JP4720960B2 - 超電導コイルの運転システム - Google Patents

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Description

本発明は、超電導コイルを運転するためのシステムに関する。
従来、コイルには、銅など常電導体を用いたコイルや、液体ヘリウム温度で超電導となる金属系超電導体を用いたコイルが使用されている。銅を用いて高磁場を発生しようとすると、発熱が大きいため、水などを強制的に流して冷却する必要がある。銅などの常電導体を用いたコイルは、消費電力が大きい、コンパクト性に欠ける、メンテナンスが大変などの問題を抱えている。
一方、超電導コイルは、小電力で大きな磁場を発生できるので、各種用途に有用である。しかし、金属系超電導線をコイルに使用する場合、極低温(4K付近)までの冷却が必要であり、冷却コストが高くなる。また、金属系超電導体は比熱の小さい極低温下で使用されるため、安定性が悪く、クエンチを起こしやすい性質を持っている。
一方、最近では、比較的高温下で使用が可能な酸化物高温超電導コイルを用い、磁気分離、結晶引上げなどの技術が考えられている。酸化物高温超電導コイルは、金属系超電導コイルに比べて比較的高温下で使用できるため、比熱の大きな領域での使用が可能になり、安定性が抜群に良いことがわかってきた。酸化物高温超電導コイルは、より使いやすいマグネットへの実用化が期待されている。
酸化物高温超電導体は、液体窒素温度で超電導となるが、液体窒素温度では今のところ臨界電流密度およびその磁場特性がそれほど良くない。このため、酸化物高温超電導体は、低い磁場を発生するためのコイルとして使用されているのが現状である。一方、酸化物高温超電導コイルは、液体窒素温度より低い温度においてより高い性能を有する可能性がある。この低い温度での使用のため、液体ヘリウムでの冷却が考えられるが、そのコストは高く、取扱いが煩雑である。そこで、運転コストが比較的安くかつ取扱いが容易な冷凍機を用いて、酸化物超電導コイルを極低温に冷却する試みがなされている。
超電導コイルの安定運転領域を求める手法として、ロードラインを求め、そこから安定運転領域を求める方法が一般的である。金属系超電導コイルの運転においては、浸漬冷却型のものも冷凍機伝導冷却型のものも通常ロードラインから求めた運転領域を使用している。
酸化物高温超電導コイルの場合も、同様にロードラインを求める手法が可能である。一方、酸化物高温超電導体は、臨界温度が高く、常電導転移が緩やかであるために、安定性が高くクエンチしにくい。この性質を生かして、コイルの運転において臨界電流付近まで電流を流すことが期待できる。そして、運転コストが安く取扱いが容易な冷凍機を用いて酸化物高温超電導コイルを冷却し、できるだけ運転電流を大きくすることが期待できる。しかしながら、今のところ、酸化物高温超電導コイルについて冷凍機伝導冷却型コイルの挙動は十分に明らかにされておらず、安定に運転できる領域を求める場合、運転実験を行なうしかなかった。
本発明の目的は、冷凍機伝導冷却型超電導コイルについて、安定運転領域を求める新しい手法を見出し、それによってコイルの運転を安定に制御できる方法を提供することである。
本発明のさらなる目的は、冷凍機伝導冷却型酸化物高温超電導コイルの運転に適した制御方法を提供することである。
本発明は、超電導コイルを運転するためのシステムであって、酸化物高温超電導体が巻かれて形成された複数のパンケーキコイルが積層された構造を有する超電導コイルと、超電導コイルを冷却する冷凍機とを備える。超電導コイルは、積層された上記複数のパンケーキコイルと、上記パンケーキコイル同士の間に挿入され、冷凍機に接続されることにより冷凍機により冷却される冷却板とを含む。そして、所定の温度における超電導コイルの発熱量が、冷凍機の定格冷却能力と、冷凍機とその冷却ステージに接続される超電導コイルとの間の熱抵抗とから求められる温度と熱量との関係を表わす有効冷却曲線を上回らないよう、超電導コイルが冷凍機によって冷却されながら通電されることを特徴とする。
本発明において、超電導コイルにおける通電電流およびその抵抗値から発熱量を求め、該発熱量が有効冷却曲線を上回らないよう、超電導コイルの運転電流を制御することができる。
また上記御は、10K以上の温度領域で行なうことがより好ましい。
