JP4720176B2 - 電極触媒層の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電極触媒層の製造方法に関する。本発明の電極触媒層は、電気自動車等のモータ駆動用電源としての二次電池に、好適に用いられる。
近年、環境保護運動の高まりを背景として、電気自動車(EV)、ハイブリット自動車(HEV)、燃料電池車(FCV)の導入が強く所望されており、これらのモータ駆動用電池の開発が行われている。これらのモータ駆動用電池としては、繰り返し充電可能な二次電池の使用が検討されている。EV、HEV、FCVは、高出力および高エネルギー密度を必要とするため、単一の大型電池で対応することは、事実上不可能である。そこで、直列に接続された複数個の電池からなる組電池を使用することが一般的である。このような組電池を構成する一個の電池としては、薄型ラミネート電池が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
一般的に、正極や負極は、集電体に、正極活物質または負極活物質を含む塗液を塗布することによって作製される。その際には、ロール型塗工機などの各種塗工機が用いられるが、塗工機を用いて塗布する際に生じる塗布ムラによって、電池の品質が低下する。具体的には、電池の放熱性が不均一になり、電池が部分的に劣化する問題がある。また、部分的に厚さが異なる電池は、電池に加えられる振動により共振しやすく、基材の亀裂や切断が生じやすい問題がある。特に、車両に適用される電池は、10年以上もの長期間に渡って電池特性が持続することが求められる。
電極の塗布ムラを減少させる手段としては、例えば、塗液の粘度を制御する手段が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、従来の塗工機を用いて電極構成物質を含む液体を塗布する場合、一定以上に塗膜を均一化することは困難である。例えば、間欠塗工を行なうと、電極構成物質の部分溜りが発生し、膜厚が部分的に厚くなりやすい。
また、車両など、高出力が求められる用途に電池を適用する場合には、電極の厚さを薄くして、多数の電池を直列に接続する必要がある。しかしながら、従来の塗工機を用いて、極端に薄い電極を作製することは困難であった。
特開2003−151526号公報 特開2002−164043号公報
本発明者らは、薄く、かつ膜厚の均一性が高い電極を提供する方法として、インクジェット方式を用いる方法を創作した。活物質、導電剤、バインダーといった電極触媒層(以下、単に「触媒層」とも記載)の構成物質を含むインクをインクジェット方式で噴出させて触媒層を形成する方式を採用すれば、均一かつ薄い触媒層を製造することが可能である。しかしながら、インクジェット方式の機構上、通常、100cP以下といった低濃度のインクを用いる必要がある。粘度を低下させるためには溶剤を大量に用いればよいが、溶剤の割合が高いインクを用いる場合、作業性が低下する。つまり、溶剤の揮発に時間がかかり、また、十分な量の構成物質を含む触媒層を作製するためにはインクを多量に重ね塗りしなくてはならない。さらに、溶剤の割合が高いインクを用いる場合、溶剤の材料コストが増加する問題もある。
そこで、本発明の目的は、インクジェット方式を用いて触媒層を作製する際の、作業性および材料コストを改善する手段を提供することである。
活物質および導電剤を含む第一インクを、インクジェット方式で噴出する段階と、バインダーを含む第二インクを、インクジェット方式で噴出する段階とを有する電極触媒層の製造方法である。
活物質および導電剤を含むインクと、バインダーを含むインクとを別々に噴出させる方式を用いることによって、高濃度のインクを用いることが可能となる。このため、インクジェット方式を用いて触媒層を作製する際の、作業性および材料コストが改善される。
まず、インクジェット方式を用いて作製された触媒層、およびインクジェット方式の利点について説明する。
