以下、本発明に係る車載情報装置及び電気自動車用情報転送システムの一実施の形態を、図1の基本構成図を参照して以下に説明する。
図1において、車載情報装置10は、更新可能情報を記憶する更新可能情報記憶手段D1を有し、電気自動車のバッテリーBからの電力供給によって動作する車載情報装置10において、前記電気自動車の外部に予め定められた情報管理装置20を示す通信先情報を記憶する通信先情報記憶手段D2と、前記電気自動車のアクセサリースイッチがOFF状態のときに、前記バッテリーBが充電中であるか否かを判定する充電中判定手段11aと、前記充電中のバッテリーからの電力によって前記通信先情報が示す情報管理装置20との間で無線通信を行う無線通信手段16と、前記充電中判定手段11aによる充電中であるとの判定に応じて、前記無線通信手段16を制御して前記情報管理装置20との間で前記更新可能情報の送信及び前記更新可能情報を更新するための更新情報の受信の少なくとも一方を行う制御手段と、を有している。
このような車載情報装置10によれば、通信先情報記憶手段D2は電気自動車の外部に予め定められた情報管理装置20のIPアドレス、電話番号、等を示す通信先情報を記憶する。そして、電気自動車のアクセサリー(ACC)スイッチのOFF状態中は、充電中判定手段11aによってバッテリーBの充電中であるか否かを判定する。充電中判定手段11aによってバッテリーBが充電中であると判定されると、制御手段11bは無線通信手段16を制御して、通信先情報が示す情報管理装置20との間で更新可能情報の送信及び更新可能情報を更新するための更新情報の受信の少なくとも一方を行う。これにより、車両情報装置10はバッテリーの充電中に、電気自動車の外部の情報管理装置20と無線通信を行って更新可能情報の送信、及び更新情報の受信の少なくとも一方を行うことができる。
よって、車載情報装置10によれば、電気自動車のACCスイッチのOFF中に情報管理装置との間で無線通信を行っても、それはバッテリーの充電中であることから、バッテリーBの電力減少を防止する又は最低限に抑制することができるため、更新作業に伴って無線通信等の時間が長くなっても、電気自動車のバッテリー上がりを確実に防止することができる。また、運転者等はACCスイッチのOFF後に電気自動車の充電を開始させるだけで、運転者が電気自動車に留まる必要がなく、車両情報装置10は更新可能情報の更新、バックアップ等を自動で行うことができる。従って、車載情報装置10の更新可能情報を電気自動車の外部の情報管理装置20と共有することができるため、車載情報装置10の有効利用、利便性の向上に貢献することができる。また、無線通信を利用することで、電気自動車の外部には無線通信が可能な情報管理装置を用意するだけで良いため、特別なインフラを一般家庭、公共施設、等に準備、構築する必要がなくなり、本発明を普及させ易いというメリットがある。
また、上述した車載情報装置10は、前記電気自動車の現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段11cと、前記現在位置情報取得手段11cにより取得した現在位置情報が、前記情報管理装置20との無線通信可能場所であるか否かを判定する現在位置判定手段11dと、を備え、前記充電中判定手段11aが、前記現在位置判定手段11dにより前記無線通信可能場所であると判定された場合に、前記充電中であるか否かを判定する手段となっている。
このような車載情報装置10によれば、現在位置情報取得手段11cは現在位置情報を取得すると、現在位置判定手段11dは該現在位置情報が情報管理装置20との無線通信可能場所であるか否かを判定する。そして、無線通信可能場所であるとの判定に応じて、充電中判定手段11aは電気自動車が充電中であるか否かを判定することができる。
よって、車載情報装置10によれば、情報管理装置との無線通信可能場所であることを充電中の判定条件として加え、無線通信可能場所であり且つ充電中であるとの判定を組み合わせることで、充電中であるか否かの判定精度を向上させることができる。また、バッテリーBの端子の電圧値に基づいて充電中を判定する場合に、外部からの安定した電力の供給が可能な無線通信可能場所に限定することで、充電中の判定精度をより一層向上させることができる。さらに、現在位置が無線通信可能場所ではない場合は、自動更新を行わず、無線通信可能場所である場合にのみ自動更新を行うこともできるため、バッテリーの充電が小まめに行える環境になったとしても、頻繁に自動更新されることを防止できる。従って、充電中であるか否かの判定精度を向上させたことから、更新作業による電気自動車のバッテリー上がりをより一層確実に防止することができる。
また、上述した車載情報装置10は、前記充電中のバッテリーBからの電力によって動作し且つ前記無線通信手段16により受信した前記更新情報に基づいて前記更新可能情報を更新する更新手段11eを有している。
このような車載情報装置10によれば、無線通信手段16が更新情報を受信すると、更新手段11eは該更新情報に基づいて、更新可能情報記憶手段D1の更新可能情報を更新する。これにより、データの転送時間に更新可能情報の更新時間が加算されることになるが、更新手段11bによる動作もバッテリーの充電中であることから、電気自動車のバッテリーを低減させることがないため、電気自動車のバッテリー上がりを確実に防止して、更新可能情報の更新を行うことができる。従って、車載情報装置10の利便性をより一層向上させることができる。
また、上述した車載情報装置10は、前記充電中判定手段11aが、前記バッテリーBの端子電圧値の変化を解析し、該解析結果に基づいて前記バッテリーBが充電中であるか否かを判定する手段であり、前記無線通信手段16が、前記充電中判定手段11aの充電中であるとの判定に応じて、前記通信先情報が示す情報管理装置20との間で無線通信が可能となる手段となっている。
このような車載情報装置10によれば、充電中判定手段11aはバッテリーBの端子電圧値の変化を解析し、該解析結果に基づいてバッテリーBが充電中であると判定したときに、無線通信手段16は予め定められた情報管理装置20との無線通信が可能となることから、バッテリーB固有の特徴に基づいた充電中の判定を行えるため、判定精度をより一層向上させることができる。
また、上述した車載情報装置10は、前記充電中判定手段11aが充電中であると判定しているときに、前記バッテリーBの端子電圧値の低下を検出する電圧値低下検出手段11fを有し、前記制御手段11bが、前記電圧値低下検出手段によって端子電圧値の低下が検出された場合に、前記無線通信手段16を制御して、前記情報管理装置20との無線通信を禁止する旨の通知情報を前記情報管理装置20へ送信する手段となっている。
