JP4712222B2

JP4712222B2 - 粉末または顆粒状洗浄用組成物

Info

Publication number: JP4712222B2
Application number: JP2001151515A
Authority: JP
Inventors: 寿晃今須; 智美石崎
Original assignee: Fancl Corp
Current assignee: Fancl Corp
Priority date: 2001-05-21
Filing date: 2001-05-21
Publication date: 2011-06-29
Anticipated expiration: 2021-05-21
Also published as: JP2002338994A

Description

【０００１】
【発明が属する技術分野】
本発明は、カチオン化デキストランを配合することを特徴とする粉末または顆粒状洗浄用組成物に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、粉末洗浄用組成物は洗浄剤の他にビルダーとなる無機粉体や有機粉体を混合粉砕して用いられ、また、顆粒状洗浄用組成物とする場合には混合粉砕ののち至適条件で造粒して用いられた。粉末または顆粒状洗浄用組成物は液状やジェル状に比べ、水分がない為、防腐剤や殺菌剤無配合のより安全性の高い製品の提供が可能であった。ところが、粉末または顆粒状洗浄用組成物では、使用時に手の平やスポンジなどで水に溶かす際に均一に溶けず、「ダマ」または「継粉（ままこ）」と呼ばれる塊ができる欠点があった。また、起泡性も液状やジェル状に比べると少ない欠点があった。これらの欠点に応える方法として、カチオン化セルロースポリマーやジアリルジメチルアンモニウムハライドポリマーなどの配合（特公平5-50486）が知られている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この方法は、特に粉末状洗浄用組成物において、使用時に手のひらなどでの泡立ての際、ザラツキがでるという問題が生じた。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記欠点や問題を解決するべく研究の結果、粉末または顆粒状洗浄用組成物の処方中にカチオン化デキストランを配合することにより、安全性の高い、使用時の溶解性を向上させ、起泡性にも優れ、更には手のひらなどでの泡立ての際、ザラツキを生じず使用性を高めたものが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【０００５】
【発明の実施の形態】
即ち、本発明はカチオン化デキストランを配合することを特徴とする粉末または顆粒状洗浄用組成物である。本発明において粉末または顆粒状洗浄用組成物に配合されるカチオン化デキストランは、下記に示す。具体的には、下記式（１）で示すような塩化Ｏ−［２−ヒドロキシ−３−（トリメチルアンモニオ）プロピル］デキストランがあり、名糖産業株式会社より「ＣＤＣ」の商品名などで市販されているものを使用できる。
【０００６】
【化１】

［但し、式中ｎは自然数、Ｒは水素原子、ヒドロキシ低級アルキル基、及び下記式（２）
【０００７】
【化２】

（但し、Ｒ₁は水素原子又はヒドロキシ低級アルキル基、Ｒ₂、Ｒ₃及びＲ₄はそれぞれアルキル基を表わす。）で示される第４級窒素含有基より選ばれた基であり、且つ１分子中に少なくとも一つの式（２）で示される第４級窒素含有基を含む。］
【０００８】
本発明のカチオン化デキストランの配合量は粉末又は顆粒状洗浄用組成物全体の０．０１重量％〜１０重量％、より好ましくは０．０５重量％〜２重量％である。配合量が０．０１重量％未満では使用時のザラツキ以外の「ダマ」、「継粉」の発生防止や起泡性の向上効果が乏しくなることがある。また、１０重量％より多く配合した場合、ザラツキはなく、「ダマ」、「継粉」にもならないが、溶解時のベタツキや洗い流し時のヌメリ感が発現し、更に必然的に洗浄剤分量が低下し、洗浄本来の効果が乏しくなることがある。
【０００９】
本発明の粉末または顆粒状洗浄用組成物の用途としては顔、身体、手、頭髪など使用部位は特に限定しない。
【００１０】
また、製品の使用形態や目的性能に応じて他の成分を配合することもできる。他の成分とは、例えば、洗浄基剤、保湿剤、賦形剤、無機粉体、抗炎症剤、油剤、着色剤、香料などである。洗浄基剤としてはアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、スルホコハク酸塩、アシルアルキルタウリン塩、アシルイセチオン酸塩、脂肪酸塩、アシルグルタミン酸塩、アシルグリシン塩、アシルアラニン塩などのアニオン性界面活性剤、カルボベタイン系、スルホベタイン系、イミダゾリニウム系などの両性界面活性剤、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどのノニオン性界面活性剤、直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を有するモノもしくはジアルキル付加型第４級アンモニウム塩及びそのアルキル基にアルキレンオキシドを付加したものなどのカチオン性界面活性剤が挙げられる。本発明では、特にアシルグルタミン酸塩、アシルグリシン塩やアシルアラニン塩などのアミノ酸系界面活性剤が好ましい。これらとカチオン化デキストランを配合した場合には、特に溶解時のザラツキの減少と泡立ちの向上に顕著な改善が認められた。保湿剤としてブドウ糖、黒砂糖、フルクトース、マルトース、キシロース、ソルビトール、マンニトール、ラクトース、マルチトール、キシリトール、ラクチトール、デキストラン、デキストリン、プルラン、アラビアゴム、寒天、マンナン、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、１,３−ブチレングリコール、１，２−ペンタンジオール、プロピレングリコールなどの多価アルコールなど、アミノ酸及びその誘導体などやパセリ、カミツレ、ローズマリーなどの各種植物エキス類などが挙げられる。賦形剤としても利用されるトウモロコシデンプンなどのデンプン類またはその誘導体、無機粉体としてはタルク、カオリン、酸化チタン、ベントナイトなど、抗炎症剤としてはアラントイン、グリチルリチン酸又はその誘導体などが挙げられる。
【００１１】
【実施例】
本発明の詳細を表１及び表２の実施例１〜１０及び比較例１〜１０に示すが、本発明はこれにより限定されるものではない。また、実施例及び比較例に示した粉末または顆粒状洗浄用組成物は表に示した処方及び方法によりそれぞれ製造した。それらを以下の評価法によって評価した。また、評価者は専門パネラー５名により評価した。
【００１２】
ダマ：各粉末または顆粒状洗浄用組成物を片方の手の平に０．５ｇとり、もう一方の手で水またはぬるま湯を適量加え、両手の手のひらを合わせてこすった時の状態を目視により評価する。以下の判定基準により評価した。
○ ：ダマが認められないと答えたのが３名以上
△ ：ダマが若干認められると答えたのが３名以上
× ：ダマがかなり認められると答えたのが３名以上
【００１３】
起泡性：各粉末または顆粒状洗浄用組成物を片方の手の平に０．５ｇとり、もう一方の手で水またはぬるま湯を適量加え、両手の手のひらをこすり合わせて泡立て、泡立てた泡の状態を目視により評価する。以下の判定基準により評価した。
○ ：泡量が多く、泡立ちも素早いと答えたのが３名以上
△ ：泡量がやや多く、泡立ちもやや素早いと答えたのが３名以上
× ：泡量が少なく、泡立ちも遅いと答えたのが３名以上
【００１４】
ザラツキ：各粉末または顆粒状洗浄用組成物を片方の手の平に０．５ｇとり、もう一方の手で水またはぬるま湯を適量加え、両手の手のひらを１０往復こすり合わせた時の状態の感触を評価する。以下の判定基準により評価した。
○ ：ザラツキがないと答えたのが３名以上
△ ：ザラツキがややあると答えたのが３名以上
× ：ザラツクと答えたのが３名以上
【００１５】
【表１】

【００１６】
【表２】

【００１７】
【発明の効果】
本発明により、安全性の高い、使用時の溶解性を向上させ、起泡性にも優れ、更には手のひらなどでの泡立ての際、ザラツキを生じず使用性を高めた粉末または顆粒状洗浄用組成物を提供することができる。

Claims

カチオン化デキストランを配合することを特徴とする粉末または顆粒状洗浄用組成物。