JP4720049B2 - パチンコ機用検出スイッチ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機に設置する検出スイッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通常のパチンコ機は、遊技盤の前面に、前面枠が片開き自在に設けられ、その前面枠の開放側の端縁と対向した遊技盤上方のミドル枠に、前面枠の開放状態を確認するための検出スイッチが組み込み設置される。また、遊技球タンクに、遊技球の貯留状態を確認するための検出スイッチが組み込み設置される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、パチンコ機が設置されるパチンコホールによっては、遊技球タンクに検出スイッチを設ける必要がない場合もある。同様に、パチンコホールによっては、前面枠の開放状態を確認するための検出スイッチを設ける必要がない場合もある。それゆえ、製造時に、すべてのパチンコ機に、遊技球タンクや前面枠に検出スイッチを別個に設けることは、きわめて不経済なことである。
【0004】
本発明の目的は、上記従来のパチンコ機における問題点を解消し、必要な場合に遊技球タンクや前面枠等の任意の位置に設置することができる着脱自在な検出スイッチを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる本発明は、突起体が出没自在に設けられており、その突起体が出没することによってON/OFFするスイッチ部材と、上端縁を中心として回動することによって前記突起体を出没させるスイッチング補助部材とを有するパチンコ機用検出スイッチであって、板状物に係止させるためのクリップが、着脱自在に設けられているとともに、そのクリップに、遊技球を前記スイッチング補助部材の前方へ導くための傾斜面が一体的に設けられていることを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るパチンコ機用検出スイッチ(以下、単に検出スイッチという)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0007】
図1〜図5は、検出スイッチを示したものであり、検出スイッチ1は、フレーム部材2、スイッチ部材3、スイッチング補助部材4、押止部材5、係止部材6とによって組み立て形成されている。
【0008】
フレーム部材2は、硬質の合成樹脂によって、中央部を開口した扁平な直方体状に一体成形されている。そして、左右の支持板7a,7bの上端際には、それぞれ、軸挿通孔8、軸挿通L字孔9が穿設されており、左右の支持板7a,7bを連結した上部フレーム10の略中央には、制限部材である平板状の制限突起11が、下方に突出するように設けられている。また、左側の支持板7aには、スイッチ固定部12が内側に突出するように設けられており、そのスイッチ固定部12の内側の鉛直面には、固定ピン13,13が上下に突設されている。さらに、左側の支持板7aの後端縁際には、固定片14が外向きに突出するように設けられている。加えて、左右の支持板7a,7bの略中央の部分には、それぞれ、表裏を貫通するようにネジ挿通孔15が穿設されている。
【0009】
スイッチ部材3は、スイッチ(図示せず)を内蔵したケース16が、硬質の合成樹脂によって縦長な直方体形状に形成されており、そのケース16の前面の中央より下側に、横長な突起体17が、バネ(図示せず)によって出没自在に突設されている。また、ケース16の前面の中央よりやや上側には、金属製のスイッチ板18が、上端の左右の折り返し部分を中心として、回動自在に枢着されている。そして、そのスイッチ板18の下端際が、ケース16に近づくように回動することによって、突起体17がケース16内に没入し、ケース16に内蔵されたスイッチがON状態からOFF状態に切り替わるようになっている。また、ケース16の後端際には、ケース16の左右両面を貫通するように、係止孔19,19が穿設されている。加えて、ケース16の上端面には、電源コードのコネクタ等を接続することができるようになっている。
【0010】
スイッチング補助部材4は、硬質の合成樹脂によって縦長な長方形状に形成されている。そして、上端の左右に、係止突起20,20が突設されており、裏面の下端際に、水平な押止板21が後方へ突出するように設けられている。
【0011】
押止部材5は、硬質の合成樹脂によって一体的に形成されている。そして、左端縁に、平滑な押止面22が設けられており、中央部分の右端縁際には、ネジ孔23が穿設されている。また、上端の右端縁には、規制突起24が前方へ突出するように設けられている。
