JP4716323B2 - Cu配線膜構造物の製造方法 - Google Patents

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本発明は、特に、Cu配線構造の半導体素子(装置)に関する。
近年、大規模半導体集積回路(LSI)における信号処理速度の高速化の為に、Al又はAl合金(以下、単に、Alとも記す。)を用いた配線に代わって、Cu又はCu合金(以下、単に、Cuとも記す。)を用いた配線が用いられ始めている。
Cu配線膜の形成には、一般的に、ダマシン法と呼ばれる方法が用いられる。この方法は、例えば特開平2−278822号公報に記載されている。すなわち、予め、絶縁膜中に孔や溝(以下、単に、溝とも記す。)を形成し、その溝中にCuの拡散防止と接着性改善とを目的としたタンタル(Ta)や窒化タンタル(TaN)等からなる薄いバリア膜を設ける。次いで、バリア膜の上にCu膜を形成する。この後、化学機械研磨法(Chemical Mechanical Polishing;CMP)によって、溝部以外のCu及びバリア膜を除去し、溝に埋め込まれたCu配線膜を形成する。
ところで、CMPを終えた後、研磨された配線基板の表面にはCuが直に露出している。Cu配線膜を用いて複数膜の配線を形成する場合には、Cu配線膜の上に絶縁膜を形成する必要がある。この時、一般的に用いられる酸化珪素(SiO)やその他の多くの絶縁膜とCuとは、接着(密着)性が乏しい欠点が有る。更に、絶縁膜の中をCuが速やかに拡散してしまう問題が有る。尚、Cuとの接着(密着)性が確保され、かつ、Cuの拡散防止が図れるものとして、現在、提案されている材料は限られている。例えば、窒化珪素(SiN)や窒化炭化珪素(SiCN)等の幾つかに過ぎない。しかしながら、これ等の材料であっても、Cu拡散防止能力には限度が有り、又、Cuとの接着力も十分でない。加えて、これらの材料は誘電率が大きいので、配線間の静電容量を増加させる。すなわち、配線信号遅延の低減を困難にする。又、近年、配線間の静電容量を減少させる為に、溝を形成する絶縁膜に低誘電率の材料を用いる検討が行われている。これらの低誘電率材料は、一般に、密度が低く、水分などが浸透し易い為、Cuの拡散速度はSiO等の場合よりも更に大きい。従って、低誘電率材料を用いたCu多層配線膜にあっては、長期信頼性が更に劣化してしまう危険性が大きい。すなわち、Cu研磨面を珪素化合物の絶縁膜で被覆する従来の方法は、配線特性の向上の制約要因となるばかりか、十分な長期信頼性を確保することが困難になるという問題があった。
このような問題に対する技術として、プロシーディングス・オブ・セミ・テクノロジー・シンポジウム(セミコン・ジャパン2004)、の5−80から5−84頁には、Cuの研磨面に選択的にコバルト(Co)とタングステン(W)の合金(Co−W合金)を無電界メッキ法によって形成する方法が記載されている。すなわち、図4に示される如く、Si等の基板300上に設けられた下地絶縁膜301の上に、配線間の絶縁を行う為の第1の絶縁膜302とキャップ絶縁膜303とが形成されている。そして、配線用溝を加工・形成した後、Cuとの接着性改善、及びCuの拡散防止の為の第1のバリア膜304と、第1のCu配線膜305とを埋め込む。第1のCu配線膜305及び第1のバリア膜304を溝の中のみに残す為、CMPが用いられる。次いで、選択的な無電界メッキ法によって、バリア金属膜(メッキバリア膜とも記す。)307をCu膜表面に選択的に設ける。メッキバリア膜307の材料としては、Co又はCoを主成分とする合金(以下、単に、Coとも記す。)や、Ni又はNiを主成分とする合金(以下、単に、Niとも記す。)等が知られている。尚、該発表ではCoとWとからなる合金が用いられている。無電界メッキ法では、下地の金属膜、例えば第1のCu配線膜305の表面の酸化物をエッチング若しくは還元し、周囲の第1の絶縁膜表面との化学状態の僅かな違いに依存して金属膜表面にのみメッキバリア膜の為の粒子を析出させる。更に、Cu配線膜305の表面の中でも、結晶粒界や研磨傷などの欠陥部分と言った周囲と状態が異なる部分に、優先的に、先ず、メッキバリア膜307の基となる析出粒子が発生し易い。析出を容易にする為に、パラジウムを含む液によって前処理を行う場合もある。そして、析出粒子が、図4に示す如く、相互に接続しあって連続したメッキバリア膜307となり、これによってCu配線膜305に対する拡散防止能力が備わることになる。但し、メッキバリア膜307が十分なCu拡散防止効果を備える為には、メッキバリア膜307の厚さが十分に厚い必要があった。しかしながら、最小加工寸法が0.2μm程度、若しくはそれ以下の世代のLSI用配線では、配線膜の厚さが0.5μm以下となるので、メッキバリア膜307も十分に薄膜化する必要がある。又、Cu配線膜305表面と周囲のキャップ絶縁膜303表面の化学状態の違いは僅かであり、キャップ絶縁膜303表面に汚染物や傷などが存在すると、それらの異常な部分にもメッキバリア膜307の異常成長粒307bが生じることは避けられない。上記発表にあっては、メッキ装置の改良などによって、異常成長は抑制されたと報告されているが、従来のSiO膜だけでなく、今後用いられると予想される各種の絶縁膜材料に対しても有効か否かは知られていない。
