JP4716622B2 - ポリエステル系ホットメルト接着剤組成物及びこれを用いて形成された接着剤フィルム・シート - Google Patents

ポリエステル系ホットメルト接着剤組成物及びこれを用いて形成された接着剤フィルム・シート Download PDF

Info

Publication number
JP4716622B2
JP4716622B2 JP2001243167A JP2001243167A JP4716622B2 JP 4716622 B2 JP4716622 B2 JP 4716622B2 JP 2001243167 A JP2001243167 A JP 2001243167A JP 2001243167 A JP2001243167 A JP 2001243167A JP 4716622 B2 JP4716622 B2 JP 4716622B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester
adhesive composition
adhesive
sheet
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2001243167A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002138269A (ja
Inventor
和徳 林
哲也 持田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Shinko Corp
Original Assignee
Nitto Shinko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Shinko Corp filed Critical Nitto Shinko Corp
Priority to JP2001243167A priority Critical patent/JP4716622B2/ja
Publication of JP2002138269A publication Critical patent/JP2002138269A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4716622B2 publication Critical patent/JP4716622B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定のポリエステル系ホットメルト接着剤組成物に係り、特にこのポリエステル系ホットメルト接着剤組成物、つまり、一種のポリエステル系ホットメルト接着剤組成物を用いるにあたり、このポリエステル系ホットメルト接着剤組成物を成形して得た接着剤フィルム・シートの表面粗さを変更することで常温タック力の調整を行い、特に作業性面に関わる、例えば、常温タックがあると被着体であるカード素材の位置決めがし難い非接触型ICカード用接着剤組成物などに用いる場合には接着剤フィルム・シートの表面粗さを所定値以上に構成して接着面積を小さくすることにより常温タックを無くし、一方、一般的に、前作業として補強板との仮着工程で適度な常温タックが必要なFPC用裏打補強板用接着剤組成物などの相反する要求を求められる用途には、前記接着剤フィルム・シートの表面粗さを所定値未満にすることで仮着性を発現、維持させることができるポリエステル系ホットメルト接着剤組成物及びこれを用いて形成された接着剤フィルム・シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
同種或いは異種の素材どうしの接合には、一般的に、両面粘着テープ等の感圧性粘着機能を有する接合用材料、液状接着剤、熱硬化型接着剤組成物、ホットメルト系接着剤組成物又は光硬化型接着剤組成物が有用である。
【0003】
具体的には、例えば両面粘着テープ等の感圧性粘着機能を有する接合用材料は、その感圧粘着性を利点とし、一方の材料に貼りつけた後、セパレータを剥がし、もう一方の材料を常温でも、貼り合せることで簡単に接合できるわけであるが、感圧粘着性を有するので、凝集力には限界があり、強接着性が得られ難い。また、両面粘着テープにおいて、粘着力の高いものは、仮着力も高く仮止めの再の貼り替え作業ができない場合もある。
【0004】
又、前記の液状接着剤や熱硬化型接着剤組成物においてはその取り扱いにあたり、液状であるが故に作業場での汚染、品質の安定性等の観点から塗布量を調整する必要がある結果、高い技術力や熟練を要し、又、必ず硬化処理が必要であるが、この硬化処理が非常に困難な場合が多いのであり、前記光硬化型接着剤組成物においてはその管理や作業現場での取扱性更に紫外線照射装置等による照射・硬化工程が必要である上、高い技術力や熟練を要する。
【0005】
そこで、最近では、ホットメルト系接着剤組成物、特に、ポリエステル系ホットメルト接着剤組成物は、代表的な熱可塑性樹脂であるポリエステル樹脂を主成分とする接着剤組成物であり、非常に広範囲の被着体に対して優れた接着性を発現するので、最近、急速に普及し始めたICカードの製造に利用することが検討されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ICカードには、カードに埋設されるICチップの接点をカードの表面に露出させた接触型のものと、カード内に配置されるICチップと送受信用又は発信用のアンテナとを例えばポリエステルフィルムで被覆した非接触型のものとがあり、後者のものが耐用性に優れているなどの理由から今後圧倒的な主流を占めるものと予測されている。
【0007】
この非接触型ICカードに用いられる接着剤組成物は、常温での非タック性、耐熱性、耐湿熱性、耐熱衝撃性、ICチップ及びアンテナを被覆するスキン材を破壊する程度の強力な接着力などが要求されている上、製造時にスキン材の熱変化や変形が生じない程度の低温での溶融性を備えることが要求されている。
【0008】
そこで、近年、ポリエステル系ホットメルト接着剤組成物として、特に幅広く実用化されつつある非接触型ICカード用接着剤シートに要求される、常温で非タック、耐熱性、耐湿熱性 耐熱衝撃性 ICカードスキン材として一般的に使用される二軸延伸ポリエステルフィルムが材料破壊する程の強接着力等の全て条件を満足するものにつき検討が重ねられている。
【0009】
しかしながら、これらの要求を全て満たすようなポリエステル系ホットメルト接着剤組成物はこれまでに見い出されていない。
【0010】
その理由としては、常温での非タック性を実現しようとすれば、溶融温度などの接着温度条件が高くなり、接着、製造時にスキン材の変形が生じ易くなるという問題が生じるからであり、又、接着温度条件を低くすると夏季の保存時など高温雰囲気でタック性が発現し、カード端面に露出した接着剤組成物に塵埃などが付着して外観が悪化したり、カードどうしが互いに接着したりするという問題が生じるからである。
【0011】
そこで、本発明者は、これらの問題を解決すべく、特定のポリエステル系ホットメルト接着剤組成物を開発し、又、このポリエステル系ホットメルト接着剤組成物は非接触型ICカード用接着剤組成物として好適に用いられることを提案した(特願2000−250549号の明細書)。
【0012】
即ち、このポリエステル系ホットメルト接着剤組成物は、ポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルム(スキン材)に対して優れた接着性を有し、ICチップやアンテナ等の電子部品を被覆するスキン材を破壊する程度の強力な接着力を発現するだけでなく、常温でのタック性が極めて乏しく、しかも所要の耐熱性、耐湿熱性、耐熱衝撃性を備える上、製造時にスキン材の熱変化や変形が生じない程度の低温での溶融性を備え、接着温度条件が低く、接着時間も極短時間で良い、非接触型ICカード用接着剤組成物として極めて好適に用いられるものである。
