JP4708614B2 - ベルト検査装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベルトの長さやライドアウト等の検査を行うベルト検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、伝動ベルトは、多数のベルト材料やモールド、処理条件等の中から品種およびサイズに対応したものを選択することにより製造される。従って、非常に多くの組み合わせの中から適正な組み合わせが選択された場合にのみ所望の伝動ベルトが製造されるため、ベルト材料や処理条件の選択ミス等のような製造上の不具合が生じた場合に備え、伝動ベルトを最終製品として出荷する前に、伝動ベルトの長さやライドアウト等の品質がベルト検査装置を用いて検査される。
【0003】
従来のベルト検査装置は、例えば実開平3−70303号公報に開示されているように、固定側プーリと、固定側プーリに対して離接自在に設けられた移動側プーリと、移動側プーリに接続された荷重付与機構とを有している。そして、荷重付与機構は、上下方向に複数段に分離自在に積層された複数の荷重部材を有しており、ピン止めされた荷重部材よりも下側に位置する荷重部材の積層段数分の重量の加算値が検査荷重となるように構成されている。これにより、従来においては、オペレータが検査荷重となる荷重部材の積層段数を求め、この積層段数となるように特定の荷重部材をピン止めする作業を行えば、所望の検査荷重を伝動ベルトに付与させながら検査を実施することが可能になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のように、オペレータが特定の荷重部材をピン止めする構成では、オペレータがピン止めする荷重部材を間違えることによって、誤った検査荷重で伝動ベルトの検査が実施される場合があることから、検査の信頼性が不十分であるという問題がある。
【0005】
従って、本発明は、オペレータによるピン止め作業を不要にして充分に高い信頼性でもって検査を実施することができるベルト検査装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、発明は、ベルトに所望の検査荷重を付与して検査するベルト検査装置において、前記ベルトの上側および下側がそれぞれ掛けられる駆動プーリおよび従動プーリと、前記駆動プーリを所定の高さ位置で支持しながら回転駆動するベルト駆動機構と、前記従動プーリを回転自在に支持すると共に、該従動プーリを前記駆動プーリに対して上下方向に進退移動させることにより任意の高さ位置に位置決め可能な従動プーリ昇降機構と、前記従動プーリ昇降機構を上下方向に移動自在に支持すると共に、該従動プーリ昇降機構に対して任意の検査荷重を付与可能な荷重付与機構と、前記ベルトに対応した所望の検査荷重を前記従動プーリ昇降機構に付与するように前記荷重付与機構を設定する荷重制御装置とを備えており、前記荷重付与機構は、上下方向に複数段に分離自在に積層された複数の荷重部材と、前記荷重部材の積層段数分の検査荷重を前記従動プーリ昇降機構に付与するように、最下段の前記荷重部材に一端部が連結可能である一方、他端部が前記従動プーリ昇降機構に接続された引張り機構と、前記荷重部材と引張り機構との連結を解除して前記荷重部材の全数を初期位置まで上昇させる持上げ機構と、前記初期位置に上昇された荷重部材の側方に配置され、任意の荷重部材を上下方向に支持可能な荷重部材支持機構とを有し、前記荷重制御装置は、前記所望の検査荷重となる積層段数となるように支持対象の荷重部材を求め、該荷重部材を前記荷重部材支持機構において支持させ、前記荷重部材支持機構は、前記初期位置に上昇された各荷重部材の側方に位置するように並列配置され、シリンダロッドの進出により前記荷重部材を支持可能なシリンダ装置であることを特徴としている。
【0007】
上記の構成によれば、所望の検査荷重を自動で設定できることから、従来のようにオペレータが特定の荷重部材をピン止めして検査荷重を設定する場合のミスを確実に防止することが可能になり、結果として充分に高い信頼性でもって検査を実施することができる。
また、荷重部材支持機構を簡単な構成で実現することができる。
【0010】
本発明のベルト検査装置、前記検査荷重を検出するように前記従動プーリ昇降機構と前記荷重付与機構との間に設けられたロードセルと、前記ロードセルで検出された検査荷重検出値をオペレータに報知する報知装置とを有することを特徴としている。これにより、自動設定した検査荷重をオペレータが確認することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図1ないし図7に基づいて以下に説明する。
本実施の形態に係るベルト検査装置は、伝動ベルト製造ラインの生産管理システムの一部を構成するベルト検査システムに組み込まれている。生産管理システムは、各製造工程内に設けられた処理ステーションの動作を単位とした段階と、製造工程を単位とした段階と、生産計画の立案や処理情報の作成、実績管理等のようにオペレータによる作業を要する段階とに情報の伝達経路を階層化した構成にされている。具体的には、図2に示すように、上位層の生産管理コントローラ22と、中位層の工程用コントローラ21・27・30と、下位層の装置コントローラ14〜20・26・29とを備えた構成にされている。また、ベルト検査システムは、生産管理コントローラ22および検査工程用コントローラ30と下位層の検査コントローラ29(装置コントローラ)とを備えた構成にされている。
【0012】
上位層の生産管理コントローラ22は、図1に示すように、ハードディスク装置等の大容量記録装置に形成された指図マスター部33と実績マスター部34とにアクセス可能にされている。指図マスター部33は、処理情報の作成時に使用される各種の指図データや伝動ベルト37の品質の検査時に使用される検査規格等のデータを記憶可能にされている。また、実績マスター部34は、図2に示すように、処理情報に基づいて後述の成形・加硫工程1、カット・研磨工程2および検査工程3が動作したときの実績データ、例えば検査工程3における検査結果等のデータを記憶可能になっている。
