JP4713783B2 - 半導体メモリ装置 - Google Patents
半導体メモリ装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4713783B2 JP4713783B2 JP2001245584A JP2001245584A JP4713783B2 JP 4713783 B2 JP4713783 B2 JP 4713783B2 JP 2001245584 A JP2001245584 A JP 2001245584A JP 2001245584 A JP2001245584 A JP 2001245584A JP 4713783 B2 JP4713783 B2 JP 4713783B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- potential
- data
- transistor
- layer
- word line
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Semiconductor Memories (AREA)
- Dram (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ダイナミック型半導体メモリ装置(DRAM)に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のDRAMは、MOSトランジスタとキャパシタによりメモリセルが構成されている。DRAMの微細化は、トレンチキャパシタ構造やスタックトキャパシタ構造の採用により大きく進んでいる。現在、単位メモリセルの大きさ(セルサイズ)は、最小加工寸法をFとして、2F×4F=8F2の面積まで縮小されている。つまり、最小加工寸法Fが世代と共に小さくなり、セルサイズを一般にαF2としたとき、係数αも世代と共に小さくなり、F=0.18μmの現在、α=8が実現されている。
【0003】
今後も従来と変わらないセルサイズ或いはチップサイズのトレンドを確保するためには、F<0.18μmでは、α<8、更にF<0.13μmでは、α<6を満たすことが要求され、微細加工と共に如何にセルサイズを小さい面積に形成するかが大きな課題になる。そのため、1トランジスタ/1キャパシタのメモリセルを6F2や4F2の大きさにする提案も種々なされている。しかし、トランジスタを縦型にしなければならないといった技術的困難や、隣接メモリセル間の電気的干渉が大きくなるといった問題、更に加工や膜生成等の製造技術上の困難があり、実用化は容易ではない。
【0004】
これに対して、キャパシタを用いず、1トランジスタをメモリセルとするDRAMの提案も、以下に挙げるようにいくつかなされている。
▲1▼JOHN E.LEISS et al,"dRAM Design Using the Taper-Isolated Dynamic Cell"(IEEE JOURNAL OF SOLID-STATE CIRCUITS,VOL.SC-17,NO.2,APRIL 1982,pp337-344)
▲2▼特開平3−171768号公報
▲3▼Marnix R.Tack et al,"The Multistable Charge-Controlled Memory Effect in SOI MOS Transistors at Low Temperatures"(IEEE TRANSACTIONS ON ELECTRON DEVICES,VOL.37,MAY,1990,pp1373-1382)
▲4▼Hsing-jen Wann et al,"A Capacitorless DRAM Cell on SOI Substrate"(IEDM 93,pp635-638)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
▲1▼のメモリセルは、埋め込みチャネル構造のMOSトランジスタを用いて構成される。素子分離絶縁膜のテーパ部に形成される寄生トランジスタを利用して、表面反転層の充放電を行い、二値記憶を行う。
▲2▼のメモリセルは、個々にウェル分離されたMOSトランジスタを用い、MOSトランジスタのウェル電位により決まるしきい値を二値データとする。
▲3▼のメモリセルは、SOI基板上のMOSトランジスタにより構成される。SOI基板の側から大きな負電圧を印加してシリコン層の酸化膜と界面部でのホール蓄積を利用し、このホールの放出、注入により二値記憶を行う。
▲4▼のメモリセルは、SOI基板上のMOSトランジスタにより構成される。MOSトランジスタは構造上一つであるが、ドレイン拡散層の表面に重ねて逆導電型層が形成され、実質的に書き込み用PMOSトランジスタと読み出し用NMOSトランジスタを一体に組み合わせた構造としている。NMOSトランジスタの基板領域をフローティングのノードとして、その電位により二値データを記憶する。
【0006】
しかし、▲1▼は構造が複雑であり、寄生トランジスタを利用していることから、特性の制御性にも難点がある。▲2▼は、構造は単純であるが、トランジスタのドレイン、ソース共に信号線に接続して電位制御する必要がある。また、ウェル分離であるため、セルサイズが大きく、しかもビット毎の書き換えができない。▲3▼では、SOI基板側からの電位制御を必要としており、従ってビット毎の書き換えができず、制御性に難点がある。▲4▼は特殊トランジスタ構造を必要とし、またメモリセルには、ワード線、ライトビット線、リードビット線、パージ線を必要とするため、信号線数が多くなる。
【0007】
この発明は、単純なトランジスタ構造をメモリセルとして、少ない信号線でデータのダイナミック記憶を可能とした半導体メモリ装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る半導体メモリ装置は、メモリセルが、他のメモリセルから電気的に分離されたフローティングの半導体層に形成されたトランジスタにより構成される。トランジスタは、半導体層に互いに離隔して形成されたドレイン及びソース拡散層と、これらのドレイン及びソース拡散層の間の半導体層上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極とを有し、ゲート電極はワード線に、ドレイン拡散層はビット線に、ソース拡散層は固定電位線にそれぞれ接続される。トランジスタは、半導体層に過剰の多数キャリアが保持された第1のしきい値電圧を有する第1データ状態と、半導体層の過剰の多数キャリアが放出された第2のしきい値電圧を有する第2データ状態とをダイナミックに記憶する。
【0009】
この発明において、より具体的には、第1データ状態は、トランジスタを動作させることによりドレイン接合近傍でインパクトイオン化を起こして、生成された過剰の多数キャリアを半導体層に保持することにより書き込まれ、第2データ状態は、半導体層とドレイン拡散層との間に順方向バイアスを与えて、半導体層の過剰の多数キャリアをドレイン拡散層に引き抜くことにより書き込まれる。
【0010】
この発明において、好ましくは、半導体層は、シリコン基板に絶縁膜を介して形成されたシリコン層である。更にこの場合、より好ましくは、シリコン層がp型であり、トランジスタがNチャネルMOSトランジスタであるものとする。
【0011】
この発明による半導体メモリ装置では、データ書き込み時、固定電位線を基準電位として、選択ワード線に基準電位より高い第1の電位を与え、非選択ワード線に基準電位より低い第2の電位を与え、ビット線には第1及び第2データ状態に応じてそれぞれ基準電位より高い第3の電位及び基準電位より低い第4の電位を与える。これにより、ビット線から第1データが与えられた選択セルでは、トランジスタが5極管動作し、ドレイン接合近傍の半導体層内でインパクトイオン化が起こって、生成された過剰のホールが半導体層に注入保持される。また第2データが与えられた選択セルでは、ドレイン拡散層と半導体層の間が順バイアスとなり、半導体層の過剰ホールがドレイン拡散層に放出される。
【0012】
データ読み出しは、選択ワード線に第1のしきい値電圧と第2のしきい値電圧の間にある基準電位より高い電位を与え、選択されたメモリセルの導通又は非導通を検出する方式が用いられる。或いは、選択ワード線に第1及び第2のしきい値電圧より高く且つ基準電位より高い電位を与え、選択されたメモリセルの導通度を検出するようにしてもよい。
【0013】
この発明による半導体メモリ装置では、トランジスタは、最小加工寸法をFとして、2F×2Fのセルサイズでマトリクス配列されてメモリセルアレイが構成される。
【0014】
この発明によると、一つのメモリセルは、フローティングの半導体層をバルク領域(チャネルボディ)として持つ単純な一つのトランジスタにより形成され、セルサイズを4F2と小さくすることができる。トランジスタのソースは固定電位線に接続され、また半導体層に対するバックゲートバイアス制御を行うことなく、ドレインに接続されたビット線とゲート電極に接続されたワード線の制御のみによって、読み出し,書き換え及びリフレッシュの制御が行われる。即ち任意ビット単位でのデータ書き換えも可能である。
また、この発明によるメモリセルは基本的に非破壊読み出しであるので、センスアンプをビット線毎に設ける必要がなく、言い換えれば、ワード線により同時に選択されるメモリセルの全てに対してセンスアンプを設ける必要がなく、従ってセンスアンプのレイアウトは容易になる。更に、メモリセルは電流読み出しであるので、耐ノイズ性に優れており、オープンビット線方式を用いることもできる。
【0015】
この発明によるメモリセルは、二値データであるしきい値電圧の高い状態と低い状態を、それらのしきい値電圧の差が大きい状態で記憶することが好ましい。またデータは、フローティングの半導体層の電荷蓄積状態として保持されるため、リーク電流ができる限り小さいことが望まれる。これらの要求を満たすための好ましい構造として、バルク領域となる半導体層は、ドレイン及びソース拡散層に接する第1の不純物添加領域と、ドレイン及びソース拡散層から離れてチャネル長方向の中央部に配置された第1の不純物添加領域より高不純物濃度の第2の不純物添加領域とを有するものとする。
更に好ましくは、ドレイン及びソース拡散層のうち少なくともドレイン拡散層が、第1の不純物添加領域に接してpn接合を構成する第3の不純物添加領域と、第1の不純物添加領域から離れた位置に形成された前記第3の不純物添加領域より高不純物濃度の第4の不純物添加領域とを有する構造とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態を説明する。
図1はこの発明によるDRAMの単位メモリセルの断面構造を示し、図2はその等価回路を示している。メモリセルMCは、SOI構造のNチャネルMOSトランジスタにより構成されている。即ち、シリコン基板10上に絶縁膜としてシリコン酸化膜11が形成され、このシリコン酸化膜11上にp型シリコン層12が形成されたSOI基板が用いられている。この基板のシリコン層12上に、ゲート酸化膜16を介してゲート電極13が形成され、ゲート電極13に自己整合されてn型ソース、ドレイン拡散層14,15が形成されている。
【0018】
ソース、ドレイン拡散層14,15は、底部のシリコン酸化膜11に達する深さに形成されている。従って、p型シリコン層12からなるバルク領域は、チャネル幅方向(図の紙面に直交する方向)の分離を酸化膜で行うとすれば、底面及びチャネル幅方向の側面が他から絶縁分離され、チャネル長方向はpn接合分離されたフローティング状態になる。
このメモリセルMCをマトリクス配列する場合、ゲート電極13はワード線WLに接続され、ソース拡散層15は固定電位線(接地電位線)に接続され、ドレイン拡散層14はビット線BLに接続される。
【0019】
図3は、メモリセルアレイのレイアウトを示し、図4(a),(b)はそれぞれ図3のA−A’,B−B’断面を示している。p型シリコン層12は、シリコン酸化膜21の埋め込みにより、格子状にパターン形成される。即ちドレインを共有する二つのトランジスタの領域がワード線WL方向にシリコン酸化膜21により素子分離されて配列される。或いはシリコン酸化膜21の埋め込みに代わって、シリコン層12をエッチングすることにより、横方向の素子分離を行っても良い。ゲート電極13は一方向に連続的に形成されて、これがワード線WLとなる。ソース拡散層15は、ワード線WL方向に連続的に形成されて、これが固定電位線(共通ソース線)となる。トランジスタ上は層間絶縁膜23で覆われこの上にビット線BLが形成される。ビット線BLは、二つのトランジスタで共有するドレイン拡散層14にコンタクトして、ワード線WLと交差するように配設される。
【0020】
これにより、各トランジスタのバルク領域(チャネルボディ)であるシリコン層12は、底面及びチャネル幅方向の側面が酸化膜により互いに分離され、チャネル長方向にはpn接合により互いに分離されてフローティング状態に保たれる。
そしてこのメモリセルアレイ構成では、ワード線WLおよびビット線BLを最小加工寸法Fのピッチで形成したとして、単位セル面積は、図3に破線で示したように、2F×2F=4F2となる。
【0021】
このNMOSトランジスタからなるDRAMセルの動作原理は、MOSトランジスタのバルク領域(他から絶縁分離されたp型シリコン層12)の多数キャリアであるホールの蓄積を利用する。即ち、MOSトランジスタを5極管領域で動作させることにより、ドレイン拡散層14から大きな電流を流し、ドレイン拡散層14の近傍でインパクトイオン化を起こす。このインパクトイオン化により生成される過剰の多数キャリアであるホールをp型シリコン層12に保持させ、そのホール蓄積状態(熱平衡状態より電位が高い状態)を例えばデータ“1”とする。ドレイン拡散層14とp型シリコン層12の間のpn接合を順方向バイアスして、p型シリコン層12の過剰ホールをドレイン側に放出した状態をデータ“0”とする。
【0022】
データ“0”,“1”は、バルク領域の電位の差であり、MOSトランジスタのしきい値電圧の差として記憶される。即ち、ホール蓄積によりバルク領域の電位が高いデータ“1”状態のしきい値電圧Vth1は、データ“0”状態のしきい値電圧Vth0より低い。バルク領域に多数キャリアであるホールを蓄積した“1”データ状態を保持するためには、ワード線には負のバイアス電圧を印加することが必要になる。このデータ保持状態は、逆データの書き込み動作(消去)を行わない限り、読み出し動作を行っても変わない。即ち、キャパシタの電荷蓄積を利用する1トランジスタ/1キャパシタのDRAMと異なり、非破壊読み出しが可能である。
【0023】
データ読み出しの方式には、いくつか考えられる。ワード線電位Vwlとバルク電位VBの関係は、データ“0”,“1”と関係で図5のようになる。従ってデータ読み出しの第1の方法は、選択されたワード線WLにデータ“0”,“1”のしきい値電圧Vth0,Vth1の中間になる読み出し電位を与えて、“0”データのメモリセルでは電流が流れず、“1”データのメモリセルでは電流が流れることを利用する。具体的には例えば、ビット線BLを所定の電位VBLにプリチャージして、その後ワード線WLを駆動する。これにより、図6に示すように、“0”データの場合、ビット線プリチャージ電位VBLの変化がなく、“1”データの場合はプリチャージ電位VBLが低下する。
【0024】
第2の読み出し方式は、選択されたワード線WLを立ち上げてから、ビット線BLに電流を供給して、“0”,“1”の導通度に応じてビット線電位の上昇速度が異なることを利用する。簡単には、ビット線BLを0Vにプリチャージし、図7に示すようにワード線WLを、“0”データのしきい値電圧よりも高い電位まで立ち上げて、ビット線電流を供給する。このとき、ビット線の電位上昇の差をダミーセルを利用して検出することにより、データ判別が可能となる。
