JP4717075B2 - 車両用ワイパー制御装置および方法 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用ワイパー制御装置に関し、特に雨滴の検知や制御に特徴を有する車両用ワイパー制御装置に関する。
従来より、車両に用いられるワイパー制御装置が数多く提案されている。このワイパー制御装置において、ポイントとなる一つが雨滴を検知する機構であり、レインセンサーと呼ばれている。光学方式を用いたレインセンサーの構成例として、発光素子から発せられた光を、ウインドシールド上に設けられた検知面で反射させ、この反射した光を受光素子で受光することにより、雨滴を検知する構成が知られている。すなわち、検知面に何も付着していない状態で、検知面による反射光が受光素子に入射するように、発光素子、検知面、および受光素子を配置する。そして、検知面に水等が付着すると、検知面での反射条件が変化することにより、受光素子に入射する光量が減少し、その出力が低下する。この変化をとらえて、雨滴の検知を行っていた。
上述した従来の構成において、受光素子における光量の変化の識別には、所定の基準値との比較により行う方式(閾値法)が多く採用されていた。
ところで、このようなワイパー制御装置は、実際は、種々の条件の下で使用される。従って、誤作動防止の手だてが講じられていなければならない。このため、レインセンサーでは、種々のモードに応じて複数の基準値を設定したり、状況に応じて基準値を順次更新したりしていた。
このように、上述した従来のレインセンサーでは、雨滴検知のロジックが複雑化し、ひいては検知判断の高速処理を困難にしていた。さらに、これらの方法はいずれも、検知面の状態を判断することを基本とし、基準値との比較により雨滴検知を行っている。したがって、外光による影響や、汚れ等の検知面の状況に影響され、完全に誤作動を防止することは困難であった。
このような不具合を解決するために、本発明者らは、特開2001−180447号公報、特開2002−277386号公報、特開2003−306127号公報において、検出装置やそれを用いたワイパー制御装置等を提案した。
上述した特開2001−180447号公報では、「発光素子から発せられた光を検知面で反射させ、該反射光を受光素子で受光して検知面の状態を検出する検出装置において、前記受光素子からの信号から遅れ信号を生成する手段、前記受光素子からの信号と前記遅れ信号の差分を求める手段、および前記差分の発生により、検知面の状態を判断する判断手段を有することを特徴とする検出装置」を開示した。
この技術の特徴は、従来技術では不可能であった、雨滴等の動的な付着そのものを、瞬時に検出できることにあった。
また、特開2002−277386号公報では、「発光手段から発せられた光を透明板に導入し、前記透明板の検出面にて反射させ、該反射光を受光素子で受光して検出面の状態を検出する検出装置において、前記受光素子からの信号をサンプリングするサンプリング部と、前記受光素子からの信号のゆらぎを検出するゆらぎ検出部と、前記ゆらぎ検出部が検出した前記信号のゆらぎの変化パターンから前記付着物を判断する判断部を備えることを特徴とする検出装置」を開示した。
この技術の特徴は、以下のようであった。すなわち、検出面上に付着した付着物を通して得た受光素子の信号の動的なゆらぎによって、間接的に付着物の動的なゆらぎを検出することができる。さらに、その信号のゆらぎの変化パターンによって、間接的に付着物の物性により決まる付着物のゆらぎの変化パターンを検出し、付着物が何であるか、付着物がどのような状態であるかを判断することができるものであった。
さらに、特開2003−306127号公報に開示した技術では、上述の2つの技術を組み合わせて、ワイパー制御を行うものであった。
このほか、特表2001−518857号公報(WO98/45148)に開示されたワイパー作動装置では、雨の識別および水滴の識別に加えて、霧および霧雨の識別が可能である。この装置において、水分センサの測定値は、増分値に対応付けられている。連続する2つの増分値の差分値はそれぞれ符号付きで、メモリ内で、これより前に同様に形成した差分値から成る合計に加算されて、払拭動作の制御に用いられている。
また、特許第3073632号公報には、「下記の過程、風防ガラスの監視部分上の水分の存在を示すセンサ信号中の降下エッジの存在を検出し、前記降下エッジの形状を識別し、所定の期間中にセンサ信号の降下エッジの形状と数に基づきワイパー系により雨滴模様を検出し、識別した雨滴模様に基づき風防ガラス・ワイパー系を制御する、から成ることを特徴とする方法」が開示されている。
特開2001−180447号公報 特開2002−277386号公報 特開2003−306127号公報 特表2001−518857号公報 特許第3073632号公報
ところで、上述したレインセンサーの検知面上を、ワイパーによる払拭動作毎にワイパーブレードが通過する。従来のレインセンサーでは、検知面上をワイパーブレードが通過したことによる受光素子の信号変化を、雨滴等の付着時の信号変化と区別することができず、ワイパーブレードの通過を雨滴の付着と誤判定することになる。そこで、従来のワイパー制御装置では、ワイパーブレード通過時における受光素子からの信号を処理しないようにしていた。つまり、ワイパーが作動している期間は、受光素子からの信号をマスクしていた。
なお、ワイパー駆動装置には、ワイパー作動中にスイッチをオフしても、その時点で払拭動作を止めずに、ワイパーブレードが停止位置(収納位置)に戻るまでは、モーターを稼働させておくための仕組みがある。つまり、ワイパー駆動装置は、ワイパーが作動中であることを示す信号(ワイパー作動信号)を出力している。
従来のワイパー制御装置では、受光素子からの信号をマスクすることを簡単に行うために、このワイパー作動信号を利用していた。すなわち、従来のワイパー制御装置は、ワイパー作動信号を利用してワイパーの駆動開始を認識し、受光素子からの信号をマスクする期間を決定していた。
ここで、降雨の状況が急激に変化した場合を考える。例えば、払拭動作が開始した直後に、急に雨が激しく降り出したとする。このような状況は、車両がトンネルから出て豪雨の中に進入した場合などに、しばしば発生する。このような場合、ワイパーによる払拭動作で検知面の雨滴が払拭されることにより、検知面が初期化された後であっても、検知面にはすぐに雨滴が付着する。そのため、ワイパーブレードが停止位置に戻るまでには、検知面は既に雨滴で覆われている。ワイパーブレードが停止位置に戻ることにより、ワイパー作動信号がOFFとなり、そのときの検知面の状態を初期状態として、レインセンサーによる雨滴検出動作が開始される。しかし、このとき、上述したように検知面が既に雨滴で覆われているため、レインセンサーの検知感度が低下した状態で、雨滴検出動作が開始されることとなる。
この場合、レインセンサーは、雨滴の付着状況を十分に把握することができない。従って、ウインドシールドにかなりの雨滴が付着しているので、早いタイミングでワイパーを作動させて雨滴を払拭する必要があるにも関わらず、運転者の希望するタイミングでワイパーが作動しないことが多い。
