JP3670851B2 - 液体クロマトグラフィー用送液ポンプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、送液ポンプに係り、特に液体クロマトグラフィーを用いて成分分析する溶離液中に溶存する気体成分および気泡(バブル)を除去して微量かつ精密な高速送液を可能とした高速液体クロマトグラフィー用送液ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
未知の成分を分離する高速液体クロマトグラフィー(以下、HPLCとも称する)は、溶離液(溶液、ソルベント)貯留容器から送液ポンプにより溶離液を吸入し、これをサンプル注入バルブを介して分離カラムを含む検出手段に送液し、検出した結果を記録あるいはモニター画面に出力する。
【0003】
溶離液を高圧かつ微量の送液(マイクロ送液、またはミクロ送液)で高い送液精度を行う高速・高精度の液体クロマトグラフィー(セミミクロHPLC、マイクロHPLC)では、その送液ポンプの送液安定性を確保する目的で、送液ポンプの吸入側にエアトラップあるいはデガッサー(脱気装置)等の相分離器(以下、フェーズセパレータ、気/液セパレータとも称する)を設置してある。
【0004】
この種の相分離器を設置することの目的は、溶離液中に存在する不要気体(エア、その他のガス、以下エアとも称する)を除去(以下、脱気、またはトラップとも称する)することにある。特に、電極還元反応を測定する場合には、溶離液中の溶存酸素が測定値に大きく影響する。すなわち、溶存酸素自身の還元反応が大きなバックグラウンド電流となり、ノイズ増大の原因となる。
【0005】
図5は高速液体クロマトグラフィーの一般的なシステム構成を説明する模式図である。第1容器(溶離液貯留容器)1に貯留してある溶離液2は配管3を介して送液ポンプ5の汲み上げにより相分離器4を通して脱気された後、サンプル注入バルブ(オートサンプラー)6→カラム7→検出器8に通過し、検出器8からの溶離液は廃液9として第2容器10に廃棄される。図中の矢印は送液方向を示す。
【0006】
検出器8で検出されたデータはデータ処理装置11に転送されて、所要のデータ処理を施し、可視あるいはコンピユータ処理可能なデータ形態として提供され、かつ記録装置等に保存される。
【0007】
なお、カラム7は外部温度の影響を防止するために恒温槽7Aに収納されており、また、相分離器5とサンプル注入バルブ6の制御はシステムコントローラ12により行われる。
【0008】
送液ポンプ5の前段に設置された相分離器4は、送液ポンプ5によって第1容器1から吸い上げる溶離液2に溶存するエアを除去することで、安定した送液と正確な分析を行うようにしている。
【0009】
なお、この種の高精度液体クロマトグラフィーを構成する他の部材およびシステム全体の機能は既知であるので、説明は省略する。
【0010】
従来のHPLCの流速領域(0.01〜1.5ミリリットル/分)からセミミクロ及びミクロ領域の流速領域(1〜300マイクロリッル/分)に送液領域が移行した時、現状でも問題となっている溶存気体の問題(所謂、エアトラブル)は、送液精度を維持する上でますます重要な問題となってくる。
【0011】
このエアトラブルは、溶液液中に泡(所謂、エアバブル)として存在するエアと溶離液中に溶存した状態のエアとの2通りに起因する。
【0012】
溶離液は、一般に試薬ボトルのような容器(図5の第1容器)に蓄えられており、この容器から直接に送液ポンプで溶離液を汲み上げる場合、容器と送液ポンプをテフロンチューブ(テフロンは商品名、以下同じ)のような細管で連結する。したがって、溶離液は必ず細管を通って送液ポンプに入る。
【0013】
送液ポンプを操作する際、先ず細管の内部にエアバブルが存在するか否かを確認する。エアバルブが見られる場合はマニュアル操作で細管内部のエアバブルを除去した後、送液を開始する。エアバブルが無いことを確認した状態で送液を開始する訳けであるが、流量がマイクロ領域で長時間に渡って安定した送液を必要とする場合は、溶離液中の溶存酸素によるトラブルが生じる。その理由は、送液ポンプが吸引工程のとき、ポンプ内部は減圧状態になるので、溶離液中の溶存酸素がエアバブルとなり、このバブルが送液を不安定にさせるためである。
【0014】
上記2つの問題に対し、現状では次の▲1▼、▲2▼に説明するような対策が採られている。
【0015】
