JP4720775B2 - 積層体の加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、積層体の加工方法及び積層体に関する。
半導体デバイス等の電子部品を微細加工技術を用いて製造する場合、通常基板となるウェハーやフィルム等の上に多数の電子部品を同時に形成する。その後、電子部品のチップ化等のために、個々の電子部品は、所定の外形形状となるようにウェハーやフィルム等から切り出される。この切り出し方法としては、例えば、下記特許文献1に記載されているような、レーザー光の照射による加熱によって対象物の一部を部分的に除去して切断を行うレーザースクライブ法や、下記特許文献2に記載されているような、回転させた円板状の刃によって対象物を物理的に切断するメカニカルスクライブ法が知られている。
特公昭61−17595号公報 特開2004−039661号公報
しかしながら、上述のレーザースクライブ法によって切断を行うと、電子部品内の材料の一部が加熱により溶解することがある。このようなことが起きると、切断面に電気的に絶縁されている2つの導体層が露出する場合、その導体層を構成する材料の一部が溶解して2つの導体層間にある非導体層の切断面に付着し、2つの導体層間がショートしてしまうことがあった。
また、上述のメカニカルスクライブ法によって切断を行うと、切断した部分の材料が、切断面に付着することがある。このようなことが起きると、上述のレーザースクライブ法による場合と同様に、その導体層を構成する材料の一部が溶解して2つの導体層間にある非導体層の切断面に付着し、2つの導体層間がショートしてしまうことがあった。
そして、このような電子部品内の導体層のショートは、電子部品の不良に繋がるという不具合があった。
従って、本発明は、非導体層を挟んだ一対の導体層を有する積層体を加工する際、一対の導体層間がショートすることを十分に防止することができる積層体の加工方法、及びそのような積層体を提供することを目的とする。
本発明に係る積層体の加工方法は、一対の導体層と、一対の導体層の間に設けられた非導体層とを有する積層体に対して表裏を貫通する貫通部を形成する積層体の加工方法であって、貫通部を形成する側面に、一対の導体層の一方の表面から非導体層内まで伸びる第一側面と、一対の導体層の他方の表面から非導体層内まで伸び、かつ、第一側面から積層体の積層方向と垂直な方向に離間した第二側面と、第一側面と第二側面とを接続する段差部とが形成されるように貫通部を形成する。
本発明によれば、積層体の加工時に第一側面のうちの非導体層の側面に付着した一方の導体層を構成する材料と、積層体の加工時に第二側面のうちの非導体層の側面に付着した他方の導体層を構成する材料とは、段差部により積層体の積層方向と垂直方向に離間することとなる。そしてこの段差部の表面はすべて非導体層の表面の一部となる。そのため、積層体の加工時に、一対の導体層を構成する材料が一対の導体層と隣接する非導体層の側面にそれぞれ付着しても、一対の導体層間がショートすることを十分に防止することができる。
さらに、貫通部を形成する工程は、一対の導体層の一方の表面から非導体層内まで達する深さの凹部を形成する凹部形成工程と、非導体層の凹部の底面から一対の導体層の他方の表面にまで貫通し、凹部より積層体の積層方向と垂直方向の幅が狭い狭幅貫通部を形成する狭幅貫通部形成工程とを有することが好ましい。
これにより、相対的に幅が広い形状の凹部を適切な深さに形成し、相対的に幅が狭い形状の狭幅貫通部を適切な場所に形成するだけで、上述のように段差部によって離間された第一側面と第二側面を容易に形成することができる。
また、貫通部を形成する工程は、一対の導体層の一方の表面から非導体層内まで達する深さの凹部を形成する凹部形成工程と、凹部内に樹脂を充填して樹脂部を形成する樹脂部形成工程と、樹脂部を貫通すると共に、非導体層の凹部の底面から一対の導体層の他方の表面にまで貫通し、凹部より積層体の積層方向と垂直方向の幅が狭い狭幅貫通部を形成する貫通部形成工程とを有することが好ましい。
これにより、狭幅貫通部を形成する際、他方の導体層を構成する材料が、第一側面や段差部に付着することを防止することができる。そのため、積層体の加工の際、一対の導体層がショートすることをより確実に防止することができる。
また、貫通部を形成する工程は、一対の導体層の一方の表面から一対の導体層の他方の表面まで達する狭幅貫通部を形成する狭幅貫通部形成工程と、一対の導体層の一方の表面から非導体層内まで伸びる、積層体の積層方向と垂直方向の幅が狭幅貫通部よりも広い凹部を、積層体の積層方向から見て狭幅貫通部と重ねて形成する凹部形成工程とを有することが好ましい。
