JP4719608B2 - 船外機 - Google Patents
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Description
従来、エンジンルーム内に取り入れた空気の案内カバーを有する船外機が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
エンジン3を収容するエンジンカバー(22)の新気取入口(22a)からの空気は、ベルト伝動機構(カムシャフト、交流発電機の冷却ファン駆動用ベルト伝動機構等)を覆うベルトカバー(71)の上面に沿って流れ、一部は誘導壁(72e)及び(72f)によってその流れが誘導され、吸気サイレンサ(61)の吸気口(82a)から吸気され、エンジンに新気を吸入させる。ベルトカバー(71)は、上カバー(72)と下カバー(73)とからなる。
この場合、チェーンはその潤滑のため密閉状態にカバーされるが、クランクシャフト上のACG(交流発電機。以下ACGと記す)のような大きな回転体は、その回転体によるオイルとの接触及び拡散を避けるため、カバーで画成されたチェーン室の外側に設けられる。
従って、このような形式のエンジンでは、カバー体はチェーン室を区画形成するものと、大径の回転体を覆うものとの2部品で形成されている。
また、エンジンカバーに設けられた案内壁は向かい合う一対からなり、案内壁は船外機の左右方向略中央部を基準に左右に設けたので、左右の案内壁でダクト状の吸気通路が形成できるとともに、左右の案内壁によりエンジンカバーが左右対称にし易くなり、外観性、デザイン性に優れたエンジンカバーを得ることができる。
図1は、船外機の全体を示す側面図であり、内部機構の主なものを破線で示した図である。
1は船外機であり、図の右側の矢印Frで示した方向を推進方向の前方とし、左側の矢印Rrで示した方向を後方とし、上部に配置したエンジン2をエンジンカバー20で覆っている。
エンジン2は、後方のシリンダヘッドカバーを含む燃焼室3aを内頂部に有するシリンダヘッド3、シリンダ4a、ピストン4bを備える中間部のシリンダブロック4、クランクシャフト5aを内装した前方のクランクケース5を備える。
エンジン2の周りをエンジンカバー20で覆い、エンジンカバー20は上下2分割カバーで構成され、上カバー21、下カバー25とからなり、前後のロック機構13,13で上下のカバー21,25は開閉自在に一体化されている。
尚、図中14は、船の船尾に船外機を着脱自在に取り付けるスターンブラケットである。
これらの図面に従って説明する。
このカムシャフト上端部3dとクランクシャフト5aの出力部5cの下部には、カムシャフト伝動機構を構成する大径・小径の駆動スプロケット14、被動スプロケット15が固着され、スプロケット14,15間にはチェーン16、実施例では駒を積層して連結したサイレントチェーンを用いた。
これらによりカムシャフト伝動機構17を構成した。
第1カバー30は、カムシャフト側の被動スプロケット15の上方の部分で一段高い段部31aを有し、クランクシャフト側の駆動スプロケット14の前方でクランクケース5の上面5bの端縁に屈曲して当接する前端部31b、クランクシャフトの出力部5cを縦通させるオイルシール32でシールされた縦通孔31cを備える蓋板部31と、蓋板部31と接合され、エンジン周囲を囲む周壁部33とからなる。
回転体の内側には、鉄心42aにコイル42bを巻き付けた発電用コイル42が配設されており、回転体41の上面41bには回転体41内に空気を導入するガイド部41c…(…は複数を表す。以下同じ)が設けられている。
以上のオイルシール構造により、チェーン・スプロケット機構の潤滑で発生する潤滑油の飛沫は、第1カバー30の外に飛散、漏洩することが防止され、蓋板部31上に配設されているACG40側に侵入することはない。
図では吸気サイレンサ6の上半部及び連通ダクト部を断面として示しており、上半部の下面に、エンジンカバー内(エンジンルーム内)に空気を取り入れる吸気口6aが、箱の全面に前向き且つ下向きに開口されている。
凹部21dは後部21eが最も低く、前方に緩やかに上傾し、前半部21bとの境界部には起立した起壁部21fが形成され、前半部21bの後部21gに連続する。
前方に緩やかに上傾する凹部21dの幅方向中間部で、前半部分には、外の空気をエンジンカバー20内に取り入れる空気取入口23を上向きに開口して形成する。
以上の上カバー21の前半部21bには、後半部21cの凹部21dと略々同じ幅で、下方に板厚相当分の高さで、一段低い係合段部21hを設ける(図4参照)。
第2カバー50により回転体41を覆った状態及び第1カバー30との関係、エンジンカバー20の上カバー21内における関係は、図3、図4の断面図で示されており、また平面的なレイアウトの関係は図2で示される通りである。
第2カバー単体の構造は、図5に示す通りである。
キャップ部51は、円盤状で湾曲屋根状の天蓋部52と、これの下端部周から下方に垂下した周壁部53とを一体に連続して備える。
天蓋部52の頂部の中央部は前後方向に所定幅に帯状部52aとし、これの両側部に放射状に複数の縦通孔54…を設け、縦通孔54…は径方向外方に延びる放射状に設けられた長孔で構成した。
