JP4715810B2 - 美容装置 - Google Patents

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Description

本発明は、スチームやミストにより温あるいは冷の熱的刺激を肌に与える美容装置に関する。
従来、美容装置においては、ミストを発生させる手段として超音波式のものがあった(例えば、特許文献1など参照)。
また、超音波振動により発生されたミストに含まれる雑菌の吸引対策として、ヒータにより液体を加熱させてから霧化する方式のものがあった(例えば、特許文献2など参照)。
登録実用新案第3054750号公報 特開平11−99189号公報
しかしながら、上記背景技術の構成では、ミストによる冷却性能は主に発生させるミスト量(顔がどれだけ濡れるか)と風量(顔についたミストを気化させる)に関係するが、超音波式の場合、ミスト発生部自身ではミストを送り出す機能はなく送風部によりミストを送り出す必要がある。すなわち、超音波霧化は、液体を溜めた液体溜め部の底に設置された超音波振動子を発振させることにより発生させた液体柱から霧化されるが、発生したミストは自重により落下するので、風を送り、ミストを運ぶ必要がある。この際に、風量と顔へ届くミスト量には相関がある。例えば、風量を増やすと、顔へ届くミスト量も増える。
一方、人がミストを顔に受ける際の官能としては、ミストが多ければ冷却感を感じるが、多すぎると過度の冷却感を感じたり、顔が濡れすぎてベトベト感を感じて不快になる。また、ミストが少なければ十分な冷却感を得ることはできない。同じように風量も多ければ冷却感を感じるが、多すぎると過度の冷却感を感じたり、息苦しく感じて不快になり、少なければ十分な冷却感を得ることはできない。つまり、十分な冷却効果があり、かつ快適な冷却感を感じるミスト量と風量の組み合わせの範囲がある。
超音波式では、上述したように風量と顔へ届くミスト量に相関があるので、風量のバラツキが大きくなるとミスト量のバラツキも大きくなるという問題があり、十分な冷却効果があり、かつ快適な冷却感を感じるミスト量と風量の適当な組み合わせの範囲に収めるのが難しいという課題があった。
また、初期に適当な組み合わせの範囲に収めていても、送風部の経年劣化などにより風量変化が発生した場合、ミスト量までもが変化してしまい、収めていた適当な組み合わせの範囲から逸脱する可能性が増すという課題もあった。
更には、ミストを発生させるために、大きな液体溜め部が必要であり、構造上大きくなるという課題もあった。
また、液体溜め部に残った水が長期間放置されて、次にその水を使用する場合に衛生上の問題が生じる可能性があった。
また、上記の対策として、霧化室に溜めた液体をヒータなどで加熱する場合、ミストを送り出す風もこの霧化室中を通り、液体柱などにより加熱され、また、そもそも加熱された液体を霧化するのでミスト自身も常温の液体を霧化させた場合に比べて温かいミストとなってしまい十分な冷却感を得られないという課題があった。
更には、大きな液体溜め部に溜められた多くの液体を加熱するには、出力の大きなヒータが必要であり、多くの電力を消費するという課題があった。
そこで、本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、十分な冷却効果があり、かつ快適な冷却感を感じるミスト量と風量の適当な組み合わせの範囲に収めるのが容易で、送風部の経年劣化などにより風量変化が発生した場合に収めていた適当な組み合わせの範囲から逸脱する可能性が少なく且つ構造上小さくできる美容装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、常時衛生的に使用でき、十分な冷却効果を得ることができ、且つ多くの電力を消費することがない美容装置を供給することを目的とする。
上記課題を解決するために、本願請求項1記載の美容装置は、ポンプから吐出された空気と液体供給路により供給された液体とを混合してノズルより噴出しミストを発生させるミスト発生部を有し、さらに、送風を発生する送風部と、発生した送風を供給する送風供給路と、前記送風供給路により供給された送風を放出する放出孔と、液体を加熱する加熱部と、液体供給路を通る加熱された液体を冷却する冷却手段と、を備える。
