JP4716489B2 - ゴム印字体の刻印形状 - Google Patents
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Description
図4において、符号21は印判基底部であって、前記印判基底部21の上面には、断面形状が矩形形状に形成された印面形成部22が形成され、その印面形成部22の上面に印面部23が形成される。そして、印面形成部22を印判基底部21に対して所定の形状に形成することにより、印面部23は所定の紋様に形成される。
そして、このゴム印字体20を加圧圧縮することにより、印面部23によって形成された紋様を、紙面等に捺印することができる。
図5に示すように、印判基底部21の上面に断面形状が台形の印面台形部24が形成され、その印面台形部24の上面に印面形成部22が形成されている。このように、印面形成部22を印面台形部24で保持しているため、連続捺印を行なった際、印判基底部21からのインクの追従性が良く、捺印のかすれを抑制できる。
これに対して、図5に示した刻印形状は印面形成部22を印面台形部24で保持しているため、連続捺印を行なった際、印判基底部24からのインクの追従性が良く、捺印のかすれを抑制できる。
しかしながら、この刻印形状であっても、印面形成部22の変形が大きいため、図4に示した刻印形状の場合と同様にインクの滲みが大きく、また印面形成部22が破損し易く、使用寿命が短いという課題があった。
しかしながら、図4、5に示した刻印形状と同様に、印面形成部22の変形が大きいため、インクの滲みが大きく、また印面形成部22が破損し易く、使用寿命が短いという課題があった。
そこで、本願発明者らは、刻印形状の基本形状を図6に示した凸形状とし、更に、インクの滲みが少なく、連続捺印した場合にもかすれがなく、更に使用寿命をより向上させたゴム印字体の刻印形状の研究を行なった。
その結果、前記刻印形状が特定の断面形状、特定の寸法形状のときに、インクの滲みが少なく、連続捺印した場合にもかすれがなく、使用寿命がより長くなることを知見し、本願発明を完成するに至った。
また、印面形成部の側面が傾斜面になされ、変形が抑制されるため、印面形成部が破損し難く、耐久性を向上させることができる。
更に、印面保持部の上面部の幅を印面形成部の底面部の幅より大きく形成すると共に、前記印面保持部の上面部の幅より、印面保持部の底面部の幅が大きく形成されているため、連続捺印した場合にも、インキを印判基底部から前記印面保持部を介して印面形成部に好適に供給でき、捺印のかすれを抑制できる。
このように、印面形成部の底面部の幅を印面部の幅の1.5倍乃至2.5倍に形成し、前記印面形成部の高さを印面部の幅の2倍乃至5倍に形成されかつ前記底面部の幅と同じかまたは大きな寸法で形成したため、印面形成部が倒れこみ等の異常変形を起すことなく変形し、しかもその変形が小さいために、インクの滲みが小さく、また印面形成部が破損し難く、耐久性が向上する。
なお、前記印面形成部の底面部の幅が、印面部の幅の1倍未満の場合には台形形状にならず、機械的強度が弱く、異常変形、インクの滲み、印面形成部の破損等の虞がある。また前記印面形成部の底面部の幅が、印面部の幅の2.5倍を超える場合には、印面形成部が僅かに変形した場合にも、捺印された印面の紋様が太くなるため好ましくない。
また、ゴム印字体は、ゴム硬度は20〜35°、かつ全体積中における空隙率は40〜60%の多孔質ゴムにより形成されていることが望ましい。
この浸透印Aにあっては、使用者が捺印の際、ゴム印字体10を加圧圧縮させることにより、多孔質のゴム印字体10に含有されているインキが押し出され、所定の紋様(図1にあっては「田」)が捺印されるように構成されている。このような浸透印Aのゴム印字体10の刻印形状(断面形状)は、図2に示す形状に形成されている。
そして、前記印面部3の幅aより、前記印面形成部2の底面部の幅eが大きく、かつ前記印面形成部2の底面部の幅eより、印面保持部4の上面部の幅gが大きく、更に前記印面保持部4の上面部の幅gより、印面保持部3の底面部の幅fが大きく形成されている。
したがって、前記印面形成部2はその断面形状が横長の台形形状に形成されるため、断面形状が矩形形状の場合よりも変形が抑制され、インクの滲みが抑制される。また、印面形成部2の側面2aが傾斜面になされているため、印面形成部2は破損し難く、耐久性を向上させることができる。
