JP4708760B2 - 軟質プラスティック材料の表面改質方法及び表面を改質した軟質プラスティック材料 - Google Patents

軟質プラスティック材料の表面改質方法及び表面を改質した軟質プラスティック材料 Download PDF

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Description

本発明は、表面を改質した軟質プラスティック材料及びプラスティック材料の表面改質方法に関し、特に、軟質プラスティック材料に添加された可塑剤の溶出を抑制する発明に関するものである。
本発明によれば、軟質プラスティック材料に添加された可塑剤の溶出を効果的に抑制することができるので、医療分野、食品分野、農業分野における用途など、特に人体に対する安全性が要求される分野において有効である。
現在、医療用チューブやバッグの成形材料として、軟質プラスティック材料、例えばポリ塩化ビニル樹脂が広く用いられている。これらポリ塩化ビニル樹脂には、可塑剤として、フタル酸エステル、脂肪族ポリエステル、エポキシ化合物等の種々の化合物が用いられているが、可塑化効果が高く、得られる樹脂の透明性や加工性が優れており、コストも安いことから、フタル酸エステルが最も多く用いられている。
通常、フタル酸エステルと一般名称で呼称される可塑剤には、フタル酸ベンジルブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ−n−プロピル、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジ−n−ペンチル、フタル酸ジ−n−ヘキシル、フタル酸モノ(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシルなどが含まれる。
従来より、医療現場等において、ポリ塩化ビニル製品が使用されている頻度は極めて高い。しかしながら、フタル酸エステルのような可塑剤を使用したポリ塩化ビニル樹脂等の軟質プラスティック材料では、当該可塑剤の溶出という問題がある。例えば、当該軟質プラスティック材料から成形したチューブ内に、種々の有機溶媒を通過させた際には、比較的簡単に可塑剤であるフタル酸エステルが抽出されてしまう。また、当該プラスティック材料から成形した医療バッグや医療機器においても、使用時の条件に応じて、接触する血液の他、脂溶性医薬品、経口・経腸栄養剤などの液体を介してフタル酸エステル可塑剤が溶出することが報告されている。このように、医療行為を受ける患者は、当該医療行為を通して比較的多量のフタル酸エステル等可塑剤の暴露を受ける可能性があるという問題がある。
以上のように医療現場等においては、チュープやバッグ等として頻用されているポリ塩化ビニル樹脂等の軟質プラスティック材料からのフタル酸エステル等に代表される可塑剤の溶出が問題となっており、その溶出抑制の手段が種々検討されてきた。
従来提案されている可塑剤溶出抑制手段としては、(i)当該プラスティック材料に架橋剤等を添加してエネルギー線を照射する方法、(ii)グロー放電などのプラズマ処理を利用する方法、(iii)可塑剤自体をトリメリット酸系代替可塑剤に変更する方法などがあげられる。しかしながら、これらはいずれも、材料変更を伴う方法や、処理を真空中で行う必要があるなど、極めて煩雑で容易には実施出来ない方法ばかりであり、依然として、いまだ多くのポリ塩化ビニル製品が、可塑剤の溶出問題を抱えたまま使用され続けているという現状にある。
例えば、特許文献1には、ポリ塩化ビニルに対して特殊のポリウレタンを配合した可塑剤としてフタル酸エステルを使用しないポリ塩化ビニル系組成物が開示されている。これは、ポリ塩化ビニル100重量部に対して、炭素数6〜12の側鎖を有しない脂肪族カルボン酸と炭素数4〜12の側鎖を有さない脂肪族ジオールの4〜15モル%を炭素数3〜12の側鎖を有する脂肪族ジオールに置き換えた混合ジオールからなるポリエステルグリコールを使用して、ジイソシアネート成分1モルに対し、当該ポリオール成分0.98〜1.06モルの割合で反応させて得られるポリエステルウレタンを40〜110重量部混合することによって毒性の低い軟質ポリ塩化ビニル組成物が得られるとするものである。
しかしながら、この場合、可塑剤のポリマーへの抽出性および移行性は改良されているが、イソシアネートを使用するために、残存イソシアネート基による細胞毒性が懸念される。また、ウレタン結合が導入されているため、ポリエステル単独の場合よりも可塑化効果が低く、加工性が悪い。そのため、フタル酸エステル類等で可塑化されたポリ塩化ビニル樹脂に替わり、使用されるには到っていない。