トンネルを出た後の大雨等の他に、検知面の状況が急激に変化し、すみやかにワイパーを作動させることが好ましい場合としては、トラックなどの跳ね上げ水がかかった場合、車両の屋根に溜まっていた雨滴が検知面に大量に垂れてきて視界が確保できない場合や、湿度の高いトンネルに入って一瞬にしてウインドシールドが曇った場合などが挙げられる。従来は、ワイパー作動中に出力信号がマスクされることにより、このような検知面の急激な状況変化を把握することが困難であった。
もちろん、例えば、ワイパーの回転軸に位置検知用のセンサを設けて、ワイパーブレードが検知面を通過する期間を細かく把握し、マスク期間を短くすることも可能である。しかし、この手法はコストがかかるので好ましくない上、マスク期間を設けることに変わりはない。なお、マスク期間を設けることは、従来の閾値法ではもちろん行われていたし、本発明者らが提案した従来技術でも必要であった。
以上のとおり、従来のワイパー制御装置では、ワイパーブレードが検知面を通過する期間、受光素子からの信号をマスクしなければならないことで、レインセンサーが本来有している検知感度を損ない、検知面の状況変化に追従したすみやかなワイパー制御が困難であった。
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、信号処理を工夫し、検知面上の付着物等を推定することにより、ワイパーブレード通過時の信号変化と、雨滴の付着時の信号変化とを区別することができ、検知面の状態変化にすみやかに追従するワイパー制御が可能なワイパー制御装置の提供を目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明にかかる車両用ワイパー制御装置は、車両のウインドシールドガラス表面の一部を検知面として、前記検知面へ光を照射する発光素子と、前記発光素子から出射されて前記検知面で反射された光を受光する位置に配置された受光素子とを含む光学部と、前記受光素子の出力信号の変化を解析することにより前記検知面の状態を推定する推定部と、前記推定部から出力される推定結果信号に従って、車両に取り付けられたワイパーの作動を制御するワイバー制御部とを備えた車両用ワイパー制御装置において、前記推定部は、前記受光素子の出力信号から、ワイパーが作動している期間と作動していない期間との両方において、複数種類のサンプリング周期で得られた複数のサンプリングデータ列のそれぞれに基づいて、前記受光素子の出力信号の変位状況を表す変位状況データを求める変位状況データ生成部と、前記検知面に付着物または接触物がある場合の前記受光素子の出力信号の変位状況を表す変位状況パターンデータと、前記検知面上をワイパーブレードが通過した場合の前記受光素子の出力信号の変位状況を表す変位状況パターンデータとを予め格納したパターンデータ記憶部と、前記変位状況データ生成部によって求められた変位状況データと、前記パターンデータ記憶部に格納されている変位状況パターンデータとを照合し、前記検知面の状態を表す推定結果信号を出力する照合部とを備えたことを特徴とする。
なお、上記の「付着物」とは、検知面に少なくとも一時的にとどまる物体または物質を意味するが、最初に付着した位置から移動するものも含む。「接触物」とは、検知面に少なくとも一時的に接触し、検知面上を移動するものを含み、垂れ水や人間の指やワイパーブレードのように検知面上を通過するものを含む。
上記の構成によれば、複数種類のサンプリング周期で得られた複数のサンプリングデータ列のそれぞれに基づいて、前記受光素子の出力信号の変位状況を表す変位状況データを求め、パターンデータ記憶部に予め格納されている変位状況パターンデータと照合することにより、ワイパーが作動している期間と作動していない期間との全期間を通じて、検知面の状態を推定することができる。これにより、検知面の状態変化にすみやかに追従するワイパー制御が可能なワイパー制御装置を提供することができる。
本発明にかかる車両用ワイパー制御装置において、前記検知面に付着物または接触物がある場合の前記受光素子の出力信号の変位状況を表す変位状況パターンデータとして、前記検知面上に付着または接触している水分の形態に関する複数種類の変位状況パターンデータが、前記パターンデータ記憶部に予め格納されたことが好ましい。
本発明にかかる車両用ワイパー制御装置において、前記変位状況データ生成部が、所定のクロック周期Nで得られたm(a,bを整数として、m=2a×b)個のサンプリングデータからなるサンプリングデータ列と、前記クロック周期Nに2a、2a×2、・・・、2a×c(cはb以下の整数)をそれぞれ乗じたクロック周期で得られる2b個、2b-1個、・・・、(m/2a×c)個のサンプリングデータからなるサンプリングデータ列とを、前記複数のサンプリングデータ列として生成することが好ましい。
本発明にかかる車両用ワイパー制御装置において、前記変位状況データ生成部が、前記変位状況データとして、前記複数のサンプリングデータ列のそれぞれにおけるサンプリングデータの変位量を求めることが好ましい。
本発明にかかる車両用ワイパー制御装置において、前記変位状況データ生成部が、前記変位状況データとして、前記複数のサンプリングデータ列のそれぞれにおけるサンプリングデータの変位量の差分を表す変位量差分を求めることが好ましい。
本発明にかかる車両用ワイパー制御装置において、前記変位状況データ生成部が、前記変位状況データとして、前記複数のサンプリングデータ列のそれぞれにおいて、サンプリングデータが連続的に正負いずれかの方向へ変位した量を表す連続変位量を求めることが好ましい。
本発明にかかる車両用ワイパー制御装置において、前記変位状況データ生成部が、前記変位状況データとして、前記複数のサンプリングデータ列のそれぞれにおいて、サンプリングデータが連続的に正負いずれかの方向へ変位した回数を表す連続変位回数を求めることが好ましい。
本発明にかかる車両用ワイパー制御装置において、前記パターンデータ記憶部が、撥水性の検知面に付着物または接触物がある場合の前記受光素子の出力信号の変位状況を表す変位状況パターンデータと、撥水性の検知面上をワイパーブレードが通過した場合の前記受光素子の出力信号の変位状況を表す変位状況パターンデータと、親水性の検知面に付着物または接触物がある場合の前記受光素子の出力信号の変位状況を表す変位状況パターンデータと、親水性の検知面上をワイパーブレードが通過した場合の前記受光素子の出力信号の変位状況を表す変位状況パターンデータとを予め格納したことが好ましい。
上記の「撥水性(親水性)の検知面」とは、この検知面を含むウインドシールドガラスの表面に、撥水(親水)効果のある加工(コーティングなど)が施されている場合と、ウインドシールドガラスの表面をコーティングすることにより、その表面張力をコーティングしないガラスよりも高く(または低く)した場合の両方を含む。
本発明にかかる車両用ワイパー制御装置において、前記パターンデータ記憶部が、前記検知面に人間の手が接触した場合の前記受光素子の出力信号の変位状況を表す変位状況パターンデータをさらに格納したことが好ましい。
本発明にかかる車両用ワイパー制御装置において、前記パターンデータ記憶部が、前記検知面に油膜が付着した場合の前記受光素子の出力信号の変位状況を表す変位状況パターンデータをさらに格納したことが好ましい。
