JP4713889B2 - 埋設式ガス栓 - Google Patents
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Description
このような埋め込み型のガス栓を壁板(3)の裏側に取り付けるには、まず、壁板(3)の裏側に、矩形の枠板(2a)と前記枠板(2a)の一側辺から後方へ直角に延びる調整板(2b)とから略L字状に形成されたバックプレート(2)を配設する。前記バックプレート(2)は、前記調整板(2b)に設けた長孔に木ネジを挿通させて、壁板(3)を施行する前の柱(31)にネジ込むことにより、前後にスライド可能に固定される。又、前記バックプレート(2)の枠板(2a)の内周縁(20)の、前記調整板(2b)寄りの一側縁からは、支持片(22)が前記(2b)と同方向に延長形成されており、前記支持片(22)には、前後方向に沿ってスリット(23)が形成されている。
その後、壁板(3)を取り付け、バックプレート(2)の枠板(2a)の内周縁(20)に沿って壁板(3)を切り欠いて開口(30)を形成し、前記開口(30)から、枠板(2a)が壁板(3)の裏面に接触するようにバックプレート(2)の位置を調整すると共に、連結金具(21)をバックプレート(2)の支持片(22)のスリット(23)に沿ってスライドさせて、ガス栓本体(1)を手前に引き寄せる。
そこで、防火被覆部材として、開口(30)の裏側にボックスが設けられ、前記ボックス内にガス栓本体(1)を収容させてなるボックスコックが有効と考えられる。
しかしながら、従来のボックスコックは、配管接続部(10)とボックス(16)は一体的に固定されているもので、壁板(3)の裏側における前記ボックス(16)の前方開放端部の位置は、壁板(3)の最大壁厚に合わせて決定されているため、前記壁板(3)の壁厚が薄い場合には、図13に示すように、ボックス(16)は壁板(3)の裏側に奥まって位置する態様となり、この場合、ボックス(16)の前記前方開放端部と壁板(3)の裏面との間に隙間(S)が生じてしまう。よって、従来のボックスコックでは、ボックス(16)内の気密を保つことが出来ず、防火性能は期待できない。
本発明は、特に、『開口が形成された壁板の裏側に、前記開口の裏面周囲に添設される枠板を具備するバックプレートが設けられ、
ガス栓本体が前記バックプレートに前後方向に可動可能に取り付けられて前記壁板の裏側に固定される形式の埋設式ガス栓』において、ガス栓設置後でも、容易に耐火構造を備えた埋設式ガス栓に仕様変更できるようにすることを課題とする。
前記耐火ボックスの前方開放端部を前記枠板の前記内周縁近傍に添設状態に係合させる係合手段が設けられ、
前記ガス栓本体から延長する配管接続部が対応する前記耐火ボックスの構成面には、前記配管接続部を挿通させるための挿通孔が前方開放状態に設けられ、
前記挿通孔の前記配管接続部の挿通域以外の範囲を閉塞させる閉塞板が設けられ、
前記閉塞板は、長方形状の薄肉の金属板であり、その中央には、前記ガス栓本体の配管接続部がちょうど挿通可能な開口が形成されてあり、前記開口の両側には、両端及び中央で非連続な切り込みが短辺に平行に等間隔で打ち抜かれてあり、一方の短辺中央から、前記開口に至る範囲には、スリットが形成されていること』である。
上記技術的手段は次のように作用する。
耐火ボックスをガス栓本体の後方から、前記ガス栓本体に被せる。このとき、前記ガス栓本体から延長されている配管接続部に対応する前記耐火ボックスの構成面に、前記配管接続部が挿通可能な挿通孔を、前記耐火ボックスの前方に開放するように設ける。これにより、前記耐火ボックスは、前記挿通孔に配管接続部を挿通させながら、前記ガス栓本体の後方から被嵌可能となる。そして、前記耐火ボックスの前方開放端部を、壁板の裏面に添設させたバックプレートの枠板の内周縁近傍に係止手段によって係止させることにより、前記耐火ボックスは、前方開放端部と枠板との間に隙間を生じさせることなく、前記枠板に一体的に取り付けられることとなる。こうして、前記耐火ボックスは、内部に既設のガス栓本体を収容し且つその前方開放端部が前記枠板の裏面に添設された状態に装着されることとなる。
又、閉塞板を装着させた状態においては、前記ガス栓本体の周囲は、耐火ボックスと前記閉塞板によって略密閉状態に閉塞された空間となる。
又、耐火ボックスと閉塞板とによって、ガス栓本体の周囲を略密閉状態に囲むことができるようにしたから、防火性能が一層優れた耐火構造を期待することができる。
このとき、請求項3に係る発明のように、前記係合爪が設けられている前記耐火ボックスの上面及び下面を近接する方向に撓ませながら、前記係合爪を前記枠板に係合させることができるので、係合爪を枠板の内周縁に装着し易くなる。よって、耐火ボックスの取り付けが一層容易となる。
