JPH0516006A - 高速回転シリンダのピストン周面の封止装置 - Google Patents

高速回転シリンダのピストン周面の封止装置

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JPH0516006A
JPH0516006A JP3116793A JP11679391A JPH0516006A JP H0516006 A JPH0516006 A JP H0516006A JP 3116793 A JP3116793 A JP 3116793A JP 11679391 A JP11679391 A JP 11679391A JP H0516006 A JPH0516006 A JP H0516006A
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piston
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seal
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慶多朗 米澤
Fujio Kumagai
富司夫 熊谷
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軸心回りに高速回転するシリンダに挿入した
ピストンの周面をOリングによって確実に封止する。 【構成】 シリンダ10とピストン11との摺動隙間C
を封止するOリング46を設ける。上記ピストン11の
外周面11aに形成した溝41の幅寸法Eを、Oリング
46の太さWとほぼ同じ値に設定する。その溝41の深
さ寸法Fと摺動隙間Cとの合計寸法を、同上Oリング4
6の太さWよりも大きい値に設定する。上記の溝41の
底部空間41cを高圧室12に連通させる。上記の溝4
1の上側の隅肉部41aに、Oリング46の上周面に接
当する押圧面41dを設ける。シリンダ10及びピスト
ン11の高速回転時には、Oリング46は、遠心力によ
ってシリンダ内周面10bに強力に接当すると共に上下
に膨出して、溝41の上壁及び下壁にも強力に接当す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えばマシニングセ
ンタのスピンドルのように軸心回りに高速回転する機械
要素に取り付けるシリンダ装置に関し、さらに詳しくい
えば、シリンダに挿入したピストンの周面を封止する装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ピストン周面の封止装置では、
ピストンの外周面に断面視で矩形状のOリング溝を形成
し、そのOリング溝に装着したゴム製Oリングによって
シリンダ内周面とピストン外周面との間の摺動隙間を封
止してある。上記の溝の幅寸法はOリングの太さよりも
大きい値に設定してある。また、その溝の深さ寸法と上
記の摺動隙間との合計寸法は、Oリングの太さよりも小
さい値に設定してある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来構造の封止装
置は、マシニングセンタのスピンドルのように高速回転
するものには採用できなかった。即ち、シリンダ及びピ
ストンの高速回転時にはOリングに強力な遠心力が作用
するので、そのOリングが溝底壁から離間してしまう。
その結果、ピストンの一端側の高圧室内の流体が、Oリ
ングと溝側壁との間を通って他端側の低圧室へ漏れやす
くなるのである。本発明は、高速回転シリンダのピスト
ン周面を確実に封止することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、例えば、図1と図8、又は図9から図1
1の各図に示すように、封止装置を次のように構成し
た。
【0005】(請求項1の発明)軸心回りに高速回転され
るシリンダ10内にピストン11を挿入し、そのピスト
ン11の第1端側に低圧室13を設けると共に第2端側
に高圧室12を設け、同上ピストン11の外周面11a