【0013】
ところで、ホットメルト系のフィルム状ないしシート状接着剤は、用途によって、被着体への仮止めを目的とした軽微な粘着性を必要とし、且つ後工程で加熱、加圧等の手法を用いて高接着特性を発現するものが必要な場合もある。
【0014】
特に、FPC補強板用接着フィルム・シートのように、補強板としてのアルミニウム板、SUS板、ポリイミド板、ポリエステルフィルムなどの接合用材料として用い、ロールラミネート等の方法で仮着され、後工程で加熱、加熱加圧によって強接着力が発現するものが要求されている。
【0015】
以上のことより、本発明者はその後、特願2000−250549号の明細書で提案したポリエステル系ホットメルト接着剤組成物及びこれをフィルム状ないしシート状に形成して得たフィルム状ないしシート状接着剤を用い、種々の用途開発を鋭意、検討を重ねてきた。
【0016】
その結果、本発明者は、この種のポリエステル系ホットメルト接着剤組成物をフィルム状ないしシート状に成形するにあたり、例えば表面粗さの異なる離形性セパレータを使い分けて得られた接着剤フィルム・シートの表面粗さを制御することで、常温タックを無くしたり或いは適度な常温タックを発現するなど、種々の用途において好適に用いることができるとの知見を得た。
【0017】
本発明は、前記技術的課題を解決するために完成されたものであって、特定のポリエステル系ホットメルト接着剤組成物を成形し、得られた接着剤フィルム・シートの表面粗さを制御することで常温タック力の調整を行い、特に作業性面に関わる、例えば、常温タックがあると被着体であるカード素材の位置決めがし難い非接触型ICカード用接着剤組成物などに用いる場合にはセパレータの表面粗さを所定値以上に構成して接着面積を小さくすることにより常温タックを無くし、逆に、前作業として補強板との仮着工程で適度な常温タックが必要なFPC用裏打補強板用接着剤組成物などの用途には、得られた接着剤フィルム・シートの表面粗さを所定値未満にすることで仮着性を発現、維持させることができるポリエステル系ホットメルト接着剤組成物及びこれを用いて形成された接着剤フィルム・シートを提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るポリエステル系ホットメルト接着剤組成物においては、前記目的を達成するために、Tgが−75℃以上−40℃以下、分子量が10000〜50000の結晶性飽和ポリエステル樹脂100重量部に対し、Tgが50℃以上100℃以下、分子量が1500〜35000の非結晶性飽和ポリエステル樹脂2〜50重量部及びTgが30℃以上130℃以下のテルペンフェノール系樹脂からなる接着付与剤5〜100重量部を配合したことを特徴とする、という技術的手段を採用する。
【0019】
本発明に係るポリエステル系ホットメルト接着剤組成物を更に詳細に説明すれば、以下の通りであるが、本発明のポリエステル系ホットメルト接着剤組成物を用い、得られた接着剤フィルム・シートの表面粗さが2μm以上或いは2μm未満と制御すると、常温タックを無くしたり或いは適度な常温タックを発現するなど、互いに相反する物性が要求される用途においても好適に用いることができるのである。
【0020】
即ち、本発明に係るポリエステル系ホットメルト接着剤組成物はごく僅かな常温タック性を有するが、例えばこのポリエステル系ホットメルト接着剤組成物を表面粗さが2μm以上或いは2μm未満の離形性セパレータ上に流延塗工して、得られた接着剤フィルム・シートの表面粗さをRa=2μm以上と粗くして接着に関与する凸部の面積つまり接着面積を小さくすると常温タック性が無くなり、逆に、接着剤フィルム・シートの表面粗さをRa=2μm未満と平滑にして表面全面或いは表面ほぼ全面が接着に関与するように構成すると適度な常温タック性が発現するのである。
【0021】
本発明において、主ポリマーである結晶性飽和ポリエステル樹脂(A)はそのTgが、−75℃以上−40℃以下であることが好ましく、特に、−70℃以上−50℃以下であることが更に好ましく、このような特定の結晶性飽和ポリエステル樹脂(A)を用いると、ゴム弾性が発生し、後述する接着剤フィルム・シートの表面粗さを制御することで、容易に常温タック性を無くしたり、逆に、常温タック性を発現させることができるのである。
【0022】
この結晶性飽和ポリエステル樹脂(A)においてそのTgが、−40℃を超える高温になると、得られたポリエステル系ホットメルト接着剤組成物のTgが高くなって、耐寒性の観点から好ましくなく、また低温接着特性が悪化したり、溶融粘度が高くなるため、ICカードの製造時に接着温度条件を高くする必要が生じる結果、非接触型ICカードに内蔵されたICチップ、アンテナコイル材等の電子部品をスキン材でサンドイッチする際の埋め込み性を考慮した場合接着時間が長くなったり、電子部品周辺のスキン材に熱変化や熱変形が発生し易く、外観が悪化するなどの致命的な欠陥が生じたり、接着に要する時間(接着時間)を長くしたりする必要が生じ、生産性が低下する虞れが有るので好ましくない。
【0023】
一方、この結晶性飽和ポリエステル樹脂(A)においてそのTgが、−75℃未満と低温になると、主ポリマーとしては柔軟になり過ぎる上、カードの剛性と耐熱性を損なうおそれがあり、更には、後述する接着剤フィルム・シートの表面粗さをRa=2μm以上と粗くして接着に関与する凸部の面積つまり接着面積を小さくしても常温タック性が発現するおそれがある結果、常温タック性が不要とされる非接触型ICカードなどの分野で使用できなくなるので好ましくない。
【0024】
ところで、FPC等の常温タック性、つまり仮着性が要求される分野においても、主ポリマーである結晶性飽和ポリエステル樹脂(A)はそのTgが、−75℃以上−40℃以下であることが好ましく、特に、−70℃以上−50℃以下であることが更に好ましい。
【0025】
この場合には、適度な仮着性が必要であり、従って、その構成として、後述するように、得られた接着剤フィルム・シートにおいてその表面粗さがRa=2μm未満として当該接着剤フィルム・シートと被接着体との接触面積が大きくなるようにすれば良いのである。
【0026】
このような分野においては、Tgが−40℃を超えると、後述する接着付与剤の混入によりTgが高くなる傾向があるため耐寒性の点で好ましくない上、溶融粘度が高くなる傾向にあるため、仮着条件で加温が必要になったり、圧着時間が長くする必要が有り、いずれの場合も生産性に支障が生じるので好ましくなく、一方、Tgが−75℃未満の場合には、柔軟性が有り過ぎて剛性と耐熱性を損なうおそれがあり、又、軟化温度が低下する傾向があるため仮着性が強過ぎて作業性に支障を生じる恐れがあるので好ましくない。
【0027】
以上のことから主ポリマーとしては、前述する条件を満たす結晶性飽和ポリエステル樹脂(A)を採用することにより、常温タック性を無くしたり、又は逆に常温タック性を発現し仮着性を可能にする等、用途に応じた物性を発現させることができるのである。
【0028】
又、この結晶性飽和ポリエステル樹脂(A)の分子量は、10000〜50000であることが好ましく、この分子量が10000未満であれば、後述する接着剤フィルム・シートが脆くなる虞れが生じるので好ましくなく、一方、50000を超えると、軟化温度が高くなり過ぎる結果、非接触型ICカードに内蔵されたICチップ等の電子部品周辺のスキン材に熱変化や熱変形が発生し易く、外観が悪化したりする等、前述のような問題が生じる虞れがあるのであり、又、仮着性が要求される分野においても、Tgが高くなる傾向があるため耐寒性の点で好ましくない上、溶融粘度が高くなる傾向にあるため、仮着条件で加温が必要になる等、前述のような問題が生じる虞れがあるので好ましくない。
【0029】