本発明によるワイパー制御装置は、以上のような構成によって、受光素子からの信号をマスクすることなく、ワイパー作動中にも検知面の状態を監視することができる。したがって、ワイパーの作動状態に拘わらず、常時検知面の状態を監視することができる。このため、検知面の状態変化にすみやかに追従するワイパー制御装置を提供できる。
図1は、本発明の一実施形態にかかるワイパー制御装置の構成を、周辺構成を含めて示したブロック図である。 図2は、本実施形態にかかる車両用ワイパー制御装置の推定部の概略構成を示すブロック図である。 図3は、変位状況データ生成部のサンプリングタイミングを示すタイミング図である。 図4は、増加変位量および減少変位量の算出例を示す説明図である。 図5に、上記(2−a)の増加変位量差分(増加分)および(2−b)の増加変位量差分(減少分)の算出例を示す。 図6に、上記(2−c)の減少変位量差分(増加分)および(2−d)の減少変位量差分(減少分)の算出例を示す。 図7に、上記(3−a)の連続増加変位量および(3−b)の連続減少変位量の算出例を示す。 図8に、上記(4−a)の連続増加変位回数および(4−b)の連続減少変位回数の算出例を示す。 図9は、検知面に雨滴が付着したときの受光素子からの出力信号波形(a)と、サンプリング周期N(N=500μ秒)のサンプリング周期で得られたサンプリングデータ列に基づいて生成された増加変位量(b)、減少変位量(c)、連続増加変位量(d)、連続減少変位量(e)を示すグラフである。 図10は、検知面上を車両の屋根からの垂れ水が通過したときの受光素子からの出力信号波形(a)と、サンプリング周期N(N=500μ秒)のサンプリング周期で得られたサンプリングデータ列に基づいて生成された増加変位量(b)、減少変位量(c)、連続増加変位量(d)、連続減少変位量(e)を示すグラフである。 図11は、検知面上に指が接触したときの受光素子からの出力信号波形(a)と、サンプリング周期N(N=500μ秒)のサンプリング周期で得られたサンプリングデータ列に基づいて生成された増加変位量(b)、減少変位量(c)、連続増加変位量(d)、連続減少変位量(e)を示すグラフである。 図12は、検知面に結露が付着したときの受光素子からの出力信号波形(a)と、サンプリング周期N(N=500μ秒)のサンプリング周期で得られたサンプリングデータ列に基づいて生成された増加変位量(b)、減少変位量(c)、連続増加変位量(d)、連続減少変位量(e)を示すグラフである。 図13は、検知面上をワイパーブレードが通過したときの受光素子からの出力信号波形(a)と、サンプリング周期N(N=500μ秒)のサンプリング周期で得られたサンプリングデータ列に基づいて生成された増加変位量(b)、減少変位量(c)、連続増加変位量(d)、連続減少変位量(e)を示すグラフである。 図14は、状況変位パターンの一例を示す説明図である。 図15は、検知面に雨滴が付着したときの受光素子からの出力信号波形(a)と、8N(すなわち4m秒)のサンプリング周期で得られたサンプリングデータ列に基づいて生成された増加変位量(b)、減少変位量(c)、連続増加変位量(d)、連続減少変位量(e)を示すグラフである。 図16は、検知面に雨滴が付着したときの受光素子からの出力信号波形(a)と、64N(すなわち32m秒)のサンプリング周期で得られたサンプリングデータ列に基づいて生成された増加変位量(b)、減少変位量(c)、連続増加変位量(d)、連続減少変位量(e)を示すグラフである。 図17は、検知面に雨滴が付着したときの受光素子からの出力信号波形(a)と、512N(すなわち256m秒)のサンプリング周期で得られたサンプリングデータ列に基づいて生成された増加変位量(b)、減少変位量(c)、連続増加変位量(d)、連続減少変位量(e)を示すグラフである。 図18は、図14の最大値を7段階のレベル値に変換して得られる状況変位パターンを示す説明図である。 図19は、図14の最大値を3段階のレベル値に変換して得られる状況変位パターンを示す説明図である。 図20(a)は、5種類の状況変位パターンの一例を示す説明図、図20(b)は、動作時に得られた変位状況データの一例を示す説明図である。 図21は、図20(a)および図20(b)から得られた差分値を表す説明図である。 図22は、撥水性、親水性の別に得られた変位状況パターンの一例を示す説明図である。
以下に、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかるワイパー制御装置の構成を、周辺構成を含めて示したブロック図である。
図1に示すように、本実施形態にかかるワイパー制御装置は、車両のウインドシールドガラス2に設けられた検知面2aの光学的状態を表す信号を出力する光学部1と、光学部1からの出力信号に基づいて検知面2aに対する付着物を推定する推定部6と、推定部6の推定結果に従ってワイパー制御信号を出力するワイパー制御部7を備えている。ワイパー制御信号は、ワイパー制御部7からワイパー駆動用のモーター等に送られ、ワイパーの作動スピードや作動間隔等を制御する。
光学部1は、LEDなどの発光素子3から発せられた光が、プリズムガラス5aを経て、ウインドシールドガラス2に導入され、その車外側の表面の一部に設定された検知面2aで全反射され、プリズムガラス5bを経て、フォトダイオード(PD)などの受光素子4に入射するように構成されている。発光素子3から発せられた光は、レンズ等(図示せず)を用いて平行光とすることが好ましい。また、受光素子4に入射する光も、レンズ9等を用いて受光素子3の受光面に集光されるようにすることが好ましい。なお、図1に示した光学部1では、発光素子3からの光は、プリズムガラス5a,5bやウインドシールドガラス2内を何回か全反射するように構成されている。
光学部1では、検知面2aに水滴等が付着していない場合に受光素子4の出力が最大になるように、発光素子3、検知面2a、および受光素子4を含む各構成要素の位置が調整されている。ここで、検知面2aに水滴等が付着すると、検知面2aにおける全反射条件が崩れ、発光素子3から検知面2aへ照射された光の少なくとも一部が検知面2aで全反射されずに車外へ抜けてしまい、受光素子4の出力が低下する。そこで、受光素子4の出力信号の変化を、推定部6にて解析することにより、検知面2aへの水分の付着等が推定される。
本実施形態にかかる車両用ワイパー制御装置は、従来の車両用ワイパー制御装置とは異なり、受光素子4からの出力信号をマスクしない。すなわち、従来の車両用ワイパー制御装置は、前述したように、ワイパー作動信号がONの期間またはその期間内の特定の期間は、受光素子4からの出力信号をマスクし、この期間は付着物推定処理を行わなかった。これに対して、本実施形態にかかる車両用ワイパー制御装置は、推定部6において、受光素子4からの出力信号をマスクすることなく、全期間にわたって利用する。また、本実施形態にかかる車両用ワイパー制御装置は、ワイパーブレードが検知面2a上を通過した時の受光素子4の出力信号の変化と、検知面2aに雨滴等が付着した時の受光素子4の出力信号の変化とを区別できる。以下、この機能を実現するための詳細な構成例について、図面を参照しながら説明する。