一方、ポリ塩化ビニル樹脂等に対し、紫外線等のエネルギー線を照射して架橋構造を形成することにより、可塑剤の溶出を抑制する技術もいくつか提案されている。
例えば特許文献2にはポリ塩化ビニル樹脂に対して酸化亜鉛や酸化チタン等の光導電性金属化合物を加えてなるシート等成形体に、紫外線または可視光を照射することにより、その表層に塩化ビニル樹脂の分子間架橋を導入し、改質被覆層を形成する技術が開示されている。
また特許文献3には、ポリ塩化ビニル系樹脂に対して、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合樹脂及び、多官能性メタアクリレートを添加した成形体に、γ線または電子線を照射することにより、ゲル化率50〜90%の架橋構造を導入する技術が示されている。
さらに特許文献4には、ポリ塩化ビニル樹脂に、光増感剤及び分子内に少なくとも一つのオレフィン性不飽和結合を有する有機シリコン化合物の共存下で紫外線を照射し、次いでシラノール縮合触媒の存在下に水と接触させるポリ塩化ビニル樹脂の低温架橋方法が示されている。
これらエネルギー線照射により架橋・改質する技術は、いずれも対象とするポリ塩化ビニル樹脂を高効率に改質可能ではあるが、基本的に当該ポリ塩化ビニル樹脂以外に、エネルギー線照射による改質(架橋)を促進するための触媒として作用する添加剤や照射架橋型材料等を必須成分として使用する必要があり、実質的に大幅な材料変更に伴う材料設計を新たに行う必要がある。
また、さらに近年、フタル酸エステルに代わる可塑剤として、トリメリット酸エステルが使用され始めている。トリメリット酸エステルは、フタル酸エステルと比較して可塑剤の溶出量が少なく、生体に対する毒性が低いという利点がある。しかしながら、トリメリット酸エステルは、フタル酸エステルと比較して、そもそも可塑化効率自体が低く、加工性が低下するという問題がある。また、このような、従来常用されているフタル酸エステル可塑剤を変更することにより、新たな材料設計を再度行うことが必要となるので、簡便性という点でも依然として問題が残るのである。
以上のごとくであるから、従来提案されている可塑剤の溶出抑制技術は、現実的にはほとんど実施されてはいない状況にある。
特公昭52−36896号公報(特許請求の範囲1)。 特開昭58−141229号公報(特許請求の範囲(請求項1〜3)) 特開昭60−96623号公報(特許請求の範囲1) 特開昭58−ッ11517号公報(特許請求の範囲1)
本発明の目的は、従来技術の上記のごとき問題に鑑み、緩和かつ容易で、短時間の処理条件により、実使用レベルで、軟質プラスティック材料に含有されている可塑剤の溶出を効果的に抑制出来得るように改質する方法を提供することである。
すなわち、本発明が解決しようとする課題は、具体的に、(i)材料変更を伴わず、(ii)従来から使用されてきた材料に対して材料の物性を変えることなく、(iii)比較的緩和かつ容易な手段により、フタル酸エステル等の可塑剤の溶出量を容易に低減させる技術を確立することである。
本発明者らは、現在、医療分野を代表として、様々な分野でポリ塩化ビニル樹脂が広く用いられており、しかも当該ポリ塩化ビニル樹脂に用いる可塑剤としては、可塑化効果が高く、得られる樹脂の透明性や加工性が優れており、コストも安いことから、フタル酸エステルが最も現実的であるという現状に鑑み、このような優れた材料特性を損なうことなく、また従来から使用されてきた当該材料の大幅な変更を伴うことなく、簡便に可塑剤の溶出量を低減できるような方法について鋭意検討した。
その結果、本発明者らは、軟質プラスティック材料の表面特性を、可塑剤の溶出量が低減されるように改質するためには、特定の条件で実施するエネルギー線(紫外線照射、放射線)照射による改質が有効であることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明に従えば、下記の軟質プラスティック材料の表面改質方法が提供される。
(表面改質方法)
〔1〕(実施例1,2に対応)
可塑剤を含む軟質プラスティック材料に、波長365nm以下の紫外線を、紫外線積算光量 5〜500J/cm2の条件で照射することにより、当該プラスティック材料の表面を改質し、可塑剤の溶出を抑制することを特徴とする軟質プラスティック材料の表面改質方法。