図1は、インクジェット方式を用いて形成された電極の一実施形態の模式図である。図1は、インクジェット方式を用いて形成された触媒層102が、集電体104上に積層されてなる電極である。なお、図1は、発明の理解のために誇張されている。例えば、インクジェット方式によって噴出された粒子が付着することによって触媒層102が形成されたことを示すために、触媒層102が多数の粒子から構成されているかのように図示されているが、触媒層102は、肉眼で見た場合には1つの層として確認されうる。電極は、外装材中に封止され、正極タブおよび負極タブが外装材の外部に引き出される。集電体104上に触媒層102を積層させる際には、タブを集電体104に接合させるために、集電体104上には、触媒層102が積層されない部分106(以下、「未塗布部分」とも記載)が設けられてもよい。未塗布部分は、タブの接合以外の目的で存在していてもよいが、未塗布部分が多くなると、電池のエネルギー密度の低下を招来する。このため、タブが接合される部分以外には、極力未塗布部分を設けないことが好ましい。ただし、製造上、不可避的に生じる未塗布部分が生じることを禁止する趣旨ではない。
従来は、触媒層を形成するためには、ロール型塗布機などのコーターが用いられていた。しかしながら、従来知られているコーターを用いて、非常に薄く、かつ均一性の高い触媒層を形成することは不可能であった。薄さについて説明すれば、塗布機によって触媒層を形成する際には、形成される塗膜にある程度の厚みがないと、膜が形成されない部分が生じてしまう。均一性について説明すれば、塗布機によって触媒層を形成する際には、塗膜の端部において、膜厚が厚くなる傾向がある。つまり、塗膜が形成される部位と塗膜が形成されない部位との界面において、塗膜が厚くなる傾向がある。
触媒層の薄型化および均一化という従来達成できなかった課題は、インクジェット方式を採用することによって解決可能である。インクジェット方式とは、液体のインクをノズルから噴出させて、インクを対象物に付着させる印刷方式を意味する。インクジェット方式は、インクを噴出させる方式によって、ピエゾ方式、サーマルインクジェット方式、バブルジェット(登録商標)方式に分類される。
ピエゾ方式は、インクを溜めるインク室の底に配置された、電流が流れることによって変形するピエゾ素子の変形によって、インクをノズルから噴出させる方式である。サーマルインクジェット方式は、発熱ヒーターによって、インクを加熱し、インクが気化する際の水蒸気爆発のエネルギーでインクを噴出させる方式である。バブルジェット(登録商標)方式も、サーマルインクジェット方式と同様、インクが気化する際の水蒸気爆発のエネルギーでインクを噴出させる方式である。サーマルインクジェット方式とバブルジェット(登録商標)方式とは、加熱する部位が異なるが、基本的な原理は同じである。
インクジェット方式を用いて触媒層を作製する場合、以下のような効果が得られる。第1に、触媒層の膜厚が、非常に均一となる。このため、電極面からの発熱が均一になり、局所的な劣化が抑制される。
第2に、インクジェット方式で作製された触媒層を有する電池は、振動に対する耐久性が高い。振動に対する耐久性が高いため、本発明の製造方法により製造された触媒層を有する電池は、振動が加えられやすい用途、例えば、車両に好適に適用されうる。振動に対する耐久性は、膜の均一性およびインクジェット方式で作製される触媒層のミクロ構造に起因していると推測される。膜の均一性が高いと、厚さの分布に起因する共振が減少されうる。また、図2に示すように、インクジェット方式で作製される触媒層は、付着した電極インクによって形成された多数のドット202から構成される。ドット202は、隣接するドット202との界面において、表面張力で接合した構造になる。かようなミクロ構造は、ドット202がマス、表面張力で接合する部分204がバネとして作用し、「マスバネモデル」として図示されたような作用を有する。振動に対する耐久性は、図示したマスバネモデルのような作用により、もたらされていると推測される。ただし、本発明の技術的範囲は、請求項に基づいて決定されるべきである。振動に対する耐久性を増加させるメカニズムが異なる場合であっても、それにより本発明の技術的範囲外になるものではない。
