JP4720604B2 - 印字装置 - Google Patents
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このようなハーフカット、フルカットを可能とすることにより、端正に切断されたラベルを簡単に多数作成することが可能となっている。
この連結カットで切断した場合には、基材部分は完全に切断されているため、端正に切断されたラベルを使用することが可能である。そして、接着層を介して基材が接着されている剥離シートの一部分は、切断されずに残っているので、ラベルが一枚一枚バラバラになることはない。即ち、上述のラベルの取り扱いに関する不具合を解消することができる。
また、ハーフカット専用の切断機構、フルカット専用の切断機構は、いずれも複雑な機構で構成されているので、部品点数の増加等に基づいて、印字装置自体が高価格化してしまうという問題点も生じてしまう。
連結カットの利点が発揮されるラベルを大量に作成する場合において、特許文献1に係る印字装置を用いると、1回の連結カットに多くの時間を要することになるため、所望の枚数のラベルを作成するのに、多大な時間を要することになる。このように、ラベルの作成に多くの時間が必要となる事態は、ユーザにとって望ましいものではなく、連結カットの利点を大きく損なう結果となってしまう。
ここで、切断手段を構成する受け部材には、切断刃が当接される当接面と、当接面表面に対して剥離シートの厚み分退避した退避面が、被記録媒体の幅方向に列設されている。従って、切断刃が被記録媒体を押し切るように移動すると、被記録媒体は、当接面、退避面に当接することになるが、被記録媒体の退避面に対応する部分は、当接面に対応する部分に比べ、退避面側に逃げるように移動する。
この結果、被記録媒体の当接面に対応する部分は基材、剥離シートの何れも切断されるが、退避面に対応する部分は基材のみが切断され、剥離シートは切断されずに残存する。即ち、簡易な構成の一の切断手段により、当該退避面に対応する部分の剥離シート部分で連結された連結カットを被記録媒体に施すことができる。また、当該切断手段は、切断刃の押し切り動作という一の動作で連結カットを行うことができるので、切断に要する時間を短縮することができる。
更に、当該切断手段による切断によって、被記録媒体の基材部分は幅方向にわたって切断されているので、連結カットを施した場合でも基材部分を剥離シートから剥がすことにより、端正に切断された基材を提供することができる。
ここで、図1に示すように、ラベルプリンタ1は本体筐体2を有しており、本体筐体2の内部には、後述する内部ユニット20が配設されている。そして、本体筐体2の上面には、開閉蓋3が開閉可能に設けられている。開閉蓋3は、図1中、本体筐体2の右端部にて回動可能に軸支されており、バネ等の付勢部材を介して常時開放方向に付勢されている。そして、本体筐体2上面側部には、開閉ボタン4が配設されている。この開閉ボタン4が押下されると、開閉蓋3と本体筐体2とのロックが解除されるので、開閉蓋3は、付勢部材の作用により開放される。
即ち、ユーザは、カセット収納部6にテープカセット7を装着した状態であっても、透視窓5を介してテープ特定表示部8を視認することで、テープカセット7の種類等を容易に把握することができる。
この内部ユニット20は、基本的に、テープカセット7を収納するカセット収納部6と、テープ9に印字を行う印字機構21と、印字機構21により印字されたテープ9を切断する切断機構15と、当該切断機構15で切断されたテープ9を本体筐体2外部へ排出する排出機構35から構成されている。
尚、カセット収納部6には、テープ排出口11から排出されるテープ9の幅方向の向きがラベルプリンタ1底面に対して垂直方向となるように、テープカセット7が収納される。
印字機構21において、サーマルヘッド23は、カセット収納部6に立設されたヘッド取付部24に配置されている。このサーマルヘッド23には、複数の発熱素子が列設されている。この点、後述する制御回路部61により、サーマルヘッド23に列設された各発熱素子の発熱制御を行うことで、テープ9に対する文字等の印字を可能としている。
又、係るローラホルダ25には、プラテンローラ26、テープ圧接ローラ28が夫々回転可能に配設されている。図2に示すように、ローラホルダ25が印字位置に切り換えられると、ローラホルダ25に配設されているプラテンローラ26は、サーマルヘッド23に圧接される。
この時、テープ圧接ローラ28は、カセット収納部6のテープ排出口11近傍に位置するテープ送りローラ27に対して圧接される。
テープ送りローラ27は、テープカセット7に配設されているので、カセット収納部6にテープカセット7を装着し、ローラホルダ25を印字位置に切り換えた場合に、テープ圧接ローラ28に当接する。
そして、このテープカセット7の前部には、サーマルヘッド23が嵌め込まれる嵌合部162が形成されている。この嵌合部162の一部は、前方に向かって開口され、透明テープ150に印字を施す印字処理部163を構成している。
