JP4712338B2 - 非水電解液二次電池用電極板、その製造方法、及び非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池用電極板、その製造方法、及び非水電解液二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池に代表される非水電解液二次電池用の電極、当該電極の製造方法、及び、それらを用いた非水電解液二次電池に関する。
近年、電子機器や通信機器の小型化および軽量化が急速に進んでおり、これらの駆動用電源として用いられる二次電池に対しても小型化および軽量化が要求されている。このため、従来のアルカリ蓄電池に代わり、高エネルギー密度で高電圧を有する非水電解液二次電池、代表的にはリチウムイオン二次電池が提案されている。
非水電解液二次電池の正極用電極板(正極板)は、マンガン酸リチウムやコバルト酸リチウム等の複合酸化物を正極活物質として用い、そのような正極活物質と結着材(バインダー)とを適当な湿潤剤(溶剤)に分散または溶解させてスラリー状の塗工組成物を調製し、当該塗工組成物を金属箔からなる集電体上に塗工して正極活物質層を形成することにより作製される。
一方、非水電解液二次電池の負極用電極板(負極板)は、充電時に正極活物質層から放出されるリチウムイオン等の陽イオンを吸蔵できるカーボン等の炭素質材料を負極活物質として用い、そのような負極活物質と結着材(バインダー)とを適当な湿潤剤(溶剤)に分散または溶解させてスラリー状の塗工組成物を調製し、当該塗工組成物を金属箔からなる集電体上に塗工して負極活物質層を形成することにより作製される。
そして、正極電極板と負極電極板それぞれに電流を取り出すための端子を取り付け、両電極板の間に短絡を防止するためのセパレータを挟んで巻き取り、非水電解質溶液を満たした容器に密封することにより二次電池が組み立てられる。
近年さらに、より高容量の非水電解液二次電池が要求されてきており、様々な改良がなされている。例えば、一定体積中に入る電極活物質量を増大させるために、プレス工程で電極を複数回プレスする等して活物質層を高密度化する方法が挙げられる。また、活物質を集電体上に固定するための結着材や導電性を確保するための導電材等、直接電池容量に関わらない材料を、活物質層用組成物からできるだけ減らす方法が挙げられる。
しかしながら、一定体積中に入る電極活物質量を増大させるために、プレス工程で電極を複数回プレスする等して活物質層を高密度化すると、活物質層は硬く、即ち曲げ強さが高くなり易い。また、高容量の電池にするために活物質層における結着材の配合量を少なくすると、集電体への塗膜の密着力が低下して、且つ活物質層は脆く、即ちせん断強さが低くなり易い。このような集電体への塗膜の密着力が低く、活物質層のせん断強さが低く、且つ曲げ強さが高い電極板は、所定の幅へ裁断する際に活物質層が脱落したり、捲回工程で対極とセパレータを捲回する際に活物質層が脱落する等の問題が発生する。
例えば、ギャング刃方式のカッターを用いて刃同士を押し当てて裁断する場合、具体的には、例えば図1に示すようなギャング刃方式のカッター11を用いてギャング刃に倒れ量を設けて裁断する場合、ギャング刃の上刃12及び下刃13は、各円筒状の形状を有し、且つその軸方向末端において無限周回する円周状の切れ刃(cutting edge)を有し、先端部において部分的に交差可能な位置に設けられる。この上刃12と下刃13の間に電極板を通過させて電極板(図示せず)を裁断する。例えば、倒れ量14を50μmとして、刃と刃の間15a、15b、15c、15a’、15b’、15c’を各々40.88mm、41.08mm、40.88mm、40.98mm、40.98mm、40.98mmとした場合、図1中A、B、Cの空間で裁断された電極は、図2に示した断面図のように、Bの空間で裁断された電極板の活物質層端縁部に脱落が発生し、更には図示するような歪みも発生する。このような脱落や歪みの発生は、特に集電体の両面に活物質層が設けられる場合に顕著である。
活物質層の脱落が発生すると、電池組み立て後、脱落破片が電池内でセパレーター等の隔離体を圧迫し、電池を機器に接続していない状態でも急速な自己放電を生じさせたり(ソフトショート、OCV不良<Open Circuit Voltage>)、活物質層の脱落により電池容量が低下するという問題がある。
特許文献1には、非水電解液電池用電極シートの金属部分のバリやヒゲの発生を防止し、電極シートの裁断面における波打ち現象を少なくすることを目的とした非水電解液電池用電極シートの裁断装置が開示されている。しかしながら、この装置では集電体への塗膜の密着力が低く、活物質層のせん断強さが低く、且つ曲げ強さが高い電極板の活物質層の脱落は防止できなかった。
特許第3085101号公報
本発明は上記の実状に鑑みて成し遂げられたものであり、その第一の目的は、活物質層の密着力が低く、せん断強さが低く、且つ曲げ強さが強くても裁断時に活物質層が脱落しない高容量高品質の非水電解液二次電池用電極板を提供することにある。
また、本発明の第二の目的は、活物質層の密着力が低く、せん断強さが低く、且つ曲げ強さが強くても裁断時に活物質層が脱落しない高容量高品質の非水電解液二次電池用電極板を作製し得る非水電解液二次電池用電極板製造方法を提供することにある。
また、本発明の第三の目的は、上記電極板を用いて組み立てた自己放電(ソフトショート、OCV不良)が低減した高容量高品質の非水電解液二次電池を提供することにある。
