JP4717184B2 - 単結晶引き上げ装置の不活性ガス回収装置 - Google Patents

単結晶引き上げ装置の不活性ガス回収装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコン等の単結晶を製造するCZ法引き上げ装置において使用される不活性ガスを回収する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコン等の単結晶を製造するために用いられるCZ法(チョクラルスキー法)単結晶引き上げ装置においては、シードチャックに保持された種結晶を、CZ炉内のシリコン融液に着液させ、回転させながら引き上げることで単結晶を育成する。
【0003】
ここで、CZ法単結晶引き上げ装置は、フレーク状の多結晶シリコンを充填するルツボ、このルツボ内のシリコンを融解するためのヒータ、及び断熱材等から構成されており、単結晶の引き上げ操作は、CZ炉内に不活性ガス(Ar等)を流した状態で行われる。
【0004】
ところで、このCZ炉内では、ヒータによってルツボの温度を上昇させることで、ルツボ内に充填されたナゲット状(或いは塊状)のシリコンが融解する一方で、シリコン融液面から発生するSiOダストや、黒鉛製のヒータや断熱材等から放出される不純物ガスが発生する。そこで、これらを速やかに排出するために、装置上部より炉内に不活性ガスを導入し、炉内を装置下部に設けられた排気口から真空ポンプによって吸引することで、減圧状態にしてガス流速を増加させて、不活性ガスと共に不純物を排出しているが、経済性の観点からすれば、この排出不活性ガスを回収するようにするのが好ましい。
【0005】
しかし、排出不活性ガス(使用済み不活性ガス)は、チャンバー内の通過によって不純物やダストが混入してしまっているので、回収したガスをそのままチャンバー内に戻してしまうようにすると、シリコンが汚染されてしまうこととなるため、直接的にこれを再利用に供することはできない。
【0006】
そこで、特開平11−199388号公報に記載された発明では、図1に示すようなシステムにより、ドライ真空ポンプ13によって単結晶引き上げ装置11内から排出された使用済みのアルゴンガスの一部を、熱交換機15を通して冷却し、再びドライ真空ポンプ13に送り込んで該ドライ真空ポンプを冷却してアルゴンガスを回収し、再利用することとしている。ここで、ドライ真空ポンプ13には冷却用の空気をポンプ中に吸引してやる必要があるが、使用済みのアルゴンガスを回収する際に空気が混入することは許されないために、熱交換器を通したアルゴンガスをポンプに送り込むことによってポンプの冷却を行っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このようなシステムでは、ドライ真空ポンプ13から流出した使用済みのアルゴンガスの一部を熱交換機15に通すのみで、残りのガスはそのまま回収精製装置17に送り込まれることとなる。
【0008】
ここで、SiOダストを含む使用済みアルゴンガスがドライ真空ポンプを通過して熱交換機及び回収精製装置に流れ込むと、まず、熱交換機にダストが蓄積してその熱交換効率を低下させてしまうという問題が生じ、効率のよい熱交換性能を維持するためには頻繁に清掃を行うことが必要となってくる。
【0009】
さらに、回収精製装置は精密な構造であり、ダストの進入を防ぐためには、導入口に精密なフィルターが使用されることとなるが、実際の操業に際しては、フィルター交換費用並びに、そのための不稼動時間による損失等が発生することとなり、不活性ガスを回収することによるローコスト化のメリットを損ねるという結果を招く。
【0010】
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、CZ炉を通過してきた使用済み不活性ガスを可能な限り浄化して効率よく回収することが出来る不活性ガス回収装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