【0013】
上記の生産管理コントローラ22は、中位層の成形・加硫工程用コントローラ21とカット・研磨工程用コントローラ27と検査工程用コントローラ30とに接続されている。これらの工程用コントローラ21・27・30と生産管理コントローラ22とは、データ通信機能により各種の情報を任意のタイミングで個別に送受信可能にされている。尚、データ通信機能とは、任意のタイミングで個別にデータ通信可能な機能のことである。また、工程用コントローラ21・27・30は、機器管理コントローラ35にもデータ通信機能によりデータを送受信可能に接続されており、下位層の各装置コントローラ14〜20・26・29から異常が報知されたときに、この異常の発生および異常内容を示す異常データを図1の機器管理コントローラ35に送信するようにされている。そして、機器管理コントローラ35は、例えば生産技術室36に設けられており、異常データを受信したときに、異常内容をオペレータに警報音や警報画面で報知するようになっている。
【0014】
中位層に位置する工程用コントローラ21・27・30は、例えばパーソナルコンピュータ等の情報処理装置からなっている。成形・加硫工程用コントローラ21は、下位層の装置コントローラ14〜20に接続されている。また、カット・研磨工程用コントローラ27は、下位層の第1〜第n装置コントローラ26に接続されている。検査工程用コントローラ30は、下位層の検査コントローラ29に接続されている。
【0015】
下位層に位置する検査コントローラ29等の装置コントローラ14〜20・26・29は、プログラマブルコントローラからなっており、中位層の工程用コントローラ21・27・30との間および下位層のコントローラ同士の間で2種類の通信方式でデータを送受信可能にされている。具体的には、各装置コントローラ14〜20・26・29は、任意のタイミングで個別にデータ通信可能なデータ通信機能と、共有メモリを介して常時データ交換可能なデータ交換機能と、これらデータ通信および共有メモリを介したデータ交換の何れの形態で処理情報を送受信するかを振り分ける機能とを有している。
【0016】
上記のように情報の伝達経路が階層化された生産管理システムに適用される伝動ベルト製造ラインは、モールド内にベルト材料を組み込んで成形および加硫して筒状の伝動ベルト筒状体を形成する成形・加硫工程1と、伝動ベルト筒状体を所定幅に切断して伝動ベルト37とするカット・研磨工程2と、伝動ベルト37の寸法等を検査する検査工程3とを上流側から下流側にかけて有している。各工程1〜3は、搬送コンベアや搬送レール等の搬送路を介して連絡されており、伝動ベルト37の仕掛品が自動搬送されるようになっている。
【0017】
また、製造工程の最上流には、準備工程4が設けられている。準備工程4は、帆布をバイアス加工して筒状体に形成する工程と、短繊維入りゴムシートを筒状体に形成する工程と、心線を接着処理する工程とを有している。そして、この準備工程4の下流側には、成形・加硫工程1が設けられている。成形・加硫工程1内には、上記の搬送路に接続され、モールドを選択的に搬入出可能な図示しない自動倉庫と、自動倉庫に保管された複数のモールドの中から特定のモールドを選択的に取り出す搬送処理ステーション7と、モールドにベルト材料である帆布およびクッションゴムシートを装着する一次成形処理ステーション8と、帆布上にベルト材料である心体コード(抗張力体)を螺旋状に巻回するスピニング処理ステーション9と、心体コードの巻面上にリブゴムを装着する二次成形処理ステーション10と、上記のようにして帆布および心体コードが装着されたモールドを加硫缶に収納して加硫する加硫工程処理ステーション11と、モールドを冷却する冷却工程処理ステーション12と、モールドから伝動ベルト筒状体を引き剥がすストリップ処理ステーション13とが設けられている。
【0018】
上記の各処理ステーション7〜13には、上述の下位層に位置する搬送コントローラ14、一次成形コントローラ15、スピニングコントローラ16、二次成形コントローラ17、加硫工程コントローラ18、冷却工程コントローラ19、およびストリップコントローラ20がそれぞれ設けられている。各装置コントローラ14〜20は、上述のデータ通信機能およびデータ交換機能に加えて、処理動作に応じて組み上げられたシーケンス回路と処理情報とに基づいて各処理ステーションの動作を制御する機能とを備えている。
【0019】
上記のように構成された成形・加硫工程1の下流側には、カット・研磨工程2が設けられている。カット・研磨工程2には、カット装置や研磨装置を備えたカット・研磨ステーションと、カット・研磨ステーションの各装置を制御する複数の第1〜第n装置コントローラ26と、第1〜第n装置コントローラ26との間で情報を送受信可能に接続されたカット・研磨工程用コントローラ27とが設けられている。
【0020】
上記のカット・研磨工程2の下流側には、検査工程3が設けられている。検査工程3は、図1に示すように、検査ステーション28と検査工程用コントローラ30とを備えている。検査ステーション28には、伝動ベルト37の長さや幅等を検査するベルト検査装置40が設けられている。ベルト検査装置40は、検査装置本体41と検査コントローラ29とを有している。
【0021】