このような車載情報装置10によれば、電圧値低下検出手段11fはバッテリーBの充電中にバッテリーBの端子電圧の低下を検出すると、制御手段11bは情報管理装置20との無線通信を禁止する旨の通知情報を無線通信手段16によって情報管理装置20に送信させる。よって、バッテリーBの充電中に異常が発生したことを情報管理装置20に通知するようにしたことから、異常発生時に情報管理装置20から受信することを防止できるため、無駄な電力消費を回避することができる。
また、上述した車載情報装置10は、前記充電中判定手段11aが充電中であると判定しているときに、前記バッテリーBの端子電圧値の低下を検出する電圧値低下検出手段11fを有し、前記制御手段11bが、前記電圧値低下検出手段11fによって端子電圧値の低下が検出された場合に、前記無線通信手段16を制御して、前記バッテリーBの充電異常を通知する通知情報を前記情報管理装置20へ送信する手段となっている。
このような車載情報装置10によれば、電圧値低下検出手段11fはバッテリーBの充電中にバッテリーBの端子電圧の低下を検出すると、制御手段11bはバッテリーBの充電異常を通知する通知情報を無線通信手段16によって情報管理装置20に送信させる。よって、バッテリーBの充電中に異常が発生したことを情報管理装置20に通知するようにしたことから、情報管理装置20がその通知情報を運転者、製造メーカー、等に通知することで、迅速な異常解消を期待することができる。
図1において、電気自動車用情報転送システム1は、請求項1〜6の何れか1項に記載の車載情報装置10と、前記電気自動車の外部に設けられた前記情報管理装置20と、を有する電気自動車用情報転送システム1であって、前記情報管理装置20が、前記車載情報装置10の無線通信手段16との間で無線通信を行う外部側無線通信手段26と、前記外部側無線通信手段26を制御して、前記車載情報装置10との間で前記更新可能情報の受信及び前記更新情報の送信の少なくとも一方を行う外部側制御手段21と、を有している。
このような電気自動車用情報転送システム1によれば、電気自動車のACCスイッチのオフ中にバッテリーBの充電が行われると、車載情報装置10は予め定められた情報管理装置20との間で無線通信が可能な状態となる。そして、車載情報装置10は、情報管理装置20の外部側無線通信手段26を介した無線通信によって外部側制御手段21との間で更新可能情報の送信及び更新可能情報を更新するための更新情報の受信の少なくとも一方を行う。
よって、電気自動車用情報転送システム1によれば、車載情報装置10が電気自動車のバッテリーを消費することなく、外部電力によるバッテリーBの充電中に外部の情報管理装置と無線通信を行い、更新可能情報の送信と更新情報の受信の少なくとも一方を行うようにしたことから、情報管理装置20との無線通信等の時間が長くなっても、電気自動車のバッテリー上がりを確実に防止することができる。また、バッテリーBの充電により、車載情報装置10と予め定められた情報管理装置20との間で無線通信が可能となるため、バッテリーBの充電を開始させることで、自動で無線通信によるデータ転送を行うことができる。従って、車載情報装置10の更新可能情報を電気自動車の外部の情報管理装置20と共有することができるため、車載情報装置10の有効利用、利便性の向上に貢献することができる。また、無線通信を利用することで、電気自動車の外部には無線通信が可能な情報管理装置を用意するだけで良いため、特別なインフラを一般家庭、公共施設、等に準備、構築する必要がなくなり、本発明を普及させ易いというメリットがある。
[実施例1]
以下、上述した車載情報装置を有する電気自動車用情報転送システムの実施例1を、図2乃至図9の図面を参照して、本発明に関連する部分のみを以下に説明する。
図2において、電気自動車用情報転送システム1は、電気自動車2に搭載されたナビゲーション装置10と、利用者宅50等に設けられた情報管理装置20と、を有して構成している。そして、本実施例において、電気自動車2はハイブリッド車も含んでいる。
また、本実施例では、ナビゲーション装置10と情報管理装置20とが無線通信によって双方向通信が可能な構成とした場合について説明するが、単方向通信としてもよい。そして、無線通信としては、例えば、Wi-Fi(Wireless Fidelity)などの無線LAN(local area network)、Bluetooth、等を任意に用いることができる。さらには、ナビゲーション装置10が無線通信によって例えばインターネット、家庭内LAN、等に接続された中継ポイントにアクセスし、該中継ポイントを経由して前記情報管理装置20と通信を行う実施形態とすることもできる。
ナビゲーション装置10は、図1に示す請求項中の車載情報装置に相当している。ナビゲーション装置10の電力ポートP1は、図3に示すように、電気自動車2のバッテリーBとアクセサリー(ACC)スイッチ3を介して電気的に接続されている。そして、ナビゲーション装置10の電力ポートP2は、BUP端子6aを有する供給線6を介してバッテリーBと電気的に接続されており、常時、電力の供給が可能な構成となっている。そして、ナビゲーション装置10は、ACCスイッチ3のONをトリガーとして、電力ポートP2からの電力によって動作する。
バッテリーBは、電気自動車2の受電プラグ4に接続された電力線Cからの充電電力によって充電される。そして、受電プラグ4とバッテリーBとの間には、AC/DCコンバータ5が介在している。該AC/DCコンバータ5は、受電プラグ4からの交流の電力を直流に変換して、バッテリーBに出力している。また、AC/DCコンバータ5は、供給線6と電気的に接続されている。
ナビゲーション装置10は、バッテリーBが受電プラグ4からの充電電力によって充電を行っている場合に、電力ポートP2からその充電電力の一部の電力を受けることになるため、ナビゲーション装置10はACCオフ中、つまり、充電中のバッテリーBの電圧値を低下させることなく、動作可能となる。そして、一般的なナビゲーション装置10の場合、通常動作の際の電力消費の大半は、パワーアンプや画面表示であることから、充電時に必要な電力は通常時よりも少ない電力でよくなる。即ち、充電中の電力は、後述する制御部11と無線通信部16の動作に必要な最小限の電力であればよいため、バッテリーBの充電に悪影響を及ぼすこともない。このようにナビゲーション装置10が充電中のバッテリーBからの電力を受ける場合は、バッテリーB及び受電プラグ4からの電力を得ることになる。