次に、前記主ポリマーである結晶性飽和ポリエステル樹脂(A)に配合される非結晶性飽和ポリエステル樹脂(B)は、得られた接着剤組成物の凝集力が増大し、しかも結晶性飽和ポリエステル樹脂(A)のゴム弾性を減殺する役割を発現する結果、ポリエステル系ホットメルト接着剤組成物の柔軟性(硬さ)を調整して、ICカードのカードスキン材(例えば、ポリエステル樹脂フィルム)が剥離される際に当該接着剤組成物内部に適度の応力緩和が生じこのカードスキン材の材料破壊を発生させるための硬さ調整を行う機能を発現するのである。
【0030】
本発明で用いられる非結晶性ポリエステル樹脂(B)において、そのTgは50℃以上100℃以下であることが好ましく、又、その分子量が1500〜35000の範囲、好ましくは3000〜15000の範囲のものが好ましい。
【0031】
この非結晶性ポリエステル樹脂(B)は、主ポリマーとしての結晶性飽和ポリエステル樹脂が比較的ゴム弾性を有しているためその凝集力、接着剤の硬さを調整しカードスキン材が剥離される再に接着剤内部に適度の応力緩和が生じスキン材を破壊するための硬さ調整する役割を果すうえ、後述する接着付与材との相乗効果により前記目的を達成できるのである。
【0032】
この非結晶性飽和ポリエステル樹脂(B)のTgが50℃未満では、後述する接着剤フィルム・シートの表面粗さをRa=2μm以上にしても夏季の輸送中や保存の際等、高温雰囲気下でタック性が発現し、カード端面に露出した接着剤組成物に塵埃などが付着して外観が悪化したり、カードどうしが互いに接着し、特にカードの端面に粘着性が発現するなどの問題が生じるので好ましくなく、一方、Tgが100℃を超えると当該樹脂(B)の軟化温度が150℃以上になる傾向があり、ホットメルト性を要求した場合その溶融物は粘度が非常に高くカードの製造時の接着温度条件を高くする必要があり、接着温度条件が高くなり過ぎる結果、非接触型ICカードに内蔵されたICチップ等の電子部品周辺のスキン材に熱変化や熱変形が発生し易く、外観が悪化する等、前述のような問題が生じる虞れがあるので好ましくない。
【0033】
又、本発明で用いられる非結晶性飽和ポリエステル樹脂(B)はその分子量が1500〜35000であることが好ましく、1500未満では得られたポリエステル系ホットメルト接着剤組成物が脆くなる結果、前記主ポリマーの物性の改質・改善性が乏しくなるので好ましくなく、一方、35000を超えると軟化温度が高くなって接着温度条件が高くなり過ぎる結果、非接触型ICカードに内蔵されたICチップ等の電子部品周辺のスキン材に熱変化や熱変形が発生し易く、外観が悪化する等、前述のような問題が生じる虞れがあり、又、その混合量を少なくすると、前記主ポリマーの物性を改質、改善を実現できないので好ましくない。
【0034】
本発明において、前記の結晶性飽和ポリエステル樹脂(A)と非結晶性飽和ポリエステル樹脂(B)との配合割合は、前記(A)100重量部に対し、前記(B)が2〜50重量部の範囲、特に好ましくは5〜40重量部の範囲のものが望ましい。
【0035】
前記(A)100重量部に対し、前記(B)が2重量部未満と少な過ぎるとその配合による効果が発現し難い結果、配合する意味が無く、後述する接着剤フィルム・シートの硬さ、凝集力を調整するには至らないので好ましくなく、一方、50重量部を超えると、前記(A)が有するゴム弾性を過度に損なって、逆に接着力に寄与する内部応力緩和が期待できなくなるので好ましくない。
【0036】
又、FPC補強板等の仮着性が要求される分野においても、接着力に寄与する内部応力緩和等、同様の理由により、非結晶性飽和ポリエステル樹脂(B)はそのTgや分子量更に配合割合がそれぞれ前記範囲のものが好ましい。
【0037】
更に、本発明においては、ポリエステル系ホットメルト接着剤組成物の接着力を向上させたり、改善するために、特定の接着付与剤が配合されるが、この接着付与剤としてはTgが30℃以上130℃以下のテルペンフェノール系樹脂(C)からなる接着付与剤が挙げられる。
【0038】
この接着付与剤としてのテルペンフェノール系樹脂(C)としては、テルペンモノフェノール樹脂或いはテルペンジフェノール樹脂又はこれらの混合物、これらが共存する生成物、更にこれらの変成物等が挙げられる。
【0039】
本発明で用いられるテルペンフェノール系樹脂(C)のTgは、30℃〜130℃の範囲のものが好ましく、30℃未満では常温でタック性が発現し、非接触型ICカード用としては不適当なので好ましくなく、一方、130℃を超えると樹脂の軟化温度が160℃を超えて接着温度条件が高くなり過ぎる結果、接着時間を長くする必要が有るので、非接触型ICカードに内蔵されたICチップ等の電子部品周辺のスキン材に熱変化や熱変形が発生し易く、外観が悪化する等、前述のような問題が生じる虞れがあるので好ましくない。
【0040】
ところで、本発明において、最も好適に用いられるテルペンフェノール系樹脂としてはその軟化温度を考慮に入れるのが好ましく、その軟化温度は、Tgとも関連するが、60〜160℃の範囲のものが好ましく、60℃未満と低すぎると高温雰囲気下でタック性が発現するので好ましくなく、一方、160℃を超えると接着温度条件が高くなり過ぎる結果、非接触型ICカードに内蔵されたICチップ等の電子部品周辺のスキン材に熱変化や変形が発生し易く、外観が悪化する等、前述のような問題が生じる虞れがあるので好ましくない。
【0041】
更に、このテルペンフェノール系樹脂の分子量は、前記条件を充足するものであれば特に限定されるものではないが、特に、1500以下であることが好ましく、この分子量が1500を超えると、接着温度条件が高くなり過ぎる結果、非接触型ICカードに内蔵されたICチップ等の電子部品周辺のスキン材に熱変化や変形が発生し易く、外観が悪化する等、前述のような問題が生じる虞れがあるので好ましくなく、更に、400〜1000でることが、配合部数による接着性の調整及び接着温度の調整が容易なので望ましい。
【0042】
本発明において、前記の結晶性飽和ポリエステル樹脂(A)と接着付与剤としてのテルペンフェノール系樹脂(C)との配合割合は、前記(A)100重量部に対し、前記(C)が5〜100重量部の範囲であることが望ましい。
【0043】
前記(A)100重量部に対し、前記(C)が5重量部未満と少な過ぎるとその配合による効果、つまり得られた接着剤組成物の接着性が発現し難い結果、配合する意味が無いので好ましくなく、一方、100重量部を超えると、得られた接着剤組成物の軟化点及び溶融粘度が著しく低下し、ICカード製造時の条件設定が困難であり、また接着工程で接着剤組成物の流れ等が生じるのでカード成形に不適当で品質がバラツキ易くなるので好ましくなく、従って、これらの観点から、前記(A)100重量部に対し、前記(C)が、特に、7.5〜60重量部の範囲に調整するのが望ましい。
【0044】
又、FPC補強板等の仮着性が要求される分野においても、接着温度の調整等、同様の理由により、テルペンフェノール系樹脂(C)はそのTgや軟化点更に分子量並びに配合割合がそれぞれ前記範囲のものが好ましい。
【0045】
以上のことより、本発明に係るポリエステル系ホットメルト接着剤組成物においては、前記結晶性飽和ポリエステル樹脂(A)、非結晶性飽和ポリエステル樹脂(B)及びテルペンフェノール系樹脂(C)を必須成分とし、これらの成分を特定の配合割合、即ち、前記(A)100重量部に対し、前記(B)2〜50重量部の範囲及び前記(C)5〜100重量部の範囲で配合して得られたものである。
【0046】
ところで、本発明においては、前記結晶性飽和ポリエステル樹脂(A)、非結晶性飽和ポリエステル樹脂(B)及びテルペンフェノール系樹脂(C)を必須成分とするものであるが、必要に応じて、脂肪酸エステル類、フタル酸エステル類、アミド系化合物、リン酸エステル化合物等の改質剤、炭酸カルシウム、シリカ、酸化チタン等の無機質充填剤、顔料、酢酸ビニルエステル類、エチレンビニルエステル類、スチレンブタジエンゴム等のポリエステルに相溶性の良いエラストマー、更に、老化防止剤、酸化防止剤等を適宜、適量添加し、接着性、溶融粘度、色相などを調整しても良いのである。
【0047】
そして、本発明に係るポリエステル系ホットメルト接着剤組成物においては、前記所定の成分を適当量配合し一般的な処方でニーダー等公知の混練機で溶融混合して得られる。