本願請求項記載の美容装置においては、冷却手段として、送風供給路により供給された送風を用いて冷却するように構成される。
本願請求項記載の美容装置においては、液体供給路の周囲に放熱フィンを配置するように構成される。
本願請求項記載の美容装置においては、液体を加熱気化させてスチームを発生させるスチーム発生部と、スチームとミストを交互に供給するようにスチーム発生部とミスト発生部とを制御する制御部とを、備える。
請求項1記載の美容装置によれば、ミストの発生量と風量が互いに相関がないので(ミストを発生させる際の空気ポンプの風量は、送風部から発生される風量に比べてわずかな量であるため)、風量のバラツキがミスト量のバラツキにも影響することがない。したがって、この美容装置によれば、十分な冷却効果があり、且つ快適な冷却感を感じるミスト量と風量の適当な組み合わせの範囲に容易に収めることができる。
また、請求項1記載の美容装置によれば、送風部の経年劣化などにより風量変化が発生した場合でも、初期の収めていた適当な組み合わせの範囲から逸脱する可能性が少ない。また、請求項1の美容装置によれば、ミストを発生させるために、従来のように大きな液体溜め部が必要でないので、構造上装置自体を小さくできる。
また、請求項記載の美容装置によれば、本方式により発生されるミストの平均粒径は数十μm程度であり、僅かではあるが肺にまで到達するような数ミクロンの粒径のミストも含んでいるが、加熱部を設けることにより、液体を加熱殺菌してからミスト化することができるので、常時衛生的に使用することができる。
また、請求項記載の美容装置によれば、送風部から発生される風は加熱部を通る必要はないので、風が加熱されることはなく、冷却感を損なうことはない。
また、請求項記載の美容装置によれば、霧化させるのに多くの液体を溜めておく必要がないので、加熱するためのヒータは小さな出力で済み、多くの電力を消費することがない。
請求項記載の美容装置によれば、加熱された液体をノズルに送りミスト化するまでに冷却することができるので、ミストの温度を常温に近づけることができ、更に冷却感を損なうことはない。
請求項記載の美容装置によれば、冷却性能を与えるための送風を用いるため、構造上装置自体が大きくなることがない。
また、請求項記載の美容装置によれば、冷却する空気の温度上昇は僅かなため(送風される空気量に対して発生させるミスト量が僅かなため)、更に冷却感を損なうことはない。
請求項記載の美容装置によれば、加熱された液体をノズルに送りミスト化するまでに冷却する効率を上げることができるため、ミストの温度を更に、常温に近づけることができ、更に冷却感を損なうことはない。
請求項記載の美容装置によれば、スチームによる温刺激の後にミストによる冷刺激を与えることができるので、冷却感の快適性を上げることができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
「実施形態1」
実施形態1の美容装置は、図1に示すように、装置本体1を備えている。装置本体1は、ハウジング2と、このハウジング2の上部を塞ぐ上蓋3と、ハウジング2の底部を塞ぐ底蓋4と、上蓋3に取り付けられたタンク蓋5と、ノズル部6とから構成されている。
ノズル部6には、スチームが噴出されるスチーム噴出孔7と、ミストと空気が放出されるミスト空気放出孔8が開口されている。また、ノズル部6は、図2に示すように、ノズル固定台9にネジ止め固定され、ある程度の角度範囲(例えば30度)で同図中矢印Aで示す方向に回動可能とされている。
上蓋3には、電源操作スイッチボタン10と、モード切替操作スイッチボタン11とが設けられている。電源操作スイッチボタン10は、装置本体1の内部に構成された電源スイッチ27をオン(ON)またはオフ(OFF)する操作ボタンである。モード切替操作スイッチボタン11は、装置本体1の内部に構成されたモード切替スイッチ28を操作するためのボタンである。
