以下、本発明の実施形態に係る遊技機について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明に係る遊技機を「パチスロ機」に適用した実施の一形態を示している。このパチスロ機は、コイン、メダル又はトークンなどの他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したカードなどの遊技媒体を用いて遊技するものであるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
パチスロ機1の全体を形成しているキャビネット2(筐体に含まれる)の正面には、略垂直面としてのパネル表示部2aが形成されている。このパネル表示部2aの前面には、液晶表示装置5により表示される矩形の表示画面(以下、表示画面ともいう)5aが設けられ、この表示画面5aに液晶表示することができ、かつ液晶の奥側に配置されたリール3(左リール3L、中リール3C、右リール3Rに相当する)を透過表示できる。表示画面5aには、遊技に関する情報、あるいはアニメーションなどによる各種の演出が表示される。
パネル表示部2aの中央には、縦長矩形の表示窓4L、4C、4Rが設けられている。表示窓4L、4C、4Rには、有効ラインとして水平方向にトップライン8b、センターライン8c及びボトムライン8d、斜め方向にクロスダウンライン8a及びクロスアップライン8eが設けられている。
これらの有効ラインは、後述するBETスイッチ11、12、13を操作すること、あるいはメダル投入口22にメダルを投入することにより、それぞれ1本、3本、5本が設定される。どの有効ラインが設定されたかは、後で説明するBETランプ9a、9b、9cが点灯されることで認識される。
ここで、有効ライン8a〜8eは、役の成否に関わる。具体的には、所定の役(例えば、後述の「チェリーの小役」)に対応する1つの図柄(例えば、後述の"チェリー")がセンターライン8cに対応する所定の位置(例えば、左の表示窓4L内の中段の位置)に停止表示されること、又は所定の役に対応する図柄組合せを構成する図柄がいずれかの有効ラインに対応する所定の位置に並んで停止表示されることにより、所定の役が成立することとなる。
キャビネット2の内部には、各々の外周面に複数種類の図柄によって構成される図柄列が描かれた3つのリール3L、3C、3Rが回転自在に横一列に設けられている。前述したように、各リールの図柄は表示窓4L、4C、4Rを透して目視できる。各リールは、定速(例えば、80回転/分)で回転する。
前述の表示画面5aの領域外で、表示窓4L、4C、4Rの左側には、1−BETランプ9a、2−BETランプ9b、最大BETランプ9c、クレジット表示部19、操作キー24が設けられている。
1−BETランプ9a、2−BETランプ9b、最大BETランプ9cは、1つのゲームを行うために賭けられたメダルの数(以下「BET数」という)に応じて点灯する。
1−BETランプ9aは、BET数が"1"で1本の有効ラインが設定されたときに点灯する。2−BETランプ9bは、BET数が"2"で3本の有効ラインが設定されたときに点灯する。最大BETランプ9cは、BET数が"3"で全て(5本)の有効ラインが設定されたときに点灯する。
クレジット表示部19は、7セグメントLEDからなり、貯留(クレジット)されているメダルの枚数を表示する。前記貯留されているメダルは、遊技者がゲームで獲得し、払出されるべきものを、後述するC/Pスイッチ14の操作により機内に貯留されたものである。この貯留されているメダルの枚数は、RAM33(図14に示す)の所定の記憶領域に記憶されている。
操作キー(例えば、十字キー、決定ボタンキー、取消ボタンキー)24は、表示画面5aに表示された表示画像の選択操作を行うものである。また、所定の操作を行うことにより、メニュー画面の呼び出し表示を行うものである。
表示窓4L、4C、4Rの右側には、WINランプ(いわゆる当り表示ランプ)17、払出表示部18及びボーナス遊技情報表示部20が設けられている。
WINランプ17は、所定の役、例えば「ビッグボーナス(以下、BBと記す)」に当籤した場合に所定の確率で点灯する。ここで、BB及び「レギュラーボーナス(以下、RBと記す)」を総称して、以下単に「ボーナス」という。BB及びRBの詳細については、後述する。
払出表示部18は、7セグメントLEDからなり、入賞成立時のメダルの払出枚数を表示する。ボーナス遊技情報表示部20は、7セグメントLEDからなり、後で説明するRB遊技状態におけるゲームの回数などを表示する。
表示画面5aの下方には、水平面の台座部10が形成されている。台座部10の右側には、メダル投入口22が設けられている。メダル投入口22の左側には、最大BETスイッチ13が設けられている。また、表示画面5aの左側下方に、1−BETスイッチ11及び2−BETスイッチ12が設けられている。
1−BETスイッチ11は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの1枚がゲームに賭けられ、2−BETスイッチ12は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの2枚がゲームに賭けられ、最大BETスイッチ13は、1回の押し操作により、1回のゲームに賭けることが可能な最大枚数のメダルが賭けられる。これらのBETスイッチ11、12、13を操作することで、前述のとおり、所定の有効ラインが設定される。
台座部10の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット(Credit)と払出し(Pay)を押しボタン操作で切り換えるC/Pスイッチ14が設けられている。このC/Pスイッチ14の切り換えにより、クレジットモード又は払出モードの切り換えが行われる。クレジットモードでは、入賞が成立すると、入賞に対応する払出枚数分のメダルが、クレジットされる。また、払出モードでは、入賞が成立すると、入賞に対応する払出枚数分のメダルが、正面下部のメダル払出口15から払出され、このメダル払出口15から払出されたメダルは、メダル受け部16に溜められる。
C/Pスイッチ14の右側には、遊技者の操作によりリール3L、3C、3Rを回転させ、表示窓4L、4C、4R内での図柄の変動表示を開始するためのスタートレバー6が所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。
台座部10の前面部中央で、表示画面5aの下方には、3つのリール3L、3C、3Rの回転をそれぞれ停止させるための3つの停止ボタン7(左停止ボタン7L、中停止ボタン7C、右停止ボタン7Rに相当する)が設けられている。
3つの停止ボタン7の右側には、遊技者の操作でリール3を停止制御するときの基準位置(リセット位置)を更新するための3つの基準スイッチ110(上基準スイッチ110a、中基準スイッチ110b、下基準スイッチ110c)が設けられている。中基準スイッチ110bで設定されるリセット位置は、パチスロ機1の出荷時あるいはゲーム開始時に設定される初期リセット位置に相当する。これに対し、上基準スイッチ110aの操作で、リセット位置が初期リセット位置よりもリール3の回転方向上流(上側)に更新され、表示窓4内での図柄の停止位置が上側にずれることになる。また、下基準スイッチ110cの操作で、リセット位置が初期リセット位置よりもリール3の回転方向下流(下側)に更新され、表示窓4内での図柄の停止位置が下側にずれることになる。なお、後述の図2、図3に示すように、初期リセット位置は、リール3に設けられた遮光部140bを検知する第2の光センサ151b、152bの検知位置に相当する。他のリセット位置は、前記遮光部140bを検知する第1の光センサ151a、152a又は第3の光センサ151c、152cの検知位置に相当する。
パネル表示部2aの上方の左右には、スピーカ21L、21Rが設けられ、その2台のスピーカ21L、21Rの間には、表示図柄の組合せ及びメダルの配当枚数などを表示する配当表パネル23が設けられている。
なお、本実施形態では、1ゲーム(単位遊技)は、基本的にスタートレバー6が操作されることにより開始し、全てのリール3L、3C、3Rが停止したときに終了する。
また、本実施の形態では、全てのリールが回転しているときに行われるリールの停止操作(停止ボタン7L、7C、7Rのいずれかの操作)を「第1停止操作」といい、「第1停止操作」の次に行われる停止操作を「第2停止操作」といい、「第2停止操作」の次に行われる停止操作を「第3停止操作」という。