また、ナビゲーション装置10は、バックアップ供給線6のBUP端子6aの電圧レベルを検出可能な構成となっている。つまり、ナビゲーション装置10は、BUP端子6aの電圧値、電圧変化、電圧変化率、電圧ノイズパターン、等を解析することで、バッテリーBが充電中であるか否かを判定することができる。
ここで、BUP端子6aの波形の特徴について説明する。まず、電気自動車2において、ACCスイッチ3のOFF直後のBUP電圧は、充電完了(満タン)時と比較して、ほとんどの場合は低下している。その後、受電プラグ4が接続された後は、充電完了時の電圧値に向かって上がっていく。
よって、充電中であるか否かの判定方法としては、充電完了電圧を特徴として、その電圧に至った状態を充電中と判定することができる。また、充電電流量を検出し、該充電電流量と電気自動車2に対応して定められた判定条件とを比較し、該比較結果に基づいて充電流であるか否かを判定することもできる。さらに、バッテリーBの充電中に発生するBUP端子6aの波形パターンやノイズパターンを予め検出しておき、実際にサンプリングした波形と比較して充電中であるか否かを判定することもできる。
上述した本実施形態のナビゲーション装置10は、電気自動車2のACCスイッチ3がONされると、電力ポートP2を介したバッテリーBからの電力供給によって動作する。そして、ナビゲーション装置10は、ACCスイッチ3がOFFされた後は、電力ポートP2を介したバッテリーBから必要最低限の電力が供給されることになる。
次に、ナビゲーション装置10は、図4に示すように、制御部11と、メモリ部12と、記憶部13と、GPS(global positioning system)受信機14と、表示部15と、無線通信部16と、操作部17と、を有している。
制御部11は、ナビゲーション装置10全体の制御を司る。制御部11は、周知であるマイクロプロセッサユニット(MPU)、DSP(Digital Signal Processor)等が用いられる。そして、制御部11は、上述した図1に示す車載情報装置、ナビゲーション機能等を実現するための各種プログラム等を図示しない内蔵メモリに記憶している。詳細には、上述した図1に示す請求項中の充電中判定手段11a、制御手段11b、更新手段11e、電圧低下検出手段11f、等の各種手段として制御部11を機能させるためのACCオフ中処理プログラム等の各種プログラムを記憶している。
メモリ部12は、制御部11が読み書き自在のメモリ等の各種記憶媒体が用いられる。メモリ部12は、ナビゲーション装置10の識別情報、情報管理装置20から取得した各種情報、通信対象である情報管理装置20の通信先情報、等の各種情報を記憶する。そして、識別情報は、情報管理装置20と通信を行う場合の認証に用いられる。通信先情報は、利用者等によって予め登録された情報管理装置20のアドレスデータ、電話番号データ、等を有している。よって、本実施形態では、メモリ部12が図1に示す請求項中の通信先情報記憶手段D2として機能している。
さらに、メモリ部12は、BUP電圧レベル、BUP電圧変化率、BUP電圧ノイズパターン、GPS座標などの電圧情報を、自宅、訪問宅、充電スタンド、等の情報管理装置20が設けられた設置場所情報の各々に対応させて予め記憶しておくこともできる。すると、ナビゲーション装置10は、BUP端子6aを監視して電圧レベル等を検出し、該電圧レベル等と電圧情報とを比較することで、情報管理装置20の設置場所であるか否かを特定することができるため、自宅のみならず、利用者が定めた任意の場所でもデータ転送やデータ変更を実現することができる。
記憶部13は、ハードディスク装置、大容量のメモリ、等の記憶媒体を任意に用いることができる。記憶部13は、ナビゲーション機能で用いる目的地情報データベース、複数のスケールで任意の箇所の地図を表示するための複数の地図データを有する地図情報データベース等の各種地図情報を記憶している。記憶部13はさらに、車両情報、登録地点情報、ルート情報、等を記憶することができる。車両情報の一例は、ガス量、充電量、燃費、等の各種データを有している。登録地点情報の一例は、利用者によって定められた登録地点データを有している。ルート情報の一例は、目的地までのルートを示すデータを有している。そして、本実施形態では、請求項中の変更可能情報を地図情報とした場合について説明することから、記憶部13が図1に示す請求項中の更新可能情報記憶手段D1として機能することになる。
GPS受信機14は、公知であるように、GPS衛星群を形成する複数の人工衛星が発射する電波を受信して、このGPS受信機14の現在の位置情報を求め、この現在の位置情報を制御部11にインタフェース(図示せず)を介して出力する。そして、制御部11は、入力された位置情報をメモリ部12に時系列的に記憶して格納する。なお、位置情報は、GPS受信機14が検出した時点の車両の位置を示す緯度、経度、検出日時等の各種データを有している。また、本実施形態でナビゲーション装置10が車載情報装置として機能する場合について説明するが、GPS受信機14を有していないカーオーディオ、等で実現する場合は、位置情報を装置外部から取得する実施形態とする。
表示部15は、電気自動車2のインストルメントパネルに運転者である搭乗者から目視可能なように設けられており、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)素子等の各種表示装置が用いられる。そして、表示部15は、各種情報を制御部11からの要求に応じて表示する。
無線通信部16は、上述した無線通信が可能な各種無線通信装置が用いられる。無線通信部16は、制御部11によって制御され、図1に示す請求項中の無線通信手段として機能している。無線通信部16は、制御部21からの各種情報を情報管理装置20に送信し、且つ、情報管理装置20から受信した各種情報を制御部11に出力する。
操作部17は、計算条件やルート設定等の指令入力用の各種キースイッチを有している。より具体的には、表示部15に表示された地図画像上の所望の位置にカーソルを移動させる矢印キーや、確認又は画定入力を行うエンターキー、メニュー選択キー等を有している。
このように構成したナビゲーション装置10において、制御部11はナビゲーション機能のアプリケーション・プログラムを実行することで、公知であるように、利用者が指定した目的地までのルート情報を計算し、GPS受信機14で検出した位置情報と該ルート情報とを現在位置に対応した地図上に重畳して表示部15に表示することで、利用者を目的地に誘導する。
次に、情報管理装置20は、図2に示すように、無線通信が可能なパソコン、家庭用電気器具(家電)、等を任意に用いることができる。なお、本実施形態では、情報管理装置20がパソコンであることを前提に説明するが、これに代えて、例えば、テレビション受信機、ゲーム機、等の各種電気製品で実現してもよい。