本発明によれば、超電導コイルについて、クエンチを起こさずに安定な運転を持続させることができる。特に本発明によれば、コイルに発熱が生じる場合でも、安定な運転の条件設定が速やかに可能になる。本発明は、超電導マグネットの運転制御に有用である。
冷凍機冷却能力の一例を示す図である。 冷凍機冷却能力と熱抵抗とから有効冷却曲線を求める例を示す図である。 実施例において用いられた高温超電導コイルの構造を示す模式図である。 実施例において用いられた冷凍機と高温超電導コイルとの接続構造を示す模式図である。 実施例1におけるコイル発熱曲線と有効冷却曲線との関係を示す図である。 実施例2におけるコイル発熱曲線と有効曲線との関係を示す図である。 実施例3におけるコイル発熱曲線と有効曲線との関係を示す図である。
本発明では、冷凍機とそれに取付けられる超電導コイルとの間の熱抵抗を求める。熱抵抗の単位は、K/W(ある2点間の温度差ΔT/発熱差ΔW)である。熱抵抗は、冷凍機とコイルとの間の冷却構成(冷凍機とコイルとの間に介在する熱伝導部材の材質、サイズ等)に依存する種々の値をとる。熱抵抗は、そのような熱伝導部材の材質に依存する熱伝導率、熱伝導部材の断面積および長さを考慮して計算により求めることができる。また、熱抵抗は、簡単な熱伝導の実験により実験的に求めることもできる。さらに、冷却構成から、ほぼ当てはめることのできる経験値を熱抵抗として採用してもよい。通常、冷凍機とコイルとの間の熱抵抗は、1〜4K/W程度である。
このようにして求められた熱抵抗と、冷凍機の定格冷却能力とから、以下のようにして有効冷却曲線を求めることができる。冷凍機の定格冷却能力は、冷凍機の種類や構造によって決まっており、通常、使用する冷凍機固有の特性として提供されている。そのような冷凍機冷却能力の具体例を図1に示す。図1に示す冷却能力曲線Pは、冷凍機の第1冷却ステージにおいて60W(80K時)、第2冷却ステージにおいて16.5W(20K時)の特性を持つ冷凍機の冷却能力を示すものである。この図は、たとえば、5Wの熱が冷凍機の第2冷却ステージに加えられた場合、その温度は約12Kとなり、10Wの熱が加えられた場合その温度は約14Kになることを示している。
一方、上記熱抵抗については、次のような関係式を設定することができる。
熱抵抗(K/W)=(コイル温度−冷却ステージ温度)/コイル部の発熱
この関係と、上述した冷凍機の冷却能力から、次のようにして有効冷却曲線を求めることができる。求められた熱抵抗が1.5K/Wである場合を次に説明する。たとえば、コイル部の発熱が5Wであれば、上式から、5(W)×1.5(K/W)=7.5(K)の温度差がコイルと冷却ステージとの間に生じると計算することができる。冷凍機冷却能力においては、5Wの熱に対して温度は約12Kであるが、上記温度差を考慮すればコイル温度は、冷却ステージの温度12Kに温度差7.5Kを足した19.5Kになる。このような計算を行ない、有効冷却曲線をプロットした結果を図2に示す。
本発明では、所定の温度における超電導コイルの発熱量が上述した有効冷却曲線を上回らないよう、冷凍機によって冷却されながら通電される超電導コイルの運転を制御する。具体的には、超電導コイルの発熱が、上記有効冷却曲線の下側に来るよう、運転温度および/または運転電流を制御することができる。この場合、コイル温度に対してコイル発熱量をプロットした発熱曲線は、有効冷却曲線の下側に来るようになる。発熱量および発熱曲線は、実測することもできるし、コイル各部の磁場、温度を考慮することにより計算から求めることもできる。計算により発熱量および発熱曲線を求める場合、コイルを分割し、それぞれの部分での温度および磁場からコイルを構成する超電導線材の抵抗を計算し、通電電流とその抵抗値から発熱量を計算し、各部の発熱量を積算して全体のコイルの発熱量を求めることができる。超電導線材の抵抗は、線材の臨界電流密度(Jc)をまず求め、その値から線材の抵抗を求めることができる。Jcの計算法は、たとえば、Proceedings of the 8th International Workshop on CRITICAL CURRENTSIN SUPERCONDUCTORS 27-29 May 1996, pp 471-474に記載されているものを採用することができる。また、実験的に発熱量および発熱曲線を求める場合、コイルの温度と通電電流とをパラメータにして通電試験を行ない、通電電流値とコイルの発生電圧から発熱を計算することができる。
