布
(b)培養後の桿菌(1)の粒度分布
【図16】(a)培養前の桿菌(2)の粒度分布
(b)培養後の桿菌(2)の粒度分布
【図17】(a)培養前のブドウ球菌(1)の粒度分布
(b)培養後のブドウ球菌(1)の粒度分布
【図18】(a)培養前のブドウ球菌(2)の粒度分布
(b)培養後のブドウ球菌(2)の粒度分布
【図19】(a)培養前の連鎖球菌(1)の粒度分布
(b)培養後の連鎖球菌(1)の粒度分布
【図20】(a)培養前の連鎖球菌(2)の粒度分布
(b)培養後の連鎖球菌(3)の粒度分布
【図21】桿菌(1)の粒度分布の解析結果(培養前)。
【図22】桿菌(1)の粒度分布の解析結果(培養後)。
【図23】桿菌(1)の粒度分布の解析結果(培養後−前)。
【図24】桿菌(2)の粒度分布の解析結果(培養前)。
【図25】桿菌(2)の粒度分布の解析結果(培養後)。
【図26】桿菌(2)の粒度分布の解析結果(培養後−前)。
【図27】ブドウ球菌(1)の粒度分布の解析結果(培養前)。
【図28】ブドウ球菌(1)の粒度分布の解析結果(培養後)。
【図29】ブドウ球菌(1)の粒度分布の解析結果(培養後−前)。
【図30】ブドウ球菌(2)の粒度分布の解析結果(培養前)。
【図31】ブドウ球菌(2)の粒度分布の解析結果(培養後)。
【図32】ブドウ球菌(2)の粒度分布の解析結果(培養後−前)。
【図33】連鎖球菌(1)の粒度分布の解析結果(培養前)。
【図34】連鎖球菌(1)の粒度分布の解析結果(培養後)。
【図35】連鎖球菌(1)の粒度分布の解析結果(培養後−前)。
【図36】連鎖球菌(2)の粒度分布の解析結果(培養前)。
【図37】連鎖球菌(2)の粒度分布の解析結果(培養後)。
【図38】連鎖球菌(2)の粒度分布の解析結果(培養後−前)。
【図39】連鎖桿菌の粒度分布の解析結果(培養前)。
【図40】連鎖桿菌の粒度分布の解析結果(培養後)。
【図41】連鎖桿菌の粒度分布の解析結果(培養後−前)。
【図42】酵母様真菌の粒度分布の解析結果(培養前)。
【図43】酵母様真菌の粒度分布の解析結果(培養後)。
【図44】酵母様真菌の粒度分布の解析結果(培養後−前)。
【図45】ブドウ球菌、連鎖球菌、連鎖桿菌及び桿菌の菌種による粒度分布の違いを示す模式図。
Claims (4)
- 測定対象の検体を培養液に加えた培養試料中の微生物の測定方法であって、
所定時間培養処理した後の前記培養試料をフローサイトメータを用いて測定し、検出される散乱光信号の発光時間と強度とから前記培養試料の第1粒度分布を得る第1測定工程と、
前記培養処理前の培養試料を前記フローサイトメータを用いて測定し、検出される散乱光信号の発光時間と強度とから前記培養試料の第2粒度分布を得る第2測定工程と、
前記第1粒度分布と第2粒度分布との差分から、前記培養試料中で培養された微生物の第3粒度分布を得る解析工程と、
前記第3粒度分布に基づいて、前記検体に微生物が含まれている場合に、前記微生物がブドウ球菌、連鎖球菌、連鎖桿菌、桿菌、または酵母様真菌のいずれに属するかを判定する判定工程と、
を含むことを特徴とする微生物測定方法。 - 測定対象検体が尿であることを特徴とする、請求項1記載の微生物測定方法。
- 測定対象検体を培養液に加えた培養試料中の微生物の粒度を測定するフローサイトメータとともに用いられ、
前記フローサイトメータにより検出される散乱光信号の発光時間と強度とから、所定時間培養処理を行った後の培養試料の第1粒度分布を得る第1測定手段と、
前記フローサイトメータにより検出される散乱光信号の発光時間と強度とから、前記培養処理前の培養試料の第2粒度分布を得る第2測定手段と、
前記第1粒度分布と第2粒度分布との差分から、前記培養試料中で培養された微生物の第3粒度分布を得る解析手段と、
前記第3粒度分布に基づいて、前記検体に微生物が含まれている場合に、前記微生物がブドウ球菌、連鎖球菌、連鎖桿菌、桿菌、または酵母様真菌のいずれに属するかを判定する判定手段と、
を備えることを特徴とする微生物測定装置。 - 測定対象検体を培養液に加えた培養試料中の微生物の粒度を測定するフローサイトメータとともに用いられ、前記粒度の測定結果を解析する解析プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
A;前記フローサイトメータにより検出される散乱光信号の発光時間と強度とから、所定時間培養処理を行った後の培養試料の第1粒度分布を得る段階と、
B;前記フローサイトメータにより検出される散乱光信号の発光時間と強度とから、前記培養処理前の培養試料の第2粒度分布を得る段階と、
C;前記第1粒度分布と第2粒度分布との差分に基づいて、前記培養試料中で培養された微生物の第3粒度分布を得る段階と、
D;前記第3粒度分布に基づいて、前記検体に微生物が含まれている場合に、前記微生物がブドウ球菌、連鎖球菌、連鎖桿菌、桿菌、または酵母様真菌のいずれに属するかを判定する段階と、
を実行するための解析プログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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