JP4710297B2 - 加湿装置 - Google Patents

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本発明は、回転する加湿フィルタを備えた加湿装置に関する。
従来、この種の加湿装置の一例として、気化フィルタを回動して加湿する加湿装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
以下、その構成について図5、図6を参照しながら説明する。
図に示すように送風装置109によって吸込口(図示せず)から吸い込まれた室内の乾燥した空気を風路中に設けたヒーター110を通過させて加熱した後、水槽部111の水により湿潤した全面に小孔が明けられた吸水性の良いシート状の素材をプリーツ折りした横長方形の気化フィルタ112を通過させ、吹出口113から吹き出される加湿装置において、気化フィルタ112を回転自在とし、一方の下端部が水槽部111の水中に水没した状態(a)と、水面と略平行に保持される状態(b)と、他方の下端部が水中に水没する状態(c)でそれぞれ停止するようにしている。
特開2003−302077号公報(図1,図5)
このような従来の加湿装置では、送風路中に置かれた回転する加湿フィルタは、湿潤と乾燥を繰り返すため、フィルタ形状が崩れやすく、加湿機能を充分に発揮できなくなるという課題があり、加湿機能を損なわずにフィルタの表面の劣化を防止することが要求されている。
また、加湿フィルタの掃除や交換において、加湿フィルタを手で触れると、フィルタ表面が押されて凹凸が生じ、吸水性能が充分に発揮できないという課題があり、容易に変形することのない加湿フィルタが要求されている。
また、加湿機を長期間運転していると、水槽内の水質が悪化して臭気を生じる場合があるという課題があり、水槽内の水質をきれいに保つことが要求されている。
本発明は、上記課題を解決するために、湿潤・乾燥などの繰り返しの負荷に耐えることができ、加湿フィルタの清掃時などで手が触れても表面形状が容易に変形しないようにして、長期間安定的に、かつ快適に加湿能力を発揮する加湿装置を提供することを目的としている。
本発明の加湿装置は、上記目的を達成するために、吸込口と吹出口を連通し形成された空気流路に送風手段を設けた本体と、この本体内に設けた水槽と、この水槽の貯留水に常に下部を浸し、前記空気流路内に回転可能に軸支される中空円筒状の加湿フィルタを有し、この加湿フィルタは円筒形状のフィルタ濾材と、このフィルタ濾材を内側から円筒形状に維持するフィルタ枠と、前記フィルタ濾材を覆う保護網とからなり、前記保護網に水質を良化する機能成分を担持させたものである。
この手段により、加湿フィルタは湿潤・乾燥などの繰り返しの負荷に耐えることができ、加湿フィルタの清掃時などで手が触れても表面形状が容易に変形しないようにして、長期間安定的に、かつ快適に加湿能力を発揮することのできる加湿装置を提供することができる。
本発明によれば、フィルタ濾材を湿潤・乾燥の繰り返し負荷から保護することができ、また加湿フィルタの形状を維持し、強度を上げることができ、加湿フィルタの変形による加湿能力の低下を防ぐことができ、フィルタ濾材に直接担持できない水質良化の機能成分を保護網に付加させることができ、加湿装置を快適に長期間使用することができる。
本発明の請求項1記載の発明は、吸込口と吹出口を連通し形成された空気流路に送風手段を設けた本体と、この本体内に設けた水槽と、この水槽の貯留水に常に下部を浸し、前記空気流路内に回転可能に軸支される中空円筒状の加湿フィルタを有し、この加湿フィルタは円筒形状のフィルタ濾材と、このフィルタ濾材を内側から円筒形状に維持するフィルタ枠と、前記フィルタ濾材を覆う保護網とからなり、前記保護網に水質を良化する機能成分を担持させたことにより、フィルタ濾材に直接担持できない水質良化の機能成分を保護網に付加させることができ、加湿装置を快適に長期間使用することができ、フィルタ濾材を湿潤・乾燥の繰り返し負荷から保護することができ、加湿フィルタの形状を保持し、強度を上げることができ、加湿フィルタの変形による加湿能力の低下を防ぐことができるという作用を有する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1〜図4に示すように、本体5は吸込口1と吹出口2を連通した空気流路3に送風装置4と空気加熱手段17を設け、この本体5に着脱自在に設けられる給水タンク6から給水されるように、本体5の下方部に水槽7がスライド自在に設けられている。加湿フィルタ8は水槽7の貯留水に常に下部を浸して回転可能に軸支されている。この加湿フィルタ8は円筒形状のフィルタ濾材9と、このフィルタ濾材9を円筒形状に維持するフィルタ枠11と、フィルタ濾材9を覆う保護網10から構成され、それぞれ分離可能に設けられている。フィルタ濾材9は発泡ウレタン基材を中空円筒状に形成したものであり、親水性ゼオライトとバインダーからなる溶液を含浸または塗布して、吸水性能を向上させている。