以上のような目的を達成するために、本発明においては、ドライ真空ポンプから排出されたダストを伴った不活性ガスを、流水で冷却しながら当該流水中にトラップすることによって浄化し、ローコストに不活性ガスを回収することができるようにしたことを特徴とする。
【0012】
より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
【0013】
(1) 単結晶引き上げ装置内を真空引きするドライ真空ポンプの下流に接続される不活性ガス回収装置ユニットであって、この上流側の管が前記ドライ真空ポンプの下流側の管に接続される水封ポンプと、この水封ポンプの上流側の管と下流側の管とを連結する連結管と、を含むことを特徴とする不活性ガス回収装置ユニット。
【0014】
本発明において、水封ポンプは、これに流入する使用済み不活性ガスをポンプ内の液体に接触させて強力に攪拌することで、不活性ガスを流水で冷却すると共に、当該流水中にSiOダスト等を取り込むこととなる。そして、ドライ真空ポンプにおいては一般的に、排出側が負圧になるのを避けるようにしなければならないが、図2に示すような本発明では、水封ポンプの上流側の管(吸入口)と下流側の管(排気口)とが連結された構造とすることによって、上流側−下流側の圧力差を無くし、水封ポンプのポンプとしての機能を失わせた状態で、水封ポンプをあたかも一種のフィルターとして機能させるようにしている。このようにして、本発明に係る「水封ポンプ−連結管」構造によって、SiOダスト等が除去された使用済み不活性ガスを回収装置に送るようにすることができる。
【0015】
ここで、「ドライ真空ポンプ」としては、乾式の機械式真空ポンプを使用することができる。
【0016】
(2) 前記連結管には、前記水封ポンプと逆方向に駆動する別の水封ポンプが取り付けられていることを特徴とする上記(1)記載の不活性ガス回収装置ユニット。
【0017】
図3に示すような本発明では、上記(1)の連結管にも水封ポンプを取り付けている。さらに、この水封ポンプを別の水封ポンプとは逆方向に駆動させるように取り付けることによって、不活性ガスを環流させることができる。このようにすることにり、環流過程においても、浄化がされることとなるため、更なる冷却・浄化作用を図ることができる。
【0018】
(3) 単結晶引き上げ装置内を真空引きするドライ真空ポンプの下流に接続される不活性ガス回収装置ユニットであって、この不活性ガス回収装置の水封ポンプの上流側の管が複数の前記ドライ真空ポンプの下流側の管に接続されていることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の不活性ガス回収装置ユニット。
【0019】
図4に示すような本発明では、複数台のドライ真空ポンプから排気された不活性ガスを1台の水封ポンプに取り込み、この水封ポンプによって不活性ガスを強力に攪拌することで、複数台のドライ真空ポンプからのガス中のダストを1台の水封ポンプでトラップすると同時に、流水で冷却する。このように、1台の水封ポンプによって多数のドライ真空ポンプの排気ガスを処理することとしているため、本発明で水封ポンプを付加した事によるコストアップ分が結果として軽減されることとなる。
【0020】
さらに、このように複数台のドライ真空ポンプの排気を1台の水封ポンプで処理をするに際し、複数台のドライ真空ポンプの中に不稼動機があるような場合や、単結晶引き上げプロセスの中で処理しようとしたときに、この中に不稼動機があるような場合や、或いは、単結晶引き上げプロセスの中で不活性ガス流量を変化させるような場合などに、全体の不活性ガス流量が変動し、その結果、前記水封ポンプの上流側の管(吸入口)の圧力が大きく変動してしまうことがある。そして、この圧力変動が生じると、ドライ真空ポンプに使用されているギヤの潤滑オイルが軸受けシールを通過してポンプ内部に侵入し、ポンプ動作に支障が出ることとなるが、本発明では、水封ポンプの下流側の管(排気口)と上流側の管(吸入口)とを連結することによって、これらの間の圧力差を無くし、水封ポンプに接続されるドライ真空ポンプを安定に動作させるようにしているのである。