に第1溝41を形成し、この第1溝41に挿入した第1
シール部材46によって上記シリンダ10とピストン1
1との間の摺動隙間Cを封止可能に構成した、高速回転
シリンダのピストン周面の封止装置において、上記の第
1溝41の幅寸法Eを、上記の第1シール部材46のシ
ール幅Wwとほぼ同じ値に設定し、上記の第1溝41の
深さ寸法Fと前記の摺動隙間Cとの合計寸法を、同上の
第1シール部材46のシール高さWhよりも大きい値に
設定し、上記の第1溝41に、前記の高圧室12に連通
する底部空間41cを形成し、上記の第1溝41の第1
端側の隅肉部41aに、上記の第1シール部材46の第
1端側の周面に接当する押圧面41dを設けた。
【0006】(請求項2の発明)上記の請求項1の構成に
おいて、上記の第1溝41よりも第1端側で上記ピスト
ン11の外周面11aに第2溝42を形成し、この第2
溝42に装着した第2シール部材45によって前記の摺
動隙間Cを封止可能に構成し、上記の第2溝42の幅寸
法Gを、第2シール部材45のシール幅Vwよりも大き
い値に設定し、上記の第2溝42の深さ寸法Hと前記の
摺動隙間Cとの合計寸法を同上の第2シール部材45の
シール高さVhよりも小さい値に設定した。なお、上記
の各構成において、シール部材46・45としては、ゴ
ム等の弾性部材で構成したOリングやXリングなどが考
えられる。
【0007】
【作用】本発明は、例えば図1と図8に示すように、次
のように作用する。 (請求項1の発明)図1は、シリンダ10及びピストン1
1が低速回転または回転停止している状態を示し、図8
は、これらシリンダ10とピストン11とが高速回転し
ている状態を示している。図1において、高圧室12に
圧力が発生してない状態では、第1シール部材46は、
押圧面41dによって下外向きに押圧されて、シリンダ
10の内周面10bに軽く接当している。
【0008】高圧室12内の圧力が上昇すると、その圧
力が第1溝41の底部空間41cにも作用する。これに
より、第1シール部材46が、内側受圧幅Pと外側受圧
幅Qとの差に相当する差圧力によって外向きに押圧され
て、第1溝41の上壁にも軽く接当し、摺動隙間Cを封
止する。
【0009】図8に示すように、シリンダ10及びピス
トン11の高速回転時には、第1シール部材46に強力
な遠心力が作用する。すると、第1シール部材46は、
その遠心力によってシリンダ内周面10bに強力に押圧
されることによって上下に膨出して、第1溝41の上壁
及び下壁に強力に封止接当する。これにより、高圧室1
2内の流体Lが上側の低圧室13へ漏れ出るのを確実に
防止する。従って、高速回転状態であっても、高圧室1
2内を高い圧力に保持できる。
【0010】(請求項2の発明)第2シール部材45は次
のように作用する。図1に示す前記の低速回転状態又は
回転停止状態において、何らかの原因で上記の第1シー
ル部材46の上側へ流体Lが漏れ出た場合には、その漏
れ出た流体Lの圧力によって第2シール部材45がシリ
ンダ内周面10bと第2溝42の上壁に封止接当する。
これにより、高圧室12から低圧室13への漏れ出しを
確実に防止できる。この場合、両シール部材46・45
の間に圧力流体が閉じ込められることがあっても、高圧
室12を圧抜き操作した時に、その閉じ込められた圧力
流体によって第1シール部材46が右下向きに押圧され
て、その第1シール部材46とシリンダ内周面10bと
の封止面が自動的に開放されるので、ピストン11の摺
動移動が妨げられることはない。
【0011】
【実施例】
(第1実施例)図1から図8は、第1実施例を示し、本発
明の封止装置をマシニングセンタのツールロック装置に
適用したものを例示してある。図2と図3に示すよう
に、立形マシニングセンタ21の主軸頭22に固定した
ケーシング23内で、主軸(スピンドル)24が複数のベ
アリング25で回転自在に支承されるとともにモータ2
6によって高速度で回転駆動される。その主軸24に
は、ドローバー28が上下摺動自在に内嵌され、そのド
ローバー28の下部にコレット29を連結してある。