保護網10はポリプロピレン製の合成樹脂ネットを円筒形上に形成したものであり、保護網10の内径をフィルタ濾材9の外形より大としている。
加湿フィルタ8を回転する回転手段13は、本体5に設けた駆動ギア14を有した駆動手段15と加湿フィルタ8に設けた従動ギア12よりなる従動手段16により形成されている。
上記構成において、水槽7を介して本体5内に収納された加湿フィルタ8の上流側の空気流路3には空気加熱手段17を設けているので、加熱された送風空気は、保護網10の表面を通過したあとにフィルタ濾材9を通過するため、加熱空気によるフィルタ濾材9の劣化を抑制するとともに、保護網10が金属製とした場合は、加熱空気による熱を加湿フィルタ8内に分散させて保持し、フィルタ濾材9へ熱を平準化して供給できる。
次に、加湿フィルタ8の掃除または、交換を行うときには、運転を停止して水槽7をスライドして引き出し、さらに水槽7から加湿フィルタ8を取り出すことができる。加湿フィルタ8は、保護網10の内径10bをフィルタ濾材9の外径9aより小寸法とすることにより、保護網10とフィルタ濾材9が圧接状態で固定されるので、両者を固定するための追加部品は必要なく、部品点数を少なくできるとともに、加湿フィルタ8の掃除や交換作業を容易に行うことができる。
また、保護網10は合成樹脂製のネット形状をなし、線径を0.2〜1.5mm、開口寸法を5〜20メッシュとして、指先が容易に入り込まない寸法関係をとっている。保護網10の縦横の線材は交互に重ねた3次元構造をとり、縦横の線材の交点10aは熱溶着で固定されており、指先で押しつけても、開口寸法が広がらないようになっている。保護網10を3次元構造とすることで、保護網10の表面に水膜を形成することが少なくなり、加湿フィルタ8の空気抵抗が少なくなり、加湿路の送風量を安定して確保することができる。なお、線材の寸法について、線材の入手性や作業性の向上を考慮すれば、線径0.3〜0.6mm、開口を7〜10メッシュとするのが、より好ましいものである。
保護網10の素材については、合成樹脂に代えてステンレスネットのような耐水性金属を用いれば、強度をより増すことができ、空気加熱手段17によるフィルタ濾材9への熱負荷を軽減するとともに、加湿フィルタ8全体に熱を平準化して供給し、加湿効率を向上させることができる。また、保護網10の素材に吸水性素材を用いれば、保護網10自体も吸水して加湿することで加湿能力の向上に寄与することができる。
また、保護網10に水槽7の貯水を浄化または活性化する機能成分を担持させることにより、快適で衛生的な加湿運転を行うことができる。機能成分としては、光触媒、除菌剤、抗ウイルス剤、抗カビ剤、脱臭剤、芳香剤、イオン交換樹脂などが上げられ、貯水に溶ける成分や貯水を浄化する成分であれば、上記以外のものでもよい。機能成分が機能しなくなったときは、保護網10のみの交換により、簡単に機能成分を補うことができる。
フィルタ濾材の表面積を増やすとともに、フィルタ濾材の表面を保護網で保護することにより、業務用などの大容量の加湿装置に適用できる。
本発明の実施の形態1の加湿装置の横断面図 同加湿装置の縦断面図 (イ)同加湿装置の加湿フィルタの斜視図(ロ)同要部拡大図(ハ)同要部断面図 (イ)同加湿装置の加湿フィルタのフィルタ枠を外した分解斜視図(ロ)同フィルタ濾材と保護網の分解斜視図 従来の加湿装置の断面図 従来の加湿装置の動作説明図
符号の説明
1 吸込口
2 吹出口
3 空気流路
4 送風装置
5 本体
6 給水タンク
7 水槽
8 加湿フィルタ
9 フィルタ濾材
9a フィルタ濾材の外径
10 保護網
10a 交点
10b 保護網の内径
11 フィルタ枠
17 空気加熱手段

Claims (1)

  1. 吸込口と吹出口を連通し形成された空気流路に送風手段を設けた本体と、この本体内に設けた水槽と、この水槽の貯留水に常に下部を浸し、前記空気流路内に回転可能に軸支される中空円筒状の加湿フィルタを有し、この加湿フィルタは円筒形状のフィルタ濾材と、このフィルタ濾材を内側から円筒形状に維持するフィルタ枠と、前記フィルタ濾材を覆う保護網とからなり、前記保護網に水質を良化する機能成分を担持させた加湿装置。
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