図2は、本実施形態にかかる車両用ワイパー制御装置の推定部6の概略構成を示すブロック図である。図2に示すように、推定部6は、変位状況データ生成部61、照合部62、変位状況データ記憶部63、およびパターンデータ記憶部64を備えている。変位状況データ生成部61は、受光素子4からの出力信号を入力し、複数種類のサンプリング周期でこの出力信号をサンプリングすると共に、時間的に連続する2つのサンプリング値の差分を算出する。算出された結果は、サンプリング周期毎に算出結果を表した変位状況データとして、変位状況データ記憶部63に一時的に格納される。
ここで、変位状況データ生成部61による変位状況データの生成処理について、図3を参照しながら説明する。図3は、変位状況データ生成部61のサンプリングタイミングを示す。変位状況データ生成部61は、例えば、図3に示すように、周期Nでサンプリングを行う。なお、本実施形態では、推定部6が検知面2aの状態を推定する処理を1回行うために必要なデータのサンプリング期間を、512Nとする。つまり、推定部6は、受光素子4の出力信号から周期Nでサンプリングしたデータから複数のサンプリングデータ列を生成し、生成した複数のサンプリングデータ列に基づいて検知面2aの状態を推定する。
変位状況データ生成部61は、周期N,2N,4N・・・のような複数種類の周期で得られた複数のサンプリングデータ列のそれぞれに基づいて、受光素子4の出力信号の変位状況を表す変位状況データを生成する。
なお、変位状況データ生成部61は、所定のクロック周期Nで得られたm個(a,bを整数として、m=2a×b)のサンプリングデータからなるサンプリングデータ列と、クロック周期Nに2a、・・・、2a×c(cは1以上b以下の整数)をそれぞれ乗じたクロック周期で得られる(2b+1)個、・・・、((m/2a×c)+1)個のサンプリングデータからなるサンプリングデータ列とを、前記複数のサンプリングデータ列として生成することが好ましい。
例えば、本実施形態のように、推定部6が検知面2aの状態を推定する処理を1回行うために必要なデータのサンプリング期間が512Nである場合、変位状況データ生成部61は、例えば、周期Nで得られた513個のサンプリングデータからなるサンプリングデータ列、周期8Nで得られた65個のサンプリングデータからなるサンプリングデータ列、周期64Nで得られた9個のサンプリングデータからなるサンプリングデータ列、周期512Nで得られる2個のサンプリングデータからなるサンプリングデータ列の、合計4種類のサンプリングデータ列を生成する。あるいは、この例以外に、周期N,4N,16N,64N,256Nでそれぞれ得られる合計5種類のサンプリングデータ列を生成しても良い。
なお、基本となるサンプリング周期N(ベースサンプリング周期)の長さや、推定部6が検知面2aの状態を推定する処理を1回行うために必要なデータのサンプリング期間の長さは、ワイパー制御装置として求められる精度等に応じて、任意に設定すれば良い。本発明の実施形態をこれに限定する趣旨ではないが、一例としては、周期Nを500μ秒とすることが考えられる。
また、変位状況データ生成部61が生成する変位状況データとしては、例えば、以下のようなデータが考えられる。
(1)前記複数のサンプリングデータ列のそれぞれにおけるサンプリングデータの変位量、
(2)前記複数のサンプリングデータ列のそれぞれにおけるサンプリングデータの変位量の差分、
(3)前記複数のサンプリングデータ列のそれぞれにおいて、サンプリングデータが連続的に増加方向または減少方向のいずれかへ変位した量を表す連続変位量、
(4)前記複数のサンプリングデータ列のそれぞれにおいて、サンプリングデータが連続的に増加方向または減少方向のいずれかへ変位した回数を表す連続変位回数。
なお、上記(1)および(2)については、負のデータを取り扱う繁雑さを避けるために、以下のようにさらに分類された変位状況データとして生成することが好ましい。
(1−a)前記複数のサンプリングデータ列のそれぞれにおけるサンプリングデータの増加変位量、
(1−b)前記複数のサンプリングデータ列のそれぞれにおけるサンプリングデータの減少変位量、
(2−a)前記複数のサンプリングデータ列のそれぞれにおけるサンプリングデータの増加変位量差分(増加分)、
(2−b)前記複数のサンプリングデータ列のそれぞれにおけるサンプリングデータの増加変位量差分(減少分)、
(2−c)前記複数のサンプリングデータ列のそれぞれにおけるサンプリングデータの減少変位量差分(増加分)、
(2−d)前記複数のサンプリングデータ列のそれぞれにおけるサンプリングデータの減少変位量差分(減少分)。
また、上記(3)および(4)については、連続的に変位した方向が増加方向または減少方向のいずれであるかによって分類し、以下の変位状況データとして生成することが好ましい。
(3−a)前記複数のサンプリングデータ列のそれぞれにおいて、サンプリングデータが連続的に増加方向へ変位した量を表す連続増加変位量、
(3−b)前記複数のサンプリングデータ列のそれぞれにおいて、サンプリングデータが連続的に減少方向へ変位した量を表す連続減少変位量、
(4−a)前記複数のサンプリングデータ列のそれぞれにおいて、サンプリングデータが連続的に増加方向へ変位した回数を表す連続増加変位回数、
(4−b)前記複数のサンプリングデータ列のそれぞれにおいて、サンプリングデータが連続的に減少方向へ変位した回数を表す連続減少変位回数。
これらのデータ(1)〜(4)または下記の(1−a)〜(4−b)のそれぞれによって、複数のサンプリング時間に対するゆらぎ成分が判別される。すなわち、このゆらぎ成分より、付着物や接触物の粘性変化等が推測できると考えられる。例えば、雨滴は、浮力により慣性がほぼ一定であると考えることができる。この雨滴がガラス表面に衝突する場合、衝突による雨滴の形状変化は、その粘性に依存する。なお、粘性が同じであっても慣性が異なれば、形状変化の度合いは異なる。この形状変化の度合いをセンサ出力(電圧変化)量で確実に判断するためには、検知面感度が一定でなければならないが、光束密度を一定とした平行光を車両用ワイパー制御装置の光学部において実現することは、技術的にもコスト的にも不可能である。このため、本実施形態の車両用ワイパー制御装置では、検知面2aへの雨滴等の付着物の形状変化度合いを、受光素子4の出力量の時間軸上での変化から判定することにより、一般的な状況で発生するウインドシールド2への水分付着状況(雨滴、垂れ水、結露など)を互いに判別することができる。また、受光素子4の出力量の時間軸上での変化から、これらの水分付着以外に、検知面2aに対する様々な付着物または接触物の種類を互いに判別することができる。
ここで、図4に、上記(1−a)の増加変位量および(1−b)の減少変位量の算出例を示す。図4に示すように、サンプリングデータ列において連続する2つのサンプリングデータSi,Si+1(Si,Si+1の順にサンプリングされたものとする)において、Si<Si+1であれば、Si+1−Siの値を、Si+1のサンプリングタイミングにおける増加変位量とする。Si≧Si+1であれば、Si+1のサンプリングタイミングにおける増加変位量の値を0とする。同様に、サンプリングデータ列において連続する2つのサンプリングデータSi,Si+1(Si,Si+1の順にサンプリングされたものとする)において、Si>Si+1であれば、Si−Si+1の値を、Si+1のサンプリングタイミングにおける減少変位量とする。Si≦Si+1であれば、Si+1のサンプリングタイミングにおける減少変位量の値を0とする。
