JP4721967B2 - 高温酸素吸着剤を利用した圧力スイング法による酸素製造方法及び装置 - Google Patents

高温酸素吸着剤を利用した圧力スイング法による酸素製造方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、空気中の酸素を分離、除去、又は濃縮するための酸素選択的吸着剤を使用しての酸素と窒素との分離方法及び装置に関する。
空気からの酸素の分離、除去、又は濃縮プロセスにおける最大の問題点は、通常原料を空気に求めるため原料コストは存せず、酸素に付加される価格が
(a)分離、濃縮に設けられる設備費
(b)装置を稼動させるに必要な諸動力費
(c)分離媒体が必要な場合、その価格及び補充費用
等に依存することである。
酸素の分離、濃縮、除去に関しては、装置を稼動させるのに必要な諸動力費の内、電力原単位の面からは、従来、製造しようとする酸素の純度が高い程、空気の極低温冷却による深冷分離プロセスが省電力で効率的な酸素製造が可能なことから、採用され、他方、純度が比較的低い酸素を製造する場合には、モレキュラーシーブスを吸着剤として用いた圧力スイング吸着(PSA)プロセスが、省電力で効率的な酸素製造が可能なことから、採用されてきた。
PSAプロセスは、深冷分離プロセスに比べて、用いる装置がコンパクトであることから、容易に設置でき、しかも保全も比較的容易であることから、近年広い分野に普及している。しかし、PSAプロセスは、深冷分離プロセスに比べて、製品回収率が低く、生産コストの面で不利である。そのため、PSAプロセスの一層の普及を図るには、吸着性能の高い吸着剤を見出すことが当分野で望まれている。
本発明者等は、構造式La1−xSrCo1−yFe3−zによって表される立方晶ペロブスカイト型酸化物の吸着剤性能について検討した(例えば特許文献1を参照)。吸着温度400℃におけるLSCF(La:Sr:Co:Fe=1:9:9:1)の可逆酸素吸着量qrevは、9mlN/gであり、これは既存酸素吸着剤で最も酸素吸着量の大きな活性炭系酸素吸着剤MSC−3Aの25℃、4vol%の可逆酸素吸着量の30倍になる。更に、MSC−3Aを酸素−窒素2成分系からの酸素吸着剤に使用する場合には、酸素分離係数α(同一酸素、窒素分圧における酸素、窒素吸着量比(qo/Co)/(qn/Cn))が3程度と、窒素の共吸着による性能低下が避けられなかったが、LSCFでは殆ど窒素を吸着しないのでα>100以上と完全な酸素吸着性を示すことを見出し、優れたPSA用吸着剤になることを開示した。
高温条件下、酸素を選択的に吸着するペロブスカイトを吸着剤として使用したPSAによる空気からの酸素、窒素分離方法では、酸素製造時の電力原単位は現行酸素製造法の中で最小値を示す深冷分離法の0.31kWh/mNを下回る0.2kWh/mNが予想されている。
しかし、実際にペロブスカイト型酸素吸着剤を使用する場合、この吸着剤は、酸素の可逆吸着量が温度約150〜200℃以上で増大する傾向にあることから、約200〜250℃以上の高温で使用する必要があり、吸着剤への有効な熱移動、分離後の酸素、窒素からの熱の回収、高温での流路変更のための耐熱、耐酸素性バルブ、原料空気からの露点−40℃以下の脱湿の課題を解決する必要がある。
この為、現在の公知の知見のみで装置を構成すると空気からの酸素/窒素分離以外の周辺技術の点で非常に大きな負担が生じ、上記の電力原単位の達成は困難であり、また安定した酸素・窒素分離も困難となる。
特開平2005−087941号公報
本発明は、上述したペロブスカイト型酸素吸着剤の欠点を改善し、高い温度で酸素吸着剤の酸素吸着能を最大に発揮させ、高い温度で酸素吸着剤が有する熱を効率的に利用することによって、酸素選択性の優れた酸素吸着剤を提供し、かつ該吸着剤を用いて少ない動力原単位で酸素を容易に製造することができる酸素・窒素を分離するプロセス及び装置を提供するものである。
本発明者等は、上記の課題を達成するために、鋭意研究した結果、特定のペロブスカイト型酸素吸着剤が、驚くべきことに酸素を比較的高い温度において物理吸着によって多量に吸着しかつ可逆的吸着速度も向上されることを見出し、単に圧力を上下させることによって酸素の吸着及び脱着を容易に行うことを知見した。しかも、比較的高い温度の製品酸素及び窒素の有する熱を有効利用して回収することにより、酸素製造電力原単位を低減させて極めて低い動力原単位で高純度の酸素を容易に製造することができることを見出して、本発明をなすに至った。