上記の検査コントローラ29は、データ通信機能およびデータ交換機能でデータを送受信可能な通信ユニット42と、オンオフ信号を入出力可能なI/Oユニット43と、数値データや文字データを取り込み可能なASCIIユニット44と、パルスの入力数を計数する高速カウンタユニット45と、これらユニット42〜45の制御や各種情報の演算等を行うコントロールユニット46とを備えている。そして、このように構成された検査コントローラ29は、生産管理コントローラ22(生産管理装置)に対してベルト情報や検査規格、検査結果等の検査関連データを送受信可能な機能を有していると共に、検査装置本体41を制御等する各種の機能を有している。
【0022】
即ち、検査コントローラ29は、後述の駆動プーリ60および従動プーリ61に掛けられた伝動ベルト37の長さ測定値を軸間距離に基づいて求めることにより伝動ベルト37の検査を行うと共に検査結果を生産管理コントローラ22に出力する機能や、伝動ベルト37の検査に対応した軸間距離となるように、従動プーリ昇降機構63に対して従動プーリ61を移動させて位置決めさせる機能、生産管理コントローラ22から入力された検査関連データ中の伝動ベルト37の検査に対応した検査荷重を荷重付与機構64に設定される機能等を有している。
【0023】
また、ベルト検査装置40は、タッチパネル47、バーコードリーダ48およびプリンタ49を備えている。タッチパネル47およびバーコードリーダ48は、コントロールユニット46に対してデータを入出力可能に接続されている。タッチパネル47は、伝動ベルト37の内容や検査規格、検査結果等を画面表示できるようになっていると共に、表示パネル内のアイコンやスイッチ等の押圧により各種の指令を行えるようになっている。また、バーコードリーダ48は、伝動ベルト37に設けられた指図カードのバーコードを読み取り、このバーコードのベルト情報を検査コントローラ29に出力可能になっている。プリンタ49は、ASCIIユニット44に接続されており、ASCIIユニット44からの印字データを指図カードに印字可能になっている。
【0024】
さらに、ベルト検査装置40は、ブザー51と幅読込用フットスイッチ52と厚み読込用フットスイッチ53と検査スタートスイッチ54と検査停止スイッチ55と非常停止スイッチ56とリセットスイッチ57とプーリ昇降フットスイッチ58と検査完了スイッチ59と原点復帰スイッチ66とを有している。これらのブザー51およびスイッチ52〜59・66は、I/Oユニット43に接続されている。
【0025】
上記のブザー51は、検査の完了をオペレータに報知する際に作動される。幅読込用フットスイッチ52は、オペレータの足元に設置されており、伝動ベルト37の幅を測定するときの測定値の読取タイミングを決定する際に押圧される。厚み読込用フットスイッチ53は、幅読込用フットスイッチ52と同様に、オペレータの足元に設置されており、伝動ベルト37の厚みを測定するときの測定値の読取タイミングを決定する際に押圧される。検査スタートスイッチ54は、伝動ベルト37の検査装置本体41へのセットが完了し、検査装置本体41に対して検査動作を開始させるときに押圧される。検査停止スイッチ55は、検査装置本体41における検査動作が終了したときに押圧される。非常停止スイッチ56は、検査装置本体41の検査動作を強制的に終了させるときに押圧される。リセットスイッチ57は、検査装置本体41の設定状態を初期状態に復帰させるときに押圧される。プーリ昇降フットスイッチ58は、オペレータの足元に設置されており、検査装置本体41に対して伝動ベルト37を着脱するときに使用される。検査完了スイッチ59は、検査結果を上位層の生産管理コントローラ22に送信するときに押圧される。原点復帰スイッチ66は、従動プーリ61を原点の高さ位置に復帰させる際に押圧される。
【0026】
上記の各スイッチ52〜59・66等で動作が設定される検査装置本体41は、図3に示すように、アングルや平板等を長方体形状に組み上げた支持枠体70を備えている。支持枠体70の内部には、第1横設壁70aと第2横設壁70bとが上側からこの順に設けられている。第1横設壁70aの上方には、駆動プーリ60を所定の高さ位置で支持しながら回転駆動するベルト駆動機構62が設けられている。ベルト駆動機構62は、水平方向に配設されたプーリ駆動軸71を備えている。プーリ駆動軸71は、一端部が支持枠体70の外側に位置され、この一端部側の支持部と他端部とが支持枠体70の両側面壁に回転自在に支持されている。プーリ駆動軸71の中部には、駆動用ベルトを72介してプーリ駆動モータ73が連結されている。プーリ駆動モータ73は、第1横設壁70a上に固設されており、プーリ駆動軸71を任意の回転速度および回転数で回転可能になっている。
【0027】
上記のプーリ駆動軸71の一端部には、伝動ベルト37の上側が掛けられる駆動プーリ60が設けられている。駆動プーリ60の下方には、伝動ベルト37の下側が掛けられる従動プーリ61が配置されている。従動プーリ61は、従動プーリ昇降機構63により支持されている。従動プーリ昇降機構63は、従動プーリ61を回転自在に支持するプーリ支持部材74を有している。プーリ支持部材74は、図4に示すように、幅方向の中心部を上下方向に連通されたネジ穴74aと、このネジ穴74aの両側を上下方向に連通された一対のガイド穴74b・74bとを有している。プーリ支持部材74のネジ穴74aには、雄ネジ部が全面に形成されたネジ部材75が螺合されている。ネジ部材75は、上下方向に配設されており、正方向および逆方向に回転することによって、プーリ支持部材74(従動プーリ61)を昇降可能になっている。一方、各ガイド穴74bには、ガイド部材76が摺動自在に挿通されている。ガイド部材76は、ネジ部材75に並列配置されており、プーリ支持部材74の昇降方向を規制すると共に、昇降時におけるプーリ支持部材74の回転を禁止するようになっている。
【0028】
上記のネジ部材75の下端部は、図3に示すように、ネジ駆動機構77に連結されている。ネジ駆動機構77は、ネジ部材75の下端部を回転自在に支持する支持板78と、支持板78上に設けられ、ネジ部材75に並列配置された昇降モータ79と、昇降モータ79の駆動力をネジ部材75に伝達して回転させるプーリや伝動ベルト等からなる駆動力伝達機構80とを有している。さらに、ネジ駆動機構77は、支持板78上に設けられ、側面に突設部81aが形成された昇降部材81と、突設部81aの下方に配置された昇降シリンダ82とを有している。