情報管理装置20は、図5に示すように、予め定めたプログラムに従って装置全体の動作の制御などを行う中央演算処理装置(CPU)21を有している。該CPU21は、読み出し専用のメモリであるROM22と、読み出し書き込み自在のメモリであるRAM23がそれぞれ電気的に接続されている。ROM22は、バスBを介してCPU21のためのプログラム等を格納している。RAM23は、CPU21の処理作業に必要な各種データを格納する作業エリア等を有している。
情報管理装置20は、バスBを介してCPU21と電気的に接続された記憶装置24を有している。記憶装置24は、例えばハードディスク装置、大容量のメモリなどが任意に用いられる。記憶装置24は、上述したナビゲーション装置10との間で各種情報の無線通信を制御するリモート動作処理プログラム等の各種プログラムやデータを記憶する。記憶装置24は、上述したナビゲーション装置10から受信した各種情報を保存する保存領域を有している。また、記憶装置24の所定領域には、ナビゲーション装置10の更新可能情報を更新するための更新情報を記憶する更新情報記憶領域を有している。更新情報は、その発生に応じて更新情報記憶領域に記憶される。更新情報は、更新すべき差分データや更新プログラムによって構成される。
情報管理装置20は、入力装置25と、無線通信装置26と、表示装置27と、を有し、それらの各々は、バスBを介してCPU21と電気的に接続されている。そして、入力装置25は、キーボード、マウス等を有しており、作業者の操作に応じた入力データをCPU21に出力する。
無線通信装置26は、上述したナビゲーション装置10との間で無線通信が可能な無線通信装置を用いており、図1に示す請求項中の外部側無線通信手段に機能している。無線通信装置26は、受信した情報をCPU21に出力するとともに、CPU21から入力された情報を指示された送信先に送信する。また、表示装置27は、周知である液晶ディスプレイ、テレビジョン受信機等の各種表示器が用いられる。表示装置27は、CPU21の制御によって各種情報を表示する。
次に、上述した電気自動車用情報転送システム1において、ナビゲーション装置(NAVI)10と情報管理装置(PC)20との間で転送される情報の一例を、図6の図面を参照して以下に説明する。
まず、ナビゲーション装置10が、情報管理装置20から受信する更新情報について説明する(データ転送方向がNAVIへ)。更新情報の一例としては、最新地図への更新するためのデータ、登録地点データ、ルート計画データ、音楽コンテンツデータ、映像コンテンツデータ、等の中から任意に定めたデータを有するデータ構造とすることができる。
また、情報管理装置20が、ナビゲーション装置10から受信する更新可能情報について説明する(データ転送方向がPCへ)。更新可能情報の一例としては、走行軌跡データ、登録地点データ、ルート計画データ、電話番号データ、ETC履歴データ、ガス量データ、充電量データ、燃費データ、等の中から任意に定めたデータを有するデータ構造とすることができる。そして、本実施形態では、更新可能情報が地図情報、変更情報が該地図情報を変更するための情報とした場合について以下に説明する。
次に、電気自動車2のACCオフ中に、ナビゲーション装置10の制御部11が実行するACCオフ中処理の一例を、図7のフローチャートを参照して以下に説明する。なお、制御部11は、暗電流の増加を考慮し、間欠動作である低消費電力モードで動作していることを前提とする。そして、ACCオフ中処理は、電気自動車2のACCスイッチ3のONからOFFへの変化に応じて起動される。
制御部11は、図7に示すステップS11において、BUP端子6aの電圧値を時系列的にサンプリングしたBUP波形を観測し、観測結果としてメモリ部12に記憶する。制御部11は、ステップS12において、メモリ部12の観測結果とバッテリーBに対応した比較用波形とが類似しているか否かの比較結果に基づいて、電気自動車2が充電中であるか否かを判定する。即ち、制御部11は、電気自動車2の充電に応じたBUP端子6aの電圧状態の変化、電圧値の増加、等を検出して、充電中の判定を行っている。例えば、所定時間の間電圧が増加していれば充電中であると判断し、低下していれば充電中ではないと判断する。そして、制御部11は、充電中ではないと判定した場合(S12でN)、ステップS11に戻り、一連の処理を繰り返すことで、電気自動車2の充電開始を待つ。一方、制御部11は、充電中であると判定した場合(S12でY)、ステップS13の処理に進む。
制御部11は、ステップS13において、リモート動作許可と通信先(電話番号、アドレス、等)を示す通知情報を作成し、前記通信先情報が示す通信先への該通知情報の送信を無線通信部16に要求し、その後ステップS14の処理に進む。この処理によって、無線通信部16はリモート動作許可を示す通知情報を無線通信により情報管理装置20に送信する。
制御部11は、ステップS14において、利用者等によって予め定められた情報を収集し、該収集した情報に基づいて転送情報を作成し、その後ステップS15の処理に進む。なお、収集する情報の一例としては、図6に示すように、更新可能情報を構成する複数のデータの中から、利用者等によって選択された任意のデータとなっている。また、データの選択方法としては、収集すべきデータ項目をメモリ部12等に記憶しておき、収集時に参照するなど、種々異なる選択方法とすることができる。
制御部11は、ステップS15において、前記通信先情報が示す通信先への前記転送情報の送信を無線通信部16に要求し、その後ステップS16の処理に進む。この処理によって、無線通信部16は該転送情報を無線通信により情報管理装置20に送信する。なお、送信先情報が複数存在する場合は、その中の任意の送信先にのみ送信する、優先順位の高い送信先にのみ送信する、等の種々異なる実施形態とすることができる。
制御部11は、ステップS16において、無線通信部16を介して情報管理装置20から更新情報を受信しているか否かを判定する。そして、制御部11は、更新情報を受信していないと判定した場合(S16でN)、ステップS18の処理に進む。一方、制御部11は、更新情報を受信していると判定した場合(S16でY)、その更新情報をメモリ部12に時系列的に記憶し、その後ステップS17の処理に進む。そして、制御部11は、ステップS17において、該更新情報に基づいて、前記変更可能情報である記憶部13の地図情報を更新し、その後ステップS18の処理に進む。