▲1▼送液ポンプの吸入口に連結する細管中に見られるエアバルブについては当該吸入口の前に小さなエアボトル(エアトラップ)を設け、エアバブルと液体(溶離液)を分離して、液成分のみを送液ポンプが吸引するようにする。
【0016】
図6はエアトラップの構成例を説明する模式図である。容器1の溶離液2は送液ポンプ5で細管31を通って汲み上げられるが、この細管31の送液ポンプ5の前段にエアトラップ4Aを設置する。エアトラップ4Aは密閉した所謂エアボトルの上方に容器1からの細管31の端部を開放し、底部に送液ポンプ5につながる細管41の吸入端を設置する。
【0017】
エアバブル混入の溶離液2がエアトラップ4Aに流入すると、エアトラップ4A内で上方にエア成分(気相)が、下方に液成分(液相)が分離される。送液ポンプ5はエアトラップの底部から液成分のみを吸引する。なお、エアトラップ4Aの上部には分離されたエア成分を放出する細管32とバルブ33が設けられている。
【0018】
すなわち、送液ポンプ5がエアトラップ4A内部の液体を吸引すると、エアトラップ4Aの内部は減圧され、容器1の内部は大気圧であるため、その溶離液2は細管3と31を通ってエアトラップ4Aの内部に送られる。このとき、溶離液中にエアが存在すると、エアトラップ4Aの内部でアエ成分は上部に、液成分は下部に、それぞれ分離される。これにより、送液ポンプ5はエアを吸引することなく溶離液のみを送液することになる。
【0019】
エアトラップ4Aの内部には時間の経過と共に上部にエアが溜まってくるが、適宜にバルブ33を開いて細管32からエア抜きを行う。
【0020】
▲2▼送液ポンプの吸入口に連結する細管中に見られるエアバルブについて、当該吸入口の前に脱気装置(デガッサー)を設置して液体(溶離液)からエア成分を分離して、液成分のみを送液ポンプが吸引するようにする。
【0021】
図7はデガッサーの構成例を説明する模式図である。容器からの溶離液は送液ポンプ5で細管31を通って汲み上げられるが、この細管31の送液ポンプ5の前段にデガッサー4Bを設置する。デガッサー4Bは真空ポンプ15で排気される真空チャンバー13の内部に脱気モジュール16を設置し、真空チャンバー13の出口の細管41に送液ポンプ5を接続する。
【0022】
脱気モジュール16は両端をマルチコネクタ16a,16bに連結した多数のテフロン等のチューブからなるガス透過膜で構成され、チューブ内を通過する際に溶離液に溶存している溶存気体を真空チャンバー13に排出させる。これにより、送液ポンプ5の吸引時の当該送液ポンプ5でのエアバブルの発生を防止する。なお、このデガッサーで除去されるのは主として溶存酸素であり、大きな気泡(バブル)の粒はデガッサーを通過してしまう。
【0023】
上記したエアトラップでの問題は、エアトラップの使用によって一見解決しそうに見えるが、実際にはトラブルを発生する幾つかの問題点を含んでいる。
【0024】
第1の問題点として、長時間の連続使用には無理があることである。エアトラップを使用する場合、当該トラップ内部のエア量を確認する必要があることと、エア量が多い場合はマニュアル操作でエアを抜き取らなければならない。このような操作条件では長時間の運転中にエアトラップに徐々に蓄積されてくるエア量を四六時中確認することができないので、連続でポンプを運転することが困難となってくる。
【0025】
したがって、エアトラップの使用によるエアバブルを除去する方法では、自動化された装置にポンプを組み込み、数十日間連続運転するような条件の操作には使用できないということになる。
【0026】
第2の問題点は、送液量がマイクロ化される程、エアトラップが有効的に働かなくなる可能性が大きくなる。吸入側のチューブにエアバブルが発生するのは、多くの場合、前掲のテフロンチューブを配管チューブに使用しているため、夜間ポンプが停止した状態になっていると、チューブの膜を通過してエアが外部から内部へ侵入することによるのが原因である。これらの目で見える多量のエアはエアトラップで除去されるが、マイクロ送液では、これらの液体を送液ポンプ内部に吸引した時、当該ポンプ内部で発生する極めて微量のエアバブルが問題となる。例えば、数十マイクロリットル/分の送液では1マクロリットル/分以下のエアバブルでも送液の安定性は大きく損なわれる。
【0027】