【0012】主軸24にツールホルダ30をクランプす
る時には、主軸24に対してドローバー28を複数の皿
バネ31によって上側へ弾圧するとともにコレット29
を縮径上昇させ、プルボルト32を介してツールホルダ
30を主軸24のホルダ受け面24aにクランプする。
なお、符号33はツールである。これに対して、ツール
ホルダ30のアンクランプ時には、空油圧ブースタ34
の出力部35の押し下げ力によってドローバー28を皿
バネ31に抗して下降駆動するとともにコレット29を
拡径下降させて、ツールホルダ30の抜き取りを許容さ
せるのである。
【0013】上記の構成において、ツールホルダ30を
上記クランプ状態に保持するためのクランプ保持装置8
とこれを切換え操作する切換え装置9とが主軸24の上
側に設けられる。上記クランプ保持装置8のシリンダ1
0は主軸24の上部にネジ止め固定される。また、上記
の切換え装置9はシリンダ10の内部空間に設けられて
いる。なお、空油圧ブースタ34において、符号36は
圧縮空気供給ノズルである。また、ドローバー28内に
はエアーブロー用流路39が貫通形成されており、その
流路39の上端部がブースタ34の出力部35内のエア
ー供給孔40に連通可能になっている。
【0014】図4の模式図と図5から図7において、上
記のクランプ保持装置8と切換え装置9とを具体的に説
明する。クランプ保持装置8は、筒状ピストン11と筒
状ピストンロッド43とを、それぞれ上下のシール部材
45・46と47・48とによって、シリンダ10内に液
密摺動自在に挿入してなる。ピストン11とピストンロ
ッド43は、筒状の押圧具49・ワッシャ50・ナット
51を順に介してドローバー28に固定される。ピスト
ン11の下側(第2端側)に高圧室である液封室12が形
成され、ピストン11の上側(第1端側)に低圧室である
液給排室13が形成される。両室12・13には、シリ
ンダ10の上壁10aに設けた給油孔53からオイルL
が供給されている。
【0015】上記の給油孔53及びそのプラグ54は、
ピストン11の軸心対称に複数箇所設けて、回転バラン
スがとれるようにしてある。上記ピストン11及びピス
トンロッド43のシール部材のうちで、液封室12に近
い側の第1シール部材46・47は、中・高速回転用の
シール部材として機能し、液封室12から遠い側の第2
シール部材45・48は、低速回転用または回転停止中
用のシール部材として機能するように構成してある。
【0016】前記の切換え装置9は、ピストン11内に
形成されて上下の両室12・13を連通する連通路14
と、この連通路14に介装した逆止弁56を備えてな
る。即ち、ピストン11の軸心回りに形成した環状の連
通路14に環状の逆止弁室57と逆止弁座58とが下か
ら順に形成される。逆止弁座58は、押圧具49の途中
高さ部に下向きに配置されている。逆止弁室57に上下
方向へ液密摺動に挿入した逆止弁体59が逆止バネ60
によって逆止弁座58に閉弁弾圧される。
【0017】また、押圧具49の上部に、筒状のアンク
ランプ用入力部材63が、シリンダ10の上壁10aを
貫通して上下方向へ液密摺動自在に外嵌される。その入
力部材63は、復帰バネ67によってワッシャ50へ弾
圧されて、前記のブースタ出力部35に対面させてあ
る。さらに、その入力部材63の下部に逆止弁体用開弁
具66が固定される。その開弁具66は、ブースタ出力
部35の押し下げ力によって復帰バネ67に抗して下降
駆動されて、逆止弁体59を逆止弁座58から離間させ
る。そして、上記の押圧具49の途中高さ部に設けたア
ンクランプ用入力部69と上記の入力部材63との間の
接当隙間であるアンクランプ開始用ストロークMは、開
弁具66と逆止弁体59との間の接当隙間である開弁開
始用ストロークNよりも大きい値に設定してある。
【0018】また、液給排室13のオイル貯溜用横断面
積は、ストレートに形成したシリンダ10内に押圧具4
9や入力部材63を装着してあるため、液封室12の横
断面積よりも小さくなっているが、シリンダ上壁10a
