JP4714379B2 - カップ容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は飲料物を入れるプラスチック製カップ容器であって、特にビール等の、泡が立つ飲料物を注ぐカップ容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、食品分野の容器の材料として、ポリスチレン等のプラスチックが利用されている。ポリスチレンは、軽量で、断熱性及びリサイクル性等に優れる等、容器として様々な利点を持つため、飲料物を入れる使い捨て等のプラスチック製のカップ容器の材料として利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ポリスチレンのみで構成されたカップ容器に、発泡酒やビール等の飲料物を注ぐと、泡立ちが悪く、泡が短時間で消えていた。このため、前記飲料物中の炭酸ガスが抜けたり前記飲料物と空気とが触れ合ったりすることで短時間で味が低下し、前記飲料物本来の味を長時間堪能できないという問題があった。
【0004】
そこで本発明の目的は、ビール等の飲料物を注ぐとき、泡立ちがよく、飲料物本来の味をより長時間堪能することのできる、プラスチック製のカップ容器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための、本発明の代表的な構成は、飲料物を入れるプラスチック製のカップ容器であって、カップ形状を構成するポリスチレン製の基体と、前記基体の内面を覆う非結晶のポリエチレンテレフタラート製の内装部と、を有することを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
(実施形態)
図を用いて本発明の実施形態を説明する。図1は本実施形態のカップ容器の説明図であり、図2は泡立ち試験2の結果を示す図表である。
【0007】
図1(a)に示すように、本実施形態のカップ容器1は、手や机等に触れる外装部1aと、発泡酒やビール等の飲料物を入れ、前記飲料物に直接触れる内装部1bとを有する。外装部1aは、手で保持し、持ち上げやすいように底よりも口を大きくした形状であり、必要に応じて、外装部側面に蛇腹模様や縞模様等の滑り止め模様を施したり、窪み形状等を構成したりして、手で保持しやすくしてもよい。
【0008】
図1(b)に示すように、本実施形態のカップ容器1の材料として、外装部1aを基体として透明のHIPS(ハイインパクトポリスチレン)で構成し、内装部1bを非結晶性PET(ポリエチレンテレフタラート)で構成する。
【0009】
非結晶性PETは、HIPSと比較し、二酸化炭素や酸素等の気体の透過性が低い性質を有するため、前記飲料物の味を劣化させない等の効果が知られていたが、ビール等の泡立ちに対する効果は知られていない。そこで、本実施形態のカップ容器1を用い、次の2つの泡立ち試験を行なった。
【0010】
(泡立ち試験1)
カップ容器1、即ち内装部を非結晶性PETとしたカップ(検体1)と、内装部をスチレン樹脂としたカップ(検体2)とに対し、同様のビールを静かに注いだものを、それぞれ試料1、試料2とした。次にこれらの試料をパネリストに供し、前記ビールの「まろやかさ」や「泡立ちの良さ」等について、2点嗜好法による官能試験を行なった。ここで、前記パネリストは全12名で、日本食品分析センターの職員の中から選択し、嗅覚正常者で、かつ2%のショ糖、0.07%のクエン酸、0.2%の食塩及び0.07%のカフェインの水溶液の味が正しく識別できる者の中から選択した。
【0011】
この結果、12人中9人が試料1の方がまろやかだと感じ、12人全員が試料1の方が泡立ちが良いと感じた。本試験では試料1及び試料2の泡立ちの良さにおいて0.1%の危険率で有意差が認められた。従って検体1に入れたビールは検体2に入れたビールと比較して泡立ちが良いと判断された。
【0012】
(泡立ち試験2)
前記検体1及び検体2にビールを注ぎ、その泡の高さを経時的にノギスで測定した。測定は2回ずつ行なった。この測定結果を図2に示す。
【0013】
図2に示すように、前記検体1に注いだビールは前記検体2に注いだビールと比較して泡がなくなるのがやや遅いと判断された。
【0014】
以上のように、カップ容器1の内装部1bを非結晶性PETで構成することで、泡立ちが良くなり、また泡の経時的な消失が遅くなる。このため、ビール等の飲料物を注ぐとき、泡立ちがよく、飲料物本来の味をより長時間堪能することのできる、プラスチック製のカップ容器を提供することができる。
【0015】
また、ポリスチレン樹脂のHIPSは、軽量で、断熱性、リサイクル性及び耐衝撃性等に優れるという利点をもつ。一方、非結晶性PETはポリエチレンテレフタレート共重合体(Polyethylene TerephthalateG Copolymer)とも呼ばれ、保香性、二酸化炭素や酸素等の気体の低透過性があり、食品の味、匂いを変えないという利点をもつ。このため、カップ容器1は、従来のポリスチレン製のカップ容器の利点を保有し、さらにビール等の飲料物の味を堪能することができる。
【0016】
また、内装部1bを透明のHIPSとしたことで、前記飲料物の琥珀色等の色や白い泡が透けて見えるため、ガラスジョッキ同様に見栄えがし、視覚的にも前記飲料物を堪能できる。
【0017】