本発明において、ペロブスカイト類似酸化物とは、立方晶、六方晶及び斜方晶ペロブスカイト構造を有する酸化物、ブラウンミラライト構造を有する酸化物、及び2H−BaNiO3構造を有する酸化物を総称して言う。
かくして、本発明によれば、下記の1〜11の発明を提供する:
1.酸素、窒素を主成分とする混合ガスを蓄熱材、混合ガス−窒素熱交換器、混合ガス加熱器、高温酸吸着剤の装架された吸着塔に相対的高圧条件下で供給して、混合ガスと蓄熱材と接触させて混合ガスを昇温し、次いで混合ガスを混合ガス−窒素熱交換器で塔出口窒素と熱交換して昇温し、次いで混合ガスを混合ガス加熱器と接触させて吸着温度に設定した後に、高温酸素吸着剤と接触させて酸素を吸着させて窒素と分離した後に、酸素を吸着した高温酸素吸着剤を相対的低圧条件に導いて酸素を脱着させ、酸素と蓄熱材との接触により高温酸素からの熱回収を行う、酸素と窒素との圧力スイング法(PSA)による分離方法。
2.酸素、窒素を主成分とする混合ガスを高温酸素吸着剤と接触させて相対的高圧条件下で酸素を吸着させて窒素と分離した後に、酸素を吸着した高温酸素吸着剤を、製品窒素をパージガスとして大気圧ないし減圧条件下でパージして酸素を更に脱着させる、上記1記載の酸素と窒素とのPSAによる分離方法。
3.高温酸素吸着剤が、ペロブスカイト型吸着剤である、上記1又は2記載の酸素と窒素とのPSA圧力スイング法による分離方法。
4.ペロブスカイト型吸着剤が、構造式La1−xSrCo1−yFe3−z、BaSr1−xFeO3−z(式中、xは0.0〜1.0であり、yは0.0〜1.0であり、そしてzは>0であって化学量論から決定される)によって表されるペロブスカイト型酸化物からなる群より選択される一種以上である、上記3記載の酸素と窒素とのPSA圧力スイング法による分離方法。
5.BaSr1−xFeO3−z(式中、x、yそしてzは、請求項4に定義した通りである)によって表されるペロブスカイト型酸化物が、150〜300℃の温度領域で高い酸素吸着量および高い可逆的吸着速度を示す、上記4記載の酸素と窒素とのPSA圧力スイング法による分離方法。
6.混合ガスの流れ方向に向かって、蓄熱材の上流に水分吸着剤を装架し、相対的高圧条件下で水分を吸着して乾燥混合ガスを調製して、高温酸素吸着剤に供給して酸素を吸着させ、相対的減圧条件下で脱着された高温酸素を蓄熱材と接触させて酸素から熱を回収して降温した濃縮酸素から吸着水分を離脱させる、上記1〜5のいずれか一記載の酸素と窒素のPSAによる分離方法。
7.吸着工程終了後の吸着塔と脱着工程終了後の吸着塔とを塔後方で連絡させ、吸着工程終了後の吸着塔に残留する酸素を脱着工程終了後の吸着塔に供給して回収する、上記1〜6のいずれか一記載の酸素と窒素のPSAによる分離方法。
8.酸素、窒素を主成分とする混合ガスを相対的高圧条件下で供給して酸素と窒素とを分離する圧力スイング装置であって、混合ガスの流れ方向に、順に、
(1)吸着された高温酸素から熱を回収し、回収した熱を混合ガスに付与するための蓄熱材、
(2)分離蓄熱材を通った混合ガスが熱交換器の一方の側を流れ、充填塔を流出する高温の窒素製品ガスが熱交換器の他方の側を流れ、高温の窒素製品ガスから混合ガスに熱を回収して熱交換器を流出する混合ガスを昇温させる混合ガス−窒素熱交換器、
(3)窒素との熱交換器を通って昇温した混合ガスを加熱して吸着温度にするための加熱器、
(4)混合ガス−窒素熱交換器を通った混合ガスを通して酸素を選択的に吸着して窒素を通過させる酸素を選択的に吸着する吸着剤床
を内部に装着した充填塔を並列に2塔以上含み、充填塔が保温するために保温庫内に収容される酸素と窒素とを分離する圧力スイング装置。
9.高温酸素吸着剤が、ペロブスカイト型吸着剤である、上記8記載の酸素と窒素とを分離する圧力スイング装置。
10.ペロブスカイト型吸着剤が、構造式La1−xSrCo1−yFe3−z、BaSr1−xFeO3−z(式中、xは0.0〜1.0であり、yは0.0〜1.0であり、そしてzは>0であって化学量論から決定される)によって表されるペロブスカイト型酸化物からなる群より選択される一種以上である、上記9記載の酸素と窒素とを分離する圧力スイング装置。
11.混合ガスの流れ方向に向かって、蓄熱材の上流に装架され、相対的高圧条件下で水分を吸着して乾燥混合ガスを調製し、相対的減圧条件下で脱着された高温酸素を蓄熱材と接触させて酸素から熱を回収して降温した濃縮酸素から吸着水分を離脱させる水分吸着剤、請求項8〜10のいずれか一記載の酸素と窒素とを分離する圧力スイング装置。