〔2〕(実施例1,2に対応)
波長365nm以下の紫外線を、紫外線積算光量50〜200J/cm2の条件で照射する〔1〕項に記載の軟質プラスティック材料の表面改質方法。
〔3〕(実施例3に対応)
可塑剤を含む軟質プラスティック材料に、放射線を、30Torr以下の減圧条件下で照射線量50kGy以上の条件で照射することにより、当該プラスティック材料の表面を改質し、可塑剤の溶出を抑制することを特徴とする軟質プラスティック材料の表面改質方法。
〔4〕(実施例3に対応)
放射線を、30Torr以下の減圧条件下で照射線量200kGy以上の条件で照射する〔3〕項に記載の軟質プラスティック材料の表面改質方法。
〔5〕(実施例4に対応)
可塑剤を含む軟質プラスティック材料に、放射線を、酸化剤存在下に、照射線量1kGy以上の条件で照射することにより、当該プラスティック材料の表面を改質し、可塑剤の溶出を抑制することを特徴とする軟質プラスティック材料の表面改質方法。
〔6〕(実施例1,2に対応)
軟質プラスティック材料がチューブまたはシートである〔1〕項〜〔5〕項のいずれかに記載の軟質プラスティック材料の表面改質方法。
(表面改質軟質プラスティック材料)
〔7〕(実施例3に対応)
可塑剤を含み、かつ、紫外線照射による改質を目的とした添加剤及び照射架橋型材料のいずれをも含まない軟質プラスティック材料に、波長365nm以下の紫外線を、紫外線積算光量 5〜500J/cm2の条件で照射することにより、当該プラスティック材料の表面を改質し、可塑剤の溶出を抑制したことを特徴とする表面を改質した軟質プラスティック材料。
〔8〕(実施例3に対応)
波長365nm以下の紫外線を、紫外線積算光量 50〜200J/cm2の条件で照射することにより、当該プラスティック材料の表面を改質し、可塑剤の溶出を抑制したことを特徴とする表面を改質した〔7〕項に記載の軟質プラスティック材料。
〔9〕
可塑剤を含み、かつ、放射線照射による改質を目的とした添加剤及び照射架橋型材料のいずれをも含まない軟質プラスティック材料に、放射線を、照射線量1kGy以上の条件で照射することにより、当該プラスティック材料の表面を改質し、可塑剤の溶出を抑制したことを特徴とする表面を改質した軟質プラスティック材料。
〔10〕
軟質プラスティック材料がチューブまたはシートである〔7〕項〜〔9〕項のいずれかに記載の軟質プラスティック材料。
本発明によれば、軟質プラスティック材料にエネルギー線を照射して改質するに際し、従来技術においては、添加が必須であった、例えば酸化亜鉛や酸化チタン等の光導電性金属化合物(特許文献2)、多官能性メタアクリレート(特許文献3)、光増感剤及び分子内に少なくとも一つのオレフィン性不飽和結合を有する有機シリコン化合物(特許文献4)等のエネルギー線(紫外線照射、放射線)照射による改質を目的とした添加剤・照射架橋型材料等をなんら含有させない状態で、特定の条件においてエネルギー線(紫外線、放射線)を照射することのみにより、当該軟質プラスティック材料の表面を改質し、従来の軟質プラスティック製品に対して、材料変更や煩雑な処理工程を実施することなく、当該材料そのものの優れた物性を実質的に保持したまま、可塑剤の溶出のみを、高効率に抑制することが可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
(軟質プラスティック材料)
本発明における軟質プラスティック材料とは、可塑剤が添加された高分子材料である。例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、(メタ)アクリル樹脂、酢酸セルロース等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらは単独で使用しても混合して使用してもかまわない。
なお、このうち最も好ましくは、ポリ塩化ビニル樹脂である。ポリ塩化ビニル樹脂としては、ポリ塩化ビニル単独重合体のみならず、ポリ塩化ビニルを主体としこれと他のモノマー、例えば(メタ)アクリル酸エステル、α−オレフィン、酢酸ビニル、スチレン、ビニルエーテル等との二元または三元共重合体であってもよい(以下これを「ポリ塩化ビニル系材料」と称することがある。)。
(可塑剤)
本発明において、軟質プラスティックに配合される可塑剤としては、従来公知で汎用されているものがいずれも好適に使用される。可塑剤は、樹脂に対応して適当なものが選択使用される。