第3に、触媒層が薄いと、電池のエネルギー密度が向上する。車両用電源など、高出力を必要とする用途に電池を適用する場合には、電池を多数接続させた組電池を構成する。電池が大きいと、一定の出力の組電池も大きくなる。薄い触媒層は、組電池の小型化に大きく貢献する。車両に関して言えば、車両の有する体積は限られており、また、組電池の軽量化は車両の燃費向上にも影響を与える。このため、組電池の小型化は、車両用電源として用いられる場合に特に有益である。
触媒層は、活物質、導電剤、およびバインダーを含むため、インクジェット方式を用いて触媒層を製造する際には、活物質、導電剤、およびバインダーを、インクジェット方式で噴出させる必要がある。本発明においては、活物質、導電剤、およびバインダーの全てを含むインクを用いるのではなく、活物質および導電剤を含む第一インクと、バインダーを含む第二インクとを準備し、それぞれを別々のノズルを通じて噴出させることによって、高濃度のインクの使用を可能にし、作業性を向上させ、材料コストを低減する。
本発明によってもたらされるこの効果について、図3〜図6を参照して説明する。図3は、活物質、導電剤、およびバインダーが溶剤中に含まれるインクの概念図である。図4は、溶剤の割合が高い、活物質、導電剤、およびバインダーを含むインクの概念図である。図5は、活物質および導電剤が溶剤中に含まれるインクの概念図である。図6は、バインダーが溶剤中に含まれるインクの概念図である。
図3に示すように、溶剤中に、活物質302、導電剤304、およびバインダー306の全てが含まれるインクを用いる場合、バインダー306が活物質302や導電剤304と絡まり、インクの粘度が高くなってしまう。インクジェット方式でインクを噴出させる場合、インクの粘度が高いとノズルが詰まる問題があるため、低粘度のインクを用いることが好ましい。粘度を低下させるためには、図4に示すように、溶剤の割合を増加させて、活物質302、導電剤304、およびバインダー306の濃度を低下させればよい。しかし、この場合、前述のように、溶剤の割合が高いインクを用いる場合、作業性および材料コストについて改善の余地がある。
本発明では、活物質302および導電剤304を含み、バインダーを含まない第一インク(図5)、およびバインダー306を含み、活物質および導電剤を含まない第二インク(図6)を準備する。そして、各インクをインクジェット方式で噴出させて触媒層を形成する。概念としては、インクジェットプリンタを用いて、2色のインクでカラーイメージを形成する態様に類似する。図5および図6のように、第一インクと第二インクとを別々に準備する場合、活物質、導電剤、バインダーの濃度が高くても、粘度を比較的低く保つことが可能であるため、高濃度のインクを用いることが可能となる。その結果、一回の噴出で供給される活物質、導電剤、バインダーの量が増加し、触媒層を形成するために必要なインクの噴出回数が少なくなる。つまり、作業効率が向上する。また、使用する溶剤量が少ないため、材料コストの削減も可能である。
本発明によってもたらされうる他の効果としては、電池性能の向上が挙げられる。活物質とバインダーとを予めインク中で混合しておく場合、バインダーが活物質の表面を部分的に被覆してしまい、活物質の実効表面積が減少してしまう虞がある。バインダーを含む第二インクを別途供給する方式を用いる場合、バインダーによる活物質の被覆を最小限に抑えることが可能であり、活物質の有効活用による電池特性の向上が図れる。
続いて、本発明の製造方法について、工程順に詳細に説明する。
まず、触媒層を形成する基材を準備する。基材は、電池において触媒層に隣接する部材、例えば、集電体や高分子電解質膜が用いられる。集電体の一般的な厚みは、5〜20μmである。ただし、この範囲を外れる厚さの集電体を用いてもよい。
基材にインクジェット方式により電極インクを噴出するが、それに先立ち、正極インク、または負極インクを準備する。正極触媒層および負極触媒層の双方をインクジェット方式で製造する場合には、正極インクおよび負極インクの双方を準備する。高分子電解質膜もインクジェット方式によって作製する場合には、電解質インクも準備する。