図2は、リール3のいずれか一つを含むリールユニットの構成を示している。ここで、(a)はリールユニットの側面図であり、(b)は断面図(上方)である。
図2において、リール3は、図柄(図示せず)を表出する円筒状の周面部111と、4つのスポークからなるスポーク部112と、中央のボス部113とからなり、合成樹脂で一体成形された回転体である。ステッピングモータ49は金属板からなる基板130にネジ(図示せず)で取り付けられ、その軸121はボス部113の穴に嵌合され、リール3を支持すると共にこれを回転させる。
また、リール3のスポーク112aには、遮光体140が取り付けられる。遮光体140の基部には、スポーク112aの中間部に形成された角穴112bに挿着される係止爪140aが形成されている。この係止爪140aは二股に分かれており、この二股部を狭めることによって弾性によりスポーク112aの角穴112bに着脱自在に挿着される。一方、遮光体140の先端部には、棒状の遮光部140bが形成されている。
図2において、光センサ部150は、複数の光センサ(例えば、図3の151a〜151c、152a〜152cを含む透過型光センサ)を有し、L字状のセンサ支持台160に固定されている。ここでは、ステッピングモータ49の駆動によるリール3の回動に伴い、複数の光センサのいずれか一つが前記遮光部140bの通過を検知する。この光センサ部150による検知位置が、リール停止制御処理を行うときの基準位置となる。また、前述の基準スイッチ110の操作により、複数の光センサのいずれか一つが選択され、前記基準位置(リセット位置に相当する)が決定される。
図3は、前述の光センサ部150の構成を示している。この光センサ部150は、後述のリール位置検知回路50に含まれる。また、図3中の矢印は、リール3の回転方向(遮光部140bの移動方向に相当する)を示している。
図3において、光センサ部150は、発光部151aと受光部152aを有する第1の光センサ(以下、「第1の光センサ151a、152a」とも記す)と、発光部151bと受光部152bを有する第2の光センサ(以下、「第2の光センサ151b、152b」とも記す)と、発光部151cと受光部152cを有する第3の光センサ(以下、「第3の光センサ151c、152c」とも記す)と、を備えている。それぞれの隣り合う光センサの間隔は、ステッピングモータ49の所定のステップ数の回転角に対応している。これにより、所定のステップ数ずつ、3段階にリセット位置を変更できる(換言すれば、停止操作に基づく図柄の停止位置を調節できる)。ここでは、前述の上基準スイッチ110aの操作で第1の光センサ151a、152aが検知可能となり、中基準スイッチ110bの操作で第2の光センサ151b、152bが検知可能となり、下基準スイッチ110cの操作で第3の光センサ151c、152cが検知可能となる。なお、光センサ部150は、基板130に形成されたL字状部にネジ(不図示)で取り付けられた、L字状のセンサ支持台160の取り付け座160aに固定されている。
ここで、例えば、リール3に21個の図柄が等間隔で配列され、4相のパルスモータがそのうちの1相の1パルス当り1.8度回転すると、ステッピングモータ49は200パルスで1回転し、図柄は21個分ずれる。これから、図柄が1個分ずれるには9パルス(ステップ)あるいは10パルスの信号をステッピングモータ49に送ればよい(200/21≒9.5)。また、特定の図柄位置(初期リセット位置)から順に、図柄ごとにコードナンバーを割り当てると、初期リセット位置からのコマずれにより図柄を特定することができる。また、コードナンバーは、初期リセット位置通過後、モータ駆動回路39(図13に示す)からステッピングモータ49(図13に示す)に送られたパルス(ステップ)の数に基づいて判断することができる。この場合、上基準スイッチ110a又は下基準スイッチ110cを操作することにより、初期設定でリール停止制御に用いられている第2の光センサを、第1の光センサ又は第3の光センサに切り換えると、初期リセット位置が上方向又は下方向にずれる。この状態で、初期リセット位置に対応させたパルス数をステッピングモータ49に送ると、図柄の停止位置がずれることになる。本実施形態では、前記停止位置のずれが所定の範囲(例えば、表示窓4に決定された図柄が表示可能な範囲)となるように、各光センサの間隔を設定し、図柄の停止位置を遊技者の視点に応じて微調整可能としている。
なお、図2、図3に示すリールユニットにおいては、モータ部及び光センサ部のみを図示し、他の構成は省略したが、リールユニット前方(図2(a)における右方)内部には照明用の光源が内蔵され、また、各種電気回路、配線等も収納されている。
図4は、各リール3L、3C、3Rに表された複数種類の図柄が21個配列された図柄列を示している。各図柄には"0"〜"20"のコードナンバーが付され、データテーブルとして後で説明するROM32(図13に示す)に記憶されている。各リール3L、3C、3R上には、"白7(図柄91)" 、"チェリー(図柄92)" 、"スイカ(図柄93)"、" Replay (図柄94)"、"ベル(図柄95)"の図柄及び図柄のない"ブランク図柄"で構成される図柄列が表わされている。各リール3L、3C、3Rは、図柄列が図4の矢印方向へ移動するように回転駆動される。
図5は、図柄組合せテーブルを示している。
本実施形態においては、遊技者によりスタートレバー6が操作されると、内部抽籤を行い、内部当籤役(例えば、「チェリーの小役」、「リプレイ」、「BB」など)を決定する。そして、遊技者の停止操作により、リール3を停止させ、遊技者が指定した有効ライン8上に、前記内部当籤役に対応する図柄組合せが停止表示されれば、表示役の成立となる。
ここで、表示役のうち、特に、内部当籤役に対応する図柄組合せが有効ライン上に停止表示されたとき払出しのあるものを「入賞役」とする。内部当籤役に対応する図柄組合せが有効ライン上に停止表示されたとき払出しのないものについては、「当籤役の成立」という。
図5に示すように、有効ラインに沿って図柄の組合せ"チェリー−ANY−ANY"(ANYはどの図柄でもよい)が並ぶことにより、「チェリーの小役」に入賞し、メダル投入枚数が1枚及び2枚のとき、15枚のメダルが払出され、メダル投入枚数が3枚のとき、4枚のメダルが払出される。なお、投入枚数が3枚である、即ち、有効ラインが5本設定されている場合に、チェリーが左の表示窓4Lの上段又は下段に表示されると、2つの有効ライン上で成立することとなるので、8枚(4枚×2)のメダルの払出しが行われる。
また、有効ラインに沿って図柄の組合せ"ベル−ベル−ベル"が並ぶことにより、「ベルの小役」に入賞し、メダル投入枚数が1枚及び2枚のとき、15枚のメダルが払出され、メダル投入枚数が3枚のとき、10枚のメダルが払出される。
また、有効ラインに沿って図柄の組合せ"スイカ−スイカ−スイカ"が並ぶことにより、「スイカの小役」に入賞し、メダル投入枚数にかかわらず、8枚のメダルが払出される。
前記「チェリーの小役」、「ベルの小役」、「スイカの小役」を「小役」と総称する場合もある。
また、有効ラインに沿って図柄の組合せ" Replay−Replay−Replay"が並ぶことにより、「リプレイ」が成立する。「リプレイ」が成立すると、投入したメダルの枚数と同数のメダルが自動投入されるので、遊技者は、メダルを消費することなく次のゲームを行うことができる。即ち、「リプレイ」は、成立することにより遊技価値の投入をすることによらずに遊技を行うことができる表示役である。
また、有効ラインに沿って図柄の組合せ"白7−白7−白7"が並ぶことにより、「BB」が成立して、メダルは払出されないが、次のゲームの遊技状態が「RB遊技状態」(具体的には、BB作動中フラグが"オン"となり、RB作動時処理によりRB遊技状態)となる。遊技状態については、後述する。
また、前記「チェリーの小役」、「ベルの小役」、「スイカの小役」、「リプレイ」及び「BB」に係る図柄の組合せ以外の図柄の組合せが表示されると、「ハズレ」が成立する。
ここでいう遊技状態とは、そのゲームあるいは何回かのゲームの間の遊技状態を示すもので、基本となる「一般遊技状態」と、遊技者に有利な「RB遊技状態」とがある。