例えばポリ塩化ビニル系材料の可塑剤としては、例えばジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジイソプロピルフタレート、ジ−n−プロピルフタレート、ジブチルフタレート、ジヘキシルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート(DEHP)、ジ−n−オクチルフタレート、ジイソオクチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジフェニルフタレート、ジトリデシルフタレート等のフタル酸エステル類;トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート、トリブチルトリメリテート、トリオクチルトリメリテート等のトリメリット酸エステル類;ジオクチルアジペート、ジ−n−ブチルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジオクチルアゼレート、ジオクチルセバケート等の脂肪族多塩基酸エステル類;トリクレジルホスフエート、トリキシレニルホスフエート、モノオクチルジフエニルホスフエート、モノブチルジオシレニルホスフエート、トリオクチルホスフエート等のリン酸エステル類;トリブチルアセチルシトレート、トリオクチルアセチルシトレート、トリブチルシトレート等のクエン酸エステル類、サクシネート類が好ましいものとして挙げられる。これらは単独で使用しても、二種以上を併用してもよい。
これらの可塑剤の軟質樹脂に対する配合量は、通常0.1〜60質量%、好ましくは1〜50質量%、さらに好ましくは5〜40質量%程度である。
なお、注意すべきは、本発明のポリ塩化ビニル樹脂等の軟質プラスティック材料は、上記汎用されている可塑剤以外に、例えば特許文献2における、酸化亜鉛や酸化チタン等の光導電性金属化合物、特許文献3における、多官能性メタアクリレート、及び特許文献4における、光増感剤及び分子内に少なくとも一つのオレフィン性不飽和結合を有する有機シリコン化合物等の、エネルギー線(紫外線照射、放射線)照射による改質を目的とした特殊の添加剤や照射架橋型材料等はなんら含有していないことであり、また、もちろんあえて含有させる必要は全くないのである。
(他の添加剤)
本発明における軟質プラスティック材料には、本発明の効果を著しく損なわない範囲であれば、安定剤、造核剤、難燃剤、充填剤、発泡剤、滑剤、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤等および高分子材料に通常添加される各種添加剤を添加しても差し支えない。
(成形物)
本発明において、表面改質処理を施される軟質プラスティック材料は、適当な形態の成型物としてエネルギー線照射処理されるが、当該成形物は、その形状に制限はない。例えば、繊維状、織物、ネット、不織布、布状、フィルム状、シート状、チューブ状、テープ状、管状、ケーブル状、パイプ状、ホース状、丸棒状、角棒状、ドラム状、ローラー状、円輪状、ディスク状、中空容器状、厚板状、薄板状、波板状、球状、コード状、電線等の被覆状、箱状等であり、さらには、スポンジ等発泡体、積層体等いずれも使用できる。
(エネルギー線)
本発明においては、軟質プラスティック材料に対し、紫外線、放射線(X線、α線、β線、γ線、中性子線)等のエネルギー線を特定の条件で照射して表面を改質する。特に好ましくは、紫外線及び放射線であるが、ある程度の照射エネルギーを有し、材料表面を改質しうるものであれば、これらに限定されない。
(紫外線照射)
紫外線照射の場合、波長365nm以下で200nm以上、好ましくは波長320nm以下で240nm以上の紫外線を、紫外線積算光量5〜500J/cm2、好ましくは50〜200J/cm2の条件で照射するのが望ましい。
この条件で照射することにより可塑剤の溶出量が効果的に抑制されることは、例えば、後記実施例の表1に示した積算光量と照射(処理)期間の関係より明らかである。
なお、紫外線照射条件の好適な一例として、例えば室温下において、波長254nm、紫外線積算光量100J/cm2の条件が挙げられる。
(放射線照射)
X線、α線、β線、γ線、中性子線等の放射線照射の場合、減圧条件下では、照射線量50kGy以上、好ましくは200kGy以上の照射を行うことが好ましく(例えば後記実施例3、表6参照)、また、オゾン等の酸化剤存在下の場合は、1kGy以上、好ましくは10kGy以上照射するのが望ましい(例えば後記実施例4、表9参照)。