制御部11は、ステップS18において、BUP端子6aの電圧低下がないか否かを判定する。このようにBUP端子6aの電圧低下を検出することで、電気自動車2の受電プラグ4に電力線Cが接続されているのか否かを、制御部11が判定するようにしている。詳細には、図8に示すように、電力線Cが受電プラグ4に接続された場合、BUP端子6aの電圧は上昇する。そして、電気自動車2のバッテリーがフル充電されると、BUP端子6aの電圧は一定となる。そして、図8中の時間tにおいて、電力線Cと受電プラグ4との接続が解除されると、BUP端子6aの電圧は低下する。このようなBUP端子6aの電圧変化を監視することで、電力線Cの接続状態を検出可能としている。そして、本実施形態では、電力線Cと受電プラグ4とが接続されている間は、リモート動作許可とし、電力線Cと受電プラグ4とが接続解除されると、リモート動作禁止とする場合について説明する。なお、リモート動作の禁止は、BUP端子6aの電圧低下の直後からとした場合について説明するが、例えばフル充電の値よりも低い禁止用電圧値まで低下したときにリモート動作を禁止するなど種々異なる実施形態とすることができる。
そして、制御部11は、BUP端子6aの電圧低下がないと判定した場合(S18でY)、ステップS19において、リモート動作を継続して許可することと通信先(電話番号、アドレス、等)を示す通知情報を作成し、前記通信先情報が示す通信先への該通知情報の送信を無線通信部16に要求し、その後ステップS13に戻り、一連の処理を繰り返す。そして、この処理によって、無線通信部16はリモート動作継続許可を示す通知情報を無線通信により情報管理装置20に送信する。
また、制御部11は、BUP端子6aの電圧低下があると判定した場合(S18でN)、ステップS20において、リモート動作禁止を示し、且つ、受電プラグ4が抜ける、故障、等の充電システムに異常が発生しているかの確認を促す通知情報を作成し、前記通信先情報が示す通信先への該通知情報の送信を無線通信部16に要求し、その後処理を終了する。この処理によって、無線通信部16はリモート動作禁止を示す通知情報を無線通信により情報管理装置20に送信する。なお、本実施形態では、BUP端子6aの電圧低下を検出した場合、処理を終了する実施形態としたが、これに代えて、例えば、処理を終了することなく、図7中のステップS12からの一連の処理を行うことで、充電が再開されるのを待つ等の実施形態とすることもできる。
以上説明した図7に示すACCオフ中処理を制御部11が実行することで、上述した図1に示す請求項中の充電中判定手段11a、制御手段11b、更新手段11e、電圧低下検出手段11fの各種手段として制御部11が機能することになる。そして、図7に示すフローチャート中のステップS12が充電中判定手段11a、ステップS13〜S16が制御手段11b、ステップS17が更新手段11e、ステップS18が電圧低下検出手段11fにそれぞれ相当している。
上述したACCオフ中処理は、ACCスイッチ3のONからOFFへの変化に応じて起動することを前提に説明した。これに代えて、バッテリーBの充電開始を検出したときに前記処理を起動するなど、種々異なる実施形態とすることができる。
また、上述したACCオフ中処理での説明は省略したが、電圧低下の判定に万が一誤りがあった場合を考慮した処理を、前記ACCオフ中処理に追加することもできる。例えば、BUP端子6aの電圧値が一定時間にわたる低下を検出したときに、電圧低下と判定する実施形態とすることもできる。
次に、情報管理装置20のCPU21が実行するリモート動作処理の一例を、図9のフローチャートを参照して以下に説明する。そして、リモート動作処理は、情報管理装置20の利用者からの要求に応じて起動/終了する。
CPU21は、ステップT31において、無線通信装置26を介して受信する通知情報に基づいて、ナビゲーション装置10からリモート動作が許可されているか否かを判定する。CPU21は、リモート動作が許可されていないと判定した場合(T31でN)、この処理を繰り返すことで、リモート動作が許可されるのを待つ。一方、CPU21は、リモート動作が許可されていると判定した場合(T31でY)、ステップT32の処理に進む。
CPU21は、ステップT32において、記憶装置24の前記更新情報記憶領域に更新情報が記憶されているか否かを判定する。CPU21は、更新情報が記憶されていないと判定した場合(T32でN)、ナビゲーション装置10の更新可能情報の更新が必要ないことから、ステップT34の処理に進む。一方、CPU21は、更新情報が記憶されていると判定した場合(T32でY)、ステップT33の処理に進む。
CPU21は、ステップT33において、前記通知情報の通信先に基づいて、リモート動作が許可されたナビゲーション装置10への前記更新情報の送信を無線通信装置26に要求し、その後ステップT34の処理に進む。この処理によって、無線通信装置26は前記更新情報を無線通信により前記ナビゲーション装置10に送信する。
CPU21は、ステップT34において、無線通信装置26を介してナビゲーション装置10から転送情報を受信しているか否かを判定する。CPU21は、転送情報を受信していないと判定した場合(T34でN)、ステップT36の処理に進む。一方、CPU21は、転送情報を受信していると判定した場合(T34でY)、ステップT35において、受信した転送情報を記憶装置24の保存領域に時系列的に記憶し、その後ステップT36の処理に進む。
CPU21は、ステップT36において、無線通信装置26を介して受信する通知情報に基づいて、ナビゲーション装置10からリモート動作が禁止されたか否かを判定する。CPU21は、リモート動作が禁止されていないと判定した場合(T36でN)、ステップT32の処理に戻り、一連の処理を繰り返す。一方、CPU21は、リモート動作が禁止されたと判定した場合(T36でY)、ステップT31に戻り、一連の処理を繰り返す。
以上説明した図9に示すリモート動作処理をCPU21が実行することで、上述した図1に示す請求項中の外部側通信制御手段としてCPU21が機能することになる。そして、図9に示すフローチャート中のステップT33、T34が外部側制御手段に相当している。
次に、上述した電気自動車用情報転送システム1におけるナビゲーション装置10及び情報管理装置20の動作(作用)の一例を、以下に説明する。
利用者が帰宅後、電気自動車2のACCスイッチ3をOFFすると、ナビゲーション装置10は、BUP端子6aの電圧値、電圧変化、等に基づいて、電気自動車2の充電を監視する。そして、利用者は利用者宅50等に設けられた情報管理装置20のリモート動作処理プログラムを実行させて待機状態とする。なお、情報管理装置20は、常時待機状態とさせてもよい。その後、利用者は電気自動車2の受電プラグ4に電力線Cを接続する。これにより、電気自動車2の充電が開始され、BUP端子6aの電圧値が上昇して変化する。