酸素を比較的高い温度において物理吸着によって多量に吸着しかつ可逆的吸着速度も向上され、単に圧力を上下させることによって酸素の吸着及び脱着を容易に行うことができる。しかも、比較的高い温度の製品酸素及び窒素の有する熱を有効利用して回収することにより、酸素製造電力原単位を低減させて極めて低い動力原単位で高純度の酸素を容易に製造することができる。
更に、蓄熱材の前方部に水分吸着剤を装架することにより、原料空気中の水分除去を酸素と窒素の分離において同時に実施することが出来ることから、高効率かつ低コストで高純度の酸素を容易に製造することができる。
高い熱回収率と、高温部での動作の困難な自動弁、現空ブロワー、真空ポンプ等の駆動部を有するユニットを低温部に設置すること、高効率で信頼性の高い空気からの酸素と窒素の分離方法を提供することができる。
以下に、本発明を実施するための形態を、添付図面を参照しながら説明する。
発明を実施するための装置の例を図1及び2に示す。
図1及び2において、本発明を実施するための酸素と窒素とを分離する圧力スイング装置を示す。圧力スイング装置は、充填塔4a、bが保温庫23内に収容されてなる。
充填塔4a、bは、混合ガスの流れ方向に、順に、
(1)吸着された高温酸素から熱を回収し、回収した熱を混合ガスに付与するための蓄熱材19a、b、
(2)蓄熱材を通った混合ガスが熱交換器の一方の側を流れ、充填塔を流出する高温の窒素製品ガスが熱交換器の他方の側を流れ、高温の窒素製品ガスから混合ガスに熱を回収して熱交換器を流出する混合ガスを昇温させる混合ガス−窒素熱交換器20a、b、
(3)窒素との熱交換器を通って昇温した混合ガスを加熱して吸着温度にするための加熱器21a、b、
(4)混合ガス−窒素熱交換器を通った混合ガスを通して酸素を選択的に吸着して窒素を通過させる酸素を選択的に吸着する吸着剤床5a、b
を内部に収容する。
蓄熱材19a、bは、一般に市販されている任意のものを使用してよいが、ガスが通過する際の圧損が最少になりかつ蓄熱量の大きなものを使用するのが好ましい。このような蓄熱材として、例えばライナー間ピッチ2mm程度、平板厚さ0.5mm程度のステンレス製蓄熱材ハニカムを挙げることができる。
混合ガス−窒素熱交換器20a、bは、一般に市販されている任意のものを使用してよいが、ガスが通過する際の圧損が最少になりかつ熱交換率の高いものを使用するのが好ましい。このような熱交換器として、例えば内部を高温窒素が流過するフィン付きチューブ管群を挙げることができる。外部を流過する混合ガスは、フィン付きチューブ管群を流過するため、高い温度に接触する面積が大きくなり、熱交換率が増大する。
加熱器21a、bは、吸着剤が最適の吸着能を発揮する温度にまで混合ガスを昇温するためのものであり、一般に市販されている任意のものを使用してよいが、ガスが通過する際の圧損が最少になりかつ熱交換率の高いものを使用するのが好ましい。このような加熱器として、例えば電気ヒータを挿入したフィン付きチューブを挙げることができる。吸着剤床に熱電対を設置して、熱電対により検知される温度に応じて加熱器からの熱を制御して設定温度を維持する制御システムにするのが好ましい。
本発明において用いる吸着剤床5a、bは、酸素を比較的高い温度において物理吸着によって多量に吸着しかつ可逆的吸着速度も向上されるものである。このような吸着剤として、ペロブスカイト型吸着剤を用いるのが好ましい。
本発明において用いるのに好適なペロブスカイト型吸着剤は、構造式La1−xSrCo1−yFe3−z、BaSr1−xFeO3−z(式中、xは0.0〜1.0であり、yは0.0〜1.0であり、そしてzは>0であって化学量論から決定される)によって表されるペロブスカイト型酸化物からなる群より選択される一種以上である。
構造式La1−xSrCo1−yFe3−zによって表されるペロブスカイト型酸化物は、特許文献1に開示されている製造法を利用することによって製造することができる。
構造式BaSr1−xFeO3−zによって表されるペロブスカイト型酸化物は、下記の通りにして製造することができる。
Sr−FeO3−z(すなわち、x=0.0)系ペロブスカイト型酸化物は、各構成金属の硝酸塩、酢酸塩、塩酸塩等を出発物質として用いて、これらの混合水溶液をNH水中に滴下する逆沈殿法によりゲルを生成させ、これを乾燥、仮焼(600〜900℃,1〜3h)、本焼成(1100〜1300℃,4〜8h)することにより調製することができる。また、各酸化物の混合物を高温(1200〜1400℃,4〜8h)で焼成する固相反応法や、各硝酸塩や酢酸塩などを出発材料とする通常の蒸発乾固法(焼成:1100〜1400℃,2〜6h)などによっても調製することができる。