本発明に係る非水電解液二次電池用電極板は、集電体の一面側又は両面に、少なくとも活物質及び結着材を含有する活物質層を設けてなり、該活物質層の集電体への密着力は、JIS−K6854の試験方法により、活物質層が両面に設けられている場合には13.5N/m以下であり、活物質層が片面に設けられている場合には6.0N/m以下であり、活物質層のせん断強さはJIS−K7214−1985の試験方法により0.10N/mm2以下であり、活物質層の曲げ強さはJIS−K7171−1994の試験方法により15.0N/mm2以上である非水電解液二次電池用電極板であって、円盤状又は円筒状の形状を有し、且つ、その軸方向末端の端面部周縁が切れ刃となっている上刃と下刃とを、少なくとも1つずつ上刃用軸棒と下刃用軸棒に各々設け、当該上刃と下刃とを、前記2つの軸棒が平行となり、上刃と下刃の先端部が部分的に交差し、且つ、交差する上刃と下刃の端面部間のクリアランスが20μm〜50μmの範囲となるように対向させた裁断手段の上刃と下刃の間に、前記密着力、せん断強さ、及び曲げ強さの活物質層を集電体上に設けた電極板中間品を通過させることにより、裁断されたものであることを特徴とする。
次に、本発明に係る非水電解液二次電池用電極板の製造方法は、円盤状又は円筒状の形状を有し、且つ、その軸方向末端の端面部周縁が切れ刃となっている上刃と下刃とを、少なくとも1つずつ上刃用軸棒と下刃用軸棒に各々設け、当該上刃と下刃とを、前記2つの軸棒が平行となり、上刃と下刃の先端部が部分的に交差し、且つ、交差する上刃と下刃の端面部間のクリアランスが20μm〜50μmの範囲となるように対向させた裁断手段の上刃と下刃の間に、活物質層を集電体上に設けた電極板中間品を通過させることにより、裁断する工程を含み、前記電極板中間品の活物質層の集電体への密着力はJIS−K6854の試験方法により、活物質層が両面に設けられている場合には13.5N/m以下であり、活物質層が片面に設けられている場合には6.0N/m以下であり、活物質層のせん断強さがJIS−K7214−1985の試験方法により0.10N/mm 2 以下であり、且つ活物質層の曲げ強さがJIS−K7171−1994の試験方法により15.0N/mm 2 以上である
本発明の非水電解液二次電池用電極板は、交差する上刃と下刃の端面部間のクリアランスを20μm〜50μmと最適化した上記裁断手段を用いて裁断することにより、高容量化を目的として、活物質層中の活物質の配合割合を多くして活物質層中の結着材の配合量が少ないために活物質層の集電体への密着力及び凝集力が低く、活物質層のせん断強さが低くても、且つ、活物質層を高い圧力で圧縮して高密度にすることにより活物質層の曲げ強さが高くても、裁断時に活物質層の端面が脱落することがなくなる。特に、このような脱落や歪みの発生が顕著である、集電体の両面に活物質層が設けられる場合であっても、活物質層の端面が脱落することがなくなる。従って、本発明の非水電解液二次電池用電極板は、不良品の発生が少なく、高容量且つ高品質化を実現できる。
また、上記本発明に係る電極板の製造方法は、交差する上刃と下刃の端面部間のクリアランスを20μm〜50μmと最適化した裁断手段を用いて裁断する工程を含むことにより、裁断時に活物質層の端面が脱落しない電極板を得ることができる。
本発明に係る電極板の製造方法は、高密度化及び活物質層の凝集力の増強を実現する点から、更に、前記電極板中間品の活物質層をプレス加工する工程を含むことが好ましい。
上記本発明に係る電極板の製造方法は、前記電極板中間品の活物質層のせん断強さがJIS−K7214−1985の試験方法により0.10N/mm2以下であり、活物質層の曲げ強さがJIS−K7171−1994の試験方法により15.0N/mm2以上である場合であっても、更に、前記電極板中間品の活物質層の集電体への密着力が、JIS−K6854の試験方法により、活物質層が両面に設けられている場合には13.5N/m以下であり、活物質層が片面に設けられている場合には6.0N/m以下であり、活物質層の曲げ強さがJIS−K7171−1994の試験方法により15.0N/mm2以上である場合であっても、裁断時に活物質層の端面が脱落しない電極板を得ることができる。本発明に係る電極板の製造方法は、高容量化を目的として、活物質層中の活物質の配合割合を多くして活物質層中の結着材の配合量が少ないために活物質層の集電体への密着力及び凝集力が低く、活物質層のせん断強さが低くても、且つ、活物質層を高い圧力で圧縮して高密度にすることにより活物質層の曲げ強さが高くても、活物質層の端面の脱落が少ない電極板が得られる。特に、このような脱落や歪みの発生が顕著である、集電体の両面に活物質層が設けられる場合であっても、活物質層の端面の脱落が少ない電極板が得られる。このように、本発明においては、不良品の発生が少なく、高容量且つ高品質化を実現した電極板を得ることができる。
従来のようにクリアランスが無いか又は非常に狭い通常のギャング刃方式の場合には、電極板は最初せん断により切断され、その後破断により切断されて生じた端縁部の突起部分が、再び上刃と下刃に巻き込まれるためその部分が脱落する(図10(a))。特に、高い曲げ強さと低いせん断強さを示す(硬くて脆い)電極板では、斜めの破断が両方の刃近くから進行し、2ヶ所で切れ、中間にヒゲと称される細長い断片が生じ、鋭利なせん断面が得られない。それに対し、本発明においては最適化したクリアランスがあるため、裁断の最終段階において破断により突起部分が生じ難く、又、突起部分が生じても再び上刃と下刃に巻き込まれないので、活物質層の端面が脱落することなく良好に裁断されると推定される(図10(b))。
次に、本発明に係る非水電解液二次電池は、上記本発明に係る非水電解液二次電池用電極板を備えることを特徴とする。この二次電池は、内部に装填された電極板が活物質層中の活物質の配合割合を多くしても活物質層の脱落が発生し難い電極板であるため、不良品の発生を少なくできるので、高容量且つ高品質の電池性能を長期間に渡って安定的に発揮し続けることができる。
本発明の非水電解液二次電池用電極板は、交差する上刃と下刃の端面部間のクリアランスを20μm〜50μmと最適化した上記裁断手段を用いて裁断することにより、高容量化を目的として、活物質層中の活物質の配合割合を多くして活物質層中の結着材の配合量が少ないために活物質層の集電体への密着力及び凝集力が低く、活物質層のせん断強さが低くても、且つ、活物質層を高い圧力で圧縮して高密度にすることにより活物質層の曲げ強さが高くても、裁断時に活物質層の端面が脱落することがなくなる。特に、このような脱落や歪みの発生が顕著である、集電体の両面に活物質層が設けられる場合であっても、活物質層の端面が脱落することがなくなる。従って、本発明の非水電解液二次電池用電極板は、不良品の発生が少なく、高容量且つ高品質化を実現できる。
また、上記本発明に係る電極板の製造方法は、交差する上刃と下刃の端面部間のクリアランスを20μm〜50μmと最適化した裁断手段を用いて裁断する工程を含むことにより、高容量化を目的として活物質層中の活物質の配合割合を多くし、活物質層を高い圧力で圧縮して高密度にすることにより低密着力、低せん断強さ、更に高曲げ強さの活物質層を有する電極板であっても、裁断時に活物質層の端面が脱落しない電極板を得ることができる。特に、このような脱落や歪みの発生が顕著である、特集電体の両面に活物質層が設けられる場合であっても、活物質層の端面が脱落しない電極板が得られる。従って、本発明の製造方法においては、歩留まりも向上させることができる。
また、本発明に係る非水電解液二次電池は、内部に装填された電極板が活物質層中の活物質の配合割合を多くしても活物質層の脱落が発生し難い電極板であるため、不良品の発生を少なくできるので、高容量且つ高品質の電池性能を長期間に渡って安定的に発揮し続けることができる。
本発明に係る非水電解液二次電池用電極板は、集電体の一面側又は両面に、少なくとも活物質及び結着材を含有する活物質層を設けてなり、該活物質層の集電体への密着力は、JIS−K6854の試験方法により、活物質層が両面に設けられている場合には13.5/m以下であり、活物質層が片面に設けられている場合には6.0N/m以下であり、活物質層のせん断強さはJIS−K7214−1985の試験方法により0.10N/mm2以下であり、活物質層の曲げ強さはJIS−K7171−1994の試験方法により15.0N/mm2以上である非水電解液二次電池用電極板であって、円盤状又は円筒状の形状を有し、且つ、その軸方向末端の端面部周縁が切れ刃となっている上刃と下刃とを、少なくとも1つずつ上刃用軸棒と下刃用軸棒に各々設け、当該上刃と下刃とを、前記2つの軸棒が平行となり、上刃と下刃の先端部が部分的に交差し、且つ、交差する上刃と下刃の端面部間のクリアランスが20μm〜50μmの範囲となるように対向させた裁断手段の上刃と下刃の間に、前記密着力、せん断強さ、及び曲げ強さの活物質層を集電体上に設けた電極板中間品を通過させることにより、裁断されたものであることを特徴とする。
また、本発明に係る非水電解液二次電池用電極板の製造方法は、円盤状又は円筒状の形状を有し、且つ、その軸方向末端の端面部周縁が切れ刃となっている上刃と下刃とを、少なくとも1つずつ上刃用軸棒と下刃用軸棒に各々設け、当該上刃と下刃とを、前記2つの軸棒が平行となり、上刃と下刃の先端部が部分的に交差し、且つ、交差する上刃と下刃の端面部間のクリアランスが20μm〜50μmの範囲となるように対向させた裁断手段の上刃と下刃の間に、活物質層を集電体上に設けた電極板中間品を通過させることにより、裁断する工程を含むものである。
なお、本発明に係る非水電解液二次電池用電極板は、正極板であっても負極板であってもいずれでも良い。
本発明に用いられる非水電解液二次電池用電極板中間品は、以下のようにして作られる。
正極板中間品は、少なくとも正極活物質及び結着材を含有する正極用活物質層塗工組成物を集電体の一面側又は両面に塗布して、正極活物質層を形成することによって作製される。一方、負極板中間品は、少なくとも負極活物質及び結着材を含有する負極用活物質層塗工組成物を集電体の一面側又は両面に塗布して、負極活物質層を形成することによって作製される。
正極活物質としては、従来から非水電解液二次電池の正極活物質として用いられている材料を用いることができ、例えば、LiMn24(マンガン酸リチウム)、LiCoO2(コバルト酸リチウム)若しくはLiNiO2(ニッケル酸リチウム)等のリチウム酸化物、またはTiS2、MnO2、MoO3もしくはV25等のカルコゲン化合物を例示することができる。特に、LiCoOを正極用活物質として用い、炭素質材料を負極用活物質として用いることにより、4ボルト程度の高い放電電圧を有するリチウム系2次電池が得られる。
正極活物質は、塗工層中に均一に分散させるために、1〜100μmの範囲の粒径を有し、且つ平均粒径が約10μmの粉体であることが好ましい。これらの正極用活物質は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、負極活物質としては、従来から非水電解液二次電池の負極活物質として用いられている材料を用いることができ、例えば、天然グラファイト、人造グラファイト、アモルファス炭素、カーボンブラック、または、これらの成分に異種元素を添加したもののような炭素質材料が好んで用いられる。溶媒が有機系の場合には金属リチウムまたはリチウム合金のようなリチウム含有金属が好適に用いられる。
負極活物質の粒子形状は特に限定されないが、例えば、鱗片状、塊状、繊維状、球状のものが使用可能である。負極活物質は、塗工層中に均一に分散させるために、1〜100μmの範囲の粒径を有し、且つ平均粒径が約10μmの粉体であることが好ましい。これらの負極用活物質は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
塗工組成物中の正極又は負極活物質の配合割合は、溶剤を除く配合成分を基準(固形分基準)とした時に通常は90〜98.5重量%とするが、特に高容量化を図る点からは、95.2〜96.6重量%であることが好ましい。
結着材としては従来から用いられているもの、例えば、熱可塑性樹脂、より具体的にはポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリビニル樹脂、フッ素系樹脂またはポリイミド樹脂等を使用することができる。この際、反応性官能基を導入したアクリレートモノマーまたはオリゴマーを結着材中に混入させることも可能である。そのほかにも、ゴム系の樹脂や、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂、アクリレートモノマー、アクリレートオリゴマー或いはそれらの混合物からなる電離放射線硬化性樹脂、上記各種の樹脂の混合物を使用することもできる。
塗工組成物中の結着材の配合割合は、固形分基準で通常は0.5〜10重量%、好ましくは2〜4重量%とするが、高容量化を図る点からは、1.6〜2.0重量%が好ましい。
正極又は負極用活物質層塗工組成物には、導電剤を添加しても良い。導電剤としては、例えば、グラファイト、カーボンブラックまたはアセチレンブラック等の炭素質材料が必要に応じて用いられる。塗工組成物中の導電剤の配合割合は、通常、固形分基準で1.5〜2.0重量%とする。
正極又は負極用活物質層塗工組成物を調製する溶剤としては、トルエン、メチルエチルケトン、N−メチル−2−ピロリドン或いはこれらの混合物のような有機溶剤を用いることができる。塗工組成物中の溶剤の割合は、通常は30〜60重量%、好ましくは45〜55重量%とし、塗工液をスラリー状に調製する。
正極又は負極活物質層用塗工組成物は、適宜選択した正極又は負極活物質、結着材、及び他の配合成分を適切な溶剤中にいれ、ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、ロールミルまたはプラネタリーミキサー等の分散機により混合分散して、スラリー状に調製できる。
このようにして調製された正極又は負極活物質層用塗工組成物を、基体である集電体の一面又は両面に塗布・乾燥して正極又は負極活物質層を形成する。正極板の集電体としては通常、アルミニウム箔が好ましく用いられる。一方、負極板の集電体としては、電解銅箔や圧延銅箔等の銅箔が好ましく用いられる。集電体の厚さは通常、5〜50μm程度とする。
正極又は負極活物質層用塗工組成物の塗布方法は、特に限定されないが、例えばスライドダイコート、コンマダイレクトコート、コンマリバースコート等のように、厚い塗工層を形成できる方法が適している。ただし、活物質層に求められる厚さが比較的薄い場合には、グラビアコートやグラビアリバースコート等により塗布してもよい。活物質層は、複数回塗布、乾燥を繰り返すことにより形成してもよい。
乾燥工程における熱源としては、熱風、赤外線、マイクロ波、高周波、或いはそれらを組み合わせて利用できる。乾燥工程において集電体をサポート又はプレスする金属ローラーや金属シートを加熱して放出させた熱によって乾燥してもよい。また、乾燥後、電子線または放射線を照射することにより、結着材を架橋反応させて活物質層を得ることもできる。塗布と乾燥は、複数回繰り返してもよい。
更に、得られた正極又は負極活物質層をプレス加工することにより、活物質層の密度、集電体に対する密着性、均質性を向上させることができる。
プレス加工は、例えば、金属ロール、弾性ロール、加熱ロールまたはシートプレス機等を用いて行う。本発明においてプレス温度は、活物質層の塗工膜を乾燥させる温度よりも低い温度とする限り、室温で行っても良いし又は加温して行っても良いが、通常は室温(室温の目安としては15〜35℃である。)で行う。
ロールプレスは、ロングシート状の負極板を連続的にプレス加工できるので好ましい。ロールプレスを行う場合には定位プレス、定圧プレスいずれを行っても良い。プレスのライン速度は通常、5〜50m/min.とする。ロールプレスの圧力を線圧で管理する場合、加圧ロールの直径に応じて調節するが、通常は線圧を0.5kgf/cm〜1tf/cmとする。
また、シートプレスを行う場合には通常、4903〜73550N/cm(500〜7500kgf/cm)、好ましくは29420〜49033N/cm(3000〜5000kgf/cm)の範囲に圧力を調節する。プレス圧力が小さすぎると活物質層の均質性が得られにくく、プレス圧力が大きすぎると集電体を含めて電極板自体が破損してしまう場合がある。活物質層は、一回のプレスで所定の厚さにしてもよく、均質性を向上させる目的で数回に分けてプレスしてもよい。
正極又は負極活物質層の塗工量は通常、20〜350g/m2とし、その厚さは、乾燥、プレス後に通常10〜200μm、好ましくは50〜170μmの範囲にする。負極活物質層の密度は、塗工後は1.0g/cc程度であるが、プレス後は1.5g/cc以上(通常は1.5〜1.75g/cc程度)まで増大する。従って、プレス加工を支障なく行って体積エネルギー密度を向上させることにより、電池の高容量化を図ることが出来る。
このようにして得られる電極板の活物質層は、少なくとも正極又は負極活物質及び結着材を含有し、さらに必要に応じて導電剤やその他の成分を含有してなるものであり、乾燥後の活物質層に含有される各成分の配合割合は、活物質層用塗工組成物の固形分基準での配合割合と同じである。
電極板中間品は、高容量化を図るためには活物質層中の結着材含有量を可能な限り少なくすることが望ましいが、結着材含有量が少ないと脆く、すなわち活物質層の凝集力及び集電体への密着力が弱く、且つ活物質層のせん断強さが低くなり、裁断時に活物質層端縁の脱落やひび割れが生じやすくなる。更に電極板中間品は、高容量化を図るためには高い圧力で活物質層を圧縮して高密度化することが望ましいが、高密度化すると活物質層が硬く、すなわち曲げ強さが高くなり、裁断時に活物質層端縁の脱落が生じやすくなる。これに対して本発明では、交差する上刃と下刃の端面部間のクリアランスを20μm〜50μmと最適化した上記裁断手段を用いて裁断することにより、活物質層が非常に硬くて脆い、すなわち曲げ強さが高くてせん断強さが低い場合や曲げ強さが高くて密着力が低い場合であっても裁断時に活物質層端縁の脱落やひび割れが生じにくい。
具体的には、例えば、活物質層のせん断強さがJIS−K7214−1985の試験方法により0.10N/mm2以下であり、且つ、活物質層の曲げ強さがJIS−K7171−1994の試験方法により15.0N/mm2以上の範囲にある電極板中間品(図8参照)であっても、本発明における裁断手段を用いて裁断すれば、裁断時に活物質層端縁の脱落やひび割れを防止できる。また、活物質層の集電体への密着力はJIS−K6854の試験方法により、活物質層が両面に設けられている場合には13.5N/m以下であり、活物質層が片面に設けられている場合には6.0N/m以下であり、且つ、活物質層の曲げ強さがJIS−K7171−1994の試験方法により15.0N/mm2以上の範囲にある電極板(図9参照)であっても、本発明における裁断手段を用いて裁断すれば、裁断時に活物質層端縁の脱落やひび割れを防止できる。さらに、活物質層の集電体への密着力はJIS−K6854の試験方法により、活物質層が両面に設けられている場合には13.5N/m以下であり、活物質層が片面に設けられている場合には6.0N/m以下であり、活物質層のせん断強さがJIS−K7214−1985の試験方法により0.10N/mm2以下であり、且つ、活物質層の曲げ強さがJIS−K7171−1994の試験方法により15.0N/mm2以上の範囲にある電極板中間品であっても、本発明における裁断手段を用いて裁断すれば、裁断時に活物質層端縁の脱落やひび割れを防止できる。
なお、活物質層のせん断強さは、活物質層の「堅さ」「脆さ」の度合いを表現することができ、堅いとは物と物がしっかりと合わさっていて容易に離れない状態をいい、脆いとは持ちこたえる力が弱い、壊れ易い、砕け易い状態をいう。本発明において、活物質層のせん断強さは、JIS−K7214−1985、及びASTM D732の試験方法、試験片の形状に準拠して求めることができる。せん断強さは、例えば図6に示すようなクロスヘッドの移動速度が一定な万能試験機(例えば、株式会社 エー・アンド・デイ 製 RTC−1250A)を用いて評価する。クロスヘッドを1mm/分で移動させてせん断荷重をかけた場合に、試験片が破断するまでのせん断荷重の最大値Pを、せん断される部分の断面積((d/2)π)で除した値をせん断強さτとして、評価に用いる。活物質層のせん断強さは、電極板中間品のせん断強さの値から集電体単体のせん断強さの値を引くことにより、求めることができる。
また、活物質層の集電体への密着力も、活物質層の「堅さ」「脆さ」の度合いを表現することができる。本発明において、活物質層の集電体への密着力は、90度剥離強度試験であるJIS−K6854(1994年1月1日改正)の試験方法に準拠して行う。活物質層が片面に設けられている場合の片面塗工部の基材への塗膜の密着力は、塗工層側の面を台上に両面テープで固定し、基材を塗工層面に対して垂直になる方向に引張り、毎分約50mmの速さで連続的に約50mm剥がして、この間での荷重の最低値を引き剥がし強さとして、基材への塗膜の密着力の評価に用いる。活物質層が両面に設けられている場合の両面塗工部のうち片面を拭き取った部分の基材への塗膜の密着力は、まず、両面塗工部のうち片面を試験に必要とする分だけ溶剤により拭き取った後、上記片面塗工部の基材への塗膜の密着力と同様に行う。また、活物質層が両面に設けられている場合の両面塗工部の基材への塗膜の密着力は、両面のうち一方の面の塗工層側の面を台上に両面テープで固定し、上記片面塗工部の基材への塗膜の密着力と同様に行う。
また、活物質層の曲げ強さは、活物質層の「硬さ」「柔らかさ」の度合いを表現することができ、硬いとは物が力を加えられても容易に形や状態を変えないことをいい、柔らかいとはしなやかであることをいう。本発明において、活物質層の曲げ強さは、JIS K 7171- 1994、ISO178、及びASTM D790試験方法、試験片の形状に準拠して求めることができる。曲げ強さは、例えば、図7に示すような一定速度で押すことができる万能試験機(例えば、株式会社 エー・アンド・デイ 製 RTC−1250A)を用いて評価する。加圧くさびを30mm/分で移動させて試験片の中央部に荷重を加えた場合に、試験片が破断するまでの曲げ応力σ(ここで、σ=3/2×PL/(bd2))の最大値を、曲げ強さとして評価に用いる。なお、通常、集電体の曲げ強さの値は0とみなすことができることから、活物質層の曲げ強さは、電極板又は電極板中間品の曲げ強さを求めることにより、その値を活物質層の曲げ強さとみなして求めることができる。
図3は、本発明において電極板中間品を裁断する裁断手段の一例を示す図であり、図4は、本発明において電極板中間品を裁断する裁断手段を設置する裁断機の一例の概略を示す図である。また、図5は、本発明における電極板中間品の裁断状態を示す拡大断面図を示す図である。
本発明において電極板中間品を裁断するために用いられる裁断手段1は、基本的に、上刃用軸棒4に支持された一個以上の上刃2と、下刃用軸棒5に支持された一個以上の下刃3で構成され、例えば図4のような裁断機内に設置される。裁断機においては例えば、電極板中間品は、供給ロール8から供給されニップロール9を通過後、裁断手段1の上刃2と下刃3により裁断される。裁断された各電極板は、互い違いに巻き取り軸(上)10aと巻き取り軸(下)10bに巻き取られる。
裁断手段1の上刃2と下刃3は、円盤状又は円筒状の形状を有し、その軸方向末端の端面部外周縁が無限周回軌道を持つ弧状の切れ刃(cutting edge)となっている。上刃2と下刃3は軸棒に対して傾きなく支持され、切れ刃により区画された端面部は刃の中心軸に対して垂直な平面をなす。上刃2と下刃3は、裁断機内で、いわゆるギャング式の配置をとる。すなわち、上刃用軸棒4と下刃用軸棒5は、軸棒同士が平行になると共に、上刃2と下刃3が軸方向に若干ずれて斜め方向に対向しながら、上刃2と下刃3の先端部が部分的に交差するように、裁断機内に配置される。
本発明においては、交差する上刃2と下刃3の端面部間のクリアランス6は20μm〜50μm、更に好ましくは30μm〜40μmの範囲、特に好ましくは30μmとなるように調整されている。例えば、クリアランス6を50μmとした場合、刃と刃の間7a、7b、7c、7a’、7b’、7c’は各々41.00mm、40.90mm、41.00mm、40.90mm、41.00mm、40.90mmとすることができる。また、例えばクリアランス6を30μmとした場合、刃と刃の間7a、7b、7c、7a’、7b’、7c’を各々41.00mm、40.94mm、41.00mm、40.94mm、41.00mm、40.94mmとすることができる。
上刃と下刃は、図3の例のように軸棒に対して傾きなく支持され、切れ刃により区画された端面部は刃の中心軸に対して垂直な平面をなすことが好ましいが、交差する上刃と下刃の端面部間のクリアランスが上記範囲を満たす限りは、上刃と下刃は軸棒に対して傾きを有し、切れ刃により区画された端面部が刃の中心軸に対して垂直な平面でなくても良い。
本発明において用いられる裁断手段1は以上のような構成を有するので、集電体20aの一面側又は両面に活物質層20bが設けられた電極板中間品20を裁断手段1により裁断する際には、上刃2と下刃3の間に上記電極板中間品20を通過させる。すると、電極板中間品20は、上刃2と下刃3によって図5に示すような形状に裁断される。図5(a)は、クリアランス6を50μmとした時の図であり、図5(b)は、クリアランス6を30μmとした時の図である。
本発明においては、交差する上刃と下刃の端面部間のクリアランスを20μm〜50μmと最適化した上記裁断手段を用いて裁断することにより、活物質層中の結着材の配合量が少ないために活物質層の集電体への密着力及び凝集力が低く、せん断強さが低くても、且つ、活物質層を圧縮するために曲げ強さが高い電極板であっても、裁断時に活物質層の端面が脱落することがなくなる。
これは、最適な量のクリアランスを設けることにより、裁断の最終段階において破断により突起部分が生じ難く、又、突起部分が生じても再び上刃と下刃に巻き込まれないので、活物質層の端面が脱落することなく良好に裁断されると推定される。また、本発明において裁断された電極板の断面形状は、せん断応力と破断応力の影響により電極板に対して完全に垂直でなく斜めに切れる箇所があるが、斜めに切れる箇所の水平方向の偏りは、図5に示すようにクリアランス6を50μmとした時には20〜30μmであり、クリアランス6を30μmとした時には0〜10μmと小さい。このようにして、高容量化を図るために密着力が低く且つ脆くて硬い、すなわちせん断強さが低くて曲げ強さが高い活物質層を有する電極板中間品であっても、自己放電(ソフトショート、OCV不良)の原因となる裁断時における脱落を防止することが可能になる。
以上のようにして本発明に係る非水電解液二次電池用電極板が得られ、この電極板を用いて非水電解液二次電池を作製することができる。
本発明に係る電極板を用いて二次電池を作製する際には、電池の組立工程に移る前に活物質層中の水分を除去するために、真空オーブン等で加熱処理や減圧処理等のエージングをあらかじめ行うことが好ましい。
上記したような方法により作製された正極板及び負極板を、ポリエチレン製多孔質フィルムのようなセパレータを介して渦巻状に巻き回し、外装容器に挿入する。挿入後、正極板の端子接続部(集電体の露出面)と外装容器の上面に設けた正極端子をリードで接続し、一方、負極板の端子接続部(集電体の露出面)と外装容器の底面に設けた負極端子をリードで接続し、外装容器に非水電解液を充填し、密封することによって、本発明に係る電極板を備えた非水電解液二次電池が完成する。
リチウム系二次電池を作製する場合には、溶質であるリチウム塩を有機溶媒に溶かした非水電解液が用いられる。リチウム塩としては、例えば、LiClO、LiBF、LiPF、LiAsF、LiCl、LiBr等の無機リチウム塩、または、LiB(C、LiN(SOCF、LiC(SOCF、LiOSOCF、LiOSO、LiOSO、LiOSO、LiOSO11、LiOSO13、LiOSO15等の有機リチウム塩等が用いられる。
リチウム塩を溶解するための有機溶媒としては、環状エステル類、鎖状エステル類、環状エーテル類、鎖状エーテル類等を例示できる。より具体的には、環状エステル類としては、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ビニレンカーボネート、2−メチル−γ−ブチロラクトン、アセチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等を例示できる。
鎖状エステル類としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルエチルカーボネート、メチルブチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチルブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、ブチルプロピルカーボネート、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル等を例示できる。
環状エーテル類としては、テトラヒドロフラン、アルキルテトラヒドロフラン、ジアルキルテトラヒドロフラン、アルコキシテトラヒドロフラン、ジアルコキシテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、アルキル−1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキソラン等を例示できる。
鎖状エーテル類としては、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル等を例示することができる。
(実施例1)
正極用活物質としてLiCoO粉末を100重量部と、正極用導電剤としてアセチレンブラックを1.5重量部と、正極用結着材としてポリフッ化ビニリデンを2.0重量部と、溶剤としてN−メチル−ピロリドンとを、プラネタリーミキサーで混合することにより、活物質層用塗工組成物の調製を行った。厚さ15μmのアルミ箔の両面にダイコーターを用いて活物質層用塗工組成物を間欠塗工した。一面あたりの塗工量は約219.19g/m2とし、一面のみに塗工する場合の塗工長は0.762m、両面に塗工する場合の塗工長は1面目を0.762m、2面目を0.692mとした。活物質層が形成された電極板中間品をロールプレスにより圧延した。圧延した電極板中間品を本発明に用いられる裁断手段により、刃同士の端面部間のクリアランスを30μmとして、0.042mの幅に裁断した。
(比較例1〜4)
表1に示した配合により、活物質層用塗工組成物の調製を行い、実施例1と同様に塗工し、圧延した。裁断は、クリアランス量がない、通常のギャング刃方式で行った。
<評価>
実施例及び各比較例で得られた電極板について、90度剥離強度試験により、両面塗工部、両面塗工部のうち片面を拭き取った部分(両面塗工部片面拭取り)、一面のみに塗工されている部分(片面塗工部)の基材への塗膜の密着力を測定した。更に、両面塗工部のせん断強さ、及び曲げ強さを測定した。また、裁断時の脱落の有無の確認をした。更に、電池容量を求め、従来用いられた密着力が高い比較例1の電極と比較した電池容量の向上率も合わせて表1に示す。
(密着力の評価:90度剥離強度試験)
JIS−K6854に準拠して行った。片面塗工部の基材への塗膜の密着力は、塗工層側の面を台上に両面テープで固定し、基材を塗工層面に対して垂直になる方向に引張り、毎分約50mmの速さで連続的に約50mm剥がして、この間での荷重の最低値を引き剥がし強さとして、基材への塗膜の密着力の評価に用いた。両面塗工部のうち片面を拭き取った部分の基材への塗膜の密着力は、まず、両面塗工部のうち片面を試験に必要とする分だけ溶剤により拭き取った後、上記片面塗工部の基材への塗膜の密着力と同様に行った。また、両面塗工部の基材への塗膜の密着力は両面のうち一方の面の塗工層側の面を台上に両面テープで固定し、上記片面塗工部の基材への塗膜の密着力と同様に行った。
(活物質層のせん断強さの評価)
せん断強さの測定は、JIS−K7214−1985、及びASTM D732の試験方法、試験片の形状に準拠して行った。せん断強さは、図6に示すようなクロスヘッドの移動速度が一定な万能試験機(株式会社 エー・アンド・デイ 製 RTC−1250A)を用いた。クロスヘッドを1mm/分で移動させてせん断荷重をかけた場合に、試験片が破断するまでのせん断荷重の最大値を、せん断される部分の断面積で除した値をせん断強さとして、評価に用いた。活物質層のせん断強さは、電極板中間品のせん断強さの測定値から集電体単体のせん断強さの測定値を引くことにより、求めた。
(活物質層の曲げ強さの評価)
曲げ強さの測定は、JIS K 7171-1994、ISO178、及びASTM D790試験方法、試験片の形状に準拠して行った。長辺75mm、短辺b40mm、厚さd任意の試験片を用いた。曲げ強さは、図7に示すような一定速度で押すことができる万能試験機(株式会社 エー・アンド・デイ 製 RTC−1250A)を用いた。加圧くさびは先端半径Rが3.2mmのものを用いた。支持台は支点間距離Lが20mmで且つ先端半径Rが3.2mmのものを用いた。加圧くさびを30mm/分で移動させて試験片の中央部に荷重を加えた場合に、試験片が破断するまでの曲げ応力σ(ここで、σ=3/2×PL/(bd2))の最大値を、曲げ強さとして評価に用いた。なお、集電体の曲げ強さの値は0であったので、活物質層の曲げ強さは、電極板又は電極板中間品の曲げ強さを求めることにより、その値を活物質層の曲げ強さとみなして求めた。
(電池容量)
正極用活物質として用いたLiCoO粉末の理論容量140mAh/gと、片面塗工量、塗工面積、及び活物質層用塗工組成物中の活物質の割合により、計算で求めることができる。例えば、実施例1の場合、140<mAh;理論容量>×219.19<g/m2;片面塗工量>×(0.692+0.762)<m;塗工長>×0.042<裁断幅>×100/103.5<活物質層用塗工組成物中の活物質の割合>として計算することができる。容量向上率は、比較例1を基準として求めた。
Figure 0004712338
活物質層中の結着材量が比較的多い比較例1に比べ、実施例1においては、3.38%電池容量を向上することができた。実施例1の電極板は、高容量を実現し、活物質層の密着力が低く、せん断強さが低く、且つ曲げ強さが強い電極板であったが、本発明において用いられる裁断手段により裁断されたため、裁断時に脱落が発生しなかった。一方、実施例1と同じ活物質層用塗工組成物を用いた電極板であって通常のギャング刃方式を用いて裁断した比較例4は、電極端面から活物質層が脱落する現象が観察された。
従来の電極板を裁断する裁断手段の一例を示す図である。 従来の電極板の裁断状態を示す拡大断面図を示す図である。 本発明において電極板中間品を裁断する裁断手段の一例を示す図である。 本発明において電極板中間品を裁断する裁断手段を配置する裁断機の一例の概略を示す図である。 本発明における電極板中間品の裁断状態を示す拡大断面図である。 本発明におけるせん断強さを測定する装置の一例を示す拡大断面図である。 本発明における曲げ強さを測定する装置の一例を示す拡大断面図である。 本発明における裁断手段が好適に用いられる電極板の活物質層のせん断強さと曲げ強さの範囲を示す図である。 本発明における裁断手段が好適に用いられる電極板の剥離強度と活物質層の曲げ強さの範囲を示す図である。 図1のような通常のギャング刃方式で電極板を切断する場合の端面形状の模式図である。 図3のような本発明に係るクリアランス量を設けた裁断手段で切断する場合の端面形状の模式図である。
符号の説明
1…裁断手段
2…上刃
3…下刃
4…上刃用軸棒
5…下刃用軸棒
6…クリアランス
7(7a〜7c、7a’〜7c’)…刃の間隔
8…供給ロール
9…ニップロール
10a…巻き取り軸(上)
10b…巻き取り軸(下)
11…ギャング式カッターユニット
12…ギャング刃の上刃
13…ギャング刃の下刃
14…倒れ量
15…(15a〜15c、15a’〜15c’)…刃の間隔
20…電極板中間品
20a…集電体
20b…活物質層

Claims (6)

  1. 集電体の一面側又は両面に、少なくとも活物質及び結着材を含有する活物質層を設けてなり、該活物質層の集電体への密着力はJIS−K6854の試験方法により、活物質層が両面に設けられている場合には13.5N/m以下であり、活物質層が片面に設けられている場合には6.0N/m以下であり、活物質層のせん断強さはJIS−K7214−1985の試験方法により0.10N/mm2以下であり、活物質層の曲げ強さはJIS−K7171−1994の試験方法により15.0N/mm2以上である非水電解液二次電池用電極板であって、円盤状又は円筒状の形状を有し、且つ、その軸方向末端の端面部周縁が切れ刃となっている上刃と下刃とを、少なくとも1つずつ上刃用軸棒と下刃用軸棒に各々設け、当該上刃と下刃とを、前記2つの軸棒が平行となり、上刃と下刃の先端部が部分的に交差し、且つ、交差する上刃と下刃の端面部間のクリアランスが20μm〜50μmの範囲となるように対向させた裁断手段の上刃と下刃の間に、前記密着力、せん断強さ、及び曲げ強さの活物質層を集電体上に設けた電極板中間品を通過させることにより、裁断されたものであることを特徴とする、非水電解液二次電池用電極板。
  2. 前記活物質層が集電体の両面に設けられている、請求項1に記載の非水電解液二次電池用電極板。
  3. 円盤状又は円筒状の形状を有し、且つ、その軸方向末端の端面部周縁が切れ刃となっている上刃と下刃とを、少なくとも1つずつ上刃用軸棒と下刃用軸棒に各々設け、当該上刃と下刃とを、前記2つの軸棒が平行となり、上刃と下刃の先端部が部分的に交差し、且つ、交差する上刃と下刃の端面部間のクリアランスが20μm〜50μmの範囲となるように対向させた裁断手段の上刃と下刃の間に、活物質層を集電体上に設けた電極板中間品を通過させることにより、裁断する工程を含み、
    前記電極板中間品の活物質層の集電体への密着力はJIS−K6854の試験方法により、活物質層が両面に設けられている場合には13.5N/m以下であり、活物質層が片面に設けられている場合には6.0N/m以下であり、活物質層のせん断強さがJIS−K7214−1985の試験方法により0.10N/mm 2 以下であり、且つ活物質層の曲げ強さがJIS−K7171−1994の試験方法により15.0N/mm 2 以上である、非水電解液二次電池用電極板の製造方法。
  4. 更に、前記電極板中間品の活物質層をプレス加工する工程を含む、請求項3に記載の非水電解液二次電池用電極板の製造方法。
  5. 前記電極板中間品の活物質層が集電体の両面に設けられている、請求項3又は4に記載の非水電解液二次電池用電極板の製造方法。
  6. 前記請求項1又は2に記載の非水電解液二次電池用電極板を備える、非水電解液二次電池。
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