JP5283416B2 - 軒天換気見切金物用カバープレート、軒天換気見切金物構造体及び軒天換気構造 - Google Patents

軒天換気見切金物用カバープレート、軒天換気見切金物構造体及び軒天換気構造 Download PDF

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本願発明は、建物における屋根の軒先端と建物外壁との間やバルコニーの裏の空所部分などに天井板を取り付ける軒裏天井(軒天)の換気見切り金物用防火カバープレート及び、その構造体、換気構造に関するものである。
従来、軒裏天井の換気見切り金物(軒天換気見切金物)としては、例えば図9に示す特許文献1のものが公知である。換気構造に使用される換気見切り金物1は、天井板7の端部を差し込めるように断面略コ字状の挿入凹部3が設けられている。また、換気見切り金物1には、軒裏空間部へ通気可能なように多数のスリットを形成した換気穴60が設けられ、換気穴60及び換気用通気路4を通して屋外と軒裏空間部(小屋裏)との通気が可能となっている。
そして、上記通気見切り金物1には、換気穴60近くに熱により燃焼することなく膨張する熱膨張材9を設け、火災時に熱風により膨張して換気用通気路4を塞ぐため、屋外から換気穴60を通して火炎や火の粉が侵入しないように構成している。
しかしながら、火災の時間が長い場合には、換気見切り金物や軒天板を通して熱が小屋裏に伝播して温度が上昇し、小屋裏の温度が上昇し、屋内に延焼、最終的には全焼に至る可能性が高まる。
このような場合を想定し、例えば、図10に示す特許文献2のように、換気見切り金物1の複数箇所に熱膨張材6,7,9を配置する方法が知られている。
しかし、この方法は、新規に施工する場合には効果があるが、既に施工された換気見切り金物の防火性能を向上させようとする場合は、既設の換気見切り金物を撤去し、交換しなくてはならないという難点があった。
なお、軒天換気見切金物の外側へ後付けするカバー部材としては、図11に示す特許文献3のカバー7が存在する。しかし、このカバー7は、ビス頭及び軒裏板と下地材間の段部を遮蔽したり、見切材同士のずれを防止し、軒裏の外観を美しくすることが目的である(同明細書「0021」)。
特開2003−239422号公報 特開2003−027652号公報 特開平09−177232号公報
このような従来の軒天換気見切金物に対して、本願発明は、簡単な補助部材を使用して、施工が簡単であり、かつ通気性が高く、防火性も高い新たな軒天換気見切金物の提供を目的とするものである。
上記目的を達成するために、第1の発明は、軒裏天井を取り付けるための軒天差込部と軒裏空間部への換気を可能とする換気用開口部とを有する軒天換気見切金物の外側に取り付けるカバープレートであって、当該カバープレートは、換気用開口部を有するとともに、カバープレートの内面側に熱膨張材を備えることを特徴とする軒天換気見切金物用カバープレートである。
第2の発明は、前記熱膨張材が軒天換気見切金物の換気用開口部に対面するように設けられていることを特徴とする同軒天換気見切金物用カバープレートである。
第3の発明は、前記熱膨張材が軒天換気見切金物の換気用開口部以外の金属部分に対面するように設けられていることを特徴とする同軒天換気見切金物用カバープレートである。
第4の発明は、前記カバープレートが軒天換気見切金物に支持されていることを特徴とする同軒天換気見切金物用カバープレートである。
第5の発明は、前記カバープレートを軒天換気見切金物に支持するための支持部材を備えることを特徴とする同軒天換気見切金物用カバープレートである。
第6の発明は、軒裏天井を取り付けるための軒天差込部と軒裏空間部への換気を可能とする換気用開口部を有する軒天換気見切金物と、前記金物の外側へ取り付けるとともにその内面側に熱膨張材を備えるカバープレートとからなることを特徴とする軒天換気見切金物構造体である。
第7の発明は、換気用開口部を有する軒天換気見切金物用カバープレートの内面側に熱膨張材を備え、前記カバープレートが軒天換気見切金物の換気用開口部を覆うように施工されていることを特徴とする軒天換気構造である。
上記する本願発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)軒天換気見切金物の外側へ取り付けるための、換気用開口部を有するカバープレートとすることで、軒天換気見切金物自体を取り外すことなく簡単に施工することができる。