装置本体1の内部は、図2および図3に示すように、スチーム発生部12と、ミスト発生部13と、これらスチーム発生部12とミスト発生部13に対してスチームとミストを交互に供給するように駆動制御する制御部14と、に分けられる。
スチーム発生部12は、図1及び図3に示すように、主にタンク15と、スチームヒータ(図示せず)と、煮沸室(図示せず)と、スチーム噴出孔7と、で構成される。
タンク15は、図10に示すように、装置本体1内において給水貯留部16に連結されている。タンク15内には、例えば水などの液体19が満たされる。給水経路部17は、給水貯留部16および煮沸室の下方に位置するような状態で接続されている。煮沸室は、スチームヒータの加熱面に臨んで配設されている。煮沸室とスチーム噴出孔7は、スチーム経路部18で接続されている。また、タンク15は、ミスト発生部13にも液体19を供給するように構成されている。
このようにして構成された美容装置では、タンク15より供給された液体19(例えば水)を煮沸室で加熱沸騰させて発生させたスチームを、前記スチーム噴出孔7から使用者の顔や手などに噴出するように構成されている。
ミスト発生部(ミスト発生手段)13は、図1、図2及び図5に示すように、主に空気ポンプ20と、液体溜め部74と、液体供給路21と、ミストノズル22と、送風部23と、送風供給路24と、ミスト空気放出孔8と、で構成される。
空気ポンプ20は、図5から図7に示すように、ポンプ支持台25により支持されている。ポンプ支持台25は、底蓋4に設けられた支持ボス26にネジ止め固定される。空気ポンプ20は、ポンプモータ90と、圧縮室91よりなり、シリコンチューブなどを接続可能とした中空の吐出ボス29を有し、該吐出ボス29から空気を吐出するように構成されている。
吐出ボス29には、空気接続チューブ30の一端が接続されている。この空気接続チューブ30のもう一方の端(他端)は、第3送風路31の外壁に設けられた中空の第1接続ボス32に接続されている。第3送風路31の内壁には、第1接続ボス32と相対する位置に同じく中空の第2接続ボス33が設けられている。この第2接続ボス33と第1接続ボス32は、その中心部の連通孔34を通して前記第3送風路31の外壁側と内壁側を連通させている。第2接続ボス33には、第4送風路66内に設けられる空気接続チューブ35の一端が接続されている。この空気接続チューブ35のもう一方の端(他端)は、ミストノズル22に設けられた中空の空気接続ボス36に接続されている。
液体溜め部74は、図5に示すように、液体溜め室37と、液体溜め室底蓋38とからなり、これらの間に防水ゴムなどが介在されて液密保持構造とされている。そして、これら液体溜め室37と液体溜め室底蓋38とは、前記した底蓋4に設けられた一対の支持ボス39にネジ止め固定される。液体溜め室37の側面には、シリコンチューブなどを接続させる中空の液体供給ボス40が設けられている。液体溜め部74に必要とされる液体19の体積は、数ccから20cc程度でよく、超音波式の溜め水(例えば100cc)に比べ十分少量でよい。
液体供給ボス40には、図5および図10に示すように、液体供給チューブ41の一端が接続されている。液体供給チューブ41のもう一方の端(他端)は、タンクホルダー42に設けられた中空のミスト側ボス43に接続される。液体溜め室37には、この液体供給チューブ41を介して前記したタンク15から液体19が供給されるようになっている。
液体供給路21は、図5から図7に示すように、液体供給パイプ44と、第1液体供給チューブ45と、第2液体供給チューブ46とから構成される。液体供給パイプ44は、第3送風路31の内部に配置されている。そして、液体供給パイプ44は、第3送風路31の底面に設けられた底穴47と液体溜め室37の天面に設けられた天穴48に臨むように設けられた中空の第1接続ボス49を下端に有し、上端には中空の第2接続ボス50を有している。