【0025】
第3の読み出し方式は、ビット線BLを所定の電位にクランプしたときの、“0”,“1”で異なるビット線電流の差を読む方式である。即ち、選択されたワード線を、“0”データのしきい値電圧よりも高い電位まで立ち上げた後、クランプ回路を介してビット線に電流を供給する。ビット線BLの電位がクランプしたときの、“0”,“1”で異なるビット線電流の差を検出することで、データが判定できる。電流差を読み出すには、電流−電圧変換回路が必要であるが、最終的には電位差を差動増幅して、センス出力を出す。
【0026】
この発明において、選択的に“0”データを書き込むためには、即ちメモリセルアレイのなかで選択されたワード線WLとビット線BLの電位により選択されたメモリセルのバルク領域のみから過剰ホールを放出させるには、ワード線WLとバルク領域の間の容量結合が本質的になる。その詳細検討は後述するが、データ“1”でバルク領域にホールが蓄積された状態は、ワード線を十分負方向にバイアスして、メモリセルのゲート・基板間容量が、ゲート酸化膜容量となる状態(即ち表面に空乏層が形成されていない状態)で保持することが必要である。
また、書き込み動作は、“0”,“1”共に、パルス書き込みとして消費電力を減らすことが好ましい。“0”書き込み時、選択トランジスタのバルク領域からドレインにホール電流が、ドレインからバルク領域に電子電流が流れるが、バルク領域にホールが注入されることはない。
【0027】
より具体的な動作波形を説明する。図8〜図11は、選択セルによるビット線の放電の有無によりデータ判別を行う第1の読み出し方式を用いた場合のリード/リフレッシュ及びリード/ライトの動作波形である。
図8及び図9は、それぞれ“1”データ及び“0”データのリード/リフレッシュ動作である。時刻t1までは、データ保持状態(非選択状態)であり、ワード線WLには負電位が与えられている。時刻t1でワード線WLを正の所定電位に立ち上げる。このときワード線電位は、“0”,“1”データのしきい値Vth0,Vth1の間に設定する。これにより、“1”データの場合、予めプリチャージされていたビット線VBLは放電により低電位になる。“0”データの場合はビット線電位VBLは保持される。これにより“1”,“0”データが判別される。
【0028】
そして、時刻t2で、ワード線WLの電位を更に高くし、同時に読み出しデータが“1”の場合には、ビット線BLに正電位を与え(図8)、読み出しデータが“0”の場合はビット線BLに負電位を与える(図9)。これにより、選択メモリセルが“1”データの場合、5極管動作により大きなチャネル電流が流れてインパクトイオン化が起こり、バルク領域に過剰のホールが注入保持されて再度“1”データが書き込まれる。“0”データの場合には、ドレイン接合が順方向バイアスになり、バルク領域に過剰ホールが保持されていない“0”データが再度書き込まれる。
【0029】
そして、時刻t3でワード線WLを負方向にバイアスして、リード/リフレッシュ動作を終了する。“1”データ読み出しを行ったメモリセルと同じビット線BLにつながる他の非選択メモリセルでは、ワード線WLが負電位、従ってバルク領域が負電位に保持されて、インパクトイオン化は起こらない。“0”データ読み出しを行ったメモリセルと同じビット線BLにつながる他の非選択メモリセルでは、やはりワード線WLが負電位に保持されて、ホール放出は起こらない。
【0030】
図10及び図11は、同じ読み出し方式によるそれぞれ“1”データ及び“0”データのリード/ライト動作である。図10及び図11での時刻t1での読み出し動作はそれぞれ、図8及び図9と同様である。読み出し後、時刻t2でワード線WLを更に高電位とし、同じ選択セルに“0”データを書き込む場合には同時に、ビット線BLに負電位を与え(図10)、“1”データを書き込む場合にはビット線BLに正電位を与える(図11)。これにより、“0”データが与えられたセルでは、ドレイン接合が順方向バイアスになり、バルク領域のホールが放出される。“1”データが与えられたセルでは、ドレイン近傍でインパクトイオン化が起こり、バルク領域に過剰ホールが注入保持される。
【0031】
図12〜図15は、ビット線BLを0Vにプリチャージし、ワード線選択後にビット線BLに電流を供給して、ビット線BLの電位上昇速度によりデータ判別を行う第2の読み出し方式を用いた場合のリード/リフレッシュ及びリード/ライトの動作波形である。
図12及び図13は、それぞれ“1”データ及び“0”データのリード/リフレッシュ動作である。負電位に保持されていたワード線WLを、時刻t1で正電位に立ち上げる。このときワード線電位は、図7に示したように、“0”,“1”データのしきい値Vth0,Vth1のいずれよりも高い値に設定する。或いは、ワード線電位を、第1の読み出し方式と同様に、“0”,“1”データのしきい値Vth0,Vth1の間に設定してもよい。そして、時刻t2でビット線に電流を供給する。これにより、“1”データの場合、メモリセルが深くオンしてビット線BLの電位上昇は小さく(図12)、“0”データの場合メモリセルの電流が小さく(或いは電流が流れず)、ビット線電位は急速に上昇する。これにより“1”,“0”データが判別される。
【0032】
そして、時刻t3で、読み出しデータが“1”の場合には、ビット線BLに正の電位を与え(図12)、読み出しデータが“0”の場合はビット線BLに負の電位を与える(図13)。これにより、選択メモリセルが“1”データの場合、ドレイン電流が流れてインパクトイオン化が起こり、バルク領域に過剰ホールが注入保持されて再度“1”データが書き込まれる。“0”データの場合には、ドレイン接合が順方向バイアスになり、バルク領域に過剰ホールのない“0”データが再度書き込まれる。
時刻t4でワード線WLを負方向にバイアスして、リード/リフレッシュ動作を終了する。
【0033】
図14及び図15は、同じ読み出し方式によるそれぞれ“1”データ及び“0”データのリード/ライト動作である。図14及び図15での時刻t1及びt2での読み出し動作はそれぞれ、図12及び図13と同様である。読み出し後、同じ選択セルに“0”データを書き込む場合には、ビット線BLに負電位を与え(図14)、“1”データを書き込む場合にはビット線BLに正電位を与える(図15)。これにより、“0”データが与えられたセルでは、ドレイン接合が順方向バイアスになり、バルク領域の過剰ホールが放出される。“1”データが与えられたセルでは、大きなドレイン電流が流れてドレイン近傍でインパクトイオン化が起こり、バルク領域に過剰ホールが注入保持される。
【0034】
以上のようにこの発明によるDRAMセルは、他から電気的に分離されたフローティングのバルク領域を持つ単純なMOSトランジスタにより構成され、4F2のセルサイズが実現可能である。また、フローティングのバルク領域の電位制御は、ゲート電極からの容量結合を利用しており、例えばSOI基板裏面からのバックゲート制御は利用していない。ソース拡散層も固定電位である。即ち、読み出し/書き込みの制御は、ワード線WLとビット線BLのみで行われ、簡単である。更にメモリセルは基本的に非破壊読み出しであるので、センスアンプをビット線毎に設ける必要がなく、センスアンプのレイアウトは容易になる。更に電流読み出し方式であるので、ノイズにも強く、例えばオープンビット線方式でも読み出しが可能である。また、メモリセルの製造プロセスも簡単である。
【0035】
また、SOI構造は、今後のロジックLSIの性能向上を考えたときに重要な技術となる。この発明によるDRAMは、この様なSOI構造のロジックLSIとの混載を行う場合にも非常に有望である。キャパシタを用いる従来のDRAMと異なり、ロジックLSIのプロセスと異なるプロセスを必要とせず、製造工程が簡単になるからである。
【0036】
更に、この発明によるSOI構造のDRAMは、従来の1トランジスタ/1キャパシタ型のDRAMをSOI構造とした場合に比べて、優れた記憶保持特性が得られるという利点がある。即ち従来の1トランジスタ/1キャパシタ型のDRAMをSOI構造とすると、フローティングの半導体バルクにホールが蓄積されてトランジスタのしきい値が下がり、トランジスタのサブスレッショルド電流が増加する。これは記憶保持特性を劣化させる。これに対してこの発明による1トランジスタのみのメモリセルでは、記憶電荷を減少させるトランジスタパスは存在せず、データ保持特性は純粋にpn接合のリークのみで決まり、サブスレッショルドリークという問題がなくなる。
【0037】
実際にこの発明によるメモリセルが実用に耐え得るかどうかは、以下に挙げるような判断基準により判断される。
(a)バルク領域のホールの保持特性が十分か否か(10sec程度の保持時間が得られるか否か)。
(b)十分な“1”書き込みの速度が得られるか否か(書き込み速度10nsecが可能か、書き込み時に20nA程度以上のバルク電流が得られるか否か)。
(c)“0”書き込みの選択性が十分か(“0”データと“1”データのバルク電位の差ΔVB=1V程度が得られるか否か)。
(d)ゲートとバルク領域との間の容量がpn接合容量に比べて十分大きくとれるか、また“1”データのしきい値を大きくとれるか。
以下にこれらの判断基準の検証を行う。
【0038】
[メモリセルの容量・保持時間・リーク電流について]
1G個のメモリセルを持つDRAMのメモリセルの記憶保持時間の平均値をRT=10secと考える。0.1μmルールでメモリセルのゲート酸化膜厚をtox=2.5nmとすると、ゲート酸化膜容量は、14fF/cm2であるので、ゲート面積を0.01μm2として、ゲート酸化膜容量Coxは、Cox=0.14fFとなる。後に説明するpn接合容量Cj=0.08fFを含めると、全容量はCtotal=0.22fFとなる。
【0039】
このゲート容量に電荷を蓄積した場合、記憶保持時間RT=10secの間に、ΔV=0.1Vの電位変化をさせるセル当たりのリーク電流Ileak/nodeは、下記数1となる。
【0040】
【数1】
Ileak/node=Ctotal・ΔV/RT=2.2×10-18A/node
【0041】
SOI基板上のシリコン層の厚みを100nmとして、pn接合面積は、0.1μm×0.1μm×2=0.02μm2であるので、単位面積当たりのリーク電流Ileak/areaを求めると、下記数2となる。
【0042】
【数2】
Ileak/area=2.2×10-18/0.02=1.1×10-16A/μm2
【0043】
SOI基板上のpn接合の2V程度の逆バイアス時のリーク電流がこの程度以下であれば、平均セルの記憶保持時間RT=10secが保証されることになり、1トランジスタ/1キャパシタのDRAMと同程度の記憶保持特性が得られることになる。ちなみに、これまでのところ、SOI基板上のpn接合のリーク電流として、1〜3×10-17A/μm(ワード線方向1μm当たり)という値が報告されている(1995Symp.VSLI Tech.,p.141)。これからも、上の記憶保持特性が十分実現可能と思われる。
【0044】
[“1”書き込み時間とバルク電流]
書き込み時間は、セルノード(ゲート)の容量とバルク電流Isubで決まる。ゲート容量は上述のように、Ctotal=0.22fFとする。書き込み時間の仕様をtwr=10nsecとして、この時間内にバルク領域にΔV=1Vの電圧を書き込むのに必要なバルク電流は、下記数3となる。
【0045】
【数3】
【0046】
セルトランジスタのチャネルを流れるドレイン電流Idsが10μAとして、上のバルク電流Isubはその約2/1000である。ドレイン・ソース間電圧Vds=2V程度を与えれてインパクトイオン化を起こさせれば、必要なバルク電流を流すことができる。
【0047】
[“0”書き込みの選択性と信号量]
メモリセルのC−Vカーブ(ゲート・バルク間の電圧Vgbと容量Cgbの関係)は、図16のようになる。バルク領域のアクセプタ濃度をNA=1018/cm3として、フラットバンド電圧はVFB=−1.2Vである。ワード線電圧Vwl=1Vで“1”書き込みを行ったとし(バルク電位VB=0.6V)、書き込み後、ワード線電位を下げていくと、最初はチャネル反転層によりシールドされているため、容量Cgbはゼロである。また“1”セルのしきい値をVth1=0Vと仮定すれば、ワード線電位を0Vまで下げてもバルク電位VBは変化せず、容量Cgbが顕在化するのは、ワード線電位がしきい値電圧Vth1即ち、Vwl=0Vの点である。このとき、ゲート・バルク間電圧はVgb=−0.6Vである。
【0048】
また、pn接合の単位面積当たりの容量は、NA=1018/cm3 で、ドレイン電圧Vd=0Vの場合、4fF/μm2である。接合面積が0.1μm×0.1μm×2=0.02μm2の場合、pn接合の容量は、Cj=0.08fFとなる。図16において、Vgb=−0.5VでのCgb/Coxを0.8とすると、Cox=0.14fFの場合、ゲート電圧のバルク領域に対する容量結合比λは、下記数4となる。
【0049】
【数4】
【0050】
従って、ワード線電位が下がってきて、ゲートとバルク間の容量Cgbが見え始めたときの、ワード線の電位変化に対するバルク領域の電位変化の比は、60%程度である。更にワード線電位を下げると、バルク電位も下がるが、Vgbは−0.5Vよりも負側に大きくなっていく。これに伴って、容量Cgbは大きくなり、容量結合によってバルク電位を下げることができる。最終的に、図16に示すようにワード線電位Vwl=−1.3Vまで下げたとして、平均の容量結合比λを0.6とすると、バルク領域は、最初の0.6Vから、ΔVB=1.3V×0.6=0.78Vだけ下がり、−0.18Vになる。このとき、Vgb=−1.12Vである。
【0051】
即ち、過剰ホール注入によりバルク電位がVB=0.6Vとなる“1”データ書き込みを行った後、ワード線電位をVwl=−1.3Vとしてデータ保持するとき、容量結合によりバルク電位は−0.18Vを保持する。この状態で、ある選択セルについてビット線電位を負電位に下げて“0”書き込みを行ってバルク電位を下げる場合、バルク電位が−0.18V以下になる条件では、ワード線電位が−1.3Vの非選択セルにおいてもバルクのホールがドレインに流れて、データが破壊される。従ってデータ破壊を起こさないための“0”データ書き込み時のバルク電位の最小値は−0.18Vということになる。“1”データの書き込み電圧の最大値は、ビルトイン電圧0.6Vであるので、信号量の最大値は、0.6V−(−0.18V)=0.78Vとなる。従って、上述のΔVBそのものが“0”データと“1”データの信号量差(バルク電位の差)となる。
【0052】
[非破壊読み出し性の確認]
前述のようにこの発明によるメモリセルは、原理的に非破壊読み出しが行われる。実際に非破壊読み出しを保証するためには、
(1)“0”データのセルに読み出し動作を繰り返しても、バルク領域にホール注入がなされないこと、
(2)“1”データのセルに読み出し動作を繰り返しても、バルク領域のホールがなくならないこと、
を確認することが必要である。
【0053】
このときの繰り返し回数の最大値Nmaxは、あるリフレッシュと次のリフレッの間(例えば128msec)に、同一セルについて読み出し動作(100nsec)を連続させた場合に相当するので、Nmax=128msec/100nsec=1.28×1016回程度となる。バルクのホール蓄積状態を保持する“0”データの非破壊性(1)の方がクリティカルになると思われる。従って読み出し時電流を流すとしても、例えばVds=0.5V程度での低電流の線形領域での読み出しを行うことが必要であろう。或いは先の第1の読み出し方式のように、“0”データのセルには電流を流さない方式を採用することが、非破壊性を保証する上で好ましい。