構造式BaSr1−xFeO3−zによって表されるペロブスカイト型酸化物は、下記の通りにして製造することができる。
BaSr1−xFeO3−z系ペロブスカイト型酸化物は、各構成金属の硝酸塩、酢酸塩、塩酸塩などを出発物質として用いて、これらの混合水溶液をNH水中に滴下する逆沈殿法によりゲルを生成させ、これを乾燥、仮焼(600〜900℃,1〜3h)、本焼成(1100〜1300℃,4〜8h)することにより調製することができる。また、各酸化物の混合物を高温(1200〜1400℃,4〜8h)で焼成する固相反応法や、各硝酸塩や酢酸塩などを出発材料とする通常の蒸発乾固法(焼成:1100〜1400℃,2〜6h)などによっても調製することができる。
混合ガスとして空気を使用する本発明の第一の実施態様を第1図に、シーケンスを第1表に示す。
第1ステップ〔充填塔4a、充填塔4b−塔間均圧工程〕
第1図に於いて、吸着工程の終了した吸着圧力100〜200kPAの充填塔4aと再生工程の終了した再生圧力2〜20kPaの充填塔4bを塔後方のバルブ8a、6aを開くと充填塔4a後方に残留する窒素が充填塔4bに移行して脱着工程に移行する充填塔4aの酸素濃度が著しく上昇する。又充填塔4a、充填塔4bとも塔内圧力は均圧化されるため、吸着工程にとっては円滑な昇圧、減圧工程にとっては円滑な減圧が進行する。
第2ステップ〔充填塔4a−昇圧工程、充填塔4b−減圧工程〕
均圧化により昇圧した充填塔4aと製品タンク12の間をバルブ8bで結ぶと、充填塔4aの後方から製品窒素が、流路17a、空気−窒素熱交換器20a、流路22aを通じて吸着温度まで昇温して供給され、充填塔4aの吸着圧力は100〜200kPAに近いところまで昇圧する。均圧程度に減圧した充填塔4bをバルブ9bを通じて真空ポンプと結ぶと塔内圧力は減圧して吸着酸素が脱着する。この時、前述したように、蓄熱材ハニカム19bと接触し、蓄熱材は昇温し、脱着酸素は降温して脱着酸素の持つ熱は効率良く回収される。
第3ステップ〔充填塔4a−吸着工程、充填塔4b−再生工程〕
乾燥空気を流路1からブロワー2、バルブ3aを通じて高温酸素吸着剤充填塔4aに供給する。充填塔4aに、供給する乾燥空気の流れ方向に、順に、蓄熱材ハニカム19a、空気−窒素熱交換器20a、空気加熱器21a、高温酸素吸着剤ハニカム5aが充填されている。充填塔4aの最前方部には、蓄熱材ハニカム19aが充填されており、空気との接触で空気は昇温し、蓄熱材ハニカム19aは降温して脱着酸素の持つ熱量が回収されて空気が昇温する。次いで、昇温された空気は、内部を高温窒素が流過する混合ガス−窒素熱交換器20aと接触し、空気は昇温し、管群20a内の窒素は降温して流過する窒素の持つ熱量が回収されて空気が昇温する。これで、吸着剤の適した吸着温度に達しない場合には、空気加熱器21aと空気が接触して、適した吸着温度に達する。加熱器21aを流過し、次いで高温酸素吸着剤ハニカム床5aと接触した空気は、酸素が吸着されて、床から流過した窒素は、次いで充填塔4a後方から流出する。流出する窒素は吸着剤床設定温度の高温のため、流路22aから空気−窒素熱交換器20aに供給され、昇温中の空気と接触して、熱回収が計られる。ここで酸素吸着剤ハニカム5aの酸素吸着帯は塔前方から後方に移動し、充填塔4a後方から酸素が流過する直前に空気の供給を停止する。充填塔4bは塔後方まで酸素吸着帯が移動した状態であり、流路17aから供給される製品窒素を減圧弁18、バルブ8bを通じて充填塔4bは塔後方から供給し、高温酸素吸着剤ハニカム5bと向流接触することで酸素が脱着する。脱着した酸素は空気加熱器21b、空気−窒素熱交換器を通過して、(ここまでは脱着酸素の熱回収は殆ど計られない。)蓄熱材ハニカム19bと接触し、蓄熱材は昇温し、脱着酸素は降温して脱着酸素の持つ熱は効率良く回収される。なお脱着した酸素濃度は約50vol%以上に濃縮されている。
本酸素−窒素分離は250〜800℃の高温で操作されるため、高温酸素吸着剤充填塔4a、4bは左記温度に保持する必要があり、本実施例では充填塔4a、4bを保温庫23に設置して熱損失を最小にとどめている。
ここで第1〜3ステップと同じ操作を充填塔4aと充填塔4bを変更して、第4〜6ステップの操作を実施する。