【0029】
これにより、従動プーリ昇降機構63は、ネジ駆動機構77の昇降モータ79によりネジ部材75を回転させてプーリ支持部材74を昇降させ、プーリ支持部材74の高さ位置を調整することによって、駆動プーリ60と従動プーリ61との軸間距離を所望の距離に設定可能になっている。また、従動プーリ昇降機構63は、ネジ駆動機構77において昇降シリンダ82からシリンダロッド82aを進出させて突設部81aに当接させることによって、昇降部材81や支持板78等を介して従動プーリ61を上昇可能になっている。
【0030】
また、図4に示すように、従動プーリ昇降機構63の近傍には、軸間距離測定機構65が設けられている。軸間距離測定機構65は、ガイド部材76に並列配置され、一定間隔の目盛りが磁気的に形成されたリニアスケール84と、プーリ支持部材74に設けられた目盛り読取センサ85とを備えている。そして、軸間距離測定機構65は、プーリ支持部材74と共に昇降する目盛り読取センサ85によりリニアスケール84の目盛りを読み取ることによって、従動プーリ61の高さ位置やプーリ60・61の軸間距離を検出可能になっている。
【0031】
また、従動プーリ昇降機構63には、図3に示すように、任意の検査荷重を設定可能な荷重付与機構64が第1連結機構86を介して接続されている。第1連結機構86は、下方支持枠体70の底面壁70cにおける支持板78の下方位置に設けられた第1ローラ87aと、支持枠体70の第2横設壁70bにおける第1ローラ87aの略上方位置に設けられた第2ローラ87bと、第2横設壁70bにおける第2ローラ87bのネジ部材75方向とは逆方向位置に設けられた第3ローラ87cと、これらの第1〜第3ローラ87a〜87cで案内されたワイヤ88とを有している。尚、上記の第1〜第3ローラ87a〜87cおよびワイヤ88は、左右一対に並列配置されている。ワイヤ88の一端部は、第1ローラ87aの上方に位置されていると共に、昇降部材81に連結されている。一方、ワイヤ88の他端部は、第3ローラ87cの下方に位置されていると共に荷重付与機構64に連結されている。これにより、荷重付与機構64は、第1連結機構86により任意の検査荷重を従動プーリ昇降機構63に付与可能になっている。
【0032】
また、従動プーリ昇降機構63には、カウンターウエイト89が第2連結機構90を介して連結されている。第2連結機構90は、支持枠体70の第1横設壁70aにおける支持板78の上方位置に設けられた第4ローラ90aと、第1横設壁70aの略中心部に設けられた第5ローラ90bと、これらのローラで案内されたワイヤ91とを有している。尚、これらのローラ90a・90bおよびワイヤ91は、左右一対に並列配置されている。ワイヤ91は、一端部が支持板78に連結され、他端部がカウンターウエイト89に連結されている。そして、カウンターウエイト89は、従動プーリ昇降機構63と同一重量に設定されており、第2連結機構90により従動プーリ昇降機構63を持ち上げるように作用することによって、荷重付与機構64の検査荷重のみを従動プーリ昇降機構63に作用させるようになっている。
【0033】
上記の荷重付与機構64は、図5に示すように、上下方向に複数段に分離自在に積層された複数の荷重部材92と、荷重部材92の積層段数分の検査荷重を従動プーリ昇降機構63に付与するように、最下段の荷重部材92に一端部が連結可能である一方、他端部が第1連結機構86を介して従動プーリ昇降機構63に接続された引張り機構93と、荷重部材92と引張り機構93との連結を解除して荷重部材92の全数を初期位置まで上昇させる持上げ機構94と、初期位置に上昇された荷重部材92の側方に配置され、任意の荷重部材92を上下方向に支持可能な荷重部材支持機構95とを有している。
【0034】
即ち、荷重付与機構64は、上下方向に例えば6段に分離自在に積層された6枚の荷重部材92を有している。荷重部材92は、10kgの重量に設定された平板形状に形成されている。荷重部材92の内部には、上下方向に連通された挿通穴92aが左右一対に形成されている。一方、荷重部材92の両端部には、係合凹部92bが形成されている。
【0035】
上記の荷重部材92には、引張り機構93が連結可能にされている。引張り機構93は、各荷重部材92の挿通穴92aに移動自在に挿通された棒状部材96と、棒状部材96の下端部に設けられ、最下段の荷重部材92に当接可能な下側当接板97と、棒状部材96の上端部に設けられた上側当接板98とを有している。上側当接板98の両端部には、ガイド部材99が移動自在に挿通されている。ガイド部材99は、上端部が図示しない支持枠体70の側壁面に固設されている。また、ガイド部材99の下端には、位置決め板100が設けられており、位置決め板100は、最上段の荷重部材92に当接することによって、荷重部材92の初期位置を設定可能になっている。
【0036】
上記の荷重部材92の下方には、持上げ機構94が配置されている。持上げ機構94は、2台の持上げシリンダ101を有している。これらの持上げシリンダ101は、荷重部材92の下方において左右一対に配置されていると共に、シリンダロッド101aが下側当接板97の側方に位置するように配置されている。また、荷重部材92の側方には、荷重部材支持機構95が配置されている。荷重部材支持機構95は、初期位置に上昇された各荷重部材92の側方に位置するように並列配置された6台の支持シリンダ102と、これらの支持シリンダ102を保持したシリンダ保持部材103とを有している。そして、荷重部材支持機構95は、各支持シリンダ102からシリンダロッド102aを前進させて荷重部材92の係合凹部92bに係合させることにより荷重部材92を支持可能になっている。