送液ポンプの内部で発生する小さなエアバブルの発生原因は、液体の温度がエアトラップと送液ポンプ内部で異なることによって生じるものと考えられる。エアトラップの温度は、エアトラップが送液ポンプの外部に付いているので、通常は室温に近い温度にある。これに対し、送液ポンプ内部はモータ及び電気系によって発生する熱がポンプ部に伝導することにより、通常の室温より高い温度になっている。
【0028】
気体の液体に対する溶解度は温度が低い程大きいので、エアトラップの液体が温度のより高いポンプの内部へ吸引された時、気体の溶解度は減少する。この温度差によってエアバブルが発生することになる。ポンプが吸込み工程のときはポンプ内部は減圧になっているので、更にエアは発生し易い状態となる。
【0029】
従来の送液ポンプのように、ポンプの体積が大きいときは小さなエアバブルの体積は相対的に無視できることになるが、ポンプ体積がマイクロ送液では32〜8マイクロリットル/分と小さくなってくると、最早小さなエアバブルを無視できなくなってくる。
【0030】
このように、マイクロ送液では液体温度の変化による溶存ガスの溶解度の変化を考慮に入れなければ、長時間の安定送液は困難となる。
【0031】
一方、従来のデガッサーの問題点は従来型のHPLCを対象として作られているため、マイクロ送液に使用するには問題がある。一番の問題点は、脱気モジュールのサイズが大きいことである。前記図7で説明したように、従来のデガッサーは、複数のテフロンチューブからなる脱気モジュールの中を液体が通過し、上記テフロンチューブの外側を減圧することにより、エアバブル端部に溶解した溶存ガスを除去するものである。
【0032】
この脱気モジュールの体積が12ミリリットルというサイズであると、ポンプの流速が1〜1.5ミリリットル/分であれば最適な大きさであるが、流速が0.3〜0.05ミリリットル/分、または0.05〜0.005ミリリットル/分のオーダになると大き過ぎるということになる。マイクロ送液をするためにはどうしても脱気モジュールの大きさを小さくする必要がある。
【0033】
現行の脱気モジュールでも、モジュールの体積を単に小さくすることは可能である。脱気モジュールに使用されているテフロンチューブの長さ(典型的には2.5m)を短くすることで内部体積を小さくすることは容易である。しかし、これでは脱気モジュールの内部液体の置換効率が低下し脱気効率の低下をもたらす。その理由は、テフロンチューブを短くするに従い複数のテフロンチューブに液体が通過するときに生じる流動抵抗の大きさのバラツキが大きくなり、液体の置換効率が悪化する。簡単に説明すれば、抵抗の小さいテフロンチューブ内の液体は短時間に通過してしまうからである。
【0034】
送液ポンプを使用するユーザの中には、デガッサーを使用すればエアバブルの除去も有効であると考える人も多いようである。しかし、これは間違いである。恐らく、デガッサーという言葉から、エアトラブルに対しては全て対策できるものというイメージが作られたと思われる。デガッサーは液体中に溶存するガス分を除去することを目的とするものであって、エアバブルそれ自体を除去するものではない。
【0035】
例えば、水に溶存する酸素の量は最大で8〜9ppmであり、デガッサーを用いることにより、これを1ppm程度の濃度に下げることが可能である。デガッサーの使用により、約8ppm程度濃度が下がると考えてよい。
【0036】
今、仮に1ミリリットル/分で送液ポンプが液体を送液しているとすると、この時デガッサーによって除去される濃度変化に相当するエアの体積は5.6マイクロリットルの体積となる。
【0037】
この体積は、エアバブルで考えると極めて小さなエアバブルであり、明らかに目で見える程度の大きいエアバブルはデガッサーで除去することはできない。仮に、デガッサーの能力を前記した計算の5倍としたとき、従来のデガッサーで28マクロリットル/分、このサイズを1/10にしたデガッサーでは2.8マイクロリットル/分となる。これ以上のエアがデガッサーに入り込むと、エアバブルはデガッサーを通過してしまうことになる。
【0038】
上記の説明から、デガッサーとエアトラップを同時に使用したとしても、マイクロ送液で長時間の安定送液を維持することは困難であることが分かる。しかし、マイクロ送液において、当該マイクロ送液用に開発されたデガッサーが必要であることは言うまでもない。ここで言うマイクロデガッサーとは、先にモーレ(株)等が開発し、出願した脱気モジュールであり、容積が小さく、液体の置換効率が良く、かつ脱気効率が従来のデガッサーに比較して優れた機能を備えたものである。