図5に、上記(2−a)の増加変位量差分(増加分)および(2−b)の増加変位量差分(減少分)の算出例を示す。図5に示すように、増加変位量差分(増加分)および増加変位量差分(減少分)は、上記(1−a)の増加変位量から求められる。サンプリングデータ列において連続する2つのサンプリングデータSi,Si+1(Si,Si+1の順にサンプリングされたものとする)についての増加変位量Ui,Ui+1において、Ui<Ui+1であれば、Si+1のサンプリングタイミングにおける増加変位量差分(増加分)はUi+1−Uiであり、増加変位量差分(減少分)は0である。Ui>Ui+1であれば、Si+1のサンプリングタイミングにおける増加変位量差分(増加分)は0であり、増加変位量差分(減少分)はUi−Ui+1である。なお、Ui=Ui+1であれば、増加変位量差分(増加分)および増加変位量差分(減少分)はいずれも0である。
図6に、上記(2−c)の減少変位量差分(増加分)および(2−d)の減少変位量差分(減少分)の算出例を示す。図6に示すように、減少変位量差分(増加分)および減少変位量差分(減少分)は、上記(1−b)の減少変位量から求められる。サンプリングデータ列において連続する2つのサンプリングデータSi,Si+1(Si,Si+1の順にサンプリングされたものとする)についての減少変位量Di,Di+1において、Di<Di+1であれば、Si+1のサンプリングタイミングにおける減少変位量差分(増加分)はDi+1−Diであり、減少変位量差分(減少分)は0である。Di>Di+1であれば、Si+1のサンプリングタイミングにおける減少変位量差分(増加分)は0であり、減少変位量差分(減少分)はDi−Di+1である。なお、Di=Di+1であれば、減少変位量差分(増加分)および減少変位量差分(減少分)はいずれも0である。
図7に、上記(3−a)の連続増加変位量および(3−b)の連続減少変位量の算出例を示す。図7に示すように、サンプリングデータ列においてサンプリングデータが連続して減少する場合は、前回までの連続減少変位量に今回の減少変位量を加算した値が、連続減少変位量となる。サンプリングデータの変位が減少から増加に転じた場合または変位が0である場合は、図7に示すように、連続減少変位量はクリアされて0となる。また、サンプリングデータ列においてサンプリングデータが連続して増加する場合は、前回までの連続増加変位量に今回の増加変位量を加算した値が、連続増加変位量となる。サンプリングデータの変位が増加から減少に転じた場合または変位が0である場合は、連続増加変位量はクリアされて0となる。
図8に、上記(4−a)の連続増加変位回数および(4−b)の連続減少変位回数の算出例を示す。図8に示すように、サンプリングデータ列においてサンプリングデータが連続して減少する場合は、前回までの連続減少変位回数に1を加算した値が、連続減少変位回数となる。サンプリングデータの変位が減少から増加に転じた場合または変位が0である場合は、図8に示すように、連続減少変位回数はクリアされて0となる。また、サンプリングデータ列においてサンプリングデータが連続して増加する場合は、前回までの連続増加変位回数に1を加算した値が、連続増加変位回数となる。サンプリングデータの変位が増加から減少に転じた場合または変位が0である場合は、連続増加変位回数はクリアされて0となる。
変位状況データ生成部61は、上述のようにサンプリング周期が互いに異なる複数のサンプリングデータ列から個々に生成された変位状況データを、変位状況データ記憶部63へ記憶する。なお、変位状況データ記憶部63へ記憶される変位状況データは、変位状況データ生成部61によって生成された変位状況データそのものであっても良いが、変位状況データ記憶部63の記憶容量を節約するために、変位状況データ生成部61が、前記複数のサンプリングデータ列から生成された変位状況データの特徴量を求め、求められた特徴量を記憶させても良い。特徴量としては、例えば、それぞれのサンプリングデータ列から生成された変位状況データの最大値や、この最大値をさらに所定のレベル値で表現した値などを用いることができる。また、最大値に限らず、変位状況データの平均値、積算値、差分値などを特徴量として使用することもできる。
照合部62は、上述のように変位状況データ生成部61によって生成されて変位状況データ記憶部63に記憶された変位状況データと、パターンデータ記憶部64に予め記憶されている変位状況パターンとを照合することにより、検知面2aの状態を推定する。
パターンデータ記憶部64は、検知面2aに対する付着物の様々な態様(例えば、雨滴、垂れ水、結露など)に応じた変位状況パターンや、付着物以外の接触物(通過物を含む)が原因で生じる変位状況パターンを記憶している。接触物によって生じる変位状況パターンとしては、例えば、ワイパーブレードが検知面上を通過した時の変位状況パターンや、検知面に人間の指が触れた場合などの変位状況パターンがある。なお、「検知面に指が触れる」とは、ガソリンスタンドなどで、窓ガラスの清掃時に検知面に指等が触れることを想定したものである。結露状態は、結露の他に霧雨の付着した状態も含む。
これらの変位状況パターンは、検知面2a上に上述のような付着物または接触物が存在する状態を実験的に再現し、その状態で発光素子3から検知面2aへ光を照射したときの受光素子4の出力信号に基づいて、上述した変位状況データと全く同じ方法によって求められる。すなわち、変位状況パターンも、変位状況データと同じく、互いに異なるサンプリング周期で得られたサンプリングデータ列から生成される。
なお、本発明にかかるワイパー制御装置を実施する際には、上記の(1−a)〜(4−b)に例示した変位状況データの全てを必ずしも用いなくても良いし、これら以外の何らかの変位状況データを用いても良い。言い換えれば、本発明の実施にかかるワイパー制御装置は、上記の(1−a)〜(4−b)に例示した変位状況データと照合するための全ての変位状況パターンを記憶していなくても良い。例えば、上記(1−a)〜(4−b)のいずれか一種類のみの変位状況データを用いる場合でも、複数種類のサンプリング周期で得られた複数のサンプリングデータ列から上記変位状況データをそれぞれ生成し、同じように予め求められている変位状況パターンと照合することによって、検知面2aの付着物がどのような態様であるか、また、検知面2a上に接触物(ワイパーブレード等の通過物を含む)が存在するかを推定することは可能である。ただし、より高い推定精度が求められる場合は、上記の(1−a)〜(4−b)に例示したような変位状況データをできるだけ多種類用いることが好ましい。
ここで、本実施形態の車両用ワイパー制御装置において、複数種類のサンプリング周期で得られた複数のサンプリングデータ列から生成された変位状況データに基づいて、検知面2aの状態を推定できる原理について説明する。