これにより、相対的に幅が狭い形状の狭幅貫通部と、相対的に幅が広く適切な深さを有する形状の凹部を、それぞれ適切な位置に形成するだけで、上述の段差部によって離間された第一側面と第二側面を容易に形成することができる。
さらに、上述のいずれかの加工方法で貫通部を線状に形成することにより積層体を切断することが好ましい。
これにより、一対の導体層をショートさせることなく、積層体の所定領域を切断することが可能となる。
本発明に係る積層体は、一対の導体層と、一対の導体層の間に設けられた非導体層とを有する積層体であって、積層体の外側面が、又は、積層体の表裏を貫通する貫通部の内側面が、一対の導体層の一方の表面から非導体層内まで伸びる第一側面と、一対の導体層の他方の表面から非導体層内まで伸び、かつ、第一側面から積層体の積層方向と垂直な方向に離間した第二側面と、第一側面と第二側面とを接続する段差部とを有する。
本発明によれば、第一側面のうちの非導体層の側面に付着した一方の導体層を構成する材料と、第二側面のうちの非導体層の側面に付着した他方の導体層を構成する材料とは、段差部により積層体の積層方向と垂直方向に離間することとなる。そしてこの段差部の表面はすべて非導体層の表面の一部である。そのため、一対の導体層を構成する材料が一対の導体層と隣接する非導体層の側面にそれぞれ付着しても、一対の導体層間がショートすることを十分に防止することができる。その結果、このような積層体を含む電子部品等の不良発生を十分に防止することができる。
本発明によれば、非導体層を挟んだ一対の導体層を有する積層体を加工する際、一対の導体層間がショートすることを十分に防止することができる積層体の加工方法、及びそのような積層体が提供される。
以下に、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図面において、同一の要素は、同一の参照番号を用いて示されている。また、図面中の構成要素内及び構成要素間の寸法比は、図面の見易さのため、それぞれ任意となっている。
[第一実施形態]
本発明に係る積層体の加工方法及び積層体の第一実施形態について、図1〜図3を用いて説明する。
図1の(a)〜(d)は、本実施形態の積層体の加工方法の一連の工程を示す端面図である。まず、図1の(a)に示すように、下部導体層12、上部導体層16、及び、下部導体層12と上部導体層16の間に設けられた非導体層14からなる積層体30を用意する。
下部導体層12の厚さt12及び上部導体層16の厚さt16は、特に制限されないが、例えば、100Å〜1000Åとすることができる。非導体層14の厚さt14も、特に制限されないが、後述のレーザースクライブ法による加工精度を考慮すると、7000Å以上とするのが好ましい。導体層12及び導体層16の材質としては、例えば、Cu、Al、Ag、Au等の金属を用いることができる。また、非導体層14は、絶縁体、半導体やこれらの積層体からなるものである。非導体層14の材質としては、絶縁体を用いる場合は、例えばAl等の酸化物やエポキシ樹脂等の樹脂を用いることができ、半導体を用いる場合は、SiやGaAs等を用いることができる。
次に、図1の(b)に示すように、導体層16の表面から非導体層14内まで達する深さの凹部20を形成する。この凹部20の積層体30の積層方向(図1の上下方向)と垂直方向(図1の左右方向)の幅w20aは、例えば20〜50μmとすることができる。
続いて、図1の(c)に示すように、図1の(b)の工程で形成した凹部20に隣接してさらに凹部を形成して、凹部20の幅をw20bの大きさまで広げる。この凹部20の幅w20bは、例えば30〜60μmとすることができる。そして、この工程において、凹部20の側面を規定する導体層16の側面16aと非導体層14の側面14aが形成され、この側面16aと側面14aとが、第一側面20aとなる。また、この工程において、凹部20の底面を規定する非導体層14の底面14xが形成される。
続いて、図1の(d)に示すように、図1の(c)の工程で形成した非導体層14の底面14xから導体層12の表面まで貫通し、幅w22が幅w20bよりも小さい狭幅貫通部22を形成する。この工程において、狭幅貫通部22の側面を規定する非導体層14の側面14bと導体層12の側面12aが形成される。この側面14bと側面12aとが、第二側面となる。また、この工程において、非導体層14に、第一側面20aと第二側面22aとを接続する段差部14yが形成される。この段差部14yの幅w14yの大きさは、後述のレーザースクライブ法による加工精度を考慮すると、好ましくは、5μm以上、さらに好ましくは10μm以上である。