「RB遊技状態」とは、内部抽籤の際にメダルを獲得できる当籤役に当籤しやすい内部抽籤テーブルが選択される遊技状態であり、遊技者にとって有利な遊技状態となっている。「内部抽籤テーブル」については、後述する。
また、「RB遊技状態」は終了条件が規定されている。本実施の形態においては、1回の「RB遊技状態」において可能な最大のゲーム数(これを「RB遊技可能回数」という)は、12回である。また、この「RB遊技状態」において、メダルの払出しが行われる入賞役を成立させることができる回数(これを「RB入賞可能回数」という)は、8回までである。即ち、この「RB遊技状態」は、ゲーム数が12回に達するか、又は入賞役の成立回数が8回に達した場合に終了する。
更に、「RB遊技状態」は、ボーナス中(具体的には、BB作動中フラグが"オン"の状態のとき)に発生する遊技状態であるが、ボーナスの終了条件も規定されている。本実施の形態においては、ボーナスを終了させる払出枚数が、"350"枚と規定されている。即ち、ボーナス(BB作動中フラグが"オン"の状態)は、払出枚数が"350"枚に達した場合に終了する。
また、前述のように「一般遊技状態」とは、遊技者に有利な特典がない基本的な遊技状態である。更に、「一般遊技状態」において、「BB」(ボーナスの作動に係る内部当籤役)に内部当籤したが、設定された有効ライン上に「BB」の図柄組合せが表示させられなかった場合、内部当籤した「BB」を次回以降のゲームに持ち越す。「BB」に内部当籤すると、「BB」の図柄の組合せが、設定された有効ライン上に表示されるまでの間、「BB」を「持越役」として記憶する。「BB」が「持越役」として記憶されている間、「持越状態」が継続する。この「BB」が「持越役」として持ち越されている状態を、BB内部当籤状態(BB持越状態)ともいう。
図6は、内部抽籤テーブル決定テーブルを示している。これは、内部抽籤処理において、遊技状態に基づいて内部抽籤テーブルの種別と抽籤回数を決定するために用いられる。
即ち、内部抽籤テーブル決定テーブルは、遊技状態に応じて選択する内部抽籤テーブルと、その内部抽籤テーブルを用いて何回まで抽籤を行うかを示す抽籤回数と、が規定されたものである。ここで、抽籤回数とは、内部抽籤処理に先立って取得された乱数値と、当籤番号ごとに設定された抽籤値とを用いて行われる抽籤処理(減算処理に相当する)の回数を示している。内部当籤役は、この内部抽籤処理により求められる当籤番号にしたがって決定されることになる。
図6に示すように、一般遊技状態では、内部抽籤テーブルとして一般遊技状態用内部抽籤テーブルが決定されると共に、抽籤回数として"5"が決定される。RB遊技状態では、内部抽籤テーブルとしてRB遊技状態用内部抽籤テーブルが決定されると共に、抽籤回数として"3"が決定される。
図7は、内部抽籤テーブルを示している。ここで、(a)は一般遊技状態用内部抽籤テーブル、(b)は、RB遊技状態用内部抽籤テーブルである。これは、内部抽籤処理において、当籤番号と投入枚数に基づいて抽籤値を取得するために用いられる。
図7に示すように、内部抽籤テーブルには、当籤番号と、この当籤番号ごとに投入枚数に応じた抽籤値が示されている。各抽籤値を所定の値"65536"で除したものが、該当する内部当籤役の当籤率となる。なお、"65536"と各抽籤値の合計値との差が"ハズレ"となる。また、本実施の形態では、「一般遊技状態用内部抽籤テーブル」、「RB遊技状態用内部抽籤テーブル」の2つの内部抽籤テーブルを用いる。
図7(a)の一般遊技状態用内部抽籤テーブルは、前述のように一般遊技状態で用いられる。また、ここでは、投入枚数ごとに当籤番号と抽籤値とが対応付けられている。この一般遊技状態用内部抽籤テーブルに基づいて、当籤番号として"1"〜"5"のいずれかに決定される可能性があり、いずれの抽籤値の範囲内にもないときには、当籤番号は"0"となる。
図7(b)のRB遊技状態用内部抽籤テーブルは、前述のようにRB遊技状態で用いられる。このRB遊技状態用内部抽籤テーブルに基づいて、当籤番号として"1"〜"3"のいずれかに決定される可能性があり、いずれの抽籤値の範囲内にもないときには、当籤番号は"0"となる。
ここで、内部抽籤テーブルは、複数段階(例えば、6段階)設けられた設定値(設定)ごとに設けられるが、設定値ごとの内部抽籤テーブルは省略する。設定値は、基本的に遊技店側が設定(選択)する値であり、設定値に応じて遊技における遊技者の有利さの度合い(例えば、出玉率、役の内部当籤確率など)が異なっている。実際には、設定値として"1"〜"6"を設けるようにしている。そして、BBなどの役に内部当籤する確率が、設定値の間で異なるようにしている。また、全ての設定値ごとに遊技状態に応じた内部抽籤テーブルを用意するのではなく、設定値間で同一の内部抽籤テーブルを共用してもよい。このとき、同一の遊技状態で共用してもよいし、異なる遊技状態で共用することもできる。このような内部抽籤テーブルの設定は、前述の内部抽籤テーブル決定テーブルにより、容易に行うことができる。
図8は、内部当籤役決定テーブルを示している。内部当籤役決定テーブルは、前述の内部抽籤処理により求められた当籤番号にしたがって内部当籤役を決定するものである。ここで、内部当籤役は、8ビットのビット列で表される。
図8に示すように、当籤番号が"0"のときには、いずれの遊技状態においても、内部当籤役として"00000000"が決定され、これは"ハズレ"のことである。
以下、すべての当籤番号について、一般遊技状態、RB遊技状態ともに、同一の内部当籤役が対応付けられている。
当籤番号が"1"のときには、内部当籤役として"00000001"が決定され、これは"チェリー"のことである。当籤番号が"2"のときには、内部当籤役として"00000010"が決定され、これは"ベル"のことである。当籤番号が"3"のときには、内部当籤役として"00000100"が決定され、これは"スイカ"のことである。
当籤番号が"4"のときには、内部当籤役として"00001000"が決定され、これは"リプレイ"のことである。当籤番号が"5"のときには、内部当籤役として"00010000"が決定され、これは"BB"のことである。
図9は、ボーナスチェックデータを示している。図9に示すように、ボーナスチェックデータは、8ビットで"00010000"となっている。
ボーナスチェックデータは、内部抽籤処理において、内部当籤役との論理演算(論理積演算)に用いられ、内部当籤役からボーナスデータのみを抽出させるものである。具体的には、ボーナスチェックデータ"00010000"と内部当籤役との論理積演算により、内部当籤役「BB」のビット4の"1"のみ有効となるので、内部当籤役が「BB」のときのみボーナスデータとして抽出される。
図10は、内部当籤役(又は表示役)格納領域を示している。この内部当籤役格納領域は、RAM33の所定の記憶領域に割り当てられている。ここでは、格納された各ビットデータの種別(ビット0〜ビット7)と当該ビットデータとして設定される値(0又は1)とが対応付けられている。
また、内部当籤役格納領域は、内部抽籤処理において、内部当籤役と持越役格納領域の格納データの論理和が格納されるものである。
図11は、持越役格納領域を示している。この持越役格納領域は、RAM33の所定の記憶領域に割り当てられている。
また、持越役格納領域は、同じく内部抽籤処理において、内部当籤役とボーナスチェックデータの論理積と、持越役格納領域のデータとの論理和が格納されるものである。
図12は、ボーナス作動時テーブルを示している。このボーナス作動時テーブルには、ボーナスが成立したときに設定する各種情報設定値が記載されている。
図12に示すように、表示役「BB」が成立し、BB作動時処理が発動されたときには、作動中フラグとして"BB作動中フラグ"をオンとし、ボーナス終了枚数カウンタに"350"を設定する。RB作動時処理が発動されたときには、作動中フラグとして"RB作動中フラグ"をオンとし、遊技可能回数カウンタに"12"を、入賞可能回数カウンタに"8"をそれぞれ設定する。
図13は、パチスロ機1における遊技処理動作を制御する主制御回路71と、主制御回路71に電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)と、主制御回路71から送信される制御信号(コマンド)に基づいて液晶表示装置5及びスピーカ21L、21Rなどを制御する副制御回路72とを含む回路構成を示している。