最初に、検知面2aへ付着する水分の形態と受光素子4の出力との関係について説明する。例えば、大粒の雨と霧雨とを比較する。大粒の雨が検知面2aに付着すると、検知面2aのかなりの面積が雨粒によって被覆される結果、受光素子4からの出力は大きく低下する。さらに、付着した後の雨粒は、持っている運動エネルギーが大きいので、検知面2aに付着した後もかなりの時間にわたって揺らいでいることになる。検知面2a上で大きな雨粒が揺らいでいると、受光素子4からの出力も増加減少を繰り返して、揺らぐことになる。一方、霧雨のような非常に小さな雨粒が検知面2aに付着すると、検知面2aのうち少しの面積しか被覆されないので、受光素子4からの出力はあまり低下しない。さらに、付着した後の雨粒は、持っている運動エネルギーが小さいので、付着後すぐにその揺らぎは収まってしまう。その結果、受光素子4の出力もすぐに安定することになる。
このように、付着する水分の形態が異なると、検知面2aに付着した後の挙動もその形態に応じて異なる。そして、付着した水分の挙動に対応して、付着後の受光素子4の出力変動も異なる。なお、これは、水分に限らず、検知面2aに付着または接触する可能性のある様々な物質についても同様である。すなわち、本発明者らは、検知面2aに何かが付着後または接触中の受光素子4の出力変動が、付着物または接触物の特性に応じて固有の変位パターンを有することを見出した。この原理により、検知面2aに水分等が付着した後または接触している間における受光素子4の出力変動、すなわち「揺らぎ」を分析することにより、検知面2aに対する付着物または接触物の形態等を判定することができる。
ここで、本実施形態にかかるワイパー制御装置のパターンデータ記憶部64に予め格納される変位状況パターンの具体例について説明する。なお、ここでは、検知面2aについて実験的に5種類の状態(雨滴の付着、垂れ水の通過、指の接触、結露の付着、ワイパーブレードの通過)を再現し、それぞれの状態での受光素子4からの出力信号から、サンプリング周期をN,8N,64N,512Nとして4種類のサンプリングデータ列を得た。なお、N=500μ秒とした。そして、これらのサンプリングデータ列から、増加変位量(1−a)、減少変位量(1−b)、連続増加変位量(3−a)、連続減少変位量(3−b)の4種類についての変位状況パターンを得た。
図9〜図13に、検知面2aに雨滴が付着したとき(図9)、検知面2a上を車両の屋根からの垂れ水が通過したとき(図10)、検知面2a上に指が接触したとき(図11)、検知面2aに結露が付着したとき(図12)、検知面2a上をワイパーブレードが通過したとき(図13)、のそれぞれの場合における受光素子4からの出力信号波形(各図の(a))と、それぞれの出力信号からサンプリング周期N(N=500μ秒)のサンプリング周期で得られたサンプリングデータ列に基づいて生成された増加変位量(各図の(b))、減少変位量(各図の(c))、連続増加変位量(各図の(d))、連続減少変位量(各図の(e))を示す。図9〜図13のそれぞれにおいて、縦軸は受光素子4の出力(単位はドット)を表し、横軸はサンプリング開始からの経過時間(単位は500μ秒)を表す。なお、縦軸の単位である1ドットは、変位状況データ生成部61を構成するマイコン内部のA/Dコンバータの1分解能の単位を示す。また、図13中に実線と破線で示した信号は、ワイパーが作動中か否かを表すワイパー作動信号である。この信号が高レベルの間はワイパーが作動しており、低レベルの間はワイパーが停止している。
この例では、図9に示すように得られた雨滴付着時の各変位量の特徴量として、これらの各変位量の最大値を求め、さらにその最大値を所定のレベル値に変換する。従って、ここで説明している変位状況パターンを用いるワイパー制御装置の変位状況データ生成部61は、これと同様に、変位状況データとして得られた各変位量の特徴量として、それらの変位量の最大値を求め、さらにそれを上記所定のレベル値に変換した値を求めて、変位状況データ記憶部63へ格納すれば良い。
例えば、図9(b)に示す増加変位量の最大値は33、図9(c)に示す減少変位量の最大値は36、図9(d)に示す連続増加変位量の最大値は34、図9(e)に示す連続減少変位量の最大値は36である。これと同様にして、図10の(b)〜(e)に示す垂れ水通過時の各変位量からの最大値、図11の(b)〜(e)に示す指の接触時の各変位量からの最大値、図12の(b)〜(e)に示す結露付着時の各変位量からの最大値、図13の(b)〜(e)に示すワイパーブレード通過時の各変位量からの最大値を、それぞれ求める。その結果を、図14のd(N)の欄に示す。
また、図15〜図17は、図9(a)に示した雨滴付着時の出力信号から、8N(すなわち4m秒),64N(すなわち32m秒),512N(すなわち256m秒)のサンプリング周期で得られたサンプリングデータ列に基づいて生成された増加変位量(各図の(b))、減少変位量(各図の(c))、連続増加変位量(各図の(d))、連続減少変位量(各図の(e))を示す。これらに基づき、図14のd(8N)、d(64N)、d(512N)の欄において、検知面2aの状態が「雨滴付着」である場合の各変位量の最大値が求められる。
また、図示を省略するが、検知面2aの状態が、垂れ水通過時、指接触時、結露付着時、ワイパーブレード通過時のそれぞれについて、8N,64N,512Nのサンプリング周期で得られたサンプリングデータ列に基づいて生成された各変位量の最大値を図14のd(8N)、d(64N)、d(512N)の欄に示した。
以上のように、検知面2aの各種状態を実験的に再現し、図14に示すような各変位量の最大値が求められると、次に、これらの最大値は、検知面2aの状態毎に所定のレベル値に変換される。例えば、図18に示す例は、最大値を7段階のレベル値に変換したものである。また、図19に示す例は、最大値を3段階のレベル値に変換したものである。なお、図18および図19では、説明の分かりやすさを重視して、各レベル値を記号で示した。しかし、実際のレベル値は、数値等で表現され、変位状況パターンとしてパターンデータ記憶部64に格納される。
なお、図9〜図19から分かるように、検知面2aの状態が、雨滴の付着、垂れ水の通過、指の接触、結露の付着、ワイパーブレードの通過、のそれぞれの場合について、複数種類のサンプリング周期で得られるサンプリングデータ列の態様および各変位量の最大値からなる変位状況パターンは、互いに顕著に異なっている。
例えば、ワイパーブレードが通過した際の受光素子4の出力変化は、雨滴が付着した場合の出力変化よりも遅い。従って、短サンプリング周期で得られた変位状況パターンにおいて、ワイパーブレードが通過した場合の変位量は、雨滴が付着した場合の変位量よりも小さくなる。また、ワイパーブレードが通過した場合の受光素子4の出力は、ワイパーブレードにより集められた水分の塊が検知面2a上を通過することにより低下し、ワイパーブレードが通過した後は検知面2a上に水分が残らないため、瞬時に出力が元に戻る。従って、ワイパーブレードが通過した場合の変位状況パターンは、減少方向および増加方向の両方について大きな変位量を示す。
従って、本実施形態によれば、上述した変位状況パターンを用いることにより、受光素子4の出力信号に基づいて、検知面2aに対する雨滴等の水分の付着と、ワイパーブレードの通過とを識別することができる。このため、従来のように、ワイパーが作動している期間に受光素子の出力信号をマスクする必要がなく、ワイパーが作動しているか否かに関わらず、全期間を通じて検知面2aの状態を推定することができる。これにより、検知面2aの状態変化にすばやく追従するワイパー作動制御が可能となる。
次に、照合部62の処理の一例について、図20および図21を参照しながら具体的に説明する。