(2)熱膨張材が軒天換気見切金物の換気用開口部に対面するように設けられていることで、軒天換気見切金物の換気用開口部をその内側と外側の両面から塞ぐことができるため、炎や熱等を遮断する効果が高い。
(3)熱膨張材が軒天換気見切金物の換気用開口部以外の金属部分に対面するように設けられていることで、軒天換気見切金物の換気用開口部以外の金属部分を通して伝わる熱を断熱することができる。
(4)カバープレートが軒天換気見切金物に支持されることで、外壁や軒天を損傷することなくカバープレートを取り付けることができる。
(5)カバープレートを軒天換気見切金物に支持するための支持部材を備えることで、その構造上ビス止め等の施工工事を必要とせずに、簡単にカバープレートを取り付けることができる。
(6)軒裏天井を取り付けるための軒天差込部と軒裏空間部への換気を可能とする換気用開口部を有する軒天換気見切金物と、前記金物の外側へ取り付けるとともにその内面側に熱膨張材を備えるカバープレートとからなる軒天換気見切金物構造とすることで、軒天換気見切金物の防火性能を簡単に向上させることができる。
(7)換気用開口部を有する軒天換気見切金物用カバープレートの内面側に熱膨張材を備え、前記カバープレートが軒天換気見切金物の換気用開口部を覆うように施工されている軒天換気構造とすることで、防火性能を向上させた換気構造を簡単に得ることができる。
本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2は、本願発明の第1実施形態を示す説明図である。
まず、図1に軒天換気見切金物20を示す。軒天換気見切金物20は、軒裏天井10を取り付けるための軒天差込部21と軒裏空間部への換気を可能とする換気用開口部25とを有する。
そして、この軒天換気見切金物20には、断面略コ字形の支持部材30,30が取り付けられる。支持部材30は、一対の起立部31,35を備える。起立部31の中央先端には内側へ略90度折曲した第1爪片32を備えるとともに、同左右先端は中央先端より低くなっており突起片33,33を形成する。また、起立部35の左右先端には内側へ略90度折曲した第2爪片36,36,36,36を、同中央先端には外側へL字形に折曲した係止片37を備える。この第1爪片32を軒天換気見切金物20の軒天差込部21に形成される角部分22に引っ掛けるとともに、第2爪片36をスリット状に形成された換気用開口部25へ差し込むことで、支持部材30を軒天換気見切金物20に取り付ける。
また、換気用開口部25に対面する軒天換気見切金物20の内側には、熱膨張材50が取り付けられる。
次に、図2に軒天換気見切金物20の外側に取り付ける(金属製の)カバープレート40を示す。
当該カバープレート40は、底部41に段差42を設けて換気用開口部43を有する。この段差42は、下方からこのカバープレート40を見た場合、換気用開口部43を隠す作用を有する。また、カバープレート40の長手方向両端には一対の側面部44,47を備える。一方の側面部44は先端45が折曲し略レ字形に形成されているとともに、その内側に熱膨張材50を取り付ける。また、他方の側面部47は先端48を180度内側へ折り返して段差を形成する。
そして、このカバープレート40は、支持部材30の取り付けられた軒天換気見切金物20に取り付けられる。
図3は、カバープレート40の取付状態を示す断面図である。図示するように、カバープレート40は、側面部47の段差の部分が支持部材30の突起片33に引っ掛かるとともに、側面部44の先端45の部分が支持部材30の係止片37に引っ掛かることで、軒天換気見切金物20に取り付けられる。従って、カバープレート40は、支持部材30に支持されるようにして軒天換気見切金物20に取り付けられる。なお、支持部材30による支持は突起片33や係止片37の引っ掛かりによるものなので、カバープレート40を軒天換気見切金物20の長手方向へスライドさせることが可能で、軒天換気見切金物20へ取り付けたカバープレート40の位置調整を可能とする。また、熱膨張材50,50が軒天換気見切金物20の換気用開口部25に対面するように設けられていることで、軒天換気見切金物20の換気用開口部25をその内側と外側の両面から塞ぐことができるため、炎や熱等を遮断する効果が高くなる。
図4は、本願発明の第2実施形態を示す説明図である。第2実施形態では、特に、ワンタッチで施工が簡単であり、且つスペースをとらないカバープレートを提供する。