主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、予め設定されたプログラムにしたがって制御動作を行うCPU31と、記憶手段であるROM32及びRAM33を備えている。
CPU31には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路34及び分周器35と、抽出(サンプリング)される乱数を発生する乱数発生器36及びサンプリング回路37とが接続されている。
なお、乱数サンプリングのための手段として、マイクロコンピュータ30内で、即ち、CPU31の動作プログラム上で、乱数サンプリングを実行するように構成してもよい。その場合、乱数発生器36及びサンプリング回路37は省略可能であり、あるいは、乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくことも可能である。
マイクロコンピュータ30のROM32には、CPU31の処理に係るプログラム、スタートレバー6を操作(スタート操作)するごとに行われる乱数サンプリングの判定に用いられる「内部抽籤テーブル」、ボーナスが成立したときに設定する各種情報設定値が規定された「ボーナス作動時テーブル」、停止ボタンの操作に応じてリールの停止態様を決定するための「停止制御テーブル(不図示)」、副制御回路72に送信するための各種制御指令(コマンド、信号)などが記憶されている。
RAM33には、種々の情報が格納される。例えば、抽出した乱数値、各種フラグ(例えば、BB作動中フラグ、RB作動中フラグ)、メダルのクレジット枚数、遊技状態の情報などが格納される。
また、副制御回路72が主制御回路71へコマンド、情報などを入力することはなく、主制御回路71から副制御回路72への一方向で通信が行われる。
マイクロコンピュータ30からのコマンドにより動作が制御される主要なアクチュエータとしては、メダルを収納しホッパー駆動回路41の命令により所定枚数のメダルを払出すホッパー(払出しのための駆動部を含む)40、リール3L、3C、3Rを回転駆動するステッピングモータ49L、49C、49Rなどがある。
更に、ステッピングモータ49L、49C、49Rを駆動制御するモータ駆動回路39及びホッパー40を駆動制御するホッパー駆動回路41がCPU31の出力部に接続されている。これらの駆動回路は、それぞれCPU31から出力される駆動指令などの制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御する。なお、モータ駆動回路39は、ステッピングモータ49L、49C、49Rを任意の速度で回転させる。
また、マイクロコンピュータ30が制御指令を発生するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、スタートスイッチ6S、1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、最大BETスイッチ13、上基準スイッチ110a、中基準スイッチ110b、下基準スイッチ110c、C/Pスイッチ14、投入メダルセンサ22S、リール停止信号回路46、リール位置検知回路50、払出完了信号回路51があり、これらもCPU31に接続されている。
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6の操作を検知してスタートスイッチ信号を発生する。投入メダルセンサ22Sは、メダル投入口22に投入されたメダルを検知する。
CPU31は、投入メダルセンサ22Sがメダル投入口22に投入されたメダルを検知すると、このメダルをカウントしてRAM33に最大50枚のメダルをクレジットするようになっており、CPU31は、RAM33にクレジットされたメダルを1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、最大BETスイッチ13の押圧操作に応じた枚数だけ減算し、有効ライン8a〜8eを設定し、BETランプ9a、9b、9cを点灯させるようになっている。CPU31は、上基準スイッチ110a又は中基準スイッチ110b又は下基準スイッチ110cの押圧操作を検知すると、リール位置検知回路50に対して、光センサ部150(図3に示す)の接続状態に応じ、第1の光センサ151a、152a又は第2の光センサ151b、152b又は第3の光センサ151c、152cの接続を切り換えさせる。
リール停止信号回路46は、各停止ボタン7L、7C、7Rの操作に応じて停止信号を発生する。リール位置検知回路50は、リール回転センサ(図3の光センサ部150に相当する)からのパルス信号を受けて各リール3L、3C、3R上の図柄の位置を検知するための信号をCPU31に供給する。ここでは、第1の光センサ151a、152a、第2の光センサ151b、152b、第3の光センサ151c、152cの配置のずれに基づいて、それぞれの光センサからのパルス信号の発生タイミング(検知タイミングに相当する)が異なる。なお、光センサ部150には、リール位置検知回路50に対するCPU31からのコマンドに基づいて、それぞれの光センサとの接続を切り換える切換スイッチなどの切換手段を有する。払出完了信号回路51は、メダル検知部40Sの計数値(ホッパー40から払出されたメダルの枚数)が指定された枚数データに達した時、メダル払出完了を検知するための信号を発生する。
乱数発生器36は、一定の数値範囲(0〜65535)に属する乱数値を発生し、サンプリング回路37は、スタートレバー6が操作された後の適宜のタイミングで1個の乱数値をサンプリングする。こうしてサンプリングされた乱数値及びROM32内に格納されている内部抽籤テーブルに基づいて、内部当籤役が決定される。
リール3L、3C、3Rの回転が開始された後、モータ駆動回路39からステッピングモータ49L、49C、49Rの各々に供給される駆動パルスの数がCPU31によって計数され、その計数値はRAM33の所定エリアに書き込まれる。リール3L、3C、3Rの遮光部140の通過検知に基づいて光センサ部150からは一回転ごとにリセットパルスが得られ、これらのパルスはリール位置検知回路50を介してCPU31に入力される。こうして得られたリセットパルスにより、RAM33で計数されている駆動パルスの計数値が"0"にクリアされる。これにより、RAM33内には、各リール3L、3C、3Rについて一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納される。
前記リール3L、3C、3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応付けるために、図柄テーブル(不図示)がROM32内に格納されている。この図柄テーブルでは、前述したリセットパルスが発生する回転位置(リセット位置に相当する)を基準として、各リール3L、3C、3Rの一定の回転ピッチごとに順次付与されるコードナンバー(図柄位置に相当する)と、それぞれのコードナンバーごとに対応して設けられた図柄を示す図柄コードとが対応付けられている。
更に、ROM32内には、図柄組合せテーブルが格納されている。この図柄組合せテーブルでは、表示役となる図柄の組合せと、表示役のメダル払出枚数と、その表示役を表わす表示役判定コードとが対応付けられている。前記図柄組合せテーブルは、左リール3L、中リール3C、右リール3Rの停止制御時、及び全リール3L、3C、3Rの停止後の表示役確認を行う場合に参照される。
前記乱数サンプリングに基づく抽籤処理(内部抽籤処理)に基づいて、CPU31は、遊技者が停止ボタン7L、7C、7Rを操作したタイミングでリール停止信号回路46から送られるリール停止信号、及び選択された「停止制御テーブル」に基づいて、リール3L、3C、3Rを停止制御する信号をモータ駆動回路39に送る。
内部当籤後、入賞を示す停止態様となれば、CPU31は、C/Pスイッチ14により設定されたモードに応じて、RAM33にセットされたクレジットカウンタの更新、又は、払出指令信号をホッパー駆動回路41に供給してホッパー40から所定枚数のメダルの払出しを行う。その際、メダル検知部40Sは、ホッパー40から払出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達した時に、メダル払出完了信号がCPU31に入力される。これにより、CPU31は、ホッパー駆動回路41を介してホッパー40の駆動を停止し、「メダル払出処理」を終了する。