【0021】
(4) 前記水封ポンプの下流側の管から分岐して前記ドライ真空ポンプの上流側の管に接続される分岐管を備え、前記水封ポンプを通った不活性ガスの一部によって前記ドライ真空ポンプの冷却を行うことを特徴とする上記(1)から(3)いずれか記載の不活性ガス回収装置ユニット。
【0022】
本発明では、水封ポンプによって冷却・浄化された不活性ガスの一部をドライ真空ポンプに戻すことによって、ドライ真空ポンプの冷却を可能とするものである。水封ポンプによってダストを殆ど含まず、また、冷却された不活性ガスが得られるので、これをドライ真空ポンプに送り込むことによって、ドライ真空ポンプを冷却することができ、ドライ真空ポンプを安定に動作させることができるようになる。
【0023】
(5) 前記水封ポンプの下流側の管には、冷却器が取り付けられていることを特徴とする上記(1)から(4)いずれか記載の不活性ガス回収装置ユニット。
【0024】
即ち、本発明では、水封ポンプの下流側の管に冷却器を取り付ける構造とすることにより、不活性ガスを冷却器で冷却して、そこで凝縮された水分を直ちに水封ポンプに還流することができる。従って、水封ポンプの封水の冷却が十分にできないような場合には、封水の温度が上がって水蒸気として散逸する量が多くなってくるが、この水蒸気を冷却器で凝縮させ、それによって生じた水分を直ちに水封ポンプに還流させるようにすることができる。つまり、冷却器は、水封ポンプで発散された水蒸気を凝縮させ、それを水封ポンプに戻すことにより、封水の補給量を減らしてランニングコストを下げる役割を果たしている。冷却器の実施形態としては、例えば、通常の冷却機構を備えた熱交換器を挙げることができる。
【0025】
(6) 前記水封ポンプの代わりに、ジェットスクラバー方式のダスト除去装置が取り付けられていることを特徴とする上記(1)から(5)いずれか記載の不活性ガス回収装置ユニット。
【0026】
ここで、「ジェットスクラバー方式の除去装置」とは、ジェットスクラバー(特開平9−323020号公報、特開平11−207137号公報、特開平11−253749号公報、特開2000−107540号公報等)を備え、当該ジェットスクラバーのジェット水流によって不活性ガスを吸引し、ジェット水流中に不活性ガスを巻き込んで急冷するダスト除去装置のことを意味する。
【0027】
なお、本発明に係る連結管に10mmHg程度の僅かな差圧で動作する逆止弁を設けることによって、ダストを含んだガスが水封ポンプを素通りして、ガスの浄化が図れなくなるのを防ぐことができる。また、流量調整バルブを付加して、還流量と水封ポンプ吸入口との圧力を調整することができる。
【0028】
[水封ポンプ]
図7に、水封ポンプの構成態様を示す。
【0029】
図7に示されるように、水封ポンプ27は、回転子71とケーシング72との間に液体(水)を含み、回転子が回転することによって、気体を吸入口から排気口へと運ぶものである。
【0030】
回転子に取り付けられているインペラー73の間隔は一様であるが、ポンプ室はインペラーと封水とで形成される大きさの異なるいくつかの部屋に分けられる。そして、インペラーの回転に伴って、これらの部屋の大きさが拡張する領域には吸入口77が設けられており、部屋の大きさが縮小する領域には排出口75が設けられている。
【0031】
ケーシング72内に偏心してインペラー73が設けられた回転子71を回転させ、内部に封水を入れると、水は遠心力によってケーシングに沿った円環状のシール70を成し、中央に空所を生ずる。そして、回転子の回転によって吸入口77から不活性ガスを吸入し、回転につれてガスを圧縮し、大気圧まで圧縮されたガスが排出口75から外に排出される。この動作を連続的に行うことによって、吸入→圧縮→排出が行われ、全体としてみればポンプとして機能することとなる。
