JP4713714B2 - 工作機械の加工ユニット - Google Patents

Description

【０００１】
【技術分野】
本発明は工作機械、特にユニバーサル、フライス盤、ボール盤の加工ユニットにして、スピンドルヘッドのケーシング内に回転可能に搭載されたモータ駆動の作動スピンドルと、モータ駆動のアダプタースピンドルを有し作動スピンドル内に挿入可能なアダプターユニットと、スピンドルケーシング上に配置され、作動媒体供給源にラインを介して連結されるプラグ連結器を有する第１連結部と、および、アダプターユニット上に配置され、アダプターユニットを作動媒体供給源に解放可能に連結されるように、前記プラグ連結器に結合される対応プラグ連結器を有する第２連結部と、を有する加工ユニットに関する。
【０００２】
【背景技術】
例えば、スピンドルが３００００回転／分またはそれ以上で回転する高速加工においては、従来型のフライス盤、ボール盤においても、通常のスピンドル内に挿入される高速回転追加スピンドルを有する別個のアダプターユニットが必要に応じて使用されている。冷却剤、潤滑剤、圧力流体、圧縮空気等の作動媒体が、アダプターユニットとスピンドルケーシングとの間を結合する既知のプラグ連結器を介してアダプターユニットに供給される。しかし、これらプラグ連結は、加工中に生じる負荷を受けた場合も、ライン内の漏洩または望ましくない破損による運転擾乱を起こさぬように強固に連結されていなければならない。
【０００３】
【発明の課題】
本発明の課題は、冒頭に述べた種類の加工ユニットにして、スピンドルケーシング上のプラグ連結器をアダプターユニット上の対応プラグ連結器に確実に連結する加工ユニットを提供することである。
【０００４】
【解決手段】
本課題を解決するため、本発明に従い、プラグ連結器と対応プラグ連結器とを結合状態において解放可能に保持するためのクランプ装置が２個の連結部の少なくとも一方に配置されている。
【０００５】
本発明により、アダプターユニットを作動媒体源に連結させるプラグ連結器が、アダプターユニットを工作機械の作動スピンドルに挿入したとき自動的に互いに結合され、加工操作中も確実に連結を維持されている。このことは例えば、追加の駆動装置を冷却するための冷却剤、クランプ装置を作動させるための圧力流体、追加スピンドル上のクランプ円錐を清掃するための圧縮空気、加工ステーションに供給される冷却潤滑剤等が、アダプターユニットに確実に支障なく供給されることを保証する。
本発明の他の有利な態様が従属特許請求の範囲に開示されている。
【０００６】
特に有利な実施例においてクランプ装置は例えば、第１連結部上に配置され、第２連結部上に配置された締め付けピンを解放可能に保持するクランプユニットである。クランプユニットは、アダプターユニット上のクランプ円錐を作動スピンドル内にクランプするための、作動スピンドル内に組込まれた自動工具テンションジャッキに類似の構造でよい。この方法により例えば、連結部を互いに分離させるためのクランプユニットの液圧作動手段が、クランプ円錐のクランプを解除するための工具締め付けジャッキの対応作動手段に簡単な態様で整合（ｃｏｏｒｄｉｎａｔｅｄ）され、制御システムを簡単にしている。
【０００７】
他の有利な実施例においては、溝が、２個の連結部の一個に、密封リングを用いて他の連結部のウェッブと密封係合するように形成されている。この態様により、２個の連結部がクランプ装置により連結されたとき、プラグ連結器が、加工中に生じる残滓、または、冷却潤滑剤により汚染されることが防止されている。
【０００８】
本発明の他の特殊な特徴および利点は図示の実施例を参照した以下の説明から明らかになろう。
【０００９】
【実施例】
図１はフライスヘッド１と、図２に鎖線で示すクランプコーン（ｃｌａｍｐ ｃｏｎｅ）３を用いてフライスヘッド１上の作動スピンドル４に挿入される交換可能なアダプターユニット２とを有するユニバーサル、フライス盤およびボール盤に搭載された加工ユニットにして、従来型の工具保持器に対しても使用可能な加工ユニットを示す。アダプターユニット２はフライスヘッド１に従来の自動工具テンションジャッキを用いて固定され、その際例えば、クランプ円錐３上に置かれた締め付けボルト５が、作動スピンドル４に含まれた自動高速作動クランプ装置のコレットチャック（ｃｏｌｌｅｔ ｃｈｕｃｋ）に保持されている。作動スピンドル４はフライスヘッド１のケーシング６内に回転可能に搭載され、モータ（図示せず）により駆動される。スピンドルケーシング６は４５°傾斜した支持面７を有し、それによりフライスヘッド１が、図示していないユニバーサルフライス盤、ボール盤の支持要素（図示せず）の同様に４５°傾斜した前壁上において４５°軸８の回りに回転可能になっている。フライスヘッド１を軸８の回りに適切に回転させることにより、作動スピンドル４が垂直加工位置と、図１に示す水平加工位置との間に枢動される。必要に応じて作動スピンドル４に挿入されるアダプターユニット２が、ケーシング１０内に回転可能に搭載され、ユニット２は鎖線で示したモータにより回転駆動される高速回転アダプタースピンドル９を有している。アダプタースピンドル９は作動スピンドルよりも小さい直径を有し、より小さい工具保持器として設計されている。