【0037】
上記のように構成された荷重付与機構64は、ロードセル104を介して第1連結機構86に接続されている。ロードセル104は、荷重付与機構64で設定された検査荷重を検出可能にされており、荷重検出値を図1の検査コントローラ29に出力する。また、検査コントローラ29は、マルチプレクサ110を介して幅厚み測定器111とライドアウト測定器112とに接続されている。幅厚み測定器111は、例えばデジタルノギスからなっており、検査装置本体41から取り外された伝動ベルト37の幅と厚みをオペレータにより手動で測定可能にしている。
【0038】
また、ライドアウト測定器112は、図3に示すように、駆動プーリ60の上方に位置するように支持枠体70に設けられている。ライドアウト測定器112には、エアシリンダ等からなるセンサ昇降装置113が連結されている。センサ昇降装置113はライドアウト測定器112を昇降させることにより駆動プーリ60の伝動ベルト37に対して当接および離隔させるようになっている。そして、ライドアウト測定器112は、リニアゲージやマグネスケール等からなっており、ライドアウトの検査装置本体41における自動測定を可能にしている。
【0039】
図1に示すように、ライドアウト測定器112および幅厚み測定器111に接続されたマルチプレクサ110は、両測定器112・111からのデジタル信号やパルス信号の検査コントローラ29への通過を切り替え可能にしている。マルチプレクサ110の切替えは、上述の幅読込用フットスイッチ52および厚み読込用フットスイッチ53の押圧により行われるようになっており、これらのスイッチ52・53が押圧されたときに、幅厚み測定器111からの信号の通過を可能にする一方、スイッチ52・53の押圧が解除されたときに、ライドアウト測定器112からの信号の通過を可能にする。
【0040】
上記の構成において、ベルト検査装置40の動作について説明する。
【0041】
先ず、図1に示すように、生産管理室23において、製造対象となる伝動ベルト37の品種やサイズが決定されると、生産管理コントローラ22に対して品種等の製造データが入力される。製造データが入力された生産管理コントローラ22は、製造データに対応した帆布等のベルト材料やモールド等の指図データを指図マスター部33から読み出し、図示しないモニター装置に画面表示してオペレータに報知する。そして、オペレータは、指図データ等の修正や加工条件データの追加等のデータ編集を行うことによって、製造対象の伝動ベルト37にとって最適な処理情報を各工程1〜3についてそれぞれ作成する。
【0042】
処理情報が作成されると、図2に示すように、成形・加硫工程1に関係する処理情報については、生産管理コントローラ22からデータ通信機能により成形・加硫工程1内の成形・加硫工程用コントローラ21に送信される。即ち、生産管理コントローラ22は、成形・加硫工程用コントローラ21のノードアドレスを指定することによって、成形・加硫工程用コントローラ21を処理情報の送信先のノードとして特定した後、処理情報を送信する。この結果、指定された成形・加硫工程用コントローラ21のみが処理情報を取り込み、メモリやハードディスク等の記憶装置に形成された処理ファイルに処理情報が格納される。また、同様の方法によって、カット・研磨工程2および検査工程3に関係する処理情報については、生産管理コントローラ22からデータ通信機能によりカット・研磨工程用コントローラ27および検査工程用コントローラ30にそれぞれ送信および格納される。
【0043】
そして、各工程用コントローラ21・27・30は、処理情報を読み出してモニター装置に画面表示し、処理情報の内容をライン作業者に報知する。また、各工程用コントローラ21・27・30は、所定のタイミングでのアクセスを必要とする第1の処理情報と、常時アクセスを必要とする第2の処理情報とに振り分け、第1の処理情報についてはデータ通信機能および第2の処理情報についてはデータ交換機能により下位層の装置コントローラ14〜20・26・29に対してデータ通信およびデータ交換を可能にする。
【0044】
この結果、成形・加硫工程1において、処理情報に対応したモールドや帆布等が準備され、処理情報に対応した加硫条件での加硫が行われることによって、伝動ベルト筒状体が作成される。そして、伝動ベルト筒状体毎に指図カードが添付される(1枚/スリーブ)。尚、指図カード120には、伝動ベルト37を特定するベルト情報がバーコードの形態で表記されている。この後、カット・研磨工程2において、伝動ベルト筒状体が処理情報に対応した幅に切り出されて研磨されることにより所望の伝動ベルト37が作成された後、検査工程3に搬送される。
【0045】
図1および図6に示すように、検査工程3に伝動ベルト37が搬送されると、先ず、検査完了スイッチ59の点灯がオペレータにより確認される(S1)。そして、検査完了スイッチ59が点灯していた場合には、ベルト検査装置40による検査が可能な状態であると判断される。そして、指図カード120がオペレータにより把持され、バーコードリーダ48で指図カード120のバーコードが読み取られるように操作される(S2)。
【0046】
バーコードがバーコードリーダ48により読み取られると、このバーコードのベルト情報が検査コントローラ29に送信される。この際、検査コントローラ29においては、データ入力待ち状態となっており(G1)、検査コントローラ29からのベルト情報を取り込み、タッチパネル47に画面表示する(G2)。さらに、ベルト情報を検査工程用コントローラ30を介して生産管理コントローラ22に送信し、生産管理コントローラ22の指図マスター部33からベルト情報に対応した検査規格および検査条件を返信させて獲得する。そして、この検査規格や検査条件を上述のベルト情報と共にタッチパネル47に画面表示する(G3)。