又、メッキ液としては、塩化コバルト、クエン酸三カリウム、ジメチルアミンボラン、タングステン酸カリウム、RE610(東邦化学製の界面活性剤)等の化学活性の高い成分を高濃度に含み、かつ、pHも9〜11と高いことが必要とされる。このような強い薬液を用いた場合、キャップ絶縁膜303として有機高分子樹脂などが用いられていると、表面と反応して信頼性を劣化させる場合が有る。更に、又、Cu配線膜305表面に選択的にメッキバリア膜307を形成する為の前処理として、一般的に、表面洗浄処理が行われる。しかるに、これらの薬液によっても、露出しているCu配線膜305上面がエッチングされ、膜厚が過度に減少したり、低誘電率絶縁膜表面が劣化してしまう可能性があった。
更に、従来の無電界メッキ法では、メッキ液に配線基板300を浸してから実際にメッキバリア膜307の析出が始まるまでに、通常、ある程度の抑止時間(インキュベーション時間)が存在する。このインキュベーション時間の生じる理由は明らかでないが、このようなインキュべーション時間は、配線基板の面内、配線基板間でもかなり大きなバラツキが存在する。この結果、形成されるメッキバリア膜307の厚さのバラツキも大きくなってしまうという問題も有る。
すなわち、配線基板全面に亘って必要とされる信頼性を確保する為、極度に薄いメッキバリア膜を均一に形成することが困難で有った。
プロシーディングス・オブ・セミ・テクノロジー・シンポジウム(セミコン・ジャパン2004)
上述した通り、無電界メッキ法によって、多種の絶縁膜中に埋め込まれたCu配線膜上に薄いメッキバリア膜を形成することは困難であり、かつ、配線基板の面内もしくは配線基板間でメッキバリア膜の膜厚バラツキが生じ易く、更にはメッキ液中にカリウムやナトリウム等の好ましくない金属イオンが含まれる為に素子特性の劣化を招いてしまう等の問題が有った。
さて、LSIの高集積化に伴って、配線の横方向寸法が微細化されると共に、厚さも低減される方向にある。Cu配線膜の最小寸法が200nm以下の場合には、配線厚さも250〜300nm程度となり、メッキバリア膜の厚さも25〜30nm程度とすることが望まれる。そして、配線膜厚が更に減少した場合は、バリア膜厚もそれに比例して薄くすることが望まれる。近い将来には、10〜20nm程度の厚さのメッキバリア膜が必要になると考えられる。このような薄くて均一性に優れ、かつ、膜厚制御性などにも優れたバリア膜形成技術が望まれるが、従来の技術によっては、困難であった。
又、Cu配線膜の微細化に伴って、隣接配線膜間の絶縁特性を維持向上させることも大きな課題である。Cu配線膜の研磨面を従来のような高誘電率のSiNやSiCN等の絶縁膜で被覆するだけでは、信頼性の確保が次第に困難となって来ている。これに対する対策としては、無電界メッキによってCu配線膜上に選択的にCoやNi膜を形成する方法が提案されているが、無電界メッキでは、Cu配線膜上に薄くて緻密なバリア膜を制御性よく形成することは困難であった。そして、制御性を向上させようとすると、高価な専用装置を必要とし、製造コストの上昇をもたらす。
そして、形成できたとしても、CoやNi若しくはそれらの合金が、Cu配線膜形成の際に用いられる各種の熱処理に十分に耐えられるか否かが明らかでない。一般的に、CoやNiの薄膜がCu上に形成されている場合の耐熱性は400℃程度と謂われており、所謂、耐熱性の面からも膜厚を薄くすることは望ましくないと考えられている。
更に、Cuと比較すると、CoもNiも硬い金属であり、Cu膜上に形成した場合に局所的な応力集中が生じたりする懸念も有る。
従って、本発明が解決しようとする課題は、上記の問題点を解決することである。中でも、Cuの拡散を効果的に防止でき、特に、厚さが薄くてもCuの拡散を効果的に防止でき、更には薄くて高精度なCu拡散防止膜を簡単に形成でき、高性能で信頼性に富む半導体素子を提供することである。
前記課題についての研究を鋭意推し進めていく中に、本発明者は、Alは、融点が低くて活性な金属であるにも拘らず、Cuと反応して合金になると、熱的にも化学的にも極めて安定化することを見出した。
そこで、Cu膜上に10〜20nm厚のAl膜を形成し、そして熱処理することによりCu膜とAl膜との少なくとも境界領域にAl−Cu合金層(膜)を形成した。これを本試料とする。又、比較の為に、Al膜を形成しない比較試料も用意した。そして、これ等の試料の上に、Cu拡散を抑制する効果を有することが知られている高分子樹脂系塗布膜CRC-5200(住友ベークライト製のpolybenzoxazole樹脂) を塗布し、400℃で1時間の熱処理を施したものと、Cu拡散防止用バリア絶縁膜として知られているプラズマCVD法によるSiCN膜を形成したものとを用意した。そして、絶縁膜中へのCu拡散の程度を調べた。その結果、Cu膜上に直接にSiCN膜を形成したものの場合には、絶縁膜中へのCu拡散は検出されなかった。これに対して、Cu膜上に直接に塗布膜CRC-5200を設けたものの場合には、若干のCu拡散が検出された。すなわち、塗布膜CRC-5200は、SiCN膜よりも、Cu拡散抑制効果が低いことが判明した。
これに対して、Cu膜上に10nm厚のAl膜を形成し、そして熱処理してAl−Cu合金膜を形成した後、その上に塗布膜CRC−5200を形成した場合は、SiCN膜に対する場合と同様に、膜中へのCu拡散は全く検出されなかった。
すなわち、Al−Cu合金膜は、薄くても、Cuの拡散防止膜として極めて有望であることを見出すに至った。
又、Al−Cu合金膜をCu配線膜におけるCuバリア膜として用いる場合、不要なAlを除去しながらも、その際、Cu配線膜やAl−Cu合金膜に対しては損傷を与えない除去法が必要である。しかしながら、このような点についても、従来では、検討されてなかった。一般的に、純Cuは、Alと比較して、化学的に不安定で、既存のエッチング液に対してはCuの方が速やかにエッチングされてしまう。
