JP4714266B2 - 水性粗混合物からメチルグリシンニトリル−n,n−ジアセトニトリルを単離するための方法 - Google Patents

水性粗混合物からメチルグリシンニトリル−n,n−ジアセトニトリルを単離するための方法 Download PDF

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Description

本発明は、メチルグリシンニトリル−N,N−ジアセトニトリルの製造に際して発生する水性粗混合物からメチルグリシンニトリル−N,N−ジアセトニトリルを単離するための方法に関する。
頻繁に錯化剤として家庭用洗剤中において使用されるアミノポリホスホネート、ポリカルボキシレートまたはアミノポリカルボキシレート、例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)は、わずかな程度においてのみ生分解性である。比較的安価な代替品は、グリシン−N,N−二酢酸誘導体、例えばメチルグリシン−N,N−二酢酸(MGDA)であり、それは非毒性でありかつ生分解性が良好である。洗剤中ならびにそれらの系中でのMGDAおよび類似のグリシン−N,N−二酢酸誘導体の使用は、WO−A94/29421およびUS5,849,950の中で記載されている。グリシン−N,N−二酢酸誘導体の費用がかさまない製造のために、個々の合成工程の収率および単離される中間生成物の純度が高く要求される。
MGDAは、イミノジアセトニトリルとアセトアルデヒドおよびシアン化水素酸との反応またはα−アラニンニトリルとホルムアルデヒドおよびシアン化水素酸との反応および中間生成物として得られるMGDNの水酸化ナトリウム溶液によるアルカリ加水分解によって製造され、その際、MGDAの三ナトリウム塩が得られる。MGDAの高い収率を達成するために所望されることは、MGDNを中間生成物として単離しかつ純物質として、引き続き行われる加水分解工程中で使用することである。US5,849,950、例2の中でMGDNは、HCN、ホルムアルデヒドおよび、先行する工程中において現場でアセトアルデヒド、HCNおよびアンモニアから生成されるアラニンニトリルの反応の粗生成物混合物から、生成物混合物の冷却によって結晶化する。
MGDNを含有する水性粗混合物は、多数の副成分を含有しうる。MDGNがイミノジアセトニトリル(IDN)とアセトアルデヒドおよびシアン化水素酸とのpH調整されたストレッカー反応によって製造される場合、IDNは、結晶性粗物質として使用されうるかまたは一方でウロトロピンとHCNとの水溶液中でのpH調整された反応によって生成されえかつ単離することなくMGDNへと反応させることができる。それから、MGDNの水性粗混合物は、副成分として硫酸アンモニウム、アセトアルデヒドシアンヒドリン、ホルムアルデヒドシアンヒドリン、メチレン−ビス−イミノジアセトニトリル(MBIDN)、ニトリロトリアセトニトリル(NTN)、ならびに未反応の出発物質を含有する。
MGDNは、水中で温度に強く依存する溶解度を有する。例えば10℃の場合、MGDNは、わずか約0.5質量%しか水中にまたは硫酸アンモニウム水溶液中に溶けない。約60℃の場合、溶解度はなお5質量%である。約60℃を上回ると、MGDNのエマルジョンおよび5質量%を上回る溶解MGDNを有するその水溶液が存在することになる。水−MGDNの系の相図は公知ではない。
水中で温度に強く依存するMGDNの溶解度に基づき、MGDNは、冷却結晶化および引き続き行われる固/液−分離によってその水溶液から単離されうる。MGDNの水溶液またはエマルジョンが冷却される場合、MGDNは固体として微細な針状結晶の形において沈殿し、該結晶はアグロメレートを形成する。アグロメレート中に含まれる母液は、不純物としてMGDNの合成物の全ての副成分を含有するので、濾過によって分離される湿った結晶は暗褐色の色を有する。冷却結晶化される場合、加えて結晶装置の壁にスケール形成が発生する。
本発明の課題は、MGDNを、その製造に際して発生する水性粗生成物混合物から分離するための改善された方法を供給することである。
該課題は、結晶装置中で以下の工程:
(a)水性エマルジョンを、エマルジョン化されたMGDNの全量が実質的に固化するまで、凝固点を上回る温度から出発して、凝固点を下回る温度に冷却し、その際、冷却速度は、時間平均において5K/hを超えず、
(b)得られた水性懸濁液をさらに冷却しかつ/または濃縮し、その際、冷却速度は、工程(a)におけるより大きくてよい、
により、メチルグリシンニトリル−N,N−ジアセトニトリル(MGDN)を、3〜50質量%のMGDNの含有率を有する、MGDNを含有する水性エマルジョンから単離するための方法によって解決される。