正極用第一インクに含有される成分としては、正極活物質、導電剤、分散剤、および溶剤が挙げられる。正極第一インク中には、少なくとも正極活物質が含有される。これらの触媒層構成材料は、特に限定されない。例えば、電極がリチウム電池用の電極である場合には、正極活物質としては、LiMnなどのLi−Mn系複合酸化物やLiNiOなどのLi−Ni系複合酸化物が挙げられる。場合によっては、2種以上の正極活物質が併用されてもよい。導電剤としては、カーボンブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、グラファイトなどが挙げられる。正極活物質および導電剤の凝集を防止するために、分散剤が用いられてもよい。分散剤としては、ポリオキシステアリルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ヒドロキシアキルモノエタノールアミンなどの、分散作用を有する化合物が用いられうる。これらの成分は、溶剤中に加えられ十分に撹拌される。溶剤は、特に限定されないが、例えば、N−メチルピロリドン(NMP)、アセトニトリルが挙げられる。
正極用第二インクに含有される成分としては、バインダーおよび溶剤が挙げられる。バインダーの種類は、特に限定されないが、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレン(HFP)の複合体などが挙げられる。溶剤としては、第一インクと同様、特に限定されないが、例えば、N−メチルピロリドン(NMP)、アセトニトリルが挙げられる。
各正極インク中に含有される成分の配合比は、特に限定されない。ただし、正極インクの粘度は、インクジェット方式が適用できる程度に低くあるべきである。その一方、作業効率を向上させる観点からは、含有成分の濃度は高いほど好ましい。粘度を低く保つ方法としては、インクの温度を上昇させる方法が挙げられる。含まれる化合物を、粘度が低くなるように改良してもよい。
負極用第一インクに含有される成分としては、負極活物質、導電剤、分散剤、および溶剤が挙げられる。負極第一インク中には、少なくとも負極活物質が含有される。これらの触媒層構成材料は、特に限定されない。例えば、電極がリチウム電池用の電極である場合には、負極活物質としては、結晶性炭素材や非結晶性炭素材が挙げられる。具体的には、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、活性炭、カーボンファイバー、コークス、ソフトカーボン、ハードカーボンなどが挙げられる。場合によっては、2種以上の負極活物質が併用されてもよい。導電剤としては、カーボンブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、グラファイトなどが挙げられる。負極活物質および導電剤の凝集を防止するために、分散剤が用いられてもよい。分散剤としては、ポリオキシステアリルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ヒドロキシアキルモノエタノールアミンなどの、分散作用を有する化合物が用いられうる。これらの成分は、溶剤中に加えられ十分に撹拌される。溶剤は、特に限定されないが、例えば、N−メチルピロリドン(NMP)、アセトニトリルが挙げられる。
負極用第二インクに含有される成分としては、バインダーおよび溶剤が挙げられる。バインダーの種類は、特に限定されないが、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレン(HFP)の複合体、スチレンブタジエンゴム(SBR)などが挙げられる。溶剤としては、第一インクと同様、特に限定されないが、例えば、N−メチルピロリドン(NMP)、アセトニトリルが挙げられる。
各負極インク中に含有される成分の配合比は、特に限定されない。ただし、負極インクの粘度は、インクジェット方式が適用できる程度に低くあることが好ましい。その一方、作業効率を向上させる観点からは、含有成分の濃度は高いほど好ましい。粘度を低く保つ方法としては、インクの温度を上昇させる方法が挙げられる。含まれる化合物を、粘度が低くなるように改良してもよい。
インクジェット装置に供給される各インクの粘度は、特に限定されないが、好ましくは10〜100cP程度である。