そこで、種々のエッチング液について、そのエッチング特性を調べた。その結果、pHが9以上の金属イオンを含まないアルカリ性の液を用いた場合、この薬液は、深刻な汚染の問題などを引き起こすこともなく、かつ、Cuに対するAlのエッチング速度が5倍以上のエッチング選択性を持ち、更にはAl−Cu合金のエッチング速度が一層低いことをも見出すに至った。
又、メタルバリア膜として、有機樹脂や、融点が1500℃以上の高融点金属、例えばTaやTaNが用いられることをも見出すに至った。尚、TiはAlと反応し易い特徴を持っているので、出来れば避けたいものであった。
又、例えば塩素を含むガスを用いたドライエッチングによっても、Alの選択的除去は可能であった。但し、上記のウェットエッチング法に比べると、選択性がやや劣っていた。又、エッチング時のバイアス電圧を500V以下と低く保たねばならない等の制約も有った。
又、Cu配線間の絶縁膜表面にCu汚染が残存する場合も見られたので、必要に応じて、Cu汚染を除去する為の洗浄工程を導入することが望ましいものであった。
上記知見に基づいて本発明がなされたものである。
すなわち、前記の課題は、Cu配線膜構造であって、
基板と、
前記基板上に構成されたCu又はCu合金からなるCu配線膜と、
前記Cu配線膜上に構成されたAl−Cu合金膜
とを具備することを特徴とするCu配線膜構造によって解決される。
又、Cu配線膜構造であって、
基板と、
前記基板上に構成されたCu又はCu合金からなるCu配線膜と、
前記Cu配線膜上に構成されたAl又はAl合金からなるAl膜と、
前記Cu配線膜と前記Al膜との境界領域に構成されたAl−Cu合金膜
とを具備することを特徴とするCu配線膜構造によって解決される。
又、上記Cu配線膜構造であって、Cu配線膜の上にCu拡散バリア膜が設けられてなることを特徴とするCu配線膜構造によって解決される。
又、上記Cu配線膜構造であって、Cu配線膜の上に融点が1500℃以上の高融点金属および有機樹脂の群の中から選ばれるCu拡散バリア膜が設けられてなることを特徴とするCu配線膜構造によって解決される。
又、上記Cu配線膜構造であって、隣接するCu配線膜の間に比誘電率が3以下(特に、2.5以下。1以上)の低誘電率絶縁材料が設けられてなることを特徴とするCu配線膜構造によって解決される。
又、上記Cu配線膜構造であって、Al−Cu合金膜の上に絶縁材料が設けられていることを特徴とするCu配線膜構造によって解決される。
又、上記Cu配線膜構造であって、Al−Cu合金膜は、その厚さが50nm以下(特に、30nm以下。更には、20nm以下。特に、5nm以上。更には、10nm以上。)であることを特徴とするCu配線膜構造によって解決される。
又、前記の課題は、Cu又はCu合金からなるCu配線膜が基板上に構成されたCu配線膜構造物の製造方法であって、
基板上にCu配線膜を形成するCu配線膜形成工程と、
前記Cu配線膜の上にAl−Cu合金膜を形成するAl−Cu合金膜形成工程
とを具備することを特徴とするCu配線膜構造物の製造方法によって解決される。
又、Cu又はCu合金からなるCu配線膜が基板上に構成されたCu配線膜構造物の製造方法であって、
基板上にCu配線膜を形成するCu配線膜形成工程と、
前記Cu配線膜の上にAl又はAl合金からなるAl膜を形成するAl膜形成工程と、
前記Cu配線膜と前記Al膜との境界領域にAl−Cu合金膜を形成するAl−Cu合金膜形成工程
とを具備することを特徴とするCu配線膜構造物の製造方法によって解決される。
又、上記Cu配線膜構造物の製造方法であって、Al−Cu合金膜形成工程は、Cu膜上に設けられたAl膜に対して行う熱処理工程であることを特徴とするCu配線膜構造物の製造方法によって解決される。
又、上記Cu配線膜構造物の製造方法であって、Al−Cu合金膜形成工程は、Cu膜上に設けられたAl膜に対して不活性雰囲気下で行う熱処理工程であることを特徴とするCu配線膜構造物の製造方法によって解決される。
又、上記Cu配線膜構造物の製造方法であって、熱処理工程は、Al膜形成時の基板温度よりも高い温度で、かつ、500℃以下(特に、450℃以下。更には、400℃以下。中でも、350℃以下)の温度での熱処理工程であることを特徴とするCu配線膜構造物の製造方法によって解決される。
又、上記Cu配線膜構造物の製造方法であって、Al膜形成時の基板温度を200℃以下(特に、150℃以下。更には、100℃以下)で行い、熱処理工程は、前記Al膜形成時の基板温度よりも高く、かつ、400℃以下(特に、350℃以下)の温度で行われる熱処理工程であることを特徴とするCu配線膜構造物の製造方法によって解決される。
又、上記Cu配線膜構造物の製造方法であって、熱処理時間が30分以内(特に、20分以内。更には、10分以内。もっと更には5分以内。中でも2分以内。)であることを特徴とするCu配線膜構造物の製造方法によって解決される。
又、上記Cu配線膜構造物の製造方法であって、Al−Cu合金膜形成工程の後、Al−Cu合金膜が形成されていない位置に在るAlを除去するAl除去工程を更に具備することを特徴とするCu配線膜構造物の製造方法によって解決される。
又、上記Cu配線膜構造物の製造方法であって、Al除去工程は、金属イオンを実質的に含まないアルカリ性薬液によるエッチング工程であることを特徴とするCu配線膜構造物の製造方法によって解決される。
又、上記Cu配線膜構造物の製造方法であって、Cu配線膜形成工程の後、該Cu配線膜の表面を清浄化する清浄化処理工程を更に具備することを特徴とするCu配線膜構造物の製造方法によって解決される。