ここでは、変位状況パターンとして、検知面の状態に関して図20(a)に示す5種類のパターン(雨滴付着時、ワイパー通過時、垂れ水通過時、指接触時、結露付着時)がパターンデータ記憶部64に予め格納されており、本実施形態のワイパー制御装置の作動時に、変位状況データ生成部61によって、図20(b)に示す変位状況データが得られ、変位状況データ記憶部63に記憶されたものとする。
照合部62は、変位状況データ記憶部63から図20(b)の変位状況データを読み出し、パターンデータ記憶部64に格納されている図20(a)の変位状況パターンと照合する。ここで、照合部62は、検知面の状態毎に、各種の変位状況データ(増加変位量、減少変位量、増加連続変位量、減少連続変位量、・・・)について、変位状況データの値と変位状況パターンの値との差分を算出する。図20(a)および図20(b)から算出される差分値は、図21に示すとおりである。
照合部62は、さらに、図21に示すように、検知面の状態毎に、算出された差分の合計を算出する。そして、差分の合計が小さい順に、一致順位を決定する。図21に示す結果によれば、照合部62は、このときの検知面2aの状態は、雨滴が付着した状態であると推定する。
以上の処理により、照合部62は、変位状況データ生成部61によって生成された変位状況データと、実験的に求められパターンデータ記憶部64に予め格納されている変位状況パターンとを照合することにより、検知面2aの状態を推定することができる。
なお、上記の例では、検知面2aの状態に関して、5種類のパターン(雨滴付着時、ワイパー通過時、垂れ水通過時、指接触時、結露付着時)の変位状況パターンをパターンデータ記憶部64に予め格納した構成について説明した。しかし、変位状況パターンはこれらのみに限定されず、例えば、検知面2aが撥水性か親水性かによって互いに異なる変位状況パターンを予め格納しておくことも効果的である。以下、その理由を説明する。
自動車のウインドシールドの表面に撥水剤をコーティングする撥水処理をして、撥水性ガラスにすることがある。この場合、検知面に付着した雨滴の挙動は、通常のガラス(撥水処理を施していないガラス)上における挙動とは異なる。例えば撥水性ガラスの場合、同じ質量の雨滴でも、その接触面積が通常のガラスと比べて小さくなる。また、撥水性ガラスに付着した雨滴は、風圧等で検知面上を動きやすくなっているので、この動きによっても、受光素子からの信号は変化する。さらに、ワイパーで雨滴を払拭すると、その直後はガラス表面に薄い水膜となるが、ガラス表面の撥水性により、この水膜が小さな水粒になる。この場合も、受光素子からの信号は通常の場合と異なっている。従って、撥水性ガラスの場合と、通常のガラスの場合とにおいて、互いに異なる制御ロジックを用いる必要がある。
しかし、撥水処理の効果は、半永久的には持続せず、ワイパーブレードでガラス表面が払拭されることにより低減していく。従って、実際には、撥水効果が低減していくに従って、通常のガラスの場合の制御ロジックへ移行させる必要があるが、移行時点の制御は困難である。また、いずれの制御ロジックを用いるかを決定するために、ウインドシールドに撥水処理がなされているか否かを運転者に設定させるのは現実的ではない。設定の手間が面倒であり、設定を忘れる可能性もあるからである。また、自動洗車機では、撥水性を有する処理剤を用いて洗車される場合がある。この場合、運転者の認識とは関係なく、検知面を含むウインドシールドの表面が撥水性になっている。従って、従来、ウインドシールドに撥水処理がなされた場合、検知面の状態を正しく推定することは難しかった。
これに対して、本実施形態にかかる車両用ワイパー制御装置によれば、ウインドシールドが撥水性である場合(撥水処理がなされている場合)と、親水性である場合(油膜とりの処理がなされている場合)とのそれぞれについて、変位状況パターンをパターンデータ記憶部64に予め格納しておけば良い。このように、ウインドシールドが撥水性または親水性のいずれであっても検知面の状態を正確に推定できるのは、複数種類のサンプリング周期で得られたサンプリングデータ列から生成された各種の変位状況データが、検知面の状態が雨滴付着またはワイパー通過等のように同様の条件であっても、検知面2aが撥水性か親水性かで、図22に示すように、互いに顕著に異なる特徴量を持つことによる。
以上のとおり、本実施形態にかかる車両用ワイパー制御装置の推定部6は、検知面に対して典型的な付着物または接触物が存在する場合に得られる受光素子4の出力信号の変位状況を表した変位状況パターンを予め蓄積したパターンデータ記憶部64を有する。そして、照合部62が、所定のサンプリング期間内に上記出力信号から取得された変位状況データと、上記変位状況パターンとを照合することにより、当該サンプリング期間における検知面2aの状態、すなわち検知面2aに付着物または接触物(検知面上の通過物を含む)があるかを推定する。この構成により、検知面2a上をワイパーブレードが通過したことを、雨滴等の付着物や他の接触物と相互に識別して推定できるので、ワイパーの作動中にも、受光素子からの信号をマスクする必要がなくなる。したがって、ワイパーの作動の如何に関わらず、全期間を通じて雨滴等の付着を検出できるようになり、トンネルの出口付近で大雨に遭遇したような場合でも、検知面の状態変化にすみやかに追従する適切なワイパー制御が可能となる。
なお、上述したような検知面2aの各種の状態に対する照合部62による推定結果に応じて、ワイパー制御部7はワイパー作動制御を行う。なお、ワイパー制御部7は、照合部62による推定結果のみに従ってワイパー作動制御を行っても良いが、車両に設けられた他のセンサ類から得られる信号を参照して、ワイパーをどのように作動させるかを決定しても良い。
ワイパー制御部7は、例えば、照合部62により検知面2aに雨滴が付着していると推定された際は、ワイパーを作動させる。なお、本実施形態では、降雨状況(雨の激しさ)を判別する例を示していないが、雨の激しさに応じて変位状況パターンは異なるので、変位状況データの特徴量から降雨状況を推測し、降雨状況に応じて適切な払拭間隔でワイパーを作動させても良い。結露が生じていると推定された際は、ワイパーを作動させない。通常の結露によって運転者の視界が遮られる場合は少なく、ワイパーを作動させると、運転者が、ワイパーが誤作動したと認識する可能性が高いからである。ただし、運転者の視界が遮られるような結露が発生している場合は、ワイパーを作動させる必要がある。すなわち、照合部62によって検知面2a上に結露が発生したと推定されており、かつ、受光素子4の出力変化が短時間で大きく変化している場合は、ワイパー制御部7は、運転者の視界が遮られていると推測し、ワイパーを作動させることが好ましい。
また、垂れ水通過と推定された際は、垂れ水を除去すべくワイパーを作動させる。すなわち、照合部62によって検知面2a上に垂れ水が発生したと推定されており、かつ、受光素子4の出力が短時間で大きく変化している場合は、ワイパー制御部7は、運転者の視界が遮られていると推測し、ワイパーを作動させることが好ましい。なお、ワイパー作動直後も検知面2a上に垂れ水が発生したと照合部62によって推定される場合は、垂れ水経過が継続して発生していると推測し、ワイパーを連続作動させることが好ましい。また、運転者の視界を著しく悪化させる程度の垂れ水であれば、早い間隔で払拭を行い、そうでない場合は、払拭頻度は高くなくて良い。