【0054】
以上において、この発明によるDRAMの基本的な実現可能性を示す判断基準の検証を行った。次に、更に具体的にこの発明によるDRAMの性能を解析した結果を順次説明する。
【0055】
[読み出し時のビット線電位変化について]
先に、図12及び図13で説明した第2の読み出し方式、即ちビット線に一定電流を供給して読み出し行う場合の、ビット線の電位変化を検証する。図17は、この検証に用いる等価回路である。簡単にために、ビット線BLの電位は0Vにプリチャージされており、ワード線WLの電位Vwlは、t>0において、下記数5に示すように、メモリセルMCのしきい値Vth(Vth0,Vth1)以上に設定されているものと仮定する。
【0056】
【数5】
Vwl>Vth
【0057】
ビット線BLには、t>0において、Icなる一定電流が供給されるものとし、この電流Icは、下記数6に示すように、セルトランジスタのVgs=Vwlでの飽和電流Idsatに比べて小さいものとする。
【0058】
【数6】
Ic<Idsat=(k/2)(Vwl−Vth)2
但し、k=(W/L)(εox/tox)μeff
【0059】
このとき、ビット線BLの電位Vblの変化は、セルトランジスタのドレイン電流をIdsとして、下記数7で表される。
【0060】
【数7】
dVbl/dt=(1/Cbl)(Ic−Ids)
【0061】
セルトランジスタは線形領域で動作しているので、Vbl<Vwl−Vthが成り立ち、このときセルトランジスタのドレイン電流Idsは下記数8で表される。
【0062】
【数8】
Ids=k[Vwl−Vth−(1/2)Vbl]Vbl
【0063】
数8を数7に代入して積分すれば、下記数9を得る。
【0064】
【数9】
Vbl=α・β[1−exp(t/t0)]/[β−α・exp(t/t0)]
但し、α=Vwl−Vth+[(Vwl−Vth)2−2Ic/k]1/2
β=Vwl−Vth−[(Vwl−Vth)2−2Ic/k]1/2
t0=2Cbl/[k(α−β)]
【0065】
数5と数6の仮定から、α>β>0を満たす。従って、数9は、時間tに関して下に凸の増加関数であり、Vbl(0)=0,Vbl(∞)=βである。
図18は、数9の計算結果を示す。“0”データのセルのしきい値をVth0=0.3V、“1”データのセルのしきい値をVth1=−0.3V、ダミーセルのしきい値をVthd=0.05V、ビット線容量をCbl=100fF、セル電流の利得係数をk=2.0×10-5(A/V2)と仮定し、またIc=0.9Idsat=13μA、Vwl=1.5Vを用いて、“0”データのときのビット線電圧Vbl0、“1”データのときのビット線電圧Vbl1を、それぞれの信号電圧Vsig0,Vsig1及び参照ビット線の電圧Vbldと共に示している。この結果から、ワード線を立ち上げてから、10nsec後に、100mVの信号が得られていることがわかる。
【0066】
ダミーセルについては、メモリセルと同じ構造のMOSトランジスタでバルク電位を適当に設定できるタイプであることが好ましい。何故なら、メモリセルのしきい値のプロセス変動や温度変動に自己整合的に追随するからである。この場合ダミーセルのバルク電位を選択することにより、“0”,“1”データの信号量を最適設定することが可能になる。
【0067】
[“0”書き込み速度について]
この発明においては、“0”書き込みは、前述のようにメモりトランジスタのp型バルク領域とn型ドレインのpn接合を順バイアスすることにより、バルク領域のホールを抜き取る。この“0”書き込みの速度について、図19の等価回路を用いて以下に検討する。
【0068】
t=0において、pn接合は、p層,n層共に2.2Vで平衡状態にあるとする。t>0で、n側を0Vにしたとき、容量Cを持つバルク(p型層)の電位がどの様に変化するかを計算する。時刻tでのp型層の電位をVとすれば、下記数10が成立する。
【0069】
【数10】
【0070】
ここで、Iはpn接合の電流であり、下記数11で表される。
【0071】
【数11】
I=Is[exp(V/η・Vt)−1]
【0072】
数11において、Isは飽和電流、ηは1〜2の間の係数、Vtは熱電圧(Thermal Voltage)であり、Vt=kT/qである。数11を数10に代入して積分すると、下記数12が得られる。
【0073】
【数12】
V=η・Vt・ln[1/{1−[1−exp(-V0/η・Vt)]exp(-t/t0)}]
【0074】
ここで、t0は、t0=C・η・Vt/Isで与えられる時定数である。数12を、下記数13の数値を用いて数値計算した結果が、図20である。
【0075】
【数13】
Is=Js・Aj
Js=6.36×10-5A/m2
Aj=0.01μm2
T=85℃
Vt=0.0309
η=1
t0=10.7sec
V0=2.2V
【0076】
図20の数値計算結果から、“0”書き込み時、1nsec程度でバルク(p型層)の電位は0.7V以下に落ち着くことがわかる。
【0077】
[バルク領域の電位変化について]
先に、“0”書き込みの選択性に関して、図16を参照してワード線電位とバルク電位の関係を説明したが、以下において更に詳細にバルク電位変化を検討する。即ち、正のワード線電位Vwlで書き込みを行った後、ワード線電位を負に下げてデータを保持し、再度ワード線を正電位に上げて読み出し電位Vrにて読み出しを行う動作において、バルク領域でどの様な電位変化を示すかを、詳細に説明する。
【0078】
セルトランジスタのゲートとSOI基板のバルク(p型層)の間の単位面積当たりの容量Cgbは、ゲートとバルク間の電位差Vgbを用いて、下記数14で表される。
【0079】
【数14】
Cgb/Cox=1/[1+2・lD2(Vgb−δ)/Vt]1/2
【0080】
ゲート酸化膜の単位面積当たりの容量Coxは、誘電率εoxと酸化膜厚toxを用いて、Cox=εox/toxで表される。lDは、デバイ長(Debye Length)LDを、γ=(εsi/εox)toxで規格化した無次元数であり、下記数15で与えられる。
【0081】
【数15】
【0082】
ここで、パラメータδを以下の条件により決定する。即ち、数14は、バルクに拡がる空乏層の厚さwp(これは、実際の空乏層の厚さWpをやはりγにより規格化して無次元化したもの)が下記数16で表されることから導かれている。
【0083】
【数16】
wp=−1+[1+lD2(Vgb−δ)/Vt]1/2
【0084】
ここで、Vgb=VFB(フラットバンド電圧)で、wp=lDとなるという条件、つまり下記数17を与える。
【0085】
【数17】
lD=−1+[1+lD2(Vgb−δ)/Vt]1/2
【0086】
この数17を解くと、パラメータδは下記数18となる。
【0087】
【数18】
δ=VFB−(1+2/lD)Vt
【0088】
数14と数18から、CgbのVgb依存性が求められるが、これは広範なVgbの領域をカバーしない。そこで、ゲート・ソース間電圧Vgsがトランジスタのしきい値Vthを越えた場合には、Cgb=0とすると共に、Cgb/Coxが1を越える場合にはこれを1と置き換えるものとして、広範なVgbの値に対するCgbの値を計算する。
【0089】
その計算結果を、図21に示す。これは、“0”データのセルのワード線とバルク間の電圧Vgbと容量Cgbの関係を、ワード線がp型多結晶シリコンゲートの場合について、求めた結果である。条件は、tox=2.5nm、NA=5×1018/cm3、温度85℃、VFB=0.1v、Vth0=1.5v、VB=−0.7V、Cox=0.14fF、Cj=0.08fFである。
【0090】
一方、ゲート電圧の変化ΔVgに対するバルクの電位変化ΔVbは、下記数19で表される。
【0091】
【数19】
ΔVb=[Cgb/(Cgb+Cj)]ΔVg
【0092】
ここで、Cjはバルクに直列に入る容量(先に説明したpn接合容量)であり、これを一定として、数19を変形すると、数20が得られる。
【0093】
【数20】
ΔVg=(1+Cgb/Cj)ΔVgb
【0094】
数20を積分すると、下記数21となる。
【0095】
【数21】
【0096】
数21を書き換えると、数22となる。
【0097】
【数22】
【0098】
この数22を計算すれば、ゲート電圧Vwl(ワード線)の電圧変化ΔVgからバルク電圧VBの変化ΔVbを求めることができる。“0”データのセルについて、先の図21の計算の場合と同じバラメータ条件の下で計算した結果を、図22に示す。この結果から例えばワード線を2.0Vで“0”書き込みを行い、バルクを−0.7Vにし、ワード線を−2Vに下げてデータ保持すると、このときバルク電位は−2.1Vに保持されることがわかる。更にワード線を1.0Vに上げて読み出しを行うと、バルクは−0.9V程度までしか上昇しない。即ち、“0”データのセルについては、読み出し時には書き込み時よりバルク電位は低く、従って読み出しマージンが0.2V拡がることになる。
【0099】
同様の計算を、“1”データセルについて行った結果を、図23に示す。またこのときの容量Cgbの電圧Vgb依存性を図24に示す。用いたパラメータは図21及び図22の場合と同じである。“1”データの場合、書き込み直後にバルクは0.6Vになり、ワード線が−2.0Vで保持される状態ではバルクは、−1.0Vになることがわかる。“0”データの書き込みは、原理的にバルク電位−1.0Vまでできるが、“0”書き込みで−1.5Vまで下げたビット線を0Vに戻すときのpn接合の容量カップリング(カップリング比は18%)でバルクは0.3V上がり、−0.7Vになる。従って図22の“0”データの場合書き込み直後の電位を−0.7Vとしている。
【0100】
“1”書き込みの場合にも同様に、ビット線からの容量カップリングがあるが、“0”書き込みと異なるのは、バルク電流Isubを流して“1”データを書いている最中、下記数23で示す電位Vまで、ビルトイン電圧0.6Vより上昇していることである。
【0101】
【数23】
Isub=Is[exp{V/(η・Vt)−1}]
【0102】
Isub=14nA、Is=6.36×10-20A、Vt=0.031V、η=1.2を代入すると、V=0.96Vを得る。従って、バルク電位は“1”データ書き込み直後は1V近くあり、ビット線が1.5Vから0Vに下がってカップリングで0.3V下がるとしても、0.6V以上あり、その後のダイオードの順方向電流により、0.6Vになる。即ち、実質的に“1”データ書き込み直後のバルク電位は、0.6Vになっていると考えられる。
【0103】
ここまで計算は、フラットバンド電圧をVFB=0.1Vとした場合である。これは、SOI基板のp型シリコン層上にp型多結晶シリコンによるゲート電極(ワード線)を形成した場合に対応する。次に、同じSOI基板に、n型結晶シリコン膜によりゲート電極を用いた場合について、同様の計算を行った結果を示す。この場合、フラットバンド電圧は、VFB=−1.1Vとなる。
【0104】
図25は、“1”データセルについて、容量Cgb−電圧Vgbを求めた結果である。図26は同様に、“1”データセルについて、ワード線電圧Vwlとバルク電圧VBの関係を求めた結果である。フラットバンド電圧以外のパラメータは、先の図21及び図22の場合と同様である。いずれも、しきい値はVth1=0Vとしている。
【0105】
これらの結果から、“0”データのしきい値Vth0=1Vを確保できるものとして、ワード線は書き込み時1.5V、読み出し時0.5Vである。データ保持時のワード線電圧を−2.5Vとすれば、“1”データセルのバルクは、−0.8Vまで下がる。従って、p型多結晶シリコンゲートを用いた、VFB=0.1Vの場合に比べて、同一ワード線振幅に対して、0.2Vだけ不利になる。
【0106】
図27と図28は、同様に“0”データセルについて、FB=−1.1Vの場合の容量Cgb−電圧Vgb特性と、ワード線電圧Vwl−バルク電圧VB特性を求めた結果である。しきい値は、Vth0=1Vとした。“0”データ書き込み直後のバルク電位は−0.8Vであるが、ビット線がプリチャージ電位0V付近に戻ると、pn接合のカップリングによりバルク電位は0.3Vだけ浮き上がり、−0.5Vになっているものと仮定している。この場合も、書き込み時のワード線は1.5Vであるが、読み出し時は0.5Vであるので、バルク電位は0.15Vだけ回復し、−0.65Vになっている。
【0107】
以上のp型多結晶シリコンゲートの場合と、n型多結晶シリコンゲートの場合の動作条件をそれぞれ表にまとめると、下記表1及び表2となる。
【0108】
【表1】
p型多結晶シリコンゲートの場合
Vwl(read)=1V
Vwl(hold)=−2V
Vwl(write)=2V
Vbl(“0”write)=−1.6V
Vbl(“1”write)=1.6V
Vth0=1.5V
Vth1=0.5V
“1”データセルの読み出し時のバルク電位VB=0.6V
“0”データセルの読み出し時のバルク電位VB=−1V
【0109】
【表2】
n型多結晶シリコンゲートの場合
Vwl(read)=0.5V
Vwl(hold)=−2.5V
Vwl(write)=1.5V
Vbl(“0”write)=−1.4V
Vbl(“1”write)=1.4V
Vth0=1.0V
Vth1=0V
“1”データセルの読み出し時のバルク電位VB=0.6V
“0”データセルの読み出し時のバルク電位VB=−0.6V
【0110】
なお、以上の表1,2において、“1”書き込み時のビット線レベルVbl(“1”write)は、基板電流(ホール電流)と書き込み時間で決定されるべきもので未定であるが、仮の設定値を示している。以上により、p型多結晶シリコンゲートを用いることの有利性が明らかになった。ワード線振幅はいずれの場合も、4Vである。これを更に低電圧化するには、以下の施策が必要になる。
(A)しきい値Vthのばらつきを小さくすること
(B)メモリセル電流を確保すること
(c)Cj/Coxの割合を小さくする
【0111】
(A)及び(B)に関しては、ここまでΔVth=Vth0−Vth1=1.0Vを仮定しているが、これは0.8V〜0.6V程度まで厳しく制御できる可能性がある。ΔVth=0.6Vを実現できるとすれば、ワード線振幅を2×1.2V=2.4Vまで小さく抑えられる可能性がある。
以下では、(C)について詳細に検討する。これは、ΔVthのマージンを減らすことなく、ワード線振幅の低電圧化を実現できる方法だからである。
【0112】
(C)の要請には、SOI基板のシリコン層の厚みTsiを、これまで想定してきた100nmより更に薄くすること、これと同時に或いは独立に、n型ソース、ドレイン拡散層の不純物濃度を低くすることにより応えることができる。前者は、pn接合面積の縮小により、pn接合容量Cjを小さくすることに対応する。後者は、空乏層がn型拡散層側にも延びる条件を与えるため、ソース、ドレイン拡散層とバルク領域の接合容量Cjをやはり小さくする。
【0113】
そこで、これまでの検証に用いた接合容量Cj=0.08fFに代わって、Cj=0.04fFと半分にした場合について、Cgb−Vgb曲線と、Vwl−VB曲線を、それぞれ図29及び図30に示す。Cj以外の条件は、図23及び図24と同じであり、ゲート電極はp型多結晶シリコンである。Cj=0.04fFは、シリコン層厚みを50nmとした場合に相当する。
【0114】
この結果から、“1”データセルについて、0.6Vのバルク電位が書き込まれた後、ワード線を−2.0Vまで下げると、バルク電位は−1.3Vまで下がる。従って、バルク電位を−1Vまで下げるに必要なワード線電位、即ちデータ保持に必要なワード線電位Vwl(hold)は、Vwl(hold)=−1.6Vであることがわかる。