又、上記Cu配線膜構造物の製造方法であって、Al−Cu合金膜形成工程の後、表面を清浄化する清浄化処理工程を更に具備することを特徴とするCu配線膜構造物の製造方法によって解決される。
又、上記Cu配線膜構造物の製造方法であって、清浄化処理はプラズマ処理であることを特徴とするCu配線膜構造物の製造方法によって解決される。
又、上記Cu配線膜構造物の製造方法であって、Al−Cu膜の上に絶縁膜が設けられる工程を更に具備することを特徴とするCu配線膜構造物の製造方法によって解決される。
又、上記Cu配線膜構造物の製造方法であって、上記のCu又はCu合金からなるCu配線膜が基板上に構成されたCu配線膜構造物の製造方法であることを特徴とするCu配線膜構造物の製造方法によって解決される。
本発明になるCu配線膜構造は、Cu配線膜の上にAl−Cu合金膜が構成されてなるので、Cuの拡散を効果的に防止できる。そして、Al−Cu合金膜はCuの拡散を効果的に防止することから、隣接配線膜間の絶縁特性を大幅に向上させる。かつ、Al−Cu合金膜を備えたCu配線では、絶縁特性が向上する為、保護バリア膜の負担が軽減される。又、層間接続用の孔(ビアホール)の側壁に付着しても、Cu拡散による絶縁特性劣化を引き起こし難い。すなわち、絶縁特性や信頼性が大幅に向上したCu配線膜が簡単に得られる。
特に、本発明の拡散防止膜(Al−Cu合金膜)は薄く、かつ、高精度で構成できるので、微細化が進む今後のLSIにおいて極めて適したものである。そして、信頼性に富む高性能な半導体素子が得られる。
又、本発明は格別な装置を要さずとも実施できる。
本発明になるCu配線膜構造物の製造方法、例えば半導体素子の製造方法は、上記特長のCu配線膜構造物が簡単に得られる。
本発明になるCu配線膜構造は、基板(Si基板)と、前記基板上に構成されたCu又はCu合金(Cuを主成分とするCu合金)からなるCu配線膜と、前記Cu配線膜上(Cu配線膜上とは、広義の意味では、Cu配線膜の表面の意味であるが、狭義の意味では、基板から遠い側のCu配線膜の上面。基本的には、基板から遠い側のCu配線膜の上面であるが、場合によっては、Cu配線膜の側面の場合も有る。)に構成されたAl−Cu合金膜とを具備する。或いは、基板(Si基板)と、前記基板上に構成されたCu又はCu合金からなるCu配線膜と、前記Cu配線膜上に構成されたAl又はAl合金からなるAl膜と、前記Cu配線膜と前記Al膜との境界領域に構成されたAl−Cu合金膜とを具備する。又、上記Cu配線膜構造であって、Cu配線膜の上にCu拡散バリア膜が設けられている。特に、上記Cu配線膜構造であって、Cu配線膜の上に融点が1500℃以上の高融点金属、有機材(例えば有機樹脂)、及び無機材(セラミック)の群の中から選ばれるCu拡散バリア膜が設けられている。前記Cu拡散バリア膜は、特に、前記Al−Cu合金膜が設けられていないCu配線膜の表面(例えば、Cu配線膜の下面および/または側面)に設けられる。前記高融点金属としてはTa等が挙げられる。前記有機樹脂としては、比誘電率が3以下のポリベンゾオキサゾール、ポリシラザン、或いはポリイミドが挙げられる。又、上記Cu配線膜構造であって、隣接するCu配線膜の間に比誘電率が3以下(特に、2.5以下。1以上)の低誘電率絶縁材料が設けられている。又、上記Cu配線膜構造であって、Cu配線膜の間に設けられている絶縁材料と実質的に同じ絶縁材料が、Al−Cu合金膜の上に設けられている。そして、上記Cu配線膜構造におけるAl−Cu合金膜は、その厚さが50nm以下(特に、30nm以下。更には、20nm以下。特に、5nm以上。更には、10nm以上。)である。本発明になるCu拡散防止材はAl−Cu系合金からなる。特に、上記特徴のAl−Cu系合金からなる。
本発明になるCu配線膜構造物の製造方法は、Cu又はCu合金からなるCu配線膜が基板(Si基板)上に構成されたCu配線膜構造物の製造方法であって、基板上にCu配線膜を形成するCu配線膜形成工程と、前記Cu配線膜の上にAl−Cu合金膜を形成するAl−Cu合金膜形成工程とを具備する。或いは、基板上にCu配線膜を形成するCu配線膜形成工程と、前記Cu配線膜の上にAl又はAl合金からなるAl膜を形成するAl膜形成工程と、前記Cu配線膜と前記Al膜との境界領域にAl−Cu合金膜を形成するAl−Cu合金膜形成工程とを具備する。上記Cu配線膜構造物の製造方法におけるAl−Cu合金膜形成工程は、例えばCu膜上に設けられたAl膜に対して行う熱処理工程である。熱処理工程は、特に、不活性雰囲気下で行われる熱処理工程である。前記熱処理工程は、特に、Al膜形成時の基板温度よりも高い温度で、かつ、500℃以下(特に、450℃以下。更には、400℃以下。中でも、350℃以下。)の温度で行われる。或いは、Al膜形成時の基板温度を200℃以下(特に、150℃以下。更には、100℃以下)で行い、熱処理工程は、前記Al膜形成時の基板温度よりも高く、かつ、400℃以下(特に、350℃以下)の温度で行われる。熱処理時間は、特に、30分以内(特に、20分以内。更には、10分以内。もっと更には5分以内。中でも2分以内。)である。又、上記Cu配線膜構造物の製造方法であって、Al−Cu合金膜形成工程の後、Al−Cu合金膜が形成されていない位置に在るAlを除去するAl除去工程を更に具備する。Al除去工程は、例えば金属イオンを実質的に含まないアルカリ性薬液によるエッチング工程である。又、上記Cu配線膜構造物の製造方法であって、Cu配線膜形成工程の後、該Cu配線膜の表面を清浄化する清浄化処理工程を更に具備する。又、上記Cu配線膜構造物の製造方法であって、Al−Cu合金膜形成工程の後、表面を清浄化する清浄化処理工程を更に具備する。清浄化処理は、例えばプラズマ処理である。又、上記Cu配線膜構造物の製造方法であって、Al−Cu膜の上に絶縁膜が設けられる工程を更に具備する。上記Cu配線膜構造物の製造方法は、上記のCu又はCu合金からなるCu配線膜が基板上に構成されたCu配線膜構造物の製造方法である。