【0048】
本発明に係る接着剤フィルム・シートにおいては、前記目的を達成するために、本発明のポリエステル系ホットメルト接着剤組成物がフィルム状ないしシート状に形成されていることを特徴を有するものである。
【0049】
本発明のポリエステル系ホットメルト接着剤組成物は、前記構成を有し、前述の特徴を有するものであるが、この接着剤組成物はフィルム状ないしシート状に形成されて優れた接合材料として仮着性が要求される分野や仮着性が不要な分野のいずれの用途にも好適に用いることができるのであり、この接着剤フィルム・シートはその表面粗さの調整によって、安定的に且つ確実に、仮着性が要求される分野や仮着性が不要な分野のいずれの用途にも好適に採用されるのである。
【0050】
本発明のポリエステル系ホットメルト接着剤組成物をフィルム状ないしシート状に形成するにあたり、その方法は特に限定されるものではないが、具体的には、例えば公知のフィルム化ないしシート化する方法を採用すれば良く、具体的には、例えば押出機によるフィルム化ないしシート化したり、或いは離型性セパレータに流延塗工やコーティング等によりフィルム化ないしシート化する等の方法が挙げられる。
【0051】
又、本発明に係る接着剤フィルム・シートにおいては、その厚さが用途に応じて特に限定されるものではないが、一般に、10μm以上、好ましくは15〜600μmの範囲、好ましくは30〜300μmとするのが望ましい。
【0052】
例えばICカード用の場合には、表面粗さが0.5μm以下のフィルムが多いが、10μm未満では充分な接着力が得られない場合が有り、また、例えばFPC用補強板に用いる場合にも同様に所要の接着力が得られない場合が有り、しかも回路パターンによる表面の凹凸に対する接着剤組成物の埋め込みが不十分となる虞れが有るので好ましくない。
【0053】
一方、600μmを超えると、ICカード用の場合、接着力に限界が生じ意味が無く、しかもコスト高になるうえ、ICカードのベース素材として使用するポリエステルフィルムの厚さと、ICカード全体の厚さを一般的な0.76mm前後、又はそれ以下の厚さに設計する必要性を考慮すると意味が無いのであり、又、FPC用補強板に用いる場合にも接着力に限界が生じ意味が無く、しかもコスト高になるうえ、全体の厚さが厚くなり過ぎ、当該分野の要請に逆行するので好ましくない。
【0054】
更に、本発明に係る接着剤フィルム・シートにおいては、そのショア硬度Aでの測定値が50〜80の範囲のものが好ましく、この測定値が、50未満では接着剤フィルム・シートが柔軟で使用中に変形し、規定の厚さが確保されない虞れが有り、一方、80を超えると接着剤フィルム・シートが硬くなって打ち抜き作業の際にクラックが入る虞れが有るので、いずれの場合も好ましくない。
【0055】
本発明において、ショア硬度Aとは、JIS K 6253「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法」に定められるタイプAデュロメータで測定した値をいう。
【0056】
ところで、本発明の接着剤フィルム・シートは、その用途、具体的には、ポリエステルフィルム等のプラスチックフィルム(スキン材)に対して優れた接着性を有し、常温でのタック性も無く、しかも接着温度条件を低くできるうえ、接着時間も極短時間でよいなど、常温タックがあると被着体であるカード素材の位置決めがし難い非接触型ICカード用接着剤組成物などの常温タック性が不要な分野、つまり仮着性が無いので作業性が良好となる分野で好適に用いることができるようにしたり、一方、前作業として補強板との仮着工程で適度な常温タックが必要なFPC用裏打補強板用接着剤組成物などの常温タック性が必要な分野、つまり仮着性があるので作業性が良好となる分野で好適に用いることができるように構成できる。
【0057】
つまり、本発明の接着剤フィルム・シートにおいては、その表面粗さを調節することにより、用途に応じて、仮着性を有するようにしたり、或いは逆に仮着性がないように、それぞれ調整できるのである。
【0058】
即ち、本発明に係る接着剤フィルム・シートにおいては、前記目的を達成するために、その表面粗さがRa=2μm未満とすることにより、被接着体との接触面積を大きくして仮着性があるように構成したものである。
【0059】
このように、本発明に係る接着剤フィルム・シートにおいて、その表面粗さがRa=2μm未満とする方法は特に限定されるものではないが、最も廉価且つ簡便な方法は、本発明のポリエステル系ホットメルト接着剤組成物をフィルム状ないしシート状に形成する際、表面粗さが2μm未満の離型性セパレータを用い、この離型性セパレータに流延塗工やコーティング等によりフィルム化ないしシート化する等の方法が挙げられる。
【0060】
このように本発明に係る接着剤フィルム・シートにおいて、その表面平滑性を2μm未満に確保した構成にすることにより、当該接着剤フィルム・シートとの接触を良好にして仮着性が発現するのである。従って、この接着剤フィルム・シートはFPCの裏打ち補強板として好適に用いられるのである。
【0061】
又、本発明に係る接着剤フィルム・シートにおいては、前記目的を達成するために、その表面粗さがRa=2μm以上として表面に凹凸を形成することにより、この凸部が接着剤フィルム・シートと接触するように構成して相互の接触面積を少なくし、これによって、仮着性が無いようにするのである。従って、この接着剤フィルム・シートは非接触型ICカード用接着剤フィルム・シートとして好適に用いられるのである。
【0062】
本発明で用いられる離型性セパレータとして、表面粗さが2μm以上のものとしては、従来公知の離型性のセパレータが用いられるが、具体的には、例えば商品名80EVW(王子製紙社製 厚さ約100μm)、商品名G85シロAA(リンテック社製 厚さ約70μm)、二村化学社製(FOR−MP ポリプロピレンフィルムサンドマット加工品 厚さ40μm)等が挙げられる。
【0063】
本発明で用いられる離型性セパレータとして、表面粗さが2μm未満のものは、従来公知の離型性のセパレータが用いられるが、具体的には、例えばポリエチレンラミネート紙セパレータ(カイト社製 SL−80KCN 厚さ約110〜120μm)や75EPS(M)(王子製紙社製 厚さ95μm)等が挙げられるのであり、又、プラスチックフィルム又はその剥離処理を施したものとして、例えばポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、PPSフィルム、フッ素樹脂フィルム、PBTフィルム、TPXフィルム又はポリアミドフィルム等が府げられる。
【0064】
ところで、本発明において、表面粗さ(Ra)とはJIS B 0601で規定されている試験機で測定した値をいう。
【0065】
【作用】
以上に説明したように、本発明に係るポリエステル系ホットメルト接着剤組成物においては、前記結晶性飽和ポリエステル樹脂(A)、非結晶性飽和ポリエステル樹脂(B)及びテルペンフェノール系樹脂(C)を必須成分とし、これらのTgや分子量更に配合割合を厳格に調整し、且つこれを成形して得られた接着剤フィルム・シートはその表面粗さ(Ra)を制御することにより、ポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルム(スキン材)、更に補強板としてのアルミニウム板やSUS板などの金属板に対して優れた接着性を有し、又、常温タック性を無くしたり或いは逆に常温タック性を発現させたりすることができるのであり、しかも所要の耐熱性、耐湿熱性、耐熱衝撃性を備える上、製造時にスキン材や補強板の熱変化や熱変形が生じない程度の低温での溶融性を備えるので接着時間も極短時間で良いなどの作用を有するのである。
【0066】
【発明の実施の態様】
以下、本発明の実施例及び比較例について具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0067】