【0115】
同様に、“0”データセルについて、Cj=0.04fFを用いた場合のCgb−Vgb曲線と、Vwl−VB曲線を、それぞれ図31及び図32に示す。Cj以外の条件は、先の図21及び図22の場合と同じである。
【0116】
以上のように、薄いシリコン層(Tsi=50nm)のSOI基板を用いて、Ciを小さくした場合のDRAMセルの動作条件を、表1に対応させてまとめると、下記表3のようになる。
【0117】
【表3】
Vwl(read)=0.8V
Vwl(hold)=−1.6V
Vwl(write)=1.6V
Vbl(“0”write)=−1.6V
Vbl(“1”write)=1.6V
Vth0=1.3V
Vth1=0.3V
“1”データセルの読み出し時のバルク電位VB=0.6V
“0”データセルの読み出し時のバルク電位VB=−1V
【0118】
以上の結果から、シリコン層厚みTsiを100nmから50nmと半分に薄くして容量Cjを小さくすると、ワード線振幅を4Vから3.2Vまで低減できることがわかる。注目すべきは、依然として、データ“0”,“1”のしきい値の差ΔVthとして、1Vを確保できていることである。
【0119】
SOI基板のシリコン層を更に30nm程度まで薄くできれば、更に低電圧化を実現することが可能である。しかし、あまりシリコン層を薄くすると、シリコン層が完全空乏化し、メモリ機能自体が失われる危険がある。従って、シリコン層の厚みは50nm程度が適当と思われる。
【0120】
図33は、バルク電位VBが−1Vと0.6Vでのしきい値の差ΔVthと、シリコン層の不純物濃度NAの関係を示している。但し、ゲート酸化膜厚がTox=2.5nm、温度がT=85℃の場合である。これから、ΔVth=1Vを確保するためには、NA=1.0×1019/cm3程度が必要であることがわかる。これは少し、不純物濃度が濃すぎるため、NA=0.8×1018/cm3に設定して、ΔVth=0.8Vとする。このとき、表3の動作条件は少し訂正され、下記表4のようになる。
【0121】
【表4】
Vwl(read)=0.7V
Vwl(hold)=−1.6V
Vwl(write)=1.4V
Vbl(“0”write)=−1.6V
Vbl(“1”write)=1.4V
Vth0=1.1V
Vth1=0.3V
“1”データセルの読み出し時のバルク電位VB=0.6V
“0”データセルの読み出し時のバルク電位VB=−1V
【0122】
表4において、“1”書き込み時のビット線レベルVbl(“1”write)は、基板電流(ホール電流)と書き込み時間で決まるため、1.4Vは仮の設定値である。セルトランジスタをLDD構造ではなく、通常の構造として、基板電流Isubを増やすことにより、この程度の低電圧化が可能と考えられる。
【0123】
上の動作条件では、セルトランジスタに係る最大電圧は、3.0Vである。ゲート酸化膜厚はTox=2.5nmとしており、従ってゲート酸化膜には、12MV/cm程度の電界が、“1”データ書き込みの瞬間にかかり、信頼性に不安がある。しかし、信頼性を確保するためにゲート酸化膜厚を大きくすることは、バルク電位を制御するための容量結合比を悪化させるため、好ましくない。従って、ゲート絶縁膜については、シリコン酸化膜に代わって、誘電率の高いAl2O3等の他の絶縁膜を用いることが好ましい。
【0124】
更なる低電圧化のためには、SOI基板のシリコン層の厚みTsiを30nm程度まで薄くすること、セルトランジスタのしきい値制御性を良くすると共に、移動度を大きくとれるようにすること、が望まれる。これらを考慮して、2.0V〜2.5V程度までの低電圧化が可能と思われる。
【0125】
図33に示すしきい値の差ΔVthのときに確保できる“1”書き込みセルトランジスタのセル電流Ids1と、それに対応するデータ読み出し時間Δtをそれぞれ図34及び図35に示す。セル電流はIds1=(k/2)(ΔVth/2)2により求めている。また、読み出し時間Δtは、読み出し時のワード線電位をVth1とVth0の中間に設定して、“1”データのセルのみをオンさせ、容量Cbl=100fFのビット線をプリチャージ電位から200mV放電するまでの時間として求めている。
この結果から、NA=6×1018/cm3において、Ids1=1.4μA、Δt=15nsecが得られている。
【0126】
図36は、“1”データセルのホールド時のバルク電位VBがしきい値Vth1との関係でどこまで下がるかを調べた結果である。条件は、ゲート酸化膜厚tox=2.5nm、不純物濃度NA=5×1018/cm3、フラットバンド電圧VFB=0.1V、“1”データのバルク電位VB1=0.6V、ゲート酸化膜容量Cox=0.14fF、接合容量Cj=0.04fFである。またワード線のホールド電位は、Vwl=Vth1−2Vである。
【0127】
この結果から、Vth1=0.5V以上では、ホールド時のバルク電位はVth1と共に上昇している。Vth1<0.5Vでは、バルク電位は−0.93Vに飽和している。これは、Vth1<0.5V以下までワード線が下がると、容量Cgbがゲート酸化膜容量Coxとして飽和することを意味している。
従って、フラットバンド電圧VFB=0.1Vのとき、つまりゲート電極がp型多結晶シリコン膜のとき、Vth1<0.5Vに設定すべきである。一方、ΔVth=Vth0−Vth1=0.8Vを確保できることがわかっているので、Vth0<1.3Vである。従って、Vth0=1.1V、Vth1=0.3Vは良い選択であると言える。
以上の動作ポイントをまとめると、下記表5のようになり、またデバイスパラメータをまとめると、下記表6のようになる。
【0128】
【表5】
Vth0=1.1V、Vth1=0.3V
Vwl(read)=0.7V
Vwl(hold)=−1.7V
Vwl(write)=1.5V
Vbl(“0”write)=−1.5V
Vbl(“1”write)=1.5V
VB(“1”read)=0.6V
VB(“0”read)=−1.0V
VB(“1”write)=0.6V
VB(“0”write)=−0.9V
VB(“1”hold)=−1.0V
VB(“0”hold)=−2.4V
Vmax=3.2V(非選択WLと“1”書き込みBLとの間のVds)
【0129】
【表6】
p型多結晶シリコンゲート
NA=5×1018/cm3
tox=2.5nm
チャネル長L=0.1μm、チャネル幅W=0.1μm
Tsi=50nm
k=(W/L)(εox/tox)μeff=2.0×10-5A/V2
【0130】
このときDRAMセルの読み出し特性は、ビット線容量Cbl=100fFに、200mVの電位差をつけるまで時間が、Δt=15nsecとなる。
【0131】
図37は、VFB=−1.1Vの場合(即ち、n型多結晶シリコンゲートの場合)について、同様に“1”データセルのホールド時のバルク電位VBがしきい値Vth1との関係でどこまで下がる調べた結果である。他の条件は、図36と同様である。この場合も、Vth1<0.5Vとすべきことが示唆される。このときの動作ポイント及びデバイスパラメータは、表5及び表6に対して、下記表7及び表8となる。
【0132】
【表7】
Vth0=0.1V、Vth1=−0.7V
Vwl(read)=0.3V
Vwl(hold)=−2.7V
Vwl(write)=0.5V
Vbl(“0”write)=−1.5V
Vbl(“1”write)=0.5V
VB(“1”read)=0.6V
VB(“0”read)=−1.0V
VB(“1”write)=0.6V
VB(“0”write)=−0.9V
VB(“1”hold)=−1.0V
VB(“0”hold)=−2.4V
Vmax=3.2V(非選択WLと“1”書き込みBLとの間のVds)
【0133】
【表8】
n型多結晶シリコンゲート
NA=5×1018/cm3
tox=2.5nm
チャネル長L=0.1μm、チャネル幅W=0.1μm
Tsi=50nm
k=(W/L)(εox/tox)μeff=2.0×10-5A/V2
【0134】
このときDRAMセルの読み出し特性は、ビット線容量Cbl=100fFに、200mVの電位差をつけるまで時間が、Δt=15nsecとなる。但し、Vbl(“1”write)が0.5Vで十分な基板電流Isubが流れるか否かが問題であり、これを0.5V以上に上げなければならないとすると、その分最大電圧Vmaxが上昇する。この点で、p型多結晶シリコンをゲート電極に用いる方が有利である。つまり、読み出し特性及び“1”書き込み特性から決まるしきい値Vth0に対して、書き込み時のワード線レベルVwl(write)が決まるが、これとは独立に“1”書き込み特性から決まるビット線電位Vbl(“1”write)がこのワード線電位Vwlよりも高くなる場合は、Vmaxは、Vbl(“1”write)−Vwl(h0ld)で決まる。もし、Vwl(Write)≧Vbl(“1”write)であれば、Vmax=Vwl(write)−Vwl(hold)であり、動作電圧を最小化できる。
【0135】
以上の計算は、あくまで標準的なDRAMセルについてである。実際は、プロセス起因のロット間、ウェハ間、ウェハ内、チップ内のセルトランジスタのしきい値やkの変動、ビット線容量の変動、設計的ワード線レベルの変動等がある。またビット線間のカップリングノイズも考慮する必要がある。
【0136】
これ以外にも、温度によるしきい値Vthの変動が含まれる。メモリセルと同じ構造の参照セルを用いた場合には、しきい値変動の要素のある部分は補償されて、影響が出ないようにすることが可能である。言い換えると、この様にすることで、基本的には上記しきい値変動の要素のチップ内でのばらつきのみに制限することができる。
また温度変動に伴うしきい値変動は、システム的に完全にキャンセルすることが可能である。
【0137】
この発明によるメモリセルは前述のように、原理的に非破壊読み出しであり且つ、電流読み出しである。図38は、このメモリセルセル特性を利用したセンスアンプのレイアウト例を示す。対をなすビット線BL,bBLはセンスアンプSAの両側に配置して、オープンビット線方式としている。ビット線対BL,bBLの一方でワード線WLが活性化されたとき、他方ではダミーセルDCを選択するダミーワード線DWLが活性化されるようになっている。ダミーセルDCは、メモリセルMCと同様のMOSトランジスタにより構成され、そのバルク領域にデータ“0”,“1”の中間的なバルク電位を与えるものとする。
【0138】
図の例では、二つのビット線対BL,bBLが選択ゲートSGにより選択されて一つのセンスアンプSAに接続される。あるセンスアンプSAにつながるビット線と隣のセンスアンプSAにつながるビット線とは交互に配置される。この場合、一つのワード線WLにより同時に選択される4個のメモリセルMCに対して、センスアンプSAは二つである。即ち、同時に選択される4個のメモリセルMCのデータのうち、実際にセンスアンプSAで検出されるのは二つであり、残りのメモリセルデータは、読み出されるもののセンスアンプには送られない。この発明では、通常のDRAMにおけるような破壊読み出しではないため、この様なセンスアンプ方式が可能になる。
【0139】
ところで、この発明によるDRAMセルを0.1μmルールのDRAM世代として実現する上では、次の二つの条件を両立させることが重要になる。
・条件1:基板バイアス効果を十分に利用すること
・条件2:pn接合のリーク電流を小さくすること
これらの条件1,2は、バルク領域の不純物濃度に関して相反する要請になる。
【0140】
条件1は、大きな基板バイアス効果により、“0”,“1”データのしきい値電圧差を大きくするために必要であり、そのためには図1のp型シリコン層12(バルク領域)の不純物濃度(アクセプタ濃度)NAが例えば、NA=5×1018/cm3以上必要である。この事情を図40により説明する。図40は、バルク電位VBとNMOSトランジスタのしきい値Vthとの関係がアクセプタ濃度NAにより異なる様子を示している。
【0141】
アクセプタ濃度がNA1のとき、“0”,“1”データのしきい値電圧差をΔVth1、これより低いアクセプタ濃度NA2のときのしきい値電圧差をΔVth2とすると、ΔVth1>ΔVth2となる。即ち、“0”,“1”データのしきい値電圧差を大きくするためには、アクセプタ濃度がある程度以上高いことが必要になる。
なお、NA=5×1018/cm3以上のアクセプタ濃度濃度は、チャネル長がL=0.1μm程度の微細MOSトランジスタでの確実な動作を行わせるにも必要である。
【0142】
一方、条件2は、データ保持特性を保証する上で必要になり、この場合バルク領域の不純物濃度は当然低い方がよい。0.1μmルールのDRAM世代で、バルク領域に10秒間データを保持するためには、ソース、ドレインのpn接合リークを、3×10-17A/cm2以下に抑えることが必要になる。また、リーク電流の主成分であるトンネル電流を下げるためには、pn接合部に形成される空乏層内の電界は、2.5×105V/cm以下に抑えなければならない。これは、バルク領域のアクセプタ濃度がNA=1.0×1017/cm3以下で実現できる値である。条件1から要請される上述のアクセプタ濃度では、空乏層内の電界は、1.7×106V/cm(2Vの逆バイアス時)となり、条件2の要請を満たすことができない。
【0143】
図39は、以上のような相反する条件1,2を満たす可能性を持つ実施の形態のDRAMセルMCの構造を、図1に対応させて示している。図1のセル構造との相違は、p型シリコン層12からなるバルク領域にある。即ちこの実施の形態の場合、バルク領域を、ドレイン、ソース拡散層14,15に接するボロン濃度(アクセプタ濃度)が比較的低いp型拡散層12aと、ドレイン、ソース拡散層14,15からは離れたチャネル長方向の中央部に配置されたボロン濃度(アクセプタ濃度)が高いp+型拡散層12bとから構成している。p+型拡散層12bは、底部のシリコン酸化膜11に達する深さに形成されている。
【0144】
このセル構造は、等価的に、しきい値電圧が高いNMOSトランジスタをしきい値電圧の低い二つのNMOSトランジスタで挟んだ形になっている。このとき全体のしきい値電圧は、中央部のp+型拡散層12bにより支配される。一方、ドレイン、ソース拡散層14,15は、低濃度のp型拡散層12aとの間でpn接合を構成しているから、バルク領域全体を高濃度のp+型拡散層で形成する場合に比べて、リーク電流が小さくなる。以上の結果、上述した相反する二つの条件1,2を満たすことが可能になる。
【0145】
具体的に、図39のセル構造により効果が得られるかどうか、またどの様な濃度設定や位置設定が必要か、等について、以下に検討結果を説明する。まず、予備的な検討として、図41(a)(b)に示すように、n型拡散層(ドナー濃度ND)とp型拡散層(アクセプタ濃度NA)のpn接合に、電圧Vの逆バイアスを与えたときの空乏層の拡がり、及び内部電界Eの強度分布を求める。pn接合は急峻な接合(abrupt junction)であると仮定する。図41に示すように、pn接合を横切る方向にx軸を定義する。
このとき、n型拡散層及びp型拡散層内の電位をφD,φAとし、空乏層のn型拡散層内の先端位置を−xn、p型拡散層内での先端位置をxpとして、ポアソンの方程式及び、n型拡散層とp型拡散層内の電界ED,EAは、数24で表される。εはシリコンの誘電率である。
【0146】
【数24】
d2φD/dx2=−(q/2ε)ND (−xn<x<0)
d2φA/dx2=(q/2ε)NA (0<x<xp)
ED=−dφD/dx (−xn<x<0)
EA=−dφA/dx (0<x<xp)
【0147】
境界条件は、ビルトインポテンシャルをφbiとして、次の数25で表される。
【0148】
【数25】
ED(−xn)=0
φD(−xn)=φbi+V