本発明を更に具体的に説明すると次の通りである。すなわち、Cu配線膜の上に設けられるAl膜(Al薄膜)は、スパッタリング法や真空蒸着法などのPVDやCVD等の乾式薄膜形成法によって形成される。このようにして形成されたAl膜に対して熱処理を行うと、Cu配線膜のCuとAl膜のAlとが、少なくともその境界領域において、反応し、Al−Cu合金層(膜)が形成される。そして、この後、未反応部のAl膜を選択的にエッチング除去する。これにより、Cu配線膜表面にのみAl−Cu合金膜が形成されており、Cu配線膜以外の位置に在るAl膜は除去された配線構造が得られる。
本発明において、Cu配線膜上に設けられるAl膜は、Al合金膜であっても良い。すなわち、下層のCu配線膜におけるCuと反応してAl−Cu合金膜を形成できるものであれば良い。更には、ウェットエッチングやドライエッチング等のエッチング手段によって、Cu配線膜以外の位置に在るAl合金膜が除去されものであれば良い。具体的には、例えば10wt%程度の添加物が含まれていても差支えが無い。
Al膜形成に先立って、例えばHやN等の非酸化性ガス、或いはHe,Ar等の不活性ガス、又は前記のガスの混合ガスを用いたプラズマに配線基板(Cu配線膜)を晒す。このプラズマ処理の後でAl膜を形成することによって、配線基板全面に亘って均一性が確保される。そして、Al膜をスパッタリングや真空蒸着法などによって形成すると、膜厚が1nmの単位で制御でき、5〜50nm厚程度のAl膜を高精度に形成できる。
さて、ダマシン法によって埋込みCu配線膜を形成する場合、CMP技術が用いられる。CuをCMPして不要部分を除去した後、有機もしくは酸やアルカリ性薬液によってCu配線膜上面が洗浄される。しかしながら、CMPの残留物は十分には除去できない場合が多い。又、配線基板にシリコントランジスタ等の素子が形成されており、それにCu配線膜が接続されている場合には、接続状態によってCu配線膜表面の化学的状態が変化し、酸化物や錯体の膜などの形成状態が場所によって異なったりする。このような状況下において、直ちにAl膜を形成すると、下地のCu配線膜上面とAlとの接続状態がバラツキ、Al−Cu合金形成の為の熱処理を行っても、均一なAl−Cu合金膜が形成されない場合があることが見出された。このような場合、プラズマに晒していると、前記のような不均一な状態が解消され、基板全面に亘ってほぼ均一な状態となり、この上にAl膜を形成すると全面に亘って均一にAl−Cu合金膜が形成されることが判った。従って、プラズマ処理の後にAl膜を形成することが好ましい。
Al膜形成後に熱処理を行うと、Cuと接した部分のAlはCuと反応し、Al−Cu(例えば、AlCu)合金となる。尚、Cuと接していない部分はAlのままである。従って、Alはエッチングされ、Al−Cu合金やCu配線膜はエッチングされない選択的エッチング液やプロセスが必要である。従来、Alのエッチングには、主に、リン酸と硝酸の混合液や硝酸や塩酸などの酸系のエッチング液や、水酸化カリウム水溶液などのアルカリ溶液が用いられて来た。しかしながら、このようなエッチング液では、Cuもエッチングされてしまう。更に、Al−Cu合金もエッチングされてしまう。従って、配線膜間のAlのみをエッチングすることは困難であった。すなわち、本発明が目的とするような選択的エッチングは従来の技術では困難であった。
しかしながら、本発明者は、有機アルカリ系、又、無機アルカリ系であっても金属成分(金属イオン)を含まないアルカリ系溶液を用いると、CuやAl−Cu合金を殆どエッチングせず、Alを相対的に高速でエッチング出来、しかもキャップ絶縁膜や配線間に用いる各種絶縁膜も劣化させ難いことを見出した。目安としては、Cuに対するAlのエッチング速度(選択比)が4〜5倍以上であれば、選択的にエッチングできることが判った。そして、4、更には5以上のエッチング選択比を持つエッチング液としては、例えば15%以下の濃度のトリメチルアンモニウムハイドレート(TMAH)やジアミノエタノール(DAE)等のアルカリ性の有機化合物の水溶液、1%以下の濃度のアンモニアや飽水ヒドラジンなどの水溶液が挙げられる。より望ましくは、濃度が5%以下のTMAHやDAE水溶液が挙げられる。又、濃度が0.1%以下のアンモニア水溶液も挙げられる。
Al−Cu合金を形成するには、Al膜の形成温度や、熱処理条件は重要である。Al膜形成温度が200℃以上と高い場合、AlとCuとの合金化反応は横方向にも顕著に進み、配線間が短絡する恐れがある。更に、Al膜形成温度が高いと、結晶粒が大きく成長し、下地Cu配線膜表面から結晶粒が食み出して隣接Cu配線膜に接近したり、極端な場合には、配線膜間を跨ぐことも起こり得る。又、Al膜形成温度が高いと、膜形成と同時進行的にAlとCuとが反応し、上記の結晶粒全体がAl−Cu合金に変化する場合が有る。このような合金化が進むと、選択エッチングが困難になる。そして、結果として、配線間の耐圧の劣化や短絡を引き起こす要因となる。従って、Al膜の結晶粒の大きさは出来るだけ小さい方が望ましく、Al膜形成温度は200℃以下が望ましかった。