【0039】
図8は上記したマイクロデガッサーの構成を説明する断面模式図であって、図中、このデガッサー4Cは、前記図7におけるテフロンチューブに代えて少なくとも2枚のテフロンシートで形成した薄い平面状の液体通路を有せしめたものである。図示しない容器からの溶離液は細管31からコネクタ104を介して脱気モジュール16’に流入する。流入した溶離液はテフロンシートの間を通る過程で溶存したエア分が真空チャンバー13内に浸出し、エアが除去された溶離液としてコネクタ105を介して細管41を通り送液ポンプ5で送液される。その他の構成は前記図7と同様であるので説明は省略する。
【0040】
なお、この種の液体クロマトグアフィーや脱気装置については、例えば米国特許明細書第5,472,598号を参照されたい。
【0041】
【発明が解決しようとする課題】
エアバブルのトラブルを解決する方法として、送液ポンプシステムを変えることが従来から試みられてきた。従来のHPLC用の送液ポンプは、図9に示したような2つのシステムに分類される。
【0042】
図9は従来の送液ポンプシステムの種類とエアトラブルとの関係の説明図であって、(a)はパラレル型送液ポンプシステム、(b)はシリーズ型送液ポンプシステム、50A,50Bはポンプのプランジャーを示す。
【0043】
(a)のパラレル型送液ポンプシステムは、最もポピュラーなシステムであり、2つのプランジャー50A,50Bをパラレルに接続し、液体は矢印に示すように2つのプランジャー50A,50Bに各々吸引されて交互に送り出されて連続送液するように配置される。
【0044】
一方(b)のシリーズ型送液ポンプシステムは、2つのプランジャー50A,50Bが直列に接続され、液体は矢印に示すように初段のプランジャー50Aに吸引され、この初段のプランジャー50Aが吐出する液体の1/2の量を次段のプランジャー50Bが吸引し、初段のプランジャー50Aが液体を吸引する時次段のプランジャー50Bが吐出する動作を実行することにより連続的に送液を行うように配置される。
【0045】
上記2つのポンプシステムのうち(b)のシリーズ型送液ポンプシステムの方が、ポンプがエアバブルを吸引したときのエアバブルが抜け易い。
【0046】
このエアバブルの抜け易さはの理由の1つは、プランジャー体積の大きさにある。(b)のポンプシステムでは、初段のプランジャー50Aの体積は次段プランジャー50Bの体積の2倍大きいものを使用している。このプランジャーの体積は、(a)ポンプシステムのプランジャーの2倍でもある。このような大きな体積のプランジャーを用いることがエアバブルを除去する能力が大きいことの理由の1つである。
【0047】
(b)のポンプシステムがエアバブルの抜けが良い理由の第2は、プランジャーの配置にある。(b)のポンプシステムでは、2つのプランジャー50A,50Bは直列に配置され、初段のプランジャー50Aが液体を吐出するとき次段のプランジャー50Bが吐出された液体の吸引を行う。このように、初段のプランジャー50Aが液体を吐出するとき次段のプランジャー50Bが吐出された液体の吸引を行うために、エアバブルは(a)のポンプシステムよりも抜け易い。
【0048】
上記したように、ポンプシステムの改良によりエアバブルを抜け易くすることは可能である。しかし、エアバブルがポンプ内部に存在する間は流量が不安定となる。上記した(a)と(b)のポンプシステムの違いは、エアバブルがポンプ内部に入ったとき、流量が不安定となる時間は(b)のポンプシステムの方が短い点である。
【0049】
したがって、従来のポンプシステムの改良はエアトラブルが全く無くなると言うことではなく、このエアトラブルの大きさが(a)のポンプシステムよりも少なくなると考えるべきであり、根本的なエアバブルの除去は困難である。
【0050】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、溶離液中のエアバブルの影響を全く受けずに精密な送液を可能とした液体クロマトグラフィー用送液ポンプを提供することにある。
【0051】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、同軸異径の共通プランジャーで駆動される2つのポンプヘッドで構成されたツインヘッドポンプを加熱器と気/液分離器(フェーズセパレータ)を介してシリアル接続し、上記共通プランジャーの同軸異径の各大径部で駆動される一対のポンプヘッドで第1ポンプを構成し、各小径部で駆動される他の一対のポンプヘッドで第2ポンプを構成した点に特徴を有する。