【００１０】
特に図１、図３に示すように、作動スピンドルに対し横方向に偏位（ｏｆｆｓｅｔ）された連結部１４は、スピンドルケーシング６上に配置され、６角ナット１２によりほぼ矩形の連結板１３に固定されたプラグ連結器１５を有する。ブッシュ形態のプラグ連結器１５は図１に示すように、送出、返送ライン１６、１７または供給ライン１８、１９を介して、アダプターユニット２に圧力流体、圧縮空気、潤滑油、冷却剤等のような作動媒体を供給するための図式的に示した供給ユニット２０〜２３へ連結されている。
【００１１】
図２、図４に示すように、アダプターユニット２のケーシング１０は横方向付加物２６を有し、該付加物は、スピンドルケーシング６上に配置された第１連結部１４に連結するための、クランプ円錐３に対し平行に偏位された第２連結部２４を支持している。プラグ連結器１５に連結される対応（ｍａｔｉｎｇ）プラグ連結器２５が、アダプターユニット２を、図１の供給ユニット２０〜２２に連結された流体ライン１６〜１９に連結するため第２連結部２４上に配置されている。対応プラグ連結器２５は、対応するプラグ状ブッシュ１５と係合するように、第２連結部２４上の矩形端板２８に６角ナット２７を用いて固定された管状プラグの形態をしている。流体ラインの結合連絡のためのブッシュ１５とプラグ２５との構造自体は既知である。それは、自動的に操作されるノンリターン弁であり、連結状態において流れを通過させ、分離状態において流れを遮断するようになっている。ノンリターン弁は非連結状態において過誤のない密封を行うように設計されている。流体ラインに関連するプラグ連結器に加えて、プラグ２９、３０と補足的な対応プラグ３１、３２とから成る電気プラグ連結器が２個の連結部１５、２５に設けられ、それにより例えば、モータ１１への電気の供給、または、アダプターユニット２内の監視センサと工作機械の制御装置との間の信号の伝達が可能になっている。
【００１２】
第１連結部１４の前面ケーシング部３６と連結板１３との間に円周溝３３が形成されている。図１のアダプターユニット２がフライスヘッド１上に取り付けられたとき、第２連結部２４の端部に位置するウェブ３４が該溝と係合し、密封リング３５により密封される。これにより、加工中に生じる冷却潤滑油や加工残滓によりプラグ連結器が汚染されることが防止されている。
【００１３】
第１に、プラグ連結器１５と対応プラグ連結器２５とを結合位置に保持するため、また、両連結部１５、２５を密封連結するため、第２連結部の端板に配置された締め付けピン３７を解放可能に保持するためのクランプユニット３８が、第１連結部１５の連結板１３に固定されている。図２に示すように、クランプユニット３８は、中空円筒ケーシング３９内を移動し、カップバネ組立体４１により予張力を加えられたテンション棒４２の前面端に固定されたバネコレット４０を有している。側方に枢動可能なグリッパー（ｇｒｉｐｐｅｒ）４３が、バネコレット４０の前面端に配置され、クランプ状態において、締め付けピン３７と係合するようにケーシング３９の内壁の突起４４により内方に押圧されている。ピストン４５がテンション棒４２の後面端に配置され、テンション棒４２をカップバネ組立体４１の力に抗して前方に押し得るようになっている。その際、グリッパー４３が外側に押され、締め付けピン３７を解放する。テンション棒４２の後面端に監視要素４６が配置され、非接触センサ４７と協働して、クランプユニット３８のクランプ状態、解放状態を監視するようになっている。
【００１４】
交換可能なアダプターユニットをスピンドルヘッドの作動スピンドル内に挿入したとき、クランプユニット３８により、作動媒体を供給するためのプラグ連結器間の確実な連結が達成される。２個の連結部を解放可能に保持するクランプユニットは、締め付け円錐を締め付けスピンドルに固定するための工具テンションジャッキに類似して構成されよう。しかし、他の締め付け装置も使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図１】アダプターユニットを有するユニバーサル、フライス盤、ボール盤の枢動可能なフライスヘッドの部分断面側面図。
【図２】図１に示すフライスヘッドとアダプターユニットとの平面図。
【図３】作動スピンドルとプラグ連結器の前面図。
【図４】プラグ連結器と補足し合う対応プラグ連結器をもつアダプターユニットの背面図。
【符号の簡単な説明】
１ フライスヘッド
２ アダプターユニット
３ クランプ円錐
４ 作動スピンドル
６ ケーシング
７ 支持面
９ アダプタースピンドル
１０ ケーシング
１３ 連結板
１４ 第１連結部
１５ プラグ連結器
１６、１７ 送出、返送ライン
１８、１９ 供給ライン
２０〜２３ 供給ユニット（供給源）
２４ 第２連結部
２５ 対応プラグ連結器
２８ 矩形端板
２９〜３２ 電気プラグ連結器
３８ クランプユニット
４０ バネコレット
３７ 締め付けピン
４２ テンション棒
４３ グリッパー
４５ ピストン
４６ 監視要素
４７ 非接触センサ