【0032】
なお、この吸入→圧縮→排出という一連の過程の中で、流入する使用済み不活性ガスがポンプ内の液体に接触させられて強力に攪拌されることとなり、それによって不活性ガスが流水で冷却されると共に、洗浄も行われることとなる。
【0033】
[ジェットスクラバー]
図8に、ジェットスクラバー装置の正面図を示す。
【0034】
図8に示されるように、ジェットスクラバー80は、使用済み排気ガスを一時的に滞留させるためのドラフトチャンバー89と、このドラフトチャンバーの上方に取り付けられ、気泡混じりの高圧水を下向きに噴出するための複数のジェットポンプ81と、を備えている。
【0035】
ここで、各ジェットポンプ81は、望月式混気ジェットポンプとして知られている構成と同一に構成されており、具体的には、冷却水が高圧パイプを介して噴射ノズル85に導かれ、この噴射ノズル85から高圧水流として噴出されるように構成されている。
【0036】
このドラフフトチャンバー89の下方には、ジェットポンプ81に各々対応して気液混合管83が、上端をドラフトチャンバー89に開口した状態で取り付けられている。即ち、各ジェットポンプ81の噴射ノズル85から噴射された気泡混じりの高圧水流は、対応する気液混合管83に導入されるように構成されている。これにより、ドラフトチャンバー89内に一時的に滞留した使用済み排気ガスは、高圧水流が気液混合管83内に噴出される際に発生する大きな負圧によって生じる強力な吸収力により、高圧水流と共に気液混合管83内に引き込まれ、この気液混合管83内を通り抜ける間に、気液の混合、水滴とダストとの衝突、拡散等により、不活性ガス中のダストが分離されることとなる。
【0037】
このように分離されたダストは、気液混合管83の下方にある汚水貯水槽87内の汚水に確実に捕集されるので、洗浄された不活性ガスのみが排出管86より排出されることとなる。
【0038】
本発明では、ジェットスクラバーを使用してダストを除去しているが、水を噴出させて、その噴射力により不活性ガス中のダストを分離するような噴流ポンプ(インジェクターポンプ)等も本発明の概念に含まれる。
【0039】
【発明の実施の形態】
図5は本発明に係る不活性ガス回収装置ユニットの第1の構成例の概要図であり、図6は第2の構成例の概要図である。
【0040】
本発明に係る不活性ガス回収装置ユニットは、例えばシリコン単結晶を製造する際に生じた使用済み不活性ガスを回収するような装置の一部として構成され、特にドライ真空ポンプを用いたシステムに適用するものである。
【0041】
まず、図5に示す構成例は、冷却ガスを導入する必要の無いドライ真空ポンプを使用して、本発明に係る不活性ガス回収装置ユニットを採用してアルゴンガス回収機構を構築した例を示したものである。
【0042】
使用済み不活性ガス(例えばアルゴンガス)は、単結晶引き上げ装置11のチャンバーから回収管41を通じて集塵機21を通る。この集塵機21は、使用済み不活性ガス中に含まれるSiOダストより大きな粉塵や黒鉛繊維、黒鉛や石英ガラスのかけら等をトラップするサイクロン及びフィルター等で構成されており、不活性ガス中に含まれる比較的大きな粉塵等を集塵する。
【0043】
続いて、使用済み不活性ガスは、ドライ真空ポンプ25の排気速度を増大するためのメカニカルブースター23を通り、ドライ真空ポンプ25によって大気圧より僅かに高い圧力(+200mmAq)にまで圧縮され、回収管43に送り出される。
【0044】
そして、回収管43より回収装置に入ることとなるが、水封ポンプ27の上流側と下流側とは連結管47によって連結されており、水封ポンプ27の上流側(吸入側)と下流側(吐出側)との圧力差は微小に保たれることとなるので、ドライ真空ポンプの下流側は常に正圧に保たれることとなり、ドライ真空ポンプのオイルの漏れなどが生ぜず、その動作に異常を来たすことがない。
【0045】