更に、Al−Cu合金化反応は、Al膜形成後の熱処理温度や熱処理時間にも依存することが判った。Al膜形成温度よりも低い温度で熱処理しても、Al−Cu合金化反応は余り進展しない。すなわち、Al−Cu合金化には有効でない。しかしながら、Al膜形成温度よりも高い温度で長時間の熱処理を行うと、横方向への合金化反応も進展し、配線膜間の絶縁特性が劣化し易い。従って、Cu配線膜の上面のAlのみが反応し、横方向の反応を抑制する為には、熱処理が短時間であることが望ましい。すなわち、Al膜形成時の基板温度よりは高い温度で熱処理を行うと共に、Al−Cu化の為の熱処理時間は30分以下が望ましかった。更に望ましくは20分以下、特に10分以下であった。配線間隔が130nm以下と微細な場合には、Al膜厚は10nm程度、若しくは10nmよりも薄くなるので、熱処理時間は2分間以下が望ましい。
Si配線基板にトランジスタなどの能動素子が形成されていて、それにCu配線膜を接続する場合には、Cu配線膜が能動素子に結合されている状態によって表面状態が変化する。一般的には、p型拡散領域に接続されているCuは、浮遊状態もしくはn型拡散領域に接続されているCuに比べると、酸化や腐食が起こり易い。又、一般的に、Cu配線膜表面には空気中の水分や有機成分が吸着して表面膜を形成している。この表面膜の状態は、Cu配線膜が能動素子に接続されている状態によって、バラツキが生じる。このような上にAl膜を形成して合金化しようとする場合、Cuの表面状態の違いによって、Al−Cu合金化にバラツキが生じる。そこで、このような場合には、Al膜形成に先立って、配線基板表面をHeやArなどの不活性ガス、H等の還元性ガス、又はそれらの混合ガスを用いたプラズマに晒すことが好ましかった。プラズマ処理によるCu表面のエッチングはCu表面の吸着膜や変質膜を除去できる深さであることが望ましい。但し、それらの膜の厚さが10nmを越える場合も珍しく無く、全体を除去すると、配線抵抗が増加したり、配線間のキャップ絶縁膜上に多量のCu反応物が堆積し、それがAl膜と反応してしまい、却って配線間短絡を生じたりする場合も有ることが考えられる。尚、このようなことに対しては、プラズマ処理は表面状態を均一にすれば良いものであり、除去する深さは、高々、5nm程度も有れば十分であった。
Al−Cu合金膜のCu拡散抑制効果は極めて優れていた。従って、拡散抑制効果を備えた絶縁膜は必ずしも必要では無かった。すなわち、この上に直接に低誘電率絶縁膜を形成しても十分な信頼性が得られた。尚、絶縁膜形成の際に、Al−Cu合金膜表面が酸化されることは望ましく無い。従って、例えば塗布法によって形成する場合に必要な絶縁膜形成後の熱処理は非酸化性雰囲気で行われることが望ましい。雰囲気ガスとしては、前述の非酸化性ガスや不活性ガス、若しくはそれらの混合ガスの雰囲気であれば良い。酸素濃度は500ppm以下にすれば十分であった。
Alを選択的にエッチングする液の特性としては、Alのエッチング速度がCuのエッチング速度の4倍以上であれば、実用的な効果が得られた。尚、5倍以上有れば十分であった。アルカリ性の成分としては、TMDHやEDA、エチレンジアミンなどの有機アルカリ性化合物、アンモニアやヒドラジンの水溶液が好適であった。カリウムその他の金属成分を含むアルカリ性化合物は、絶縁膜中に残存し易い。又、Cuをエッチングする効果も強い。従って、水酸化カリウム水溶液などはエッチング液としては適していない。アンモニア水溶液はCuをもエッチングし易く、選択性にやや劣る場合が多いので、最大でも0.5wt%以下の濃度、望ましくは0.1wt%以下の濃度の水溶液であることが望ましい。よりプロセスの安定性を確保する為には、0.01wt%以下の液を用いることが望ましい。
以下、具体的な実施例を挙げて説明する。
参考例]
先ず、図1(a)に示される如く、Siウェハなどの配線基板100上に、プラズマCVD等の手法によって、第1の絶縁膜(SiO(p−SiO)膜)101を形成する。この第1の絶縁膜101上に、塗布の手法によって、250nm厚の多孔質な第2の絶縁膜(LKD−5530(JSR社製の含シリコン有機化合物(methylsilsesquioxane:MSQ):比誘電率2.27)102を形成する。次に、第2の絶縁膜102の上に、塗布の手法によって、空孔を持たない100nm厚のキャップ絶縁膜(MSQ(dense−MSQ)であるLKD−2055(JSR社製):比誘電率2.83)103を形成する。
そして、上記第2の絶縁膜102及びキャップ絶縁膜103からなる積層膜に対して、公知のリソグラフィ技術およびドライエッチング技術によって、所望パターンの配線用の溝を形成した。
次いで、PVDの手法により、配線用の溝の上に、TaとTaNとからなる30nm厚の第1のメタルバリア膜104を形成した。次いで、CVD或いはPVD等の乾式メッキ法、又は電気メッキ等の湿式メッキ法により、溝上に設けた第1のメタルバリア膜104の上に、配線用Cu膜105を形成する。この後、不要部分をCMPによって除去し、図1(a)に示される如きのものを得た。尚、CMP後に、希釈クエン酸水溶液を用い、CMPによって付着した砥粒やCu汚染を除去している。
この後、図1(b)に示される如く、スパッタリングによって、10nm厚のAl膜106を設けた。尚、Al膜形成時における基板100の温度が100℃以下であるように温度制御されている。