ED(0)=EA(0)
φD(0)=φA(0)
EA(xp)=0
φA(xp)=0
【0149】
これらの境界条件を入れて、数24を解くと、次の数26が得られる。
【0150】
【数26】
ED=(q/ε)ND・x+A (−xn<x<0)
φD=−(q/2ε)ND・x2−A・x+B (−xn<x<0)
EA=−(q/ε)NA・x+C (0<x<xp)
φA=(q/2ε)NA・x2−C・x+D (0<x<xp)
【0151】
数26において、A〜Dは、数25の境界条件で決まる定数である。数26の解を数25の境界条件の式に代入すると、次の数27が得られる。
【0152】
【数27】
−(q/ε)ND・xn+A=0
−(q/2ε)ND・xn2+A・xn+B=φbi+V
A=C
B=D
−(q/ε)NA・xp+C=0
(q/2ε)NA・xp2−C・xp+D=0
【0153】
数27は、6個の未知数である、xn,xp,A,B,C及びDを決定する方程式である。これを解くことにより、下記数28を得る。
【0154】
【数28】
xn={2εNA(φbi+V)/qND(NA+ND)}1/2
xp={2εND(φbi+V)/qNA(NA+ND)}1/2
【0155】
また、最大電界強度Emaxは、x=0の点での電界であり、下記数29で表される。
【0156】
【数29】
【0157】
空乏層全体の幅W=xn+xpは、次の数30となる。
【0158】
【数30】
W={2ε(NA+ND)(φbi+V)/qNA・ND}1/2
【0159】
電界強度分布は、図41(b)に示したようになる。
以上の予備検討結果に基づいて、次に図42(a)(b)に示すように、p型拡散層が、高アクセプタ濃度NAと低アクセプタ濃度naの部分に分かれている場合を検討する。これは、図39の実施の形態のセル構造におけるドレイン接合側の構造に相当する。この場合も、接合は急峻接合であるものとする。距離軸は、先の予備検討の結果との比較のために、小文字xに代わって、大文字Xを用いる。p型拡散層に拡がる空乏層の先端位置Xpは、低アクセプタ濃度naの領域を越えて、Xp>Lであるものとする。
このとき、ポアソンの式及び電界の式は、数24に対して、p型拡散層を高アクセプタ濃度NAの領域と低アクセプタ濃度naの領域に分けて考えることにより、次の数31となる。高アクセプタ濃度NAの領域の電位φA,電界EAに対して、低アクセプタ濃度naの領域の電位,電界をそれぞれφa,Eaとして示す。
【0160】
【数31】
d2φD/dX2=−(q/2ε)ND (−Xn<X<0)
d2φa/dX2=(q/2ε)na (0<X<L)
d2φA/dX2=(q/2ε)NA (L<X<Xp)
ED=−dφD/dX (−Xn<X<0)
Ea=−dφa/dX (0<X<L)
EA=−dφA/dX (L<X<Xp)
【0161】
境界条件は、次の数32で表される。
【0162】
【数32】
ED(−Xn)=0
φD(−Xn)=φbi+V
ED(0)=Ea(0)
φD(0)=φa(0)
Ea(L)=EA(L)
φa(L)=φA(L)
EA(Xp)=0
φA(Xp)=0
【0163】
数31を解くと、下記数33が得られる。
【0164】
【数33】
ED=(q/ε)ND・X+A (−Xn<X<0)
φD=−(q/2ε)ND・X2−A・X+B (−Xn<X<0)
Ea=−(q/ε)na・X+C (0<X<L)
φa=(q/2ε)na・X2−C・X+D (0<X<L)
EA=−(q/ε)NA・X+E (L<X<Xp)
φA=(q/2ε)NA・X2−E・X+F (L<X<Xp)
【0165】
数33において、A〜Fは、数32の境界条件で決まる定数である。数33の解を数32の境界条件の式に代入すると、次の数34が得られる。
【0166】
【数34】
−(q/ε)ND・Xn+A=0
−(q/2ε)ND・Xn2+A・Xn+B=φbi+V
A=C
B=D
−(q/ε)na・L+C=−(q/ε)NA・L+E
(q/2ε)na・L2−C・L+D=(q/2ε)NA・L2−E・L+F
−(q/ε)NA・Xp+E=0
(q/2ε)NA・Xp2−E・Xp+F=0
【0167】
数34は、8個の未知数である、Xn,Xp,A,B,C,D,E及びFを決定する方程式である。これを解くことにより、下記数35を得る。
【0168】
【数35】
【0169】
ここで、数35におけるxnは、先に図41のpn接合について解いたn型拡散層への空乏層の伸びを示し、数28で表されるものである。また、最大電界Emaxは、X=0での電界であり、下記数36で表される。
【0170】
【数36】
Emax=A=(q/ε)ND・Xn
【0171】
このときの電界強度分布は、図42(b)に示した通りである。数35において、Lを0に限りなく近づけるか、或いはアクセプタ濃度naを限りなくNAに近づければ、Xn=xnとなることが確認される。
【0172】
以上の検討結果に基づいて、次に図39のセル構造の最適化条件を具体的に検討する。まず、図43は、p型拡散層の高アクセプタ濃度をNA=5×1018/cm3、低アクセプタ濃度をna=1×1017/cm3、n型拡散層のドナー濃度をND=1×1020/cm3、印加電圧をV=2.0V、周囲温度を85℃として、低アクセプタ濃度領域の幅Lと、空乏層の伸びXn,Xpの関係を求めた結果である。
【0173】
図39のセルにおいて、チャネル長が0.1μmであるとし、ソース、ドレインからの空乏層の伸びが対称であるとすれば、パンチスルーを生じないためには、Xp<5×10-6cmであることが必要である。この条件を満たすためには、図43から、L<4.0×10-6cm=0.04μmでなければならない。ある程度の余裕を見ると、L=0.02μmが妥当なところである。このとき、p型拡散層への空乏層の伸びXpは、高アクセプタ濃度NAの領域に0.01μm食い込んでいることがわかる。
【0174】
図43と同様の条件で、最大電界強度Emaxの距離L依存性を示すと、図44のようになる。上に求めた妥当な距離L=0.02μmのとき、最大電界強度は、Emax=9.0×105V/cmである。これは、バルク領域全体を高アクセプタ濃度NA=5×1018/cm3の領域のみで構成した場合と比べて、小さくなっているものの、まだ1/2程度までしか最大電界が弱められていない。更にこの電界の1/3程度まで小さくすることが望まれる。
【0175】
そこで次に、図42において、n型拡散層のドナー濃度NDを低くする効果を検討する。これは、空乏層がn型拡散層側にもより延びることになり、最大電界強度を弱めることが期待されるためである。
図45は、図43に対して、n型拡散層のドナー濃度NDを、ND=1×1017/cm3と低くした場合について、低アクセプタ濃度領域の幅Lと、空乏層の伸びXn,Xpの関係を求めた結果である。また、図46は、このときの最大電界強度Emaxの距離Lに対する依存性を、図35に対応させて示している。
【0176】
この結果から、ソース、ドレイン拡散層の濃度を下げれば、例えば、L=0.025μm、Xp=0.03μmで、最大電界強度Emax=3.0×105V/cmという値が得られる。この最適化条件での、図39のセル構造における寸法と空乏層の伸びの様子を図47に示す。
【0177】
ソース、ドレインのn型拡散層濃度を低くすると、これらに対するコンタクト抵抗が問題になる。これに対しては、通常のDRAMのビット線コンタクトについて行われているように、コンタクト孔に再拡散を行うことが好ましい。或いは、ソース、ドレイン拡散層の表面に金属シリサイド膜を形成するサリサイド構造を採用することも有効である。
【0178】
しかし、ソース、ドレインのn型拡散層濃度がND=1×1017/cm3と低い場合、図47に示したように、Xn=0.1μmという大きい幅の空乏層がソース、ドレイン拡散層内にも延びる。この様なソース、トレインの大きな空乏化を抑制するためには、いわゆるLDD構造を採用することが望ましい。
【0179】
図39のセル構造に対して、LDD構造を採用したセル構造の実施の形態を、図48に示す。ドレイン拡散層14が、チャネル領域に接する低ドナー濃度のn型拡散層14aと、高ドナー濃度のn+型拡散層14bとから構成される。ソース拡散層15についても同様に、チャネル領域に接する低ドナー濃度のn型拡散層15aと、高ドナー濃度のn+型拡散層15とから構成される。ソース、ドレイン拡散層及びゲート電極には、サリサイド工程により金属シリサイド膜18が形成されている。
但し、このLDD構造は、ドレイン、ソースのうち例えば、ビット線に接続されるドレイン側のみとすることもできる。
【0180】
次に、この様なLDD構造を採用したセル構造の場合の空乏層の伸び及び電界強度分布について具体的に検討する。図49(a)(b)は、このセル構造の例えばドレイン側接合に着目した模式的pn接合構造と電界分布を、図42(a)(b)と対応させて示している。n型拡散層は低ドナー濃度ndの領域と高ドナー濃度NDの領域からなり、p型拡散層は、低アクセプタ濃度naの領域と高アクセプタ濃度NAの領域とからなる。低ドナー濃度ndの領域の幅はLnとし、低アクセプタ濃度naの領域の幅はLpとしてある。高ドナー濃度NDの領域と高アクセプタ濃度NAの領域はそれぞれ、ビット線コンタクト及びソース線コンタクトの抵抗やトランジスタ特性上必要とされる制約で決まる濃度を持つものとする。
【0181】
空乏層の伸びが、Xp>Lp,Xn>Lnとなる様な逆バイアス条件を仮定する。このとき、ポアソンの方程式は、数32に対して、次の数37のように表される。高アクセプタ濃度NAの領域の電位φA,電界EAに対して、低アクセプタ濃度naの領域の電位,電界をそれぞれφa,Eaとし、高ドナー濃度NDの領域の電位φD,電界EDに対して、低ドナー濃度ndの領域の電位,電界をそれぞれφd,Edとして示す。
【0182】
【数37】
d2φD/dX2=−(q/2ε)ND (−Xn<X<−Ln)
d2φd/dX2=−(q/2ε)nd (−Ln<X<0)
d2φa/dX2=(q/2ε)na (0<X<Lp)
d2φA/dX2=(q/2ε)NA (Lp<X<Xp)
ED=−dφD/dX (−Xn<X<−Ln)
Ed=−dφd/dX (−Ln<X<0)
Ea=−dφa/dX (0<X<Lp)
EA=−dφA/dX (Lp<X<Xp)
【0183】
境界条件は、次の数38で表される。
【0184】
【数38】
ED(−Xn)=0
φD(−Xn)=φbi+V
ED(−Ln)=Ed(−Ln)
φD(−Ln)=φd(−Ln)
Ed(0)=Ea(0)
φd(0)=φa(0)
Ea(Lp)=EA(Lp)
φa(Lp)=φA(Lp)
EA(Xp)=0
φA(Xp)=0
【0185】
数37を解くと、下記数39が得られる。
【0186】
【数39】
ED=(q/ε)ND・X+A (−Xn<X<−Ln)
φD=−(q/2ε)ND・X2−A・X+B (−Xn<X<−Ln)
Ed=(q/ε)nd・X+C (−Ln<X<0)
φd=−(q/2ε)nd・X2−C・X+D (−Ln<X<0)
Ea=−(q/ε)na・X+E (0<X<Lp)
φa=(q/2ε)na・X2−E・X+F (0<X<Lp)
EA=−(q/ε)NA・X+G (Lp<X<Xp)
φA=(q/2ε)NA・X2−G・X+H (Lp<X<Xp)
【0187】
数39において、A〜Hは、数38の境界条件で決まる定数である。数39の解を数38の境界条件の式に代入すると、次の数40が得られる。
【0188】
【数40】
−(q/ε)ND・Xn+A=0
−(q/2ε)ND・Xn2+A・Xn+B=φbi+V
−(q/ε)nd・Ln+C=−(q/ε)ND・Ln+A
−(q/2ε)nd・Ln2+C・Ln+D
=−(q/ε)ND・Ln2+A・Ln+B
C=E
D=F
−(q/ε)na・Lp+E=−(q/ε)NA・Lp+G
(q/2ε)na・Lp2−E・Lp+F
=(q/2ε)NA・Lp2−G・Lp+H
−(q/ε)NA・Xp+G=0
(q/2ε)NA・Xp2−G・Xp+H=0
【0189】
数40の10個の方程式を解くと、10個の変数Xn,Xp,A〜Hが求められる。空乏層の幅Ln,Lpは、次の数41で表される。
【0190】
【数41】
Xn=[(ND-nd)Ln-(NA-na)Lp]/(NA+ND)+
[1/(NA+ND)](NA/ND)1/2・[(NA-na)(ND+na)Lp2+(ND-nd)(NA+nd)Ln2 +
2(NA-na)(ND-nd)LpLn+(NA+ND)(2ε/q)(φbi+V)]1/2
Xp=[(NA-na)Lp-(ND-nd)Ln]/(NA+ND)+
[1/(NA+ND)](ND/NA)1/2・[(ND-nd)(NA+nd)Ln2+(NA-na)(ND+na)Lp2 +
2(ND-nd)(NA-na)LpLn+(NA+ND)(2ε/q)(φbi+V)]1/2
【0191】
電界強度分布は、図49(b)のようになり、最大電界Emaxは、X=0の点でのそれであり、数39の第3式から、下記数42で与えられる。
【0192】
【数42】
Emax=C=(q/ε){NA・Xp−(NA−na)/Lp}
【0193】
以上において計算したXp,Xn及びEmaxを具体的な数値を入れて求めた結果を次に説明する。
図50は、p型拡散層の高アクセプタ濃度をNA=5×1018/cm3、低アクセプタ濃度をna=1×1017/cm3、n型拡散層の高ドナー濃度をND=1×1019/cm3、低ドナー濃度をnd=2×1017/cm3とし、印加電圧をV=2.0V、周囲温度を85℃として、低ドナー濃度領域の幅をLn=0.03μmに固定した場合の、低アクセプタ濃度領域の幅Lpと、空乏層の伸びXn,Xpの関係を求めた結果である。
図51は、同様の条件で最大電界強度Emaxを求めた結果である。
【0194】
これらの結果から、Lp=0.025μmに設定すれば、Xp=0.03μmとなり、最大電界強度はEmax=5.0×105V/cmとなる。
図52は、上述の最大電界強度のときの図48のセル構造における空乏層の拡がり方と各部の寸法をドレイン領域側について示している。
【0195】
上述の最大電界強度は、図42で解析したように、ソース、ドレイン拡散層に低濃度層がない場合のそれに比べて、1/3以下になっている。従って、図48に示したように、バルク領域を高濃度層と低濃度層により形成すると同時に、ドレイン及びソースをLDD構造とすることによって、最大電界強度を抑えてリーク電流を小さくすること、また基板バイアス効果を十分に発揮させることが可能になる。即ち、先の相反する条件1,2を満足して、優れたDRAM特性を得ることができる。
【0196】
次に、図48に示したメモリセルMCの構造を実現するための具体的な製造方法を、図53乃至図56を参照して説明する。図48のメモリセルMCは実際には、図3及び図4で説明したと同様のセルアレイとして配置される。即ち、p型シリコン層12は、紙面に直交する方向の側面が素子分離絶縁膜に接する状態でストライプ状の素子領域としてパターン形成されるが、その素子分離工程の説明は省略する。
【0197】
図53に示すように、p型シリコン層12(低濃度p型層12aとなる)の表面にまず、素子領域に開口を持つマスク31を形成し、更にこのマスク31の開口側壁に側壁絶縁膜32を形成する。具体的に、マスク31は例えばシリコン酸化膜を堆積してRIEによりパターニングする。そして、シリコン窒化膜を堆積し、エッチバックを行って側壁絶縁膜32として残す。この状態で、ボロンイオン注入を行って、p型シリコン層12に高濃度のp+型層12bを形成する。
【0198】
次に、図54に示すように、側壁絶縁膜32を選択的にエッチング除去した後、露出したp型シリコン層12の表面にゲート絶縁膜16を形成し、多結晶シリコン膜を堆積して平坦化処理を行って、ゲート電極13を埋め込む。
【0199】