また、また、前記印面形成部2の高さbが、印面部3の幅の5倍を超える寸法に形成されている場合には、印面形成部2の倒れこみ等の異常変形、破損等の原因になる。一方、前記印面形成部2の高さbが、印面部3の幅の2倍未満の寸法に形成されている場合には、捺印した紋様が太くなるという問題が生じる。
したがって、印面保持部4は、印面形成部2の底面を覆うように形成されているため、連続捺印した場合にも、印判基底部1から前記印面保持部4を介して,インキを印面形成部2に好適に供給でき、捺印のかすれを抑制できる。
このように、前記印面保持部4の高さcが前記印面形成面2の高さbよりも低く形成されているため、印面保持部4が屈曲することなく、印面形成面2を安定して保持することができる。
そして、夫々の関係は、
3a≦b、b≧c、b+c≧d、a<e<f、b≧e
を満たすように設定される。
即ち、まず、印字パターンの原稿を作製し、つぎにこのデーター処理し、そのデーターに基づきゴム印材(ゴム印字体)に直接レーザー光を照射してパターンを彫刻する。所定のゴム印材幅(b+c+d)に加工されたゴム印材を平面に静置し、平面に沿って前記レーザー光を走査し、図2に示した刻印形状を形成する。操作はコンピュータにより行われる。通常レーザー光は炭酸ガスレーザーが使用され、強度は25〜60W、スポットの平均径は0.07mm〜0.3mmである。
なお、実施例、比較例1について、各例、4つのサンプルを用い、1回目、100回目、101回目、200回目、201回目、…1000回目の捺印状態を確認した。
また図8に比較例1の捺印状態を示すが、サンプルNo.1〜4に示すように、第1回捺印においていずれの印影も滲みが認められた。その後、連続機械捺印を行うと、印面形成面の先端部は、捺印時、荷重により圧縮され、荷重解放後、伸び、基底部よりポンピング作用と毛細管現象により、インクを導くがインクの供給が追いつかず、印影が薄くなる。
しかしながら、小休止させた101回目,201回目,301回目…では、印影の濃度が再び濃くなり、滲むことが判明した。
これは、初期捺印時の荷重に対して印面形成部が大きく変形し、同様に印面保持部も変形し、荷重が分散された結果と推察される。また、連続捺印時には、印面形成部が圧縮され、その後、伸びる過程で印面保持部よりポンピング作用と毛細管現象により、インクが供給され、印面保持部部には、基底部よりポンピングと毛細管現象により、インク供給が行われ、その結果、常に、濃淡差の無い綺麗な印影が確保されるものと推察される。
2 印面形成部
3 印面部
4 印面保持部
10 ゴム印字体
A 浸透印
a 印面部の幅
b 印面形成面の高さ
c 印面保持部の高さ
d 印判基底部厚さ
e 印面形成部の底面部の幅
f 印面保持部の底面部の幅
g 印面形成部の上面部の幅
Claims (1)
- ゴム硬度が20〜35°、かつ全体積中における空隙率が40〜60%の多孔質ゴムによって形成されたゴム印字体の刻印形状であって、
印判基底部と、前記印判基底部の上面に形成された、断面形状が台形形状であって、側面が傾斜面に形成された印面保持部と、
前記印面保持部の上面に形成された、断面形状が台形形状であって、側面が傾斜面に形成された印面形成部と、
前記印面形成部の上面に形成された印面部とからなり、
前記印面部の幅より、前記印面形成部の底面部の幅が大きく、かつ前記印面形成部の底面部の幅より、印面保持部の上面部の幅が大きく、更に前記印面保持部の上面部の幅より、印面保持部の底面部の幅が大きく形成され、
前記印面形成部の底面部の幅は、印面部の幅の1.5倍乃至2.5倍に形成され、
前記印面形成部の高さは、印面部の幅の2倍乃至5倍に形成されかつ前記底面部の幅と同じかまたは大きな寸法に形成され、
前記印面保持部の上面の幅は、前記印面形成部の底面部幅よりも大きく、かつ印面部の幅の2倍乃至3倍に形成され、かつ前記印面保持部の高さは、前記印面形成面の高さと同じかまたは低く、かつ印面部の幅の2倍乃至5倍に形成されたことを特徴とするゴム印字体の刻印形状。
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- 2005-02-21 JP JP2005043624A patent/JP4716489B2/ja not_active Expired - Fee Related
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