第1接続ボス49には、第1液体供給チューブ45の一端が接続されている。第1液体供給チューブ45のもう一方の端(他端)は、液体溜め部74に溜められた液体19に浸かるように配置されている。第2接続ボス50には、前記ミストノズル22と接続される第2液体供給チューブ46の一端が接続されている。この第2液体供給チューブ46のもう一方の端(他端)は、前記ミストノズル22に設けられた中空の液体接続ボス51に接続されている。
ミストノズル22は、図7に示すように、ノズル支持台52に固定されている。ノズル支持台52は、ミストノズルカバー53とノズル固定台9との間に嵌合固定されている。そして、ミストノズル22は、図8及び図9に示すように、ミスト噴出孔54を有し、そのミスト噴出孔54からミストを使用者の顔や手などに噴出するようになっている。
また、ミストノズル22は、空気接続チューブ35が接続される中空の空気接続ボス36と、第2液体チューブ46が接続される中空の液体接続ボス51とを有している。空気接続ボス36の中空部の奥は、出口側の径に対して直径が小さい細径部55に連通している。また、ミスト噴出孔54の孔径φBは、前記細径部55の孔径φAよりも大(φB>φA)とされており、該細径部55と同心円上に配置されている。細径部55とミスト噴出孔54との間には、液体吸い上げ穴56がこれらに連通するように配置されている。かかる液体吸い上げ穴56は、前記した液体接続ボス51の中空部と連通しており、液体溜め室37に貯水された液体19と前記液体供給路21を介して繋がっている。
送風部23は、図5に示すように、送風部ハウジング57と、ファンモータ58およびファン59とから構成され、前記した底蓋4に固定されている。
送風部ハウジング57は、下部に空気吸入部60を有し、上部に送風供給路24と接続される開口端61を有している。この送風部ハウジング57は、その内部にファンモータ58と、このファンモータ58により回転されるファン59とを内包している。ファンモータ58は、回転軸62を有し、その回転軸62に前記ファン59を圧入固定させている。ファン59は、ファンモータ58の正回転に伴い、下部の空気吸入部60から上部の開口端61に空気が流れるような向きに配置されている。
送風供給路24は、図3、図5、図6及び図7に示すように、第1送風路63と、第2送風路64と、第3送風路31と、ノズル固定台基台65と、ノズル固定台9と、ミストノズルカバー53と、第4送風路66とから構成され、密閉された一連の空気供給路を形成している。
第1送風路63は、図5に示すように、一端側部を送風部ハウジング57の開口端61を覆うように連結され、他端側部を第2送風路64の一端に対して密閉状態で連結されている。第2送風路64の他端は、第3送風路31に形成された中空の風路接続ボス67に接続されている。
第3送風路31は、図2及び図5に示すように、立方体形状をなし、前記した液体溜め室37の上に固定されている。この第3送風路31の上端には、ノズル固定台基台65が固定されている。そして、第3送風路上端の開口部は、前記ノズル固定台基台65により密閉される。
ノズル固定台基台65には、図2に示すように、ある程度の角度範囲(例えば30度)で回動可能なように前記ノズル固定台9が取り付けられている。また、ノズル固定台基台65とノズル固定台9は、該ノズル固定台9を回動させても機密状態を保持できるようにシリコンゴム製の第4送風路66で接続されている。
ミストノズルカバー53は、図7に示すように、中空に形成されており、その一端はノズル固定台9の開口端に取り付けられ、他端はミスト噴出孔54に面している。このミストノズルカバー53の出口は、ミスト空気放出孔8とされている。
空気吸入部60から吸入された空気は、ファンモータ58で回転されるファン59により、送風供給路24の入り口である第1送風路63からミストノズルカバー53まで送風され、ミスト空気放出孔8から前記したミスト噴出孔54より噴出されるミストと共に、風を使用者の顔や手などに噴出するように構成されている。
制御部14は、図2、図3及び図5に示すように、ポンプ制御部68と、ファン制御部69と、スチームヒータ制御部70とからなる(詳細は図示せず)。