各インクを準備したら、インクジェット方式により、基材にインクを噴出させて、触媒層を形成する。本発明においては、電極インクとして、活物質および導電剤を含む第一インク、およびバインダーを含む第二インクを用いる。インクジェット装置のノズルから噴出されるインクの量は、非常に微量であり、しかも、略等体積の量を噴出させることが可能である。したがって、電極インクの付着によって形成される触媒層は、非常に薄く、かつ、均一である。また、インクジェット方式を用いれば、触媒層の厚さや形状が、精密に制御されうる。
インクジェット装置が採用するインク噴出機構は、ピエゾ方式、サーマルインクジェット方式、バブルジェット(登録商標)方式のいずれでもよい。触媒層を形成する際には、触媒層の形状を予め決定しておく。コンピュータ上において作成された像に基づいて、触媒層が形成されるようにしておくと、作業性に優れる。コンピュータを用いた触媒層の形状決定および触媒層の作製は、一般に広く知られている、コンピュータおよびプリンタを用いた画像作成およびプリントアウトの作業と同様に行うことが可能である。従って、この分野において発達した知見を援用できる点で、本発明は工業的生産の実現が、比較的容易であるといえる。
インクジェット装置より噴出される粒子の体積は、好ましくは、1〜100ピコリットルの範囲である。噴出される粒子の体積が少なすぎると、振動低減が不充分になる虞がある。一方、噴出される粒子の体積が多すぎても、振動低減が不充分になる虞がある。インクジェット装置を用いて噴出される粒子の体積は、略同一であり、製造される電極および電池は、非常に均一性が高い。
インクジェット方式による噴出回数は、触媒層の厚さおよび構成材料の比率に応じて決定されるとよい。1回の印刷では触媒層の厚さが不足する場合には、同一面に対して、2回以上印刷を繰り返せばよい。つまり、同じインクを、同一の基材に重ねて印刷する。それにより、所望の厚さを有する触媒層が形成される。インクジェット方式で触媒層を形成する場合には、形成される触媒層の均一性が非常に高いため、何回も積層させた場合であっても、高い均一性が維持されうる。
第一インクおよび第二インクの噴出の組み合わせに関しても特に限定されない。第一インクおよび第二インクを交互に噴出させてもよいし、第一インクおよび第二インクを同時に噴出させてもよい。また、構成材料の混合比を制御するために、第一インクの噴出回数と第二インクの噴出回数とを異なる回数にしてもよい。例えば、第一インクと第二インクとを2:1の割合で供給したい場合には、第二インクの噴出回数を第一インクの噴出回数の半分に制御すればよい。
触媒層が形成された後は、乾燥により溶剤が除去される。これにより電極が完成する。形成される触媒層の厚さは、特に限定されない。インクジェット方式を用いる場合、5〜15μmといった非常に薄い触媒層を作製することも可能である。
本発明の製法により作製された触媒層は、電池に用いられる。触媒層が配置される電極は正極であってもよいし、負極であってもよい。少なくとも正極および負極の一方が用いられていればよい。好ましくは、正極および負極の双方が、本発明の製法により作製された触媒層を有する。
一般的な電池においては、正極、電解質、負極がこの順序に配置され、これらが外装材中に封止される。正極および負極は、集電体の表面に触媒層が配置された構造を有する。電解質は、固体であっても液体であってもよい。また、外装材についても、特に限定されない。車両への適用を考えると、電解質は、好ましくはゲルまたは固体である。また、電池は、好ましくはリチウム二次電池である。
電池は、直列に、並列に、または直列と並列とを組み合わせて接続されて、組電池を構成してもよい。例えば、組電池は、外装ケース中に載置され、外装ケースからは、端子が引き出され、他の装置との接続に用いられる。組電池は、さらに、直列に、並列に、または直列と並列とを組み合わせて接続されて、複合組電池を構成していてもよい。
組電池および複合組電池における電池の数および接続の仕方は、電池に求める出力および容量に応じて決定されるとよい。組電池または複合組電池を構成した場合、素電池と比較して、電池としての安定性が増す。組電池または複合組電池を構成することにより、1つのセルの劣化による電池全体への影響を低減しうる。