なお、減圧条件下とは、30Torr以下、好ましくは10Torr以下が望ましい。
放射線照射の場合、室温・減圧条件下で行うこともできるし、または、室温・酸化剤(例えばオゾン)存在下で照射を行うことも可能である。(ここで念のため、Gyとは、電離放射線の吸収線量のSI単位であって、1kgあたり1Jのエネルギーが放射線からプラスティック材料に与えられるときの吸収線量を1Gyとする。)
(照射時の反応場等)
本発明におけるエネルギー線(紫外線、放射線)照射時の反応場は、基本的には、大気中でも可能であるが、軟質プラスティック材料の酸化を防止するためには、アルゴン、ネオン、ヘリウム、窒素等の不活性ガスが充填された容器内の不活性ガス雰囲気下で行うことが望ましい。
本発明において使用するエネルギー線(紫外線、放射線)の波長は、あまり短波長のエネルギー線照射では材料組織を破壊する等、材料の強度の低下を引き起こしやすいので不都合であり、また、より長波長のエネルギー線照射では、表面改質のための反応が起こりにくいので不都合である。
なお、後記実施例に示すように、より短波長のエネルギー線、例えばγ線照射では、プラスティック材料の照射面近傍だけでなく、当該材料の深部まで改質することが可能であり、一方、より長波長の紫外線等の照射では、材料表面のみの改質が可能である。本発明を実施する場合は、これら採用するエネルギー線の特徴を考慮に入れて、用途により適当な条件を選択することが望ましい。
以下、実施例により本発明を説明する。ただし、これらは単なる実施の態様の一例であり、本発明の技術的範囲がこれらによりなんら限定的に解釈されるものではない。なお、%とあるものは、とくに断りなき限り、質量%である。
〔実施例1〕
(1)ポリ塩化ビニル樹脂製血液バッグ用シート(テルモ社製、以下「PVCシート」という。)(1×3cm、厚さ0.4mm、可塑剤としてフタル酸エステル(以下「DEHP」という。)を含む。)に対して、紫外線殺菌灯を用いて照射処理した。すなわち、当該バッグの外側となるエンボス加工面から波長254nmの紫外線を、紫外線強度52.5μW/cm2の条件で、1週間、2週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月の処理期間にわたって照射した。
(2)各PVCシート(紫外線照射検体)をスクリューキャップ付きガラス製試験管に入れ、実使用濃度の脂溶性医薬品であるサンディミュン注射液(シクロスポリン:ノバルティスファーマ社製)5mlを添加し、室温下、1時間振とうし、可塑剤を抽出した。溶出した可塑剤を含む振とう液から、ジエチルエーテルにより可塑剤を抽出した。
得られた抽出液はGC/MS測定装置によって分析し、可塑剤の溶出量を調査した。また、紫外線を照射した各PVCシートは、FT-IR、ESCA、及び引張試験により評価・分析した。
表1に、紫外線照射検体の場合のPVCシートからの可塑剤(DEHP)溶出試験結果、すなわち、紫外線処理時間(紫外線照射時間)、紫外線積算光量、可塑剤溶出量の相関を示す。
(3)ブランク
実施例1において、紫外線に代えて可視光を照射したほかは、実施例と同様の試験を行った。得られた検体(可視光照射検体)は、実施例1の評価の基準(ブランク)とした。
表2に、可視光線照射の場合のPVCシートからの可塑剤(DEHP)溶出試験結果、すなわち可視光照射時間と溶出量の相関を示す。
Figure 0004708760
Figure 0004708760
表1と表2から、以下のことが云える。すなわち、可視光照射検体においては、2ヶ月間の照射により、若干のDEHP溶出量の減少が見られるものの、大きな溶出挙動の変化は認められなかった。これに対して紫外線照射検体の場合、照射直後より経時的にDEHP溶出量が減少し、1ヶ月までの処理により、未照射(陰性対照試料)と比較して半減した。しかしながら、それ以上の照射によっては、DEHPの溶出量に影響を及ぼさず、それ以上のDEHPの溶出量の減少は認められなかった。
(4)紫外線照射検体及び可視光照射検体における各PVCシート中のDEHP含量を測定した。すなわち、細かく裁断したPVCシート0.02gを正確に秤量し、THF20mlに完全溶解した。同溶液0.1mlを採取し、ジエチルエーテルを用いて100倍希釈した。同希釈液0.1mlを採取し、500ng/mlのDEHP-d4ジエチルエーテル溶液1ml及びジエチルエーテル8.9mlを加えた後、GC/MSを用いてDEHP濃度を測定した。結果(PVCシートの可塑剤(DEHP)含有試験結果(質量/質量%))を表3に示す。