ポンプ制御部68は、ポンプモータ90に電気的に接続されており、該ポンプモータ90の回転数を制御し、その結果、空気ポンプ20から吐出される空気量を制御する。
ファン制御部69は、ファンモータ58に電気的に接続されており、ファンモータ58の回転数を制御し、その結果、ファン59から送風される空気量を制御する。
スチームヒータ制御部70は、スチームヒータに電気的に接続されており、スチームヒータの発熱量を制御し、その結果、スチーム噴出孔7から噴出するスチーム量を制御する。
以上の構成において、本実施形態1における美容装置の動作を、図1、図5、図8及び図10を参照しながら説明する。
先ず、装置本体1からタンク蓋5を開けてタンク15を取り出し、そのタンク15内に液体19を入れ、再び装置本体1内にタンク15を収納する。この時、タンクホルダー42に設けられた突出ピン71によって、タンク15に設けられた止水ピン72が前記タンク15の内側に押し込まれ、円錐パッキン73の水密性が解除されることによって、前記タンク15内の液体19がスチーム発生部12の煮沸室とミスト発生部13の液体溜め部74に供給される。なお、タンクホルダー42内と煮沸室と液体溜め部74の液体19は、液面を示すラインXで釣り合っている(煮沸室側は図示せず)。
次に、電源操作スイッチボタン10を押して電源を起動し、モード切替操作スイッチボタン11により、所定のモード(スチーム発生モードまたはミスト発生モード)を選択する。選択されたモードに従い、スチームヒータ制御部70、あるいはポンプ制御部68とファン制御部69に電力が供給される。
スチームを発生させるモードが選択された場合は、スチームヒータ制御部70からスチームヒータに電力が供給される。スチームヒータの熱で煮沸室内の水を煮沸(加熱気化)させることにより発生したスチームは、スチーム経路部18を通ってスチーム噴出孔7から吐出される。
ミストを発生させるモードが選択された場合は、ポンプ制御部68からポンプモータ90に電力が供給されると共に、ファン制御部69からファンモータ58に電力が供給される。ポンプモータ90が駆動されると、吐出ボス29から空気が吐出され、空気接続チューブ30を通って最終的に空気がミスト噴出孔54から吐出される。
この時、細径部55(φA)に対してミスト噴出孔54(φB)の孔径を大きく構成しているので、液体吸い上げ穴56に負圧が発生する。発生した負圧により、液体溜め部74の液体19が液体供給路21を通って吸い上げられ、液体吸い上げ穴56まで到達する。そして、吸い上げられた液体19は、空気と混合されてミストとなり、最終的にミスト噴出孔54から噴出される。
ファンモータ58が駆動されると、ファン59が回転し、空気吸入部60から空気が吸入される。そして、吸入された空気は、第1送風路63などを通って、最終的にミスト空気放出孔8から、前記ミスト噴出孔54から噴出されたミストと共に放出される。
なお、上述のように構成された美容装置においては、ミストの発生量は0.4cc/分から2.0cc/分、好ましくは0.8cc/分から1.6cc/分であることが望ましく、ミストの平均粒径は20μmから100μm、好ましくは50μmから70μmであることが望ましい。そのためには、ポンプ12の流量は、0.3リットル/分から2.4リットル/分、好ましくは0.9リットル/分から1.8リットル/分であることが望ましく、細径部55の穴径は0.3mmから0.6mm、好ましくは0.4mmから0.5mmであることが望ましく、細径部55とミスト噴出孔54の穴径の差は0.03mmから0.12mm、好ましくは0.05mmから0.10mmであることが望ましい。
また、この美容装置においては、ミスト空気放出孔8の径がφ20mmのとき、送風部23の流量は30リットル/分から70リットル/分、好ましくは40リットル/分から60リットル/分であることが望ましい。これらミスト発生量、ミスト平均粒径、ポンプ流量、細径部の穴径などは、後述する実施形態2の美容装置でも同じである。
また、この美容装置においては、制御部14がスチーム発生部12とミスト発生部13を制御することにより、スチームとミストを交互に供給させるモードとすることもできる。