【0047】
次に、画面表示した検査条件中の検査重量が荷重付与機構64における現在の検査重量と異なる場合には、検査条件中の検査重量となるように荷重付与機構64を設定する。即ち、図5に示すように、持上げシリンダ101のシリンダロッド101aを上昇(進出)させることによって、全荷重部材92を持ち上げ、最上段の荷重部材92を位置決め板100に当接させることにより初期位置に位置決めする。そして、検査荷重となる荷重部材92の積層段数を求め、この積層段数に対応する支持シリンダ102を作動させる。この後、持上げシリンダ101のシリンダロッド101aを下降(後退)させることによって、積層段数よりも上側の荷重部材92を支持シリンダ102により初期位置に保持させながら、積層段数分の荷重部材92を下側当接板97で受け止めさせる。これにより、積層段数分の荷重部材92による検査荷重が棒状部材96およびロードセル104を介して第1連結機構86に付与される。そして、図3に示すように、第1連結機構86から従動プーリ昇降機構63に付与されることになる。また、この検査荷重がロードセル104により検出され、図1に示すように、タッチパネル47に画面表示される(G4)。
【0048】
さらに、画面表示した検査条件中のプーリ60・61間の軸間距離が現在の軸間距離と異なる場合、即ち、伝動ベルト37の周長が異なる場合には、検査条件中の軸間距離となるように従動プーリ昇降機構63を設定する。即ち、図3および図4に示すように、昇降モータ79を正回転または逆回転させることによって、ネジ部材75を回転させる。そして、このネジ部材75に螺合されたプーリ支持部材74を昇降させながら、プーリ支持部材74に設けられた目盛り読取センサ85でリニアスケール84の目盛りを読み取ることによって、プーリ支持部材74の昇降量を検出する。そして、軸間距離に対応した高さ位置に移動したときに、プーリ支持部材74の昇降を停止し、その旨等を画面表示して軸間距離の設定を完了する(G5)。
【0049】
上記のようにしてタッチパネル47にベルト情報や検査規格、検査情報等が画面表示されると、これらの情報がオペレータにより確認されることによって、指図カード120のバーコードがバーコードリーダ48で読み取れたことが確認される(S3)。尚、画面表示された検査重量が所望の検査重量でない場合のように、検査条件等を変更する場合には、オペレータがタッチパネル47等を操作して検査重量等の検査条件を手動で再設定する。そして、指図カード120がプリンタ49にセットされた後(S4)、オペレータの足元に設置されたプーリ昇降フットスイッチ58が踏み込まれて押圧される(S5)。
【0050】
プーリ昇降フットスイッチ58が押圧されると、このスイッチ58からの信号を受けた検査コントローラ29は、従動プーリ昇降機構63に対して従動プーリ61を上昇させるように制御する(G6)。即ち、図3に示すように、昇降シリンダ82のシリンダロッド82aを上昇(進出)させることによって、昇降部材81等のネジ駆動機構77を介してネジ部材75およびプーリ支持部材74を持ち上げ、プーリ支持部材74に支持された従動プーリ61を上昇させる。
【0051】
そして、従動プーリ61の上昇により両プーリ60・61の軸間距離が狭くなると、これらのプーリ60・61に検査対象となる伝動ベルト37を取り付ける。この際、オペレータは、プーリ昇降フットスイッチ58を踏み込むことで操作することができるため、両手で伝動ベルト37の取り付けを行うことができる(S6)。この後、プーリ昇降フットスイッチ58の押圧を解除することによって、昇降シリンダ82のシリンダロッド82aを下降(後退)させ、昇降シリンダ82による従動プーリ昇降機構63の持ち上げ状態を解除する。この結果、従動プーリ昇降機構63が第1連結機構86を介して接続された荷重付与機構64の検査荷重により下降することによって、両プーリ60・61に掛けられた伝動ベルト37に検査荷重の張力が付与されることになる。
【0052】
上記のようにして伝動ベルト37のセットが完了すると、図1に示すように、検査スタートスイッチ54が押圧される(S7)。検査コントローラ29は、検査スタートスイッチ54の押圧を検知すると、先ず、図3に示すように、伝動ベルト37により駆動プーリ60を所定の速度で回転させることによって、伝動ベルト37を低速度で走行させる(G7)。そして、センサ昇降装置113によりライドアウト測定器112を下降させ、ライドアウト測定器112の先端部を駆動プーリ60に掛けられた伝動ベルト37に当接させる(G8)。
【0053】
次に、伝動ベルト37が走行を開始してから1秒等の所定時間が経過すると、図1および図4に示すように、軸間距離測定機構65のリニアスケール84からの信号をマルチプレクサ110を介して取り込むことによって、軸間距離の測定を開始する。そして、伝動ベルト37が2回転したときの軸間距離の最大値と最小値とを求め、最大値の軸間距離および最小値の軸間距離の2倍値にプーリ周長をそれぞれ加えた値の平均値をPOC測定データとして求める。また、軸間距離の最大値と最小値との距離差を振れ測定データとして求める。さらに、POCを測定するための伝動ベルト37の2回転目の走行時において、ライドアウト測定器112からの信号を取り込み、測定値の最大値と最小値とを取得する。そして、これら測定値の最大値と最小値とを平均し、ライドアウト(RO)測定データとして求める(G9)。
【0054】
上記のようにして測定データが得られると、駆動プーリ60を停止して伝動ベルト37の走行を停止させる(G10)。そして、これら測定データを検査結果としてタッチパネル47に画面表示すると共に、検査規格に対する判定結果も画面表示する(G11)。
【0055】
オペレータは、タッチパネル47の表示画面から検査の終了を確認すると、検査停止スイッチ55を押圧する(S8)。そして、プーリ昇降フットスイッチ58を踏み込むことによって(S9)、従動プーリ61を上昇させる(G12)。そして、検査済みの伝動ベルト37を両プーリ60・61から取り外す(S10)。