続いて、基板100を不活性ガス(窒素またはアルゴン)雰囲気下に置き、そしてAl膜106の温度が300℃になるように雰囲気温度を制御した。尚、この300℃の保持時間は10分間である。この熱処理により、Cu膜105におけるCuと、Cu膜105上のAl膜106におけるAlとが反応し、Cu膜105上のAl膜106は第1のAl−Cu合金膜107になった。尚、第1のキャップ絶縁膜103上のAl膜106は、下層にCuが無いから、Al−Cu合金膜にはならない。
この後、3wt%のTMAH水溶液によって、配線基板100をエッチングした。当該エッチング液(3wt%TMAH水溶液)により、Al膜106の未反応部分は最大3分間でエッチング除去された。尚、Cu膜105上のAl膜はAl−Cu合金膜107に変わっており、そしてAl−Cu合金膜107は上記エッチング液ではエッチングされないので、そのまま、安定して残っている。
尚、エッチング後に、Al−Cu合金膜107等の表面を、走査型電子顕微鏡によって観察した。その結果、Al−Cu合金膜107の端部は、±15nm程度の範囲で、ギザギザ(Line Edge Roughness;LER)となっており、130nm幅で設計されていた配線間隔は最小部分では100nm程度にまで狭まっていた。従って、配線間隔をより狭める為には、第1のAl−Cu合金膜107の端部のLERを低減する必要がある。
図1(b)で示される工程後に、図1(c)に示される如く、100nm厚の第1の保護絶縁膜(CRC−5200)108を形成した。この後、400℃で2時間の熱処理を行ったが、第1の保護絶縁膜108中へのCuの拡散は検出されなかった。すなわち、Al−Cu合金膜107はCuの拡散抑制に有効なことが判った。
この後、通常の工程を経て、ULSIが製造された。
[実施例
本実施例は、前記参考例と同様であるが、Al−Cu熱処理時間を短縮し、第1のAl−Cu合金膜107のLERを低減した例である。
先ず、Al膜106の形成までは参考例と同様な条件で行った配線基板100を用意した。
次に、配線基板100に対して、400℃で1分間のランプアニールを施した。アニールを行う雰囲気は、Heを主成分とする不活性ガス雰囲気である。
この後、参考例と同様に、3wt%TMAH水溶液を用いて不要なAl膜106を除去した。このエッチングは2.5分で完了した。
このようにして得られたものについて、Al−Cu合金膜107等の表面を、走査型電子顕微鏡によって観察した。その結果、Al−Cu合金膜107のLERは±5nm程度にまで減少していた。これは、ランプアニール装置の不活性ガス雰囲気が良好であり、Al膜106表面の酸化などの変質が少なかった為と思われる。
この後、100nm厚の第1の保護絶縁膜(CRC−5200)108を形成した。この後、400℃で1時間の熱処理を行ったが、第1の保護絶縁膜108中へのCuの拡散は検出されなかった。すなわち、Al−Cu合金膜107はCuの拡散抑制に有効なことが判った。又、隣接配線間の耐圧を測定した処、参考例の方法によって形成したCu配線の耐圧に対して、平均して約20%向上し、かつ、そのバラツキも1/2程度にまで低減していた。
従って、熱処理をランプアニール装置で実施することが好ましいものであった。但し、ランプアニール装置は高価と言う問題が有る。又、配線基板を1枚ずつ処理しなければならない問題も有る。
この後、通常の工程を経て、ULSIが製造された。
[実施例3]
本実施例は、2層以上の多層構造のCu配線構造の場合である。
先ず、実施例1と同様にして、第1のCu配線膜205上に10nm厚の第1のAl−Cu合金膜207を形成した配線基板200を用意した。
この上に、100nm厚の第1の保護絶縁膜(CRC−5200)208、ビアホール形成の為の250nm厚の第3の保護絶縁膜(LKD−5530)209、100nm厚の中間絶縁膜(dense−MSQであるLKD−2055)211、第2のCu配線膜215を形成する為の250nm厚の第4の絶縁膜(LKD−5530)212、及び100nm厚の第2のキャップ絶縁膜(dense−MSQであるLKD−2055)213からなる積膜絶縁膜を形成した。
そして、公知のリソグラフィやエッチング技術を用いて、第3の保護絶縁膜209にビアホールを形成すると共に、第4の絶縁膜212に第2層目のCu配線215用の溝を形成した。
この後、TaとTaNとからなる30nm厚の第2のメタルバリア膜214とCu配線215用のCu膜を埋め込んだ。そして、CMPによって、第2のメタルバリア膜214と第2層目配線用のCu膜における不要部分を除去した。
この後、第2のAl−Cu合金膜217を形成した。
ここで、第3の絶縁膜209に形成したビアホールを介して第1のCu配線膜205と第2のCu配線膜215との電気的導通を確保する為、第1のCu配線膜205の表面をエッチングして清浄表面を露出させ、しかる後に第2のメタルバリア膜214を形成する必要がある。ここで、ビアホール底部の第1のCu配線膜205表面をエッチングする際、その表面にはAl−Cu合金膜207が形成されているので、エッチングされたAl−Cu合金膜207はAl−Cu再付着物207aとしてビアホール側壁に付着する。しかるに、Al−Cu再付着物207aの成分であるAl−Cu合金は安定であり、Cu拡散防止効果を有する材料である為に、第3の絶縁膜209中を拡散したりすることはなく、安定な状態を保つ。従って、本発明は、多層配線の層間接続部の高信頼化にも有効である。