【0052】
本発明の代表的な構成を列挙すれば、下記の通りである。
【0053】
(1)溶離液貯留容器から送液ポンプにより溶離液を吸入し、吸入した溶離液に溶存する気体を除去した後、サンプル注入バルブを介して分離カラムを含む検出手段に送液するために、前記溶離液貯留容器と分析部の間に設置する高速液体クロマトグラフィー用送液ポンプであって、
前記送液ポンプが、異径同軸プランジャーで共通に駆動される第1ポンプヘッドと第2ポンプヘッドをもつ体積の異なる2つのポンプヘッドを有し、
前記第1ポンプヘッドおよび第2ポンプヘッドの各異径同軸プランジャーの大径部で駆動される2つのポンプヘッドを第1ポンプとし、前記異径同軸プランジャーの小径部で駆動される2つのポンプヘッドを第2ポンプとして、第1ポンプと第2ポンプをシリアルに結合してなり、
前記加熱器の出口に設置して、加熱された溶離液中のエアーバブルを除去する気/液セパレータを有し、
前記気/液セパレータでエアバブルを除去した前記溶離液を前記第2ポンプで吸引して前記分析部に送液する如く構成したことを特徴とする。
【0054】
上記構成としたことにより、溶離液中のエアバブルの影響を全く受けずに精密な送液が可能となる。なお、加熱器を設置したことで、溶離液中に溶存している気体が強制的に追い出され、気/液セパレータの下部に溜まる液体の気体溶存量が低くなる。これにより、沸点の低い溶媒(メタノール、ヘキサン等)でも安定した送液が可能となる。
【0055】
(2)上記(1)における前記異径同軸プランジャーで共通に駆動される第1ポンプヘッドの体積が前記第2ポンプヘッドの体積よりも大きいことを特徴とする。
【0056】
この構成としたことで、気/液セパレータの下部に溜まった過剰の溶離液は再び第1ポンプに吸引される。なお、第1ポンプヘッドの体積と前記第2ポンプヘッドの体積の比は略2:1とするのが好適であるが、(第1ポンプヘッドの体積)>(前記第2ポンプヘッドの体積)とすることで本発明の効果が達成できる。
【0057】
(3)上記(1)または(2)における前記第1ポンプヘッドと第2ポンプヘッドの間に第2ポンプヘッドのシール材の大気圧側を自動的に洗浄できる洗浄ラインを設けたことを特徴とする。
【0058】
この洗浄ラインは第2ポンプのシール材が設置されている裏面に設けられており、洗浄ポートとも称する。この洗浄ラインに常時溶離液を流すことで、シール材から漏れる溶離液を洗い流して溶離液からの析出成分が蓄積してシール材を損傷するトラブルが回避される。
【0059】
なお、本発明は、前記特許請求の範囲に記載の技術思想を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0060】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき、実施例の図面を参照して詳細に説明する。
【0061】
図1は本発明の液体クロマトグラフィー用送液ポンプの基本システムを説明する構成図である。同図中、1は容器(図5の第1容器に相当)、2は溶液、3は細管、4は気/液分離器、5Aは第1ポンプ、5Bは第2ポンプ、5Cは洗浄ライン(洗浄ポンプ)、5A1は第1ポンプの第1ポンプヘッド、5A2は第1ポンプの第2ポンプヘッド、5B1は第2ポンプの第1ポンプヘッド、5A2は第2ポンプの第2ポンプヘッド、5C1は第1の洗浄ライン、5C2は第2の洗浄ライン、6は逆止弁、7は液体分離キャピラリを示す。
【0062】
第1ポンプ5Aと第2ポンプ5Bは直列連結され、それぞれの流速は異なっており、「第1ポンプの流速>第2ポンプの流速」を満足する流速設定となっている。例えば、第1ポンプ5Aは200マイクロリットル/分、第2ポンプ5Bは100マイクロリットル/分の流速に設定される。なお、この流速および比率の差は第1ポンプの流速>第2ポンプの流速であれば、上記に限るものではない。
【0063】
2つのポンプの動作タイミングは全く同じとする。第1ポンプ5Aと第2ポンプ5Bの間に液体を加熱する加熱器8と液体からエアバブルを分離する気/液セパレータ4が設置され、第1ポンプ5Aから送液された溶離液は、先ず加熱器8に導入され、次に気/液セパレータ4に導入される。第1ポンプ5Aの流量は大きく設定されているので、多量のエアバブルを吸引しても問題なく溶離液を送り出す能力を持っている。