更に、嵌合部162に隣り合う左側前部には、筒状のテープ送りローラ27が回転可能に設けられている。
そして、離型紙リール159には、透明な第1粘着剤層151、基材152、第2粘着剤層153、剥離紙154からなる離型紙テープ156が巻回されている。離型紙テープ156は、印字処理が実行されると、搬送用モータ72の駆動に従って、離型紙リール159からテープ送りローラ27に向かって引き出される。
インクリボンリール161には、透明テープ150に対して、熱転写可能なインクが塗布されたインクリボン164が巻回されている。インクリボンリール161に巻回されたインクリボン164の一端は、透明テープリール158と離型紙リール159との間の中央部に回転可能に配設された巻取ローラ160に取り付けられている。
印字処理が実行されると、搬送用モータ72の駆動に伴い、巻取ローラ160が回転駆動するので、インクリボンリール161から引き出されたインクリボン164は、印字処理部163を介して、巻取ローラ160によって巻き取られる。
この時、上述したように、プラテンローラ26は、サーマルヘッド23を押圧するので、インクリボン164、透明テープ150は相互に密着しつつ、サーマルヘッド23に圧接される。この状態において、サーマルヘッド23の発熱素子の発熱態様を制御すると、インクリボン164のインクが透明テープ150に熱転写されるので、透明テープ150には、PCから受信した印字データに応じた文字や図形などの印字が施される。
図5に示すように、切断機構15は、カット刃30が固設されたカッタホルダ部材31と、印字機構21に固設された受け部材32と、切断機構15の駆動源であるカッターモータ74と、当該カッターモータ74の駆動力をカッタホルダ部材31に伝達するギア列34により構成されている。
そして、印字機構21には、カッタホルダ部材31が、当該受け部33の下方を軸として回動自在に配設されている。カッタホルダ部材31には、カット刃30が上記受け部33に対向するように配設されている。又、カット刃30の刃渡りは、テープ9の幅方向寸法よりも長く、後述するように、カッタホルダ部材31を回動することにより、テープ9を幅方向に切断可能に構成されている。
ここで、印字機構21の側面において、カッタホルダ部材31の下端は、受け部材32下方に配設されたギア列34に接続されている。このギア列34は、印字機構21の下方に配設されているカッターモータ74(図示せず)の駆動力をカッタホルダ部材31に伝達する。従って、カッターモータ74を駆動することにより、ギア列34を介して、カット刃30先端が受け部33表面に当接するまで、カッタホルダ部材31を回動させることができる。
従って、カッターモータ74を駆動し、カッタホルダ部材31を受け部33に向かって回動させた場合、カット刃30先端は、当接面33Aにおいて受け部33と当接する。この時、カット刃30先端と退避面33Bとの間には、所定寸法分の空間が存在することになるので、カット刃30先端が、退避面33Bに当接することはない。
上述したように、印字機構21により印字が施されたテープ9は、搬送用モータ72の駆動に基づいて、切断機構15に搬送される。このとき、テープ9は、プラテンローラ26、テープ送りローラ27、テープ圧接ローラ28により押圧挟持されているので、常に所定の高さで、受け部33とカット刃30の間を搬送される。また、テープ9は、図3からわかるように、カット刃30側にラベル155、受け部33側に剥離紙154が面する状態で搬送される(図7(A)参照)。
更に、カッタホルダ部材31を受け部33側に回動すると、テープ9は、剥離紙154表面全体が受け部33に当接する状態になる。即ち、テープ9下部の剥離紙154は、退避面33Bに当接することになり、テープ9上部の剥離紙154は、当接面33Aに当接することになる(図7(B)参照)。
このとき、カッタホルダ部材31の回動に伴い、テープ9下部は、剥離紙154表面が退避面33Bに当接する状態になっている。この点、受け部33には、当接面33Aと退避面33Bとの間に、剥離紙154の厚み寸法と同じ寸法の段差が形成されているので、テープ9下部にあたる剥離紙154は、当接面33A表面に比して、退避面33B側に位置することになる。
そして、カッタホルダ部材31に配設されているカット刃30は、当接面33A表面よりカッタホルダ部材31側にあるテープ9を切断するので、テープ9下部にあたる剥離紙154部分は切断されずに残存し、テープ9下部にあたるラベル155部分のみが切断されることになる。
図2に示すように、プラテンローラ26、テープ送りローラ27、テープ送りローラ27により搬送されたテープ9は、切断機構15を介して、排出機構35へと搬送される。