次に、混合ガスとして空気を使用する本発明の第二の実施態様を説明する。
第一実施例においては、「吸着工程」では塔間均圧−昇圧−吸着、「再生工程」では塔間均圧−減圧−向流パージで酸素回収を行ったが、第二実施例においては、向流パージにおけるパージガスとして製品窒素を使用し又吸着工程終了後の吸着塔に窒素が残留するため、99vol%程度の高濃度酸素回収は困難である。回収酸素からの窒素の除去を行う方法としては、「再生工程」において吸着工程終了後の吸着塔に塔前方から回収した酸素をパージすると吸着塔に残留する窒素が酸素と置換して、塔後方から窒素が流過し、脱着工程に於ける酸素濃度が著しく上昇する。
この時の装置のフローシートを第2図に、装置フローシ−トを第2表に示す。図中第1図と同一の番号は同一の部品を示す。第2図において吸着工程終了後の充填塔4bにガスタンク26から真空ポンプ11をブロワーとして使用し、バルブ27、28、3b、6bを開くと塔に残留する窒素が流過して流路29から流路1に還流して回収される。
この操作を並流パージと呼ぶが脱着ガス量をG2(mN/h)、並流パージガス流量をG4(mN/h)とすると並流パージ率Kを、
K=G4/G2
で定義する。なお脱着ガス量G3はG3=G2−G4である。
以下に、実施例を例示して本発明を具体的に説明するが、これらは、本発明を制限するものではない。
合成例1 La0.1Sr0.9Co0.5Fe0.53−zの合成
硝酸ランタン、硝酸ストロンチウム、硝酸コバルト、硝酸鉄の粉末をLa:Sr:Co:Fe=1:9:5:5になるように混合し、ホットプレート上80℃で、純水にて溶解した後、空気中で350℃に昇温して蒸発乾固した後、空気中で800℃,2h仮焼し、さらに1200℃で6h本焼成して、La0.1Sr0.9Co0.5Fe0.53−zペロブスカイト型酸化物粉末を調製した。酸化物粉末がペロブスカイト型構造を有することは、CuKα放射線を用いたX線回折分析(XRD)によって確認した。この粉末16gにカオリン4g、セルロース4g、純水2gを加えてペロブスカイト系酸化物原料ケーキを調製し、これを押し出し成形機に荷重100kgを加えて直径1.6mmφのペレットを得た。このペレットを空気中200℃/時で800℃に昇温して1時間保持して活性化したペロブスカイト型酸化物ペレットを調製した。
実施例1
充填塔4a、bの高温酸素吸着剤ハニカム5a、bとして合成例1で調製したLa0.1Sr0.9Co0.5Fe0.53−zを使用して本発明の第一の実施態様を実施した。空気からの酸素、窒素分離におけるPSA操作条件と分離性能(製品酸素濃度、酸素製造時の電力原単位(kWh/mN−O)、酸素吸着負荷(mN−O/h/ton)の関係を評価した。
第1ステップ〔充填塔4a、充填塔4b−塔間均圧工程〕
吸着工程の終了した充填塔4aの吸着圧力120kPA、再生工程の終了した再生圧力5kPaにした。充填塔4a、充填塔4bの均圧化後の塔内圧力は60kPaであった。
第2ステップ〔充填塔4a−昇圧工程、充填塔4b−減圧工程〕
60kPa程度に昇圧した充填塔4aと製品タンク12の間をバルブ8bで結ぶと、充填塔4aの後方から製品窒素が、吸着温度まで昇温して供給され、充填塔4aの吸着圧力は120kPAに近いところまで昇圧した。60kPa程度に減圧した充填塔4bをバルブ9bを通じて真空ポンプと結ぶと塔内圧力は10kPA以下に減圧して吸着酸素が脱着した。
第3ステップ〔充填塔4a−吸着工程、充填塔4b−再生工程〕
乾燥空気100mN/hを流路1から高温酸素吸着剤充填塔4aに供給した。充填塔4aは直径30cm、高さ150cmの大きさであった。ここに20lの蓄熱材ハニカム19a、空気−窒素熱交換器20a、空気加熱器21a、80lの高温酸素吸着剤ハニカム5aが充填されている。(空塔速度は0.5m/sec、吸着負荷は650m3N/h/tonで有る。)充填塔4aの最前方部には、ライナー間ピッチ2mm、平板厚さ0.5mmのステンレス製蓄熱材ハニカム19aが直径30cm、層高20cmの形状で充填されており、空気との接触で空気は昇温し、蓄熱材ハニカム19aは降温して脱着酸素の持つ熱量が回収されて空気が昇温する。次いで内部を高温窒素が流過するフィン付きチューブ管群20aと接触し、空気は昇温し、管群20a内の窒素は降温して流過する窒素の持つ熱量が回収されて空気が昇温する。