【0012】
係止部材6は、硬質の合成樹脂によって一体的に形成されており、クリップ25と、誘導部26とが、左右に連設されている。クリップ25は、略逆U字状に屈曲した形状を有しており、後側の折り返し部分の下端際に、把持突起27および押止突起28が、それぞれ、内向きに突出するように、上下平行に設けられている。なお、把持突起27の上部は、傾斜状になっており、押止突起28の上部は、球面状になっている。また、クリップ25の前側の右端縁際には、係合突起29が外向きに突出するように設けられている。一方、誘導部26の左端縁には、傾斜面30が設けられており、後方から前方にかけて内側に傾斜した状態になっている。さらに、傾斜面30の内側の端縁の後方には、固定長孔31が鉛直に穿設されており、その固定長孔31と隣接するように、ネジ孔32が穿設されている。
【0013】
検出スイッチ1は、スイッチング補助部材4の上端の左右に設けられた係止突起20,20を、それぞれ、フレーム部材2の支持板7a,7bに設けられた軸挿通孔8、軸挿通L字孔9に挿通させ、スイッチ部材3のケース16の係止孔19,19に、フレーム部材2のスイッチ固定部12の固定ピン13,13を挿通させ、位置決めされたスイッチ部材3を押止部材5の押止面22によって固定するとともに、押止部材5の規制突起24を軸挿通L字孔9に挿入させ、その状態で、押止部材5のネジ孔23穿設部分とフレーム部材2の右側のネジ挿通孔15穿設部分とを螺着する一方、フレーム部材2の固定片14を係止部材6の固定長孔31に挿入させて、係止部材6のネジ孔32穿設部分とフレーム部材2の左側のネジ挿通孔15穿設部分とを螺着することによって、一体的に組み付けられている。かかる如く組み付けられた検出スイッチ1は、係止部材6のネジ孔32穿設部分とフレーム部材2の左側のネジ挿通孔15穿設部分とを螺着しているネジを取り外すだけで、容易に係止部材6を取り外すことができる。
【0014】
図5、図6は、検出スイッチ1を設置するパチンコ機を示したものであり、パチンコ機41は、各種の入賞装置等を設置した遊技盤33の前面に、前面枠34が左端縁を中心として、片開き自在に取り付けられている。また、遊技盤34の下側には、供給皿35が突設されており、その供給皿35の下側には、貯留皿36が突設されている。貯留皿36の中央には、遊技球流下孔37が穿設されており、遊技球流下孔37の前方には、左右にスライドすることにより遊技球流下孔37を開閉する開閉レバー38が設置されている。一方、パチンコ機41の裏面の上端際には、ホールから供給された遊技球をストックしておくための遊技球タンク39が設置されている。また、遊技球タンク39の下側には、裏カバー40が設置されており、その裏カバー40の下側には、パチンコ機41の作動内容を制御する制御装置42が設置されている。
【0015】
検出スイッチ1は、クリップ25を取り外した状態で、図5の如く、遊技盤33上方のミドル枠54に、スイッチング補助部材4が閉じた前面枠34と当接するように組み付け設置される。そして、スイッチ部材3に内蔵されたスイッチが、前面枠開閉報知ランプ(図示せず)、および電源と接続される。かかる如く設置された検出スイッチ1は、前面枠34が開かれると、スイッチング補助部材4が上端縁を中心として前方へ回動することによって、スイッチ部材3に内蔵されたスイッチがONし、前面枠開閉報知ランプを点灯させるようになっている。一方、前面枠34が閉じられると、スイッチング補助部材4が上端縁を中心として後方へ回動することによって、スイッチ部材3に内蔵されたスイッチが開放し、前面枠開閉報知ランプを消灯させるようになっている。
【0016】
また、検出スイッチ1は、クリップ25を装着した状態で、クリップ25を利用して、図6の如く、遊技球タンク39の上端縁に、スイッチング補助部材4を遊技球タンク39の内側に突出させるようにして設置される。そして、スイッチ部材3に内蔵されたスイッチが、制御装置42、および電源と接続される。かかる如く設置された検出スイッチ1は、遊技球タンク39内が遊技球で満たされている場合には、満たされた遊技球によって、スイッチング補助部材4が上端縁を中心として後方へ回動した状態を維持し、スイッチ部材3に内蔵されたスイッチが開放した状態を保つため、制御装置42へ信号が送信されない。また、遊技球タンク39内の遊技球が減少しすると、スイッチング補助部材4が上端縁を中心として後方へ回動することによって、スイッチ部材3に内蔵されたスイッチがONし、制御装置42へ「球切れ報知信号」を送信する。