ここで、排出機構35は、ガイド部50に夫々配設された排出駆動ローラ51、排出押圧ローラ52と、排出用モータ78を備えている。排出駆動ローラ51は、ガイド部50内に、テープ9の搬送径路に沿って配設されており、排出用モータ78の駆動に基づいて、回転可能に配設されている。そして、排出押圧ローラ52は、排出駆動ローラ51に対向するガイド部50において、テープ9を排出駆動ローラ51に対して押圧可能に配設され、排出駆動ローラ51の回転駆動に従動して回転可能に形成されている。
従って、上記切断機構15により連結カットが施されたテープ9に対しては、排出駆動ローラ51、排出押圧ローラ52は、剥離紙154、ラベル155が完全に分離切断されている部分にあたる高さにおいて、当該テープ9を挟持しつつ回転駆動することになる(図8(B)参照)。
図9に示すように、ラベルプリンタ1の制御回路部61は、CPU62、CGROM63、ROM64、EEPROM65、RAM66、入出力インターフェース67、及び通信用インターフェース68等を備えている。また、CPU62、CGROM63、ROM64、EEPROM65、RAM66、入出力インターフェース67、通信用インターフェース68は、バス線により相互に接続されて、相互にデータの送受信が行われる。
そして、RAM66は、CPU62により演算された各種の演算結果を一時的に記憶させておくためのものであり、印字バッファ66A、カットデータ記憶領域66B等の各種の記憶領域が設けられている。ここで、印字バッファ66Aには、PC100から受信した印字データに基づいて、複数の文字や記号等の印字用ドットパターンや各ドットの形成エネルギ量である印加パルス数等がドットパターンデータとして格納され、サーマルヘッド23はかかる印字バッファ66Aに記憶されているドットパターンデータに従ってドット印字を行う。
又、カットデータ記憶領域66Bには、テープ9の切断態様を示すカットデータが記憶される。このカットデータには、所望のラベルの全長より定まるカット位置、連結カット又はフルカットを示す切断態様が規定されている。従って、CPU62が上記カットデータを参照しつつ、後述のプログラムを実行することにより、テープ9を所望の切断態様で切断することが可能となる。
タイマ90は、後述するフルカット処理プログラムを実行する際に用いられる。具体的には、タイマ90は、搬送用モータ72を停止した状態で、排出用モータ78の駆動を開始した時点からの経過時間を計時する。
そして、通信用インターフェース68は、例えば、USB(Universal Serial Bus)等から構成され、外部のコンピュータ装置(例えば、PC100)とUSBケーブル等によって接続され、双方向データ通信が可能になっている。従って、ユーザは、PC100を用いて、所望のラベルにかかる印字データ、カットデータを作成し、これらをラベルプリンタ1に送信することができる。そして、ラベルプリンタ1では、受信した印字データ、カットデータに基づいて、後述の制御プログラムを実行することができる。
尚、本実施形態においては、PC100からラベルプリンタ1への印字データの際に、常に当該印字データにかかるカットデータも送信されるものとする。
尚、このメイン処理プログラムに係る説明に際し、ラベルプリンタ1は、PC100に接続されており、電源が投入されているものとする。
そして、当該印字データに基づく印字を終了すると、CPU62は、S3に処理を移行する。
そして、テープ9に連結カットを施した後、CPU62は、カッタホルダ部材31を初期位置に戻し、S5に処理を移行する。
フルカット処理(S6)に移行すると、CPU62は、搬送用モータ72の駆動停止状態を維持し(S11)、その上で、排出用モータ78の駆動を開始する(S12)。排出用モータ78の駆動開始と同時に、CPU62は、タイマ90による計時を開始する。
そして、S13に移行すると、CPU62は、タイマ90の計時結果を参照し、排出用モータ78の駆動開始(S12)から所定時間(例えば、数秒)経過したか否かについての判断を行う。排出用モータ78の駆動開始から所定時間経過している場合には(S13:YES)、CPU62は、フルカット処理プログラムを終了する。
一方、排出用モータ78の駆動開始から所定時間を経過していない場合(S13:NO)、CPU62は、S12に処理を戻す。この場合、所定時間が経過するまで、搬送用モータ72の駆動は停止したままで、排出用モータ78の駆動が継続される。
フルカット処理(S6)に移行した時点においては、搬送用モータ72、排出用モータ78の何れもその駆動を停止した状態にある。
そして、テープ9は、搬送用モータ72の駆動に伴い回転駆動するプラテンローラ26、テープ送りローラ27近傍において、サーマルヘッド23、テープ圧接ローラ28に押圧挟持されている。従って、搬送用モータ72の駆動を停止した状態を維持することにより(S11)、テープ9のテープ送りローラ27等により押圧挟持されている部分は搬送径路上に固定される。