【0056】
次に、取り外した伝動ベルト37に対してデジタルノギスからなる幅厚み測定器111を用いて幅および厚みを測定する。即ち、伝動ベルト37の幅を測定する場合には、幅厚み測定器111で伝動ベルト37の所定部分を挟み込み、幅読込用フットスイッチ52を踏み込むことにより幅測定値をマルチプレクサ110を介して検査コントローラ29に取り込ませる。また、伝動ベルト37の厚みを測定する場合には、幅厚み測定器111で伝動ベルト37の所定部分を挟み込み、厚み読込用フットスイッチ53を踏み込むことにより厚み測定信号をマルチプレクサ110を介して検査コントローラ29に取り込ませる(S11)。そして、タッチパネル47に伝動ベルト37の幅および厚みを画面表示させると共に、検査規格に対する判定結果も画面表示させる(G13)。
【0057】
この後、オペレータは、タッチパネル47を目視して検査結果を確認し(S11)、伝動ベルト37に対する全ての検査が終了したと判断したときに、検査完了スイッチ59を押圧する(S13)。そして、次の伝動ベルト37に対する検査の準備を行う。
【0058】
一方、検査コントローラ29は、検査完了スイッチ59の押圧を検知すると、検査結果等を検査工程用コントローラ30を介して生産管理コントローラ22に送信する(G14)。そして、生産管理コントローラ22において実績マスター部34に検査結果等を記録させる。検査結果等の全データの送信が完了すると、この旨をオペレータに報知するため、検査完了スイッチ59を点灯させる(G15)。そして、プリンタ49を作動させ、検査結果を指図カード120に印字させた後(G16)、一連の検査処理が完了したことをブザー51の鳴動によりオペレータに報知する(G17)。この後、次の伝動ベルト37の検査を行うため、バーコードのベルト情報の入力待ち状態となる(G1)。
【0059】
以上のように、本実施形態のベルト検査装置40は、伝動ベルト37に所望の検査荷重を付与して検査するものであり、伝動ベルト37の上側および下側がそれぞれ掛けられる駆動プーリ60および従動プーリ61と、駆動プーリ60を所定の高さ位置で支持しながら回転駆動するベルト駆動機構62と、従動プーリ61を回転自在に支持すると共に、この従動プーリ61を駆動プーリ60に対して上下方向に進退移動させることにより任意の高さ位置に位置決め可能な従動プーリ昇降機構63と、従動プーリ昇降機構63を上下方向に移動自在に支持すると共に、この従動プーリ昇降機構63に対して任意の検査荷重を付与可能な荷重付与機構64と、伝動ベルト37に対応した所望の検査荷重を従動プーリ昇降機構63に付与するように荷重付与機構64を設定する検査コントローラ29とを備えた構成にされている。
【0060】
具体的には、荷重付与機構64は、上下方向に複数段に分離自在に積層された複数の荷重部材92と、荷重部材92の積層段数分の検査荷重を従動プーリ昇降機構63に付与するように、最下段の荷重部材92に一端部が連結可能である一方、他端部が従動プーリ昇降機構63に接続された引張り機構93と、荷重部材92と引張り機構93との連結を解除して荷重部材92の全数を初期位置まで上昇させる持上げ機構94と、初期位置に上昇された荷重部材92の側方に配置され、任意の荷重部材92を上下方向に支持可能な荷重部材支持機構95とを有した構成にされている。また、検査コントローラ29は、所望の検査荷重の積層段数となるように支持対象の荷重部材92を求め、この荷重部材92を荷重部材支持機構95において支持させるように構成されている。そして、この構成によれば、所望の検査荷重を自動で設定できることから、従来のようにオペレータが特定の荷重部材をピン止めして検査荷重を設定する場合のミスを確実に防止することが可能になり、結果として充分に高い信頼性でもって検査を実施することが可能になる。
【0061】
また、本実施形態における荷重部材支持機構95は、図5に示すように、初期位置に上昇された各荷重部材92の側方に位置するように並列配置され、シリンダロッド102aの進出により荷重部材92を支持可能な支持シリンダ102を備えた構成にされている。これにより、支持シリンダ102を並列配置するという単純な構成で荷重部材支持機構95を組み上げることが可能になっている。尚、荷重部材支持機構95は、支持シリンダ102を並列配置する代わりに、1台の支持シリンダ102と、この支持シリンダ102を任意の高さ位置に昇降して位置決め可能なシリンダ昇降機構とを有した構成にされていても良い。この場合には、支持シリンダ102の数量を減少させることができるため、特に荷重部材92の積層数が多い場合に大幅なコストダウンを実現することができる。
【0062】
また、本実施形態における荷重付与機構64は、図7に示す構成にされていても良い。即ち、荷重付与機構64は、水やオイル等の流動体121を収容する容器部材122と、この容器部材122に対して流動体121を給排出可能な給排出機構123(バルブやポンプ等)とを有した構成にされていても良い。そして、この場合には、検査コントローラ29に、所望の検査荷重となる収容量で流動体121が容器部材122に収容されるように、給排出機構123に流動体121を給排出させる機能を持たせることによって、流動体121の収容量を調整することにより検査荷重を連続的に設定することが可能になる。また、ロードセル104の測定値に基づいて検査荷重を測定しながら流動体121の収容量を制御すれば、極めて正確に検査荷重を設定することが可能になる。
【0063】
【発明の効果】