これで吸着塔設定温度の400℃の90%、360℃までは昇温するが、最高温部の400℃には達しないため、電気ヒータを挿入したフィン付きチューブ21aと空気が接触して、400℃に達する。80lの高温酸素吸着剤ハニカム5と接触した空気中の酸素は吸着されて、塔後方から窒素が流過する。流過する窒素は温度の400℃の高温のため、流路22aから空気−窒素熱交換器20aに供給され、昇温中の空気と接触して、熱回収が計られる。ここで酸素吸着剤ハニカム5aの酸素吸着帯は塔前方から後方に移動し、充填塔4a後方から酸素が流過する直前に空気の供給を停止する。充填塔4bは塔後方まで酸素吸着帯が移動した状態であり、流路17から供給される4mN/hの製品窒素を減圧弁18、バルブ8bを通じて供給し、高温酸素吸着剤ハニカム5bと向流接触することで酸素が脱着する。脱着した酸素は空気加熱器21b、空気−窒素熱交換器を通過して、(ここまでは脱着酸素の熱回収は殆ど計られない。)蓄熱材ハニカム19bと接触し、蓄熱材は昇温し脱着酸素は降温して脱着酸素の持つ熱は効率良く回収される。なお脱着した酸素濃度は50vol%以上に濃縮されている。
本酸素−窒素分離は250〜800℃の高温で操作されるため、高温酸素吸着剤充填塔4a、4bは左記温度に保持する必要があり、本実施例では充填塔4a、4bを保温庫24に設置して熱損失を最小にとどめている。
ここで第1〜3ステップと同じ操作を充填塔4aと充填塔4bを変更して、第4〜6ステップで実施する。
第3表に吸着圧力、再生圧力、サイクルタイム、吸着温度を変更した時の分離性能(製品酸素濃度、酸素製造時の電力原単位(kWh/mN−O)、酸素吸着負荷(mN−O/h/ton))を示す。
第3表でRun1、2、3、4は再生圧力5kPa、サイクルタイム2分、吸着温度673K(400℃)に設定し、吸着圧力を110〜200kPaに変更した時の分離性能(製品酸素濃度、酸素製造時の電力原単位(kWh/mN−O)、酸素吸着負荷(mN−O/h/ton)である。製品酸素濃度は96vol%と高値を示し、圧力の上昇に伴い酸素吸着負荷は上昇し、電力原単位も上昇する。この為電力原単位を低値に保つためには低吸着圧力を採用すべきであり、吸着剤使用量を削減するためには高吸着圧力を採用すべき事が判る。
Run5、6は吸着圧力120kPa、サイクルタイム2分、吸着温度673K(400℃)に設定し、再生圧力を5〜15kPaに変更した時の分離性能(製品酸素濃度、酸素製造時の電力原単位(kWh/mN−O)、酸素吸着負荷(mN−O/h/ton)である。再生圧力の上昇に伴い製品酸素濃度、酸素吸着負荷、電力原単位とも低下する。この為電力原単位を低値に保つためには高再生圧力を採用すべきであるが、吸着剤使用量を削減し、製品酸素濃度を高濃度に保つためには低再生圧力を採用すべき事が判る。
Run7、8は吸着圧力120kPa、再生圧力5kPa、吸着温度673K(400℃)に設定し、サイクルタイムを3〜5分に変更した時の分離性能(製品酸素濃度、酸素製造時の電力原単位(kWh/mN−O)、酸素吸着負荷(mN−O/h/ton)である。サイクルタイムの増加に伴い製品酸素濃度、電力原単位は変化しないものの酸素吸着負荷は低下する。この為吸着剤使用量を削減するためにはサイクルタイムを短縮すべき事が判る。但し本装置の酸素吸着性能は酸素脱着速度で規定されており、La0.1Sr0.9Co0.5Fe0.5ではサイクルタイムは2分程度(脱着時間1分程度)が下限と考えられる。
Run9、10は吸着圧力120kPa、再生圧力5kPa、サイクルタイム2分に設定し、吸着温度を573〜773Kに変更した時の分離性能(製品酸素濃度、酸素製造時の電力原単位(kWh/mN−O)、酸素吸着負荷(mN−O/h/ton)である。吸着温度の上昇に伴い製品酸素濃度の上昇、電力原単位の低減、酸素吸着負荷の低減が進行する。この為本PSAでは高温での操作が望ましいことが判る。但し900Kを越える高温では、吸着装置の構成材料としてNi、Cr等の高温用高級材料が必要となり、経済性が低下する。又熱回収ユニットについても80%を越える熱回収を達成するのが困難となる。
Run11は吸着圧力120kPa、再生圧力5kPa、サイクルタイム2分、吸着温度673Kに設定し、塔間均圧は実施しなかった時の分離性能(製品酸素濃度、酸素製造時の電力原単位(kWh/mN−O)、酸素吸着負荷(mN−O/h/ton)である。塔間均圧を実施しないことにより電力原単位の上昇し、酸素吸着負荷も上昇する。この為本PSAでは基本的には塔間均圧を実施する方が電力原単位を低減できることが判る。