Figure 0004708760
表3に見られるように、紫外線照射検体群のDEHP含量は、処理期間の延長に伴い、経時的に若干減少していく傾向が見られた。しかしながら、紫外線を1ヶ月間照射したPVCシートのDEHP含量低下率は7%程度であり、同処理を施したPVCシートからのDEHP溶出量の減少率である50%近くに相当する変化率ではなかった。このことより、同処理を施したPVCシートからDEHP溶出量が減少する原因は、同処理を施したことによるPVCシートのDEHP含量低下に起因するものではないことが示された。
(5)また、表4には、紫外線照射検体及び可視光照射検体の引張試験結果(最大荷重測定/N)を示す。
Figure 0004708760
表4から明らかなように、可視光照射検体、紫外線照射検体ともに、物性の変化は認められなかった。
(6)一方、FT-IRによる構造解析の結果、未処理のPVCシートにおいてはPVC分子の特徴的な吸収であるC-Cl伸縮振動に由来するピークが635cm-1付近に観測されると共に、DEHP分子の芳香族CH変角振動に由来するピークがそれぞれ742cm-1と1720cm-1付近に検出された。
しかして、これらピークは、紫外線照射時間の延長に伴い、徐々にブロードに変化していくことが確認された。一方、可視光照射検体及び紫外線照射検体の非照射面のFT-IRにおけるピークは、未処理のPVCシートと同様で変化は認められなかった。
以上のことから、紫外線照射により、PVC表面に何らかの構造の変化が生じていることが確認され、その変化は材料表面のみで生じているということが示唆された。
(7)さらに、ESCAによるPVCシート表面の元素組成解析の結果、PVCシート表面の組成元素としては、炭素、酸素、塩素、ケイ素が検出された。このPVCシートの表面元素組成においては、紫外線照射期間の延長に伴い、経時的に塩素含有量が減少し、酸素含有量が増加する傾向が認められた。
このことから、PVCシートは紫外線照射時間の延長に伴い、表面において、脱塩化水素化と酸化が同時に進行していることが確認された。
これに対して可視光照射検体においては、試料表面の元素元素組成比が一定に保持されており、変化は認められなかった。また、紫外線照射検体の非照射面は、一週間から一ヶ月の照射により、若干変動することが確認されたが、2ヶ月及び3ヶ月間処理した試料表面の元素組成比は未照射(陰性対照試料)と比較して大きな変化は認められなかった。
以上の結果から、254nm(紫外線強度52.5μW/cm2)の紫外線を1ヶ月間にわたって照射することにより、照射面のごく表層に、脱塩化水素化と酸化を伴う改質を導入することができ、可塑剤の溶出を抑制可能であることが示された。
〔実施例2〕
(1)ポリ塩化ビニル樹脂製輸液用延長チューブ(試作品、川澄化学工業社製、以下「PVCチューブ」という。)(外径3.4mm、内径2.13mm、可塑剤としてDEHPを含有しているもの。)に対して、紫外線処理を行った。すなわち、紫外線殺菌灯を用いて当該PVCチューブ外面に254nmの紫外線を、紫外線強度52.5μW/cm2の条件で、2週間にわたって照射し紫外線2週間照射検体を得た。
また、同様の条件で可視光を照射した検体(可視光線2週間照射検体)をブランクとして作製した。
(2)各PVCチューブに、実使用濃度の脂溶性医薬品であるサンディミュン注射液(シクロスポリン:ノバルティスファーマ社製)を封入(医薬品封入量:チューブ長8cm、内容積0.285cm3、内表面積5.35cm2)し、室温下、1時間振とう抽出した。溶出した可塑剤を含む振とう液から、ジエチルエーテルにより可塑剤を抽出した。
得られた抽出液はGC/MS測定によって分析し、可塑剤の溶出量を測定した。結果を表5に、PVCチューブからの可塑剤(DEHP)溶出量(μg/ml)として示した。
Figure 0004708760
PVCチューブ外面に紫外線を照射した検体のDEHP溶出量を評価した結果、表5に示すように、PVCチューブ内面からのDEHP溶出量は、紫外線照射の影響を受けず、紫外線照射PVCシートに見られたような溶出量の減少は観察されなかった。
以上の実施例1及び2の結果を総合的に判断すれば、本発明における条件下での紫外線照射による改質の導入は、材料の極めて表層のみに対する改質であることが確認できる。故に、本発明においては、製品である軟質プラスティック材料の物性を実質的に保存したまま、可塑剤の溶出を抑制することが可能であることがわかる。