また、非結晶性PETは高価であるため、基体をポリスチレン製とすることで、カップ容器全体の単価を下げることができる。
【0018】
(他の実施形態)
前述した実施形態においては、カップ容器1の外装部1aをポリスチレン製の基体としての外装部1aと内装部1bとの2層で構成したが、これに限るものではなく、例えば図3(a)に示すように、外装部1aと内装部1bとの間にポリスチレン製の基体としての中層部1cを設け、外装部1a及び内装部1bを非結晶性PETで、中層部1cを透明のHIPSとしてもよい。
【0019】
また、前述した実施形態においては、HIPSを透明としたが、これに限るものではなく、例えば図3(b)に示すように、外装部1aを不透明のHIPSとし、内装部1bを非結晶PETとしても、また、図3(c)に示すように、外装部1a及び内装部1bを非結晶PETとし、中層部1cを不透明のHIPSとしても本発明の目的は達成できる。
【0020】
また、前述した実施形態においては基体としてHIPSを使用したが、これに限るものではなく、カップ容器の基体として、他のポリスチレンやPET等を使用することも可能である。
【0021】
【発明の効果】
以上のように、本発明においては、カップ容器全体の形状を構成するポリスチレン製の基体と、前記基体の内面に非結晶のポリエチレンテレフタラート製の内装部とを有する構成としたため、泡立ちが良くなり、また泡の経時的な消失が遅くなる。このため、ビール等の飲料物を注ぐとき、泡立ちがよく、飲料物本来の味をより長時間堪能することのできる、プラスチック製のカップ容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のカップ容器の説明図である。
【図2】泡立ち試験2の測定結果を示す図表である。
【図3】他の実施形態のカップ容器の断面図である。
【符号の説明】
1 …カップ容器
1a …外装部
1b …内装部
1c …中層部
Claims (2)
- 飲料物を入れるプラスチック製のカップ容器であって、
カップ形状を構成するポリスチレン又はPET等の基体と、
前記基体の内面を覆う非結晶のポリエチレンテレフタラート製の内装部と、を有することを特徴とするカップ容器。 - 請求項1記載のカップ容器であって、
前記基体の外面を覆う非結晶のポリエチレンテレフタラート製の外装部と、を有することを特徴とするカップ容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001209414A JP4714379B2 (ja) | 2001-07-10 | 2001-07-10 | カップ容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001209414A JP4714379B2 (ja) | 2001-07-10 | 2001-07-10 | カップ容器 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003026140A JP2003026140A (ja) | 2003-01-29 |
JP2003026140A5 JP2003026140A5 (ja) | 2005-02-24 |
JP4714379B2 true JP4714379B2 (ja) | 2011-06-29 |
Family
ID=19045069
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001209414A Expired - Lifetime JP4714379B2 (ja) | 2001-07-10 | 2001-07-10 | カップ容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4714379B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102246481B1 (ko) * | 2020-10-08 | 2021-05-03 | 디아이씨 주식회사 | 약품 블리스터 포장용 플라스틱 시이트 및 그 제조방법 |
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JPS5993632A (ja) * | 1982-11-19 | 1984-05-30 | 凸版印刷株式会社 | カップ及びその製造方法 |
JPH09188357A (ja) * | 1995-12-29 | 1997-07-22 | Nippon Tetrapack Kk | 非可視性情報を含む包材、非可視性情報を含む包装容器及び、充填包装法 |
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-
2001
- 2001-07-10 JP JP2001209414A patent/JP4714379B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Also Published As
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---|---|
JP2003026140A (ja) | 2003-01-29 |
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