冷却後の空気は、膨出部55の下方の開放部55aから下方に排出され、膨出部55の下方には吸気サイレンサ6等の熱的影響に強い部品を配置し、ACGの冷却空気の排出に関係しない反対側に熱的影響を嫌う電子制御機器18を配設した(図4参照)。
案内板61,62は前後方向に長さを有し、一方(右側)の案内板61は図5に示したように前後方向の長さが短く、他方(左側)の案内板62は前後方向の長さが長い。
案内板61,62の下縁部61a,62aは、第2カバー50の天蓋部52a、周壁部53の帯状部52aに仮想線で示した両側部の当接部52b,52bに上カバー21をセットした状態で当接するようにアールをもって形成されている。
一方の案内板61は長さが短く(図2及び図5参照)、前半部61bは下方への突出高さが大きく、後半部61cは後方へ傾斜して上カバー21の下面との間に大きな隙間を形成する。前半部61bの上端部61dが上カバー21の下面21dに一体に接合されており、下面21dから案内板61が垂下、突設されている。
案内板62は、上カバー下面21iから図5における上端部62dが上カバー21の下面21dに一体に接合されており、この部分は、下方に垂下する前記した起壁部21fの内側に後半部の後端部62fが縦壁として臨む。
リッド26は、図2及び図4に示したように、上カバー21の上面21aの左右方向中央部に前後方向に設けた係合段部21h上に係合、被冠し、固着する。固着手段は接着、ネジ止め等任意である。
この結果、船外機の外観を構成し、デザイン上最も重要な要素であるエンジンカバーの表面に傷を生じ、外観性の点で好ましくない。
上カバー21の凹部21cの後部21eと、この上のリッド26の後端部26bとの間に上下方向に開いた空間Sが形成され、空間Sから空気を取り入れる。
外の空気は、エンジンカバー20の上カバー21の上に設けたリッド26と凹部21dとの間の空間Sからリッド26と凹部21dとの間に侵入する。侵入した空気は空気取入口23からエンジンカバー内矢印(a)のように侵入し、取入口23の直下の第1カバー30と案内板61,62に案内されて、矢印(b)のように第2カバー50の蓋部52の上面の帯状部52aの上面に導入される。
この先に、吸気装置を構成する吸気サイレンサ6が臨み、吸気サイレンサ6の下向き吸入口6aから空気は吸入され、燃料供給装置に新気として供給される。
ところで、キャップ部51内でACG40の回転体41は回転しており、回転体41の上面に設けた空気導入ガイド部41c…の作用で、天蓋部52の設けた空気導入孔54…から、天蓋部52の左右の上面の流れから空気を内部に吸入し、回転体を含むACGの構成部品を冷却する。
図4に示した通り、排出部を構成する開放部55aには、下方、或いは近傍に電子制御部18が配設されていないので、電子制御部18へのACG冷却後の空気による熱的影響を防止することができる。
上カバーの左右方向中央部に設けた低い係合段部121h内の左右に取付孔121m,121mを穿設し、取付孔121m,121mに、リッド126の下面左右に突設した取付ボス部126a,126aを上から嵌合しつつ、係合段部121hにリッド126を被冠する。
下方に垂下した案内板部161a,162aは、第2カバー50の天蓋部52の中間部左右上面にその下端が臨む。
このように、案内板161,162をエンジンカバー21とは別体に形成し、エンジンカバーの天井面に固着し、一体化しても良い。
本実施例では、リッドを面積の大きい後半部のリッド266、面積の小さい前部のリッド267で構成したもので、これによれば、案内板61,62を設けてひけ等が発生し易い箇所のみをリッドで覆うようにしたものである。
Claims (5)
- 推進器を駆動し、エンジン吸気用の吸気口を有し、クランクシャフト縦置きのバーチカル4ストロークエンジンを収容し、エンジン外方の少なくとも一部を覆い、空気取入口を有するエンジンカバーを有する船外機であって、
前記エンジンカバーの内側の空間には、前記空気取入口からエンジン吸気口に空気の流れを案内する案内壁を設け、該案内壁はエンジンカバーと一体的に設けた、
前記案内壁は、向かい合う一対からなり、
該案内壁は船外機の左右方向略中央部を基準に左右に設けられている
ことを特徴とする船外機。 - 前記案内壁は、前記エンジンカバー内部の天井面から垂下するように一体に突設するようにしたことを特徴とする請求項1記載の船外機。
- 前記エンジンカバーの前記空気取入口と、エンジン吸気口は、エンジンカバーの前後方向に配設したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の船外機。
- 前記左右に設けられている前記案内壁は、前記エンジン吸気口に向けての長さ方向において、左右非対称に設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の船外機。
- 前記エンジンカバーは、案内壁が延びる方向に複数の部材からなることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の船外機。
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