また実施例1において、PVCシートからの可塑剤の溶出が約1/2に抑制される結果が得られたが、当該実施例1においては、PVCシートの片面にしか、紫外線を照射していないことに注意する必要がある。すなわち、このPVCシートからの可塑剤の溶出は、実質的に、紫外線非照射面からの溶出と推測されるのである。このように、本実施例においては、紫外線照射面からのDEHP溶出がほぼ完全に抑制された結果、同シートからのDEHP溶出量が半減したものと判断できる。
〔実施例3〕
(1)ポリ塩化ビニル樹脂製輸液用延長チューブ(試作品、川澄化学工業社製、以下「PVCチューブ」という。)(外径3.4mm、内径2.13mm、可塑剤としてDEHPを含有しているもの。)に対して、PVCチューブ外面に室温、かつ、10Torrの減圧条件下で、γ線(60CO)を10kGy/hの強度で5時間、12時間、24時間、48時間照射し、各処理時間の検体を得た。
また、同様の条件で可視光を照射した検体をブランクとして作製した。
(2)各PVCチューブに、実使用濃度の脂溶性医薬品であるサンディミュン注射液(シクロスポリン:ノバルティスファーマ社製)を封入(医薬品封入量:チューブ長8cm、内容積0.285cm3、内表面積5.35cm2)し、室温下、1時間振とう抽出した。溶出した可塑剤を含む振とう液から、ジエチルエーテルにより可塑剤を抽出した。
得られた抽出液はGC/MS測定によって分析し、可塑剤の溶出量を測定した。表6に、放射線照射の場合の、PVCチューブからの可塑剤(DEHP)溶出試験結果、すなわち、γ線照射時間(処理時間)、γ線照射線量、DEHP溶出量の相関を示した。また、表7には、ブランクの場合のPVCチューブからの可塑剤(DEHP)溶出試験結果として、可視光照射時間と溶出量の相関を示した。
Figure 0004708760
Figure 0004708760
上記試験において、減圧条件下におけるγ線照射検体は、照射直後より経時的にPVCチューブ内面からのDEHP溶出量が減少した。実施例3においては、480kGyまで評価を実施したが、その時点で可塑剤の溶出量は約46%抑制された。
実施例2の結果で言及したように、チューブ外面への紫外線照射では、チューブ内面からの可塑剤の抑制は見られなかった。これに対して、チューブ外面へのγ線照射では、チューブ内面からの可塑剤の溶出をも抑制することができた。この結果は、紫外線とγ線の特性の差、即ち材料透過性の差に起因した結果と推測される。
(3)さらに表8には、PVCチューブの引張試験(破断強度測定)の結果を示した。
Figure 0004708760

表8より明らかなように、減圧条件下でγ線を照射した検体であるチューブに、顕著な物性の変化は認められなかった。
〔実施例4〕
(1)ポリ塩化ビニル樹脂製輸液用延長チューブ(試作品、川澄化学工業社製、以下「PVCチューブ」という。)(外径3.4mm、内径2.13mm、可塑剤としてDEHPを含有しているもの。)に対して、当該PVCチューブ外面に室温で、酸化剤であるオゾン分圧200Torrの条件下で、γ線(60CO)を10kGy/hの強度で1時間、2時間、6時間、12時間照射し、各処理時間の検体を得た。
また、同様の条件で可視光を照射した検体をブランクとして作製した。
(2)各PVCチューブに、実使用濃度の脂溶性医薬品であるサンディミュン注射液(シクロスポリン:ノバルティスファーマ社製)を封入(医薬品封入量:チューブ長8cm、内容積0.285cm3、内表面積5.35cm2)し、室温下、1時間振とう抽出した。溶出した可塑剤を含む振とう液から、ジエチルエーテルにより当該可塑剤を抽出した。
得られた抽出液はGC/MS測定によって分析し、可塑剤の溶出量を測定した。結果を表9に、γ線照射検体の場合のPVCシートからの可塑剤(DEHP)溶出試験結果、すなわち、γ線処理時間(γ線照射時間)、γ線照射線量、可塑剤溶出量の相関を示す。
また、表10は、ブランクの場合のPVCチューブからの可塑剤(DEHP)溶出試験結果として、可視光照射時間と溶出量の相関を示した。
Figure 0004708760
Figure 0004708760
図9に示すように、酸化剤(O3)存在下でPVCチューブ外面にγ線を照射した場合、PVCチューブ内面からのDEHP溶出量は、減圧条件下においてγ線を照射する場合よりも、より低照射線量で抑制されることが確認された。これは酸化剤存在下では、γ線照射に伴うPVCチューブ材料の改質が、一層効率よく進行したことに起因した結果と推定される。