一方、排出機構35内においては、テープ9は、排出駆動ローラ51と、排出押圧ローラ52に押圧挟持されている。ここで、S12において、排出用モータ78を駆動すると、排出駆動ローラ51が回転駆動する。即ち、排出機構35は、当該排出機構35内のテープ9を本体筐体2外部へ排出するように駆動するので、排出駆動ローラ51、排出押圧ローラ52により押圧挟持されている部分のテープ9には、テープ排出方向に力が加わることになる。
そして、本実施形態にかかる連結カットは、テープ9下部にあたる剥離紙154のみが切断されずに連結しているので、フルカット処理(S6)によりテープ9にかかる力は、テープ9下部にあたる剥離紙154をテープ9の幅方向に引き裂くように作用する。従って、搬送用モータ72の駆動を停止しつつ、所定時間の間、排出用モータ78を駆動することにより(S13)、連結カットの連結部分であるテープ9下部の剥離紙154を引き裂くことができる。
つまり、切断面に対して搬送方向下流側のテープ9と搬送方向上流側のテープ9の連結部分を引き裂くことにより、切断面を基準として搬送方向下流側のテープ9を完全に分離することができ、所謂フルカットをテープ9に施すことができる。
また、当該切断機構15は、カッタホルダ部材31の回動動作という一の動作で連結カットを行うことができるので、切断に要する時間を短縮することができる。
更に、当該切断機構15による切断によって、テープ9のラベル155は幅方向にわたって切断されているので、連結カットを施した場合でもラベル155部分を剥離紙154から剥がすことにより、端正に切断されたラベル155をユーザに提供することができる。
又、排出機構35を構成する排出駆動ローラ51、排出押圧ローラ52は、何れも当接面33Aに対応する位置でテープ9を押圧挟持するように構成されている。即ち、連結カットを施した際に、剥離紙154、ラベル155が完全に分離されている部分に排出用モータ78の駆動による力を加える。
この時、加えられた力は、連結カットの連結部分である退避面33Bに対応する剥離紙154に作用することになるので、テープ9に対して、容易にフルカットを施すことができる。
例えば、本実施形態においては、当接面33Aと退避面33Bとの間の段差を、剥離紙154の厚みを同じ寸法となるように構成したが、剥離紙154の厚みよりも小さな寸法で段差を構成しても良い。
この場合、連結カットの連結部分を構成する剥離紙154に対しても、テープ9の幅方向に切れ目が形成されることになるので、フルカット処理(S6)によるテープ9の分離を円滑且つ端正に行うことができる。そして、剥離紙154として、テープ9の幅方向に容易に引き裂くことのできる素材(例えば、直線引裂性フィルム等)を採用することが望ましい。
又、本実施形態においては、フルカット処理(S6)において、搬送用モータ72の駆動を停止しつつ、排出用モータを駆動するように構成していたが、連結カットの連結部分である剥離紙154に引き裂くように力が作用するような構成であれば、他の態様も可能である。例えば、搬送用モータ72を逆方向に駆動するように構成しても良いし、排出用モータ78による駆動に比して、搬送用モータ72を非常にゆっくり駆動させるように構成することも可能である。
9 テープ
15 切断機構
23 サーマルヘッド
26 プラテンローラ
27 テープ送りローラ
28 テープ圧接ローラ
30 カット刃
31 カッタホルダ部材
32 受け部材
33 受け部
33A 当接面
33B 退避面
35 排出機構
51 排出駆動ローラ
52 排出押圧ローラ
62 CPU
64 ROM
72 搬送用モータ
74 カッターモータ
78 排出用モータ
154 剥離紙
155 ラベル
Claims (3)
- 接着層を介して基材と剥離シートが積層された長尺状の被記録媒体に所望の印字を行う印字手段と、
前記被記録媒体を幅方向に押し切る切断刃と、前記切断刃先端に対向して配置される受け部材とを有する切断手段と、
前記被記録媒体を搬送する搬送手段と、を備える印字装置において、
前記受け部材には、
前記切断刃が当接される当接面と、前記当接面表面に対して剥離シートの厚み分退避した退避面が、被記録媒体の幅方向に列設されることを特徴とする印字装置。 - 請求項1に記載の印字装置において、
被記録媒体を前記切断手段へと搬送する搬送手段と、
被記録媒体を印字装置外部へと排出する排出手段と、
前記搬送手段による被記録媒体の搬送を停止すると共に、前記排出手段による被記録媒体の排出を実行する被記録媒体分離状態に前記搬送手段及び排出手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする印字装置。 - 請求項2に記載の印字装置において、
前記排出手段は、
被記録媒体に圧接すると共に、回転駆動可能な排出ローラを有し、
排出ローラは、
前記受け部材の当接面に対応する位置で、被記録媒体に圧接されることを特徴とする印字装置。
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