以上の工程を経ることにより、積層体30には、図1(d)に示すように凹部20と狭幅貫通部22によって、表裏を貫通する貫通部24が形成され、貫通部24の内側面である第一側面20aと第二側面22aを有する積層体30を得ることができる。
次に、図1及び図2を用いて、本実施形態における、凹部20及び狭幅貫通部22の具体的な形成方法を説明する。
図2は、レーザースクライブ法による積層体の加工方法を示す模式図である。積層体30は、XYステージ40上に固定されている。また、XYステージ40の上方には、レーザー発生源50a及び集束レンズ50bを備えるレーザー装置50が配置されている。レーザー発生源50aから出射したレーザー光54は、集束レンズ50bによって収束され、積層体30の表面に照射される。積層体30のレーザー光54が照射された部分は、加熱されて溶解したり、アブレーション現象を起こしたりすることにより、積層体30から除去されることになる。レーザー発生源50aとしては、例えば、YAGレーザの基本波、第二高調波、第三高調波、第四高調波を用いることができる。
また、ステージ40とレーザー装置50の相対位置は、図2のX軸及びY軸に沿った方向に移動させることが可能となっている。これにより、積層体30の表面にレーザー光54を照射しながらステージ40とレーザー装置50の相対位置を移動させることにより、積層体30の表面の所望の領域をレーザー光54で走査し、線状に加工することが可能となっている。
例えば、図2の積層体30の線状部分30aを加工する場合、まず、線状部分30aにレーザー光54を走査し、図1の(b)に示す凹部20を形成する。この際、凹部20の幅w20aの大きさ及び凹部20の深さは、レーザー光54が積層体30に照射される際の照射径、レーザー光54のエネルギーや波長、レーザー光54の走査スピード、及びレーザー光54に対する導体層16並びに非導体層14の吸収率等に依存し、これらの条件を適切に選択することにより、所望の形状の凹部20を形成することができる。
次に、図1の(c)に示すように、上述の工程で形成した凹部20に隣接する領域にレーザー光54を走査してさらに加工し、凹部20の幅をw20bの大きさにする。
続いて、図1の(d)に示すように、線状部分30aにレーザー光54を走査し、狭幅貫通部22を形成する。このようにして、積層体30には、凹部20と狭幅貫通部22によって、表裏を貫通する貫通部24が形成される。
なお、本実施形態においては、凹部20を初めに幅がw20a(図1の(b))の大きさとなるように形成した後に、幅をw20b(図1の(c))の大きさになるように形成しているが、各種の加工条件を調整し、初めからw20bの大きさの幅の凹部20を形成してもよい。また、エネルギーや波長の異なる2種類のレーザー光を積層体30に同時に照射して走査することにより、図1の(d)に示す凹部20と狭幅貫通部22を同時に形成することも可能である。
また、図2に示すように、積層体30の線状部分30aと線状部分30bを併せた部分を上述の方法で加工すると、即ち、加工の始点と終点が一致するように上述の方法で加工を行うと、積層体30から積層体30の部分領域30cを切り出すことができる。図3の(a)及び(b)は、それぞれ、このようにして切り出された積層体30の部分領域30cの斜視図とその断面図である。図3の(b)に示すように、加工の始点と終点が一致するように加工を行うことにより、第一側面20aと第二側面22aからなる外側面を有する積層体30の部分領域30cが得られる。
本実施形態による積層体の加工方法によれば、積層体30を加工する際、導体層16と導体層12間がショートすることを十分に防止することができる。
即ち、図1の(c)に示す凹部20を形成する際、導体層16を構成する材料の一部は、溶解したり飛散したりすることが原因で、第一側面20aの一部である非導体層14の側面14aに付着することがある。また、図1の(d)に示す狭幅貫通部22を形成する際、同様に、導体層12を構成する材料の一部は、第二側面22aの一部である非導体層14の側面14bに付着することがある。しかし、側面14aと側面14bは、段差部14yによって、積層体30の積層方向と垂直方向(図1の(d)の左右方向)に離間させられている。さらに、段差部14yの表面は、すべて非導体層14の一部である。そのため、積層体30を加工する際、非導体層14の側面14a、14bに導体層16、12を構成する材料が付着しても、導体層16と導体層12間がショートすることを十分に防止することができる。また、このような加工方法を用いることにより、凹部20及び狭幅貫通部22からなる貫通部24が形成され、導体層16と導体層12間がショートすることが十分に防止された積層体30を得ることができる。