(3)さらに表11には、PVCチューブの引張試験(破断強度測定)の結果を示した。
Figure 0004708760
表11より、酸化剤存在下でγ線を照射した検体であるチューブは、若干の破断強度の低下(480kGyで約10%)が認められた。この結果より、酸化剤存在下ではγ線照射に伴う材料改質が効率よく進行すると同時に、ガンマ線照射に伴う主鎖の切断がより多く生じると予想される。
本発明によれば、従来常用されているフタル酸エステルのような可塑剤を含有するポリ塩化ビニル樹脂等の軟質プラスティック樹脂について、これを特定のエネルギー線により、照射し、その表面を改質するという比較的緩和かつ容易な手段により、複雑な材料変更を伴わず、かつ、当該材料の物性を変えることなく、可塑剤の溶出を容易に低減させるものであり、産業上の利用可能性はきわめて大きい。

Claims (4)

  1. 可塑剤を含み、
    安定剤、造核剤、難燃剤、充填剤、発泡剤、滑剤、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、及び界面活性剤のいずれか少なくとも一つ以上を含んでも良く、
    紫外線照射による改質を目的とした光導電性金属化合物、多官能性メタアクリレート、光増感剤及び分子内に少なくとも一つのオレフィン系不飽和結合を有する有機シリコン化合物からなる群より選択される特殊の添加剤、及び照射架橋型材料はいずれも含有しない、
    軟質ポリ塩化ビニル単独重合体、ポリ塩化ビニルを主体とし、これと(メタ)アクリル酸エステル、α−オレフィン、酢酸ビニル、スチレン、ビニルエーテルの中から選ばれる一つのモノマーとの二元または三元共重合体からなる軟質ポリ塩化ビニル系材料の表面改質方法であって、
    当該軟質ポリ塩化ビニル系材料に波長365nm−240nmの紫外線をその紫外線の積算光量136.1J/cm2 以上408.2J/cm 2 以下照射することにより、当該材料の引張強度を大きく変化させることなく、当該軟質ポリ塩化ビニル系材料の表面を脱塩化水素化と酸化を伴う改質を導入することにより改質し、
    当該軟質ポリ塩化ビニル系材料に含まれる可塑剤の紫外線照射面からの溶出を、紫外線非照射の当該軟質ポリ塩化ビニル系材料と比較して、ほぼ完全に抑制することを特徴とする軟質ポリ塩化ビニル系材料の表面改質方法。
  2. 軟質ポリ塩化ビニル系材料がチューブまたはシートである請求項1に記載の軟質ポリ塩化ビニル系材料の表面改質方法。
  3. 可塑剤を含み、
    安定剤、造核剤、難燃剤、充填剤、発泡剤、滑剤、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、及び界面活性剤のいずれか少なくとも一つ以上を含んでも良く、
    紫外線照射による改質を目的とした光導電性金属化合物、多官能性メタアクリレート、光増感剤及び分子内に少なくとも一つのオレフィン系不飽和結合を有する有機シリコン化合物からなる群より選択される特殊の添加剤、及び照射架橋型材料はいずれも含有しない、
    軟質ポリ塩化ビニル単独重合体、ポリ塩化ビニルを主体とし、これと(メタ)アクリル酸エステル、α−オレフィン、酢酸ビニル、スチレン、ビニルエーテルの中から選ばれる一つのモノマーとの二元または三元共重合体からなる軟質ポリ塩化ビニル系材料においてその表面が改質されているものであって、
    当該軟質ポリ塩化ビニル系材料は、その表面に波長365nm−240nmの紫外線をその紫外線の積算光量136.1J/cm2 以上408.2J/cm 2 以下照射することにより、引張強度を大きく変化させることなく、当該軟質ポリ塩化ビニル系材料の表面が脱塩化水素化と酸化を伴う改質を導入することにより改質されており、
    当該軟質ポリ塩化ビニル系材料に含まれる可塑剤の、当該紫外線照射面からの溶出を、紫外線非照射の当該軟質ポリ塩化ビニル系材料と比較して、当該材料の引張強度を大きく変化させることなく、ほぼ完全に抑制したものであることを特徴とする表面を改質した軟質ポリ塩化ビニル系材料。
  4. 軟質塩化ビニル系材料がチューブまたはシートである請求項3に記載の軟質塩化ビニル系材料。
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