これに対して、本発明が用いられなかった場合は、図3に示される如くになる。すなわち、その一部が図3に示される如く、第1のCu配線205の表面にはCu拡散を抑制する為に、例えばSiCNからなる絶縁バリア膜208aを形成する必要がある。このような絶縁バリア膜を用いたとしても、ビアホール底部の清浄化の際に、エッチングされてビアホール側壁のCu再付着物205aはCuそのものである。このCuは、外部電界や進入して来た水分などの効果によって、速やかに第3の絶縁膜209中を拡散し、隣接配線間の絶縁特性を劣化させたりする。
従って、本発明は極めて好ましいことが理解できる。
上記実施形態の本発明にあっては、ダマシン法によって形成したCu配線膜表面に選択的にAl−Cu合金膜が形成される。従って、信頼性が高いCu配線膜構造物、即ち、半導体素子が得られる。
しかも、製造に用いた装置は何れも既存の装置であり、新規の設備投資を行わずとも出来、低廉なコストで製造できる。尚、ランプアニール等の装置を用いる場合には、若干のコスト高になる。しかしながら、LERの一層の低減、引いては信頼性の向上効果が得られる。
又、ビアホール部の導通の高信頼化にも極めて有効であった。
更には、従来構造の制約であった高誘電率のバリア絶縁膜を用いずとも良く、従来比10%以上の配線間の実効誘電率の低減が可能となった。
本発明におけるAl−Cu合金の高いバリア性や非金属アルカリ性エッチング液による未反応Al部の除去技術は、低コスト、かつ、極めて安定であり、低誘電率膜間絶縁膜を用いた多層配線膜を安定的に形成するに大きく役立つ。
そして、Al−Cu合金膜形成の為のAl膜形成は技術的に確立されたPVD法を用いることが出来、このような場合には1nm厚の単位で高精度に制御できる。これは、従来の湿式メッキ技術によるよりも、5倍以上高い制御性を有する。
又、非金属アルカリ性エッチング液によるAl,Cu,Al−Cu合金に対するエッチング選択性はAl/Cuでは5倍、若しくはそれを上回る程度であったが、Al−Cu合金のエッチング速度はCuの1/10以下であり、極めて良好にバリア用Al−Cu合金膜が綺麗に形成できた。そして、このAl−Cu合金膜が形成されると、Cu拡散防止の観点からはバリア絶縁膜が殆ど不要とも言えるようにもなり、配線間の実効誘電率の大幅低減にも寄与する。
更に、多層配線膜形成においては、ビアホール部側壁に付着するのがAl−Cu合金膜である為、ビアホール部起因の信頼性劣化も効果的に抑制できる。
又、Cu配線膜表面に誘電率が大きなSiN膜やSiCN膜を形成する必要が無く、塗布系絶縁膜など拡散抑止効果が若干劣る膜でも適用可能となる。そして、絶縁特性も大幅に向上し、必要とされる配線絶縁寿命を確保することが出来る。
Al−Cu合金バリア膜付きCu配線膜の説明図 本発明を2層以上の多層配線膜形成に適用した場合の説明図 図2の本発明に対する比較の説明図 従来のCu配線膜の説明図
符号の説明
100,200 配線基板
101,201 第1の絶縁膜
102,202 第2の絶縁膜
103,203 第1のキャップ絶縁膜
104,204 第1のメタルバリア膜
105,205 第1のCu配線膜
205a Cu再付着物
106,206 Al膜
107,207 第1のAl−Cu合金膜
207a Al−Cu再付着物
108,208 第1の保護絶縁膜
209 第3の絶縁膜
211 中間絶縁膜
212 第4の絶縁膜
213 第2のキャップ絶縁膜
214 第2のメタルバリア膜
215 第2のCu配線膜
217 第2のAl−Cu合金膜
218 第2の保護絶縁膜

代 理 人 宇 高 克 己

Claims (6)

  1. Cu又はCu合金からなるCu配線膜が基板上に構成されたCu配線膜構造物の製造方法であって、
    前記基板上にCu配線膜を形成するCu配線膜形成工程と、
    前記Cu配線膜形成工程の後、前記基板温度が100℃以下の温度で、前記Cu配線膜の上に、Al又はAl合金からなるAl膜を形成するAl膜形成工程と、
    前記Al膜形成工程の後、前記Al膜形成時の温度よりも高く、かつ、450℃以下の温度において、2分以内の時間に亘って、不活性雰囲気下で、熱処理することにより、前記Cu配線膜と前記Al膜との境界領域に、厚さが5〜50nmのAl−Cu合金膜を形成するAl−Cu合金膜形成工程と、
    前記Al−Cu合金膜形成工程の後、金属イオンを実質的に含まないアルカリ性薬液によるエッチングにより前記Al−Cu合金膜上の前記Al膜を除去するエッチング工程
    とを具備することを特徴とするCu配線膜構造物の製造方法。
  2. 金属イオンを実質的に含まないアルカリ性薬液は、トリメチルアンモニウムハイドレート水溶液、ジアミノエタノール水溶液、アンモニア水溶液、及び飽水ヒドラジン水溶液の群の中から選ばれる何れかであり、pHが9以上である
    ことを特徴とする請求項1のCu配線膜構造物の製造方法。
  3. Cu配線膜形成工程の後で、Al膜形成工程の前に、該Cu配線膜の表面を清浄化する清浄化処理工程を更に具備する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2のCu配線膜構造物の製造方法。
  4. 清浄化処理はプラズマ処理である
    ことを特徴とする請求項3のCu配線膜構造物の製造方法。
  5. Al−Cu膜の上に絶縁膜が設けられる工程を更に具備する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4いずれかのCu配線膜構造物の製造方法。
  6. Al−Cu合金膜形成工程における熱処理はランプアニール処理である
    ことを特徴とする請求項1〜請求項5いずれかのCu配線膜構造物の製造方法。
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