【0017】
なお、パチンコ機41の遊技球タンク39には、図7の如きコード把持部材43を用いて電源コード44を係止させることができるようになっている。コード把持部材44は、軟質の合成樹脂によって一体的に形成されており、支持基板45の前後に、把持片46と固定片47とが、互い違いになるように外向きに突設されている。把持片46は、基端際で上向きに折り返されており、先端際が内向きに折り返されている。また、把持片46の先端と対向した支持基板45の上端際には、抜止め突起48が把持片46の先端側へ突出するように設けられている。一方、固定片47は、基端際で下向きに折り返されており、下端際に内向きに突出するように抜止め段部49が設けられている。そして、パチンコ機41を運搬する際等には、図8の如く、固定片47を遊技球タンク39の上端縁に係止させ、把持片46によってパチンコ機41の電源コード44を把持させる。このように、コード把持部材43を使用することによって、パチンコ機41の運搬作業者は、電源コード44を絡ませることなく、非常に容易に運搬することができる。
【0018】
また、パチンコ機41を運搬する際には、貯留皿36に、図9の如き固定部材50を設置することによって、開閉レバー38の損傷を防止することができるようになっている。固定部材50は、軟質の合成樹脂によって、略コ字状に形成されており、下側折返し部51の上面に、係合突起52が突設されている。一方、上側折返し部53の先端は、下向きに折り返されている。そして、パチンコ機41を運搬する際等には、図10の如く、下側折返し部51の係合突起52を、開閉レバー38の下面に穿設された係合凹部(図示せず)に係合させ、上側折返し部53を貯留皿36の上端縁に係止させる。このように、固定部材50を使用することによって、パチンコ機41の運搬作業者は、開閉レバー38の損傷を心配することなく、非常に容易に運搬することができる。
【0019】
検出スイッチ1は、上記の如く、板状物に係止させるためのクリップ25を設けた係止部材6が、着脱自在に設けられているため、係止部材6を外せば、容易に、前面枠34の開放側の端縁と対向した遊技盤33上方のミドル枠54に組み付けて、前面枠34の開放状態を確認するための検出スイッチとして利用することができるとともに、係止部材6を装着すれば、その係止部材6のクリップ25によって遊技球タンク39の上端の板状部分を挟持させることにより、遊技球の貯留状態を確認するための検出スイッチとして利用することができる。したがって、検出スイッチ1によれば、パチンコ機41の製造時に、遊技球の貯留状態を確認するための検出スイッチや、前面枠34の開放状態を確認するための検出スイッチを取り付ける必要がなくなるため、パチンコ機41の非常に安価な製造が可能となる。
【0020】
さらに、検出スイッチ1は、クリップ25に、遊技球をスイッチング補助部材4の前方へ導くための傾斜面30が設けられているため、遊技球タンク39に設置した場合に、クリップ25を遊技球タンク39の上端の板状部分に取り付けるだけで、遊技球タンク39内の遊技球が傾斜面30によってスイッチング補助部材4の前面にスムーズに流下するようになり、遊技球タンク39内の遊技球の充填状態を正確に反映した検出を行うことが可能となる。
【0021】
加えて、検出スイッチ1は、クリップ25が略U字状の折り返し構造を有するものであるので、遊技球タンク39の上端縁ばかりでなく、任意の場所(板状物)に非常に容易に設置することができる上、損傷しにくい。また、検出スイッチ1は、クリップ25の後側の折り返し部分の下端際に、把持突起27および押止突起28が、それぞれ、内向きに突出するように、上下平行に設けられているため、クリップ25によって挟持される板状物に水平な複数の段差が設けられている場合には、把持突起27および押止突起28がそれらの水平な段差と噛み合うため、装着位置が上下にずれたりしない。加えて、把持突起27の上部が傾斜状になっているとともに、押止突起28の上部が球面状になっているので、クリップ25を上方へ引き上げるだけで容易に取り外すことができる。
【0022】
なお、本発明の検出スイッチの構成は、上記した実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、フレーム部材、スイッチ部材、スイッチング補助部材、押止部材、係止部材等の材質、形状・構造等の構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更できる。
【0023】