副制御回路72は、主制御回路71を構成する回路基板とは別の回路基板上に形成されている。副制御回路72は、主制御回路71、操作キー24及び音量調節部92からの制御信号に基づいて液晶表示装置5の表示制御、ランプ類(BETランプ9a、9b、9c、WINランプ17)やLED類(払出表示部18、クレジット表示部19、ボーナス遊技情報表示部20)の点灯制御及びスピーカ21L、21Rからの音の出力制御を行う。
図14、図15は、パチスロ機1の主制御回路71による制御処理のメインフローチャートである。このフローチャートは、ROM32に記憶された制御プログラムにより実行される処理手順を示すものであり、CPU31によって実施される。
初めに、CPU31は、遊技開始時の初期化処理を行う(ステップS1)。具体的には、RAM33の記憶内容の初期化、通信データの初期化などを行う。
次いで、1ゲーム終了時用初期化処理、即ち、ゲーム終了時のRAM33の所定の記憶領域の情報を消去する(ステップS2)。具体的には、前回のゲームに使用されたRAM33の書き込み可能エリアのデータの消去、RAM33の書き込みエリアへの次のゲームに必要なパラメータの書き込み、次のゲームのシーケンスプログラムの開始アドレスの指定などを行う。
次いで、CPU31は、ボーナス作動監視処理を行う(ステップS3)。ここでは、BB作動中であるときに、RBも作動中となるようにする。ボーナス作動監視処理の詳細については、後述する。
次いで、メダル投入・スタートチェック処理を行う(ステップS4)。具体的には、リプレイ作動中フラグに基づく前回のゲームでリプレイが成立したか否かの判断情報、メダル投入口22へのメダル投入に基づく投入メダルセンサ22Sからの入力、及び選択ダイアル110の押圧操作に基づく選択スイッチ110Sからの入力に応じて、RAM33にセットされた投入枚数カウンタ(後述の「メダルカウンタ」に相当する)を更新する。ここで、リプレイ作動中フラグは、リプレイの成立の有無を識別する情報であり、投入枚数カウンタは、次のゲームにおける投入枚数を特定する情報である。
また、投入枚数カウンタの値に応じ、メダルの投入ごとに後述のメダル投入コマンドを副制御回路72へ送信して有効ラインの設定を行う。例えば、投入枚数カウンタが「3」であれば、全ての有効ライン上に表示された図柄組合せに基づいて後述の表示役を決定する。更に、メダルが投入されていること(例えば、投入枚数カウンタが「1」以上であること、又は、投入枚数カウンタが最大値「3」であること)を条件として、スタートレバー6の操作に基づくスタートスイッチ6Sからの入力の有無をチェックする。メダル投入・スタートチェック処理の詳細についても、後述する。
次いで、CPU31は、内部抽籤用の乱数値抽出処理を行う(ステップS5)。この乱数値抽出処理では、サンプリング回路37を介して乱数発生器36により発生されている「0〜65535」の範囲の乱数値から1つの乱数値を抽出し、抽出した乱数値をRAM33の乱数値記憶領域に記憶する。
次いで、CPU31は、遊技状態監視処理を行う(ステップS6)。この遊技状態監視処理では、BB作動中フラグ、RB作動中フラグ、又は持越役の情報に基づいて、今回のゲームにおける遊技状態を識別する情報をRAM33にセットする。
次いで、CPU31は、内部抽籤処理を行う(ステップS7)。
この内部抽籤処理では、内部抽籤テーブル決定テーブルを参照し、前述の遊技状態監視処理で取得した遊技状態に基づいて、抽籤回数と内部抽籤テーブルの種別を決定する。例えば、遊技状態が一般遊技状態である場合、抽籤回数として"5"を決定するとともに、内部抽籤テーブルとして一般遊技状態用内部抽籤テーブルを決定する。
次いで、この一般遊技状態用内部抽籤テーブルを参照し、前述の乱数値抽出処理で取得した乱数値(RAM33の乱数値記憶領域に記憶された乱数値)に基づいて、今回の内部当籤役を決定する。次いで、決定した内部当籤役がボーナスであれば、このボーナスを持越役としてRAM33の持越役格納領域にセットする。更に、前述のように決定した今回の内部当籤役と持越役との論理和を当籤役として決定する。
例えば、内部当籤役として「ベルの小役」が決定され、持越役として「BB」がセットされていれば、「ベルの小役」と「BB」を当籤役として決定する。つまり、内部当籤役と持越役は、リール停止時の図柄の表示態様の決定に関わる情報であり、これらを含めて「当籤役」という。なお、内部抽籤処理の詳細についても、後述する。
次いで、CPU31は、副制御回路72に対して「スタートコマンド」を送信する(ステップS8)。このスタートコマンドには、内部当籤役、遊技状態の情報などが含まれている。
次いで、前回のゲームが遊技者の開始操作で開始されてから所定時間(例えば"4.1秒")経過しているか否かを判断し(ステップS9)、この判断結果が"YES"のときにはタイマのセット処理(ステップS11)に移り、"NO"のときには待ち時間消化処理(ステップS10)に移る。
待ち時間消化処理(ステップS10)では、前回のゲームが開始してから所定時間経過するまでの間、以降の処理を行わずに、ゲーム開始待ち時間の消化(ウェイト)を行う。具体的には、前回のゲームが開始してから"4.1秒"経過するまでの間、遊技者のゲームを開始する操作に基づく入力を無効にする処理を行う。
次いで、ゲーム監視用タイマのセット処理(ステップS11)において、ゲーム監視用タイマをセットする。具体的には、1ゲーム間監視用タイマ、自動停止タイマをセットする。1ゲーム間監視用タイマは、ゲーム間の時間を確保するために、ゲームが開始してからの時間を測定するタイマであり、自動停止タイマは、遊技者の停止ボタン7L、7C、7Rの停止操作によらずに自動的にリール3L、3C、3Rを停止させるためのタイマである。
次いで、CPU31は、モータ駆動回路39に対して、全リール(リール3L、3C、3R)の回転開始要求を行い(図15のステップS12)、モータ駆動回路39は、全リール(リール3L、3C、3R)の回転処理を行う。
次いで、CPU31は、リール停止制御処理を行う(ステップS13)。具体的には、いずれかの停止ボタン7L、7C、7Rが操作された場合、停止テーブルに基づいて、停止操作された停止ボタン7L、7C、7Rに対応するリール3L、3C、3Rを停止させる。このとき、副制御回路72に対して、「リール停止コマンド」を送信する。このリール停止コマンドには、停止リール、停止位置の情報などが含まれている。リール停止制御処理の詳細についても、後述する。
全ての停止ボタン7L、7C、7Rが操作され、全てのリール3L、3C、3Rを停止させたら、図柄組合せテーブルに基づいて、表示役と払出枚数を決定する(ステップS14)。この処理では、表示窓4L、4C、4Rの図柄の停止態様に基づいて表示役(当籤が成立した役)を識別し、表示役フラグをセットする。具体的には、有効ラインに沿って並ぶ図柄のコードナンバー及び図柄組合せテーブル、投入枚数に基づいて、表示役と払出枚数を識別する。
次いで、副制御回路72に対して「表示役コマンド」を送信する(ステップS15)。この表示役コマンドには、表示役を特定する表示役フラグの情報、払出枚数に関する情報などが含まれる。
次いで、メダル払出処理を行う(ステップS16)。このメダル払出処理では、クレジットモードであれば、払出枚数情報に基づいて、RAM33にセットされたクレジットカウンタを更新する。クレジット表示部19のクレジットカウンタの値は、このクレジットカウンタの更新に基づいて、表示させる。また、払出モードであれば、払出枚数情報に基づいて、ホッパー駆動回路41によりホッパー40を駆動制御してメダルの払出しを行う。また、CPU31は、表示役がリプレイであれば、リプレイ作動中フラグを"オン"にする。また、CPU31は、メダルの獲得枚数を更新する。この後、CPU31は、副制御回路72へ払出終了コマンドを送信する。この払出終了コマンドは、メダルの払出しが完了したことを示す情報を含む。
次いで、CPU31は、前記払出枚数に基づいて、ボーナス終了枚数カウンタの値を更新する(ステップS17)。ここでは、ボーナス終了枚数カウンタの値が"1"以上であれば、メダルの払出枚数に応じて当該カウンタの値を減算する。
次いで、CPU31は、RAM33の所定の記憶領域を参照して、BB作動中フラグ及びRB作動中フラグを確認して(ステップS18)、BB作動中フラグ又はRB作動中フラグが"オン"であれば、ボーナス終了チェック処理を行う(ステップS19)。ボーナス終了チェック処理については、後述する。