【0064】
気/液セパレータ4の中に導入されたエアバブルを含む溶離液のうち、エアバブルは上方へ、液体(溶離液分)は下方に分離される。第2ポンプ5Bは気/液セパレータ4の下部に溜まっている溶離液を吸引して送液する。
【0065】
なお、気/液セパレータ4の上部に溜まった溶離液を一部含むエアバブルは液体分離キャピラリ7で溶離液が分離され、エアバブル分は外部に放出される。分離した溶離液は第1ポンプ5Aと第2ポンプ5Bのそれぞれのプランジャー5A1,5B1および5A2,5B2の中間に配置して第1ポンプ5Aと第2ポンプ5Bの背面を洗浄する洗浄ポンプで構成される洗浄ライン5C1,5C2に通され、排出管34から排出される。
【0066】
第1ポンプ5Aと第2ポンプ5Bの流速は、「第1ポンプ5A>第2ポンプ5B」に設定されているので、気/液セパレータ4の下部に溜まった過剰の溶離液は再び第1ポンプ5Aに吸引される。
【0067】
最終的に正確な送液を行うのは第2ポンプ5Bであるが、上記したポンプシステムでは、多量のエアバブルが入ってきても第2ポンプ5Bは全くエアバブルの影響を受けないで送液が可能となる。
【0068】
図2は図1における第1ポンプおよび第2ポンプのポンプヘッドの構造例を説明する模式図である。このポンプヘッドは、同軸のプランジャー51で動作す2つのヘッドからなる。このプランジャー51は異径同軸プランジャーと称し、先端の径が細い部分が第2ポンプ5Bのプランジャーを形成し、径の細い部分と細い部分の段差部分で第1ポンプ5Aのプランジャーを構成する。50は本体ブロック、52はシール材、53A1は第1ポンプの吸入弁、53A2は第2ポンプの吸入弁、54A1は第1ポンプの吐出弁、54A2は第2ポンプの吐出弁を示す。
【0069】
2つのポンプは複数のシール材52によりそれぞれが独立に保たれ、相互に影響を及ぼさないようになっている。このシール材52は、ポンプ内部を高圧に維持するためにプランジャーと気密に封止する部分以外の部分は大気圧に曝されている。また、第1ポンプと第2ポンプの中間には第2ポンプのシール材の大気圧側を洗浄するための洗浄ライン55が形成されている。
【0070】
本体ブロック50の内部に有機溶媒等の液体を高圧で流すとき、液体は僅かながらシール材から漏れ出す。シール材の低圧側は通常は大気と接する状態となっているので、沸点の低い有機溶媒等は事前に気化するが溶解している成分は析出してシール材に付着する。例えば、塩を含む水溶液を送液した場合、シール材から漏れた水分は蒸発するが、塩は結晶となり粉の状態でシール材に付着残留する。シール材に残留した塩の粉はシール材自体あるいはシール材とポンプの可動部分に侵入してこれらを傷つけたり腐蝕させ、ポンプトラブルの原因となる。
【0071】
本実施例では、この部分に洗浄ラインを配置して溶離液を常時流すことで上記したようなポンプトラブルの発生を防止する。
【0072】
図3は図2に示したポンプヘッドで構成した送液ポンプを図9(a)に示したようなパラレル配置した本発明の液体クロマトグラフィー用送液ポンプの1実施例の送液ポンプ流系図である。この送液ポンプは図9におけるポンプヘッド50A,50Bを図2のツインヘッドで置き換えたものと考えてよい。
【0073】
図3において、50a,50bは各ポンプヘッドの本体ブロック、51a,51bは各ポンプヘッドの異径同軸プランジャー、56a,56bはこの異径同軸プランジャー(第1のプランジャー51a、第2のプランジャー51b)をそれぞれ駆動する第1カム、第2カムである。なお、各ポンプヘッドの構造は図2で説明したので繰り返しても説明は符号と共に省略する。
【0074】
本体ブロック50aと50bに設置した第1のプランジャー51aと第2のプランジャー51bは、それぞれカム56a、56bの回転でで往復駆動される。そして、各本体ブロック50aと50bの第1のプランジャー51aと第2のプランジャー51bの大径部分で構成されるポンプ部分が第1のポンプ5Aを構成し、第1のプランジャー51aと第2のプランジャー51bの小径部分で構成されるポンプ部分が第2のポンプ5Bを構成する。
【0075】
第1ポンプ5Aで送液されたエアバブルを含む溶離液は加熱器8で加熱された後、気/液セパレータ4でエア成分と溶離液成分に分離される。気/液セパレータ4の下部に溜まった溶離液は第1ポンプ5Aの1/2の送液量の第2ポンプ5Bにより吸引され、クロマトグラフィー装置の検出部に送られる。