に液逃し室71を形成することにより、横断面積の不足
分を補っている。この液逃がし室71も、ピストン11の
軸心対称に複数箇所設けてある。さらに、前記の開弁具
66からシリンダ内周面10bへ向けて、気液混合防止
用の円盤状仕切り壁73が突設される。
【0019】上記のバネクランプ1は、次のように作動
する。図5のクランプ状態では、ブースタ出力部35が
上昇復帰して、ドローバー28が皿バネ31(図3又は図
4参照)によってクランプ位置Xに上昇弾圧され、アン
クランプ用入力部材63及び開弁具66が復帰バネ67
によって上昇位置に弾圧されている。これにより、逆止
弁体59が逆止バネ60によって逆止弁座58に閉弁接
当し、液封室12にオイルLが密封されて、クランプ保
持装置8がロック状態Rになっている。
【0020】上記クランプ状態で主軸24が高速度で回
転駆動され、ワークに機械加工がなされる。ここで、ツ
ール33(図3参照)の送り速度・回転数・切り込み量等
の加工条件とワークの材質とが合わなかった場合や、ポ
ケット加工時等の切粉のからまりによってツールの切削
性能が悪化した場合には、ツール33に皿バネ31の弾
圧力よりも大きい引き下げ力が働いて、ドローバー28
及びピストン11を引き下げようとする。すると、液封
室12の内圧が上昇してピストン11の引き下げを阻止
し、ドローバー28をクランプ位置Xに保持する。これ
により、ツールホルダ30が主軸24のホルダ受け面2
4aから脱落することを強力に防止するのである。
【0021】そして、主軸24の回転中には、図5中の
二点鎖線図Kで示すように、液給排室13内のオイルが
遠心力によってシリンダ10の周壁に押圧される。しか
し、逆止弁体59の上側空間が気相部(エアー部)と連通
するのを前記の仕切り壁73が阻止することにより、液
給排室13内のエアーが液封室12内のオイルLに混入
することを防止する。これにより、液封室12内のオイ
ルLの非圧縮性が損なわれることを防止でき、クランプ
保持の機能を良好に保てる。
【0022】ツールの交換時には、上記の図5のクラン
プ状態で主軸24の回転を止めた後、図6の切換え過渡
状態を経て、図7のアンクランプ状態に切り換える。即
ち、図5のクランプ状態において、図外のブースタ34
を駆動してブースタ出力部35を下降駆動することによ
り、その出力部35が入力部材63を下降駆動し始め
る。すると、その入力部材63は、まず、接当隙間Nだ
け下降して逆止弁体59に接当し、次いで、逆止弁体5
9を押し下げて逆止弁座58から離間させ、液封室12
の密封を解除してクランプ保持装置8をアンロック状態
Uに切換えながらさらに距離(M−N)だけ下降して入力
部69に接当し、図6の切換え過渡状態に切換わる。
【0023】引き続いて、ブースタ出力部35によって
入力部材63が下降駆動されることにより、図7のアン
クランプ状態に示すように、液封室12内のオイルLが
連通路14を通って液給排室13へ逃がされてピストン
11の下降が許容され、ドローバー28がアンクランプ
用ストロークSだけ下降してアンクランプ位置Zに切換
わる。なお、図7のアンクランプ状態から図5のクラン
プ状態への切換えは、上記とは逆の手順でなされる。
【0024】次に、前記のピストン11の外周面11a
の封止構造について、図1と図8とで説明する。図1
は、前記マシニングセンタ21の主軸24が低速で回転
されてシリンダ10とピストン11とが軸心回りに低速
で回転している状態を示している。また、図8は、これ
らシリンダ10とピストン11とが高速で回転している
状態を示している。
【0025】図1において、ピストン11の外周面11
aに形成した第1溝41に、オリジナル太さWのOリン
グからなる第1シール部材46が装着され、そのシール
部材46によってシリンダ10とピストン11との間の
摺動隙間Cを封止してある。上記の第1溝41の幅寸法
Eが上記シール部材46のシール幅Wwとほぼ同じ値に
設定されるとともに、その溝41の深さ寸法Fと摺動隙
間Cとの合計寸法がそのシール部材46のシール高さW