ここで、軒天換気見切金物20については、第1実施形態のものと同一なので、その説明を省略する。
軒天換気見切金物20の外側に取り付ける(金属製の)カバープレート60は、断面略L字形の長尺部材であり、底部61に換気用開口部62を備える。また、カバープレート60を軒天換気見切金物20へ取り付けるための支持部材70を備える。支持部材70は、カバープレート60内にあって、カバープレート60の側面部63と平行する基部71とその基部71の左右両端から垂直方向に延びる係合部72,72を備える。係合部72には、軒天換気見切金物20のスリット状に形成された換気用開口部25に係合する略L字形の係合溝73を有する。また、支持部材70は、この係合部72,72を軒天換気見切金物20へ付勢するバネ片75を基部71に備える。このバネ片75があることで、カバープレート60を軒天換気見切金物20へ簡単・確実に取り付けることができる。すなわち、カバープレート60を軒天換気見切金物20と構造駆体(図示省略)の間に差し込む時には、係合部72,72が反軒天換気見切金物20側へ押圧(バネ片75が圧縮)され、差込を完了すると係合部72,72が軒天換気見切金物20側へ付勢(バネ片75が反発)して換気用開口部25と係合する。係合部72,72はバネ片75によって常に軒天換気見切金物20側へ付勢されているので、換気用開口部25との係合が解消することはない。以上により、軒天換気見切金物20自体を取り外すことなく簡単に(ワンタッチで)カバープレート60を取付施工することができる。なお、支持部材70による支持は係止部72の係合によるものなので、カバープレート60を軒天換気見切金物20の長手方向へスライドさせることが可能で、軒天換気見切金物20へ取り付けたカバープレート60の位置調整を可能とする。ここで、図5は、そのカバープレート60を軒天換気見切金物20に取り付けた状態を断面図で示した。
また、カバープレート60の長手方向端部に起立する側面部63及び支持部材70に熱膨張材50,50,…を取り付ける。これによって、軒天換気見切金物20の換気用開口部25に対面するように熱膨張材50を設けることができ、軒天換気見切金物20の換気用開口部25をその内側と外側の両面から塞ぐことができるため、炎や熱等を遮断する効果が高くなる。
図6及び図7は、本願発明の第3実施形態を示す説明図である。第3実施形態では、特に、熱膨張材を備えていない軒天換気見切金物に好適なカバープレートを提供する。
ここで、軒天換気見切金物20については、第1実施形態のものと同一なので、その説明を省略する。
図6に示すように、この軒天換気見切金物20には、断面略コ字形の支持部材80,80が取り付けられる。支持部材80は、一対の起立部81,85を備える。起立部81の中央先端には内側へ略90度折曲した第1爪片82を、同左右先端には外側に略90度折曲した第1係止片83,83を備える。また、起立部85の左右先端には内側へ略90度折曲した第2爪片86,86,86,86を、同中央先端には外側へL字形に折曲した第2係止片87を備える。この第1爪片82を軒天換気見切金物20の軒天差込部21に形成される角部分22に引っ掛けるとともに、第2爪片86をスリット状に形成された換気用開口部25へ差し込むことで、支持部材80を軒天換気見切金物20に取り付ける。
また、換気用開口部25に対面する軒天換気見切金物20の内側には、熱膨張材50が取り付けられる。
次に、図7に軒天換気見切金物20の外側に取り付ける(金属製の)カバープレート90を示す。
当該カバープレート90は、底部91に段差92を設けて換気用開口部93を有する。この段差92は、下方からこのカバープレート90を見た場合、換気用開口部93を隠す作用を有する。また、カバープレート90の長手方向両端には一対の側面部94,97を備える。この側面部94,97は先端が略90度折曲するとともに、その内側に熱膨張材50を取り付ける。また、カバープレート90の底部91(換気用開口部93を除く)にも、その内側に熱膨張材50を取り付ける。
そして、このカバープレート90は、支持部材80の取り付けられた軒天換気見切金物20に取り付けられる。