また、指が接触したと推定された際は、停止時であれば、ワイパーを作動させない。これは、例えばガソリンスタンドにおいてエンジンを停止する前に作業員がウインドシールドの清掃を行おうとした場合等に、ワイパーが作動してしまうことを防止するためである。なお、車両が停止しているかどうかは、当該車両のパーキングブレーキまたはサイドブレーキの状態を表す信号、フューエルキャップのオープン信号、パーキングレンジ入力信号、ハザード入力信号等を併用すれば、より確実に判定することができる。
以上のとおり、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の実施形態は上記の例のみに限定されず、種々の変更が可能である。
本発明は、検知面の状態変化に追従したワイパー制御が可能な車両用ワイパー制御装置として産業上利用可能である。

Claims (11)

  1. 車両のウインドシールドガラス表面の一部を検知面として、前記検知面へ光を照射する発光素子と、前記発光素子から出射されて前記検知面で反射された光を受光する位置に配置された受光素子とを含む光学部と、
    前記受光素子の出力信号の変化を解析することにより前記検知面の状態を推定する推定部と、
    前記推定部から出力される推定結果信号に従って、車両に取り付けられたワイパーの作動を制御するワイー制御部とを備えた車両用ワイパー制御装置において、
    前記推定部は、
    前記受光素子の出力信号から、ワイパーが作動している期間と作動していない期間との両方において、複数種類のサンプリング周期で得られた複数のサンプリングデータ列のそれぞれに基づいて、前記受光素子の出力信号の変位状況を表す変位状況データを求める変位状況データ生成部と、
    前記検知面に付着物または接触物がある場合の前記受光素子の出力信号の変位状況を表す変位状況パターンデータと、前記検知面上をワイパーブレードが通過した場合の前記受光素子の出力信号の変位状況を表す変位状況パターンデータとを予め格納したパターンデータ記憶部と、
    前記変位状況データ生成部によって求められた変位状況データと、前記パターンデータ記憶部に格納されている変位状況パターンデータとを照合し、前記検知面の状態を表す推定結果信号を出力する照合部とを備えたことを特徴とする車両用ワイパー制御装置。
  2. 前記検知面に付着物または接触物がある場合の前記受光素子の出力信号の変位状況を表す変位状況パターンデータとして、前記検知面上に付着または接触している水分の形態に関する複数種類の変位状況パターンデータが、前記パターンデータ記憶部に予め格納された、請求項1に記載の車両用ワイパー制御装置。
  3. 前記変位状況データ生成部が、所定のクロック周期Nで得られたm(a,bを整数として、m=2a×b)個のサンプリングデータからなるサンプリングデータ列と、前記クロック周期Nに2a、2a×2、・・・、2a×c(cはb以下の整数)をそれぞれ乗じたクロック周期で得られる2b個、2b-1個、・・・、(m/2a×c)個のサンプリングデータからなるサンプリングデータ列とを、前記複数のサンプリングデータ列として生成する、請求項1に記載の車両用ワイパー制御装置。
  4. 前記変位状況データ生成部が、前記変位状況データとして、前記複数のサンプリングデータ列のそれぞれにおけるサンプリングデータの変位量を求める、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用ワイパー制御装置。
  5. 前記変位状況データ生成部が、前記変位状況データとして、前記複数のサンプリングデータ列のそれぞれにおけるサンプリングデータの変位量の差分を表す変位量差分を求める、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用ワイパー制御装置。
  6. 前記変位状況データ生成部が、前記変位状況データとして、前記複数のサンプリングデータ列のそれぞれにおいて、サンプリングデータが連続的に正負いずれかの方向へ変位した量を表す連続変位量を求める、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用ワイパー制御装置。
  7. 前記変位状況データ生成部が、前記変位状況データとして、前記複数のサンプリングデータ列のそれぞれにおいて、サンプリングデータが連続的に正負いずれかの方向へ変位した回数を表す連続変位回数を求める、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用ワイパー制御装置。
  8. 前記パターンデータ記憶部が、撥水性の検知面に付着物または接触物がある場合の前記受光素子の出力信号の変位状況を表す変位状況パターンデータと、撥水性の検知面上をワイパーブレードが通過した場合の前記受光素子の出力信号の変位状況を表す変位状況パターンデータと、親水性の検知面に付着物または接触物がある場合の前記受光素子の出力信号の変位状況を表す変位状況パターンデータと、親水性の検知面上をワイパーブレードが通過した場合の前記受光素子の出力信号の変位状況を表す変位状況パターンデータとを予め格納した、請求項1〜7のいずれか1項に記載の車両用ワイパー制御装置。
  9. 前記パターンデータ記憶部が、前記検知面に人間の手が接触した場合の前記受光素子の出力信号の変位状況を表す変位状況パターンデータをさらに格納した、請求項1〜8のいずれか1項に記載の車両用ワイパー制御装置。
  10. 前記パターンデータ記憶部が、前記検知面に油膜が付着した場合の前記受光素子の出力信号の変位状況を表す変位状況パターンデータをさらに格納した、請求項1〜9のいずれか一項に記載の車両用ワイパー制御装置。
  11. 車両のウインドシールドガラス表面の一部を検知面として、前記検知面へ光を照射する発光素子と、前記発光素子から出射されて前記検知面で反射された光を受光する位置に配置された受光素子とを含む光学部から、前記受光素子の出力信号を入力し、その変化を解析することにより前記検知面の状態を推定し、その推定結果に従って、車両に取り付けられたワイパーの作動を制御する車両用ワイパー制御方法において、
    前記受光素子の出力信号から、ワイパーが作動している期間と作動していない期間との両方において、複数種類のサンプリング周期で得られた複数のサンプリングデータ列のそれぞれに基づいて、前記受光素子の出力信号の変位状況を表す変位状況データを求める変位状況データ生成ステップと、
    前記検知面に付着物または接触物がある場合の前記受光素子の出力信号の変位状況を表す変位状況パターンデータと、前記検知面上をワイパーブレードが通過した場合の前記受光素子の出力信号の変位状況を表す変位状況パターンデータとを予め格納したパターンデータ記憶部の前記変位状況パターンデータと、前記変位状況データ生成ステップによって求められた変位状況データとを照合し、前記検知面の状態を表す推定結果を得る照合ステップとを含むことを特徴とする車両用ワイパー制御方法。
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