また、BB作動中フラグ及びRB作動中フラグがともに"オフ"であるか(ステップS18で判断)、ボーナス終了チェック処理(ステップS19)が終了したら、CPU31は、ボーナス作動チェック処理を行う(ステップS20)。ボーナス作動チェック処理についても、後述する。
前記ボーナス作動チェック処理(ステップS20)が終了したら、CPU31は、1ゲーム終了用初期化処理(図14のステップS2)に戻る。
図16は、ボーナス作動監視処理のフローチャートである。これは、主制御回路71のボーナス作動監視処理(図14のステップS3)の詳細を示している。
まず、CPU31は、BB作動中フラグが"オン"であるか否かを確認する(ステップS31)。BB作動中フラグが"オン"でなければ、ボーナス作動監視処理を終了する。
ここで、BB作動中フラグが"オン"であれば、RB作動中フラグが"オン"であるか否かを確認する(ステップS32)。RB作動中フラグが"オン"であれば、ボーナス作動監視処理を終了する。
また、RB作動中フラグが"オン"でなければ、ボーナス作動時テーブルに基づいてRB作動時処理を行う(ステップS33)。具体的には、RB作動中フラグを"オン"として設定し、遊技可能回数カウンタに"12"を設定し、入賞可能回数カウンタに"8"を設定する。
図17、図18は、メダル投入・スタートチェック処理のフローチャートである。これは、主制御回路71のメダル投入・スタートチェック処理(図14のステップS4)の詳細を示している。
まず、メダル受付・スタートチェック処理では、デモ用タイマをセットする(ステップS41)。具体的には、デモ用タイマに"40000"をセットする。この値は、後述する定期割込処理におけるタイマ管理処理において減算されるものであり、この値が"0"となったとき、副制御回路72において、デモ用映像等を表示するように制御させる。
次に、メダル受付許可か否かを判定する(ステップS42)。メダル受付が許可されていなければ、投入枚数カウンタの判定処理(図18のステップS51)に移行する。メダル受付が許可されていれば、投入メダルスイッチ(投入メダルセンサ22Sに相当する)が"オン"になったか否かを判断する(ステップS43)。投入メダルスイッチが"オン"となっていなければ、クレジット投入処理を行い(ステップS44)、投入枚数カウンタの判断処理(ステップS51)に移行する。このクレジット投入処理では、BETスイッチ11、12、13が"オン"になったか否かを判別し、BETスイッチ11、12、13が"オン"になった場合には、当該BETスイッチの種別に応じて、貯留されているメダルのクレジット枚数から指定されたBET枚数分のクレジットを減算し、投入枚数カウンタを更新する。
投入メダルスイッチが"オン"となっていれば、投入枚数カウンタに"1"加算する(ステップS45)。メダル投入禁止(投入枚数カウンタ更新禁止)の場合には、投入枚数カウンタの代わりに、クレジットカウンタの加算を行う。
次いで、副制御回路72に対して、ベットコマンド送信処理を行う(ステップS46)。そして、有効ラインカウンタに"1"を加算する(ステップS47)。
次いで、RB作動中フラグが"オン"であるか否かを判断する(ステップS48)。RB作動中フラグが"オン"でなければ、投入枚数が"3"であるか否かを判断する(ステップS49)。投入枚数が"3"でなければ、投入枚数カウンタの判断処理(ステップS51)に移行する。投入枚数が"3"であるか、前述のRB作動中フラグの判断処理で、RB作動中フラグが"オン"であった場合、投入枚数カウンタ更新禁止処理を行う(ステップS50)。
次いで、投入枚数カウンタの判定処理で、投入枚数カウンタは"1"以上であるか否かを判断する(ステップS51)。投入枚数カウンタが"1"以上であれば、スタートスイッチの判断処理(ステップS56)に移行する。投入枚数カウンタが"1"以上でない、すなわち、投入枚数カウンタが"0"でメダルが投入されていない場合には、デモ用タイマが"0"であるか否かを判定する(ステップS52)。
デモ用タイマが"0"でなければ、メダル受付の許可判断処理(ステップS42)に戻る。デモ用タイマが"0"であったら、副制御回路72にデモコマンドを送信して(ステップS55)、メダル受付の許可判断処理(ステップS42)に戻る。
また、前述のように投入枚数カウンタの判断処理で、投入枚数カウンタが"1"以上であった場合、スタートスイッチが"オン"であるか否かの判断を行う(ステップS56)。スタートスイッチが"オン"でなければ、メダル受付の許可判断処理(ステップS42)に戻って、前述の処理を繰り返す。スタートスイッチが"オン"であれば、メダル受付禁止処理を行う(ステップS57)。具体的には、メダル投入口22からメダルが投入されても、メダル返却口から投入されたメダルを返却させ、メダルの受付を行えなくする。
図19は、内部抽籤処理のフローチャートである。これは、主制御回路71の内部抽籤処理(図14のステップS7)の詳細を示している。
まず、CPU31は、内部抽籤テーブル決定テーブル(図6に示す)を参照し、遊技状態に基づいて内部抽籤テーブルの種別と抽籤回数を決定し(ステップS61)、決定した抽籤回数をCPU31のレジスタの抽籤回数カウンタにセットする。
次いで、CPU31は、持越役格納領域が"0"であるか否かを判断する(ステップS62)。ここで、持越役格納領域が"0"でなければ、即ち、持越役があれば、抽籤回数を"4"に変更する(ステップS63)。持越役が発生するのは、一般遊技状態のみであるので、抽籤回数が"4"に変更されるのは、一般遊技状態用内部抽籤テーブルが選択されているときのみである。
次いで、CPU31は、抽籤回数と同じ値を当籤番号としてセットする(ステップS64)。
次いで、CPU31は、内部抽籤テーブルを参照し、当籤番号と投入枚数に基づいて、抽籤値を取得する(ステップS65)。
次いで、CPU31は、保持している乱数値からステップS65で取得した抽籤値を減算する(ステップS66)。減算した値は、再度乱数値として保持しておき、2回目以降は、この値から各抽籤値を減算する。
次いで、CPU31は、この減算によって桁かりが行われたか否か、つまり、前述の減算結果が負の値となったか否かを判断する(ステップS67)。
ここで、減算によって桁かりが行われなかった場合、当籤番号を"1"減算し(ステップS68)、抽籤回数を"1"減算して(ステップS69)、抽籤回数が"0"となったか否かを判断する(ステップS70)。
ここで、抽籤回数が"0"となっていなければ、ステップS65の処理に戻って前述のステップS65〜ステップS70の処理が繰り返される。
また、ステップS70で抽籤回数が"0"と判断されるか、ステップS67で桁かりが行われたと判断された場合、CPU31は、内部当籤役決定テーブルを参照して、当籤番号と遊技状態とに基づいて内部当籤役を決定する(ステップS71)。ステップS70で抽籤回数が"0"と判断される場合、当籤番号は"0"となっている。
次いで、CPU31は、内部当籤役とボーナスチェックデータの論理積をとり、持越役格納領域との論理和を持越役格納領域(図11に示す)に格納する(ステップS72)。
即ち、今回の内部当籤役がボーナス(BB)の場合にのみ持越役として有効となり、他の小役などが内部当籤役であった場合には、すでに持越役として格納されているもの(ボーナス)のみが持越役として持ち越される。
次いで、CPU31は、内部当籤役と持越役格納領域の論理和を内部当籤役格納領域に格納する(ステップS73)。
即ち、前回までの単位遊技においてボーナス(BB)が当籤役として決定されて持越役として持ち越され、今回の単位遊技でこれらボーナス以外の小役などが当籤役として決定された場合、持越役であるボーナス及び小役などの双方の当籤フラグがオンとなる。
図20は、リール停止制御処理のフローチャートである。これは、主制御回路71のリール停止制御処理(図15のステップS13)の詳細を示している。
まず、CPU31は、停止ボタン7L、7C、7Rのいずれかが有効に操作されたか否かを判断する(ステップS81)。具体的には、停止ボタン7L、7C、7Rの操作に基づいてリール停止信号回路46から停止信号が出力されたか否かを判断する。この判断が"YES"のときにはステップS82に移り、"NO"のときにはステップS81に戻る。
次いで、CPU31は、内部当籤役に基づいて滑りコマ数を決定する(ステップS82)。次いで、決定された滑りコマ数と現在の図柄位置に基づいて、停止予定位置を決定する(ステップS83)。