Claims (8)

1. 工作機械、特にユニバーサル、フライス盤、ボール盤の加工ユニットにして、
   スピンドルヘッド（１）のケーシング（６）内に回転可能に搭載されたモータ駆動の作動スピンドル（４）と、
   モータ駆動のアダプタースピンドル（９）を有し、作動スピンドル（４）に差し込み可能なアダプターユニット（２）と、
   スピンドルヘッド（１）上に配置され、ライン（１６〜１９）を通り作動媒体源（２０〜２３）に連結されるプラグ連結器（１５）を有する第１連結部（１４）と、および
   アダプターユニット（２）上に配置され、アダプターユニット（２）を作動媒体源（２０〜２３）に解放可能に連結するプラグ連結器（１５）に連結可能な対応プラグ連結器（２５）を有する第２連結部（２４）と、
   を有する加工ユニットにおいて
   プラグ連結器（１５）と対応プラグ連結器（２５）とを結合状態において互いに解放可能に保持するためのクランプ装置（３７、３８）が前記２個の連結部の少なくとも一方（１４）上に配置されていることを特徴とする加工ユニット。
2. 請求項１に記載の加工ユニットにおいて、クランプ装置（３７、３８）が、第２連結部（２４）上に配置された締め付けピン（３７）を解放可能に保持するため第１連結部（１４）上に配置されたクランプユニット（３８）を有することを特徴とする加工ユニット。
3. 請求項２に記載の加工ユニットにおいて、クランプユニット（３８）が締め付けピン（３７）と係合するため、テンション棒（４２）によりケーシング（３９）内を移動可能であり、側方に枢動可能なグリッパー（４３）を含むバネコレット（４０）を有することを特徴とする加工ユニット。
4. 請求項３に記載の加工ユニットにおいて、グリッパー（４３）が、テンション棒（４２）と係合するカップバネ組立体（４１）によりクランプ位置へ動かされ、テンション棒上に配置されたピストン（４５）により解放位置へ動かされることを特徴とする加工ユニット。
5. 請求項３または４に記載の加工ユニットにおいて、クランプユニット（３８）のクランプ位置、解放位置を監視するため、非接触センサ（４７）と協働する監視要素（４６）がテンション棒（４２）の後端に配置されていることを特徴とする加工ユニット。
6. 請求項２から５までのいずれか１項に記載の加工ユニットにおいて、クランプユニット（３８）が連結板（１３）の中心孔に位置されていることを特徴とする加工ユニット。
7. 請求項１から６までのいずれか１項に記載の加工ユニットにおいて、溝（３３）が２個の連結部の１個（１４）に、他の連結部（２４）に設けられたウェブ（３４）と密封リング（３５）を用いて密封係合するように形成されていることを特徴とする加工ユニット。
8. 請求項１から７までのいずれか１項に記載の加工ユニットにおいて、電気プラグ（２９、３０）と対応プラグ（３１、３２）とが、フライスヘッド（１）とアダプターユニット（２）との間においてエネルギーおよび／または信号を伝達するために連結部（１４、２４）上に配置されていることを特徴とする加工ユニット。

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