次いで、マスク31をエッチング除去し、ゲート電極13をマスクとして砒素イオン注入を行って、低濃度のドレイン、ソース拡散層14a,15aを形成する。そして、図46に示すように、ゲート電極13の側壁に側壁絶縁膜33を形成し、再度砒素イオン注入を行って、高濃度のドレイン、ソース拡散層14b,15bを形成する。この後、サリサイド工程によって、図48に示すように、ドレイン、ソース拡散層14,15及びゲート電極13上に金属シリサイド膜18を形成する。
【0200】
以上のように、ゲート電極の形成にダマシーン法を適用することにより、トランジスタのバルク領域のうち、チャネル長方向の中央部にセルフアラインされた状態でp+型層12bを形成することができる。
【0201】
セルトランジスタのバルク領域中央部を高濃度層とする構造は、セルトランジスタをプレーナ構造とする場合に限られない。図57A及び図57Bは、柱状の半導体層を用いて、この発明に係る1トランジスタ/1セル構造を実現した実施の形態について、一つのメモリセルMC部の平面図とそのA−A’断面図を示している。
【0202】
シリコン基板40に、柱状シリコン層49が形成されて、この柱状シリコン層49の側周面を利用して、いわゆるSGT(Surrounding GateTransistor)が作られる。柱状シリコン層49は、底部にn+型ソース拡散層43が形成され、高さ方向に、p型層45により挟まれた状態でp+型層46を有する。柱状シリコン層49の表面にはn+型ドレイン拡散層44が形成される。
【0203】
柱状シリコン層41の側周面にゲート絶縁膜41が形成され、これを取り囲んでゲート電極42が形成される。ゲート電極42は、一方向に連続的に形成されてワード線WLとなる。この様に形成されたSGTは層間絶縁膜47で覆われ、この上にビット線(BL)48が形成される。ビット線48は、n+型拡散層44に接続される。
【0204】
このSGT構造のメモリセルも、バルク領域がフローティングであり、先の実施の形態で説明したと同様の書き込み方式により、バルク領域に過剰の多数キャリアを保持し、或いはこれを放出するという動作により、ダイナミックなデータ記憶ができる。そして、バルク領域の中央部に配置した高濃度p+型層46と低濃度p型層45との不純物濃度や寸法の最適化を行うことによって、二値データのしきい値電圧差を大きくする十分な基板バイアス効果が得られ、またリーク電流を低減して優れたデータ保持特性を得ることが可能になる。
【0205】
図58A及び図58Bは、更に他の実施の形態による1トランジスタ/1セルのDRAMセル構造を示している。図58Aは、ビット線(BL)58を仮想線で示して、それ以下の構造を分かりやすくした斜視図であり、図58Bはビット線方向に沿った断面図を示している。
【0206】
この実施の形態の場合、シリコン基板50上にシリコン酸化膜51で分離されたp型シリコン層52(これが低濃度層52aとなる)が、上面及び両側面を露出した状態で島状に形成される。そしてこのシリコン層52の上面及び両側面に、ゲート絶縁膜54を介してゲート電極54を形成して、セルトランジスタが構成される。ゲート電極54は一方向に連続的にパターニングされてワード線WLとなる。
【0207】
シリコン層52のトランジスタ領域には、チャネル長方向中央部に高濃度のp+型層52bが形成される。ドレイン、ソース拡散層55,56は、低濃度n型拡散層55a,56aと高濃度n+型拡散層55b,56bとから構成されたLDD構造としている。トランジスタ領域は層間絶縁膜57で覆われ、この上にドレイン拡散層にコンタクトするビット線58が形成される。
【0208】
この実施の形態のメモリセルも、バルク領域がフローティングであり、先の実施の形態で説明したと同様の書き込み方式により、バルク領域に過剰の多数キャリアを保持し、或いはこれを放出するという動作により、ダイナミックなデータ記憶ができる。そして、バルク領域の中央部に配置した高濃度p+型層52bと低濃度p型層52aとの不純物濃度や寸法の最適化を行うことによって、二値データのしきい値電圧差を大きくする十分な基板バイアス効果が得られ、またリーク電流を低減して優れたデータ保持特性を得ることが可能になる。
【0209】
先に図3及び図4を用いて、4F2の単位セル面積を持つセルアレイ構成を簡単に説明したが、より具体的なセルアレイ構造と製造方法の実施の形態を次に説明する。図59Aはセルアレイのレイアウトであり、図59BはそのI−I’断面図、図59Cは同じくII−II’断面図である。シリコン基板101にシリコン酸化膜等の絶縁膜102が形成され、この上にp型シリコン層103が形成されたSOI基板を用いている。シリコン層103は、STI法による素子分離絶縁膜109が埋め込まれて、ビット線BLの方向に細長いストライプ状の素子形成領域が、ワード線WLの方向に所定ピッチで区画されている。
【0210】
この様に素子分離されたシリコン層103にトランジスタがマトリクス配列されている。即ちシリコン層103にゲート絶縁膜104を介してゲート電極105がワード線WLとして連続するようにパターン形成されている。ゲート電極105の上面及び側面は、後に形成される層間絶縁膜110,115とのエッチング選択比が大きくとれる保護膜としてシリコン窒化膜106で覆われている。ゲート電極105に自己整合的にソース及びドレイン拡散層107,108が形成されている。ソース,ドレイン拡散層107,108はシリコン層103の底部の絶縁膜102に達する深さに形成されている。
【0211】
トランジスタが形成された面はシリコン酸化膜等の層間絶縁膜110により覆われて、平坦化されている。この層間絶縁膜110に、ソース拡散層107に対するコンタクト孔111が、ワード線WLの方向に連続するストライプ状に開けられ、ここに多結晶シリコン膜或いはWSi等によるソース配線層112が埋め込まれている。
【0212】
ソース配線層112が埋め込まれた層間絶縁膜110上には更にシリコン酸化膜等の層間絶縁膜115が形成され、平坦化されている。この層間絶縁膜115に、ドレイン拡散層108に対するコンタクト孔116が開けられ、ここに多結晶シリコン膜等のコンタクトプラグ117が埋め込まれる。そして層間絶縁膜115上には、コンタクトプラグ117を共通接続するように、ワード線WLと交差するビット線(BL)118が形成されている。
【0213】
次に具体的な製造工程を説明する。図60A,図60B及び図60Cは、SOI基板のp型シリコン層103に素子分離絶縁膜109を形成した段階の平面図とそのI−I’及びII−II’断面図を示している。これは例えば、シリコン層103をRIEによりエッチングして素子分離溝を形成し、この素子分離溝に素子分離絶縁膜109を埋め込むことにより得られる。これにより、シリコン層103には、ビット線の方向に連続する複数本のストライプ状の素子形成領域が区画されたことになる。
【0214】
図61A,図61B及び図61Cは、シリコン層103にトランジスタを配列形成した段階の平面図とそのI−I’及びII−II’断面図である。即ちゲート絶縁膜104を介してゲート電極105をワード線WLとして連続するようにパターン形成する。ゲート電極106の上面及び側面はシリコン窒化膜106で覆われた状態とする。このゲート電極保護構造は、具体的には、多結晶シリコン膜とシリコン窒化膜の積層膜をパターニングし、更にその側壁にシリコン窒化膜を形成することにより、得られる。そしてゲート電極105をマスクとしてイオン注入を行って、ソース,ドレイン拡散層107,108を形成する。
【0215】
図62A及び図62Bは、素子形成された基板を層間絶縁膜110で覆い、この層間絶縁膜110にソース配線層112を埋め込み形成した段階の平面図とそのI−I’断面図である。即ちシリコン酸化膜等の層間絶縁膜110を平坦に形成した後、RIEによりソース拡散層107上にワード線WLと平行にストライプ状に連続するコンタクト孔111を開口する。そして、多結晶シリコン膜を堆積し、エッチバックして、コンタクト孔111にソース配線層112を埋め込み形成する。
【0216】
図63A及び図63Bは、ソース配線層112が形成された層間絶縁膜110上に更に層間絶縁膜115を形成し、この層間絶縁膜115にドレイン拡散層108に対するコンタクトプラグ117を埋め込んだ段階の平面図とそのI−I’断面図である。即ちシリコン酸化膜等の層間絶縁膜115を平坦に形成した後、RIEによりドレイン拡散層108上にコンタクト孔116を開口する。そして、多結晶シリコン膜を堆積し、エッチバックして、コンタクト孔116にコンタクトプラグ117を埋め込み形成する。この後、図59Bに示すように、層間絶縁膜115上に、コンタクトプラグ117を共通接続するようにビット線118を形成する。
【0217】
以上のようにして、ワード線WL及びビット線BLを最小加工寸法Fのピッチで形成して、図59Aに一点鎖線で示したように、4F2のセル面積を持つDRAMセルアレイが得られる。図60Aに示したような素子分離構造とした場合、ソース拡散層107は、ワード線WLの方向に飛び飛びに形成されるが、この実施の形態の場合、このソース拡散層107を共通接続するようにソース配線層112を形成することにより、低抵抗の共通ソース線が得られる。
【0218】
ソース配線層112のコンタクト孔111及びビット線コンタクトプラグ117のためのコンタクト孔116は、いずれも、シリコン窒化膜106で保護されたゲート電極105に自己整合されて形成される。従って、コンタクト孔加工のRIEの工程でマスク開口をFより大きい状態とすることにより、マスクの合わせずれの影響を受けることなく、コンタクト孔を形成することが可能である。
【0219】
上記実施の形態の場合、図63Aに示したように、ビット線のコンタクト孔116は、ドレイン拡散層108上にのみ形成している。これに対して、図64に示したように、ビット線のコンタクト孔116bを、ソースのコンタクト孔111と同様に、ワード線WL方向に連続するストライプ状に形成することもできる。この場合、ビット線のコンタクトプラグ117もストライプ状に埋め込まれるが、これは最終的にビット線BLの下のみに残るようにする必要がある。これは例えば、ビット線BLをパターン形成した後、ビット線BLをマスクとしてコンタクトプラグ117をエッチングすればよい。
【0220】
上記実施の形態において、ソース配線層112の上面及び側面をゲート電極105と同様に保護膜で覆うようにすれば、ビット線コンタクトの合わせ余裕は更に大きいものとなる。その様な実施の形態を次に説明する。
図61Bの素子形成工程までは先の実施の形態と同様であり、それ以降の工程を、図61Bの断面対応の断面のみを用いて説明する。まず図65に示すように素子形成された基板にシリコン酸化膜等の層間絶縁膜201を堆積し、エッチバックして平坦化する。ここでは、ゲート電極105を覆うシリコン窒化膜106をストッパとしてエッチングして、層間絶縁膜201をゲート間隙に埋め込んでいる。
【0221】
この後、図66に示すように、層間絶縁膜201に、ソース及びドレイン拡散層107,108に対するコンタクト孔を開口し、多結晶シリコンの堆積とエッチバックにより、それぞれにコンタクトプラグ202,203を埋め込む。コンタクト孔開口のRIEに際しては、ビット線BLの方向に連続するストライプ状の開口をもつマスクを用いれば、ゲート電極105の間隙に自己整合されたコンタクト孔が形成される。但し、ソース拡散層107上のコンタクトプラグ202は、先の実施の形態と同様に、ワード線WLと平行に連続するものであってもよい。
【0222】
この後、図67に示すように、ソース拡散層107上のコンタクトプラグ202をワード線WL方向に共通接続するソース配線層204をパターン形成する。ソース配線層204の上面及び側面は保護膜であるシリコン窒化膜205で覆われるようにする。この保護構造は具体的には、多結晶シリコン膜と窒化シリコン膜の積層膜をパターン形成してソース配線層204を形成し、更にその側面にシリコン窒化膜を形成すれば得られる。
【0223】
次に、図68に示すように再度シリコン酸化膜等の層間絶縁膜206を堆積し、平坦化する。そして、デュアルダマシーン(Dual Damascene)法により層間絶縁膜206にビット線の配線埋め込み溝とコンタクト孔を形成し、図69に示すようにビット線207を埋め込む。
【0224】
この実施の形態によれば、ソース配線層204の周囲をシリコン窒化膜205により保護しているため、ビット線コンタクトのビット線方向の幅を十分に大きくすることができる。これにより、位置合わせずれの影響を受けることなく、低抵抗のビット線コンタクトをとることができる。
【0225】
上記した二つの実施の形態では、図60Aに示したように、ストライプ状に連続する素子形成領域を区画した。各素子形成領域は従って、ワード線方向には連続していない。これに対して図70に示すように、ストライプ状の素子形成領域が、ソース拡散層が形成される位置でワード線方向に連続するように素子形成領域を区画することもできる。この場合には、ソース拡散層自体がワード線方向に連続して形成されて、それ自身共通ソース線となるが、この場合にも上記実施の形態のようにソース配線層112を形成することは、共通ソース線の低抵抗化にとって有効である。
【0226】
この発明は上記実施の形態に限られない。実施の形態ではp型シリコン層に形成したNMOSトランジスタを用いたが、n型シリコン層を用いたPチャネルMOSトランジスタをメモリセルとしても同様の原理でダイナミック記憶が可能である。この場合、多数キャリアして電子のバルク領域でのと蓄積と放出を利用することになる。
また、実施の形態ではSOI基板を用いたが、pn接合分離によりフローティングとした半導体層を用いたMOSトランジスタにより、同様の原理のメモリセルを構成することも可能である。
【0227】
【発明の効果】
以上述べたようにこの発明によれば、単純なトランジスタ構造をメモリセルとして、少ない信号線でデータのダイナミック記憶を可能とした半導体メモリ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるDRAMのメモリセル構造を示す断面図である。
【図2】同DRAMのメモリセルの等価回路である。
【図3】同DRAMのメモリセルアレイのレイアウトである。
【図4】図3のA−A’及びB−B’断面図である。
【図5】同DRAMセルのワード線電位とバルク電位の関係を示す図である。
【図6】同DRAMセルの読み出し方式を説明するための図である。
【図7】同DRAMセルの他の読み出し方式を説明するための図である。
【図8】同DRAMの“1”データ読み出し/リフレッシュの動作波形を示す図である。
【図9】同DRAMの“0”データ読み出し/リフレッシュの動作波形を示す図である。
【図10】同DRAMの“1”データ読み出し/“0”データ書き込みの動作波形を示す図である。
【図11】同DRAMの“0”データ読み出し/“1”データ書き込みの動作波形を示す図である。
【図12】同DRAMの他の読み出し方式による“1”データ読み出し/リフレッシュの動作波形を示す図である。
【図13】同DRAMの他の読み出し方式による“0”データ読み出し/リフレッシュの動作波形を示す図である。
【図14】同DRAMの他の読み出し方式による“1”データ読み出し/“0”データ書き込みの動作波形を示す図である。
【図15】同DRAMの他の読み出し方式による“0”データ読み出し/“1”データ書き込みの動作波形を示す図である。
【図16】同DRAMセルのゲート容量Cgb−電圧Vgbの特性を示す図である。
【図17】同DRAMセルの定電流読み出し方式による等価回路図である。
【図18】同DRAMセルの読み出し動作によるビット線電位変化を示す図である。
【図19】同DRAMセルの“0”書き込み速度を説明するための等価回路である。