さらに、本実施形態による積層体の加工方法においては、相対的に幅が広い形状の凹部20を適切な深さに形成し、相対的に幅が狭い形状の狭幅貫通部22を適切な場所に形成するだけで、上述のように段差部14yによって離間された第一側面20aと第二側面22aを容易に形成することができる。
さらに、本実施形態による積層体の加工方法においては、貫通部24を線状に形成することにより積層体30を切断している(図2参照)。これにより、導体層16と導体層12間をショートさせることなく、積層体30の所定領域を切断することが可能となっている。その結果、このような積層体を含む電子部品等の不良発生を十分に防止することができる。
[第二実施形態]
次に、本発明に係る積層体の加工方法の第二実施形態について、図4〜図6を用いて説明する。
図4の(a)〜(c)は、本実施形態の積層体の加工方法の一連の工程を示す端面図である。本実施形態は、図4に示すように、凹部20を初めからw20bの幅となるように形成する点、及び、積層体30の加工を図5に示すメカニカルスクライブ法によって行う点において、第一実施形態と異なる。
図5に示すメカニカルスクライブ法による加工は、レーザー光による加工ではなく、回転する円板状の砥石60によって積層体30を加工する点で、第一実施形態におけるレーザースクライブ法と異なる。メカニカルスクライブ法においては、砥石60を積層体30に接触させた状態で、これらの相対位置を移動させ、積層体30の一部を物理的に除去することにより、加工を行う。
本実施形態においては、図4の(b)で形成される凹部20を、断面の幅がw20bの大きさと等しい砥石60を用いた加工によって形成してもよいし、断面の幅がw20bの大きさより小さい砥石60を用いて複数回加工を行うことによって形成してもよい。その後、図4の(c)に示すように、幅がw20の大きさの狭幅貫通部22を形成する。
本実施形態の場合、図4の(a)に示す積層体30の非導体層14の厚さt14の大きさは、特に制限されないが、メカニカルスクライブ法による加工精度を考慮すると、5μm以上とするのが好ましい。また、図4の(c)に示す段差部14yの幅w14yの大きさは、メカニカルスクライブ法による加工精度を考慮すると、5μm以上とするのが好ましい。
また、図6に示すような断面形状の砥石60を用いることもできる。図6に示す砥石60は、本体部60aと狭幅部60bからなっている。そして、本体部60aの幅w60aは凹部20の幅w20b(図4の(b)参照)と等しく、また、狭幅部60bの幅w60bは狭幅貫通部22の幅w22(図4の(c)参照)と等しくなっている。このような砥石60を用いたメカニカルスクライブ法による加工によれば、図4の(a)の積層体30に対し、一回の加工で図4の(c)の形状に加工することができるため、積層体30の加工が容易となる。
本実施形態においても、第一実施形態における場合と同様の理由により、積層体30を加工する際、導体層16と導体層12間がショートすることを十分に防止することができる。
[第三実施形態]
次に、本発明に係る積層体の加工方法の第三実施形態について、図7を用いて説明する。 図7の(a)〜(d)は、本実施形態に積層体の加工方法の一連の工程を示す端面図である。本実施形態においては、この一連の工程が上述の第一実施形態及び第二実施形態と異なる。
本実施形態においては、図7の(a)に示す積層体30に対して、図7の(b)に示すように、凹部20を形成した後、その凹部20に樹脂を充填して、樹脂部18を形成する。続いて、図7の(c)に示すように、樹脂部18を貫通し、非導体層14の底面14xから導体層12の表面まで貫通し、凹部20の幅w20bよりも狭いw22の大きさの幅である狭幅貫通部22を形成する。その後、図7の(d)に示すように、樹脂部18を除去する。また、凹部20と狭幅貫通部22は、第一実施形態と同様にレーザースクライブ法によって形成してもよいし、第二実施形態と同様にメカニカルスクライブ法によって形成してもよい。また、樹脂部18は除去しなくてもよい。
本実施形態においても、第一実施形態における場合と同様の理由により、積層体30を加工する際、導体層16と導体層12間がショートすることを十分に防止することができる。