従来、超電導コイルの運転においては、コイル発熱がない状態で運転するのが一般的であった。しかし、本発明によれば、コイルに発熱が生じている場合でも、その発熱量が有効冷却曲線を十分に下回っておれば、安定に運転を行なえることが確認される。このようにして、安定に運転できる領域を設定し、できるだけ大きな通電電流で安定な運転を行なうことができる。有効冷却曲線を下回る領域では、コイルのクエンチを起こさずに安定に運転することができる。また、通常、超電導コイルに発熱が生じる場合、その発熱量は温度が上昇するにつれて大きくなっていく。その上昇の傾向は計算により予測することができる。したがって、ある時点で、発熱量が大きくなり、温度上昇に伴ってその発熱量が有効冷却曲線を上回る可能性が予測される場合、速やかに通電電流を小さくする等の制御を行ない、安定な運転を維持することができる。このような本発明による制御法は、適当な制御装置を備えた冷凍機伝導冷却型コイルの自動制御に適用できる。
また本発明によれば、超電導コイルに対して限界試験を行なうことなく、計算により安定に運転できる領域を求めることができる。したがって、限界試験によるコイルの損傷等を回避することが可能である。
本発明が適用される超電導体の種類については特に制限されるものではないが、本発明は、安定性が高い酸化物超電導体等の高温超電導体を使用した場合に特に有利である。本発明は、比熱が小さく外乱に左右されやすい極低温(4K付近)においても適用することができるが、より比熱が大きくなり外乱の影響が少ない10K以上の温度領域で特に有効に使用することができる。なお、本発明に用いられる超電導体の形状には、特に制限はない。
本発明の一局面において、超電導コイルの運転中、超電導コイルの温度をモニタすることができる。モニタされる温度が、予め設定された許容限界値以上になったとき超電導コイルの通電電流が制御される。そのような温度の許容限界値は、たとえば次のようにして求めることができる。上述したように、所定の通電電流について、計算により発熱量および発熱曲線を求める。得られた発熱曲線と有効冷却曲線とを同じグラフにプロットする。そして、有効冷却曲線を下回る発熱曲線の部分で最も高い温度(有効冷却曲線と発熱曲線との交点の温度)を求める。得られた温度またはその近傍でそれより低い温度を許容限界値とすることができる。温度の許容限界値は、通電電流の大きさによって異なってくる。したがって、複数の通電電流に対して、それぞれ許容限界値を求めることが好ましい。一方、概して、通電電流が大きければ、温度の許容限界値は低くなるため、使用可能な最大通電電流に対する温度の許容限界値のみを求めてもよい。実際の運転において、モニタされる温度が許容限界値を超えなければ、超電導コイルの発熱量は有効冷却曲線を上回らず、安定な運転を行なうことができる。一方、モニタされる温度が許容限界値以上になったとき通電電流を制御すれば、クエンチを回避することができる。
本発明のもう一つの局面において、超電導コイルの運転中、超電導コイルに発生する電圧をモニタすることができる。発生電圧はコイルの電気抵抗に起因するものである。電磁誘導に起因する電圧は、モニタされる電圧から除外される。モニタされる電圧が、予め設定された許容限界値以上になったとき超電導コイルの通電電流が制御される。そのような電圧の許容限界値は、たとえば次のようにして求めることができる。上述したように、所定の通電電流について、計算により発熱量および発熱曲線を求める。得られた発熱曲線と有効冷却曲線とを同じグラフにプロットする。そして、有効冷却曲線を下回る発熱曲線の部分で最も高い熱量(有効冷却曲線と発熱曲線との交点の熱量)を求める。得られた熱量を所定の通電電流で除すれば、対応する発生電圧が得られる。得られた電圧またはその近傍でそれより低い電圧を許容限界値とすることができる。電圧の許容限界値は、通電電流の大きさによって異なってくる。したがって、複数の通電電流に対して、それぞれ許容限界値を求めることが好ましい。一方、概して、通電電流が大きければ、電圧の許容限界値は低くなるため、使用可能な最大通電電流に対する電圧の許容限界値のみを求めてもよい。実際の運転において、モニタされる電圧が許容限界値を超えなければ、超電導コイルの発熱量は有効冷却曲線を上回らず、安定な運転を行なうことができる。一方、モニタされる電圧が許容限界値以上になったとき通電電流を制御すれば、クエンチを回避することができる。