1.以下の実施例1ないし実施例4及び比較例1ないし比較例13はそれぞれポリエステル系接着剤組成物を構成する原料物質を加圧ニーダーで溶融、混練し、均一に混合した後、このポリエステル系接着剤組成物をタンク式ホットメルトアプリケーターで溶融、調製し、この各溶融したポリエステル系接着剤組成物をダイコーターで離型性セパレータ(表面粗さ2.5μm)上に厚さ100±10μmに流延塗工し、それぞれポリエステル系接着剤組成物の接着剤フィルム(表面粗さ2.5μm)に成形した。
【0068】
又、同様の方法で、各実施例及び各比較例のそれぞれ溶融したポリエステル系接着剤組成物をダイコーターで離型性セパレータ(0.5μm)上に厚さ50±5μmに塗付し、それぞれポリエステル系接着剤組成物の接着剤フィルム(表面粗さ0.5μm)に成形した。
【0069】
各実施例並びに各比較例の原料物質である樹脂、そのTg、分子量及び配合量は以下の通りである。
【0070】
実施例1
分子量25000、Tg−45℃の結晶性飽和ポリエステル樹脂(A)100重量部に対し、分子量15000、Tg60℃の非結晶性飽和ポリエステル樹脂(B)10重量部及び分子量700、Tg92℃のテルペンモノフェノール樹脂(ヤスハラケミカル社製 商品名マイティエースG−150 以下、同じ。)(C)20重量部を前記1.の方法で混練、成形してポリエステル系接着剤組成物の接着剤フィルム(厚さ100±10μmのものと厚さ50±5μmのもの)を得た。
【0071】
実施例2
分子量25000、Tg−45℃の結晶性飽和ポリエステル樹脂(A)100重量部に対し、分子量2500、Tg53℃の非結晶性飽和ポリエステル樹脂(B)20重量部及び分子量700、Tg92℃のテルペンモノフェノール樹脂(C)35重量部を前記1.の方法で混練、成形してポリエステル系接着剤組成物の接着剤フィルム(厚さ100±10μmのものと厚さ50±5μmのもの)を得た。
【0072】
実施例3
分子量30000、Tg−60℃の結晶性飽和ポリエステル樹脂(A)100重量部に対し、分子量15000、Tg60℃の非結晶性飽和ポリエステル樹脂(B)15重量部及び分子量430、Tg65℃のテルペンジフェノール樹脂(ヤスハラケミカル社製 商品名YP−90L 以下、同じ。)(C)30重量部を前記1.の方法で混練、成形してポリエステル系接着剤組成物の接着剤フィルム(厚さ100±10μmのものと厚さ50±5μmのもの)を得た。
【0073】
実施例4
分子量30000、Tg−60℃の結晶性飽和ポリエステル樹脂(A)100重量部に対し、分子量2500、Tg53℃の非結晶性飽和ポリエステル樹脂(B)40重量部及び分子量430、Tg65℃のテルペンジフェノール樹脂10重量部を前記1.の方法で混練、成形してポリエステル系接着剤組成物の接着剤フィルム(厚さ100±10μmのものと厚さ50±5μmのもの)を得た。
【0074】
比較例1
分子量25000、Tg−45℃の結晶性飽和ポリエステル樹脂100重量部に対し、分子量15000、Tg60℃の非結晶性飽和ポリエステル樹脂10重量部及び分子量700、Tg68℃の水素添加型テルペン樹脂20重量部を前記1.の方法で混練、成形してポリエステル系接着剤組成物の接着剤フィルム(厚さ100±10μmのものと厚さ50±5μmのもの)を得た。
【0075】
比較例2
分子量25000、Tg−45℃の結晶性飽和ポリエステル樹脂100重量部に対し、分子量2500、Tg53℃の非結晶性飽和ポリエステル樹脂20重量部及び分子量800、Tg64℃の芳香族テルペン樹脂20重量部を前記1.の方法で混練、成形してポリエステル系接着剤組成物の接着剤フィルム(厚さ100±10μmのものと厚さ50±5μmのもの)を得た。
【0076】
比較例3
分子量30000、Tg−60℃の結晶性飽和ポリエステル樹脂100重量部に対し、分子量15000、Tg60℃の非結晶性飽和ポリエステル樹脂15重量部及び分子量2500、Tg40℃のスチレン系樹脂30重量部を前記1.の方法で混練、成形してポリエステル系接着剤組成物の接着剤フィルム(厚さ100±10μmのものと厚さ50±5μmのもの)を得た。
【0077】
比較例4
分子量30000、Tg−60℃の結晶性飽和ポリエステル樹脂100重量部に対し、分子量2500、Tg53℃の非結晶性飽和ポリエステル樹脂40重量部及び分子量900、Tg45℃のロジン系樹脂10重量部を前記1.の方法で混練、成形してポリエステル系接着剤組成物の接着剤フィルム(厚さ100±10μmのものと厚さ50±5μmのもの)を得た。
【0078】
比較例5
分子量30000、Tg−60℃の結晶性飽和ポリエステル樹脂100重量部に対し、分子量23000、Tg7℃の非結晶性飽和ポリエステル樹脂10重量部及び分子量700、Tg92℃のテルペンモノフェノール樹脂20重量部を前記1.の方法で混練、成形してポリエステル系接着剤組成物の接着剤フィルム(厚さ100±10μmのものと厚さ50±5μmのもの)を得た。
【0079】
比較例6
分子量27000、Tg−15℃の結晶性飽和ポリエステル樹脂100重量部に対し、分子量18000、Tg4℃の非結晶性飽和ポリエステル樹脂10重量部及び分子量430、Tg65℃のテルペンジフェノール樹脂30重量部を前記1.の方法で混練、成形してポリエステル系接着剤組成物の接着剤フィルム(厚さ100±10μmのものと厚さ50±5μmのもの)を得た。
【0080】
比較例7
分子量27000、Tg−15℃の結晶性飽和ポリエステル樹脂100重量部に対し、分子量15000、Tg60℃の非結晶性飽和ポリエステル樹脂20重量部及び分子量700、Tg92℃のテルペンモノフェノール樹脂20重量部を前記1.の方法で混練、成形してポリエステル系接着剤組成物の接着剤フィルム(厚さ100±10μmのものと厚さ50±5μmのもの)を得た。
【0081】
比較例8
分子量27000、Tg−15℃の結晶性飽和ポリエステル樹脂100重量部に対し、分子量23000、Tg7℃の非結晶性飽和ポリエステル樹脂20重量部及び分子量700、Tg68℃の水素添加型テルペン樹脂20重量部を前記1.の方法で混練、成形してポリエステル系接着剤組成物の接着剤フィルム(厚さ100±10μmのものと厚さ50±5μmのもの)を得た。
【0082】
比較例9
分子量27000、Tg−15℃の結晶性飽和ポリエステル樹脂100重量部に対し、分子量2500、Tg53℃の非結晶性飽和ポリエステル樹脂20重量部及び分子量800、Tg64℃の芳香族テルペン樹脂20重量部を前記1.の方法で混練、成形してポリエステル系接着剤組成物の接着剤フィルム(厚さ100±10μmのものと厚さ50±5μmのもの)を得た。
【0083】
比較例10
分子量22000、Tg19℃の結晶性飽和ポリエステル樹脂100重量部に対し、分子量23000、Tg7℃の非結晶性飽和ポリエステル樹脂20重量部及び分子量800、Tg64℃の芳香族テルペン樹脂20重量部を前記1.の方法で混練、成形してポリエステル系接着剤組成物の接着剤フィルム(厚さ100±10μmのものと厚さ50±5μmのもの)を得た。
【0084】
比較例11
分子量22000、Tg19℃の結晶性飽和ポリエステル樹脂100重量部に対し、分子量2500、Tg53℃の非結晶性飽和ポリエステル樹脂20重量部及び分子量2500、Tg40℃のスチレン系樹脂30重量部を前記1.の方法で混練、成形してポリエステル系接着剤組成物の接着剤フィルム(厚さ100±10μmのものと厚さ50±5μmのもの)を得た。
【0085】
比較例12
分子量22000、Tg19℃の結晶性飽和ポリエステル樹脂100重量部に対し、分子量18000、Tg4℃の非結晶性飽和ポリエステル樹脂20重量部及び分子量430、Tg65℃のテルペンジフェノール樹脂30重量部を前記1.の方法で混練、成形してポリエステル系接着剤組成物の接着剤フィルム(厚さ100±10μmのものと厚さ50±5μmのもの)を得た。
【0086】
比較例13