発明は、ベルトに所望の検査荷重を付与して検査するベルト検査装置において、前記ベルトの上側および下側がそれぞれ掛けられる駆動プーリおよび従動プーリと、前記駆動プーリを所定の高さ位置で支持しながら回転駆動するベルト駆動機構と、前記従動プーリを回転自在に支持すると共に、該従動プーリを前記駆動プーリに対して上下方向に進退移動させることにより任意の高さ位置に位置決め可能な従動プーリ昇降機構と、前記従動プーリ昇降機構を上下方向に移動自在に支持すると共に、該従動プーリ昇降機構に対して任意の検査荷重を付与可能な荷重付与機構と、前記ベルトに対応した所望の検査荷重を前記従動プーリ昇降機構に付与するように前記荷重付与機構を設定する荷重制御装置とを備えており、前記荷重付与機構は、上下方向に複数段に分離自在に積層された複数の荷重部材と、前記荷重部材の積層段数分の検査荷重を前記従動プーリ昇降機構に付与するように、最下段の前記荷重部材に一端部が連結可能である一方、他端部が前記従動プーリ昇降機構に接続された引張り機構と、前記荷重部材と引張り機構との連結を解除して前記荷重部材の全数を初期位置まで上昇させる持上げ機構と、前記初期位置に上昇された荷重部材の側方に配置され、任意の荷重部材を上下方向に支持可能な荷重部材支持機構とを有し、前記荷重制御装置は、前記所望の検査荷重の積層段数となるように支持対象の荷重部材を求め、該荷重部材を前記荷重部材支持機構において支持させ、前記荷重部材支持機構は、前記初期位置に上昇された各荷重部材の側方に位置するように並列配置され、シリンダロッドの進出により前記荷重部材を支持可能なシリンダ装置である構成である。
【0064】
上記の構成によれば、所望の検査荷重を自動で設定できることから、従来のようにオペレータが特定の荷重部材をピン止めして検査荷重を設定する場合のミスを確実に防止することが可能になり、結果として充分に高い信頼性でもって検査を実施することができるという効果を奏する。
また、荷重部材支持機構を簡単な構成で実現することができる。
【0067】
本発明のベルト検査装置、前記検査荷重を検出するように前記従動プーリ昇降機構と前記荷重付与機構との間に設けられたロードセルと、前記ロードセルで検出された検査荷重検出値をオペレータに報知する報知装置とを有する構成である。これにより、自動設定した検査荷重をオペレータが確認することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ベルト検査システムのブロック図である。
【図2】生産管理システムのブロック図である。
【図3】ベルト検査装置を側面視した概略構成図である。
【図4】軸間距離測定機構および従動プーリ昇降機構の概略構成図である。
【図5】荷重付与機構の概略構成図である。
【図6】オペレータおよび検査コントローラの動作を示すフローチャートである。
【図7】荷重付与機構の構成を説明図である。
【符号の説明】
1 成形・加硫工程
2 カット・研磨工程
3 検査工程
21 成形・加硫工程用コントローラ
22 生産管理コントローラ
23 生産管理室
28 検査ステーション
29 検査コントローラ
30 検査工程用コントローラ
33 指図マスター部
34 実績マスター部
35 機器管理コントローラ
36 生産技術室
37 伝動ベルト
40 ベルト検査装置
41 検査装置本体
47 タッチパネル
48 バーコードリーダ
49 プリンタ
61 従動プーリ
62 ベルト駆動機構
63 従動プーリ昇降機構
64 荷重付与機構
65 軸間距離測定機構
77 ネジ駆動機構
80 駆動力伝達機構
86 第1連結機構
90 第2連結機構
95 荷重部材支持機構
104 ロードセル
110 マルチプレクサ
111 幅厚み測定器
112 ライドアウト測定器
113 センサ昇降装置
120 指図カード
121 流動体
122 容器部材
123 給排出機構

Claims (2)

  1. ベルトに所望の検査荷重を付与して検査するベルト検査装置において、
    前記ベルトの上側および下側がそれぞれ掛けられる駆動プーリおよび従動プーリと、
    前記駆動プーリを所定の高さ位置で支持しながら回転駆動するベルト駆動機構と、
    前記従動プーリを回転自在に支持すると共に、該従動プーリを前記駆動プーリに対して上下方向に進退移動させることにより任意の高さ位置に位置決め可能な従動プーリ昇降機構と、
    前記従動プーリ昇降機構を上下方向に移動自在に支持すると共に、該従動プーリ昇降機構に対して任意の検査荷重を付与可能な荷重付与機構と、
    前記ベルトに対応した所望の検査荷重を前記従動プーリ昇降機構に付与するように前記荷重付与機構を設定する荷重制御装置とを備えており、
    前記荷重付与機構は、
    上下方向に複数段に分離自在に積層された複数の荷重部材と、
    前記荷重部材の積層段数分の検査荷重を前記従動プーリ昇降機構に付与するように、最下段の前記荷重部材に一端部が連結可能である一方、他端部が前記従動プーリ昇降機構に接続された引張り機構と、
    前記荷重部材と引張り機構との連結を解除して前記荷重部材の全数を初期位置まで上昇させる持上げ機構と、
    前記初期位置に上昇された荷重部材の側方に配置され、任意の荷重部材を上下方向に支持可能な荷重部材支持機構とを有し、
    前記荷重制御装置は、
    前記所望の検査荷重となる積層段数となるように支持対象の荷重部材を求め、
    該荷重部材を前記荷重部材支持機構において支持させ
    前記荷重部材支持機構は、
    前記初期位置に上昇された各荷重部材の側方に位置するように並列配置され、シリンダロッドの進出により前記荷重部材を支持可能なシリンダ装置であることを特徴とするベルト検査装置。
  2. 前記検査荷重を検出するように前記従動プーリ昇降機構と前記荷重付与機構との間に設けられたロードセルと、
    前記ロードセルで検出された検査荷重検出値をオペレータに報知する報知装置とを有することを特徴とする請求項1に記載のベルト検査装置。
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