以上のように本実施形態1の美容装置によれば、ミストの発生量と風量が互いに相関がないので(ミストを発生させる際の空気ポンプ20の風量は、送風部23から発生される風量に比べてわずかな量であるため)、風量のバラツキがミスト量のバラツキにも影響することがない。したがって、この美容装置によれば、十分な冷却効果があり、且つ快適な冷却感を感じるミスト量と風量の適当な組み合わせの範囲に容易に収めることができる。
また、本実施形態1の美容装置によれば、送風部23の経年劣化などにより風量変化が発生した場合、収めていた適当な組み合わせの範囲から逸脱する可能性が少ない。
また、本実施形態1の美容装置によれば、ミストを発生させるために、従来のように大きな液体溜め部74が必要でないので、構造上装置自体を小さくできる。
また、本実施形態1の美容装置によれば、モード選択によりスチームによる温刺激の後に、ミストによる冷刺激を与えることができるので、冷却感の快適性を上げることができる。
「実施形態2」
本実施形態2において、実施形態1と同じ構成および作用効果を有するものについては実施形態1と同一の符号を付し、その詳細な説明については実施形態1の説明を援用する。
実施形態2が実施形態1と異なる部分は、図11に示すように、加熱部75を配置したことと、液体供給路21の周囲に冷却手段である放熱フィン76を配置した点である。
加熱部75は、図11に示すように、ミストヒータ77と、このミストヒータ77を保持するミストヒータ保持板78とからなる。電力供給部(図示せず)に接続されたミストヒータ77は、例えばアルミニウムなどからなる金属製のミストヒータ保持板78の間に保持され、液体溜め室37とミストヒータ保持板78が防水ゴムなどにより液密保持するように構成されて、底蓋4に設けられた一対の支持ボス39にネジ止め固定される。
放熱フィン76は、図11から図13に示すように、中央に貫通孔79を有し、貫通孔79の周囲には放射状に複数のフィン80が設けられている。この放熱フィン76は、第3送風路31の内部に配置されている。
貫通孔79の下端部には、液体供給パイプ下81が防水ゴムなどにより液密保持するように配置されている。液体供給パイプ下81は、第3送風路31の底面に設けられた底穴47と液体溜め室37の天面に設けられた天穴48に臨むように設けられた中空の接続ボス82を有している。そして、この接続ボス82には、第1液体供給チューブ45の一端が接続されている。第1液体供給チューブ45のもう一方の端(他端)は、液体溜め部74に溜められた液体19に浸かるように配置されている。
貫通孔79の上端部には、液体供給パイプ上83が防水ゴムなどにより液密保持するように配置されている。液体供給パイプ上83は、中空の接続ボス84を有している。この接続ボス84には、第2液体供給チューブ46の一端が接続されている。
上記した構成の差異を踏まえて、本実施形態2における美容装置の動作を、図1、図8、図10、図11及び図13を用いて説明する。
先ず、装置本体1からタンク蓋5を開けてタンク15を取り出し、そのタンク15内に液体19を入れ、再び装置本体1内にタンク15を収納する。この時、タンクホルダー42に設けられた突出ピン71によって、タンク15に設けられた止水ピン72が前記タンク15の内側に押し込まれ、円錐パッキン73の水密性が解除されることによって、前記タンク15内の液体19がスチーム発生部12の煮沸室とミスト発生部13の液体溜め部74に供給される。なお、タンクホルダー42内と煮沸室と液体溜め部74の液体19は、液面を示すラインXで釣り合っている(煮沸室側は図示せず)。
次に、電源操作スイッチボタン10を押して電源を起動し、モード切替操作スイッチボタン11により、好みのモード(スチーム発生モードまたはミスト発生モード)を選択する。選択されたモードに従い、スチームヒータ制御部70、あるいはポンプ制御部68とファン制御部69に電力が供給される。