さらに、本実施形態に係る積層体の加工方法によれば、狭幅貫通部22を形成する際、導体層12を構成する材料が、第一側面20aや段差部14yに付着することを防止することができる。そのため、積層体30の加工の際、導体層16及び導体層12間がショートすることをより確実に防止することができる。また、このような効果に基づき、本実施形態においては、段差部14yの幅w14yの大きさを第一実施形態や第二実施形態における場合よりも小さくすることができる。具体的には、幅w14yの大きさは、好ましくは、1μm以上、さらに好ましくは3μm以上である。
[第四実施形態]
次に、本発明に係る積層体の加工方法の第四実施形態について、図8を用いて説明する。 図8の(a)〜(c)は、本実施形態に積層体の加工方法の一連の工程を示す端面図である。本実施形態においては、この一連の工程が上述の第一〜第三実施形態と異なる。
本実施形態においては、図8の(a)に示す積層体30に対して、図8の(b)に示すように導体層16の表面から導体層12の表面まで達する狭幅貫通部22を形成する。続いて、導体層16の表面から非導体層14まで伸び、かつ、狭幅貫通部22の幅w22よりも広いw24の幅を有する凹部20を、積層体30の積層方向(図8の上下方向)から見て狭幅貫通部22と重なるように形成する。この狭幅貫通部22及び凹部20は、レーザースクライブ法によって形成してもよいし、メカニカルスクライブ法によって形成してもよい。
本実施形態においても、第一実施形態における場合と同様の理由により、積層体30を加工する際、導体層16と導体層12間がショートすることを十分に防止することができる。
さらに、本実施形態に係る積層体の加工方法によれば、相対的に幅が狭い形状の狭幅貫通部22と、相対的に幅が広く適切な深さを有する形状の凹部20を、それぞれ適切な位置に形成するだけで、段差部14yによって離間された第一側面20aと第二側面20bを容易に形成することができる。
[第五実施形態]
次に、本発明に係る積層体の第五実施形態について、図9を用いて説明する。
図9は、本実施形態に係る積層体である太陽電池1の断面図である。太陽電池1は、基材2と、下部反射電極12と、光電変換層14と、上部電極膜16がこの順に積層されている。基材2は、例えばPEN(ポリエチレンナフタレート)やPI(ポリイミド)等の樹脂フィルムである。また、下部反射電極12は、アルミニウム、チタン、銀等の金属で構成され、導体層となる。光電変換層14は、n型アモルファスシリコン薄膜14n、i型アモルファスシリコン薄膜14i、p型アモルファスシリコン薄膜14pがこの順に積層された積層膜である。また、上部電極膜16は、ITO等の光学的に透明な導体層である。
また、光電変換層14及び下部反射電極12は、エポキシ樹脂等の絶縁材料層6によって、積層方向と直交する方向に複数の領域に分割されている。また、これに対応して、上部電極膜16も開口7によって複数の領域に分割され、各領域は、2つの光電変換層14を跨ぐように形成されている。さらに、上部電極膜16と、下部反射電極12とを導通する銀ペースト等から形成された導通部8が各領域に設けられ、各光電変換層14が直列に接続されている。
そして、太陽電池1の外側面には、上部電極膜16の側面16aと光電変換層14の側面14aからなる第一側面20a、及び、光電変換層14の側面14bと下部反射電極12の側面12aからなる第二側面22aが形成されている。さらに、第一側面と第二側面を接続する段差部14yが形成されている。
このような構成の太陽電池1では、上部電極膜16と下部反射電極12がショートすることが十分に防止されている。即ち、太陽電池1をこのような外形形状に加工する際、上部電極膜16を構成する材料の一部が光電変換層14の側面14aに付着することがある。また、同様に下部反射電極12を構成する材料の一部が光電変換層14の側面14bに付着することがある。しかし、第一側面20aと第二側面22aは、段差部14yによって、太陽電池1の積層方向と垂直な方向(図9の左右方向)に離間している。そして、段差部14yを形成する光電変換層14の抵抗率は、上部電極膜16及び下部反射電極12の低効率よりも十分に大きい。従って、光電変換層14の側面14a、14bに付着した導電性を有する材料によって、上部電極膜16と下部反射電極12がショートしてしまうことが、十分に防止されている。
本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、加工対象である積層体30は、図1の(a)等に示すような導体層16、非導体層14及び導体層12からなる3層の積層体には限られず、少なくともこのような3層の積層構造を含む積層体であればよい。また、非導体層14は、複数の非導体層から構成されていてもよい。