たとえば、検出スイッチは、フレーム部材、スイッチ部材、スイッチング補助部材、押止部材を別々に構成したものに限定されず、フレーム部材と押止部材が一体になったもの等でも良い。また、クリップと誘導部とを一緒にしたものに限定されず、クリップと誘導部とを別々に設けたものでも良い。加えて、クリップのみを金属によって形成することも可能である。
【0024】
さらに、スイッチング補助部材が左右に突設された係止突起によって回動自在になったものに限定されず、スイッチング補助部材の上端に支軸ピンが挿通されており、その支軸ピンによって設置補助部材が回動自在になっているもの等でも良い。また、クリップは、単なる逆U字状のものに限定されず、バネを用いたバインダークリップ状のものでも良い。かかる構成を採用した場合には、より設置、着脱が容易なものとなる、というメリットがある。加えて、クリップをネジによって着脱自在に設けたものに限定されず、クリップに設けた係合突起を、フレーム部材等に設けた係合凹部、係合孔に係合させることによってクリップを着脱自在に設けたものや、クリップに設けた係合凹部、係合孔に、フレーム部材等に設けた係合突起を係合させることによってクリップを着脱自在に設けたもの等でも良い。
【0025】
一方、スイッチ部材は、上記実施形態の如く、突起体が没入することによってON状態からOFF状態に切り替わるものに限定されず、突起体が没入することによってOFF状態からON状態に切り替わるものに変更することも可能である。
【0026】
なお、本発明の検出スイッチは、前面枠の開放状態を確認するための検出スイッチや、遊技球の貯留状態を確認するための検出スイッチ以外の検出スイッチとして利用することも可能である。
【0027】
【発明の効果】
請求項1に記載された検出スイッチは、板状物に係止させるためのクリップが、着脱自在に設けられているため、クリップを外せば、容易に、前面枠の開放側の端縁と対向した遊技盤上方のミドル枠に組み付けて、前面枠の開放状態を確認するための検出スイッチとして利用することができるとともに、クリップを装着すれば、そのクリップによって遊技球タンクの板状部分を挟持させることにより、遊技球の貯留状態を確認するための検出スイッチとして利用することができる。したがって、請求項1に記載された検出スイッチによれば、パチンコ機の製造時に、遊技球の貯留状態を確認するための検出スイッチや、前面枠の開放状態を確認するための検出スイッチを取り付ける必要がなくなるため、パチンコ機の非常に安価な製造が可能となる。
【0028】
また、請求項1に記載された検出スイッチは、遊技球をスイッチング補助部材の前方へ導くための傾斜面が一体的に設けられているため、遊技球タンクに設置した場合に、クリップを遊技球タンクの板状部分に取り付けるだけで、遊技球タンク内の遊技球が傾斜面によってスイッチング補助部材の前面にスムーズに流下するようになり、遊技球タンク内の遊技球の充填状態を正確に反映した検出を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】検出スイッチの正面図(a)および右側面図(b)である。
【図2】検出スイッチの前方斜視図である。
【図3】検出スイッチの後方斜視図である。
【図4】検出スイッチの分解斜視図である。
【図5】検出スイッチの使用状態を示す斜視図である。
【図6】検出スイッチの使用状態を示す斜視図である。
【図7】コード把持部材の前方斜視図である。
【図8】コード把持部材の使用状態を示す斜視図である。
【図9】固定部材の前方斜視図である。
【図10】固定部材の使用状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1・・検出スイッチ、2・・フレーム部材、3・・スイッチ部材、4・・スイッチング補助部材、5・・押止部材、6・・係止部材、11・・制御突起、17・・突起体、25・・クリップ、26・・誘導部、30・・傾斜面、41・・パチンコ機。
Claims (1)
- 突起体が出没自在に設けられており、その突起体が出没することによってON/OFFするスイッチ部材と、上端縁を中心として回動することによって前記突起体を出没させるスイッチング補助部材とを有するパチンコ機用検出スイッチであって、
板状物に係止させるためのクリップが、着脱自在に設けられているとともに、
そのクリップに、遊技球を前記スイッチング補助部材の前方へ導くための傾斜面が一体的に設けられていることを特徴とするパチンコ機用検出スイッチ。
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