分子量22000、Tg19℃の結晶性飽和ポリエステル樹脂100重量部に対し、分子量18000、Tg4℃の非結晶性飽和ポリエステル樹脂20重量部及び分子量900、Tg45℃のロジン系樹脂10重量部を前記1.の方法で混練、成形してポリエステル系接着剤組成物の接着剤フィルム(厚さ100±10μmのものと厚さ50±5μmのもの)を得た。
【0087】
以上の配合割合において、実施例1〜4及び比較例1〜13を表1に示す。
【0088】
又、各実施例の接着剤フィルムについてその常温タック性を以下の方法で確認した。
即ち、常温タック性を確認するために、セパレータとして、厚さ20μmの離形性ポリエチレンフィルム(表面粗さ1.5μm)Aと厚さ70μmの離形性セパレータ(表面粗さ2.5μm リンテック社製 商品名G85シロAA)Bとを用い、前記各実施例のポリエステル系接着剤組成物を流延塗工し、前記各実施例において、その表面粗さが1.5μmのものと2.5μmで、且つ厚さ50±5μm、大きさ幅25mm×長さ100mmの長方形の接着剤フィルムを得た。
【0089】
そして、この接着剤フィルムにおいてその表面粗さが1.5μmのものと2.5μmのものとを用い、その粗面が二軸延伸ポリエステルフィルム(東レ社製T−60#100 幅40mm、長さ120mm、厚さ100μm)上に接触させて静置する。
【0090】
次いで、この上から、長手方向にJIS C 2107で規定される2Kgのゴムローラーで1往復させ、20分以上放置することにより、各試料を得た。
【0091】
その後、その各試料の一片を手で剥離したときの仮着性、つまり常温タック性の有無を確認したところ、接着剤フィルムにおいてその表面粗さが、1.5μmのものでは仮着性、つまり常温タック性が有ることが認められたが、2.5μmのものでは仮着性、つまり常温タック性が無いことが認められた。
【0092】
A.非接触型ICカード用接着剤フィルムとしての接着力試験(以下、接着力Aという。)
又、前述の各実施例及び各比較例の接着剤フィルム(厚さ100±10μm)を用い、非接触型ICカード用接着剤フィルムとしての接着力Aの性能を試験するために、当該各フィルムを25mm×25mmの正方形の大きさに切断し、二軸延伸ポリエステルフィルムa(東レ社製E−20#100 幅40mm、長さ120mm、厚さ100μm)と二軸延伸ポリエステルフィルムb(東レ社製T−60#100 幅40mm、長さ120mm、厚さ100μm)との間に挟み(この場合、一端から6mm程度空けて内側中央に介在させた。)、これを接着温度130℃、接着時間15秒、圧力200kPa、プレスラミ(接着面積10mm×25mmの長方形)で加熱加圧し(この場合、加熱プレスヘッドは前記フィルムaの外側から加熱加圧した。)、各実施例並びに各比較例の試料を形成した。
【0093】
これらの各試料について、1時間室温で放置した後、当該各試料の他端側から引張速度100±10mm/分でT剥離したときのピーク値を測定値として接着力Aを測定した。
その測定結果を表1に示す。
【0094】
B.FPC補強板用接着剤フィルムとしての接着力試験(以下、接着力Bという。)
更に、前述の各実施例及び各比較例の接着剤フィルム(厚さ50±5μm)を用い、FPC用接着剤フィルムとしての接着力Bの性能を試験するために、当該各フィルムを25mm×25mmの正方形の大きさに切断し、ポリイミドフィルムc(新日鐵化学社製CCL 幅40mm、長さ120mm、厚さ64μm)と二軸延伸ポリエステルフィルムb(東レ社製T−60#100 幅40mm、長さ120mm、厚さ100μm)との間に挟み(この場合、一端から6mm程度空けて内側中央に介在させる。)、これを接着温度120℃、接着時間15秒、圧力500kPa、プレスラミ(接着面積10mm×25mmの長方形)で加熱加圧し(この場合、加熱プレスヘッドは前記フィルムcの外側から加熱加圧した。)、各実施例並びに各比較例の試料を形成した。
【0095】
これらの各試料について、1時間室温で放置した後、当該各試料の他端側から引張速度100±10mm/分でT剥離したときのピーク値を測定値として接着力Bを測定した。
その測定結果を表1に示す。
【0096】
【表1】
Figure 0004716622
【0097】
表1に示すように、実施例1ないし実施例4の接着力Aは75〜105N/25mmであり、ICカード用接着剤フィルムとして十分な接着力を有していることが認められる。
【0098】
これに対して、表1に示すように、比較例1ないし比較例13のそれらは3〜20N/25mmと著しく低く、ICカード用接着剤フィルムとして不十分であることが認められる。
【0099】
又、接着力A測定に際し、前記二軸延伸ポリエステルフィルム(PETフィルム)の材料破壊の有無を観察したところ、実施例1ないし実施例4の試料を用いたものでは材料破壊(PETフィルム)が観察されたが、比較例1ないし比較例13の試料を用いたものには材料破壊が認められなかった。
【0100】
以上のことより、前記実施例1ないし実施例4に係るポリエステル系ホットメルト接着剤フィルムは、常温では非タック性でありながら、130℃という低い接着温度条件で、ICカードスキン材の材料破壊を生ぜしめる程度に強力な接着力が発現するのであり、しかもICカードの製造時にスキン材の熱変化や熱変形が生じる虞れもないことが認められる。
【0101】
又、実施例1ないし実施例4に係るポリエステル系ホットメルト接着剤フィルムの耐熱性、耐湿熱性、耐熱衝撃性などにも格別の問題は無く、良好な特性を発現することが認められた。
【0102】
ところで、表1に示すように、実施例1ないし実施例4の接着力Bは26〜32N/25mmであり、FPC補強板用接着剤フィルムとして十分な接着力を有することが認められる。
【0103】
これに対して、表1に示すように、比較例1ないし比較例13のそれらは4〜10N/25mmと著しく低く、FPC補強板用接着剤フィルムとして不十分であることが認められる。
【0104】
以上のことより、FPC補強板用接着フィルムとしても、高い接着力がえられ、信頼性の高いFPCを供給することができるのである。
【0105】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明に係るポリエステル系ホットメルト接着剤組成物は、前記構成を有し、ポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルム(スキン材)に対して優れた接着性を有し、ICチップやアンテナ等の電子部品を被覆するスキン材を破壊する程度の強力な接着力を発現するのであり、又、常温でのタック性が無く、しかも製造時にスキン材の熱変化や変形が生じない程度の低温での溶融性を備えるので、接着温度条件が低く、接着時間も極短時間で良く、非接触型ICカード用接着剤組成物として好適に用いられるなどの優れた効果を奏するのである。
【0106】
又、本発明に係るポリエステル系ホットメルト接着剤組成物においては、Tg及び分子量を特定の範囲に設計したポリエステル樹脂を主成分とするホットメルト接着剤組成物であり、このポリエステル系ホットメルト接着剤組成物は優れた耐熱性、耐湿熱性、耐熱衝撃性を備える結果、これらの諸特性上何等問題が無いので、非接触型ICカードに用いる接着剤として好適に用いられるなどの効果も得ることができるのである。
【0107】
更に、本発明に係るポリエステル系ホットメルト接着剤組成物においては、前作業として補強板との仮着工程で適度な常温タックが必要な、例えばFPC用裏打補強板用接着剤組成物などの分野には、接着剤フィルム・シートの表面粗さを所定値未満にすることで、作業性に優れる適度な仮着性を発現、維持させることができるのであり、又、このポリエステル系ホットメルト接着剤組成物で形成されたFPC補強板用の接着剤フィルムは、極めて高い接着性を有する上、優れた耐熱性、耐湿熱性、耐熱衝撃性を備える等、これらの諸特性上何等問題が無く、FPCの補強板用接着剤組成物として好適に用いられるなどの効果も有するのである。