また、加工後の積層体30(図1の(d)等参照)において、2箇所の段差部14yの幅w14yの大きさがそれぞれ異なるように、又は、段差部14yが1箇所のみとなるように、凹部20及び狭幅貫通部22を形成してもよい。
また、段差部14yは、積層体30の積層方向と垂直である必要はなく、第一側面20aや第二側面20bと、鋭角又は鈍角で接していてもよい(図1の(d)等参照)。
また、第一側面20a及び第二側面20bは、積層体30の積層方向と平行である必要はなく、それぞれ導体層16の表面及び導体層12の表面と鋭角又は鈍角で接していてもよい(図1の(d)等参照)。
また、上述の各実施形態では、積層体30から、その部分領域30cを切り出しているが(図2及び図3参照)、貫通部24が線状をなすように切り込みを入れる、即ち、図2の線状部分30aのみを加工してもよい。また、貫通部24は線状をなしていなくてもよく、例えば所定の径の貫通孔とすることも可能である。
また、レーザースクライブ法とメカニカルスクライブ法による加工を組み合わせてもよい。例えば、第一実施形態及び第二実施形態において、凹部20をレーザースクライブ法で形成し、狭幅貫通部22をメカニカルスクライブ法で形成してもよく、逆に、凹部20をメカニカルスクライブ法で形成し、狭幅貫通部22をレーザースクライブ法で形成してもよい。(図1及び図4参照)
また、加工対象である積層体30の具体例としては、上述の第五実施形態における太陽電池1の他、例えば回路基板、半導体ウェハ、セラミック基板、ガラス基板、金属基板、絶縁物により表面コートされた金属基板を挙げることができる。
第一実施形態に係る積層体の加工方法の一連の工程を示す端面図である。 レーザースクライブ法による積層体の加工方法を示す模式図である。 図3の(a)は、第一実施形態に係る積層体の加工方法によって切り出された積層体の部分領域の斜視図であり、図3の(b)は、図3の(a)に示す積層体の断面図である。 第二実施形態に係る積層体の加工方法の一連の工程を示す端面図である。 メカニカルスクライブ法による積層体の加工方法を示す模式図である。 メカニカルスクライブ法で使用される砥石の断面図である。 第三実施形態に係る積層体の加工方法の一連の工程を示す端面図である。 第四実施形態に係る積層体の加工方法の一連の工程を示す端面図である。 第五実施形態に係る積層体の断面図である。
符号の説明
12…導体層、14…非導体層、14y…段差部、16…導体層、20…凹部、20a…第一側面、22…狭幅貫通部、22a…第二側面、24…貫通部。

Claims (2)

  1. 一対の導体層と、前記一対の導体層の間に設けられた非導体層と、を有する積層体に対して表裏を貫通する貫通部を形成する積層体の加工方法であって、
    前記貫通部を形成する側面に、前記一対の導体層の一方の表面から前記非導体層内まで伸びる第一側面と、前記一対の導体層の他方の表面から前記非導体層内まで伸び、かつ、前記第一側面から前記積層体の積層方向と垂直な方向に離間した第二側面と、前記第一側面と前記第二側面とを接続する段差部と、が形成されるように線状に前記貫通部を形成することにより前記積層体に切り込みを入れ、
    前記貫通部を形成する工程は、
    レーザースクライブ法によって、前記一対の導体層の一方の表面から前記非導体層内まで達する深さの凹部を形成する凹部形成工程と、
    レーザースクライブ法によって、前記非導体層の前記凹部の底面から前記一対の導体層の他方の表面にまで貫通し、前記凹部より前記積層体の積層方向と垂直な方向の幅が狭い狭幅貫通部を形成する狭幅貫通部形成工程と、を有し、
    前記凹部形成工程は、
    前記積層体に線状にレーザー光を走査することにより、前記凹部よりも狭幅な狭幅凹部を形成する工程と、
    前記積層体の前記狭幅凹部に隣接する領域にレーザー光を走査して前記狭幅凹部の幅を広げることにより、前記凹部を形成する工程と、を有する積層体の加工方法。
  2. 前記貫通部を形成する工程は、前記狭幅貫通部形成工程よりも前に前記凹部内に樹脂を充填して樹脂部を形成する樹脂部形成工程をさらに有し、
    前記狭幅貫通部形成工程においては、前記樹脂部を貫通すると共に、前記非導体層の前記凹部の底面から前記一対の導体層の他方の表面にまで貫通し、前記凹部より前記積層体の積層方向と垂直な方向の幅が狭い前記狭幅貫通部を形成する請求項1に記載の積層体の加工方法。
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