本発明では、上述した温度のモニタと、上述した電圧のモニタとを同時に行なっても良い。モニタされる温度および/またはモニタされる発生電圧が許容限界値以上になったとき通電電流を制御してクエンチを回避することができる。
超電導コイルに直流電流を流すとき、超電導コイルの発熱量は、超電導コイルの電気抵抗に起因する発熱量とすることができる。一方、超電導コイルに交流電流を流すとき、超電導コイルの発熱量は、超電導コイルの交流損失に起因する発熱量と、超電導コイルの電気抵抗に起因する発熱量との和として求めることができる。
交流損失は、通電試験において測定することができる。通電試験において、交流損失は、電磁誘導による成分を除いた電圧値と、電流値との積から、または断熱状態における温度上昇と比熱との積から、求めることができる。
一方、交流損失は、計算によって求めることができる。種々の原因によって交流損失は生じるが、一般に、交流損失は、次式で示すように、2つの主な要因による損失、ヒステリシス損失および結合損失の和として求めることができる。
Figure 0004720960
Bi2223銀被覆ビスマス系超電導線材(3.6±0.4mm×0.23±0.02mm)3枚バンドルを、厚さ約13μmのポリイミドテープおよび厚さ約0.1mmのSUSテープと共巻し、内径80mm、外径約300mm、高さ約8mmのダブルパンケーキコイルを製作した。用いた超電導線材の銀比は2.4であり、その臨界電流は35〜45A(77K)であった。製作したダブルパンケーキコイルを8層積層し、ジョイントを行なった。ダブルパンケーキコイルの間は、厚み0.1mmのFRPシートで絶縁した。図3に示すように、各ダプルパンケーキコイル31の間に銅製の冷却板32を挿入し、各冷却板32を銅製の熱伝導棒33に接合した。1対のFRP板34の間に積層されたダブルパンケーキコイル31を挟み、高温超電導コイルの構造体30を得た。得られた高温超電導コイルは、図4に示すように冷凍機に取付けた。冷凍機41の冷却ステージである第1ステージ41aおよび第2ステージ41bは、断熱容器42内に収容されている。第2ステージ41bには、銅板43が固定されている。この銅板43を介して高温超電導コイル30が冷凍機41の第2ステージ41bに取付けられる。酸化物高温超電導線材からなる電流リード44は、高温超電導コイル30から第1ステージ41aの温度アンカ部まで設けられている。電流リード44は、熱侵入を効果的に抑制する。また、第1ステージ41aの温度アンカ部から室温までは銅製の電流リード45を用いた。高温超電導コイル30は、輻射熱の侵入を遮断するための熱シールド板46によって覆われている。断熱容器42内は真空にされる。超電導コイル30におけるコイルパッキング率は75%であった。
冷凍機の第2冷却ステージと高温超電導コイルとの間に介在する熱伝導部材の材質およびサイズから、計算によりその熱抵抗を1.5K/Wに設定した。次いで、上述したように、冷凍機冷却能力曲線から1.5K/Wの熱抵抗値を用いて有効冷却曲線を求めた。
冷凍機を運転し通電試験を行なった。コイルの温度は11Kであった。通電電流260A(発生中心磁場約3.5T)における運転では、発熱曲線が有効冷却曲線を下回り、2日以上の長時間運転が可能であった。一方、通電電流300A(発生中心磁場約4T)では発熱曲線が有効冷却曲線を上回っており、コイル温度は上昇し、安定に運転できなかった。コイル発熱曲線と有効冷却曲線との関係を図5に示す。以上の実験から、有効冷却曲線が発熱曲線を上回る領域において、コイルは安定に運転できることが確かめられた。
実施例1のコイルに280Aの電流を流したとして、上述したような計算により、発熱量および発熱曲線を求めた。得られた発熱曲線を図6に示す。有効冷却曲線も同じグラフにプロットした。有効冷却曲線と発熱曲線が交差する点における温度は約21.7K、熱量は約6.4Wであった。また、この点における発生電圧を、6.4W/280A=22.9mVと計算した。21.7Kより低い温度では、実際の運転において、コイルの発熱量は有効冷却曲線を上回らないはずである。また、22.9mVより小さい発生電圧では、実際の運転において、コイルの発熱量は有効冷却曲線を上回らないはずである。温度計測および電圧計測において誤差が生じるため、マージンを考慮して、21.7Kから、温度の許容限界値を21K(マージン0.7K)に設定し、22.9mVから、発生電圧の許容限界値を20mV(マージン2.9mV)に設定した。超電導コイルの温度および発生電圧を測定しながら運転を行ない、かつ各々の測定値が各々の許容限界値以上であるとき電流を速やかにゼロにするシステムを構成した。このシステムにおいて、280Aまで10分で励磁した。その結果、励磁時にコイル温度が少し上昇したが、クエンチは起こらず、安定に運転できた。