次いで、CPU31は、副制御回路72に対してリール停止コマンドを送信する(ステップS84)。このリール停止コマンドは、リール停止識別子とリール回転識別子を含む。なお、リール停止識別子は、停止ボタン7L、7C、7Rのいずれかの停止操作で回転停止するリールに関する情報である。また、リール回転識別子は、リールの状態("回転中"又は"停止中")を示す情報であって、回転中を"1"、停止中を"0"として設定する。
次いで、CPU31は、回転中のリールはあるか否か(全てのリールが停止したか否か)を判断する(ステップS85)。この判断が、"YES"のときは、ステップS81に戻り、"NO"のときには、リール停止制御処理を終了する。
なお、現在の図柄位置は、前述のように基準スイッチ110の操作で選択された光センサを用い、初期リセット位置(又はリセット位置)通過後、モータ駆動回路39からステッピングモータ49に送られたパルス(ステップ)の数に基づいて決定されたものである。ここでは、光センサ部150の第1から第3の光センサのいずれを用いるかによってリセット位置がずれるため、CPU31による現在の図柄位置の決定が異なる場合がある。したがって、停止予定位置の決定が異なる場合がある。
図21は、ボーナス終了チェック処理のフローチャートである。これは、主制御回路71のボーナス終了チェック処理(図15のステップS19)の詳細を示している。
まず、CPU31は、入賞が成立したか否かを判断する(ステップS91)。入賞が成立していなければ、ステップS97に移行する。
また、入賞が成立した場合には、ボーナス終了枚数カウンタが"0"であるか否かを判断する(ステップS92)。ここで、ボーナス終了枚数カウンタが"0"でなければ、ステップS95に移行する。
また、ボーナス終了枚数カウンタが"0"であれば、RB終了時処理を行う(ステップS93)。具体的には、RB作動中フラグを"オフ"にし、遊技可能回数カウンタ、入賞可能回数カウンタの値をクリアする。
次いで、CPU31は、BB終了時処理を行う(ステップS94)。具体的には、BB作動中フラグを"オフ"にする。前記BB終了時処理が終わったら、ボーナス終了チェック処理を終了する。
また、ボーナス終了枚数カウンタの値が"0"でなかった場合(ステップS92で判断)には、入賞可能回数カウンタの値を"1"減算する(ステップS95)。
次いで、CPU31は、入賞可能回数カウンタの値は"0"であるか否かを判断し(ステップS96)、入賞可能回数カウンタの値が"0"であれば、ステップS99に移行する。
また、入賞可能回数カウンタの値が"0"でないか、入賞が成立しなかった場合(ステップS91で判断)には、遊技可能回数カウンタの値を"1"減算する(ステップS97)。
次いで、CPU31は、遊技可能回数カウンタの値は"0"であるか否かを判断し(ステップS98)、遊技可能回数カウンタの値が"0"でなければ、ボーナス終了チェック処理を終了する。
また、遊技可能回数カウンタの値が"0"であるか、入賞可能回数カウンタの値が"0"であった場合(ステップS96で判断)には、RB終了時処理を行って(ステップS99)、ボーナス終了チェック処理を終了する。
図22は、ボーナス作動チェック処理のフローチャートである。これは、主制御回路71のボーナス作動チェック処理(図15のステップS20)の詳細を示している。
まず、CPU31は、表示役が「BB」であるか否かを判断する(ステップS111)。ここで、表示役が「BB」でなければ、ボーナス作動チェック処理を終了する。
また、表示役が「BB」である場合、ボーナス作動時テーブルに基づいてBB作動時処理を行う(ステップS112)。具体的には、BB作動中フラグを"オン"にし、ボーナス終了枚数カウンタに"350"をセットする。
次いで、CPU31は、持越役格納領域をクリアして(ステップS113)、ボーナス作動チェック処理を終了する。
図23は、主制御回路71の定期割込処理のフローチャートである。この定期割込処理は、1.1173msごとに行われる。
まず、CPU31は、内部抽籤処理(図14のステップS7)などで用いるレジスタに格納しているデータを、RAM33の所定領域に一旦退避させる(ステップS201)。
次いで、CPU31は、入力ポートチェック処理を行う(ステップS202)。この入力ポートチェック処理では、メダル投入口22からのメダル投入による投入メダルセンサ22Sからの入力の検知、スタートレバー6の押下によるスタートスイッチ6Sからの入力の検知、基準スイッチ110からの入力の検知などにより、各種の入力操作を確認する。
次いで、CPU31は、割込カウンタに"1"を加算する(ステップS203)。この割込カウンタは、定期割込処理において、リール制御を行うか、ランプ類、LED類の駆動制御のみを行うかを決定するために用いるものである。
次いで、CPU31は、割込カウンタの値が偶数であるか否かを判断する(ステップS204)。この判断が"YES"の場合は、ステップS211に移行し、"NO"の場合にはステップS205に移行する。
また、割込カウンタの値が偶数でない、即ち、割込カウンタの値が奇数の場合、回転制御の対象として左リール3Lの識別子をセットし(ステップS205)、リール制御処理を行う(ステップS206)。次いで、回転制御の対象として中リール3Cの識別子をセットし(ステップS207)、リール制御処理を行う(ステップS208)。次いで、回転制御の対象として右リール3Rの識別子をセットし(ステップS209)、リール制御処理を行う(ステップS210)。
具体的には、制御対象のリール(左リール3L、中リール3C、右リール3Rのいずれか)を示す情報をリール識別子(例えば、左"0"、中"1"、右"2"として識別する)として設定し、モータ駆動回路39に指令して当該リールの駆動を制御する。リール制御処理の詳細については、後述する。
ステップS211において、CPU31は、ランプ類、LED類を駆動するランプ・7SEG駆動処理を行う。このランプ・7SEG駆動処理において、CPU31は、例えば貯留(クレジット)されているメダルの枚数、入賞時のメダルの払出枚数などをクレジット表示部19、払出表示部18に表示させるコマンドをRAM33の所定の記憶領域に書き込む。また、CPU31は、BETされているメダルの数に応じてBETランプ9a、9b、9cを点灯させるコマンド、キャビネット2の前面に設けられたWINランプ17を点灯させるコマンドなどをRAM33の所定の記憶領域に書き込む。これらのコマンドは、副制御回路72に送信されることとなる。なお、BETされているメダルの数など、前記コマンドに含まれる各種情報は、前述の入力ポートチェック処理で取得され、RAM33の所定の記憶領域に記憶されている。
次いで、CPU31は、停止基準更新処理を行う(ステップS212a)。この停止基準更新処理では、遊技者の押圧操作に基づく基準スイッチ110からの入力を検知し、基準スイッチ110の種別に応じて光センサ部150の光センサを切り換える。基準スイッチ110の種別を示す情報は、前述の入力ポートチェック処理で取得され、RAM33の所定の記憶領域に記憶されている。停止基準更新処理の詳細については、後述する。
次いで、CPU31は、タイマ管理処理を行う(ステップS212)。このタイマ管理処理では、デモ用タイマの減算処理などを行う。このデモ用タイマの減算処理により、遊技者がゲームを行わないでいると、デモ用タイマがカウントダウンされ、前ゲームの終了時(図17のメダル投入・スタートチェック処理のステップS41に相当する)から約40秒後に"0"となり、デモコマンドが副制御回路72に送信され、デモ映像の表示などが行われる。
最後に、CPU31は、定期割込処理の始め(ステップS201)に退避したレジスタに格納されているデータを、RAM33の所定領域から復帰させる(ステップS213)。
図24は、リール制御処理のフローチャートである。これは、主制御回路71の定期割込処理におけるリール制御処理(図23のステップS206、ステップS208、ステップS210)の詳細を示している。
まず、CPU31は、当該リールが定速回転するように制御されているか否かを判断する(ステップS221)。ここで、制御中でなければ、リール制御処理を終了する。
また、リール制御中であれば、当該リールが停止予定位置待ち状態であるか否かを判断する(ステップS222)。この停止予定位置待ち状態では、当該リールの定速制御が維持される。この判断が"YES"の場合はステップS223に移行し、"NO"の場合にはステップS225に移行する。