請求項5に係る発明のものでは、壁板と壁板との間の距離及び、ガス栓本体の開口からの設置深さに応じて、耐火ボックスの奥行きを変更することができるから、適用範囲が広く且つ使い勝手の良い耐火ボックスを提供することができる。
本発明の実施の形態のガス栓は、前述した図11と同じ取付構造によるものであり、ガス栓本体(1)は、柱(31)に調整板(2b)をネジ止めさせてなるバックプレート(2)を介して、壁板(3)の裏側に配設させる構成のものとする。
図1は、壁板(3)の裏側に配設されたガス栓本体(1)の平面図であり、ガス栓本体(1)の背面には背面板(26)が取り付けられていると共に、継手を介してフレキ管を接続させる配管接続部(10)は、ガス栓本体(1)の右側方に位置させている。
尚、この実施の形態の埋設式ガス栓のガス栓本体(1)を固定させるには、まず、プラグ部(11)が前方に突出し且つ、配管接続部(10)が側方に位置する横向きの姿勢とし、前記背面板(26)を連結金具(21)の前記第1板(21a)に重ね合わせ、ネジ止めして固定する。
又、前記支持片(22)には、図1に示すように、前記連結金具(21)のフック部(24)がスライド可能に嵌め込まれるスリット(23)が形成されており、前記フック部(24)をスリット(23)に係止させることにより、連結金具(21)はバックプレート(2)に、第1板(21a)が枠板(2a)に対して平行に位置する状態で接離自在に前後方向にスライド可能となる。
そして、連結金具(21)をバックプレート(2)の支持片(22)のスリット(23)に沿ってスライドさせることにより、ガス栓本体(1)を手前に引き寄せて、プラグ部(11)の先端が、壁板(3)の表面から約5.5mm突出させる。後は、従来のものと同様に、操作ユニット(32)を、ガス栓本体(1)のプラグ部(11)を包囲する態様で前記開口(30)内に収容させると共に、図3に示すように、壁板の表面側に各部品を順に取り付けていくことにより、ガス栓の取付工事が完了する。
耐火ボックス(4)は、図2又は図3に示すように、前記ガス栓本体(1)を全体的に包囲可能な大きさで且つ前方に開放する矩形箱体であり、ガス栓本体(1)の後方からその前方開放端部(41)が前記バックプレート(2)の枠板(2a)の裏面に接触する態様に取り付けられる。前方開放端部(41)を前記バックプレート(2)の枠板(2a)の裏面に接触させた状態にて、前記調整板(2b)側に位置する一側面(4a)は、前記調整板(2b)の後端部に近接又は当接するように、前記調整板(2b)の長さ分短く形成されており、これに対向する他側面(4b)には、前記ガス栓本体(1)の配管接続部(10)を挿通させるための挿通孔(40)が前方開放状態に形成されている。尚、前記挿通孔(40)の前後方向の長さは、前記耐火ボックス(4)の奥行きに略一致する程度に設定されているものとする。
又、前記耐火ボックス(4)の上下面と側面(4b)との境界部分には、図2に示すように、切り込み(42)が前方に開放するように形成されていると共に、前記上下面の前方端辺には、断面略U字状の係合爪(43)(44)がそれぞれ2つずつ連設されている。
尚、図示しないが、開口(30)と柱(31)との位置関係により、壁板(3)の裏側から見て、枠板(2a)の左側に調整板(2b)を位置させなければならない場合は、バックプレート(2)は、図5の姿勢から、上下左右逆転させた状態で取り付けられることとなり、係合爪(12)(13)は、係合突起(15)が上方に突出する態様となる。この場合では、係合突起(15)を係合孔(45)に挿通させれば良い。
この実施の形態の耐火ボックス(4)も、バックプレート(2)の枠板(2a)に容易に装着又は取外しができることから、耐火構造への仕様変更又は保守・点検や修理も容易となる。
閉塞板(5)は、同図に示すように、横長長方形状の薄肉の金属板であり、中央には、前記ガス栓本体(1)の配管接続部(10)がちょうど挿通可能な略六角形状の開口(50)が形成されてあり、開口(50)の左右両側には、両端及び中央で連結されてなる切り込み(51)〜(56)が3本ずつ左右端の短辺に平行に等間隔で打ち抜かれていると共に、図面における右端辺中央から、前記開口(50)に至る範囲には、スリット(57)が形成されている。
この閉塞板(5)を、前記スリット(57)を広げることにより、ガス栓本体(1)の接続筒部(10)又はそれに続くフレキ管を前記スリット(57)内に挿通させ、ガス栓本体(1)の配管接続部(10)に開口(50)を外嵌させた状態で、図8に示すように、耐火ボックス(4)の側面(4b)に添設させる。これにより、挿通孔(40)の配管接続部(10)の挿通域以外の前記開き部分は、閉塞板(5)によって閉塞される態様となり、耐火ボックス(4)内の気密性が確保されると共に、防火性能が向上する。