スチームを発生させるモードが選択された場合は、スチームヒータ制御部70からスチームヒータに電力が供給される。スチームヒータの熱で煮沸室内の水を煮沸(加熱気化)させることにより発生したスチームは、スチーム経路部18を通ってスチーム噴出孔7から吐出される。
ミストを発生させるモードが選択された場合は、ポンプ制御部68からポンプモータ90に電力が供給されると共に、ファン制御部69からファンモータ58に電力が供給される。ポンプモータ90が駆動されると、吐出ボス29から空気が吐出され、空気接続チューブ30を通って最終的に空気がミスト噴出孔54から吐出される。
この時、細径部55(φA)に対してミスト噴出孔54(φB)の孔径を大きく構成しているので、液体吸い上げ穴56に負圧が発生する。発生した負圧により、液体溜め部74の液体19が液体供給路21を通って吸い上げられ、液体吸い上げ穴56まで到達する。そして、吸い上げられた液体19は、空気と混合されてミストとなり、最終的にミスト噴出孔54から噴出される。
ファンモータ58が駆動されると、ファン59が回転し、空気吸入部60から空気が吸入される。そして、吸入された空気は、第1送風路63などを通って、最終的にミスト空気放出孔8から、前記ミスト噴出孔54から噴出されたミストと共に放出される。
そして、液体溜め部74に溜められた液体19は、この液体溜め部74の下部に設けられた加熱部75により加熱されるが、ミストノズル22から噴出されるまでの液体供給路21を通過する過程において冷却される。この時、放熱フィン76を含む液体供給路21は、第3送風路31の中に配置されているので、放熱フィン76と空気とが効率的に熱交換し、液体19はより冷却され、ほぼ常温の状態に戻る。
なお、加熱部75により加熱される液体溜め部74に溜められた液体19の温度は、70℃から100℃、好ましくは80℃から90℃であることが望ましい。
また、実施形態2の美容装置では、制御部14がスチーム発生部12とミスト発生部13を制御することにより、スチームとミストを交互に供給させるモードとすることもできる。
以上のように本実施形態2の美容装置によれば、ミストの発生量と風量が互いに相関がないので(ミストを発生させる際の空気ポンプ20の風量は、送風部23から発生される風量に比べてわずかな量であるため)、風量のバラツキがミスト量のバラツキにも影響することがない。したがって、この美容装置によれば、十分な冷却効果があり、かつ快適な冷却感を感じるミスト量と風量の適当な組み合わせの範囲に容易に収めることができる。
また、本実施形態2の美容装置によれば、送風部23の経年劣化などにより風量変化が発生した場合、収めていた適当な組み合わせの範囲から逸脱する可能性が少ない。
また、本実施形態2の美容装置によれば、ミストを発生させるために、従来のように大きな液体溜め部74が必要でないので、構造上装置自体を小さくできる。
また、本実施形態2の美容装置によれば、本方式により発生されるミストの平均粒径は数十μm程度であり、僅かではあるが肺にまで到達するような数ミクロンの粒径のミストも含んでいるが、加熱部75を設けることにより、液体19を加熱殺菌してからミスト化することができるので、常時衛生的に使用することができる。
また、本実施形態2の美容装置によれば、送風部23から発生される風は加熱部75を通る必要はないので、風が加熱されることはなく、冷却感を損なうことはない。
また、本実施形態2の美容装置によれば、霧化させるのに多くの液体19を溜めておく必要がないので、加熱するためのミストヒータ77は小さな出力で済み、多くの電力を消費することがない。
また、本実施形態2の美容装置によれば、加熱された液体19をミストノズル22に送りミスト化するまでに冷却することができるので、ミストの温度を常温に近づけることができ、更に冷却感を損なうことはない。
また、本実施形態2の美容装置によれば、冷却性能を与えるための送風を用いるため、構造上装置自体が大きくなることがない。
また、本実施形態2の美容装置によれば、冷却する空気の温度上昇は僅かなため(送風される空気量に対して発生させるミスト量が僅かなため)、更に冷却感を損なうことはない。