【0076】
気/液セパレータ4の上部に溜まったエア分は図1の気液分離キャピラリ7をとおして溶離液を分離後、外部に排出される。分離された溶離液は洗浄ライン55C2,55C1に通される。
【0077】
この実施例の構成としたことにより、溶離液中の溶存酸素は自動的に部分的に除去され、溶離液中のエアバブルは自動的に除去され、第2ポンプ5Bはエアバブルの影響を受けることなく、精密な送液を行うことができる。
【0078】
ここで、温度変化による送液ポンプ内部での溶存ガスの発生がどのように解決されるかについて説明する。
【0079】
溶離液は先ず第1ポンプ5Aで吸引されるが、前記したように、第1ポンプの内部で先ずエアバブルが発生することになる。第1ポンプ5Aの内部でエアバブルが発生して流量が低下したとしても、「第1ポンプの流量>第2ポンプの流量」の条件が満たされていれば、表面的には第2ポンプはその外部から直接エアバブルが流入したのと全く変わらないことになり、エアバブルは確実に加熱器8を通過して気/液セパレータ4に送り込まれることになる。したがって、前記したように、第2ポンプ5Bは気/液セパレータ4の下部よりエアバブルを含まない溶離液を安定して送液することが可能となる。
【0080】
第2ポンプ5Bの内部で第1ポンプ5Aの内部で生じたようなエアバブルの発生があるのでないかとの疑問があろうが、下記の理由で第2ポンプ5Bではエアバブルの発生は無い。
【0081】
まず、第1ポンプ5Aの内部でエアバブルが発生したり、加熱器8でエアバブルが発生したりすることにより溶離液中の溶存ガスはかなり除去される。そして、エアバブルとして発生したガスは第2ポンプ5Bの吸入口に至るまでには、フェーズセパレータで既に除去されており、第2ポンプ5Bのポンプ内部の温度条件は第1ポンプ5Aと同じ条件であるので、第2ポンプ5B内部では第1ポンプ5Aにおけるようなエアバブルの発生は起こり難い。
【0082】
次に、気/液セパレータ4からエアバブルと溶離液が出て行く細管には多少の抵抗があるので、気/液セパレータ4の内部は多少加圧された状態になっている。このため、第2ポンプ5Bの吸入口は第1ポンプ5Aの吸入口がゼロの圧力であるのに対して加圧された状態になっており、エアバブルは発生し難い条件となっている。
【0083】
ここで、第1ポンプ5Aの内部でエアバブルが既に発生しているので、溶離液中の溶存ガスの量は少なくなっている。したがって、第2ポンプ5Bの内部でのエアが発生することはない。
【0084】
このように、上記本発明の実施例によれば、外部からエアバブルと溶離液の溶存酸素による送液ポンプ内部でのエアバブル発生によって長時間の安定送液を阻んできた従来の送液ポンプにおける問題が解決され、長時間安定して精密な送液が可能となる。
【0085】
図4は本発明の送液ポンプと従来技術の送液ポンプとを比較した説明図であり、(a)は前記図9のパラレル型送液ポンプシステム、(b)は同じくシリーズ型送液ポンプシステム、(c)は本発明実施例の送液ポンプシステムの概念図、(a’)、(b’)、(c’)はそれぞれ上記(a)、(b)、(c)の各ポンプシステムのエアバブルに対する送液の免疫性(イミュニティ)を示す流量変化のグラフである。
【0086】
なお、この図は、特にミクロのエアバブルを吸引したときの安定性に注目して実験した結果である。
【0087】
図4の(a)のポンプシステムは最も普及した形式のポンプシステムであり、2つのポンプで交互に送液するものであり、(b)のポンプシステムは初段のポンプが次段のポンプの2倍の体積を持ち、2つのポンプを直列に結合したポンプシステム、(c)は上記した本発明によるポンプシステムである。
【0088】
これらのポンプシステムのミクロなエアバブルに対するイミュニティは、図の(a’)、(b’)、(c’)から明らかなように、(c)>(b)>(a)の順序となる。
【0089】
(a’)、(b’)に示したように、(b)のポンプシステムは(a)のポンプシステムに比べてポンプに吸入したエアバブルは抜け易いが、一端エアバブルを吸入したとき、それが抜け出るまでの送液は不安定となることが分かる。
【0090】