Claims (10)

  1. Tgが−75℃以上−40℃以下、分子量が10000〜50000の結晶性飽和ポリエステル樹脂100重量部に対し、Tgが50℃以上100℃以下、分子量が1500〜35000の非結晶性飽和ポリエステル樹脂2〜50重量部及びTgが30℃以上130℃以下のテルペンフェノール系樹脂からなる接着付与剤5〜100重量部を配合したことを特徴とするポリエステル系ホットメルト接着剤組成物。
  2. テルペンフェノール系樹脂からなる接着付与剤は分子量が1500以下である請求項1に記載のポリエステル系ホットメルト接着剤組成物。
  3. 請求項1又は2に記載のポリエステル系ホットメルト接着剤組成物がフィルム状ないしシート状に形成されている接着剤フィルム・シート。
  4. 請求項3の接着剤フィルム・シートはその表面粗さがRa=2μm未満のものである接着剤フィルム・シート。
  5. 請求項3の接着剤フィルム・シートはその表面粗さがRa=2μm以上のものである接着剤フィルム・シート。
  6. ショア硬度Aでの測定値が50〜80の範囲にある請求項3ないし5のいずれか1項に記載の接着剤フィルム・シート。
  7. 請求項1又は2に記載のポリエステル系ホットメルト接着剤組成物が非接触型ICカード用接着剤組成物として用いられるものであるポリエステル系ホットメルト接着剤組成物。
  8. 請求項3、5又は6に記載の接着剤フィルム・シートが非接触型ICカード用接着剤フィルム・シートである接着剤フィルム・シート。
  9. 請求項1又は2に記載のポリエステル系ホットメルト接着剤組成物がフレキシブルプリント基板(以下、単にFPCという。)の裏打ち補強板用接着材として用いられるものであるポリエステル系ホットメルト接着剤組成物。
  10. 請求項3、4又は6に記載の接着剤フィルム・シートがFPCの裏打ち補強板用接着材として用いられるものである接着剤フィルム・シート。
JP2001243167A 2000-08-22 2001-08-10 ポリエステル系ホットメルト接着剤組成物及びこれを用いて形成された接着剤フィルム・シート Expired - Lifetime JP4716622B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001243167A JP4716622B2 (ja) 2000-08-22 2001-08-10 ポリエステル系ホットメルト接着剤組成物及びこれを用いて形成された接着剤フィルム・シート