本実施形態では、ドライ真空ポンプ9台をまとめて1台の水封ポンプに接続しており、この水封ポンプ27に流入するアルゴンガス流量は接続された単結晶引き上げ装置11の、それぞれの稼動状況によって変化する(本実施形態では最大1.5m/min(1atm)、最小0.05m/minの間で変化する)。しかし、上記連結管47の作用により、ドライ真空ポンプ25の下流側の圧力は変化しない為、接続された9台の単結晶引き上げ装置のうち1台しか稼動していない状態でも、ドライ真空ポンプ25の下流側は常に正圧に保たれ、ドライ真空ポンプのオイルの漏れなど、その動作に異常を来たすことがないのである。
【0046】
もし、本発明のような連結管47を用いずに上記異常動作を回避しようとした場合には、それぞれのドライ真空ポンプの下流側に自動圧力制御弁を設けて下流側の圧力を自動制御するか、又は、それぞれのドライ真空ポンプに水封ポンプを付加して一定のアルゴンガス流量を保ったまま動作させるようにするぐらいしかなく、どちらも大幅なコストアップとシステムの複雑化、さらにはシステムの信頼性の低下をもたらすこととなる。
【0047】
次に、集塵機21でトラップできなかったアルゴンガス中の微細なSiOダストが水封ポンプ27によって取り除かれる。水封ポンプの排気速度は、9台の単結晶引き上げ装置に導入されるアルゴンガスの総量の2倍に設定されているので、余力となる部分の排気速度はアルゴンガスを水封ポンプに循環するのに使用できることとなる。これによって、使用済みアルゴンガスは平均的に2回封水で洗われることになり、集塵効率が上がる。また、単結晶引き上げ装置の稼動台数が少ない場合には、更に循環回数が大きくなり集塵効率が増大する。
【0048】
こうして浄化された使用済みアルゴンガスは、連結管47の効果によって水封ポンプ前後で圧力差が生じないために、ドライ真空ポンプ25の下流側の圧力を保ったまま回収管45を通り、他の回収管45と共に、アルゴンガス精製装置50に導入される。精製装置50によって不純物を除去された使用済みアルゴンガスは、供給管49を通って、それぞれの単結晶引き上げ装置11に供給される。
【0049】
なお、液体Arタンク53はアルゴンガス精製装置の一時的な故障時や、マスバランスが狂った時の予備として外部よりアルゴンガスを供給するものである。
【0050】
次に、図6は、冷却ガスの導入が必要なドライ真空ポンプを用いる第2の構成例を示す図であり、図5からの変更部分を示すものである。
【0051】
この例では、水封ポンプ27の下流側に熱交換器51を付加し、この冷却水管52により室温よりも低温の冷却水を供給している。この冷却水にアルゴンガスを接触させることで、アルゴンガス中の水蒸気濃度を低下させ、それによって室温下の配管中での凝縮を抑制しているのである。この冷却されたアルゴンガスを、ドライ真空ポンプの冷却用ガスとして使用することにより、精製済みアルゴンガスを使用することは少なくなる。また、水蒸気より凝縮した水が配管を通してドライ真空ポンプに流れ込むことを防ぐことができるので、ドライ真空ポンプの故障をする確率を下げることができる。
【0052】
ここで、構成例1、2とも、単結晶引き上げ装置の誤動作により、水封ポンプの排気速度を超えるダストを含んだアルゴンガスが流入する可能性があるが、そのような場合には、アルゴンガスが連結管47を逆流してアルゴンガス精製装置50に流れ込み、精製装置のフィルターを詰まらせて精製能力を落とすおそれがある。このような事態に備えるためにも、連結管47に僅かな差圧で動作する逆止弁を挿入するようにしてもよい。
【0053】
なお、本実施の形態で説明した回収装置ユニット(図5、6における破線部分の領域)の機構は、図2又は図3に示す機構のいずれのものでもよい。
【0054】
また、本実施の形態では、不活性ガスとしてアルゴンガスを用いているが、本発明で使用するガスはアルゴンガス以外の不活性ガス(例えば、ヘリウム、ネオン、キセノン等)であってもよい。
【0055】
【発明の効果】
このように、本発明では、水封ポンプの上流側と下流側とを連結管で連結することによって、CZ炉を通過してきた使用済み不活性ガスを可能な限り浄化して効率よく回収することが出来るようにしている。