【図20】図19のp型層の電位変化を示す図である。
【図21】同DRAMセルの“0”データセルのゲート容量Cgb−電圧Vgb曲線(p型多結晶シリコンゲートの場合)を示す図である。
【図22】同じく“0”データセルのワード線電位Vwlとバルク電位VBの関係を示す図である。
【図23】同DRAMセルの“1”データセルのワード線電位Vwlとバルク電位VBの関係を示す図である。
【図24】“1”データセルのゲート容量Cgb−電圧Vgb曲線(p型多結晶シリコンゲートの場合)を示す図である。
【図25】“1”データセルのゲート容量Cgb−電圧Vgb曲線(n型多結晶シリコンゲートの場合)を示す図である。
【図26】“1”データセルのワード線電位Vwlとバルク電位VBの関係(n型多結晶シリコンゲートの場合)を示す図である。
【図27】“0”データセルのゲート容量Cgb−電圧Vgb曲線(p型多結晶シリコンゲートの場合)を示す図である。
【図28】同“0”データセルのワード線電位Vwlとバルク電位VBの関係(n型多結晶シリコンゲートの場合)を示す図である。
【図29】薄いシリコン層を用いた場合の“1”データセルのゲート容量Cgb−電圧Vgb曲線(p型多結晶シリコンゲートの場合)を示す図である。
【図30】同“1”データセルのワード線電位Vwlとバルク電位VBの関係を示す図である。
【図31】薄いシリコン層を用いた場合の“0”データセルのゲート容量Cgb−電圧Vgb曲線(p型多結晶シリコンゲートの場合)を示す図である。
【図32】同“0”データセルのワード線電位Vwlとバルク電位VBの関係を示す図である。
【図33】シリコン層の不純物濃度と“0”,“1”データのしきい値の差との関係を示す図である。
【図34】同じくシリコン層の不純物濃度と“1”データセルのセル電流の関係を示す図である。
【図35】同じくシリコン層の不純物濃度と読み出し時のビット線電位変化の時間の関係を示す図である。
【図36】“1”データセルのデータ保持時のバルク電位としきい値の関係(p型多結晶シリコンゲートの場合)を示す図である。
【図37】“1”データセルのデータ保持時のバルク電位としきい値の関係(n型多結晶シリコンゲートの場合)を示す図である。
【図38】この発明によるセンスアンプレイアウトの例を示す図である。
【図39】他の実施の形態によるDRAMセル構造を図1に対応させて示す断面図である。
【図40】MOSトランジスタのバルク電位としきい値電圧の関係を示す図である。
【図41】図39のセル構造の有効性を検討するための予備検討のための基本的なpn接合構造とその電界分布を示す図である。
【図42】図39のセル構造の有効性を検討するためのドレイン側のpn接合構造とその電界分布を示す図である。
【図43】図42における低濃度p型層の幅と空乏層の伸びの関係を示す図である。
【図44】同じく低濃度p型層の幅と最大電界強度の関係を示す図である。
【図45】n型拡散層の濃度をより低くした場合について、図43に対応する低濃度p型層の幅と空乏層の伸びの関係を示す図である。
【図46】同じく低濃度p型層の幅と最大電界強度の関係を示す図である。
【図47】図39のセル構造の最適化条件での空乏層の伸びの様子を示す図である。
【図48】図39のセル構造を改良した実施の形態のセル構造を示す断面図である。
【図49】図48のセル構造の有効性を検討するためのドレイン側のpn接合構造とその電界分布を示す図である。
【図50】図49における低濃度p型層の幅と空乏層の伸びの関係を示す図である。
【図51】同じく低濃度p型層の幅と最大電界強度の関係を示す図である。
【図52】図48のセル構造の最適化条件での空乏層の伸びの様子を示す図である。
【図53】図48のセルの製造工程を説明するための図である。
【図54】図48のセルの製造工程を説明するための図である。
【図55】図48のセルの製造工程を説明するための図である。
【図56】図48のセルの製造工程を説明するための図である。
【図57A】他の実施の形態によるセル構造を示す平面図である。
【図57B】図57AのA−A’断面図である。
【図58A】他の実施の形態によるセル構造を示す斜視図である。
【図58B】図58Aのビット線方向に沿った断面図である。
【図59A】好ましい実施の形態のDRAMセルアレイのレイアウトである。
【図59B】図59AのI−I’断面図である。
【図59C】図59AのII−II’断面図である。
【図60A】同実施の形態の素子分離工程を示す平面図である。
【図60B】図60AのI−I’断面図である。
【図60C】図60AのII−II’断面図である。
【図61A】同実施の形態のトランジスタ形成工程を示す平面図である。
【図61B】図61AのI−I’断面図である。
【図61C】図61AのII−II’断面図である。
【図62A】同実施の形態のソース配線層形成工程を示す平面図である。
【図62B】図62AのI−I’断面図である。
【図63A】同実施の形態のビット線コンタクトプラグ埋め込み工程を示す平面図である。
【図63B】図63AのI−I’断面図である。
【図64】他のビット線コンタクトプラグ埋め込み工程を示す平面図である。
【図65】他の実施の形態による素子形成後の層間絶縁膜形成工程を示す断面図である。
【図66】同実施の形態のコンタクトプラグ埋め込み工程を示す断面図である。
【図67】同実施の形態のソース配線層形成工程を示す断面図である。
【図68】同実施の形態の層間絶縁膜形成工程を示す断面図である。
【図69】同実施の形態のビット線形成工程を示す断面図である。
【図70】他の実施の形態による素子分離構造を図60Aに対応させて示す平面図である。
【符号の説明】
10…シリコン基板、11…シリコン酸化膜、12…シリコン層(フローティング)、12…ゲート酸化膜、13…ゲート電極(ワード線)、14…n型ドレイン拡散層(ビット線)、15…n型ソース拡散層(固定電位)。
Claims (19)
- メモリセルを構成するトランジスタを有し、
前記トランジスタは、他のメモリセルから電気的に分離されてフローティング状態になる第1導電型の半導体層と、この半導体層に形成されてビット線に接続される第2導電型のドレイン拡散層と、前記半導体層に前記ドレイン拡散層から離隔して形成されてソース線に接続される第2導電型のソース拡散層と、前記ドレイン及びソース拡散層の間の前記半導体層上にゲート絶縁膜を介して形成されてワード線に接続されるゲート電極とを備えて構成され、且つ、
前記トランジスタは、前記半導体層に過剰の多数キャリアが保持された第1のしきい値電圧を有する第1データ状態と、前記半導体層の過剰の多数キャリアが放出された第2のしきい値電圧を有する第2データ状態とを有し、
前記ソース線の電位は固定であり、
データ書き込み時には、
前記ソース線を基準電位として、
選択されたトランジスタのワード線に前記基準電位より高い第1の電位を与え、
非選択のトランジスタのワード線に前記基準電位より低い第2の電位を与え、
ビット線には、前記第1データ状態を書き込む場合には、前記基準電位より高い第3の電位を与え、前記第2データ状態を書き込む場合には、前記基準電位より低い第4の電位を与える
ことを特徴とする半導体メモリ装置。 - 前記第1データ状態は、前記トランジスタを動作させることによりドレイン接合近傍でインパクトイオン化を起こして、このインパクトイオン化により生成された過剰の多数キャリアを前記半導体層に保持した状態であり、
前記第2データ状態は、前記半導体層と前記ドレイン拡散層との間に順方向バイアスを与えて、前記半導体層の過剰の多数キャリアをドレイン拡散層に引き抜いた状態である
ことを特徴とする請求項1記載の半導体メモリ装置。 - 前記半導体層は、シリコン基板に絶縁膜を介して形成されたシリコン層である
ことを特徴とする請求項1記載の半導体メモリ装置。 - 前記シリコン層がp型であり、前記トランジスタがNチャネルMOSトランジスタである
ことを特徴とする請求項3記載の半導体メモリ装置。 - データ読み出し時には、
前記ソース線を基準電位として、
選択されたトランジスタのワード線に前記第1のしきい値電圧と第2のしきい値電圧の間にあり且つ前記基準電位より高い電位を与えて、選択されたトランジスタの導通又は非導通を検出する
ことを特徴とする請求項1記載の半導体メモリ装置。 - データ読み出し時には、
前記ソース線を基準電位として、
選択されたトランジスタのワード線に前記第1及び第2のしきい値電圧より高く且つ、前記基準電位より高い電位を与えて、選択されたトランジスタの導通度を検出する
ことを特徴とする請求項1記載の半導体メモリ装置。 - データ読み出し時には、選択されたワード線を前記第2のしきい値電圧よりも高く立ち上げた後に、ビット線に一定電流を流して、ビット線に現れる電位差を検知する
ことを特徴とする請求項1記載の半導体メモリ装置。 - データ読み出し時には、選択されたワード線を前記第2のしきい値電圧よりも高く立ち上げた後に、ビット線を一定電圧にクランプするに必要な電流を流して、その電流の差を検知する
ことを特徴とする請求項1記載の半導体メモリ装置。 - 複数のビット線に一つのセンスアンプが設けられ、その複数のビット線のうち選択された一つのビット線が前記センスアンプに接続されることを特徴とする請求項1記載の半導体メモリ装置。
- シリコン基板に絶縁膜を介してシリコン層が形成されたSOI基板と、
前記シリコン層に形成され、ドレイン拡散層を共有する二つずつがチャネル幅方向に素子分離されてマトリクス配列されたトランジスタと、
一方向に並ぶトランジスタのゲート電極に共通接続されたワード線と、
このワード線と交差する方向に配設されて前記トランジスタのドレイン拡散層に接続される複数のビット線と、
前記トランジスタのソース拡散層が前記ワード線方向に連続的に配設されて固定電位が与えられる共通ソース線とを備え、
前記トランジスタは、前記シリコン層に過剰の多数キャリアが保持された第1のしきい値電圧を有する第1データ状態と、前記バルク領域の過剰の多数キャリアが放出された第2のしきい値電圧を有する第2データ状態とを有し、
前記共通ソース線の電位は固定され、
データ書き込み時には、
前記共通ソース線を基準電位として、
選択されたワード線に前記基準電位より高い第1の電位を与え、
非選択のワード線に前記基準電位より低い第2の電位を与え、
ビット線には、前記第1データ状態を書き込む場合には、前記基準電位より高い第3の電位を与え、前記第2データ状態を書き込む場合には、前記基準電位より低い第4の電位を与える
ことを特徴とする半導体メモリ装置。 - 前記トランジスタは、最小加工寸法をFとして、2F×2Fのセルサイズでマトリクス配列されている
ことを特徴とする請求項10記載の半導体メモリ装置。 - 前記ドレイン拡散層及びソース拡散層は、前記シリコン層の下方にある前記絶縁膜に達する深さに形成されている
ことを特徴とする請求項10記載の半導体メモリ装置。 - 前記第1データ状態は、前記トランジスタを動作させることによりドレイン接合近傍でインパクトイオン化を起こして、このインパクトイオン化により生成された過剰の多数キャリアを前記シリコン層に保持した状態であり、
前記第2データ状態は、前記シリコン層と前記ドレイン拡散層との間に順方向バイアスを与えて、前記シリコン層の過剰の多数キャリアをドレイン拡散層に引き抜いた状態である
ことを特徴とする請求項10記載の半導体メモリ装置。 - 前記シリコン層がp型であり、前記トランジスタがnチャネルMOSトランジスタである
ことを特徴とする請求項13記載の半導体メモリ装置。 - データ読み出し時には、
前記共通ソース線を基準電位として、
選択されたトランジスタのワード線に前記第1のしきい値電圧と第2のしきい値電圧の間にあり且つ前記基準電位より高い電位を与えて、選択されたトランジスタの導通又は非導通を検出する
ことを特徴とする請求項10記載の半導体メモリ装置。 - データ読み出し時には、
前記共通ソース線を基準電位として、
選択されたトランジスタのワード線に前記第1及び第2のしきい値電圧より高く且つ、前記基準電位より高い電位を与えて、選択されたトランジスタの導通度を検出する
ことを特徴とする請求項10記載の半導体メモリ装置。 - データ読み出し時には、選択されたワード線を前記第2のしきい値電圧よりも高く立ち上げた後に、ビット線に一定電流を流して、ビット線に現れる電位差を検知する
ことを特徴とする請求項10記載の半導体メモリ装置。 - データ読み出し時には、選択されたワード線を前記第2のしきい値電圧よりも高く立ち上げた後に、ビット線を一定電圧にクランプするに必要な電流を流して、その電流の差を検知する
ことを特徴とする請求項10記載の半導体メモリ装置。 - 複数のビット線に一つのセンスアンプが設けられ、その複数のビット線のうち選択された一つのビット線が前記センスアンプに接続されることを特徴とする請求項10記載の半導体メモリ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001245584A JP4713783B2 (ja) | 2000-08-17 | 2001-08-13 | 半導体メモリ装置 |
Applications Claiming Priority (10)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000-247735 | 2000-08-17 | ||
JP2000247735 | 2000-08-17 | ||
JP2000247735 | 2000-08-17 | ||
JP2000389106 | 2000-12-21 | ||
JP2000389106 | 2000-12-21 | ||
JP2000-389106 | 2000-12-21 | ||
JP2001180633 | 2001-06-14 | ||
JP2001180633 | 2001-06-14 | ||
JP2001-180633 | 2001-06-14 | ||
JP2001245584A JP4713783B2 (ja) | 2000-08-17 | 2001-08-13 | 半導体メモリ装置 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003068877A JP2003068877A (ja) | 2003-03-07 |
JP2003068877A5 JP2003068877A5 (ja) | 2005-07-21 |
JP4713783B2 true JP4713783B2 (ja) | 2011-06-29 |
Family
ID=27481540
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001245584A Expired - Fee Related JP4713783B2 (ja) | 2000-08-17 | 2001-08-13 | 半導体メモリ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4713783B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10418091B2 (en) | 2005-09-07 | 2019-09-17 | Ovonyx Memory Technology, Llc | Memory cell and memory cell array having an electrically floating body transistor, and methods of operating same |