hよりも大きい値に設定される。なお、第1シール部材
46は、断面視ほぼ円形であるため、シール幅Wwとシ
ール高さWhとがオリジナル太さWに等しい値になって
いる。
【0026】上記の第1溝41の底部空間41cが連通
路14を介して液封室12に連通される。さらに、上記
の溝41の上下の隅肉部41a・41bのうちの上側
(第1端側)の隅肉部41aから押圧面41dを溝41の
中央側へ向けて突出させてある。その押圧面41dが、
上記シール部材46の周面のうちの上側の周面に封止接
当するとともに、そのシール部材46をシリンダ10の
内周面10bへ押圧するようになっている。
【0027】また、上記の第1溝41よりも上側に形成
した第2溝42に、オリジナル太さVのOリングからな
る第2シール部材45が装着される。その第2溝42
は、一般的に使用される形状であって、その幅寸法Gが
第2シール部材45のシール幅Vwよりも大きい値に設
定されるとともに、深さ寸法Hと前記の摺動隙間Cとの
合計寸法がその第2シール部材45のシール高さVhよ
りも小さい値に設定される。なお、第2シール部材45
も、断面視ほぼ円形であるため、シール幅Vwとシール
高さVhとがオリジナル太さVに等しい値になってい
る。
【0028】シリンダ10の低速回転状態又は回転停止
状態では、上記の各シール部材46・45が次のように
作動する。高圧室である液封室12に圧力が発生してな
い通常運転時には、第1シール部材46が第1溝41の
上下壁とシリンダ10の内周面10bとに弾圧接当する
とともに、第2シール部材45も第2溝42の上壁及び
底壁とシリンダ10の内周面10bとに弾圧接当し、摺
動隙間Cが封止されている。
【0029】ピストン11に前述の引き下げ力が働いて
液封室12内のオイルLの圧力が上昇すると、その圧力
が連通路14から第1溝41の底部空間41cに作用す
る。これにより、第1シール部材46が、内側受圧幅P
と外側受圧幅Qとの差に相当する差圧力によって、シリ
ンダ10の内周面10bへ押圧され、摺動隙間Cを封止
する。なお、何らかの原因で第1シール部材46の上側
へ圧油が漏れ出た場合には、その漏れ出た圧油を第2シ
ール部材45が封止する。この場合、両シール部材46
・45の間に圧油が閉じ込められることがあっても、液
封室12を圧抜き操作した時には、上記の閉じ込められ
た圧油によって第1シール部材46が右下向きに押圧さ
れて、その第1シール部材46とシリンダ10の内周面
10bとの封止面が自動的に開放されるので、ピストン
11の摺動移動が妨げられることはない。
【0030】図8に示すように、シリンダ10とピスト
ン11が高速で回転した状態では、各シール部材45・
46に強力な遠心力が作用するので、上側の第2シール
部材45が第2溝42の底壁から離間してしまう。この
ため、その第2シール部材45だけでは、第2溝42の上
壁と第2シール部材45との間から液封室12内の圧力
オイルLが上側へ漏れ出るおそれがある。これに対し
て、下側の第1シール部材46は、上記の遠心力によっ
てシリンダ10の内周面10bに強力に押圧されること
によって上下に膨出して、第1溝41の上壁及び下壁に
強力に封止接当する。このため、液封室12内の圧力オ
イルLが上側へ漏れ出ない。従って、高速回転状態であ
っても、液封室12内を高い圧力に保持できることにな
り、クランプ保持性能を良好に保てる。
【0031】そして、第1シール部材46が経時変化な
どによって膨潤した場合には、その膨潤した分を第1溝
41の底部空間41cに収容することによって、そのシ
ール部材46が摺動隙間Cへはみ出すのを防止できる。
従って、シーリング寿命も長い。
【0032】なお、前記の第1溝41の幅寸法Eは、高
速回転時の封止性能を確保するうえでは、第1シール部
材46のシール幅Wwと同一であってもよく、また、そ
のシール幅Wwよりも少し大きくてもよい。しかし、低
速回転時又は回転停止時の封止性能をも確保するうえで
は、同上の図1で示したように、第1溝41の幅寸法E
は上記シール幅Wwよりも小さくすることが好ましい。