実施例2
充填塔4a、bの高温酸素吸着剤ハニカム5a、bとして合成例1で調製したLa0.1Sr0.9Co0.5Fe0.53−zを使用して本発明の第一の実施態様を実施した。
ここで並流パージ率と製品酸素濃度の関係を第4表に示す。

並流パージ率の増加に伴ない、製品酸素濃度は上昇し、並流パージ率70%で酸素濃度は99%に達し、並流パージ率80%では酸素濃度は99.5%に達する。
合成例2 BaSr1−xFeO3−zの合成
硝酸バリウム、硝酸ストロンチウム、硝酸鉄の粉末をBa:Sr:Feの比を第5表に示すようにさまざまに変更し及びx=0.0又は1.0になるように混合し、ホットプレート上80℃で、純水にて溶解した後、空気中、350℃で蒸発乾固した後、空気中で800℃,2h仮焼し、さらに1200℃で6h本焼成してBaSr1−xFeO3−zペロブスカイト型酸化物粉末を調製した。酸化物粉末がペロブスカイト型構造を有することは、CuKα放射線を用いたX線回折分析(XRD)によって確認した。この粉末16gにカオリン4g、セルロース4g、純水2gを加えてペロブスカイト系酸化物原料ケーキを調製し、これを押し出し成形機に荷重100kgを加えて直径1.6mmφのペレットを得た。このペレットを空気中200℃/時で800℃に昇温して1時間保持して活性化したペロブスカイト型酸化物ペレットを調製した。
実施例3
充填塔4a、bの高温酸素吸着剤ハニカム5a、bとして合成例2で調製した各BaSr1−xFeO3−zを使用して本発明の第一の実施態様を実施例1と同様にして実施した。空気からの酸素、窒素分離におけるPSA操作条件と分離性能(製品酸素濃度、酸素製造時の電力原単位(kWh/mN−O)、酸素吸着負荷(mN−O/h/ton)の関係を評価した。
その結果を下記の第5表に示す。
Sr−Co−Fe−O系試料では、低温で可逆的酸素吸着速度の低下が顕著に表れるが、SrFeO3−δを基本として種々の物質を置換した結果、Baを一定量置換することにより低温での可逆的酸素吸着速度を改善することができた。図3には、測定温度250℃におけるBaSr1−xFeO3−δとSrFeO3−δ試料についての酸素吸着の破過曲線を示した。また、図4には、測定温度250℃におけるBaSr1−xFeO3−δ試料についての可逆的酸素吸着量、および速度の組成依存性を示した。SrFeO3−δ(x=0)と比較して、x=0.5、0.7において可逆的酸素吸着速度を改善できたことがわかる。特にx=0.7であるBa0.7Sr0.3FeO3−δはSrFeO3−δに比べ約2倍の可逆的酸素吸着速度を示した。
Ba0.7Sr0.3FeO3−δについて、各温度で測定した酸素吸着量、および酸素吸着速度を第6表にまとめた。可逆吸着速度は可逆吸着量を酸素吸着時間(min)(正確には破過曲線の縦軸である酸素流量が3.97ml/g以上となった時間)で割った値としている。
また第5図に第6表に示した値を横軸に測定温度、縦軸に吸着量(目盛左)、可逆吸着速度(目盛右)としてプロットした。
表6及び図5から、BaSr1−xFeO3−zによって表されるペロブスカイト型酸化物が、150〜300℃の温度領域で高い酸素吸着量および高い可逆的吸着速度を示すことが分かる。
本発明の酸素吸着剤は、その適用する範囲が極めて広く、例えば酸素吸着剤を利用した酸素分離・濃縮装置に適用する場合、PSAへの適用可能であり、従来のN2吸着型モレキュラーシーブスの吸着性能をはるかに凌駕し装置の小型化、酸素分離・濃縮濃縮の低廉化への道を開くものである。
また、本発明の酸素吸着剤を酸素除去に利用するならば極めて安価な窒素製造を提供することとなる。
本発明の第一の実施態様を実施するために使用した装置の概略説明図である。 本発明の第二の実施態様を実施するために使用した装置の概略説明図である。 測定温度250℃におけるBaSr1−xFeO3−δとSrFeO3−δ試料についての酸素吸着の破過曲線を示す。 測定温度250℃におけるBaSr1−xFeO3−δ試料についての可逆的酸素吸着量、および可逆的酸素吸着速度の組成依存性を示す。 測定温度100〜700℃におけるBaSr1−xFeO3−δ試料についての酸素吸着量および可逆的酸素吸着速度を示す。
符号の説明
4a、b 充填塔
5a、b 吸着剤
12 製品タンク
19a、19b 蓄熱材
20a、20b 混合ガス−窒素熱交換器
21a、21b 混合ガス加熱器
26 脱着ガスタンク

Claims (11)