ナビゲーション装置10は、電気自動車2の充電中を検出すると、リモート動作を許可する通知情報と転送情報とを無線通信により情報管理装置20に送信する。一方、情報管理装置20は、リモート動作を許可する通知情報をナビゲーション装置10から受信し、記憶装置24が地図情報を更新するための更新情報を記憶していると、該更新情報を無線通信によりナビゲーション装置10に送信する。そして、ナビゲーション装置10は、受信した更新情報に基づいて、記憶部13に記憶している更新可能情報である地図情報を更新する。
一方、情報管理装置20は、ナビゲーション装置10から転送情報を受信すると、該転送情報を記憶装置24の保存領域に時系列的に記憶する。そして、情報管理装置20は、利用者から転送情報の表示要求を受けると、該転送情報を表示装置27に表示する。また、情報管理装置20は、利用者から転送情報の転送要求を受けると、該転送情報を転送先に無線通信装置26や図示しないLANカード等によって転送する。
また、ナビゲーション装置10は、電気自動車2のBUP端子6aの電圧低下を検出すると、リモート動作を禁止し且つ充電システムの確認を促す通知情報を無線通信により情報管理装置20に送信する。一方、情報管理装置20は、前記通知情報をナビゲーション装置10から受信すると、利用者等に充電システムの確認を促して、待機状態となる。なお、情報管理装置20は、該通知情報の受信に応じて、電気自動車2の充電終了を利用者に通知する実施形態とすることもできる。
以上説明したナビゲーション装置10によれば、電気自動車2のACCスイッチ3のOFF中に情報管理装置20との間で無線通信を行っても、それはバッテリーBの充電中であることから、バッテリーBの電力減少を防止又は最低限に抑制することができるため、更新作業に伴って無線通信等の時間が長くなっても、電気自動車2のバッテリー上がりを確実に防止することができる。また、運転者等はACCスイッチ3のOFF後に電気自動車2の充電を開始させるだけで、運転者が電気自動車2に留まる必要がなく、車両情報装置10は更新可能情報の更新、バックアップ等を自動で行うことができる。従って、車載情報装置10の更新可能情報を電気自動車2の外部の情報管理装置20と共有することができるため、車載情報装置10の有効利用、利便性の向上に貢献することができる。また、無線通信を利用することで、電気自動車2の外部には無線通信が可能な情報管理装置20を用意するだけで良いため、特別なインフラを一般家庭、公共施設、等に準備、構築する必要がなくなり、本発明を普及させ易いというメリットがある。
また、上記ナビゲーション装置10は、情報管理装置20から更新情報を受信すると、該更新情報に基づいてメモリ部12の更新可能情報を更新する。これにより、データの転送時間に更新可能情報の更新時間が加算されることになるが、制御部11による動作もバッテリーBの充電中であることから、電気自動車2のバッテリーBを低減させることがないため、電気自動車2のバッテリー上がりを確実に防止して、更新可能情報の更新を行うことができる。従って、車載情報装置10の利便性をより一層向上させることができる。
さらに、上記ナビゲーション装置10は、制御部11はバッテリーBのBUP端子6aの電圧値の変化を解析し、該解析結果に基づいてバッテリーBが充電中であると判定したときに、無線通信部16は予め定められた情報管理装置20との無線通信が可能となることから、バッテリーB固有の特徴に基づいた充電中の判定を行えるため、判定精度をより一層向上させることができる。
なお、上述した本実施形態では、ナビゲーション装置10が利用者宅50の情報管理装置20との間で無線通信を行う場合について説明した。これに代えて、情報管理装置20を、訪問宅、充電スタンド、宿泊施設、公共施設、等とすれば、例えば地域情報、交通情報、等の各種情報を、電気自動車2の充電に応じてナビゲーション装置10が第三者の情報管理装置20から取得することができる。
また、上述した本実施形態では、本発明の車載情報装置をナビゲーション装置10で実現する場合について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、例えば、カーオーディオ装置、ETC車載器、携帯端末装置、等の無線通信機能を有する車載情報装置とすることができる。
[実施例2]
以下、上述した車載情報装置を有する電気自動車用情報転送システムの実施例2を、上述した図面及び図10の図面を参照して、本発明に関連する部分のみを以下に説明する。
上述した実施例1では、ナビゲーション装置10がACCスイッチ3のOFF後、バッテリーBのBUP端子6aの波形に基づいて充電中であるか否かを判定し、充電中と判定した場合に無線通信を行う実施例を説明した。しかしながら、充電の際にBUP端子6aの波形にはノイズが重畳されてしまい、該波形から充電中を正確に判定できない可能性がある。そこで、そのような問題を解消可能な実施例2を以下に説明する。なお、ナビゲーション装置10の基本構成は、説明を簡単化するために、実施例1と同一として詳細な説明は省略する。
実施例2にかかる電気自動車用情報転送システム1は、上述した図1に示すように、ナビゲーション装置10と、情報管理装置20と、を有して構成している。そして、ナビゲーション装置10は、図4に示すように、制御部11と、メモリ部12と、記憶部13と、GPS(global positioning system)受信機14と、表示部15と、無線通信部16と、操作部17と、を有している。
制御部11は、上述した図1に示す車載情報装置、ナビゲーション機能等を実現するための各種プログラム等を図示しない内蔵メモリに記憶している。詳細には、上述した図1に示す請求項中の充電中判定手段11a、制御手段11b、現在位置情報取得手段11c、現在位置判定手段11d、更新手段11e、電圧低下検出手段11f、等の各種手段として制御部11を機能させるためのACCオフ中処理2プログラム等の各種プログラムを記憶している。
メモリ部12は、上述した識別情報、通信先情報、等の他に、情報管理装置20との無線通信可能場所を示す無線通信可能場所情報を記憶する。そして、無線通信可能場所情報は、利用者等によって予め登録された場所の位置情報を有している。運転者、利用者、等によって複数の無線通信可能場所が登録されている場合は、その登録数に対応した構成で一又は複数の無線通信可能場所情報が生成されてメモリ部12に記載される。そして、複数の無線通信可能場所を登録、設定可能とする場合は、複数の無線通信可能場所に対して優先順位を設定する、各無線通信可能場所に対してON/OFFを設定するなどを設定して、選択的に無線通信を行う実施形態とすることもできる。そして、本実施形態では、無線通信可能場所を例えば情報管理装置20の設置場所である場合について説明するが、これに代えて、電気自動車2の充電施設、公共施設、等を無線通信可能場所として設定すれば、情報管理装置20の設置場所に電気自動車2の充電器等を設ける必要がなくなる。