ステップS223において、CPU31は、リール位置検知回路50からの信号に基づいて、当該リールが停止予定位置に達したか否かを判断する。この判断が"YES"の場合はステップS224に移行し、"NO"の場合にはステップS225に移行する。
ステップS224において、CPU31は、当該リールを定速制御状態から減速制御状態に移行させる。この後、当該リールのステッピングモータ49L、49C、49Rの全相を"オフ"として停止制御することになる。
ステップS225において、CPU31は、当該リールの制御状態に応じてリールの回転の加速制御、定速制御又は減速制御を行う。
図25は、停止基準更新処理のフローチャートである。これは、主制御回路71の定期割込処理における停止基準更新処理(図23のステップS211a)の詳細を示している。
まず、CPU31は、RAM33の所定の記憶領域を参照し、上基準スイッチ110aの操作を示す情報が記憶されているか否かを判断する(ステップS231)。この判断が"YES"の場合はステップS232に移行し、"NO"の場合にはステップS234に移行する。
ステップS232において、CPU31は、光センサ部150における第1の光センサ151a、152aが検知可能な状態(接続状態)であるか否かを判断する。この判断が"YES"の場合は停止基準更新処理を終了し、"NO"の場合にはステップS233に移行する。
ステップS233において、CPU31は、現在検知可能な状態である第2の光センサ151b、152b(又は第3の光センサ151c、152c)から、第1の光センサ151a、152aに接続を切り換える。即ち、CPU31からリール位置検知回路50に対して所定のコマンドを送り、リール位置検知回路50の光センサ部150は、前述の切換スイッチなどによって接続を切り換え、第1の光センサ151a、152aが遮光部140bを検知可能なようにする。この処理により、停止基準更新処理は終了する。
前述のステップS231において、上基準スイッチ110aの操作を示す情報が記憶されていないと判断した場合、ステップS234において、CPU31は、RAM33の所定の記憶領域を参照し、中基準スイッチ110bの操作を示す情報が記憶されているか否かを判断する。この判断が"YES"の場合はステップS232に移行し、"NO"の場合にはステップS234に移行する。この判断が"YES"の場合はステップS235に移行し、"NO"の場合にはステップS237に移行する。
ステップS235において、CPU31は、光センサ部150における第2の光センサ151b、152bが検知可能な状態であるか否かを判断する。この判断が"YES"の場合は停止基準更新処理を終了し、"NO"の場合にはステップS236に移行する。
ステップS236において、CPU31は、現在検知可能な状態である第1の光センサ151a、152a(又は第3の光センサ151c、152c)から、第2の光センサ151b、152bに接続を切り換える。即ち、CPU31からリール位置検知回路50に対して所定のコマンドを送り、リール位置検知回路50の光センサ部150は、前述の切換スイッチなどによって接続を切り換え、第2の光センサ151b、152bが遮光部140bを検知可能なようにする。この処理により、停止基準更新処理は終了する。
前述のステップS234において、中基準スイッチ110bの操作を示す情報が記憶されていないと判断した場合、CPU31は、光センサ部150における第3の光センサ151c、152cが検知可能な状態であるか否かを判断する。この判断が"YES"の場合は停止基準更新処理を終了し、"NO"の場合にはステップS238に移行する。
ステップS238において、CPU31は、現在検知可能な状態である第1の光センサ151a、152a(又は第2の光センサ151b、152b)から、第3の光センサ151c、152cに接続を切り換える。即ち、CPU31からリール位置検知回路50に対して所定のコマンドを送り、リール位置検知回路50の光センサ部150は、前述の切換スイッチなどによって接続を切り換え、第3の光センサ151c、152cが遮光部140bを検知可能なようにする。この処理により、停止基準更新処理は終了する。
図26は、基準スイッチ110の操作に基づく図柄停止位置の変化を示している。ここで、(a)は中基準スイッチ110bが操作された場合(又は、ゲーム開始時、出荷時)の左リール3Lにおける図柄停止位置である。(b)は上基準スイッチ110aが操作された場合の左リール3Lにおける図柄停止位置である。(c)は下基準スイッチ110cが操作された場合の左リール3Lにおける図柄停止位置である。
図26(a)に示すように、ゲーム開始時、出荷時又は中基準スイッチ110bが操作されると、第2の光センサ151b、152bにより遮光部140bを検知し、CPU31は、これをリセット位置(初期リセット位置に相当する)として図柄停止位置を決定し、リール停止制御を行う。この場合、有効ライン8b、8c、8d上に図柄の上下方向の中心が揃うことになる。これに対し、上基準スイッチ110bが操作されると、第1の光センサ151a、152aにより遮光部140bを検知し、CPU31は、これをリセット位置として図柄停止位置を決定し、リール停止制御を行う。この場合、図26(b)に示すように、有効ライン8b、8c、8dの上方に図柄の上下方向の中心が揃うことになる。即ち、図26(a)の場合に比べ、図柄停止位置が上方にずれる。また、下基準スイッチ110cが操作されると、第3の光センサ151c、152cにより遮光部140bを検知し、CPU31は、これをリセット位置として図柄停止位置を決定し、リール停止制御を行う。この場合、図26(c)に示すように、有効ライン8b、8c、8dの下方に図柄の上下方向の中心が揃うことになる。即ち、図26(a)の場合に比べ、図柄停止位置が下方にずれる。
本発明の実施の一形態に係るパチスロ機1によれば、リール3に設けた遮光部140bの通過を検知する第1から第3の光センサを所定の間隔で配置すると共に、パチスロ機1の台座部10の前面に上基準スイッチ110a、中基準スイッチ110b、下基準スイッチ110cを設け、遊技者による基準スイッチ110の操作で第1から第3の光センサを切り換え、リール3の変動量に基づいて図柄の位置を検知するときの基準となるリセット位置を更新可能としたことにより、遊技者は表示窓4に表示されるリール3の図柄の停止位置を所定範囲で上下方向に微調整することができる。この微調整により、遊技者の視点に応じて遊技し易い環境を設定することが期待される。
なお、前述した実施形態では、基準スイッチ110の操作で遮光部140bの検知に用いる光センサを選択して切り換えた場合について説明したが、本発明はこのほかに、第1から第3の光センサを全て検知可能に設定すると共に、光センサ部150からのパルス信号をカウントするパルスカウント手段を設け、CPU31は、そのカウント値に基づいて、基準スイッチ110の操作で選択された光センサからのパルス信号の入力タイミングを判断し、リール停止制御を行うようにしても同様の効果が得られる場合がある。この場合、光センサを切り換える切換スイッチなどの切換手段は不要となる。あるいは、リール位置検知回路50が前記カウント値に基づいて、基準スイッチ110の操作で選択された光センサからのパルス信号の入力タイミングを判断し、CPU31に対して信号を送信するようにしてもよい。
また、前述した実施形態では、リセット位置更新用の光センサを複数設けて切り換えた場合について説明したが、本発明はこのほかに、一つの光センサを用い、CPU31は、光センサ部150からの遮光部140b検知を示すパルス信号を受信すると、基準スイッチ110の操作に基づいて、モータ駆動回路39からステッピングモータ49に送られたパルス数のカウント開始タイミングを変更するようにしても同様の効果が得られる場合がある。この場合、更に光センサの増設が不要となり、製造コストの増加を抑制することができる。
また、前述した実施形態では、リール3の図柄が変動されるときの変動基準として遮光部140bを用いた場合について説明したが、本発明はこのほかに、リール3のスポーク112aを例えば、光を反射し難い黒色材料で形成し、その黒色のスポーク112aに前記変動基準として光を反射し易い白色のマークを付加し、反射型光センサで検知するようにしても同様の効果が得られる場合がある。