重要なことは、工程(a)において、MGDNの凝固点より上でMGDNのエマルジョンとしてMGDNの飽和水溶液中における分散有機相として連続的な水相として存在する、MGDNを含有する粗生成物混合物が、時間平均において非常にゆっくりとのみ、つまりわずかな冷却速度(K/hで表される)で凝固点より低く冷却されることである。凝固点は、所定の純度のMGDNが固化する温度、水相中でエマルジョン化されたMGDNの液滴がつまり凝固する温度である。この点は、MGDN中に含有される不純物の種類および量に依存しながら若干の℃(温度)変化しえかつ純粋なMGDNに関しては約65℃である。
工程(a)における冷却速度は、時間平均において≦5K/h、有利には≦3K/hである。冷却速度は、原則的に任意に小さくてよく、実際の目的に関して、それは一般的に1K/h〜5K/hである。瞬間冷却速度は、エマルジョン化されたMGDNの全量が実際に液体から固体(結晶)状態に移行するその時点まで、エマルジョンからつまり懸濁液が形成され、冷却速度が時間平均において定められた限界値を超えない限り、一定であってよくまたは変化してよい。例えば、エマルジョンは初めに素早く冷却されえ、定められた限界値を瞬間的に明らかに超える速度で、かつ引き続き、定められた限界値を明らかに下回るずっと低い冷却速度でさらに冷却されえ、または温度は引き続きしばらくの間ほぼ一定に保たれ、それもエマルジョン化された全体のMGDNが実際に凝固するまで一定に保たれる。例えば、エマルジョンは"素早く"、例えば>5K/hの瞬間冷却速度で、凝固点を下回る10℃までの温度に冷却されえ、それに"滞留時間"が続き、その間、温度は、エマルジョン化された全体のMGDNが実際に凝固するまでほぼ一定に保たれる。例えば、この滞留時間は0.5〜2hであってよい。
工程(a)における水性エマルジョンの冷却は、水を蒸発させることによっておよび/または熱を結晶装置の壁を介して排出することによって行われうる。
引き続き行われる工程(b)において、得られた水性懸濁液はさらに冷却されかつ/または濃縮され、その際、冷却速度は工程(a)におけるより大きくてよい。
工程(a)における懸濁液のゆっくりとした冷却によって、エマルジョン化されたMGDNは、MGDN/水−混合物のさらなる冷却によってかなりの規模において溶液からの溶解MGDNの結晶化が生じるのに先立ち、すでに凝固しておりかつ結晶の形で存在することが確認される。つまり、エマルジョン化されたMGDNの凝固と溶液からの溶解MGDNの結晶化とは時間的に分離される。それにより結晶核の新たな形成が大幅に抑制され、それによって微細成分の形成が回避される。次いで溶液からのMGDNの結晶化は、極めて大部分が、すでに存在するMGDNの粗い結晶にて生じる。この効果は、非常に素早い冷却によって、エマルジョン化されたMGDNの液滴の凝固および溶解MGDNの結晶化がほぼ同時に生じる場合には現われない。
有利には、結晶化プロセスの間に少なくとも一時的に、水は水性混合物から蒸発され、その際、この蒸発プロセスは混合物の冷却および/または濃縮を伴いうる。蒸発によって、水性混合物の液体/ガス空間の界面にほぼ隣接して、溶液からのMGDNの結晶化が増加して生じる過飽和の帯域が発生する。さらに他の結晶核が形成される場合、これらは界面付近の比較的幅の狭い過飽和の帯域でのみ形成されるので、それらの数は制限される。これらは引き続き懸濁液の内部に移送され、そこでそれらは過飽和が低い場合にさらに成長する。
蒸発冷却がなお技術的に問題なく可能である限りにおいて、蒸発させることによる水の冷却は、容器の壁を介した熱の排出による冷却より有利であるべきである。それによりまた、MGDNの結晶が結晶装置の壁で析出し、かつ結晶装置の壁のスケール形成が生じるということが回避される。問題なく可能であるのは、一般的に約30℃の水性混合物の温度までの蒸発冷却である。
混合物は冷却されえかつ混合物の水成分はほぼ一定に保たれうる。蒸発プロセスがほぼ(または少なくとも部分的に)断熱的に実施される場合、混合物は蒸発プロセスによる熱の取り出しによって冷却される。MGDNの混合物の水成分は、水蒸気を凝縮しかつ混合物中に返流する("全還流"による処理)ことによって一定に保たれる。蒸発は、そのつどの温度に際して混合物の水蒸気分圧を下回る圧力に圧力低下させることによって引き起こされる。
代替的に、混合物は水の蒸発によって濃縮されえ、その際、温度はほぼ一定に保たれ、つまり蒸発プロセスはほぼ等温で実施される。