また、情報管理装置20は、上述した図5と同様の構成であり、中央演算処理装置(CPU)21と、ROM22と、RAM23と、記憶装置24と、入力装置25と、無線通信装置26と、表示装置27と、を有している。
次に、電気自動車2のACCオフ中に、実施例2にかかるナビゲーション装置10の制御部11が実行するACCオフ中処理の一例を、図10のフローチャートを参照して以下に説明する。なお、制御部11は、暗電流の増加を考慮し、間欠動作である低消費電力モードで動作していることを前提とする。そして、ACCオフ中処理は、電気自動車2のACCスイッチ3のONからOFFへの変化に応じて起動される。
制御部11は、図10に示すステップS51において、GPS受信機14が検出した現在位置情報を取得してメモリ部12に記憶する。制御部11は、ステップS52において、該現在位置情報とメモリ部12に記憶している無線通信可能場所情報とを比較し、予め登録された情報管理装置20が設置された設置場所の近傍等の無線通信可能場所であるか否かを判定する。制御部11は無線通信可能場所ではないと判定した場合(S52でN)、処理を終了し、動作を停止して、更新可能情報の更新を行わない。このように実施例2では、無線通信可能場所ではないと判定した際には、省電力モードへ移行する必要がなく、次にACCスイッチ3がONされるまで何もしない状態になる。一方、制御部11は無線通信可能場所であると判定した場合(S52でY)、ステップS53の処理に進む。
制御部11は、ステップS53において、BUP端子6aの電圧値を間欠的かつ時系列的にサンプリングしたBUP波形を観測し、該観測結果とバッテリーBに対応した比較用波形とが類似しているか否かの比較結果に基づいて、電気自動車2が充電中であるか否かを判定する。制御部11は、充電中ではないと判定した場合(S53でN)、この判定処理を繰り返すことで、バッテリーBの充電開始を待つ。一方、制御部11は、充電中であると判定した場合(S53でY)、ステップS54の処理に進む。
制御部11は、ステップS54において、リモート動作許可と通信先(電話番号、アドレス、等)を示す通知情報を作成し、前記通信先情報が示す通信先への該通知情報の送信を無線通信部16に要求し、その後ステップS55の処理に進む。この処理によって、無線通信部16はリモート動作許可を示す通知情報を無線通信により情報管理装置20に送信する。
制御部11は、ステップS55において、利用者等によって予め定められた情報を収集し、該収集した情報に基づいて転送情報を作成し、その後ステップS56の処理に進む。なお、収集する情報の一例としては、上述した図6に示すように、更新可能情報を構成する複数のデータの中から、利用者等によって選択された任意のデータとなっている。
制御部11は、ステップS56において、前記通信先情報が示す通信先への前記転送情報の送信を無線通信部16に要求し、その後ステップS57の処理に進む。この処理によって、無線通信部16は該転送情報を無線通信により情報管理装置20に送信する。なお、送信先情報が複数存在する場合は、その中の任意の送信先にのみ送信する、優先順位の高い送信先にのみ送信する、等の種々異なる実施形態とすることができる。
制御部11は、ステップS57において、無線通信部16を介して情報管理装置20から更新情報を受信しているか否かを判定する。そして、制御部11は、更新情報を受信していないと判定した場合(S57でN)、ステップS59の処理に進む。一方、制御部11は、更新情報を受信していると判定した場合(S57でY)、その更新情報をメモリ部12に時系列的に記憶し、その後ステップS58の処理に進む。そして、制御部11は、ステップS58において、該更新情報に基づいて、前記変更可能情報である記憶部13の地図情報を更新し、その後ステップS59の処理に進む。
そして、制御部11は、BUP端子6aの電圧低下がないと判定した場合(S59でY)、ステップS60において、リモート動作を継続して許可することと通信先(電話番号、アドレス、等)を示す通知情報を作成し、前記通信先情報が示す通信先への該通知情報の送信を無線通信部16に要求し、その後ステップS54に戻り、一連の処理を繰り返す。そして、この処理によって、無線通信部16はリモート動作継続許可を示す通知情報を無線通信により情報管理装置20に送信する。
また、制御部11は、BUP端子6aの電圧低下があると判定した場合(S59でN)、ステップS61において、リモート動作禁止を示し、且つ、受電プラグ4が抜ける、故障、等の充電システムに異常が発生しているかの確認を促す通知情報を作成し、前記通信先情報が示す通信先への該通知情報の送信を無線通信部16に要求し、その後処理を終了する。この処理によって、無線通信部16はリモート動作禁止を示す通知情報を無線通信により情報管理装置20に送信する。なお、本実施形態では、BUP端子6aの電圧低下を検出した場合、処理を終了する実施形態としたが、これに代えて、例えば、処理を終了することなく、図10中のステップS53からの一連の処理を行うことで、充電が再開されるのを待つ等の実施形態とすることもできる。
以上説明した図10に示すACCオフ中処理2を制御部11が実行することで、上述した図1に示す請求項中の充電中判定手段11a、制御手段11b、現在位置情報取得手段11c、現在位置判定手段11d、更新手段11e、電圧低下検出手段11fの各種手段として制御部11が機能することになる。そして、図10に示すフローチャート中のステップS12が充電中判定手段11a、ステップS13〜S16が制御手段11b、ステップS51が現在位置情報取得手段11c、ステップS52が現在位置判定手段11d、ステップS17が更新手段11e、ステップS18が電圧低下検出手段11fにそれぞれ相当している。
次に、上述した電気自動車用情報転送システム1におけるナビゲーション装置10及び情報管理装置20の動作(作用)の一例を、以下に説明する。
利用者が帰宅後、電気自動車2のACCスイッチ3をOFFすると、ナビゲーション装置10は、GPS受信機14が検出した現在位置情報を取得し、該現在位置情報と無線通信可能場所情報とを比較する。そして、ナビゲーション装置10は、現在位置が通信可能場所でないと判定した場合、更新可能情報の更新を行わないため、動作を停止する。