組電池または複合組電池は、好ましくは、車両に用いられうる。車両に搭載される組電池または複合組電池は、上記説明した特性を有する。このため、車両の耐久性が高まり、長期間に渡って使用した後であっても充分な出力を提供しうる。また、電池の占有体積が小さいため、車両空間が広がる。例えば、インクジェット方式で電極および高分子電解質を製造したバイポーラ電池が、形成されるとする。このとき、集電体の厚さが5μm、正極層の厚さが5μm、固体電解質層の厚さが5μm、負極層の厚さが5μmであり、1電池要素の厚さが20μmであるとする。これを100層積層し、420Vの出力のバイポーラ電池を製造したとすると、電池の体積0.5リットルで、出力25kW、70Whとなる。理論上、従来の電池に対し、1/10以下のサイズの電池で、同等の出力が取り出せる。
(実施例1)
1.第一インクの作製
正極活物質として粒径1μmのスピネルマンガン85g、導電剤として粒径50nmのカーボンブラック10g、分散剤としてポリオキシステアリルアミン5gを量り取り、溶剤としてNMPを加え分散させ、粘度が100cPになる様に調整した。このときに要したNMP量は140gであった。
2.第二インクの作製
バインダーとしてPVdF5gを量り取り、溶剤としてNMPを加え粘度が100cPになるように調整した。このときに要したNMP量は10gであった。
3.触媒層形成
正極活物質を含む第一インク、バインダーを含む第二インクを、インクジェット装置によってアルミニウム箔上に噴出させ、触媒層を形成した。規定の目付となるまでに51回の塗布を必要とした。結果を表1に示す。
(比較例1)
1.正極インクの作製
正極活物質として粒径1μmのスピネルマンガン80g、導電剤として粒径50nmのカーボンブラック10g、バインダーとしてPVdF5g、分散剤としてポリオキシステアリルアミン5gを量り取り、NMPを加え分散させ、粘度が100cPになる様に調整した。このときに要したNMP量は640gであった。
2.触媒層形成
作製された正極インクをインクジェット装置によってアルミニウム箔上に噴出させ、触媒層を形成した。規定の目付となるまでに167回の塗布を必要とした。結果を表1に示す。
比較例では正極インクの13%が固形分である。実施例では活物質を含む第一インクの40%が固形分であり、バインダーを含む第二インクの33%が固形分である。よって実施例は比較例に比べて固形分濃度が約3倍であり、その分、インクジェット方式による噴出回数を3分の1弱に減らす事ができた。また、溶剤使用量は4分の1弱になり、その分溶剤のコスト、乾燥のための時間、エネルギーを減らす事ができた。
以上のように、活物質および導電剤を含むインクとバインダーを含むインクとを別々に作製し、それぞれを噴出させることによって、溶剤使用量を抑え、吐出回数を減らすことができる。ひいては、安価で安定にインクジェット装置で触媒層を作製することができる。
本発明の製造方法によって得られた触媒層は、リチウム二次電池などの電池に用いられる。リチウム二次電池の好ましい用途としては、車両が挙げられる。
インクジェット方式を用いて形成された電極の一実施形態の模式図である。 インクジェット方式を用いて形成された電極のミクロ構造を説明するための模式図である。 活物質、導電剤、およびバインダーが溶剤中に含まれるインクの概念図である。 溶剤の割合が高い、活物質、導電剤、およびバインダーを含むインクの概念図である。 活物質および導電剤が溶剤中に含まれるインクの概念図である。 バインダーが溶剤中に含まれるインクの概念図である。
符号の説明
102…触媒層、104…集電体、106…触媒層が積層されない部分(未塗布部分)、202…ドット、204…表面張力で接合する部分、302…活物質、304…導電剤、306…バインダー。

Claims (2)

  1. 活物質および導電剤を含み、バインダーを含まない第一インクを、インクジェット方式で噴出する段階と、
    バインダーを含み、活物質および導電剤を含まない第二インクを、インクジェット方式で噴出する段階と、
    を有する電極触媒層の製造方法。
  2. 前記第一インクおよび前記第二インクは、集電体または高分子電解質膜に噴出される、請求項1に記載の電極触媒層の製造方法。
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