  1. 酸素、窒素を主成分とする混合ガスを蓄熱材、混合ガス−窒素熱交換器、混合ガス加熱器、高温酸吸着剤の装架された吸着塔に相対的高圧条件下で供給して、混合ガスと蓄熱材と接触させて混合ガスを昇温し、次いで混合ガスを混合ガス−窒素熱交換器で塔出口窒素と熱交換して昇温し、次いで混合ガスを混合ガス加熱器と接触させて吸着温度に設定した後に、高温酸素吸着剤と接触させて酸素を吸着させて窒素と分離した後に、酸素を吸着した高温酸素吸着剤を相対的低圧条件に導いて酸素を脱着させ、酸素と蓄熱材との接触により高温酸素からの熱回収を行う、酸素と窒素との圧力スイング法(PSA)による分離方法。
  2. 酸素、窒素を主成分とする混合ガスを高温酸素吸着剤と接触させて相対的高圧条件下で酸素を吸着させて窒素と分離した後に、酸素を吸着した高温酸素吸着剤を、製品窒素をパージガスとして大気圧ないし減圧条件下でパージして酸素を更に脱着させる、請求項1記載の酸素と窒素とのPSAによる分離方法。
  3. 高温酸素吸着剤が、ペロブスカイト型吸着剤である、請求項1又は2記載の酸素と窒素とのPSA圧力スイング法による分離方法。
  4. ペロブスカイト型吸着剤が、構造式La1−xSrCo1−yFe3−z、BaSr1−xFeO3−z(式中、xは0.0〜1.0であり、yは0.0〜1.0であり、そしてzは>0であって化学量論から決定される)によって表されるペロブスカイト型酸化物からなる群より選択される一種以上である、請求項3記載の酸素と窒素とのPSA圧力スイング法による分離方法。
  5. BaSr1−xFeO3−z(式中、x、yそしてzは、請求項4に定義した通りである)によって表されるペロブスカイト型酸化物が、150〜300℃の温度領域で高い酸素吸着量および高い可逆的吸脱着速度を示す、請求項4記載の酸素と窒素とのPSA圧力スイング法による分離方法。
  6. 混合ガスの流れ方向に向かって、蓄熱材の上流に水分吸着剤を装架し、相対的高圧条件下で水分を吸着して乾燥混合ガスを調製して、高温酸素吸着剤に供給して酸素を吸着させ、相対的減圧条件下で脱着された高温酸素を蓄熱材と接触させて酸素から熱を回収して降温した濃縮酸素から吸着水分を離脱させる、請求項1〜5のいずれか一記載の酸素と窒素のPSAによる分離方法。
  7. 吸着工程終了後の吸着塔と脱着工程終了後の吸着塔とを塔後方で連絡させ、吸着工程終了後の吸着塔に残留する酸素を脱着工程終了後の吸着塔に供給して回収する、請求項1〜6のいずれか一記載の酸素と窒素のPSAによる分離方法。
  8. 酸素、窒素を主成分とする混合ガスを相対的高圧条件下で供給して酸素と窒素とを分離する圧力スイング装置であって、混合ガスの流れ方向に、順に、
    (1)吸着された高温酸素から熱を回収し、回収した熱を混合ガスに付与するための蓄熱材、
    (2)分離蓄熱材を通った混合ガスが熱交換器の一方の側を流れ、充填塔を流出する高温の窒素製品ガスが熱交換器の他方の側を流れ、高温の窒素製品ガスから混合ガスに熱を回収して熱交換器を流出する混合ガスを昇温させる混合ガス−窒素熱交換器、
    (3)窒素との熱交換器を通って昇温した混合ガスを加熱して吸着温度にするための加熱器、
    (4)混合ガス−窒素熱交換器を通った混合ガスを通して酸素を選択的に吸着して窒素を通過させる酸素を選択的に吸着する吸着剤床
    を内部に装着した充填塔を並列に2塔以上含み、充填塔が保温するために保温庫内に収容される酸素と窒素とを分離する圧力スイング装置。
  9. 高温酸素吸着剤が、ペロブスカイト型吸着剤である、請求項8記載の酸素と窒素とを分離する圧力スイング装置。
  10. ペロブスカイト型吸着剤が、構造式La1−xSrCo1−yFe3−z、BaSr1−xFeO3−z(式中、xは0.0〜1.0であり、yは0.0〜1.0であり、そしてzは>0であって化学量論から決定される)によって表されるペロブスカイト型酸化物からなる群より選択される一種以上である、請求項9記載の酸素と窒素とを分離する圧力スイング装置。
  11. 混合ガスの流れ方向に向かって、蓄熱材の上流に装架され、相対的高圧条件下で水分を吸着して乾燥混合ガスを調製し、相対的減圧条件下で脱着された高温酸素を蓄熱材と接触させて酸素から熱を回収して降温した濃縮酸素から吸着水分を離脱させる水分吸着剤が装架された、請求項8〜10のいずれか一記載の酸素と窒素とを分離する圧力スイング装置。
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