Families Citing this family (43)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6861689B2 (en) * | 2002-11-08 | 2005-03-01 | Freescale Semiconductor, Inc. | One transistor DRAM cell structure and method for forming |
JP3933608B2 (ja) | 2003-06-30 | 2007-06-20 | 株式会社東芝 | 半導体記憶装置及び半導体集積回路 |
JP4282388B2 (ja) * | 2003-06-30 | 2009-06-17 | 株式会社東芝 | 半導体記憶装置 |
JP4443886B2 (ja) | 2003-09-30 | 2010-03-31 | 株式会社東芝 | 半導体記憶装置 |
JP4342970B2 (ja) | 2004-02-02 | 2009-10-14 | 株式会社東芝 | 半導体メモリ装置及びその製造方法 |
JP4028499B2 (ja) | 2004-03-01 | 2007-12-26 | 株式会社東芝 | 半導体記憶装置 |
JP4149961B2 (ja) | 2004-05-20 | 2008-09-17 | 株式会社東芝 | 半導体記憶装置 |
JP2006012991A (ja) | 2004-06-23 | 2006-01-12 | Toshiba Corp | 半導体記憶装置 |
US8518774B2 (en) | 2007-03-29 | 2013-08-27 | Micron Technology, Inc. | Manufacturing process for zero-capacitor random access memory circuits |
US7688660B2 (en) * | 2007-04-12 | 2010-03-30 | Qimonda Ag | Semiconductor device, an electronic device and a method for operating the same |
US8064274B2 (en) | 2007-05-30 | 2011-11-22 | Micron Technology, Inc. | Integrated circuit having voltage generation circuitry for memory cell array, and method of operating and/or controlling same |
KR20090116088A (ko) | 2008-05-06 | 2009-11-11 | 삼성전자주식회사 | 정보 유지 능력과 동작 특성이 향상된 커패시터리스 1t반도체 메모리 소자 |
US7969808B2 (en) | 2007-07-20 | 2011-06-28 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Memory cell structures, memory arrays, memory devices, memory controllers, and memory systems, and methods of manufacturing and operating the same |
KR101357304B1 (ko) * | 2007-09-11 | 2014-01-28 | 삼성전자주식회사 | 커패시터리스 디램 및 그의 제조 및 동작방법 |
KR101308048B1 (ko) | 2007-10-10 | 2013-09-12 | 삼성전자주식회사 | 반도체 메모리 장치 |
US8536628B2 (en) | 2007-11-29 | 2013-09-17 | Micron Technology, Inc. | Integrated circuit having memory cell array including barriers, and method of manufacturing same |
JP2009152407A (ja) | 2007-12-20 | 2009-07-09 | Toshiba Corp | 半導体記憶装置 |
KR20090075063A (ko) | 2008-01-03 | 2009-07-08 | 삼성전자주식회사 | 플로팅 바디 트랜지스터를 이용한 동적 메모리 셀을 가지는메모리 셀 어레이를 구비하는 반도체 메모리 장치 및 이장치의 동작 방법 |
US8773933B2 (en) | 2012-03-16 | 2014-07-08 | Micron Technology, Inc. | Techniques for accessing memory cells |
JP2009188196A (ja) | 2008-02-06 | 2009-08-20 | Elpida Memory Inc | 半導体装置及びその製造方法 |
KR100979362B1 (ko) * | 2008-04-24 | 2010-08-31 | 주식회사 하이닉스반도체 | 반도체 소자 및 그 제조 방법 |
KR101505494B1 (ko) * | 2008-04-30 | 2015-03-24 | 한양대학교 산학협력단 | 무 커패시터 메모리 소자 |
JP2010034191A (ja) | 2008-07-28 | 2010-02-12 | Toshiba Corp | 半導体記憶装置とその製造方法 |
US7947543B2 (en) | 2008-09-25 | 2011-05-24 | Micron Technology, Inc. | Recessed gate silicon-on-insulator floating body device with self-aligned lateral isolation |
KR20100070158A (ko) | 2008-12-17 | 2010-06-25 | 삼성전자주식회사 | 커패시터가 없는 동작 메모리 셀을 구비한 반도체 메모리 장치 및 이 장치의 동작 방법 |
KR101442177B1 (ko) | 2008-12-18 | 2014-09-18 | 삼성전자주식회사 | 커패시터 없는 1-트랜지스터 메모리 셀을 갖는 반도체소자의 제조방법들 |
WO2010102106A2 (en) | 2009-03-04 | 2010-09-10 | Innovative Silicon Isi Sa | Techniques for forming a contact to a buried diffusion layer in a semiconductor memory device |
WO2010114890A1 (en) | 2009-03-31 | 2010-10-07 | Innovative Silicon Isi Sa | Techniques for providing a semiconductor memory device |
US8139418B2 (en) | 2009-04-27 | 2012-03-20 | Micron Technology, Inc. | Techniques for controlling a direct injection semiconductor memory device |
US8508994B2 (en) | 2009-04-30 | 2013-08-13 | Micron Technology, Inc. | Semiconductor device with floating gate and electrically floating body |
US8498157B2 (en) | 2009-05-22 | 2013-07-30 | Micron Technology, Inc. | Techniques for providing a direct injection semiconductor memory device |
US8537610B2 (en) | 2009-07-10 | 2013-09-17 | Micron Technology, Inc. | Techniques for providing a semiconductor memory device |
US9076543B2 (en) | 2009-07-27 | 2015-07-07 | Micron Technology, Inc. | Techniques for providing a direct injection semiconductor memory device |
JP2011071173A (ja) | 2009-09-24 | 2011-04-07 | Elpida Memory Inc | 半導体装置、半導体装置の製造方法および半導体装置の制御方法 |
US8174881B2 (en) | 2009-11-24 | 2012-05-08 | Micron Technology, Inc. | Techniques for reducing disturbance in a semiconductor device |
JP2011155071A (ja) | 2010-01-26 | 2011-08-11 | Toshiba Corp | 半導体記憶装置 |
US8576631B2 (en) | 2010-03-04 | 2013-11-05 | Micron Technology, Inc. | Techniques for sensing a semiconductor memory device |
EP3511982A1 (en) | 2010-03-15 | 2019-07-17 | Micron Technology, Inc. | Techniques for providing a semiconductor memory device |
FR2958779B1 (fr) | 2010-04-07 | 2015-07-17 | Centre Nat Rech Scient | Point memoire ram a un transistor |
JP2011222105A (ja) | 2010-04-14 | 2011-11-04 | Elpida Memory Inc | 半導体装置 |
US8411524B2 (en) | 2010-05-06 | 2013-04-02 | Micron Technology, Inc. | Techniques for refreshing a semiconductor memory device |
US8531878B2 (en) | 2011-05-17 | 2013-09-10 | Micron Technology, Inc. | Techniques for providing a semiconductor memory device |
US9559216B2 (en) | 2011-06-06 | 2017-01-31 | Micron Technology, Inc. | Semiconductor memory device and method for biasing same |
-
2001
- 2001-08-13 JP JP2001245584A patent/JP4713783B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10418091B2 (en) | 2005-09-07 | 2019-09-17 | Ovonyx Memory Technology, Llc | Memory cell and memory cell array having an electrically floating body transistor, and methods of operating same |
US11031069B2 (en) | 2005-09-07 | 2021-06-08 | Ovonyx Memory Technology, Llc | Memory cell and memory cell array having an electrically floating body transistor, and methods of operating same |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003068877A (ja) | 2003-03-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4713783B2 (ja) | 半導体メモリ装置 | |
US7855920B2 (en) | Semiconductor memory device having a floating storage bulk region capable of holding/emitting excessive majority carriers | |
JP4053738B2 (ja) | 半導体メモリ装置 | |
JP4216483B2 (ja) | 半導体メモリ装置 | |
KR100440188B1 (ko) | 반도체 메모리 장치 | |
JP4064607B2 (ja) | 半導体メモリ装置 | |
US20230395716A1 (en) | Memory Device Comprising an Electrically Floating Body Transistor and Methods of Using | |
US6632723B2 (en) | Semiconductor device | |
US6548848B2 (en) | Semiconductor memory device | |
US20060138558A1 (en) | Semiconductor memory device and method of fabricating the same | |
KR100502374B1 (ko) | 반도체 메모리 장치 및 그 제조 방법 | |
JP4745276B2 (ja) | 半導体メモリ装置 | |
JP4104836B2 (ja) | 半導体メモリ装置及びその製造方法 | |
CN100442521C (zh) | 半导体存储装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20041126 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041126 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070914 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080129 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080314 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080610 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080925 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110325 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140401 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |