JP4711210B2 - 燃料改質装置およびその早期起動方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、燃料改質装置およびその早期起動方法、より詳細には、燃料電池など高純度の水素を燃料とする産業において、炭化水素系燃料、アルコール系燃料などを改質し、早期に高純度の水素を取り出す燃料改質装置及びその早期起動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池で発電を行う場合、スタックに供給される精製ガスには▲1▼水素が含まれること、▲2▼一酸化炭素(CO)濃度が所定の濃度以下であること、▲3▼炭化水素(THC)濃度が所定の濃度以下であること、などが必要とされる。
【0003】
一般に燃料電池に使用される水素は、主としてブタンやプロパン等の炭化水素系燃料、メタノール等のアルコール系燃料等を出発原料として改質触媒を充填した改質器で燃料ガス、水蒸気および空気からなる混合ガスの改質を行い生成される。
【0004】
ここで、改質反応は比較的高温下で進行するため、従来の改質器の起動の際には蒸発器で混合ガスを熱し、その保有熱により改質触媒を予め暖めたり、混合ガスの一部を改質器内において部分酸化させ、その反応熱を利用して内部から改質触媒を暖めたりして改質反応を促進している(オートサーマル方式)。
【0005】
また、改質反応によって得られた水素リッチな改質ガス中には、被毒物質である一酸化炭素(CO)が多く混入しているため、一般には改質器の下流側にCO除去触媒が充填されたCO除去器を設け、ここでCO除去反応を行うことによって一酸化炭素濃度を所定の濃度まで低減する措置が講じられている。
【0006】
一方、CO除去反応は改質反応と比して比較的低温下で進行するものの100〜200℃程度の温度が必要とされるため、改質装置の始動時にはCO除去触媒を改質ガスの保有熱およびCO除去反応により発生する反応熱により運転可能な温度まで昇温していた。
【0007】
ここで改質装置の起動後改質触媒が十分に暖められるまでの間には改質反応が十分に進行せず、そのため改質ガス中には未改質物質等が多く含有されることになる(これを「湿りガス」と呼ぶ。)。湿りガスには高濃度のTHCや水蒸気が含まれるが、高THCガスはスタックに流すことができず、十分に改質触媒が暖められるまでの間はこれを廃棄するか、または蒸発器に送り戻して原料を加熱するための燃焼用燃料として利用していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
改質触媒を暖めるためには蒸発器から高温の混合ガスを供給し、その保有熱や部分酸化による反応熱を利用するが、改質触媒の昇温には一定の時間を要する。そのため昇温するまでの間には湿りガスが改質器からCO除去器に流れ込み、THCや水蒸気が加熱前のCO除去触媒の活性面に付着(結露)し、CO除去反応を阻害する要因となっていた。
【0009】
加えて従来の改質装置では蒸発器から改質器に向けて混合ガスが常時供給され続けるため、改質触媒が十分に熱せられるまで高濃度のTHCや水蒸気を含有する改質ガスがCO除去器に流れ込み、THCや水蒸気のCO除去触媒への付着が一層多くなっていた。CO除去触媒に付着したTHCや水蒸気が除去されCO除去反応が進行するためにはさらに一定の時間を要するので、改質触媒が十分に熱せられた後もなお一定時間スタックに精製ガスを流すことができなかった。
【0010】
燃料電池自動車などに改質装置を使用する場合、高純度の水素を早期にスタックに供給することによって発電し、迅速に機関を始動する要望が大きい。しかしながら従来の改質装置では上述のように起動後の早期にスタックに改質ガスを流せず、燃料電池自動車等にこれを使用する場合において実用上問題があった。
【0011】
本発明は、かかる種々の問題点を解決すべく創案されたものである。すなわち本発明は、改質触媒が十分に熱せられるまでの間に生じる湿りガスのTHCや水蒸気の濃度を早期に低減し、CO除去触媒へのTHC等の付着を抑制し、付着が起こった場合にもこれを早期に除去し、CO除去器でのCO除去反応への阻害を防止することによって、迅速にスタックへ高純度の水素を供給することが可能な燃料改質装置およびその早期起動方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、燃料、水および空気からなる原料(2)を加熱・気化して高温の混合ガス(4)とする蒸発器(6)と、前記混合ガスを改質して水素を含有する改質ガス(9)を生成する改質器(10)と、前記改質ガスから一酸化炭素を除去し精製ガス(12)とするCO除去器(14)と、前記精製ガスを燃料電池のスタック(16)へ送る水素ガス供給ライン(18)と、からなる燃料改質装置であって、前記水素ガス供給ラインに設けられ前記スタックへの前記精製ガスの流入を制限する流量制御弁(22)と、該流量制御弁の上流側に設けられ前記精製ガスを前記改質器の入口側に送り戻す循環ガスライン(24a)と、該循環ガスラインに前記精製ガスを循環させる循環手段(26)と、が備えられ、前記改質ガスまたは前記精製ガス中の炭化水素(THC)濃度が高いときには前記流量制御弁を閉じ前記スタックへの前記精製ガスの流入を制限し、前記精製ガスを前記循環ガスラインに送り、
前記蒸発器は、底部に設けられた燃焼室(7)を有し、
前記燃焼室は、前記蒸発器に供給される前に別離された燃料を燃焼させることで燃焼熱を取り出し、
前記燃料熱によって、前記蒸発器内の前記原料を加熱・気化する、ことを特徴としている。
【0013】
一般的な改質装置に循環ガスライン(24a)を設け、起動時に発生するTHCや水蒸気を多く含む湿りガスを改質器(10)に送り戻し、再び部分酸化反応および改質反応を行わせることによって十分な改質を行い、改質器出口でのTHCや水蒸気の量を早期に減少させることができる。これによって、THCや水蒸気のCO除去触媒への付着を抑制し、CO除去反応への阻害を防止できる。なおこのとき、蒸発器(6)から改質器へ供給される混合ガス(4)を減少し、過剰に混合ガスが改質器に流れ込むことを防ぐものとする。
【0014】
また、前記循環ガスライン(24a)には遮断弁(28)が備えられ、該遮断弁は、前記流量制御弁(22)が前記精製ガス(12)の流量の制限をしたときには開くことも好ましい。
【0015】
循環ガスラインに遮断弁を設け、その開閉を流量制御弁の開閉と連動させ、流量制御弁(22)が精製ガス(12)の流量の制限をしたとき、すなわち起動時の高濃度THCおよび水蒸気を含む湿りガスが発生するときにはこれを開き、湿りガスを循環ガスラインに導くものとすることもできる。
【0016】
ここで、流量制御弁および遮断弁を始動からの時間によって制御し開閉するものであっても良いが、前記改質器(10)の出口または前記CO除去器(14)の出口のTHC濃度を検出するTHCセンサ(32a)と、該THCセンサからの信号を受信し処理する制御装置(34)と、を改質装置に備えてやり、制御装置からの制御信号を受け開閉するものとすることも好ましい。
【0017】
改質装置の使用環境等が変化した場合であっても、THCセンサによって改質器の出口またはCO除去器の出口におけるTHC濃度を検出し、流量制御弁および遮断弁を制御してやることで、スタックに精製ガスを流入させるタイミングを最適化することが可能となる。
【0018】
さらに、改質装置には、前記水素ガス供給ラインに起動時の高THC濃度の精製ガス(12)を外部に排出する起動時余剰ガスライン(36a)を備えることが効果的である。
【0019】
改質触媒を加熱するためには、蒸発器で加熱された混合ガスの保有熱や混合ガスの部分酸化による反応熱を利用する必要があるが、改質器の起動時に供給された混合ガスの全てが精製ガス(湿りガス)となって循環ガスラインに流れ込むと、蒸発器からは新規に混合ガスが供給されず短時間で改質触媒を十分に加熱することが難しい。そこで、改質器の起動時に生じる湿りガスの一部を起動時余剰ガスラインから排出する一方、所望の混合ガスを新たに改質器へ供給することによって、混合ガスの過剰供給を防ぎつつ改質器の昇温を図ることができる。なお、改質器の起動時に生じる湿りガスの一部を起動時余剰ガスラインから蒸発器に供給し、蒸発器を加熱するための燃焼用燃料として再利用すれば、蒸発器を加熱するために用いられる燃料を減少させることができるため燃費の面からも効果的である。
【0020】
ここで、前記流量制御弁(22)を、前記スタック(16)および起動時余剰ガスライン(36a)への前記精製ガス(12)の流量を調整する三方弁(22a)とすることも好ましい。
【0021】
三方弁によって起動時における湿りガスのスタックへの流入を制限すると同時に、起動時余剰ガスラインからの精製ガスの排出量を調整することによって、循環ガスラインへ流入する精製ガスの流量を最適化することができる。
【0022】
さらに、前記循環手段(26)は、前記蒸発器(6)と前記改質器(10)とを連通する混合ガスライン(38)を通り圧送される混合ガス(4)によって駆動し、前記循環ガスライン(24a)へ前記精製ガスを吸引する混合ガスラインと循環ガスラインとの接合部分に備えられたエゼクタ(26a)であることも好ましい。
【0023】
前記循環手段は、混合ガスラインを圧送される混合ガスによって駆動するエゼクタによって精製ガス(湿りガス)を循環ガスラインへ吸引し循環させることもできる。
【0024】
なお、前記循環手段(26)は、前記循環ガスライン(24a)の経路に設けられたダイヤフラムポンプであってもよい。
【0025】
また、本発明は、原料(2)にするための燃料を準備し、前記燃料の一部を別離し、別離した該燃料を燃焼させることにより燃焼熱を発生させ、前記原料(2)にするための燃料、水および空気からなる原料(2)を、前記燃焼熱によって加熱・気化して高温の混合ガス(4)とし、該混合ガスを改質器(10)において改質して改質ガス(9)を生成し、該改質ガスからCO除去器(14)において一酸化炭素を除去して精製ガス(12)とし、該精製ガスを燃料電池のスタック(16)へ送る燃料改質方法であって、前記精製ガス中のTHC濃度が高いときには前記スタックへの前記精製ガスの流入を制限し、制限した精製ガスの全部又は一部を前記改質器の入口側に送り戻して循環ガス(40)とし、これと同時に前記改質器への前記混合ガスの供給量を減じる、ことを特徴とする燃料改質装置の早期起動方法を提供する。
【0026】
改質器の起動時に改質触媒が十分に暖められていないときに発生するTHC等を多く含む湿りガスの前記スタックへの流入を制限し、制限した精製ガスの全部又は一部を改質器に送り戻して再び改質反応を行い、改質反応を十分に進行させTHC等の濃度を低下させる。また、前記混合ガスの供給量を減少させることによって混合ガスの過剰供給を制限し、未改質物質の発生を抑え、THCや水蒸気のCO除去触媒への付着をなくすことによってCO除去反応を促進し、早期にスタックへの高純度の水素ガスを供給することが可能となる。そのため燃料改質装置を早期起動することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0028】
本発明は、主として燃料電池用の水素供給源として自動車等に搭載して使用することを目的とした燃料ガス、水蒸気および空気からなる混合ガスを水素に転換するための燃料改質装置である。以下、今後供給の安定化や価格の低廉化が期待されるメタノールを燃料ガスとして用いた水素製造に本発明の改質装置を適用した場合について説明する。
【0029】
図1は、本発明の燃料改質装置の第一の実施形態を示す構成図である。
【0030】
本実施形態の燃料改質装置は、大きく分けて蒸発器6、改質器10、およびCO除去器14とからなり、CO除去器14からは水素リッチな精製ガスを燃料改質装置の外部に設けられた燃料電池のスタック16へ供給する水素ガス供給ライン18がのびている。
【0031】
蒸発器6には外部からメタノールを供給するメタノール供給管3aと水および空気を供給する水・空気供給管3bが備えられている。メタノール供給管3aは蒸発器6の外部において分岐しており、その分岐した管は蒸発器の底部に設けられた燃焼室7に通じている。また、メタノール供給管3aの主流と水・空気供給管3bとは合流し、メタノール、水および空気は混合され蒸発器6に送られる。
【0032】
燃焼室7では供給されたメタノールを、外部から取り入れた空気(酸素)を用いて燃焼させることによって燃焼熱を取り出す。蒸発器6に送られたメタノール、水および空気よりなる原料は主にこの燃焼熱によって加熱され、高温の混合蒸気(混合ガス)となって混合ガスライン38を通じて改質器10に送られる。なお、メタノール等は後述の起動時余剰ガス37やアノード・カソード排ガス45をも熱源として利用し加熱される。
【0033】
改質器10の前段部分には部分酸化用触媒10aが充填され、混合ガスの一部は部分酸化することにより燃焼熱を発生し、残りの混合ガスや改質触媒を改質反応に適した温度にまで直接的に加熱する(オートサーマル方式)。
【0034】
改質器10の中・後段部分には改質触媒10bが充填されており、混合ガス4は改質触媒10bと接触して改質反応を行い水素リッチな改質ガス9を生成する。その後この改質ガス9は改質ガスライン8を通じてCO除去器14に送られる。
【0035】
しかしながら改質装置の始動時には改質触媒10bが低温であるため、これが十分に熱せられるまでの間には改質反応が進行せず、改質器10を出てCO除去器14に向かう改質ガス9は、THCや水蒸気などが多く含まれるいわゆる湿りガスとなっている。
【0036】
CO除去器14にはCO除去触媒が充填されており、改質器10から送られた改質ガス9から被毒物質である一酸化炭素の除去を行い精製ガス12を生成する。ここで改質器10から送られる改質ガス9が湿りガスである場合にはCO除去触媒の活性面にTHCや水が一時的に付着する。
【0037】
CO除去器14からは燃料改質装置の外部に設けられた燃料電池のスタック16へ供給する水素ガス供給ライン18がのびている。また、水素ガス供給ライン18にはその経路において三方弁22aが備えられており、この三方弁からは起動時余剰ガスライン36aが分岐している。
【0038】
この三方弁22aはCO除去器14からの精製ガス12のスタック16への流入を制限するとともに、起動時余剰ガスライン36aから排出される精製ガスの流量を制御する。この起動時余剰ガスライン36aは蒸発器6へと通じており、蒸発器6の燃焼室7で燃焼してメタノール等を加熱する。また、三方弁22aの上流側に位置する水素ガス供給ライン18からは循環ガスライン24aがのびており、その他端は改質器10の入口側の混合ガスライン38に繋がっている。
【0039】
循環ガスライン24aが設けられることにより、改質反応が繰り返し行われ、改質率の向上が図られる。改質ガス9中のTHC等が減少し、CO除去触媒へのこれらの付着の累積がなくなと改質ガス9から効率的にCOを除去することができ、またCO除去触媒からTHCが蒸発してくることもないため、改質装置の始動後早期に精製ガス12を燃料電池のスタック16へ流すことができる。すなわち、改質装置を早期に起動することができる。なおこのとき、改質装置の始動直後における混合ガス4の供給量を制限することによって、過剰に混合ガスが供給されることによるTHC等の発生が抑制される。
【0040】
さらに循環ガスライン24aの経路には遮断弁28が備えられており、遮断弁28は循環ガスライン24a中を流れる精製ガス(湿りガス)の流量を調整する。
【0041】
三方弁22aは改質装置の始動直後にはTHC等が多く含まれた精製ガス(湿りガス)12のスタック16への流入を防ぐべくこのラインを閉じ、これと同時に起動時余剰ガスライン36aを開けて、この精製ガス(湿りガス)の一部を排出する。遮断弁28はこのとき循環ガスライン24aを解放し、残りの精製ガス(湿りガス)を循環ガスライン24aへと導き入れる。循環ガスライン24aへ流れ込んだ湿りガス(循環ガス40)は、改質器10の入口側の混合ガスライン38へと送り戻され再び改質器10に送られて部分酸化反応および改質反応を行う。
【0042】
ここで、循環する湿りガス(循環ガス40)だけでは改質触媒の早期加熱を図れないため、部分酸化による発熱および混合ガスの保有熱を利用する必要がある。そのため必要最小限の混合ガスを改質器10に供給する。また、かかる混合ガスの供給は後述するエゼクタ26aを駆動するためにも必要となる。
【0043】
三方弁22aおよび遮断弁28の制御は、CO除去器14の出口に設けたTHCセンサ32aによりTHCの濃度、換言すれば改質反応の進行の度合い(改質率)を測定し、その濃度情報を制御装置34に送信し、制御装置34から三方弁22aおよび遮断弁28に制御信号を送ることによって行われる。例えば三方弁22aは、THCの濃度が高いときにはスタック16へ精製ガス12を注入しないように一の弁を閉じると同時に、起動時余剰ガスライン36aへ精製ガスの一部を流し込むように他の弁を開く。遮断弁28はこれに連動して弁を完全に解放し、循環ガスライン24aへ湿りガスを導き入れる。すなわち、制御信号をもとに三方弁22aおよび遮断弁28を制御することによってスタック16への精製ガス12の注入を遮断し、起動時余剰ガスライン36aから湿りガスの一部を排出し、循環ガスライン24aに流れ込む湿りガスの量を調整するとともに、蒸発器6から改質器10に新規に供給される混合ガス4の流量を調整することで改質率を短時間で向上させ、スタック16への精製ガス12を迅速に注入することが可能となる。
【0044】
なお、THCセンサ32aはCO除去器14の出口に設けるものであっても良いし、改質器10の出口に設けるものであっても良い。
【0045】
また、循環ガスライン24aと混合ガスライン38との接合部分には、混合ガスライン38を通り圧送される混合ガス4によって駆動し、精製ガスライン18から循環ガスライン24aへ精製ガス12(湿りガス)を吸引するエゼクタ26aが備えられている。
【0046】
スタック16へ精製ガス12を注入せず、起動時余剰ガスライン36aから湿りガスの一部を排出し、循環ガスライン24aの遮断弁28を解放したとしても、混合ガスライン38でのガス圧が水素ガス供給ライン18でのガス圧よりも高くなるため循環ガスライン24a中を湿りガスが自然に循環することはない。そこで混合ガス4のガス圧を利用したエゼクタ26aによって湿りガスを循環ガスライン24aに吸引することで、湿りガスを改質器10へと再循環させることができる。なお、エゼクタ26aを用いる代わりに、循環ガスライン24aにダイヤフラムポンプを設けてやることもできる。
【0047】
なお、水素ガス供給ライン18はスタック16のアノード(図示せず)に水素リッチな精製ガスを供給し、また、スタック16のカソード(図示せず)には外部から導かれた空気供給ライン46より空気が供給される。さらに、燃料電池からは発電を行った後の排ガスを排気するためのカソード・アノード排ガスライン44が備えられており、このラインは蒸発器6へと通じ、カソード・アノード排ガスはメタノール等を予熱するための熱源として利用される。
【0048】
図2は、CO除去器14の出口での改質率を、混合ガス供給量および循環ガスの流量を改質装置の始動からの時間を横軸にとって表したものである。
【0049】
改質装置の始動時には三方弁22aのCO除去器14とスタックとをつなぐラインを閉じた上で、混合ガスを供給する。その後、循環ガス40の流量を徐々に増やしてやると同時に混合ガス4の供給量を減少させる。ここで、循環ガスラインに流入した湿りガス以外の湿りガスは起動時余剰ガスラインを通して蒸発器へと送られる。
【0050】
この状態で改質触媒の加熱を促進するとともに、精製ガス12を循環させ改質反応を繰り返し行いTHC等の濃度を低下させる。改質触媒の昇温および改質率の向上に伴い混合ガス4の供給量を増やし、循環ガス40の流量を徐々に減少させ、高改質率がえられた時点で遮断弁28を閉じ、精製ガスの循環をやめる。その後、スタック16へ精製ガス12を流し込み発電を行う。
【0051】
このように循環ガスライン24aに流し込む精製ガス、起動時余剰ガスライン36aから排出する精製ガス、および改質器に供給する混合ガス4の流量をTHC濃度(改質率)との関係によって調節することで、CO除去器14の出口での改質率を短時間に向上させることができ、始動から早期にスタックへ精製ガスの供給を行い発電することができる。
【0052】
図3は、本発明の燃料改質装置の第二の実施形態を示す構成図である。本実施形態の燃料改質装置は第一の実施形態で水素ガス供給ライン18にあった三方弁(循環ガスライン)を、改質器10とCO除去器14とをつなぐ改質ガスライン8に移動し、CO除去器14の出口に備えていたTHCセンサも改質器10の出口側であって循環ガスラインとの接合部上流側に移動したものである。
【0053】
燃料改質装置始動後THCセンサ32bで検出したTHC濃度が高い場合には三方弁22bの各弁を開閉し、改質器10からCO除去器14へ改質ガス9を流さず、その一部を起動時余剰ガスライン36bから排出し、残りの改質ガス9を循環ガスライン24bに送り循環させ再び改質反応を行い、改質触媒が昇温し十分な改質率がえられた時点でCO除去器14へ改質ガス9を注入する。このとき改質ガス9からはTHC等が除去されているため、CO除去触媒の活性面にTHC等が付着することはない。したがって、本実施形態の燃料改質装置によっても早期に精製ガス12を燃料電池のスタック16へ供給し、燃料改質装置の始動後短時間の間に発電することが可能となる。
【0054】
なお、本発明は上述した実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
【0055】
【発明の効果】
上述したように本発明の燃料改質装置によれば、改質触媒が十分に熱せられるまでの間に生じる混合ガス中のTHCや水蒸気の濃度を早期に低減し、CO除去触媒へのTHC等の付着を抑制し、付着があった場合にも早期にこれを除去し、CO除去触媒へのTHC等の付着を減少させ、CO除去反応の効率化を図ることにより、迅速に燃料電池のスタックへ高純度の水素ガス(精製ガス)を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の燃料改質装置の第一の実施形態を示す構成図である。
【図2】 改質率を、燃料ガス供給量および循環ガスの状態量との関係で表した図である。
【図3】 本発明の燃料改質装置の第二の実施形態を示す構成図である。
【符号の説明】
2 原料
3a メタノール供給管
3b 水・空気供給管
4 混合ガス
6 蒸発器
7 燃焼室
8 改質ガスライン
9 改質ガス
10 改質器
10a 部分酸化用触媒
10b 改質触媒
12 精製ガス
14 CO除去器
16 スタック
18 水素ガス供給ライン
22 流量制御弁
22a,22b 三方弁
24a、24b 循環ガスライン
26 循環手段
26a エゼクタ
28 遮断弁
32a,32b THCセンサ
34 制御装置
36a,36b 起動時余剰ガスライン
37 起動時余剰ガス
38 混合ガスライン
40 循環ガス
44 カソード・アノード排ガスライン
45 アノード・カソード排ガス
46 空気供給ライン

Claims (8)

  1. 燃料、水および空気からなる原料(2)を加熱・気化して高温の混合ガス(4)とする蒸発器(6)と、前記混合ガスを改質して水素を含有する改質ガス(9)を生成する改質器(10)と、前記改質ガスから一酸化炭素を除去し精製ガス(12)とするCO除去器(14)と、前記精製ガスを燃料電池のスタック(16)へ送る水素ガス供給ライン(18)と、からなる燃料改質装置であって、前記水素ガス供給ラインに設けられ前記スタックへの前記精製ガスの流入を制限する流量制御弁(22)と、該流量制御弁の上流側に設けられ前記精製ガスを前記改質器の入口側に送り戻す循環ガスライン(24a)と、該循環ガスラインに前記精製ガスを循環させる循環手段(26)と、が備えられ、前記改質ガスまたは前記精製ガス中のTHC(炭化水素)濃度が高いときには前記流量制御弁を閉じ前記スタックへの前記精製ガスの流入を制限し、前記精製ガスを前記循環ガスラインに送り、
    前記蒸発器は、底部に設けられた燃焼室(7)を有し、
    前記燃焼室は、前記蒸発器に供給される前に別離された燃料を燃焼させることで燃焼熱を取り出し、
    前記燃料熱によって、前記蒸発器内の前記原料を加熱・気化する、ことを特徴とする燃料改質装置。
  2. 前記循環ガスライン(24a)には遮断弁(28)が備えられ、該遮断弁は、前記流量制御弁(22)が前記精製ガス(12)の流量の制限をしたときには開く、ことを特徴とする請求項1に記載の燃料改質装置。
  3. 前記改質器(10)の出口または前記CO除去器(14)の出口におけるTHC濃度を検出するTHCセンサ(32a)と、該THCセンサからの信号を受信し処理する制御装置(34)と、を備え、前記流量制御弁(22)および前記遮断弁(28)は、前記制御装置からの制御信号を受け開閉する、ことを特徴とする請求項2に記載の燃料改質装置。
  4. 前記水素ガス供給ライン(18)には起動時の高THC濃度の精製ガス(12)を外部に排出する起動時余剰ガスライン(36a)が備えられている、ことを特徴とする請求項1乃至3に記載の燃料改質装置。
  5. 前記流量制御弁(22)は、前記スタック(16)および起動時余剰ガスライン(36a)への前記精製ガス(12)の流量を調整する三方弁(22a)である、ことを特徴とする請求項4に記載の燃料改質装置。
  6. 前記循環手段(26)は、前記蒸発器(6)と前記改質器(10)とを連通する混合ガスライン(38)を通り圧送される混合ガス(4)によって駆動し、前記循環ガスライン(24a)へ前記精製ガスを吸引する混合ガスラインと循環ガスラインとの接合部分に備えられたエゼクタ(26a)である、ことを特徴とする請求項1乃至5に記載の燃料改質装置。
  7. 前記循環手段(26)は、前記循環ガスライン(24a)の経路に設けられたダイヤフラムポンプであることを特徴とする請求項1乃至5に記載の燃料改質装置。
  8. 原料(2)にするための燃料を準備し、前記燃料の一部を別離し、別離した該燃料を燃焼させることにより燃焼熱を発生させ、前記原料(2)にするための燃料、水および空気からなる原料(2)を、前記燃焼熱によって加熱・気化して高温の混合ガス(4)とし、該混合ガスを改質器(10)において改質して改質ガス(9)を生成し、該改質ガスからCO除去器(14)において一酸化炭素を除去して精製ガス(12)とし、該精製ガスを燃料電池のスタック(16)へ送る燃料改質方法であって、前記精製ガス中のTHC濃度が高いときには前記スタックへの前記精製ガスの流入を制限し、制限した精製ガスの全部又は一部を前記改質器の入口側に送り戻して循環ガス(40)とし、これと同時に前記改質器への前記混合ガスの供給量を減じる、ことを特徴とする燃料改質装置の早期起動方法。
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