実施例1のコイルにおいて、0.006Hzの交流励磁を行ない、交流損失を測定した。測定された交流損失は1.5Wであった。例2で求めた発熱量に1.5Wを加えて、交流通電における発熱量を得た。得られた発熱曲線を図7に示す。有効冷却曲線も同じグラフにプロットした。有効冷却曲線と発熱曲線が交差する点における温度は約20K、熱量は約5.4Wであった。また、この点における発生電圧を、5.4W/280A=19.3mVと計算した。20Kより低い温度では、実際の交流運転において、コイルの発熱量は有効冷却曲線を上回らないはずである。また、19.3mVより小さい発生電圧では、実際の交流運転において、コイルの発熱量は有効冷却曲線を上回らないはずである。温度計測および電圧計測において誤差が生じるため、マージンを考慮して、20Kから、温度の許容限界値を19K(マージン1K)に設定し、19.3mVから、発生電圧の許容限界値を19mV(マージン0.3mV)に設定した。超電導コイルの温度および発生電圧を測定しながら運転を行ない、かつ各々の測定値が各々の許容限界値以上であるとき電流を速やかにゼロにするシステムを構成した。このシステムにおいて、0.006Hzの交流励磁を1時間連続して行なった。その結果、クエンチなしで安定に運転できた。
上述したように、許容限界値を設定したシステムにより、超電導コイルの性能を十分に発揮させることができる。
30 高温超電導コイル、31 ダブルパンケーキコイル、41 冷凍機、41a 第1冷却ステージ、41b 第2冷却ステージ。

Claims (6)

  1. 超電導コイルを運転するためのシステムであって、
    酸化物高温超電導体が巻かれて形成された複数のパンケーキコイルが積層された構造を有する超電導コイルと、
    前記超電導コイルを冷却する冷凍機とを備え、
    前記超電導コイルは、
    積層された前記複数のパンケーキコイルと、
    前記パンケーキコイル同士の間に挿入され、前記冷凍機に接続されることにより前記冷凍機により冷却される冷却板とを含み、
    所定の温度における前記超電導コイルの発熱量が、前記冷凍機の定格冷却能力と、前記冷凍機とその冷却ステージに接続される前記超電導コイルとの間の熱抵抗とから求められる温度と熱量との関係を表わす有効冷却曲線を上回らないよう、前記超電導コイルが前記冷凍機によって冷却されながら通電されることを特徴とする、システム。
  2. 前記超電導コイルにおける通電電流およびその抵抗値から、発熱量を求め、前記発熱量が前記有効冷却曲線を上回らないよう、前記超電導コイルの通電電流が制御されることを特徴とする、請求項1に記載のシステム
  3. 10K以上の温度領域で前記制御を行なうことを特徴とする、請求項1または2に記載のシステム
  4. 前記超電導コイルの運転中、前記超電導コイルの温度をモニタ、前記温度が、予め設定された許容限界値以上になったとき前記超電導コイルの通電電流が制御されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシステム
  5. 前記超電導コイルの運転中、電気抵抗により前記超電導コイルに発生する電圧をモニタ、前記電圧が、予め設定された許容限界値以上になったとき前記超電導コイルの通電電流が制御されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシステム
  6. 前記超電導コイルに流す電流が交流電流であり、前記超電導コイルの前記発熱量は、前記超電導コイルの交流損失による発熱量と、前記超電導コイルの電気抵抗による発熱量との和として求められることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のシステム
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