尚、閉塞板(5)は、耐火ボックス(4)の奥行きや、挿通孔(40)内における配管接続部(10)の配設位置等に応じて、邪魔になる範囲を、切り込み(51)〜(56)のいずれかで切断しておく。図8に示したものでは、切り込み(55)で切断しておく必要がある。
前記閉塞板(5)の耐火ボックス(4)への添設手段の一つとして、耐火ボックス(4)に針金で巻き付けておく方法が採用可能である。
この実施の形態の耐火ボックス(4)は、前記枠板(2a)の裏面に略接触状態に係合可能な前部材(46)と、前記前部材(46)に後方からスライド可能に外嵌する後部材(47)とから構成されているもので、前記前部材(46)は、前後両方に開放する矩形筒状に形成されていると共に、後部材(47)は、前方にのみ開放する箱状に構成されている。
尚、挿通孔(40)は、前部材(46)には前後方向に開放するように形成されていると共に、後部材(47)には、前方に開放するように形成されている。
具体的には、壁板(3)が薄い場合には、厚い場合に比べて、プラグ部(11)を壁板(3)の開口(30)の表面に露出させるために、ガス栓本体(1)を壁板(3)側に引き寄せる度合いは少ない。よって、その分、ガス栓本体(1)は壁板(3)から奥まった箇所に配設されるため、ガス栓本体(1)の背面に設けた背面板(26)から壁板(3)までの距離が遠くなる。この場合、図9に示すように、後部材(47)を後方へずらして、耐火ボックス(4)の奥行きを、背面板(26)から枠板(2a)までの距離以上に設定しておけば良い。それに応じて挿通孔(40)の長さも長く設定される。
このように、耐火ボックス(4)を、相互にスライド可能な前部材(46)と後部材(47)との2ピースで構成して、耐火ボックス(4)の奥行きを変えることができるようにしたものにおいては、壁板(3)の厚さ及びそれに伴うガス栓本体(1)の設置深さに応じて、ちょうど良い大きさの耐火ボックス(4)を提供することができる。
(10)・・・・・・配管接続部
(11)・・・・・・プラグ部
(12)(13)・・・・係合爪(係合手段)
(2) ・・・・・・バックプレート
(2a)・・・・・・枠板
(3) ・・・・・・壁板
(30)・・・・・・開口
(4) ・・・・・・耐火ボックス
(40)・・・・・・挿通孔
(43)(44)・・・・係合爪(係合手段)
Claims (5)
- 開口が形成された壁板の裏側に、前記開口の裏面周囲に添設される枠板を具備するバックプレートが設けられ、
ガス栓本体が前記バックプレートに前後方向に可動可能に取り付けられて前記壁板の裏側に固定される形式の埋設式ガス栓において、
前記ガス栓本体を収容可能で且つ前記枠板の内周縁に向かって開放する金属製の耐火ボックスが設けられ、
前記耐火ボックスの前方開放端部を前記枠板の前記内周縁近傍に添設状態に係合させる係合手段が設けられ、
前記ガス栓本体から延長する配管接続部が対応する前記耐火ボックスの構成面には、前記配管接続部を挿通させるための挿通孔が前方開放状態に設けられ、
前記挿通孔の前記配管接続部の挿通域以外の範囲を閉塞させる閉塞板が設けられ、
前記閉塞板は、長方形状の薄肉の金属板であり、その中央には、前記ガス栓本体の配管接続部がちょうど挿通可能な開口が形成されてあり、前記開口の両側には、両端及び中央で非連続な切り込みが短辺に平行に等間隔で打ち抜かれてあり、一方の短辺中央から、前記開口に至る範囲には、スリットが形成されていることを特徴とする埋設式ガス栓。 - 請求項1に記載の埋設式ガス栓において、前記係合手段は、前記耐火ボックスの前記前方開放端部の上辺及び下辺の各々に連設されると共に、上方又は下方にそれぞれ開放して前記枠板の内周縁の上下辺部をそれぞれ挟持可能な断面略U字状の係合爪としたことを特徴とする埋設式ガス栓。
- 請求項2に記載の埋設式ガス栓において、前記耐火ボックスの上下面の両側端部に、前方に開放する切り込みが形成されていることを特徴とする埋設式ガス栓。
- 請求項1に記載の埋設式ガス栓において、前記係合手段は、前記枠板の内周縁の上下辺近傍の裏面から奥方向に突設され且つ上方及び下方に突出する係合突起を具備する略T字状の係合爪とし、前記耐火ボックスの前方開放端を前記枠板の裏面に接触させた状態にて前記係合突起が対応する前記耐火ボックスの上下面の各位置に、前記係合突起が貫通可能な係合孔が形成されていることを特徴とする埋設式ガス栓。
- 請求項1から4のいずれかに記載の埋設式ガス栓において、前記耐火ボックスは、前記枠板に係合可能で且つ前後に開放する前部材と、前記前部材の後部にスライド自在に内嵌又は外嵌し且つ前方にのみ開放する後部材とから構成されていることを特徴とする埋設式ガス栓。
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