【0056】
特に、1台の水封ポンプで複数台のドライ真空ポンプから排出される不活性ガスを処理する場合には、ドライ真空ポンプのそれぞれの稼動状況によって不活性ガス流量が大きく変動するにも拘らず、ドライ真空ポンプの吐出口の圧力を一定に保ち、動作を安定させることができる。また、これに加えて、ダストの集塵効率を向上させて精製装置のランニングコストを低減させることができる。
【0057】
更に、複数台のドライ真空ポンプから排出される不活性ガスを1台の水封ポンプにより処理させるようにすることもできるので、回収装置を含めた単結晶引き上げ装置をローコストに構成できることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の不活性ガス回収装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明に係る不活性ガス回収装置ユニットの一構成例を示すブロック図である。
【図3】 本発明に係る不活性ガス回収装置ユニットの一構成例を示すブロック図である。
【図4】 本発明に係る不活性ガス回収装置ユニットの一構成例を示すブロック図である。
【図5】 本発明に係る不活性ガス回収装置ユニットの第1の構成例を説明するための概要図である。
【図6】 本発明に係る不活性ガス回収装置ユニットの第2の構成例を説明するための概要図である。
【図7】 本発明に係る不活性ガス回収装置ユニットの水封ポンプの機能構成を説明するための図である。
【図8】 本発明に係るジェットスクラバー除去装置の機能構成を説明するための図である。
【符号の説明】
11 単結晶引上装置
13 ドライ真空ポンプ
15 熱交換機
17 回収精製装置
21 集塵機
23 メカニカルブースター
25 ドライ真空ポンプ
27 水封ポンプ
41、43、45 回収管
47 連結管
50 アルゴンガス精製装置
51 冷却器(熱交換器)
52 冷却水管
53 LAr(液体アルゴン)タンク
71 回転子
72 ケーシング
73 インペラー
75 排出口
77 吸入口
80 ジェットスクラバー
81 ジェットポンプ
83 気液混合管
84 吸入管
85 噴射ノズル
86 排出管
87 汚水貯水槽

Claims (6)

  1. 単結晶引き上げ装置内を真空引きするドライ真空ポンプの下流に接続される不活性ガス回収装置ユニットであって、上流側の管が前記ドライ真空ポンプの下流側の管に接続される水封ポンプと、この水封ポンプの上流側の管と下流側の管とを連結する連結管と、を含むことを特徴とする不活性ガス回収装置ユニット。
  2. 前記連結管には、前記水封ポンプと逆方向に駆動する別の水封ポンプが取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の不活性ガス回収装置ユニット。
  3. 単結晶引き上げ装置内を真空引きするドライ真空ポンプの下流に接続される不活性ガス回収装置ユニットであって、この不活性ガス回収装置の水封ポンプの上流側の管が複数の前記ドライ真空ポンプの下流側の管に接続されていることを特徴とする請求項1又は2記載の不活性ガス回収装置ユニット。
  4. 前記水封ポンプの下流側の管から分岐して前記ドライ真空ポンプの上流側の管に接続される分岐管を備え、前記水封ポンプを通った不活性ガスの一部によって前記ドライ真空ポンプの冷却を行うことを特徴とする請求項1から3いずれか記載の不活性ガス回収装置ユニット。
  5. 前記水封ポンプの下流側の管に冷却器が取り付けられていることを特徴とする請求項1から4いずれか記載の不活性ガス回収装置ユニット。
  6. 前記水封ポンプの代わりに、ジェットスクラバー方式のダスト除去装置が取り付けられていることを特徴とする請求項1から5いずれか記載の単結晶引き上げ装置の不活性ガス回収装置ユニット。
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