これに対し、(c’)に示したように、本発明のポンプシステムではポンプがエアバブルを吸入しても、送液安定性は全く損なわれない。本発明の送液ポンプでは、図1に示した構成により、特に気/液セパレータ4により、恰もポンプをすり抜けて通過してしまう。その結果、図4の(c’)に示したように、エアバブルを吸入しても送液安定性に些かの影響も及ぼさない。したがって、この送液ポンプを用いた液体クロマトグラフィーにより、長時間にわたって高精度の分析作業を高い信頼性で提供することができる。
【0091】
なお、従来は、送液ポンプを含む送液ラインの洗浄を必要に応じてマニュアルで行うか、あるいは別途設置した洗浄用のポンプを用いて行うよにしているのに対し、本実施例では、第2ポンプヘッドのシール材の大気圧側を洗浄するためのライン(55C1,55C2)を設置し、気/液セパレータ4より溶離液をこのラインに流し込むシステムにより、シール材を自動的に、しかも常時洗浄するように構成したため、塩等を用いるバッファー水溶液においても長期の安定送液が可能な液体クロマトグラフィー用送液ポンプが得られる。
【0092】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、溶離液を分析部に送液に使用する送液ポンプにおけるエアバブルの影響が解消され、溶離液中のエアバブルの影響を全く受けずに精密な送液を可能とした液体クロマトグラフィー用送液ポンプを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体クロマトグラフィー用送液ポンプの基本システムを説明する構成図である。
【図2】図1における第1ポンプおよび第2ポンプのポンプヘッドの構造例を説明する模式図である。
【図3】図2に示したポンプヘッドで構成した送液ポンプをシリアル配置した本発明の液体クロマトグラフィー用送液ポンプの1実施例の送液ポンプ流系図である。
【図4】本発明の送液ポンプと従来技術の送液ポンプとを比較した説明図である。
【図5】高速液体クロマトグラフィーの一般的なシステム構成を説明する模式図である。
【図6】エアトラップの構成例を説明する模式図である。
【図7】デガッサーの構成例を説明する模式図である。
【図8】マイクロデガッサーの構成を説明する断面模式図である。
【図9】従来の送液ポンプシステムの種類とエアトラブルとの関係の説明図である。
【符号の説明】
1 容器
2 溶液(溶離液)
3 細管
4 気/液分離器
5A 第1ポンプ
5B 第2ポンプ
5C 洗浄ライン(洗浄ポンプ)
5A1 第1ポンプの第1ポンプヘッド
5A2 第1ポンプの第2ポンプヘッド
5B1 第2ポンプの第1ポンプヘッド
5A2 第2ポンプの第2ポンプヘッド
5C1 第1の洗浄ライン
5C2 第2の洗浄ライン
6 逆止弁
7 液体分離キャピラリ
8 加熱器。

Claims (3)

  1. 溶離液貯留容器から送液ポンプにより溶離液を吸入し、吸入した溶離液に溶存する気体を除去した後、サンプル注入バルブを介して分離カラムを含む検出手段に送液するために、前記溶離液貯留容器と分析部の間に設置する高速液体クロマトグラフィー用送液ポンプにおいて、
    前記送液ポンプが、異径同軸プランジャーで共通に駆動される第1ポンプヘッドと第2ポンプヘッドをもつ体積の異なる2つのポンプヘッドを有し、
    前記第1ポンプヘッドおよび第2ポンプヘッドの各異径同軸プランジャーの大径部で駆動される2つのポンプヘッドを第1ポンプとし、前記異径同軸プランジャーの小径部で駆動される2つのポンプヘッドを第2ポンプとして、第1ポンプと第2ポンプをシリアルに結合してなり、
    前記第1ポンプの吐出口に設置して吐出された溶離液を加熱する加熱器と、この加熱器で加熱された溶離液中のエアバブルを除去する気/液セパレータとを有し、
    前記気/液セパレータでエアバブルを除去した前記溶離液を前記第2ポンプで吸引して前記分析部に送液する如く構成したことを特徴とする液体クロマトグラフィー用送液ポンプ。
  2. 前記異径同軸プランジャーで共通に駆動される第1ポンプヘッドの体積が前記第2ポンプヘッドの体積よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の液体クロマトグラフィー用送液ポンプ。
  3. 前記第2ポンプヘッドのシール材の大気側を自動的に洗浄する洗浄ラインを設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の液体クロマトグラフィー用送液ポンプ。
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