混合物は、水の蒸発によって冷却されうるのと同様また濃縮されうる。これらの2つのプロセスは、同時にまたは連続して実施されうる。蒸発プロセスが断熱的に実施されかつ蒸発された水が完全には置き換えられない場合、つまり、例えば凝縮された水の部分的還流によってのみまたは還流なしで処理される場合に、同時に2つのプロセスが行われる。しかしまた例えば、初めに濃度上昇下における等温性の蒸発が、かつ引き続き断熱蒸発が実施されえ、その際、全体の部分的還流によってまたは還流なしで処理されうる。
本発明による方法の一実施態様において、工程(b)では蒸発冷却によって冷却され、その際、これは混合物の温度が少なくとも30℃に低下するまで実施される。さらに、約30℃またはそれ以下にある温度が下回ると同時に結晶装置の壁を介して熱を排出することが有利である。さらに、工程(a)において、時間平均において少なくとも5K/hである、有利には≧7.5K/hである、殊に10〜30K/hの範囲にある冷却速度を維持することが有利である。
有利には、工程(b)において20℃を下回る温度に冷却される。これによって溶解MGDNの大幅な結晶化が達成される。
本発明に従って、全体的に比較的大きい結晶が形成される。これにはしかし比較的少ない母液が付着しており、殊に極めて微細な結晶のアグロメレート中に母液は"導入"されえず、もしくは付着している母液は、例えば容易なフィルタリングまたは遠心分離によって分離されうる。精製の複雑性はそれによって著しく低減される。また結晶装置の壁のスケール形成も効果的に回避される。
水性粗生成物混合物のMGDNの濃度は、一般的に3〜50質量%、有利には15〜40質量%、とりわけ有利には20〜35質量%である。1質量%の溶解MGDNの含有率は、約20℃の結晶化温度に相当し、5質量%の溶解MGDNの含有率は、約55℃の結晶化温度に相当する。10℃の場合、MGDNの水溶性はなお約0.5質量%である。
一般的に10質量%までの混合物のMGDNのわずかにしか過ぎない含有率の場合、結晶化プロセスの開始時に、いわゆる"シーディングループ(Impfschleife)"を実施すること、すなわち混合物を結晶形成後にまず再び若干の℃加熱し、形成された結晶の一部を再び溶解し、かつ引き続き新たに冷却することが適切でありうる。
本発明による方法の一実施態様において、工程(b)において水性混合物は水の蒸発によって冷却され、その際、混合物のMGDNの濃度はほぼ一定に保たれる。この変法はまた"真空冷却結晶化"とも呼ばれえ、これは全還流によって実施される。
本発明による方法のさらに他の一実施態様において、工程(b)において水性混合物は水の蒸発によって濃縮され、その際、混合物の温度はほぼ一定に保たれる。この変法はまた"等温蒸発結晶化"とも呼ばれうる。
本発明による方法のさらに他の一実施態様において、工程(b)は水性混合物の冷却と同様また濃縮も包含し、その際、これらの2つのプロセスは同時にまたは連続して行われうる。この実施態様の有利な一変法において、真空冷却結晶化は、凝縮された水蒸気の部分的還流のみによってまたは還流なしで実施される。
本発明による方法が実施される結晶装置の構造は任意である。例えばそれは、攪拌槽式の、強制循環式の、ガイド管式のまたは、例えばオスロ型の流動床式の結晶装置である。本発明による方法は、非連続的に、半連続的にまたは連続的に実施されうる。有利には、例えば攪拌槽式の結晶装置中で非連続的に実施される。
固/液−分離による結晶の分離は、任意の固/液−分離装置、例えばヌッチェ濾過器、回転濾過器、ベルト濾過器、押出し型遠心分離機、円筒型遠心分離機等により行われうる。分離された結晶は、引き続き例えば洗浄液体としての水または結晶化の出発混合物で洗浄してよい。
本発明による方法によりMGDNが単離される、MGDNを含有する水性粗生成物混合物は、一般的に
1.イミノジアセトニトリル(IDN)とHCNおよびアセトアルデヒドとの水溶液中での反応。イミノジアセトニトリルは、先行する工程においてウロトロピンおよびシアン化水素酸からまたはホルムアルデヒドシアンヒドリンおよびアンモニアから水性エマルジョンとして得ることができる;
2.アラニンニトリルと、HCNおよびホルムアルデヒドとの水溶液中での反応。アラニンニトリルは、先行する工程においてアセトアルデヒド、HCNおよびアンモニアまたはアセトアルデヒドシアンヒドリンおよびアンモニアから得ることができる。
有利には、MGDNを含有する水性粗生成物混合物は以下のように得られる:
1a.イミノジアセトニトリル(IDN)は、現場でアンモニアおよびホルムアルデヒドから生成されうるウロトロピンと、シアン化水素酸との反応によって5.5〜6.3、有利には5.7〜6.1、とりわけ有利には5.8〜6.0のpH値および20〜90℃、有利には25〜80℃の範囲における温度にて得られる。モル比 アンモニア:ホルムアルデヒド:シアン化水素酸は、一般的に1:1.5:1.5〜1.9であり、得られた水性エマルジョン中におけるIDNの濃度は、一般的に15〜40質量%、有利には20〜35質量である。引き続き、IDNの水性エマルジョンのpH値は鉱酸により2〜1.0、有利には1.8〜1.5、とりわけ有利には1.8〜1.7に設定される。次いで、酸性化されたIDNのエマルジョンは、アセトアルデヒドおよびシアン化水素酸と反応させられてMGDNとなる。モル比 IDN:アセトアルデヒド:HCNは、一般的に1:1〜1.2:1〜1.2、有利には1:1.0〜1.1:1.1〜1.2であり、反応に際しての温度は、一般的に40〜90℃、有利には50〜80℃である。得られた水性エマルジョンのMGDNの濃度は、一般的に20〜50質量%、有利には25〜40質量%である。有利には、水性エマルジョンは結晶化の実施前に15〜40質量%、有利には20〜35質量%のMGDNの含有率へと水で希釈される。
IDNは、ホルムアルデヒドシアンヒドリンとアンモニアとの反応によっても製造されうる。代替的に、出発物質としての結晶性IDNから出発してもよく、それは水中でエマルジョン化される。
2a.α−アラニンニトリル(AN)は、過剰のアンモニアとアセトアルデヒドおよびHCNとの反応によってまたはアセトアルデヒドシアンヒドリンと過剰のアンモニアとの反応によって製造され、その際、アンモニアは、水溶液として、ガス状でまたは液状の形で使用されうる。反応は圧力下で実施されうる。有利には、過剰のアンモニアは真空中で留去される。粗ANは、ホルムアルデヒドおよびシアン化水素酸と反応させられてMGDNとなる。そのために、ANの水溶液のpH値は鉱酸により2〜1.0、有利には1.8〜1.5、とりわけ有利には1.8〜1.7に設定される。モル比 AN:ホルムアルデヒド:HCNは、一般的に1:1.0〜1.2:1.0〜1.2であり、反応に際しての温度は、一般的に40〜90℃、有利には50〜80℃である。得られた水性エマルジョンのMGDNの濃度は、一般的に20〜50質量%、有利には25〜40質量%である。有利には、水性エマルジョンは結晶化の実施前に15〜40質量%、有利には20〜35質量%のMGDNの含有率に水で希釈される。
本発明は以下の例によって詳細に説明される。

MGDNの粗水性エマルジョンの製造
例1
IDNを、水535g中におけるウロトロピン173.9g(1.241mol)の溶液とシアン化水素酸210.9g(7.814mol)との反応によって製造する。pH値を5.8〜5.9へ調整するために、全体で50質量%の硫酸188gを計量供給する。IDN336.3g(3.54mol)を含有する水溶液1090gが結果生じる(ホルムアルデヒドに対して95%の収率)。溶液のpH値は、50質量%の硫酸60g(0.306mol)の添加によって1.8に設定しかつその温度は60℃に設定する。引き続き、75分以内にHCN105.1g(3.894mol)およびアセトアルデヒド171.6g(3.894mol)を計量供給する。温度は約80℃に上昇する。なお60分、80℃にてさらに攪拌する。pH値は、反応物質の添加中および後反応中に約1.2に低下する。MGDN515gを含有する約36質量%のMGDNのエマルジョン約1440gが結果生じる(3.469mol;IDNに対して98%の収率)。
粗エマルジョンからのMGDNの単離
比較例
結晶装置としてガラスからなる1リットルの二重ジャケット付攪拌容器中に、8質量%のMGDNの水性エマルジョン1120gを70℃にて撹拌下で装入する。二重ジャケット中における温度制御液体(Temperierfluessigkeit)を介して、溶液を61℃に冷却する。その際、非常に多数の結晶核が発生する。凝固点をかろうじて下回る64℃への加熱後、これらの核の一部は再び消えてなくなる。引き続き、攪拌下で10K/hの冷却速度によりブライン冷却(Solekuehlung)によって10℃にまで冷却する。沈殿した結晶をヌッチェ濾過器により分離する。顕微鏡(図1)に写し出されているように、結晶は約100μmの長さの針状の結晶の他に、主として<10μmの大きさの微細成分を含有する。結晶はアグロメレートを形成しやすくかつ結晶間には母液が付着しているので、湿った結晶は母液の強い褐色の色合いを帯びる。結晶装置の容器の壁は強いスケール形成を有する。
例2