これにより、前記の第2溝42と第2シール部材45と
を省略することも可能である。
【0033】また、前記の図5に示すように、ピストン
ロッド43とシリンダ10との封止部分やピストン11
と逆止弁体59との封止部分なども、上記の第1溝41
や第1シール部材46と同様に構成されている。
【0034】なお、本発明は、マシニングセンタだけで
なく、他の工作機械や産業機械にも適用できることはも
ちろんである。また、封止される流体は、オイルLに代
えて、グリセリン等の他の流動性液体であってもよく、
ガス体であってもよい。
【0035】図9から図11は、それぞれ、第1から第
3の変形例を示し、前記の図1に相当する部分図であ
る。各変形例では、図1と同じ機能の部材には同一の符
号を付けてある。図9の第1変形例では、上端側の隅肉
部41aの押圧面41dをほぼ直角状に形成してある。
図10の第2変形例では、上記の押圧面41dをU字状
に形成してある。図11の第3変形例では、同上の押圧
面41dを横U字状に形成してある。
【0036】(第2実施例)図12は、第2実施例を示
し、比較的に大型のマシニングセンタに使用されるクラ
ンプ保持装置8を示している。この第2実施例では、上
記の第1実施例と同じ機能の部材には原則として同一の
符号を付けてある。主軸24の上フランジ74にシリン
ダ10の下部を複数のボルト75によって固定してあ
る。また、ピストン11とピストンロッド43とにわた
って筒状ボルト96が挿通される。そのボルト96の下
部をドローバー28の上部にネジ止めすることにより、
ピストン11及びピストンロッド43を筒状の押圧具4
9とドローバー28との間に狭持固定してある。
【0037】上記の筒状ボルト96の上部に、切削液供
給用の回転継手97のロータ97aを固定してある。マ
シニングセンタの加工運転時には、上記の回転継手97
に圧送されてきた切削液は、実線矢印に示すように、ボ
ルト96の上部内に設けた分配金具81内とセンターパ
イプ82の外側の環状液路83とを順に流れて、前記ツ
ール33(図3参照)に供給される。これにより、深穴加
工や重切削加工する場合にツール33を強力に冷却でき
る。
【0038】また、アンクランプ駆動時には、ブースタ
出力部35がアンクランプ用入力部材63に接当した
後、その出力部35のエアー供給口35aへ圧送されて
きた圧縮空気が、破線矢印で示すように、入力部材63
の受入れ孔63aから上記の分配金具81とパイプ82
内のエアーブロー用流路39を順に下向きに流れて、前
記ホルダー受け面24a(図3参照)を清掃する。
【0039】さらに、逆止弁56の逆止弁体59とピス
トン11との摺動隙間は、Xリング98によって封止し
てある。このXリング98とそのリング装着用溝との寸
法関係は、前記の図1中の第1シール部材46と第1溝
41との寸法関係とほぼ同様に構成してある。
【0040】
【発明の効果】本発明は、上記のように構成され作用す
ることから次の効果を奏する。 (請求項1の発明)高速回転時において、第1シール部材
は、強力な遠心力でシリンダ内周面に強力に押圧される
ことによって上下に膨出して、第1溝の上壁及び下壁に
強力に封止接当する。これにより、高圧室内の流体が低
圧室へ漏れ出るのを強力に防止できる。
【0041】また、上記の第1シール部材は、経時変化
などによって膨潤した場合であっても、その膨潤した分
を第1溝の底部空間に収容することによって摺動隙間へ
のはみ出しを防止できるので、寿命が長い。
【0042】(請求項2の発明)低速回転状態又は回転停
止状態において、上記の第1シール部材の封止機能が損
なわれた場合には、その漏れた流体を第2シール部材が
封止するので、高圧室から低圧室への漏れ出しを確実に
防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例を示し、シリンダの低速回転状態を
示す図であって、図5に示すバネクランプの部分拡大図
である。
【図2】上記バネクランプを設けたマシニングセンタの
正面図である。
【図3】図2のIII−III線矢視断面図である。