また、本実施形態2の美容装置によれば、加熱された液体19をミストノズル22に送りミスト化するまでに冷却する効率を上げることができるため、ミストの温度を更に、常温に近づけることができ、更に冷却感を損なうことはない。
また、本実施形態2の美容装置によれば、モード選択によりスチームによる温刺激の後にミストによる冷刺激を与えることができるので、冷却感の快適性を上げることができる。
「その他の実施形態」
以上、本発明を適用した具体的な実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されることなく種々の変更が可能である。
例えば、上述の実施形態において、ポンプ制御部68とファン制御部69は、同一の制御機構部として共通化してもよい。
また、実施形態2の美容装置においては、加熱部75に液体19の温度を検知する温度検知部と、その温度を制御する温度制御部を設けて、液体19の温度が一定範囲になるように制御しても良い。
また、実施形態2の美容装置においては、加熱された液体19を冷却する冷却手段は、送風供給路24より供給された送風だけでなく、液体供給路21の周囲にペルチェ素子を配置し、このペルチェ素子で冷却するようにしてもよい。
図1は実施形態1の美容装置の外観斜視図である。 図2は実施形態1の美容装置の内部構造を一方向から見たときの斜視図である。 図3は実施形態1の美容装置の内部構造を他方向から見たときの斜視図である。 図4は実施形態1の美容装置の内部構造を示す上面図である。 図5は実施形態1の美容装置における送風部、送風供給路、および液体供給路の主要断面図(図4のC−C断面図)である。 図6は実施形態1の美容装置における送風供給路および液体供給路の部分断面図(図4のD−D断面図)である。 図7は実施形態1の美容装置におけるミスト噴出部の断面図(図4のE−E断面図)である。 図8は実施形態1の美容装置におけるミストノズルの縦断面図である。 図9は実施形態1の美容装置におけるミストノズルの斜視図である。 図10は実施形態1の美容装置におけるタンク周辺の断面図(図4のF−F断面図)である。 図11は実施形態2の美容装置における送風部、送風供給路、および液体供給路の主要断面図(図4のC−C線位置に相当する断面図)である。 図12は実施形態2の美容装置における放熱フィン周辺の斜視図である。 図13は実施形態2の美容装置における放熱フィン周辺の断面図(図11のG−G断面図)である。
符号の説明
8 ミスト空気放出孔(放出孔)
12 スチーム発生部
13 ミスト発生部
14 制御部
19 液体
20 空気ポンプ(ポンプ)
21 液体供給路
22 ミストノズル
23 送風部
24 送風供給路(冷却手段)
54 ミスト噴出孔
74 液体溜め部
75 加熱部
76 放熱フィン

Claims (4)

  1. ポンプから吐出された空気と液体供給路により供給された液体とを混合してノズルより噴出しミストを発生させるミスト発生部と、
    送風を発生する送風部と、
    発生した送風を供給する送風供給路と、
    前記送風供給路により供給された送風を放出する放出孔と、
    前記液体を加熱する加熱部と
    前記液体供給路を通る加熱された液体を冷却する冷却手段と、を備えた
    ことを特徴とする美容装置。
  2. 請求項記載の美容装置であって、
    前記冷却手段として送風供給路により供給された送風を用いて冷却するように構成された
    ことを特徴とする美容装置。
  3. 請求項記載の美容装置であって、
    前記液体供給路の周囲に放熱フィンを配置するように構成された
    ことを特徴とする美容装置。
  4. 請求項1から請求項の何れか一つに記載の美容装置であって、
    前記液体を加熱気化させてスチームを発生させるスチーム発生部と、
    スチームとミストを交互に供給するようにスチーム発生部とミスト発生部とを制御する制御部とを、備えた
    ことを特徴とする美容装置。
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