1リットルの二重ジャケット付攪拌容器中に、22質量%のMGDNの水性エマルジョン1970gを70℃にて装入する。二重ジャケット中における温度制御液体を介して、溶液を57℃に冷却する。その際、結晶核が形成する。58℃へ加熱することによって、形成された固体の一部を再び溶液に戻す。引き続き真空をかけ、かつ58℃および170mbarにて2時間半の間、水を250g/hの蒸発速度で蒸発させる。その後、結晶装置中の圧力をさらに40mbarに低下させる。それから、排出された水蒸気を凝縮しかつ凝縮物として完全に結晶装置中に返流する。さらに2.5時間以内に、容器の壁のブライン冷却によって懸濁液を20K/hの速度で30℃から10℃の最終温度に冷却する。形成された冷たい懸濁液をヌッチェ濾過器により濾過する。湿った、ベージュ色のフィルターケーキを1.5倍の水量で洗浄し、それにより該フィルターケーキはわずかに黄色の色合いを帯びる。アセトニトリル中における得られた結晶の1質量%の溶液の色数を分析することにより、48のハーゼン(Hazen)色数が明らかになる。顕微鏡(図2)に写し出されているように、結晶の大部分は長さ100〜200μmおよび厚み20〜40μmの厚い、針状の結晶からなる。<1μmの大きさを有する微細成分は認めることができない。
例3
例1からの結晶装置中に、30質量%のMGDNの水性エマルジョン1300gを70℃にて装入する。凝固点を下回った後および60℃での40分の滞留段階の後、蒸発によって170〜40mbarの圧力にておよび凝縮した水蒸気の全還流にて、溶液を4時間以内に12.5K/hの速度で10℃に冷却する。その際、約30℃から、熱をブライン冷却によって結晶装置の二重ジャケットを介して取り出す。懸濁液を、篩カップ式遠心分離機(Siebbecherzentrifuge)中に充填しかつ2000分−1にて遠心分離する。明るいベージュ色の結晶が得られる。顕微鏡(図3)から、1mmまでの長さおよび100μmまでの厚みを有する厚い、針状の結晶を認めることができる。<1μmの大きさを有する微細成分は認めることができない。アセトニトリル中における1質量%の溶液の色数をハーゼンに従って分析することにより、65の色数の値が明らかになる。
約100μmの長さの針状の結晶の他に、主として<10μmの大きさの微細成分を含有する結晶を示す図 結晶の大部分が、長さ100〜200μmおよび厚み20〜40μmの厚い、針状の結晶からなることを示す図 1mmまでの長さおよび100μmまでの厚みを有する厚い、針状の結晶を示す図

Claims (7)

  1. メチルグリシンニトリル−N,N−ジアセトニトリル(MGDN)を、3〜50質量%のMGDNの含有率を有する、MGDNを含有する水性エマルジョンから単離するための方法であって、結晶装置中で以下の工程:
    (a)水性エマルジョンを、エマルジョン化されたMGDNの全量が実質的に固化するまで、凝固点を上回る温度から出発して、凝固点を下回る温度に冷却し、その際、冷却速度は、時間平均において5K/hを超えず、
    (b)得られた水性懸濁液をさらに冷却しかつ/または濃縮し、その際、冷却速度は、工程(a)におけるより大きくてよい、
    により、MGDNを単離するための方法。
  2. 工程(a)において水性混合物を、水を蒸発させることによっておよび/または結晶装置の壁を介して熱を排出することによって冷却することを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 工程(b)において水性混合物を、水を蒸発させることによって冷却しかつ/または濃縮することを特徴とする、請求項1記載の方法。
  4. 工程(b)において30℃の温度より下で、結晶装置の壁を介して熱を排出することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 工程(b)において、冷却速度が時間平均において少なくとも5K/hであることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. 工程(b)において、20℃を下回る温度に冷却することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
  7. MGDNを含有する粗混合物を、メチルグリシンニトリルとHCNおよびホルムアルデヒドとの反応によって得ることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
JP2008509442A 2005-05-06 2006-05-03 水性粗混合物からメチルグリシンニトリル−n,n−ジアセトニトリルを単離するための方法 Expired - Fee Related JP4714266B2 (ja)

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