一方、ナビゲーション装置10は、現在位置が通信可能場所であると判定した場合、更新可能情報の更新を行うため、監視モードに移行し、間欠的に動作して、BUP端子6aの電圧値、電圧変化、等に基づいて、電気自動車2の充電を監視する。そして、利用者は利用者宅50等に設けられた情報管理装置20のリモート動作処理プログラムを実行させて待機状態とする。なお、情報管理装置20は、常時待機状態とさせてもよい。その後、利用者は電気自動車2の受電プラグ4に電力線Cを接続する。これにより、電気自動車2の充電が開始され、BUP端子6aの電圧値が上昇して変化する。
ナビゲーション装置10は、電気自動車2の充電中を検出すると、リモート動作を許可する通知情報と転送情報とを無線通信により情報管理装置20に送信する。一方、情報管理装置20は、リモート動作を許可する通知情報をナビゲーション装置10から受信し、記憶装置24が地図情報を更新するための更新情報を記憶していると、該更新情報を無線通信によりナビゲーション装置10に送信する。そして、ナビゲーション装置10は、受信した更新情報に基づいて、記憶部13に記憶している更新可能情報である地図情報を更新する。
一方、情報管理装置20は、ナビゲーション装置10から転送情報を受信すると、該転送情報を記憶装置24の保存領域に時系列的に記憶する。そして、情報管理装置20は、利用者から転送情報の表示要求を受けると、該転送情報を表示装置27に表示する。また、情報管理装置20は、利用者から転送情報の転送要求を受けると、該転送情報を転送先に無線通信装置26や図示しないLANカード等によって転送する。
また、ナビゲーション装置10は、電気自動車2のBUP端子6aの電圧低下を検出すると、リモート動作を禁止し且つ充電システムの確認を促す通知情報を無線通信により情報管理装置20に送信する。一方、情報管理装置20は、前記通知情報をナビゲーション装置10から受信すると、利用者等に充電システムの確認を促して、待機状態となる。なお、情報管理装置20は、該通知情報の受信に応じて、電気自動車2の充電終了を利用者に通知する実施形態とすることもできる。
以上説明したナビゲーション装置10によれば、電気自動車2のACCスイッチ3のOFF中に情報管理装置20との間で無線通信を行っても、それはバッテリーBの充電中であることから、バッテリーBの電力減少を防止又は最低限に抑制することができるため、更新作業に伴って無線通信等の時間が長くなっても、電気自動車2のバッテリー上がりを確実に防止することができる。また、運転者等はACCスイッチ3のOFF後に電気自動車2の充電を開始させるだけで、運転者が電気自動車2に留まる必要がなく、車両情報装置10は更新可能情報の更新、バックアップ等を自動で行うことができる。従って、車載情報装置10の更新可能情報を電気自動車2の外部の情報管理装置20と共有することができるため、車載情報装置10の有効利用、利便性の向上に貢献することができる。また、無線通信を利用することで、電気自動車2の外部には無線通信が可能な情報管理装置20を用意するだけで良いため、特別なインフラを一般家庭、公共施設、等に準備、構築する必要がなくなり、本発明を普及させ易いというメリットがある。
また、車載情報装置10によれば、情報管理装置20との無線通信可能場所であることを充電中の判定条件として加え、無線通信可能場所であり且つ充電中であるとの判定を組み合わせることで、充電中であるか否かの判定精度を向上させることができる。また、バッテリーBのBUP端子6aの電圧値に基づいて充電中を判定する場合に、外部からの安定した電力の供給が可能な無線通信可能場所に限定することで、充電中の判定精度をより一層向上させることができる。さらに、現在位置が無線通信可能場所ではない場合は、自動更新を行わず、無線通信可能場所である場合にのみ自動更新を行うこともできるため、バッテリーBの充電が小まめに行える環境になったとしても、頻繁に自動更新されることを防止できる。従って、充電中であるか否かの判定精度を向上させたことから、更新作業による電気自動車のバッテリー上がりをより一層確実に防止することができる。
さらに、上記ナビゲーション装置10は、情報管理装置20から更新情報を受信すると、該更新情報に基づいてメモリ部12の更新可能情報を更新する。これにより、データの転送時間に更新可能情報の更新時間が加算されることになるが、制御部11による動作もバッテリーBの充電中であることから、電気自動車2のバッテリーBを低減させることがないため、電気自動車2のバッテリー上がりを確実に防止して、更新可能情報の更新を行うことができる。従って、ナビゲーション装置10の利便性をより一層向上させることができる。
また、上記ナビゲーション装置10は、制御部11はバッテリーBのBUP端子6aの電圧値の変化を解析し、該解析結果に基づいてバッテリーBが充電中であると判定したときに、無線通信部16は予め定められた情報管理装置20との無線通信が可能となることから、バッテリーB固有の特徴に基づいた充電中の判定を行えるため、判定精度をより一層向上させることができる。
なお、上述した実施例1,2では、電気自動車2のバッテリーBが、受電プラグ4に接続された電力線Cを介して充電される場合について説明した。本発明はこれに限定するものではなく、非接触給電によってバッテリーBを充電する実施形態とすることもでき、その一例を以下に説明する。
図11において、電気自動車2は、上述した構成に加え、2次コイル7を有している。2次コイル7は、給電ステーション等に設けられた1次コイル8と対向するように、電気自動車2の車体等に設けられている。2次コイル7は、例えば、フェライトと該フェライトに巻かれた渦巻きコイルとを有して構成している。そして、商用電源から1次コイル8に電流が流れたことにより磁束変化が起きると、2次コイル7には起電力が発生して電流が流れる。つまり、磁束変化を通じて非接触でエネルギーが1次コイル8から2次コイル7に伝達される。
2次コイル7は、上述したAC/DC5に電気的に接続されており、磁束変化で発生した電流はAC/DC5に流れる。そして、図11において、AC/DC5は2次コイル7からの電力、及び、受電プラグ4からの電力をバッテリーBに供給する構成となっている。なお、AC/DC5を2次コイル7のみに電気的に接続する構成とすることもできる。このように給電ステーション等でバッテリーBを頻繁に充電できるようになれば、上記ナビゲーション装置10の更新可能情報を、多くの無線通信可能場所で頻繁に更新することができるため、ナビゲーション装置10の利便性を向上でき、且つ、更新可能情報を常に最新の状態にすることができる。
このように上述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。