図8は、カバープレート90の取付状態を示す断面図である。図示するように、カバープレート90は、側面部94の折曲する先端の部分が支持部材80の第1係止片83に引っ掛かるとともに、側面部97の折曲する先端の部分が支持部材80の第2係止片87に引っ掛かることで、軒天換気見切金物20に取り付けられる。従って、カバープレート90は、支持部材80に支持されるようにして軒天換気見切金物20に取り付けられる。なお、支持部材80による支持は第1係止片83や第2係止片87の引っ掛かりによるものなので、カバープレート90を軒天換気見切金物20の長手方向へスライドさせることが可能で、軒天換気見切金物20へ取り付けたカバープレート90の位置調整を可能とする。また、熱膨張材50が軒天換気見切金物20の換気用開口部25に対面するように設けられていることで、軒天換気見切金物20の換気用開口部25をその内側と外側の両面から塞ぐとともに、換気用開口部25以外の金属部分にも熱膨張材50,50が設けられているので、炎や熱等を遮断する効果が高くなる。
本願発明は、軒天換気見切金物の補助部材として広く利用できるものである。新設の軒天換気見切金物の他に、既設の軒天換気見切金物にも簡単に利用できる。
本願発明の第1実施形態を示す説明図(その1)。 本願発明の第1実施形態を示す説明図(その2)。 本願発明の第1実施形態を示す断面図。 本願発明の第2実施形態を示す説明図。 本願発明の第2実施形態を示す断面図。 本願発明の第3実施形態を示す説明図(その1)。 本願発明の第3実施形態を示す説明図(その2)。 本願発明の第3実施形態を示す断面図。 特許文献1に開示された従来技術を示す説明図。 特許文献2に開示された従来技術を示す説明図。 特許文献3に開示された従来技術を示す説明図。
符号の説明
<第1実施形態>
10 軒裏天井
20 軒天換気見切金物
21 軒天差込部
22 角部分
25 換気用開口部
30 支持部材
31 起立部
32 第1爪片
33 突起片
35 起立部
36 第2爪片
37 係止片
40 カバープレート
41 底部
42 段差
43 換気用開口部
44 側面部
45 先端
47 側面部
48 先端
50 熱膨張材
<第2実施形態>弟1実施形態と共通するものについてはその符号をそのまま使用する。
60 カバープレート
61 底部
62 換気用開口部
63 側面部
70 支持部材
71 基部
72 係合部
73 係合溝
75 バネ片
<第3実施形態>弟1実施形態と共通するものについてはその符号をそのまま使用する。
80 支持部材
81 起立部
82 第1爪片
83 第1係止片
85 起立部
86 第2爪片
87 第2係止片
90 カバープレート
91 底部
92 段差
93 換気用開口部
94 側面部
97 側面部

Claims (6)

  1. 軒裏天井を取り付けるための軒天差込部と軒裏空間部への換気を可能とする換気用開口部とを有する軒天換気見切金物の外側に取り付けるカバープレートであって、
    当該カバープレートは、換気用開口部を有するとともに、カバープレートの内面側に熱膨張材を備え
    前記熱膨張材が軒天換気見切金物の換気用開口部以外の金属部分に対面するように設けられていることを特徴とする軒天換気見切金物用カバープレート。
  2. 前記熱膨張材が軒天換気見切金物の換気用開口部に対面するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の軒天換気見切金物用カバープレート。
  3. 前記カバープレートが軒天換気見切金物に支持されていることを特徴とする請求項1又は2記載の軒天換気見切金物用カバープレート。
  4. 前記カバープレートを軒天換気見切金物に支持するための支持部材を備えることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の軒天換気見切金物用カバープレート。
  5. 軒裏天井を取り付けるための軒天差込部と軒裏空間部への換気を可能とする換気用開口部を有する軒天換気見切金物と、前記金物の外側へ取り付けるとともにその内面側に前記換気用開口部以外の金属部分に対面するように設けられた熱膨張材を備えるカバープレートとからなることを特徴とする軒天換気見切金物構造体。
  6. 換気用開口部を有する軒天換気見切金物用カバープレートの内面側に前記換気用開口部以外の金属部分に対面するように設けられた熱膨張材を備え、前記カバープレートが軒天換気見切金物の換気用開口部を覆うように施工されていることを特徴とする軒天換気構造。
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