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000-250549 2000-08-22
JP2000250549 2000-08-22
JP2000250549 2000-08-22
JP2001243167A JP4716622B2 (ja) 2000-08-22 2001-08-10 ポリエステル系ホットメルト接着剤組成物及びこれを用いて形成された接着剤フィルム・シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002138269A JP2002138269A (ja) 2002-05-14
JP4716622B2 true JP4716622B2 (ja) 2011-07-06

Family

ID=26598205

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001243167A Expired - Lifetime JP4716622B2 (ja) 2000-08-22 2001-08-10 ポリエステル系ホットメルト接着剤組成物及びこれを用いて形成された接着剤フィルム・シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4716622B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4579498B2 (ja) * 2003-02-03 2010-11-10 リンテック株式会社 接着シート
JP2007270050A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Diatex Co Ltd 感熱圧性接着剤、並びに、感熱圧性接着シート及びその貼付方法
JP2009007532A (ja) * 2007-06-29 2009-01-15 Nitto Shinko Kk ホットメルト接着シートならびにホットメルト接着シート製造方法
CN103403121B (zh) * 2011-05-31 2015-08-05 大自达电线股份有限公司 粘合剂组合物和粘合膜
JP2013122059A (ja) * 2013-01-30 2013-06-20 Nitto Shinko Kk ホットメルト接着シート
JP6343517B2 (ja) * 2014-08-06 2018-06-13 積水フーラー株式会社 ホットメルト接着剤
JP7529251B2 (ja) 2020-08-19 2024-08-06 ニッカン工業株式会社 加熱発泡シートおよび接着方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5554375A (en) * 1978-10-18 1980-04-21 Toyobo Co Ltd Hot-melt polyester adhesive
JPH03157473A (ja) * 1989-11-15 1991-07-05 Unitika Ltd ポリエステル系ホットメルト接着剤
JPH04164957A (ja) * 1990-10-30 1992-06-10 Toyobo Co Ltd ポリエステル樹脂組成物およびその製造法
JP4023920B2 (ja) * 1998-08-04 2007-12-19 東洋インキ製造株式会社 反応性ホットメルト接着剤

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002138269A (ja) 2002-05-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102036463B1 (ko) 점착 시트
US8628838B2 (en) Multilayer thermo-reversible dry adhesives
JP2009007532A (ja) ホットメルト接着シートならびにホットメルト接着シート製造方法
JP5153073B2 (ja) 剥離シートおよび粘着体
JP5328103B2 (ja) 冷却剥離型粘着剤組成物及びこれを用いた冷却剥離型粘着シート
KR20080113421A (ko) 열프레스용 이형시트 및 이를 이용하여 플렉시블 프린트 배선판을 제조하는 방법
WO2007066640A1 (ja) 粘接着フィルム
JP2002026202A (ja) 熱伝導性シート及びその製造方法
JP2006002150A (ja) カード本体中に電気モジュールを埋め込むための電気的の異方性の導電性のホットメルト接着シート
US20120003468A1 (en) Stretched Thermoplastic Resin for Gluing Metal Parts to Plastics, Glass and Metals, and Method for the Production Thereof
JP4610818B2 (ja) 粘着テープ
KR20190058278A (ko) 점착 시트
TW201134910A (en) Protective sheet and use thereof
JP4716622B2 (ja) ポリエステル系ホットメルト接着剤組成物及びこれを用いて形成された接着剤フィルム・シート
WO2010032441A1 (ja) 樹脂成形品用補強シート、樹脂成形品の補強構造および補強方法
WO2004094550A1 (en) Heat-activatable adhesive
JP2013122059A (ja) ホットメルト接着シート
JP4977618B2 (ja) 接着テープ及び接着テープの使用方法
JP4601089B2 (ja) 熱活性接着剤組成物およびフィルム接着剤
JP2003027030A (ja) 耐湿熱性ホットメルト接着剤組成物
US20060088715A1 (en) Method for gluing fpcb's
JP5432764B2 (ja) 研磨布固定用両面接着テープ及び研磨布固定用パッド
JP2012502153A (ja) 二つのプラスチック表面の接着方法
JP2005248094A (ja) 冷却剥離型粘着剤組成物、冷却剥離型粘着シート、及びこれを用いた電子部品の製造方法
JP2002224944A (ja) 研磨材の接着方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080513

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110323

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110329

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110329

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140408

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250