【図4】図3に相当する模式図である。
【図5】上記のバネクランプのクランプ状態を示す縦断
面図である。
【図6】同上バネクランプの切換え過渡状態を示す縦断
面図である。
【図7】同上バネクランプのアンクランプ状態を示す縦
断面図である。
【図8】上記シリンダの高速回転状態を示し、図1に相
当する図である。
【図9】第1変形例を示し、図1に相当する部分図であ
る。
【図10】第2変形例を示し、図1に相当する部分図で
ある。
【図11】第3変形例を示し、図1に相当する部分図で
ある。
【図12】第2実施例を示し、図5に相当する図であ
る。
【符号の説明】
10…シリンダ、11…ピストン、11a…外周面、1
2…高圧室(液封室)、13…低圧室(液給排室)、41…
第1溝、41a…隅肉部、41c…底部空間、41d…
押圧面、42…第2溝、45…第2シール部材、46…
第1シール部材、C…摺動隙間、E…第1溝41の幅寸
法、F…第1溝41の深さ寸法、G…第2溝42の幅寸
法、H…第2溝42の深さ寸法、Vw…第2シール部材
45のシール幅、Vh…第2シール部材45のシール高
さ、Ww…第1シール部材46のシール幅、Wh…第1シ
ール部材46のシール高さ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸心回りに高速回転されるシリンダ(1
    0)内にピストン(11)を挿入し、そのピストン(11)
    の第1端側に低圧室(13)を設けるとともに第2端側に
    高圧室(12)を設け、同上ピストン(11)の外周面(1
    1a)に第1溝(41)を形成し、この第1溝(41)に挿
    入した第1シール部材(46)によって上記シリンダ(1
    0)と上記ピストン(11)との間の摺動隙間(C)を封止
    可能に構成した、高速回転シリンダのピストン周面の封
    止装置において、 上記の第1溝(41)の幅寸法(E)を、上記の第1シール
    部材(46)のシール幅(Ww)とほぼ同じ値に設定し、 上記の第1溝(41)の深さ寸法(F)と前記の摺動隙間
    (C)との合計寸法を、同上の第1シール部材(46)のシ
    ール高さ(Wh)よりも大きい値に設定し、 上記の第1溝(41)に、前記の高圧室(12)に連通する
    底部空間(41c)を形成し、 上記の第1溝(41)の第1端側の隅肉部(41a)に、上
    記の第1シール部材(46)の第1端側の周面に接当する
    押圧面(41d)を設けた、 ことを特徴とする高速回転シリンダのピストン周面の封
    止装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の高速回転シリンダのピストン
    周面の封止装置において、 上記の第1溝(41)よりも第1端側で上記ピストン(1
    1)の外周面(11a)に第2溝(42)を形成し、この第
    2溝(42)に装着した第2シール部材(45)によって前
    記の摺動隙間(C)を封止可能に構成し、 上記の第2溝(42)の幅寸法(G)を、第2シール部材
    (45)のシール幅(Vw)よりも大きい値に設定し、 上記の第2溝(42)の深さ寸法(H)と前記の摺動隙間
    (C)との合計寸法を同上の第2シール部材(45)のシー
    ル高さ(Vh)よりも小さい値に設定したもの。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の高速回転シリンダのピ
    ストン周面の封止装置において、 前記の第1シール部材(46)を、断面視ほぼ円形のOリ
    ングで構成したもの。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2の高速回転シリンダのピ
    ストン周面の封止装置において、 前記の第1シール部材を、断面視でX状のXリングで構
    成したもの。
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